JPH10149888A - 照明用点灯装置及びその制御方法 - Google Patents

照明用点灯装置及びその制御方法

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JPH10149888A
JPH10149888A JP9154745A JP15474597A JPH10149888A JP H10149888 A JPH10149888 A JP H10149888A JP 9154745 A JP9154745 A JP 9154745A JP 15474597 A JP15474597 A JP 15474597A JP H10149888 A JPH10149888 A JP H10149888A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高周波駆動の安定回路においては、動作遅延に
よる駆動周波数のばらつきが大きかった。本発明の課題
は、共振電流に同期した安定な動作を保証することであ
る。 【解決手段】上記課題の解決は、逆電流を阻止しない機
能を有するパワー半導体素子のスイッチングに応じて、
放電管と誘導性、及び容量性素子を備えた共振手段に交
流電圧を供給する照明用点灯装置において、前記パワー
半導体素子に流れる正逆電流を積分する積分手段と、前
記パワースイッチング素子のオフ期間に応じて前記積分
値を減少させる放電手段と、前記積分値に応じて前記パ
ワー半導体素子をオン,オフさせる駆動手段を備えるこ
とで達成できる。 【効果】本発明によれば、照明用点灯装置において高周
波の負荷電流に同期した安定な共振動作を保証すること
が出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放電管の点灯回路に
おける駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、放電管(例えば、蛍光灯)では、
インバータを用いた点灯回路により直流電圧を高周波交
流電圧に変換して、この高周波交流電圧を放電管を含む
共振負荷回路に印加する方式が増えている。共振負荷回
路には共振周波数を設定する共振インダクタ及び共振コ
ンデンサが含まれている。こうした点灯回路は、直流電
源の正負極間にハーフブリッジ構造に接続された2つの
パワー半導体スイッチング素子からなるインバータ回路
で、上記の高周波交流電圧を共振負荷回路の両端に印加
する。共振手段を流れる電流はインバータの動作周波数
を変えることによって制御する。ここで、2つのパワー
半導体素子を交互にオン,オフさせるスイッチング周波
数をf、上記共振インダクタとコンデンサで決まる共振
周波数をfoとすれば、foに対してfが一定でなけれ
ばランプ電流が変化し、放電管の発光が不安定になる。
スイッチング素子の駆動周波数を安定化させる第一の従
来例として、特開平8−37092号に開示されるような駆動
装置がある。この駆動装置は、1)所望する周波数の方
形波を発生するタイマ回路、2)インバータの2つのパ
ワー半導体スイッチング素子をタイマ回路からの駆動信
号に応じて各々駆動するハイサイド,ローサイドの駆動
回路、3)2つのパワー半導体スイッチング素子が同時
導通を防止するハイサイドのデッドタイムディレイ回
路、ローサイドのデッドタイムディレイ回路、及び4)
ローサイドのコモン電位を基準とする信号をハイサイド
のコモン電位を基準とする信号に変換しタイマ回路から
の駆動信号をハイサイド側に伝達するためのレベルシフ
ト回路を備えることが特徴であり、これらの回路を1つ
の集積回路に内蔵する。上記従来例では、スイッチング
素子をタイマ回路の周波数に応じて駆動し、この周波数
は基本的にランプの共振電流とは非同期である。また、
ランプを流れる共振電流に同期したスイッチングを行う
第二の従来例として、特開平8−9655 号に開示されるよ
うな制御回路がある。この制御回路は、パワー半導体ス
イッチング素子が具備する環流ダイオード(逆電流を阻
止しない機能を果たす)の両端電圧を検知してパワー半
導体スイッチング素子をオンさせ、パワー半導体スイッ
チング素子の電流を積分器によって積分し、この値が基
準値よりも高い場合に素子をオフさせる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記第一の従来例で
は、タイマ回路,レベルシフト回路,デッドタイムディ
レイ回路はそれぞれ、素子特性のばらつき或いは温度上
昇により発振周波数のずれや動作遅延が予想される。特
に、近年報告された無電極ランプでは、周波数を数MH
zまで高くして高周波交流電流により高周波磁界を発生
させ、この磁界でランプ管内のプラズマを維持させる方
法で放電管の発光を制御しており、こうした数MHzの
共振型インバータになると発振周波数のずれや動作遅延
が無視できない。すなわち0.1μs の遅延時間がある
場合を仮定すると、この動作遅延は通常の50kHzの
駆動周波数を用いる安定器に対しては1波長の0.5%
にすぎないが、2Mhzの無電極ランプに対しては1波
長の20%にも達する。このように、数MHzの高周波
共振型インバータを従来の方法で制御すると、動作遅延
による駆動周波数のばらつきが相当大きくなるという問
題がある。
【0004】点灯装置の場合、インバータのスイッチン
グ周波数fと共振インダクタと共振コンデンサで決まる
共振周波数foの間には図2に示すような関係があり、
共振点での動作(f=fo)を境にしてf>foを遅れ
位相、f<foを進み位相と呼ぶ。遅れ位相であって
も、進み位相であっても共振回路の電流ILは共振点で
の値に比べて減少する。そこで、インバータは共振点付
近で動作させたいが、進み位相になるとインバータを貫
通する電流が流れる問題が起きる。
【0005】インバータのパワー半導体スイッチング素
子をQ1,Q2、それぞれが内蔵する環流ダイオードを
QD1,QD2とし、Q1とQ2の接続位置から取り出
す出力電圧をVoとすれば、進み位相とはVoの波形に
対して共振電流ILの波形が位相ψだけ進んでいる状態
である。進み位相の場合、1サイクルの動作としてQ1
のオン期間に共振電流ILが正から負に切り替わり、電
流はQD1を流れる。次に制御回路がQ1をオフさせ逆
にQ2をオンさせると、その以前に順方向電流を流して
いたQD1には急に逆電圧が印加される。この結果、Q
D1内部に蓄積された電子と正孔(以後、残留キャリア
と呼ぶ)が排出され、QD1にはカソードからアノード
の向きに逆電流(以後、逆回復電流と呼ぶ)が流れる。
この電流はQ2を通って流れ、インバータにとっては貫
通電流となる。残留キャリアが排出される時間はダイオ
ードの逆回復時間として素子の仕様に記載されており、
高速ダイオードと呼ばれる逆回復時間の短い素子でも
0.05〜0.1μsである。数MHzの共振型インバー
タを共振点付近で動作させる場合、スイッチング周波数
のばらつきによって進み位相が生じる可能性が高く、周
波数も高いため貫通電流による損失は点灯装置の熱的な
動作限界を決める要因となる。
【0006】上記第二の従来例では、パワースイッチン
グ素子に並列に設けられたダイオードの電圧を検知して
スイッチング素子を駆動することから、遅れ位相での動
作が保証される。後述するように、放電管の起動時には
点灯時に比べて大きな電流を必要とするが、放電管を流
れる共振電流が増えると、前述の積分値が基準値に達す
るまでの時間が早くなり、この結果としてスイッチング
素子の駆動周波数が高くなる。一方、図2に示すように
遅れ位相ではスイッチング素子の駆動周波数を高くする
ほど、共振電流は減少する特性を持つ。このため、起動
時の大きな電流が得られないという問題がある。
【0007】本発明の目的は、数MHzの動作周波数も
考慮した放電管の点灯変換装置において、共振電流に同
期した安定でかつ進み位相を防止した動作を保証し、更
に放電管を起動から点灯まで制御可能な点灯装置を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決は、逆電
