JPH10147579A - エポキシド、ケトンの製造法、エポキシド、オキサザボロリジンの製造法およびケトンのエナンチオ選択的還元 - Google Patents

エポキシド、ケトンの製造法、エポキシド、オキサザボロリジンの製造法およびケトンのエナンチオ選択的還元

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JPH10147579A
JPH10147579A JP9305771A JP30577197A JPH10147579A JP H10147579 A JPH10147579 A JP H10147579A JP 9305771 A JP9305771 A JP 9305771A JP 30577197 A JP30577197 A JP 30577197A JP H10147579 A JPH10147579 A JP H10147579A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 式: 【化1】 で示されるエポキシド。 【解決手段】 前記エポキシドは、式: 【化2】 で示されるエステルを、不活性有機溶剤中で強過酸と反
応させることによって得られる。 【効果】 本発明によるエポキシドは、高く評価される
香気成分の製造に有用であり、極めて有用な収率および
卓越したジアステレオ化学的純度およびエナンチオマー
純度で、該香気成分を製造できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機合成の分野に
関する。更に詳細には、嗅覚の点で有利であるHedi
one(登録商標)(3−オキソ−2−ペンチル−1−
シクロペンタン酢酸メチル;出所:フィルメニッヒ社
(Firmenich SA)、ジュネーブ、スイス共和国)の異性
体を含めて、高く評価される香気成分の製造のための出
発生成物として有用なエポキシドに関する。
【0002】
【従来の技術】1995年12月14日発行の国際公開
番号WO95/33735号には、式:
【0003】
【化10】
【0004】〔式中、Raは、炭素原子1〜8個を有す
るアルキル基を表し、Rbは、C1〜C4−アルキル基を
表す〕で示されるエポキシドが記載されている。しかし
ながら、そこから化合物(A)の明確な立体化学の記述
または言及を見出すことはできない。ところで、前記化
合物の製造についての前記文献中に記載された方法を再
現しようと試みたが、Raがペンチル基またはヘキシル
基である場合と、Rbがメチル基またはエチル基である
場合に、式(A)のそれぞれのエポキシドのジアステレ
オマーの混合物を製造できるようにするにすぎないこと
が見出された。従って、国際公開番号WO95/337
35号中に記載されたようなエポキシド(A)の製造の
ための方法は、ジアステレオ選択的ではないこと、更
に、この反応は、25%の程度の極めて低い変換率で生
じることが見出された。
【0005】また、国際公開番号WO95/33735
号中で示されているものとは異なり、こうして得られた
エポキシドの変換は、記載された反応条件下で、即ち、
ヨウ化リチウムの触媒量の存在下でのエポキシドの熱処
理では、所望のケトンとは全く異なる生成物を形成する
ことになる。従って、国際公開番号WO95/3373
5号中に記載されたのと同様の方法を、Raがペンチル
であり、かつRbがCH3である式(A)のエポキシドに
適用する場合、前記文献中の記載により予想されていた
のと同様の3−オキソ−2−ペンチル−1−シクロペン
タン酢酸メチルの代わりに、スペクトルデータによっ
て、構造式:
【0006】
【化11】
【0007】を有することが確認された全く異なるラク
トン、即ち、シス−ペルヒドロ−6a−ペンチル−2−
シクロペンタ[b]フラノンが得られた。
【0008】前記ラクトンは、実際には、出願人等の研
究所では久しい以前から知られていたラクトンであり、
僅かに動物性であり湿った金属性の化学臭気を有してい
る。しかしながら、所望の環式ケトンの痕跡すらも、前
