JPH10147704A - コンクリート型枠用熱硬化性ポリウレタンエラストマー組成物およびコンクリート型枠 - Google Patents

コンクリート型枠用熱硬化性ポリウレタンエラストマー組成物およびコンクリート型枠

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JPH10147704A
JPH10147704A JP32075396A JP32075396A JPH10147704A JP H10147704 A JPH10147704 A JP H10147704A JP 32075396 A JP32075396 A JP 32075396A JP 32075396 A JP32075396 A JP 32075396A JP H10147704 A JPH10147704 A JP H10147704A
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JP
Japan
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polyurethane elastomer
concrete
concrete form
elastomer composition
thermosetting polyurethane
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JP32075396A
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English (en)
Inventor
Kenji Kudo
健二 工藤
Yasuyuki Kajita
泰之 梶田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】繰り返し使用が可能で、コンクリート成形体の
表面平滑性、仕上がり面の美観が良好であり、複雑な形
状を有する成形体の脱型が容易に行えるコンクリート型
枠を提供することにある。 【解決手段】離型剤をポリウレタンエラストマー100
重量部に対して5〜40重量%配合した熱硬化性ポリウ
レタンエラストマー組成物を材料とするコンクリート型
枠に使用することによって、型枠の繰り返し使用が可能
となり、コンクリート成形体表面の平滑性、仕上がり面
の美観がともに良好で、脱型も容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繰り返し使用に耐
えるコンクリート型枠を製造するための熱硬化性ポリウ
レタンエラストマー組成物およびコンクリート型枠に関
する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート型枠の材質としては、従来
は加工性の良さと取り扱いの容易さから、木材板や合板
が用いられて来たが、最近は耐久性の面から金属製の型
枠が多く用いられるようになってきている。これらのコ
ンクリート型枠は、木製、金属製に関わらず、コンクリ
ートと型枠が固着して脱型が困難になるのを防止するた
めに、その内面に離型剤が塗布されている場合が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、木材や
金属からなる型枠は、製作コストが高く、さらに凹凸面
を有するような複雑な形状のコンクリート成形体では脱
型できなかったり、あるいは型枠を分解して脱型しなけ
ればならなかった。また、単に離型剤を型枠の内面に塗
布したのみの場合は、離型剤がコンクリートの表面に移
行してしまい、型枠の繰り返し使用の際には離型剤を塗
布し直さなければ離型が困難であった。特開昭49−1
8913号には、コンクリートブロック成形用型枠に熱
硬化性ウレタンを使用することが示されており、これに
より凹凸面を有するような複雑な形状のコンクリート成
形体の脱型が容易になるが、繰り返し使用に際しては毎
回離型剤や型枠油を塗布することが必要であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、コンクリ
ート成形体の脱型性を改良することによる生産性の向上
を目的に鋭意研究を重ねた結果、離型剤をポリウレタン
エラストマー100重量部に対して5〜40重量%配合
する熱硬化性ウレタンエラストマー組成物をコンクリー
ト型枠の材質として使用することによって、型枠の繰り
返し使用が可能になり、コンクリート成形体の表面平滑
性、仕上がり面の美観が良好であり、さらには凹凸面を
有するような複雑な形状の成形体の脱型が容易に行える
ことを知見し、さらに研究を重ねて本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、(1)離型剤をポリウレタ
ンエラストマー100重量部に対して5〜40重量部配
合したコンクリート型枠用熱硬化性ポリウレタンエラス
トマー組成物、(2)離型剤がシリコーンオイルである
前記(1)記載のコンクリート型枠用熱硬化性ポリウレ
タンエラストマー組成物、(3)離型剤がアルキルポリ
オールと脂肪酸とのエステルである前記(1)記載のコ
ンクリート型枠用熱硬化性ポリウレタンエラストマー組
成物、(4)離型剤が4級アンモニウム塩である前記
(1)記載のコンクリート型枠用熱硬化性ポリウレタン