流を阻止しない機能を有するパワー半導体素子のスイッ
チングに応じて、放電管と誘導性、及び容量性素子を備
えた共振手段に交流電圧を供給する照明用点灯装置にお
いて、前記パワー半導体素子に流れる正逆電流を積分す
る積分手段と、前記パワースイッチング素子のオフ期間
に応じて前記積分値を減少させる放電手段と、前記積分
値に応じて前記パワー半導体素子をオン,オフさせる駆
動手段を備えることで達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を用いて説
明する。図1は本発明の第1の実施例を示す回路図であ
る。図1においてハーフブリッジ構成に接続されたQ
1,Q2はパワ−MOSFETであり、電流を入力するドレイ
ン端子、電流を出力するソース端子、及び制御電圧を印
加或いは除去されるゲート端子を備え、ゲ−ト端子に制
御電圧を印加或いは除去されることによりドレイン,ソ
ース間に流れる電流を通流、或いは遮断する。MOSFETは
ソース端子からドレイン端子に向かう方向にダイオード
を内蔵しており、以後Q1が内蔵するダイオードをQD
1,Q2が内蔵するダイオードをQD2とする。
【0010】Q1のドレイン端子は主電源17の正極と
接続し、Q1のソース端子とQ2のドレイン端子間には
コンデンサC1を接続し、C1とQ2の接続箇所をイン
バータの出力端子Oとする。コンデンサC1には並列に
放電手段13を接続する。放電手段の具体的な構成は後
述するように抵抗、或いは制御信号に応じて内部抵抗が
変化するMOSFETなどがあげられる。また、Q2のソース
端子と電源17の負極の間にはコンデンサC2を接続
し、C2と電源17の負極の接続箇所をNと呼ぶ。C1
と同様にコンデンサC2にも並列に、放電手段14を接
続する。出力OとNの間には共振用インダクタLr,共
振用コンデンサCrを直列に接続し、Crには並列に負
荷として放電管(或いは蛍光ランプ)18を備える。L
r,Cr及び放電管21を備えた共振回路は図1に図示
した構成に限定するものではなく、例えば放電管18が
Lrに並列な構成でも良い。コンデンサC1及びC2の
容量は、共振用コンデンサCrに比べて数十倍以上に大
きければ、C1,C2をCrに合成した値は、ほぼCr
に等しくなるため、共振電流に与える影響はほとんどな
い。
【0011】次に、ハイサイド側の駆動回路11を説明
する。11の電源は出力端子Oを基準とする電源15で
あり、電源15の正電極と負電極の間には素子1と2か
らなるCMOSインバータを供え、その出力をQ1のゲ
ートに接続する。CMOSインバータは素子1がオンす
ると(この時2はオフ)Q1のゲート端子に電圧を印加
させる電流を流し、素子2がオンすると(この時1はオ
フ)Q1のゲート端子に充電された電荷を放電させる電
流を流す。1と2からなるCMOSインバータの制御端
子にはNAND回路5から信号を与える。コンデンサC
1の電圧は、比較器6によって出力端子Oを基準とする
基準電圧Vref1と比較され、比較器6の出力をNAND
回路5に入力する。比較器6には正の電源を15から供
給する。また、電源15の両端子間には、抵抗R1とス
イッチS1を直列接続した起動停止手段を備え、R1と
S1の接続箇所からNAND回路5の入力に接続する。
図1ではS1をオフにすれば起動であり、S1をオンに
すれば停止にあたる。
【0012】次にローサイド側の駆動回路12を説明す
る。駆動回路12は、ハイサイド側の駆動回路11と同
様な構成であり、12の電源は端子Nを基準とする電源
16であり、電源16の正電極と負電極の間には素子3
と4からなるCMOSインバータを供え、その出力をQ
2のゲートに接続する。3と4からなるCMOSインバ
ータの制御端子にはNAND回路7から信号を与える。
コンデンサC2の電圧は、比較器8によってN点を基準
とする基準電圧Vref2比較され、比較器8の出力をNA
ND回路7に入力する。尚、ハイサイドの基準電圧Vre
f1ローサイドの基準電圧Vref2は、等しい電圧値が望ま
しい。電源16の両端子間には、抵抗R2とスイッチS
2を直列接続した起動停止手段を備え、R2とS2の接
続箇所からNAND回路7の入力に接続する。S1と同
様にS2をオフにすれば起動であり、S2をオンにすれ
ば停止にあたる。
【0013】次に、この照明用点灯装置の動作を図3と
図4を用いて説明する。図3は図1の実施例における各
部の波形を表す。放電管18は、MOSFETQ1,Q2とL
r,Crを用いた電流共振回路によって高周波の電流が
供給される。共振回路の電流ILを図1でO点から流れ
出る方向を正として定義すると、電流ILの1周期の間
にはQ1,Q2、及びQD1,QD2に関わる動作モー
ドが4つあり、これらの期間を図3にt1からt4とし
て示す。また、各動作モードにおける点灯装置の動作を
図4に示す。以後、図3と図4を用いて各動作モードを
説明する。
【0014】モード1(t1期間)図4(a)でQ1が
オンするとO−N間に主電源17の電圧が印加されQ
1,C1,Lr,Crの経路で電流ILが流れる。電流
ILはCrを充電すると共に、一部が放電管18に分流
して流れる。また、ILによってコンデンサC1は充電
されるが、以後、C1の電圧をVc1と表す。Vc1は比較
器6によって基準電圧Vref1と比較される。Vc1がVre
f1に達すると、比較器6の出力はHighからLow に変化す
る。この出力をNAND回路5で受けて、CMOSインバー
タの素子2がオンしてQ1のゲート電圧を放電し、Q1
はオフする。尚、図3でVc1がVref1に達した後、素子
2によってQ1がオフするまでの遅延時間をtdoffとす
る。
【0015】電流ILは図3に示すように、LrとCr
によって正弦波状の波形になるが、Vc1の充電電圧を検
知してQ1をオフする本方式では、Vc1が充電中、即ち
電流ILの極性が正の期間中にQ1がオフすることが特
徴である。
【0016】ここまでの動作がモード1であり、コンデ
ンサC2はモード1の期間中、放電手段14によって放
電されている。C2の電圧を以後Vc2と表すと、Vc2は
図2に示すようにモード1期間中に徐々に減少する。
【0017】モード2(t2期間)Q1がオフした時点
では電流ILは正の極性で値を有しており、この電流は
図4(b)でLr,Cr,C2,QD2の経路で流れ続
ける。尚、電流ILの一部は放電管18に分流して流れ
る。
【0018】電流ILはC2を逆充電するように作用
し、Vc2はモード1終了時刻より更に減少する。Vc2が
Vref2の値以下になると、比較器8の出力はLow からHi
ghに変化し、この出力をNAND回路7で受けて、CM
OSインバータの素子3がオンしてQ2のゲート電圧を
充電する。但し、図3でVc2がVref2に達した後、素子
3によってQ1がオンするまでの遅延時間をtdon とす
る。また、モード2期間中の電流極性はQ2にとって逆
方向であり、図3に示すようにゲート電圧が充電されて
も電流の極性が変わらない限り、電流はQD2を流れ続
ける。電流ILの極性が負に変化するまでの期間がモー
ド2であり、この期間中、C2の逆充電は続きVc2は減
少する。
【0019】コンデンサC1はモード2の期間中、放電
手段13によって放電されており、Vc1はモード2期間
中に徐々に減少する。
【0020】モード3(t3期間)電流ILの極性が正
から負に変わると、モード2でゲート電圧が充電された
Q2にILが流れる。即ち、ILは図4(c)のよう
に、Crの放電電流としてQ2,C2,Cr,Lrの経
路で流れ、C2はILによって充電される。Vc2は比較
器8によってVref2と比較される。ILによってVc2が
増加しVref2に達すると、比較器8の出力はHighからLo
w に変化し、この出力をNAND回路7で受けて、CM
OSインバータの素子4がオンしてQ2のゲート電圧を
放電し、tdoffの遅延時間の後、Q2はオフする。モー
ド3においてもモード1と同様に、電流ILの極性が負