記生成物中で検出することはできなかった。同じこと
は、Raがヘキシルであり、Rbがメチルまたはエチルで
ある場合にも該当する。
【0009】要するに、前記の従来技術の文献には本発
明による式(I)のエポキシドを取得するかまたは変換
することができるようにする方法が記載されていないこ
とおよび結果として、本発明の対象であり、かつ上記の
固有の立体化学を有する化合物の任意の有利な有用性を
認められなかったことは、上記から明らかである。
【0010】それでも、出願人等は、化合物(I)が調
香師によって特に高く評価されている光学活性香気成分
を純粋な状態で製造するための出発生成物として極めて
有用であることを見出した。
【0011】また、更に続けて提示されている比較例か
ら明らかになるように、上記の先行技術文献には、エポ
キシド(I)に相応する純粋なラセミ体、即ち、式:
【0012】
【化12】
【0013】〔式中、エポキシ置換基およびカルボキシ
置換基は、厳密にはシスであるような相対的な位置を有
し、符号RおよびR1は、式(I)中に記載された意味
を有する〕に相応するエポキシドが記載されていないこ
とにも注意しなければならない。また、エポキシド
(I)とそのそれぞれのエナンチオマーとの等モル量混
合物である前記化合物も、新規化合物である。これら
は、厳密にはシスシクラン配置を有する相応するケトン
の製造に有用であることが判明し、その最も重要な例
は、香料においては、cis−Hedione(登録商
標)またはシス−3−オキソ−2−ペンチル−1−シク
ロペンタン酢酸メチルである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、式:
【0015】
【化13】
【0016】〔式中、シクラン(1R)配置を有し、2
位の基はトランス配置であり、かつエポキシ基は環の1
位に対してシス配置であり、Rは、低級アルキル基を表
し、R1は、炭素原子1〜8個を有する飽和もしくは不
飽和で、線状もしくは分枝鎖状の炭化水素基を表す〕で
示されるエポキシドである。
【0017】低級アルキル基とは、この場合、線状もし
くは分枝鎖状のC1〜C4−アルキル基、更に詳細には、
メチル基もしくはエチル基のことである。
【0018】本発明によれば、式(I)の光学活性エポ
キシドは有利な化合物であり、更に好ましい化合物とし
て、(+)−メチル−(1R,2S,3R)−2,3−
エポキシ−2−ペンチル−1−シクロペンタンアセテー
トを挙げることができる。以下に記載された新規方法に
よる前記化合物の変換は、(+)−cis−Hedio
ne(登録商標)または(+)−メチル−(1R)−シ
ス−3−オキソ−2−ペンチル−1−シクロペンタンア
セテート、即ち、前記の公知環式ケトンの、よくても典
型的な匂い特性、特にジャスミンノートを有することが
知られているような異性体の製造を可能にする。
【0019】従ってまた、本発明は、適当なルイス酸ま
たは酸性粘土を含有する酸性助剤を用いる不活性有機溶
剤中での前記エポキシドの処理を含む新規変換方法によ
る、(1R)−シスシクラン配置を有する式:
【0020】
【化14】
【0021】で示される環式ケトンの製造のための式
(I)のエポキシドの使用に関するものでもある。
【0022】
【課題を解決するための手段】出願人等は、驚異的なこ
とに、前記の反応条件が、以下の実施例から明らかにな
るように、選択的かつ卓越した収率で式(II)の光学
活性ケトンを取得できるようにしたことを見出した。こ
の結果は、低分子量の酸のアルカリ金属またはアルカリ
土類金属の塩の存在下で、エポキシドに熱処理を施した
ような前記の文献中に記載されているような先行技術の
方法を用いて観察することができた結果とは異なるもの
である。
【0023】本発明の方法を特徴付ける反応は、使用さ
れた試薬および特に酸性助剤の反応性に応じて種々の温
度で実施される。従って、国際公開番号WO95/33
735号中に記載された方法とは異なり、本発明の方法
は、典型的には120℃以下の穏和な温度条件を使用で
きるようにしている。