エラストマー組成物、(5)離型剤がポリオレフィン基
油配合油である前記(1)記載のコンクリート型枠用熱
硬化性ポリウレタンエラストマー組成物、(6)離型剤
が界面活性剤である前記(1)記載のコンクリート型枠
用熱硬化性ポリウレタンエラストマー組成物、(7)離
型剤をポリウレタンエラストマー100重量部に対して
10〜30重量部配合したコンクリート型枠用熱硬化性
ポリウレタンエラストマー組成物、(8)ポリウレタン
エラストマーがポリイソシアネートと活性水素化合物と
を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有する
プレポリマーと硬化剤を反応させるプレポリマー法によ
って得られたものである前記(1)記載のコンクリート
型枠用熱硬化性ポリウレタンエラストマー組成物、
(9)離型剤をポリウレタンエラストマー100重量部
に対して5〜40重量部配合するコンクリート型枠用熱
硬化性ポリウレタンエラストマー組成物の製造方法、お
よび(10)前記(1)記載のコンクリート型枠用熱硬
化性ポリウレタンエラストマー組成物を型枠内で硬化さ
せ脱型して得られたコンクリート型枠、である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる離型剤として
は、たとえばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニ
ルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、
高級脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシアルキレ
ン変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオ
イル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリ
コーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、その
他変性シリコーンオイル、耐熱向上剤や油性向上剤など
を配合した添加剤入りシリコーンオイルなどのシリコー
ンオイル、たとえばアルキルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド
などのアルキル型4級アンモニウム塩、たとえばアルキ
ルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどのベン
ジル型4級アンモニウム塩、たとえばアルキルピリジニ
ウム塩などのピリジニウム塩型4級アンモニウム塩、た
とえばアルキルアンモニウムアルキルサルフェート、ポ
リオキシエチレンアルキルモノメチルアンモニウムクロ
ライドなどの特殊型4級アンモニウム塩を含む4級アン
モニウム塩、たとえばアルキルアミン酢酸塩、アルキル
アミン塩酸塩、アルキルアミノアルキルアミン酢酸塩、
アルキルアミノアミン塩酸塩などのカチオン界面活性
剤、たとえばアルキルジメチルベタインなどの両性界面
活性剤を含む界面活性剤、たとえばラウリル酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸などのC6以上の高級脂肪酸、及
びこれらの亜鉛、カリウム、ナトリウムなどの金属塩、
たとえばこれら脂肪酸とメタノール、ブタノール、ステ
アリルアルコール、ネオペンチルアルコール、グリセリ
ンなどの1価アルコールまたはアルキルポリオールとの
エステルたとえばペントラタム、羊毛油、動植物油、鉱
物油等の油類、たとえばポリエチレンワックス、ポリオ
レフィンオリゴマーなどのポリオレフィン系離型剤及び
これらの油類を配合したポリオレフィン基油配合油など
が挙げられる。
【0007】これらの離型剤は、単独で、あるいは2種
類以上の混合物として用いることができる。これらのう
ち、好ましいものはシリコーンオイル、4級アンモニウ
ム塩、C6以上の高級脂肪酸とアルキルポリオールとの
エステルおよびポリオレフィン系離型剤である。離型剤
を熱硬化性ポリウレタンエラストマーに配合する場合の
配合量はポリウレタンエラストマー100重量部に対し
て、5〜40重量%が好ましく、10〜30重量部%が
さらに好ましい。配合量がこの範囲より少ない場合は、
コンクリートの離型性が悪く、型枠として繰り返し使用
に耐えない。また、配合量がこの範囲を越えると硬化物
であるコンクリート型枠の強度が低下し、補強材等を使
用しないと重量のあるコンクリート成形物を成形できな
い。
【0008】本発明の熱硬化性ポリウレタンエラストマ
ーの原料として使用されるポリイソシアネートは特に限
定されるものではなく、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフ
ェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシ
アネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、
4,4′−トルイジンジイソシアネート、4,4′−ジフ
ェニルエーテルジイソシアネート等などの芳香族ジイソ
シアネート、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシア
ネート、もしくはその混合物などの芳香脂肪族ジイソシ
アネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピ
レンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネ
ート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチ
レンジイソシアネート、2,4,4−又は、2,2,4
−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6
−ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイ
ソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネー
ト、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−
シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネート
メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシア
ネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソ
シアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソ
シアネート、メチル2,6−シクロヘキサンジイソシア
ネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロ
ヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、及びこれらジイ
ソシアネートのカルボジイミド変成体、ビウレット変成
体、アロファネート変成体、二量体、三量体など、通常
のポリウレタンエラストマーの製造に使用されるポリイ
ソシアネートを挙げることができ、これらは単独または
二種以上の混合物として用いられる。これらのうち、好
ましくは、脂肪族ポリイソシアネートまたは芳香族ポリ
イソシアネートが用いられるが、特に、得られるポリウ
レタンエラストマーの機械的強度の面から特に芳香族ポ
リイソシアネートが好ましい。
【0009】本発明の原料として使用される活性水素化
合物としては、例えばエチレングリコール、プロパンジ
オール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール、アルカン(C
7-22)ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン
ジメタノール、アルカン(C17-20)−1,2−ジオー
ル、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−
2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−
ジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレン
グリコール、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート等
の低分子ジオール、グリセリン、2−メチル−2−ヒド
ロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒ
ドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−
ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメ
チル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−
3−ブタノール、及びその他の脂肪族(C8-24)トリオ
ールなどの低分子トリオール、例えばエチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒ
ドラジン、1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノプ
ロパン、1,3−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノ
ヘキサンジアミノトルエン、ビス−(4−アミノフェニ
ル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−クロロフェニ
ル)メタン等の低分子ジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ペンタエチレンヘキサミン、2,2′−ジアミノジ
エチルアミン等の3官能以上の低分子ポリアミン、前記
の低分子ジオール、トリオール、ジアミン、3官能以上
のポリアミンとエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イドなどのアルキレンオキサイドとの付加反応によって
得られるポリアルキレンポリオール、テトラヒドロフラ
ンの開環重合によって得られるポリテトラメチレングリ
コール、前記低分子ジオール、低分子トリオールの1種