の期間中にQ2がオフする。
【0021】ここまでの動作がモード3であり、コンデ
ンサC1はモード3の期間中、放電手段13によって放
電されており、Vc1はモード3期間中に徐々に減少す
る。
【0022】モード4(t4期間)Q2がオフした時点
では電流ILは負の極性で値を有しており、Lrに蓄積
された電磁エネルギーによって、電流ILは図4(d)
のように、Lr,C1,QD1,主電源17,Cr,L
rの経路で流れ続ける。尚、電流ILの一部は放電管1
8に分流して流れる。
【0023】電流ILはC1を逆充電するように作用
し、Vc1はモード3終了時刻より更に減少する。Vc1が
Vref1の値以下になると、比較器6の出力はLow からHi
ghに変化し、この出力をNAND回路5で受けて、CM
OSインバータの素子1がオンしてtdon の遅延時間の
後、Q1のゲート電圧を充電する。但し、モード4期間
中の電流極性はQ1にとって逆方向であり、ゲート電圧
が充電されても電流の極性が変わらない限り、電流はQ
D1を流れ続ける。電流ILの極性が正に変化するまで
の期間がモード4であり、この期間中、C2の逆充電は
続きVc1は減少する。また、コンデンサC2はモード4
の期間中、放電手段14によって放電されており、Vc2
はモード4期間中に徐々に減少する。
【0024】電流ILの1周期の間にモード1からモー
ド4の動作が行われ、以後、この動作を繰り返す。
【0025】本実施例の動作によれば、 1)Q1,Q2のスイッチングは電流ILの極性が切り
替わる以前に行われ、遅れ位相の動作が保証される。即
ちQ1がオンする以前のモード4では、ダイオードQD
1に電流が流れておりローサイドのQD2には既に逆電
圧が印加されているため、進み位相の問題であったQD
2の逆回復電流は流れない。
【0026】2)遅延時間tdon は動作に影響を及ぼさ
ない。即ち、Q1の場合、モード4期間中にtdon ゲー
ト電圧の印加が遅れても、Q1に実際に電流が流れるの
はモード1であるから影響はない。一方、tdoffの影響
はQ1,Q2のオフが遅れる結果、Vc1,Vc2が基準電
圧を越えて充電される結果を招く。しかしながら、Vc1
の場合はモード2及び3の期間に放電手段13によって
減少する。同様にVc2もモード4及び1の期間に放電手
段14によって減少する。後述する図7に示すように、
Q1,Q2の動作周波数を満足するように放電手段の値
を決めれば、遅延時間tdoffの影響を補償することがで
きる。
【0027】3)放電手段は、点灯装置の起動時に動作
周波数を遅くして共振電流を増加させる働きがある。
【0028】3)の起動時の動作について詳しく述べ
る。図3において第1周期の電流をIL1とすると、Q
1及びQD1に電流が流れていないモード2及び3の期
間にVc1の電圧は放電手段13よってΔV1だけ減少す
る。次に、モード4においてQD1に流れる電流を積分
し、その値をVc1から減算すると、モード4終了時のV
c1(第2周期のモード1開始時におけるVc1等しい)は
ΔV1の分だけ第1周期のモード1開始時におけるVc1
より減少する。次に、第2周期に入り、モード1におい
て電流ILを積分した値をVc1に加算するが、開始時の
電圧が異なるためVc1が基準電圧Vref1に達するまでの
時間は第1周期に比べて長くなる、即ち、周波数が遅く
なる。遅れ位相において点灯装置の周波数が遅くなる
と、電流ILは図2の共振特性に示すように増加する。
また、この周期のモード2,3において放電手段13に
より減少する電圧ΔV2は周波数が遅くなった分だけΔ
V1より大きい。
【0029】以上の動作を繰り返し行うが、同じ動作が
Vc2に対しても起こり、周期を重ねる毎に動作周波数は
少しずつ遅くなり、共振電流は図2に応じて増加する。
【0030】図5には以上の動作原理に基づいて、放電
管を起動から点灯に制御する期間の電流波形を示す。こ
の図で、電流が1周期毎に増加していることが分かる。
放電管が点灯すると、その等価抵抗が変化するため、図
2に示すように同じ動作周波数に対する共振電流が減少
する。放電管が点灯した後は、駆動周波数に対する電流
の変化が点灯前に比べて緩やかになるため、起動時とは
異なり、周波数がわずかに変化しても電流は一定に保た
れる。
【0031】放電手段は上記2)及び3)のような働き
を持つが、更に、点灯時において電流が減少した場合
に、これを正常値に復帰させる働きも有する。
【0032】図6には、電流ILが減少した場合の説明
図を示す。図6ではモード1において電流が減少した場
合であり、電流ILの減少によってC1の電圧Vc1がV
ref1に達するまでの時間が長くかかる、即ち、モード1
の期間が伸びることになる。この期間をt1で表す。
【0033】電流が正の半周期に対してQ1の導通期間
が伸びれば、その反対に次のモード2ではダイオードQ
D2を電流が流れる期間が減少する。この期間をt2で
表す。前述のように、モード2では、QD2を流れる電
流ILでC2の電圧Vc2が逆充電されるが、モード1の
影響でQD2の導通期間が減少するとVc2の減少が抑制
される。
【0034】次のモード3開始時刻では、Vc2が正常時
に比べて高く、電流ILがQ2を流れ始めると、C2は
この電流で充電されて早くVref2に達する。つまり、モ
ード3の期間が短くなり、電流ILの負値も減少する。
この期間をt3で表す。
【0035】モード3でQ2の導通期間が短くなるた
め、その反対に次のモード4ではダイオードQD1電流
が流れる期間が増加する。この時、C1は電流ILで逆
充電され、図6に示すように電圧Vc1は前の周期に比べ
て低い値まで減少する。この期間をt4で表す。ここま
でが電流が減少した後の1周期である。
【0036】次の周期のモード1に入ると、前モードに
おける電圧Vc1が低い為、C1が電流ILで充電されV
c1が基準電圧Vref1に達するまでの時間が長くなる。こ
の期間をt5で表す。
【0037】次のモード2の期間をt6とすると、t4
からt5までの期間中にC2は放電手段14によって放
電されており、この期間は前の周期に比べて長い。この
ため、t6期間の終了時におけるVc2はt3開始時にお
ける値に比べて低くなる。また、モード3のt5期間は
長くなり、電流ILは増加に向かう。
【0038】本発明の点灯回路によれば、電流が急に減
少しても、次の周期ではt5,t6の期間が長くなり、
周波数を低下して電流を増加させる働きがある。この動
作を繰り返し、定常電流に復帰すると、その後は周波数
は一定になる。即ち、本方式の点灯回路は、電流の変動
に対してスイッチ素子の駆動周波数と1周期に対するオ
ン,オフの比率(デューティ)をそれぞれ、共振の各周
期毎に自動的に調整して、電流を安定化させることが特
徴である。図7には放電手段13,14にそれぞれ値の
等しい抵抗を用いた場合に、放電抵抗と負荷電流IL、
及びQ1,Q2の駆動周波数に係わる関係を示す。この
図は図1の実施例において、放電手段13と14以外の
回路定数は等しいという条件で計算した値である。図7
から放電抵抗を大きくすると、コンデンサC1或いはC
2と放電抵抗で決まる電圧の時間的な減少が小さくなり
図3に示したΔVが減少する。この結果として、駆動周
波数は増加し、図2の共振特性から負荷電流は減少する
ことが分かる。
【0039】照明用点灯装置においては負荷電流を変え
て調光を行うが、本発明によれば図7の関係から、放電
手段の値を制御して、負荷電流を変化させ調光を実現す
ることができる。この調光に関して後ほど述べる。
【0040】次に、図1の実施例の起動と停止方法につ
いて説明する。
【0041】起動法はS1,S2が共にオンしている状
態から、最初にS1に信号を印加してS1をオフさせ
る。Q1がオンすると共振回路に電流ILを供給し、モ
ード1の動作で述べたようにC1の充電に従って、Q1
はオフする。次に、モード2が開始されC2の電圧はV
ref2以下になるが、S2がオンであればNAND回路7
の出力はQ2のオフを維持する。ここで、重要なことは