【0024】本発明の方法に適するルイス酸としては、
特に(例えばエーテル化物のように)錯化されていても
よい三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウムおよびヨウ化
マグネシウムを挙げることができる。
【0025】酸性粘土としては、FILTROL(登録
商標)(出所:Harshaw/Filtrol)の名
称で知られている一群の製品からのアルミノ珪酸塩を基
礎とする粘土、GK(出所:Georgia Kaol
in Co.)のような名称で市販により入手可能な粘
土、K触媒、例えばK10、KP10、KSFおよびK
SF/O(出所:Sued−Chemie AG)の名
称で公知のモンモリロナイト、ベントナイト、また更に
常用の任意の別の酸性粘土を使用することができる。本
発明の有利な実施態様によれば、例えばFiltrol
(登録商標)G24を使用することになる。
【0026】酸性助剤を出発エポキシドに相応して使用
することができる割合は、濃度の広い範囲内で変動す
る。出願人等は、2つの試薬の間の比は、例えば化学量
論的であってもよいが、しかし、同様に有用な結果は、
エポキシドに相応する酸性助剤の触媒量を用いて得られ
ることを観察した。
【0027】本発明により使用することができる溶剤と
しては、反応条件下で不活性であるような常用の溶剤を
採用することができる。特に環式もしくは非環式炭化水
素、特にシクロヘキサン、キシレンおよびトルエン、エ
ーテル、例えばジエチルエーテルまたはテトラヒドロフ
ランあるいは更に塩素化された溶剤、特にジクロロメタ
ンを挙げることができる。特に有用な結果は、トルエン
またはジクロロメタンを用いて得られた。
【0028】本発明の方法の有利な実施態様によれば、
(+)−メチル−(1R,2S,3R)−2,3−エポ
キシ−2−ペンチル−1−シクロペンタンアセテートが
使用される。前記実施態様は、上記のように、Hedi
one(登録商標)の有利な異性体、即ち(+)−メチ
ル−(1R)−シス−3−オキソ−2−ペンチル−1−
シクロペンタンアセテートを製造できるようにするの
で、それ自体特に有利であることを示した。
【0029】勿論、上記の方法で、上記により定義され
たのと同様の式(I′)のラセミ体のエポキシドを使用
する場合には、式(II)のケトンの厳密にはシスシク
ラン配置を有するラセミ体の当量である相応するラセミ
体の環式ケトンが得られることになる。従って、例えば
c−2,3−エポキシ−2−ペンチル−r−1−シクロ
ペンタン酢酸メチルを使用する場合には、ラセミ体のc
is−Hedione(登録商標)は、純粋な状態で得
られることになる。
【0030】また、本発明は、式:
【0031】
【化15】
【0032】〔式中、シクラン(1R)配置を有し、か
つ符号RおよびR1は、式(I)中で示された意味を有
する〕で示されるエステルを不活性有機溶剤中で強過酸
と反応させることによって特徴付けられる既に定義され
た式(I)のエポキシドの製造法に関するものでもあ
る。
【0033】式(III)の光学活性エステルは、新規
化合物であり、以下に記載されることになる新規方法に
より製造される。
【0034】実際には、ラセミ体の2−ペンチル−2−
シクロペンテン酢酸メチルは、Agric.Biol.
Chem.50、1867(1986)中のT.Kit
ahara他の論文から公知であるが、前記論文中に
は、前記ラセミ体化合物中、即ち、式(III)による
(1R)配置のものの中に存在するエナンチオマーのい
ずれか1つについての記載はない。従って、以下に見ら
れるように、本発明は、絶対配置(1R)を有する式
(III)の所望のエナンチオマー、更に詳細には
(+)−メチル−(1R)−2−ペンチル−2−シクロ
ペンテン−1−アセテートの製造のための新規方法を提
供する。
【0035】式(I)のエポキシドの製造の場合に本発
明により使用された強過酸としては、酸化反応で常用の
ペルオキシ酸の中から選択された、強力な電子求引性で
ある有機過酸を使用することができる(例えばOrg.
