JPH10147826A - 金属−セラミックス複合材料の製造方法 - Google Patents

金属−セラミックス複合材料の製造方法

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JPH10147826A
JPH10147826A JP31858896A JP31858896A JPH10147826A JP H10147826 A JPH10147826 A JP H10147826A JP 31858896 A JP31858896 A JP 31858896A JP 31858896 A JP31858896 A JP 31858896A JP H10147826 A JPH10147826 A JP H10147826A
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宏之 津戸
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Nihon Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム合金を主体とする金属−セラミ
ックス複合材料は、軽量であるものの、耐熱性が十分で
なく、耐熱性の向上が望まれていた。 【解決手段】 強化材であるセラミックス繊維または粒
子で構成されたプリフォームに、基材であるアルミニウ
ム合金を浸透させる金属−セラミックス複合材料の製造
方法において、該アルミニウム合金が、AlにSiを1
0%以上及びMgを1%以上含む合金であり、金属を浸
透させる方法が、700〜850℃の温度で溶融したア
ルミニウム合金を50MPa以上の圧力でプリフォーム
に浸透させる方法であることとした金属−セラミックス
複合材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属−セラミック
ス複合材料の製造方法に関し、特に自動車のディスクブ
レーキ用ディスクロータなど高温での強度を要求される
金属−セラミックス複合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディスクロータなど高温での強度
が要求されるこの種の材料は、鋳鉄製が主流であった。
そしてこの鋳鉄製のディスクロータは、材料自体の比重
が大きいために、自動車の軽量化の要求に対しては大幅
な軽量化は困難であった。そのため、アルミニウム合金
を主体とする金属−セラミックス複合材料から成るディ
スクロータが、例えば特開昭59−173234号公
報、特開昭62−124244号公報等により提案され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たアルミニウム合金を主体とする金属−セラミックス複
合材料から成るディスクロータでは、軽量であるもの
の、耐熱性が十分でなく、高温で変形したり、一部溶融
してしまう問題があり、400℃程度の温度が使用限界
であった。そのため、アルミニウム合金を主体とする金
属−セラミックス複合材料の耐熱性の向上が望まれてい
た。
【0004】本発明は、上述したアルミニウム合金を主
体とする金属−セラミックス複合材料が有する課題に鑑
みなされたものであって、その目的は、従来より耐熱性
を向上させる金属−セラミックス複合材料の製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、浸透させるアルミニ
ウム合金をAlにSi及びMgを含む合金とし、その合
金を所定温度で溶融し高圧でプリフォームに浸透させれ
ば、従来より耐熱性を向上させた金属−セラミックス複
合材料が得られるとの知見を得て本発明を完成した。
【0006】即ち本発明は、強化材であるセラミックス
繊維または粒子で構成されたプリフォームに、基材であ
るアルミニウム合金を浸透させる金属−セラミックス複
合材料の製造方法において、該アルミニウム合金が、A
lにSiを10%以上及びMgを1%以上含む合金であ
り、金属を浸透させる方法が、700〜850℃の温度
で溶融したアルミニウム合金を50MPa以上の圧力で
プリフォームに浸透させる方法であることを特徴とする
金属−セラミックス複合材料の製造方法とすることを要
旨とする。以下さらに詳細に説明する。
【0007】上記アルミニウム合金としては、AlにS
iを10%以上、Mgを1%以上含む合金とした。この
合金を用いることにより複合材料の耐熱性が向上する。
その理由は不明であるが、Siの添加により、合金の熱
膨張係数が小さくなり、強化材として用いるセラミック
ス粒子との熱膨張差が小さくなること、MgとSiとが
反応してMg2Siが生成し、マトリックス特性が改善
されることなどにより耐熱性が向上するものと推測され
る。そのSiの含有量が10%より少ないと400℃以
上での材料強度の向上が期待できない。一方、Mgの含
有量は1%より少ないとこれも400℃以上での材料強
度の向上が期待できない。
【0008】また、そのアルミニウム合金をプリフォー
ムに浸透させる方法としては、700〜850℃の温度
で溶融したアルミニウム合金を50MPa以上の圧力で
プリフォームに浸透させることとした。合金の溶融温度
が700℃より低いと溶融アルミニウム合金の粘性が高
く、プリフォームに浸透し難くなり、浸透不良を起こ
す。また、850℃より高いとアルミニウム合金中のM
gが酸化され、スピネル(MgAl24)が生成し、結
果としてマトリックスであるアルミニウム合金が脆化し
強度が低下する。
【0009】さらに、溶融したアルミニウム合金の浸透
を50MPa以上の圧力で浸透させることにより、溶融
アルミニウム合金を高圧下で凝固させることができ、欠
陥の少ないかつ析出Si結晶を微細化したマトリックス
が得られ、結果として複合材料の機械的特性が向上す
る。また、その圧力を50MPa以上としたのは、50
MPa未満では、冷却固化する際にマトリックスである
アルミニウム合金にひけすが生じ強度が低下する。この
ように、アルミニウム合金に、AlにSiを10%以
上、Mgを1%以上含む合金を用い、この合金を700