C1の電圧は放電手段13の作用で減少するため、Vc1
がVref1に達する前にS2をオフさせる信号を与えるこ
とである。
【0042】もしVc1がVref1以下に減少した後でS2
をオフすると、Q1とQ2が同時にオンする短絡状態と
なる。図1の実施例はQ1とQ2が同時にオンすると、
これらの素子を貫通して流れる短絡電流によってC1と
C2が共に基準電圧以上に充電され、両素子はオフす
る。即ち、短絡電流は安全にカットされるが負荷への電
流供給も遮断される。これを避けるため、Vc1がVref1
に達してQ1がオフするとモード2でC2は逆充電され
るので、C2の逆充電電圧を検知してS2をオフする。
その後は、前述のモード3で電流は流れる。動作を停止
させるには、スイッチS1及びS2をオンさせてNAN
D回路5,6の出力をHighにすれば良い。ここで、スイ
ッチS1をオンオフするには、ローサイドのコモン電位
を基準とする信号をハイサイドのコモン電位を基準とす
る信号に変換しハイサイド側に伝達する必要がある。こ
のように、電位の異なる箇所に信号を伝達するためには
レベルシフト手段が必要であり、フォトカプラやパルス
トランスが一般的に用いられる他、最近では高耐圧の集
積回路で構成されたレベルシフト回路も普及しつつあ
る。フォトカプラやパルストランスは部品の実装体積が
大きくなるが、高耐圧のレベルシフト回路はハイサイド
及びローサイドの駆動回路と共に半導体集積回路に内蔵
することが可能であり、装置の小型化に有効である。し
かしながら、集積回路内部ではハイサイド側の回路とロ
ーサイド側の回路が電気的に干渉することを防ぐ為に素
子間の高耐圧分離が必要となる。この素子間分離は集積
回路を作る上で製造プロセスを複雑にする他、チップ面
積を増加させるため集積回路のコストを高くする。そこ
で、これらの問題点を解決する第2の実施例を図8に示
す。
【0043】図8の実施例で主回路の構成は図1と同様
であるため、説明を省略する。ハイサイド側の駆動回路
11は電源がコンデンサCtであり、Q2をオンさせて
N点を基準とする駆動用電源16からダイオードDを介
して充電する。この方法はブートストラップ方式と呼ば
れ、米国特許USP4,316,243号に記載されている。Ctの
正電位と負電位間には素子1と2を用いたCMOSイン
バータ,比較器6,NAND回路5,遅延手段10,比
較器9、及び抵抗R3,R4の直列接続を備える。
【0044】CMOSインバータの出力はQ1のゲート
に接続し、CMOSインバータの制御端子にはNAND
路5から信号を与える。NAND回路5は比較器6及び
遅延手段10を介した比較器9の信号が入力信号であ
る。比較器6は図1と同様にコンデンサC1の電圧と基
準電圧Vref1比較する。比較器9はコンデンサCtの電
圧を抵抗R3とR4で分圧し、R4の電圧と基準電圧V
ref3を比較する。遅延手段10は比較器9の出力を所望
する時間だけ遅延させてNAND回路5に伝える。
【0045】比較器9はヒステリシスを持つ特性が望ま
しく比較器の出力がLow からHighに変化するための基準
電圧をVCLH 、逆にHighからLow に変化するための基準
電圧をVCHL とする。ここでは、コンデンサCtの電圧
を抵抗R3とR4で分圧された電圧が基準電圧Vref3V
CLHより高い場合に比較器の出力はHighとなることに
し、VCHL<VCLHの関係を設定する。
【0046】ローサイド側の駆動回路12は、N点を基
準とする駆動用電源16を供え、16の正電位と負電位
間には素子3と4を用いたCMOSインバータ,比較器
8,NAND回路7,比較器10、及び図1に示した抵
抗R2とスイッチS2を直列接続した起動停止手段を備
える。CMOSインバータの出力はQ2のゲートに接続
し、CMOSインバータの制御端子にはNAND路7か
ら信号を与える。NAND回路7は比較器8及び起動停
止手段が入力信号である。比較器8はコンデンサC2の
電圧と基準電圧Vref2を比較する。
【0047】次に、図8の実施例の起動法について述べ
る。ここでキャパシタC1,C2,Ct、及びCrは初
期電圧がいずれも0Vであると仮定する。また、Q2の
ゲートソース間容量をCgs2とすれば、Cgs2≪C2の関
係になるようC2を選ぶ。同様に、Q1のゲートソース
間容量をCgs1とすれば、Cgs2≪C1の関係になるよう
C1を選ぶ。
【0048】始めに、S2をオフにするとC2の電圧V
c2がVref2以下であれば、比較器8の出力とS2の出力
によってCMOSインバータの素子3がオンし、Q2の
ゲート電圧を充電する。Cgs2≪C2 の関係から電源1
6の電圧はほぼ全てがQ1のゲートソース間に印加され
る。Q2にゲート電圧が与えられても、負荷の共振回路
の電流は流れない。一方、電源16からダイオードD,
コンデンサCt,Q2及びC2を流れる経路で電流が流
れ、CtとC2をそれぞれ充電する。ここで、電源16
の電圧はCtとC2に分圧されるが、C2に分圧される
電圧Vc2はVref2以上になるように、また、Ctに分圧
される電圧Vctは前述のVCLH 以上になるようにCtの
容量を選ぶ。この結果、比較器8はVc2がVref2を越え
ることを検知してQ2をオフさせる信号をNAND回路
7に伝達する。
【0049】Ctの電圧VctがVCLH 以上になると、比
較器9がこれを検出し、その結果は遅延手段10を経て
NAND回路5に伝達される。C1の初期電圧は0Vで
ありこの値がVref1より低ければ、NAND回路5では
Q1をオンさせる条件が揃う。ここで重要な点は遅延手
段10を備えることであり、Q2のオフ以前にQ1がオ
ンすることを防止するため、比較器9の出力に所定の遅
延時間を加える。
【0050】Q1がオンすると、図3,図4で述べたモ
ード1と同じ動作が開始される。この説明は前述の通り
であり、ここでは説明を省略する。モード1が終了しモ
ード2に移ると、QD2を流れる電流ILによってC2
は逆充電されるが、同時にN点を基準とするO点の電圧
VOは、QD2の電圧(極性は負)とC2の電圧Vc2の
和になり、この電圧は電源16に比べて低いため、電源
16からダイオードD,コンデンサCt,QD2及びC
2を流れる経路で電流が流れ、ハイサイド側の電源にあ
たるCtを充電する。C2はこの電流で充電されなが
ら、同時に電流ILで逆充電される状態にあり、ILが
Ctの充電電流よりも大きいと仮定すれば、Ctだけが
充電される。
【0051】図8の実施例でハイサイド側の駆動回路1
1は、図1の実施例とは異なり外部から起動,停止に関
わる信号を入力する必要がない。図8の実施例では、ロ
ーサイド側Q2の動作に応じて電源コンデンサCtが所
定の値以上に充電されている限り、前述のモード1から
4の動作を継続する。停止方法は、ローサイド側駆動回
路12のS2に停止信号を与え、Q2のオフ状態を持続
することにより行うことができる。即ち、Q2のオフが
持続すればCtへの充電が停止し、Ctの充電電圧は徐
々に減少する。Ctの充電電圧が基準電圧Vref3以下に
なれば比較器9によってQ1はオフされる。
【0052】このように、図8の実施例ではハイサイド
側の駆動回路11にレベルシフト手段を必要としない。
そこで、駆動回路11と駆動回路12はそれぞれ別々
に、低耐圧の半導体集積回路として実現することが可能
である。この実施例によれば、前述のようにレベルシフ
ト回路を内蔵する高耐圧の半導体集積回路に比べてコス
トを低くすることができる。
【0053】図1及び図8の実施例では、主に負荷電流
ILが数MHzの高周波点灯装置を対象として説明を述
べたが、これらの実施例は50kHz程度の周波数を扱
う通常の蛍光灯点灯装置にも適用できる。但し、この場
合には図3に示した遅延時間tdon,tdoff が1周期の
期間に比べて無視できるほど小さい。即ち、Vc1或いは
Vc2が基準電圧Vref1或いはVref2に達すると、その直
後にQ1,Q2はそれぞれオフされる。次に放電手段1
3或いは14によってVc1,Vc2がそれぞれ減少し始め