または2種以上と、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク
酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,
1−ジメチル1,3−ジカルボキシプロパン、3−メチ
ル−3−エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバチン
酸、他の脂肪族(C11-13)ジカルボン酸、ヘット酸及
びこれらのカルボン酸からなる酸無水物、すなわち無水
シュウ酸、無水コハク酸、無水2−アルキル
(C12-18)コハク酸、さらにはこれらのカルボン酸か
らなる酸ハライド、すなわちシュウ酸ジクロライド、ア
ジピン酸クロライド、セバチン酸クロライド等との反応
によって得られるポリエステルポリオール、前記低分子
ジオール、低分子トリオールを開始剤としてε−カプロ
ラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトンを開環重合
して得られるポリエステルポリオール、前記低分子ジオ
ール、低分子トリオールを開始剤としてエチレンカーボ
ネートを開環重合して得られるポリカーボネートポリオ
ール、ひまし油などの天然油脂ポリオール、ポリブタジ
エンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオ
レフィンポリオール及びこれらの水素添加物等の通常の
ポリウレタンエラストマーの製造に用いられる活性水素
化合物を挙げることができ、これらは単独または2種以
上の混合物として用いることができる。
【0010】本発明の熱硬化性ポリウレタンエラストマ
ーの製造方法は、原料であるポリイソシアネートと活性
水素化合物を一度に反応させるいわゆるワンショット法
と、過剰のポリイソシアネートと活性水素化合物とを反
応させることによって得られた末端にイソシアネート基
を有するプレポリマーと、硬化剤として活性水素化合物
とを反応させるいわゆるプレポリマー法のいずれを用い
てもよいが、硬化物の機械物性、作業性の面からプレポ
リマー法を用いる方が好ましい。プレポリマー法を製造
方法とした場合、末端にイソシアネート基を有するプレ
ポリマーは、前記の活性水素化合物と、過剰量の前記の
ポリイソシアネートを反応させることによって製造され
る。例えば、窒素気流下においてポリイソシアネートを
撹拌し、これにポリオールを加え、反応温度が70〜9
5℃で1〜数時間程度反応を行うことで末端にイソシア
ネート基を有するプレポリマーが得られる。必要に応じ
て、未反応のポリイソシアネートモノマーを、例えば蒸
留や抽出などの手段を用いて反応液から除去してもよ
い。この場合に使用される活性水素化合物は、前記の活
性水素化合物が用いられるが、これらのうち好ましくは
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール、ポリエチレンアジペート及びポリプロピ
レンアジペート等のポリエステルポリオール、ε−カプ
ロラクトンを開環して得られるポリエステルポリオール
等のポリオール、ポリカーボネートジオール単独または
2種以上の混合物及びこれらと前記低分子量ジオールと
の混合物が用いられる。通常用いられるポリイソシアネ
ートとポリオールの使用比率は、いずれも、NCO/O
Hの当量比で1.2〜4.0、好ましくは1.5〜3.0で
ある。
【0011】プレポリマー法を製造方法とした場合の硬
化剤としては、前記の活性水素化合物をあげることがで
き、これらは単独または2種以上の混合物として用いる
ことができる。これらの活性水素化合物のうちでは、得
られるウレタンエラストマーの機械強度の点から、ビス
−(4−アミノ−3−クロロフェニル)メタン(MOC
A)などの芳香族ジアミン、ビスヒドロキシエトキシベ
ンゼン(BHEB)、キシリレングリコール等の芳香族
ジオールが好ましい。本発明のポリウレタンエラストマ
ーの製造においては、必要に応じて硬化触媒や種々の添
加剤、例えば可塑剤、消泡剤、レベリング剤、艶消し
剤、難燃剤、揺変剤、粘着付与剤、増粘剤、帯電防止
剤、反応遅延剤、脱水剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
加水分解防止剤、耐候安定剤、染料、無機顔料、有機顔
料、体質顔料等を適宜用いることができる。プレポリマ
ー法を製造方法とした場合、イソシアネート基末端プレ
ポリマーに離型剤を配合した混合物を加熱して粘度を下
げておき、これに硬化剤を添加、混合して溶融混合物を
得、必要に応じて減圧下脱泡した後、これをコンクリー
ト型枠の金型に注入し、例えば80〜140℃程度に加
熱硬化させた後に脱型することにより、ポリウレタンエ
ラストマー製のコンクリート型枠が得られる。このと
き、硬化剤がMOCAのような常温で固体のものは、プ
レポリマーと離型剤との混合物に加える前に、別途加熱
溶融しておく。また、上記工程に先立って金型を例えば
80〜140℃程度に予備加熱しておくのが好ましい。
本発明のポリウレタンエラストマー組成物は通常20分
〜数時間加熱硬化させた後に脱型可能となり、その後さ
らに上記温度にて4〜24時間程度硬化反応を行い、ま
た必要に応じて室温にて、たとえば数時間〜7日程度熟