〜850℃で溶解し、その溶解金属を50MPa以上の
圧力で浸透させることにより、複合材料の耐熱性を従来
より向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の金属−セラミックス複合
材料を製造する方法を述べると、先ず強化材としてアル
ミナなどのセラミックス繊維または粉末を用意し、それ
らから慣用の方法、例えば、粉末にバインダーを添加し
混合した後、その粉末を乾燥し、金型等で所定形状に加
圧成形する方法でプリフォームを形成する。また、溶媒
中にセラミックス粉末を懸濁させ、フィルター上でプレ
スし溶媒を濾過する方法でもプリフォームを形成するこ
とができる。この場合、懸濁する溶媒としては、セラミ
ックスの種類により異なるが、水と反応し易いAlN粉
末等は、メタノール、エタノール、トルエン等の有機溶
媒が利用される。
【0011】次いで、形成したプリフォームをアルミニ
ウム鋳造用の金型内に設置し、AlにSiを10%以
上、Mgを1%以上含むアルミニウム合金を700〜8
50℃の温度で溶融し、その溶解したアルミニウム合金
を金型内に注入し、50MPa以上の圧力で高圧鋳造し
てセラミックス繊維または粒子間に金属を浸透させ、金
属−セラミックス複合材料を作製する。
【0012】以上の方法で金属-セラミックス複合材料
を製造すれば、従来より耐熱性を向上させた金属−セラ
ミックス複合材料が得られる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に具体的
に挙げ、本発明をより詳細に説明する。
【0014】(実施例1〜6) (1)プリフォームの形成 アルミナ粉末にIPA、ポリビニルブチラール(積水化
学製BL−1)を添加して混合し、それを乾燥した後、
金型(100mm×50mm)に充填し、圧力50Kg
/cm2及び200Kg/cm2で3min加圧すること
により、それぞれ30vol%及び40vol%のプリ
フォーム(100mm×50mm×15mm)を形成し
た。
【0015】(2)金属−アルミナ複合材料の作製 形成したプリフォームから直径50mm×厚さ15mm
の円板を切出し、この円板を円柱形のアルミニウム鋳造
用金型(直径50mm×高さ50mm)内にセットし
た。別に表1に示すアルミニウム合金を鋳造用黒鉛坩堝
(日本坩堝製#2)に入れ、750℃で加熱、溶解し
た。この溶融アルミニウム合金をプリフォームをセット
した金型内に注入し、パンチ棒で60MPaの圧力で3
min加圧し、アルミナ粒子間に溶融アルミニウム合金
を浸透させて金属−アルミナ複合材料を作製した。
【0016】(3)評価 得られた複合材料より試験片を切出し、JIS R16
01により、常温及び表1に示す温度で曲げ強度を測定
した。その結果を表1に示す。
【0017】(比較例1〜12)比較のために、実施例
と同様にプリフォームを形成し、そのプリフォームに表
1に示すアルミニウム合金を表1に示す温度で溶解し、
表1に示す圧力で浸透させる他は実施例と同様にして複
合材料を作製し、評価した。その結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1から明らかなように、実施例1〜6に
おいては、アルミニウム合金の種類がいずれも本発明の
組成を有する合金であるので、本発明と異なる組成を有
する比較例1〜6より高温強度がいずれも高く、特に4
00℃以上の強度低下率が小さく、500℃での曲げ強
度がいずれも100MPa以上であった。
【0020】これに対して比較例1〜6では、高温での
強度低下率が大きく、500℃の曲げ強度は100MP
aを大きく下回り、実施例に比べて高温での耐熱性に大
きく差がみられた。また、比較例7、8では、アルミニ
ウム合金の組成が本発明と同じであるが、合金を浸透す
る圧力が本発明の範囲外にあるため、常温、高温とも強
度低下が大きく、400℃でも100MPaを下回るも
のがあった。さらに、比較例9、10では、合金の溶融
温度が低かったため、プリフォームに浸透できなかっ
た。さらにまた、比較例11、12では、溶融温度が高
かったため、比較例7、8と同じく常温、高温とも強度
低下が大きく、400℃でもいずれも100MPaを大
きくの下回っていた。
【0021】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、高温強度
が従来より高く、しかも高温での強度低下の少ない金属
−セラミックス複合材料を製造することができるように
なった。このことにより、高温での強度性能が良好で耐
熱性に優れた金属−セラミックス複合材料が得られるよ
うになり、ディスクロータ等への応用が広がった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化材であるセラミックス繊維または粒
    子で構成されたプリフォームに、基材であるアルミニウ
    ム合金を浸透させる金属−セラミックス複合材料の製造
    方法において、該アルミニウム合金が、AlにSiを1
    0%以上及びMgを1%以上含む合金であり、金属を浸
    透させる方法が、700〜850℃の温度で溶融したア
    ルミニウム合金を50MPa以上の圧力でプリフォーム
    に浸透させる方法であることを特徴とする金属−セラミ
    ックス複合材料の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003033930A1 (fr) * 2001-10-15 2003-04-24 Daihatsu Motor Co., Ltd. Corps rotatif de frein pour vehicule

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WO2003033930A1 (fr) * 2001-10-15 2003-04-24 Daihatsu Motor Co., Ltd. Corps rotatif de frein pour vehicule

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