ると、これらは直ぐに基準電圧以下になりQ1,Q2が
再度、オンすることになる。このような動作を避けるた
めには、基準電圧がヒステリシスを持っていることが望
ましい。
【0054】図9には比較器6にヒステリシスコンパレ
ータを用いた実施例を示す。この図ではハイサイド側の
みを示したが、ローサイド側の比較器8にも同様にヒス
テリシスコンパレータを用いる。比較器6以外は図8と
同じ構成であり、説明は省略する。比較器6のヒステリ
シス特性は、比較器の出力がLow からHighに変化するた
めの基準電圧をVLH、逆にHighからLow に変化するため
の基準電圧をVHLとし、VHL>VLHの関係を持たせる。
VLHとVHLはいずれも、比較器6の出力に応じて基準電
圧Vref1を切り替えて作る。
【0055】図10にヒシテリシスコンパレータを用い
た場合の動作を示す。この図で、t1期間のモード1に
おいては、Vref1の値はVHLにある。そしてVc1がVHL
に達すると、比較器6の出力はHighからLow に変化し、
この時Vref1はVHLからVLHに切り替わる。次にt2期
間のモード2では、図3と同様に放電手段13によって
Vc1は減少するが、この時、Vc1が先のVHL以下に減少
しても影響は無く、VLH以下にならない限り比較器6の
出力は変化しない。電流ILはC2を逆充電するように
流れ、Vc2がVref2の値であるVLH下になると、比較器
8の出力はLow からHighに変化し、この出力をNAND
回路7で受けてQ2のゲート電圧を充電すると共に、V
ref2はVLHからVHLに切り替わる。次のモード3におい
てC2はILにより充電され、Vc2は比較器8によって
モード2でVHLに切り替わったVref2と比較される。そ
して、Vc2が増加しVHLに達すると、比較器8の出力は
HighからLow に変化し、Q2はオフすると共に、Vref2
は以後、VHLからVLHに切り替わる。次にモード4に移
り、電流ILがC1を逆充電してVc1がVref1の値であ
るVLH以下になると、比較器6の出力はLow からHighに
変化し、Q1のゲート電圧を充電する。また、比較器6
の出力変化によってVref1はVLHからVHLに切り替わ
り、始めの状態に戻る。
【0056】以上に述べたように、比較器6,8にヒス
テリシスコンパレータを用いれば、放電手段13或いは
14によってVc1,Vc2が減少しても、t3又はt1の
終了時刻における値がVLH下にならないよう設定するこ
とによってQ1,Q2は正常な動作を保証できる。
【0057】図1の実施例ではハイサイド側回路11の
コモン電位を出力Oにしている。このため、素子2がオ
ンするモード2では、Q1のターンオフを高速化する利
点がある。即ち、素子2がオンした直後は、Q1のゲー
ト、ソース間に充電された電圧が素子2に印加され、素
子2の電流は大きいが、Q1のゲート電圧が減少し零に
近づくほど、電流能力が低下する。これに対してハイサ
イド側回路11のコモン電位を出力Oに接続していれ
ば、電圧Vc1素子2に印加されターンオフの最後まで電
流能力が維持される。ターンオフの後は、Vc1電圧がQ
1のソース,ゲート間に逆バイアスとして印加されるた
め、ノイズによってQ1が瞬間的にオンするようなこと
はなく、安定なオフを確保できる。
【0058】一方、モード1においてQ1のゲート,ソ
ース間に印加される電圧は電源15の電圧とVc1差電圧
であり、Vc1が増加するほどQ1のゲート電圧が減少す
る。この結果、Q1のオン抵抗が増えるという欠点もあ
る。特に、駆動周波数が数十kHz程度の用途で、Q
1,Q2のスイッチング損失よりも定常損失の方が大き
い場合に対してはQ1のオン抵抗を増加させないよう十
分なゲート電圧を印加する方が望まれる。このような場
合には、図11の実施例に示すように比較器6の接続法
を変えることが望ましい。
【0059】図11には、ハイサイド側の駆動回路11
を示すが、ローサイド側の駆動回路12も同様である。
図11で、駆動回路11の電源はQ1のソースを基準と
する正電源15と負電源16であり、電源15の正電極
と負電極の間には素子1と2からなるCMOSインバー
タを供え、その出力をQ1のゲートに接続する。図1と
同様に、1と2からなるCMOSインバータの制御端子
にはNAND回路5から信号を与える。コンデンサC1
の電圧は、比較器6によってQ1のソースを基準とする
基準電圧Vref1と比較され、比較器6の出力をNAND
回路5に入力する。また、電源15の両端子間には、抵
抗R1とスイッチS1を直列接続した起動停止手段を備
え、R1とS1の接続箇所からNAND回路5の入力に
接続する。比較器6には正の電源を15から、また負の
電源を16からそれぞれ供給する。尚、比較器6はヒス
テリシスを持つ特性が望ましい。比較器6は負電源16
を備えるため、コンデンサC1の電圧が負の場合でも基
準電圧との比較が可能である。
【0060】図11の構成によれば、C1の充電電圧が
増加してもQ1のゲート,ソース電圧は電源15に等し
い電圧に維持される。但し、前述のO点を回路11のコ
モンに選んだ場合のようなターンオフの高速化は達成さ
れない。そこで、図1と図11のいずれの構成を選ぶか
は、駆動周波数に応じて選択する必要がある。
【0061】次に、放電管の明るさを調整する方法につ
いて説明する。近年、照明器具には任意に明るさを調整
できる調光機能を搭載した点灯装置がある。放電管の明
るさを調整するには、共振電流ILの大きさを変えるこ
とで達成できる。前述の図6に示したように、インバー
タのスイッチング周波数fが共振インダクタと共振コン
デンサで決まる共振周波数foに対して高周波になるほ
ど、電流ILは減少する。この原理に基づき、点灯装置
ではスイッチング周波数fを制御して調光を行ってい
る。
【0062】電流ILを小さくするには、ハイサイド側
もしくはローサイド側のスイッチング素子の導通期間を
短くし、スイッチング周波数が高くなるように設定すれ
ばよい。
【0063】本発明によれば、図7に示したように放電
手段13及び14の抵抗値を増加させることによって、
駆動周波数を増加させ電流を減少させることができる。
前述のように、放電手段は点灯装置の起動時に動作周波
数を遅くして共振電流を増加させる働きがあることを説
明したが、この原理を応用し放電抵抗値を大きくしてV
c1,Vc2の減少ΔVを小さくすれば、逆に動作周波数は
速くなり、共振電流は減少する。図12には、この原理
に基づき調光を行う場合の実施例を示す。図12には放
電手段13の周辺回路のみを示したが、残りの構成は図
1と同じである。また、図12と同じ構成を放電手段1
4にも備える。コンデンサC1に並列に抵抗R5を供
え、更に抵抗R6とMOSFET Q3 が直列になった
構成をC1に並列に接続する。全光で点灯させる場合に
は調光信号によってQ3をオンさせ、放電手段の値はR
5とR6の並列合成値になるようにする。そして、調光
を行う場合にはQ3をオフさせ、R5だけが放電手段と
して働くようにする。R5はR5とR6の並列合成値に
比べて値が大きいため、図7に示したように駆動周波数
は増加し、電流が減少して調光状態となる。
【0064】図12の実施例の他に、コンデンサC1又
はC2の電圧が基準電圧Vref に達するまでの時間が短
くなるように基準電圧を制御する方法もある。図13に
基準電圧を変更する調光回路の実施例を示す。
【0065】前述の図1の実施例においては、ローサイ
ド側の駆動回路でコンデンサC2の電圧を基準電圧Vre
f2比較しNAND回路7に信号を出力する比較器8があ
る。一方、図13は比較器8の基準電圧Vref2を任意の
タイミングで与える調光信号によって可変できることが
特徴である。
【0066】図13において、抵抗R7は図1の電源1
6の高電位側に接続する。また、FET Q4のゲート
端子には比較器8の出力を反転した信号を与え、FET
Q5のゲート端子には調光信号を伝達する。
【0067】最初に全光点灯時における基準電圧Vref2