成させる。ポリウレタンエラストマー硬化物の硬度は、
JIS K6301 記載のA形スプリング式硬さ試験機で測定し
た硬度が70Aから98Aが好ましい。硬度が70A未
満の場合は、強度が不足し、コンクリートの重量によっ
て型枠が変形し満足なコンクリート成形体が得られな
い。また、硬度が98Aを越えると弾性がなくなり、凹
凸面を有するような複雑な形状のコンクリート成形体の
脱型が困難になる。本発明によって得られたポリウレタ
ンエラストマー硬化物は、コンクリート型枠として好適
に利用される。すなわち、型枠の繰り返し使用が可能に
なり、コンクリート成形体の表面平滑性、仕上がり面の
美観が良好であり、さらには凹凸面を有するような複雑
な形状成形体の脱型が容易に行える。
【0012】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によりなん
ら限定されるものではない。なお、実施例中の「部」及
び「%」は重量基準である。 実施例1 〔ポリウレタンプレポリマーの製造〕平均分子量200
0のポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化
学製、PTG2000)100部にトリレンジイソシア
ナート(TDI−100)24.4部を加え、窒素雰囲
気下、80℃で4時間撹拌しながら反応を行った。反応
液のイソシアネート基含量を滴定により測定し、イソシ
アネート基含量の減少が止まった時点で反応を終了し、
イソシアネート基含量6.1%のエーテル系のウレタン
プレポリマー(A)を得た。
【0013】〔コンクリート型枠の製造〕上記の方法で
得られたプレポリマー(A)100重量部に、3次元網
目構造含有ジメチルシリコーンオイル(東芝シリコーン
製、商品名;TSF4600)をプレポリマー(A)に
対して20部添加、混合し、NCO基含量5.1%、粘
度300cps(80℃)の離型剤を配合したウレタン
プレポリマー組成物を得た。得られた組成物120部を
80℃に予備加熱し、これをあらかじめ120℃で溶融
しておいたMOCA 14.5部と均一になるように撹拌
混合した。これをすばやく減圧脱泡した後110℃に予
備加熱していた、一部に凹凸面を有する複雑な形状のコ
ンクリート型枠の金型に注ぎ、同温度にて1時間加熱し
た後脱型し、さらに3時間加熱硬化させて、ポリウレタ
ンエラストマーを材質とするコンクリート型枠を得た。
JIS K6301 記載のA形スプリング式硬さ試験機で測定し
て得られたコンクリート型枠の硬度は90Aであった。
【0014】〔コンクリート成形体の製造〕住友大阪セ
メント(株)製普通ポルトランドセメント800部に対
して豊浦標準砂2400部を加えて混合し、消泡剤(信
越シリコーン製、商品名;KM−71)0.4部を予め
溶解させた水520部を加えて混合し、上記の方法で得
られたウレタンエラストマーを材質とするコンクリート
型枠に注いだのち、常温で2日間硬化させた後コンクリ
ート成形体を脱型した。コンクリート成形体が複雑な形
状をしているのにもかかわらず脱型は容易であった。脱
型したコンクリート成形体の表面状態を観察し、また上
記の操作を繰り返してコンクリート成形、型枠表面にコ
ンクリートが付着して脱型が困難になるまでの型枠の連
続使用回数を評価した。 実施例2〜6 3次元網目構造含有ジメチルシリコーンオイル20部の
代わりに〔表1〕に示される量と種類の離型剤を用い
て、実施例1と同様の方法でウレタンエラストマーを材
質とするコンクリート型枠を得た。得られたウレタンエ
ラストマーを材質とするコンクリート型枠を使用して、
実施例1と同様の方法でコンクリート成形体を製造し、
コンクリート成形体の表面状態の観察、連続使用回数の
評価を行った。
【0015】実施例7 分子量2000のアジペート系ポリエステルジオール
(武田薬品工業製、商品名;タケラックU−2320)
100部と、23.5部のTDI−100から実施例1
と同様の方法で合成し、NCO基含量5.8%のエステ
ル系ウレタンプレポリマー(B)を得た。ウレタンプレ
ポリマー(A)の代わりに、得られたウレタンプレポリ
マー(B)を用いて、実施例1と同様の方法でウレタン
エラストマーを材質とするコンクリート型枠を得た。得
られたコンクリート型枠の硬度は90Aであった。得ら
れたウレタンエラストマーを材質とするコンクリート型
枠を使用し、実施例1と同様の方法でコンクリート成形
体を製造し、コンクリート成形体の表面状態の観察、連
続使用回数の評価を行った。
【0016】実施例8 平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリ
コール(保土谷化学製、商品名;PTG2000)10
0部と、16.5部のTDI−100から実施例1と同
様の方法で合成し、NCO基含量3.2%のウレタンプ
レポリマー(C)を得た。ウレタンプレポリマー(A)
の代わりに、得られたウレタンプレポリマー(C)を用
いて、実施例1と同様の方法でウレタンエラストマーを
材質とするコンクリート型枠を得た。得られたコンクリ
ート型枠の硬度は75Aであった。
【0017】
【表1】 1) 東芝シリコーン製、商品名;TSF−46002) 理系化学工業製、商品名;N−8033) 日本油脂製、商品名;ユニスターH−481R4) 日本油脂製、商品名;エレガン264−wax