の設定法について述べる。比較器8の出力がHighであれ
ばFET Q4はオフとなり、基準電圧Vref2は電源1
6の電圧を抵抗R7とR9で分圧したVHLとなる。次に
比較器8の出力がLow になるとQ4はオンとなり、抵抗
R8とR9は並列に接続され合成抵抗はR9よりも小さ
くなる。基準電圧Vref2は電源16の電圧をR8,R9
の合成抵抗とR7で分圧したVLHとなり、VHLとVLHと
の関係はVHL>VLHとなる。
【0068】次に調光信号が入力された場合について説
明する。FET Q5のゲート端子に調光信号としてHi
gh信号を入力するとQ5はオンとなり、抵抗R9とR1
0は並列に接続され合成抵抗はR9よりも小さくなる。
よって、基準電圧Vref2は通常点灯時のVHLより低くな
り、Q2の導通期間を短くすることができる。このよう
な方法でローサイド側の基準電圧Vref2を変更すれば、
調光が可能になる。
【0069】図14には本発明の点灯回路を内蔵した無
電極蛍光ランプの構成を示す。放電管26の内部にはク
リプトンと水銀蒸気が封入されている。点灯回路27で
励起コイル28に高周波電圧を印加すると、コイル線間
の電圧で大きな電界が発生して放電が起こり、これが発
端となって誘導放電へと移行する。点灯回路27はその
後、コイル28に数MHzの高周波電流を供給し、ソレ
ノイド形状のコイルから磁力線を放出させる。誘導放電
で発生したイオンには、磁力線との電磁結合により誘導
電界が加えられ、閉ループ状の放電電流(プラズマ)に
なる。プラズマ中の水銀蒸気は誘導電界によって励起さ
れ、紫外線を放射し、これが管26内面に塗布された蛍
光体に当たって可視光に変わる。プラズマは等価的には
励起コイル28の二次巻線であり、この二次巻線の負荷
に相当するプラズマ抵抗にエネルギーを供給している。
無電極蛍光ランプは、放電路がリング状になるためその
長さは必要なく、小型化に適している。
【0070】無電極蛍光ランプは、通常の蛍光ランプと
異なりフィラメントを使用しないため、長寿命化が達成
できることが特徴である。後述する通常の電球型蛍光ラ
ンプは、約8,000 時間の寿命を持つが、寿命を決め
る要因はフィラメントの断線である。これに対して、無
電極蛍光ランプは約20,000 時間の寿命を持ち、上
記通常の蛍光ランプに比べて約3倍の長寿命化が達成で
きる。この寿命は白熱球と比べると約10倍に相当す
る。
【0071】無電極蛍光ランプも通常の蛍光ランプと同
様に、ランプに流れる電流が増加すると、ランプ両端の
電圧が低下する。これはランプを等価抵抗で考えると、
電流が流れるほど抵抗値が減少することに相当し、負性
抵抗特性と呼ばれる。負性抵抗の特性を持つランプに対
して、電流を安定化させることが点灯回路の働きであ
る。
【0072】図15には無電極蛍光ランプに対して本発
明の点灯回路を適用した具体的な実施例を示す。図15
で、ソース側にC1,C2のコンデンサを備えたMOSFET
Q1,Q2と、これらを駆動する制御手段11,12及
びブートストラップを用いたハイサイド側の電源供給部
は図8に示した構成と同じであり、説明は省略する。出
力端子OとコモンNの間には共振用のリアクトルLrと
コンデンサCrを直列に接続し、Crの両端には、無電
極蛍光ランプ18と補助コンデンサC4を接続する。ま
た、交流電源19を受電するコンバータ部は、交流電流
をローパスフィルタ18とD1〜D4のダイオードを用
いた整流回路を通して整流し、この電流を平滑コンデン
サ17に充電すると共に17からMOSFET Q1,Q2に電流を
供給する。
【0073】図15の実施例のように、ランプ18が負
荷として共振用のCr又はLrに並列に接続される回路
構成は並列共振と呼ばれる。並列共振の場合における点
灯回路の駆動周波数と共振電流の関係を図16に示す。
図16は図2に示した特性とほぼ同等であるが、この図
ではパラメータとしてランプ抵抗が大,中,小の3通り
を示した。
【0074】並列共振の場合には、同じ周波数に対して
負荷抵抗が高いほど、電流は増加する。従来の点灯回路
では駆動周波数が一定であり、これをf1と表すと図1
6に示すようにランプ抵抗に応じて電流はそれぞれ、a
1,a2,a3のように変化する。一方、本発明の点灯
回路によれば、電流を減少させる場合には駆動周波数が
自動的に増加する。従来のa3と同じ電流を定常値とし
て扱い、この値をb3として本発明の点灯回路を設計す
ると、抵抗が大、或いは中の場合にはb3より周波数が
低くなり、b1,b2の電流が供給される。これは、同
じランプ抵抗に対して従来よりも大きな電流が供給され
ることを意味する。
【0075】無電極蛍光ランプでは、前述のように励起
コイルの二次巻線に相当するプラズマに対してプラズマ
抵抗が負荷になる。プラズマ抵抗は放電管内部の温度に
依存し、温度が低いほど抵抗は高くなる。また、この傾
向はランプを低温環境下で点灯させた場合に顕著であ
り、ランプ抵抗が高いため照度は暗くなる。こうした低
温点灯に対して、本発明の点灯回路では図16に示した
ように、従来よりも大きな電流を供給し照度を明るくす
ることが特徴である。また、点灯初期には低温のためb
2の電流を供給しても前述の負性抵抗の特性により、電
流の増加はランプ抵抗の減少を招き、b3の定常値に安
定化させることができる。
【0076】無電極蛍光ランプは他の点灯回路を用い
て、既に実用化されているが、数MHzの高周波電流を供
給する点灯回路には調光機能は備えていない。しかし、
本発明の点灯回路を用いれば図7に示したように、放電
抵抗13,14の値を変えて電流を変化させ、無段階の
調光を行うことが可能になる。調光時に周波数を変化さ
せる方法は、従来の蛍光ランプ用点灯回路で用いられて
いるが、数MHzの高周波では周波数の変更時に、電流
波形が乱れたり、FETQ1,Q2が同時にオンする短
絡の問題が生じることが予想できる。これに対して、本
発明では共振の各周期毎にわずかずつ周波数を自動的に
調整してゆくため、数MHzの高周波においても安定な
調光が可能になる。
【0077】また、仮にQ1,Q2が同時にオンする短
絡が発生しても、本発明の点灯回路は短絡電流を自動的
に遮断し、その後、再起動させる機能を持つ。Q1とQ
2が同時にオン状態となると平滑コンデンサ17からQ
1とQ2を通る電流が流れるが、この電流はQ1或いは
Q2の飽和電流で決まる値まで達する。一方、この短絡
電流も必ずC1とC2を通り、点灯時に比べて大きな電
流でC1とC2は充電され、それぞれの電圧増加は速く
なる。電圧駆動型素子の飽和電流はゲート電圧が小さい
ほど低いが、Q1とQ2のゲート電圧は駆動電源16或
いはCtの電圧からC2,C1の電圧をそれぞれ差し引
いた値で表され、短絡電流に応じてC1,C2の電圧が
大きくなるほど逆にゲート電圧が減少して、飽和電流
(即ち短絡電流)を減少させる。この負帰還作用で短絡
電流は自動的に絞り込まれるため、本発明の点灯回路で
は短絡によるMOSFETの破壊等は発生しないことが保証さ
れる。更に、C1,C2の電圧が短絡電流で増加し、基
準値Vref1,Vref2を越えるとQ1,Q2はいずれもオ
フ状態になり、電流の出力を停止する。その後、C1,
C2の電圧は放電手段13,14によって減少し、いず
れか一方がVLH以下まで低下すれば、再びスイッチ素子
がオンして電流の供給を再開する。このように、点灯回
路の方式自体が短絡電流の遮断と、その後の再起動の機
能を備えており、高信頼度化を達成する。
【0078】本発明の点灯回路は図17に示すような通
常のフィラメント付き蛍光ランプに対しても同じ効果を
有する。図17はフィラメント付きの電球型蛍光ランプ
の構造を示す。放電管26の内部には蛍光ランプ29を
供え、ランプ内部にはフィラメント30を持つ。点灯回
路27は口金の上部に設けている。
【0079】図18にはフィラメント付き蛍光ランプに
対して本発明の点灯回路を適用した具体的な構成を示
す。図18では起動時にフィラメントを予熱させるた
め、共振回路の構成が図15と異なる他、Q1,Q2の
制御手段24,25も予熱機能を備えるため、図15の
11,12と一部、構成が異なる。
【0080】図18の構成で図15と異なる部分を説明
すると、共振回路部分は出力OとコモンNの間に共振用
のリアクトルLr,コンデンサCr、及び蛍光ランプ1
8を直列に接続し、ランプ18の両端には、補助コンデ
ンサC4を接続している。また、Q1,Q2のドレイ
ン,ソース端子間にはそれぞれ、キャパシタC3,C4
を並列に備えるが、これは後述するようにソフトスイッ
チング動作をさせるためである。
【0081】制御手段24,25は同じ構成であるた
め、24に関して説明すると、C1の電圧を検出する比
較器として前記実施と同じ6に加えて、新たに20の比
較器を供える。比較器20の基準電圧はVref4であり、
比較器20はC1の電圧がVref4以下になると、出力が
変化してフリップフロップ21にリセット信号(R)を伝
える。また。フリップフロップ21にセット信号(S)
を供給するワンショットパルス発生手段が22であり、
MOSFET2 をオンさせるタイミングに同期してローパルス
を出力し、フリップフロップ21をセットする。フリッ
プフロップ21の出力(Q)はその状態に応じてスイッ
チ23を切り替え、比較器6の基準電圧Vref2を変化さ
せる。その他の構成は図15に示した制御手段11と同
じである。
【0082】図18の共振回路は負荷であるランプ18
は、Lr,Crと直列に接続され、かつC4を並列に備
えることから、直並列共振と呼ばれ、蛍光ランプ用点灯
回路では一般的な構成である。直並列共振における点灯
回路の駆動周波数と電流の関係を図19に示す。
【0083】図19には図16と同様にランプ抵抗が
大,中,小の3通りを示したが、抵抗大の場合はここで
は起動時のフィラメント予熱状態に相当する。起動時に
はランプ抵抗が非常に高い為、C4は等価的にLr,C
rと直列接続された構成となる。この時の共振周波数は
Lr,Cr、及びC4の値で決まり、これを第1共振周
波数fr1と定義する。一方、ランプが点灯し、ランプ
抵抗がC4のインピーダンスに対して十分に小さくなる
と、共振周波数はLr,Crだけで決まり、これを第2
共振周波数fr2と定義する。フィラメント付き蛍光ラ
ンプの場合には、起動時にはフィラメント予熱のため点
灯回路を第1共振周波数付近で動作させ、次にランプが
点灯すると、点灯周波数を第2共振周波数付近に変更す
る方法が一般的である。本実施例ではfr1からfr2
に周波数を変更する際、比較器6の基準電圧Vref2を変
更して対応する。その動作を図20に示す。起動時には
ランプ抵抗が大きいため、図19に示したように電流値
も大きい。こ状態でQ1をオフさせるためFET2をオ
ンすると、図18のワンショットパルス発生手段22か
らセット信号が出力され、フリップフロップ21をセッ
トして比較器6の基準電圧をVHL1,VLH1の組み合わせ
からVHL2,VLH2の組み合わせに切り替える。VHL2は
VHL1より高いため、切り替えた直後にQ1が再びオン
することはない。その後、前述のモード4の期間にQ1
の逆並列ダイオードを通って流れ電流ILによってC1
は逆充電されるが、電流値が大きいためC1の電圧は負
値まで減少する。この時、C1の電圧はVref4以下の状
態になり、比較器20がフリップフロップ21にリセッ
ト信号を伝える。この結果、比較器6の基準電圧は先の
VHL2,VLH2の組み合わせからVHL1,VLH1の組み合わ
せに再び切り替えられる。この動作を繰り返すと、電流
が大きい起動時にはQ1をオフするための比較器6の基
準電圧はVHL1だけが働くことになる。
【0084】次に、ランプが点灯してランプ抵抗が減少
すると、電流も低下する。この時刻を図20でcで表
す。時刻c以降は電流の低下によって、前述のモード4
期間にC1がILで逆充電されても、C1の電圧減少は
小さく、その電圧はVref4以下にはならないと仮定する
と、比較器20がフリップフロップ21をセットするこ
とはなくなり、比較器6の基準電圧はVHL2,VLH2の組
み合わせだけとなる。図20で時刻g以降はこの状態を
表している。
【0085】以上の動作から、比較器6の基準電圧がV
HL1,VLH1の場合を第1共振周波数付近での起動動作に
設定し、基準電圧がVHL2,VLH2の場合を第2共振周波
数付近での定常点灯動作に設定しておけば、点灯回路は
異なる2つの共振周波数付近で安定な動作を保証するこ
とができる。
【0086】フィラメント付きランプの場合、寿命末期
においては片方或いは両方のフィラメントからのエミッ
ションがなくなる状態が発生する。この状態ではランプ
抵抗は再び高抵抗になり、図20の動作によって、点灯
回路の駆動周波数は第1共振周波数付近に戻る。しかし
ながら、起動時とは異なり大きな電流を供給してもラン
プ抵抗が減少することはない。そこで、こうした場合は
C1,C2の電圧がVref4以下になる状態が一定時間以
上持続することを判定して、点灯回路の動作を停止させ
ることも可能である。また、点灯回路が動作している状
態でランプ18を取り外しても、同様にランプ抵抗が大
きくなった第1共振周波数付近に戻る。この状態もC
1,C2の電圧がVref4以下になる状態が一定時間以上
持続することから判断して、回路動作を停止させること
ができる。
【0087】このように、比較器20をランプ寿命末
期、或いはランプ開放時の過電流を避けるための保護機
能として用いることもできる。
【0088】図21はQ1,Q2に並列に設けたC3,
C4によるソフトスイッチングの動作を説明する図であ
る。この図で、t1とt2の期間の間にはC1の電圧が
基準値VHLを越え、Q1はオフされるが、電流IL/2
がC3を通って流れ、Q1の電圧上昇dV/dtはIL
/2C3で制限される。同時にC4を放電する電流IL
/2が流れ、Q2の電圧下降時のdV/dtもQ1と同
様にIL/2C4で制限される。スイッチング時のdV
/dtは伝導ノイズ,放ノイズの原因になるが、本実施
例のようにdV/dtを抑制するソフトスイッチングを
行えば、こうした問題を軽減することができる。また、
t1期間終了時のQ1の電流波形に丸印を示したが、こ
の時刻ではQ1の電圧がほぼ零であり、Q1の電流と電
圧が重なるスイッチング損失が無いことを示している。
このように、ソフトスイッチングはスイッチング損失を
低減する上でも効果がある。
【0089】上記動作でC3の充電電流はC1も充電
し、同様にC4の放電電流はC2を逆充電するが、これ
は本来のモード1,モード2の動作が同時に行われてい
ることと同じであり、本発明の点灯動作に支障はない。
【0090】以上の動作はt3とt4期間の間にも起き
るが、同じ原理であり説明は省略する。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、照明用点灯装置におい
て高周波の負荷電流に同期した安定な共振動作を保証す
ることが出来る。また、点灯装置の駆動回路は低耐圧の
半導体集積回路で実現でき低コスト化に寄与する。ま
た、調光信号を与えて負荷電流を変化させ放電管の明る
さを変えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における照明用点灯装置の構
成。
【図2】点灯装置の共振特性と起動時の動作点。
【図3】図1の動作波形。
【図4】図1の動作モード説明図。
【図5】起動時の電流波形。
【図6】共振電流が減少した場合の動作説明図。
【図7】放電手段の値と周波数,電流の関係。
【図8】照明用点灯装置の第2の実施例。
【図9】ヒステリシスコンパレータを用いた実施例。
【図10】ヒステリシスコンパレータ使用時の動作。
【図11】比較器の他の接続法。
【図12】調光回路の一実施例。
【図13】調光回路の他の実施例。
【図14】点灯回路を内蔵した無電極蛍光ランプの実施
例。
【図15】無電極蛍光ランプ用点灯回路の実施例。
【図16】並列共振時の動作説明図。
【図17】点灯回路を内蔵した電球型蛍光ランプの実施
例。