【0018】比較例1、2 3次元網目構造含有ジメチルシリコーンオイル20部の
代わりに〔表1〕に示される量の離型剤を用いて、実施
例1と同様の方法でウレタンエラストマーを材質とする
コンクリート型枠を得た。得られたウレタンエラストマ
ーを材質とするコンクリート型枠を使用し、実施例1と
同様の方法でコンクリート成形体を製造し、コンクリー
ト成形体の表面状態の観察、連続使用回数の評価を行っ
た。比較例1では、型枠の強度が弱く脱型時に枠が破
れ、2回目以降は使用できなかった。比較例2では、離
型性が悪く、2回目以降は使用できなかった。
【0019】比較例3〜6 100部のPTG2000と、19.8部のTDI−1
00から実施例1と同様の方法で合成し、NCO基含量
4.5%のエーテル系プレポリマー(D)を得た。ウレ
タンプレポリマー(A)の代わりに、得られたウレタン
プレポリマー(D)を用いて、実施例1と同様の方法で
ウレタンエラストマーを材質とするコンクリート型枠を
得た。得られたコンクリート型枠の硬度は90Aであっ
た。得られたウレタンエラストマーを材質とする型枠
に、〔表2〕に示される離型剤を塗布したものを使用し
て、実施例1と同様の方法でコンクリート成形体を製造
した。 比較例7〜10 鉄枠に〔表2〕に示される離型剤を塗布したものを使用
して、実施例1同様の方法でコンクリート成形体を製造
したが、複雑な形状部分でコンクリートの欠けを生じ、
脱型が困難であった。比較例1〜8において、脱型した
コンクリート成形体の表面状態を観察し、型枠の連続使
用回数を評価した結果を〔表2〕に示す。
【0020】
【表2】 た熱硬化性ポリウレタンエラストマーを材質とするコン
クリート型枠を使用することによって、型枠の繰り返し
使用、コンクリート成形体の表面平滑性、仕上がり面の
美観、さらには凹凸面を有するような複雑な形状の成形
体の脱型の容易さが、従来技術より著しく優れているこ
とは明らかである。
【0021】
【発明の効果】本発明の、離型剤をポリウレタンエラス
トマー100重量部に対して5〜40重量部配合した熱
硬化性ポリウレタンエラストマー組成物を材料とするコ
ンクリート型枠を使用することによって、型枠の繰り返
し使用が可能になり、コンクリート成形体の表面平滑
性、仕上がり面の美観が良好であり、さらには凹凸面を
有するような複雑な形状の成形体の脱型が容易に行うこ
とができるので、各種コンクリートの成形に幅広く有利
に用いられる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】離型剤をポリウレタンエラストマー100
    重量部に対して5〜40重量部配合したコンクリート型
    枠用熱硬化性ポリウレタンエラストマー組成物。
  2. 【請求項2】離型剤がシリコーンオイルである請求項1
    記載のコンクリート型枠用熱硬化性ポリウレタンエラス
    トマー組成物。
  3. 【請求項3】離型剤がアルキルポリオールと脂肪酸との
    エステルである請求項1記載のコンクリート型枠用熱硬
    化性ポリウレタンエラストマー組成物。
  4. 【請求項4】離型剤が4級アンモニウム塩である請求項
    1記載のコンクリート型枠用熱硬化性ポリウレタンエラ
    ストマー組成物。
  5. 【請求項5】離型剤がポリオレフィン基油配合油である
    請求項1記載のコンクリート型枠用熱硬化性ポリウレタ
    ンエラストマー組成物。
  6. 【請求項6】離型剤が界面活性剤である請求項1記載の
    コンクリート型枠用熱硬化性ポリウレタンエラストマー
    組成物。
  7. 【請求項7】離型剤をポリウレタンエラストマー100
    重量部に対して10〜30重量部配合したコンクリート
    型枠用熱硬化性ポリウレタンエラストマー組成物。
  8. 【請求項8】ポリウレタンエラストマーがポリイソシア
    ネートと活性水素化合物とを反応させて得られる末端に
    イソシアネート基を有するプレポリマーと硬化剤を反応
    させるプレポリマー法によって得られたものである請求
    項1記載のコンクリート型枠用熱硬化性ポリウレタンエ
    ラストマー組成物。
  9. 【請求項9】離型剤をポリウレタンエラストマー100
    重量部に対して5〜40重量部配合するコンクリート型
    枠用熱硬化性ポリウレタンエラストマー組成物の製造方
    法。
  10. 【請求項10】請求項1記載のコンクリート型枠用熱硬
    化性ポリウレタンエラストマー組成物を型枠内で硬化さ
    せ脱型して得られたコンクリート型枠。
JP32075396A 1996-11-15 1996-11-15 コンクリート型枠用熱硬化性ポリウレタンエラストマー組成物およびコンクリート型枠 Pending JPH10147704A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010116534A (ja) * 2008-10-16 2010-05-27 Hitachi Chem Co Ltd ウレタン樹脂組成物及び光半導体装置
CN111002444A (zh) * 2019-11-29 2020-04-14 中建科技河南有限公司 一种装饰一体化预制构件的生产方法

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