【図18】蛍光ランプ用点灯回路の実施例。
【図19】直並列共振時の動作説明図。
【図20】直並列共振での起動動作説明図。
【図21】ソフトスイッチング動作の説明図。
【符号の説明】
Q1,Q2…パワーMOSFET、Q3,Q4,Q5…MOSFE
T、D,QD1,QD2…ダイオード、C1〜C2,C
r,Ct,C3,C4…コンデンサ、Lr…共振用イン
ダクタ、R1〜R10…抵抗、S1〜S2…スイッチ、
1〜4…半導体スイッチ素子、5,7…NAND回路、
6,8,9,20…電圧比較器、10…遅延手段、1
1,12,24,25…駆動回路、13,14…放電手
段15〜17、18…放電管、19…電源、21…フリ
ップフロップ、22…ワンショットパルス発生手段、2
3…切替手段、26…放電管、27…点灯回路、28…
励起コイル、29…蛍光ランプ、30…フィラメント。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】逆電流を阻止しない機能を有するパワー半
    導体素子のスイッチングに応じて、放電管と誘導性、及
    び容量性素子を備えた共振手段に交流電圧を供給する照
    明用点灯装置であって、 前記パワー半導体素子に流れる正逆電流を積分する積分
    手段と、前記パワースイッチング素子のオフ期間に応じ
    て前記積分値を減少させる放電手段と、前記積分値に応
    じて前記パワー半導体素子をオン,オフさせる駆動手段
    を備えることを特徴とする照明用点灯装置。
  2. 【請求項2】逆電流を阻止しない機能を有するパワー半
    導体素子のスイッチングに応じて、放電管と誘導性、及
    び容量性素子を備えた共振手段に交流電圧を供給する照
    明用点灯装置であって、 前記共振手段に流れる交流電流の一部を積分する積分手
    段と、前記パワースイッチング素子のオフ期間に応じて
    前記積分値を減少させる放電手段と、前記積分値に応じ
    て前記パワー半導体素子をオン,オフさせる駆動手段を
    備えることを特徴とする照明用点灯装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の照明用点灯装置の制
    御方法であって、 前記積分手段で前記パワー半導体素子に流れる正電流を
    積分して合計値に加算させ、前記駆動手段で前記合計値
    が基準値を越えると前記パワー半導体素子をオフさせ、
    該オフ期間に前記放電手段で前記合計値を減少させると
    共に、前記積分手段で前記パワー半導体素子に流れる逆
    電流を積分して前記合計値より減算し、前記合計値が前
    記基準値以下の期間に前記駆動手段で前記パワー半導体
    素子をオンさせる動作を繰り返し、前記放電管を起動及
    び点灯させる照明用点灯装置の制御法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の照明用点灯装置の制御方法
    であって、 前記放電手段で単位時間当たりの前記積分値の減少を変
    化させ、前記交流電圧の周波数を制御することを特徴と
    する照明用点灯装置の制御法。
  5. 【請求項5】逆電流を阻止しない機能を有する電圧駆動
    型半導体素子を直列に接続したインバータ回路から、放
    電管と共に誘導性、及び容量性素子を備えた共振手段に
    交流電流を供給する照明用点灯装置であって、 前記それぞれの電圧駆動型半導体素子に、該素子を流れ
    る正逆電流を積分する積分手段と、前記電圧駆動型半導
    体素子のオフ期間に比例して前記積分値を減少させる放
    電手段と、前記積分値に応じて前記電圧駆動型半導体素
    子をオン,オフさせる駆動手段を備えることを特徴とす
    る照明用点灯装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の照明用点灯装置において、
    前記積分手段は、前記電圧駆動型半導体素子の第1端子
    に一端を接続したキャパシタであり、前記駆動手段は、
    前記キャパシタの他端と前記電圧駆動型半導体素子の制
    御端子の間に所定の電圧を印加するよう接続したことを
    特徴とする照明用点灯装置。
  7. 【請求項7】請求項5記載の照明用点灯装置において、 請求項3記載の照明用点灯装置の制御方法であって、 前記放電手段で単位時間当たりの前記積分値の減少を変
    化させ、前記交流電圧の周波数を制御することを特徴と
    する照明用点灯装置の制御法。
  8. 【請求項8】請求項5記載の照明用点灯装置において、 前記駆動手段は、前記積分値と基準値を比較した結果に
    応じて前記電圧駆動型半導体素子をオン,オフさせると
    共に、該基準値を変化させて前記交流電圧の振幅或いは
    周波数の少なくとも一方を変化させることを特徴とする
    照明用点灯装置。
  9. 【請求項9】逆電流を阻止しない機能を有する電圧駆動
    型半導体素子を主電源に直列に接続したインバータ回路
    から、放電管と誘導性、及び容量性素子を備えた共振手
    段に交流電流を供給する照明用点灯装置であって、 前記インバータのローサイド側半導体素子に該素子を流
    れる正逆電流を積分する第1のキャパシタと、制御電源
    と、前記第1のキャパシタの電圧を検知する第1の電圧
    検出手段と、前記ローサイド側半導体素子のオフ期間に
    比例して前記第1のキャパシタの電圧を減少させる第1
    の放電手段と、前記第1の電圧検出手段の出力に応じて
    前記ローサイド側電圧駆動素子の制御端子に前記制御電
    源の電圧を印加する第1の駆動回路手段を備えると共
    に、 前記インバータのハイサイド側半導体素子に該素子を流
    れる正逆電流を積分する第2のキャパシタと、前記第2
    のキャパシタの電圧を検知する第2の電圧検出手段と、
    前記ハイサイド側半導体素子のオフ期間に比例して前記
    第2のキャパシタの電圧を減少させる第2の放電手段
    と、電源コンデンサと、該電源コンデンサの電圧を検知
    する第3の電圧検出手段と、該第3の電圧検出手段の出
    力に所定の時間遅延を与える遅延手段と、前記第2の電
    圧検出手段の出力及び前記遅延手段の出力に応じて前記
    ハイサイド側電圧駆動素子の制御端子に前記電源コンデ
    ンサの電圧を印加する第2の駆動回路手段を備えると共
    に、 前記制御電源の正極と前記電源コンデンサの正極の間に
    少なくともダイオードを設けたことを特徴とする照明用
    点灯装置。
  10. 【請求項10】請求項9記載の照明用点灯装置におい
    て、 点灯開始時に、前記第1のキャパシタと前記電源コンデ
    ンサを充電し、前記第1の電圧検出手段で前記第1のキ
    ャパシタの電圧を検知して前記ローサイドの電圧駆動型
    半導体素子をオフさせると共に、前記第3の電圧検出手
    段で前記電源コンデンサの電圧を検知して前記ハイサイ
    ドの電圧駆動型半導体素子をオンさせ、以後は前記第1
    及び第2のキャパシタの充電電圧に応じて、各々の電圧
    駆動型半導体素子を交互にオン,オフさせることを特徴
    とする照明用点灯装置。
  11. 【請求項11】パワー半導体スイッチ素子に接続された
    誘導性、及び容量性素子を備える共振手段と、該共振手
    段に直列、或いは並列に接続された放電管を備える照明
    用点灯装置であって、 前記パワー半導体スイッチ素子に供給する制御信号の周
    波数、或いはオンとオフの比率の少なくとも一方を、前
    記放電管のインピーダンスに応じて、前記共振手段を流
    れる交流電流の各周期毎に変化させる制御手段を備える
    ことを特徴とする照明用点灯装置。
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