Chem.、第5版、W.S.Trahanovsk
y、Academic Press、1978中の第3
節を見よ)。こうして、過マレイン酸、過フタル酸、m
−クロロ過安息香酸または更に式CX3CO2OH〔式
中、Xは、典型的にはハロゲン原子、特に塩素またはフ
ッ素を表す〕で示される過酸を、有利な助剤として挙げ
ることができる。有利に、過マレイン酸またはトリフル
オロ過酢酸が使用されることになる。
【0036】前記方法における適当な溶剤としては、塩
素化された溶剤が有利に使用されることになる。非常に
有用な結果は、特にジクロロメタンを用いて得られた。
【0037】前記の方法で出発生成物として使用された
式(III)のエステルは、新規化合物であり、また、
本発明の対象でもある。前記エステルの中では、特に
(+)−メチル−(1R)−2−ペンチル−2−シクロ
ペンテン−1−アセテートを挙げることができ、該エス
テルの変換は、本発明によれば、Hedione(登録
商標)の有利な異性体を製造できるようにする。
【0038】また、本発明は、常用の反応を使用して製
造することができるような市販により入手可能な材料ま
たは生成物から出発する式(III)のエステルの製造
のための新規方法に関するものでもある。エステル(I
II)の製造法を特徴付ける反応は、以下に示されてい
る:
【0039】
【化16】
【0040】本発明によれば、前記反応式中の第一の反
応は、支持体に対して、化学量論的量または触媒量で使
用することができるようなオキサザボロリジン−ボラン
タイプの系を用いて実施される出発シクロペンテノンの
エナンチオ選択的還元からなる。これは、種々の刊行物
中に記載されているケトンのエナンチオ選択的還元のた
めの系であるが(例えばE.J.Corey他、J.A
mer.Chem.Soc.1987、109、792
5;S.Itsuno他、Bull.Chem.So
c.Jpn、1987、60、395;D.J.Mat
hre他、J.Org.Chem.1991、56、7
51;V.K.Singh、Synthesis 19
92、605を見よ)、しかし、出願人等の知るところ
によれば、上記のようなシクロペンテノンの還元の場合
にはまだ使用されていない。還元のための触媒としての
式:
【0041】
【化17】
【0042】で示されるオキサザボロリジンまたは
(S)−テトラヒドロ−1−メチル−3,3−ジフェニ
ル−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]
オキサザボロールの使用が含まれ、この場合、前記還元
は、(錯化した形での)BH3を用いて引き起こされ
る。この還元反応は、単離することができ、かつ前記オ
キサザボロリジンに再変換できるような更に望ましいア
ルコール(IV)、(S)−α,α−ジフェニル−2−
ピロリジンメタノールを自体公知の方法で供給する
(D.J.Mathre、引用された参考文献を見
よ)。
【0043】更に有利な実施態様によれば、上記のオキ
サザボロリジンは、少なくともe.e.90%の光学純
度を有するアルコール(IV)を生じるためにシクロペ
ンテノン(V)対して触媒量で使用される。前記反応の
詳細な条件は、以下に記載されることになる。
【0044】出願人等はまた、次式:
【0045】
【化18】
【0046】〔式中、前記の公知オキサザボロリジン触
媒と比較して、フェニル基の1個は、水素原子によって
置換されている〕で示されるような上記還元のための新
規触媒を開発することができた。上記式中、アリール置
換基は、置換されていないかまたは置換されたフェニル
基、例えばトルエン、キシレン、ジ−第三ブチルベンゼ
ンまたはメシチレンまたは更に融合したアリール基、例
えばナフタレンであってもよい。
【0047】新規触媒は、反応が出発生成物として、次
式:
【0048】
【化19】
【0049】〔式中、Arは、上記の意味を有する〕で
示されるアミノアルコールを使用するような2個のフェ
ニル基を有する公知のオキサザボロリジン触媒の製造と
同様の反応により合成することができる。アミノアルコ
ールは、公知方法(A.オオカワ、K.ソアイ、J.C
hem.Soc.Perkin Trans.1、19
87、1465を見よ)により製造され、かつトリメチ
ルボロキシン(BOMe)3と反応して所望の触媒を生
じる。
【0050】前記触媒は、新規化学物質であり、本発明
の1つの対象でもある。
【0051】Arがフェニルであるこの新規触媒系、即
ち、(S)−テトラヒドロ−1−メチル−3−フェニル
−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オ
キサザボロールを本発明によるエナンチオ選択的還元で
使用する場合、前記の公知オキサザボロリジンを用いて
得られた結果と同様に良好な結果が得られた。前記の公
知オキサザボロリジンのように、新規触媒は、シクロペ
ンテノン(V)に対して化学量論的量または触媒量で使
用することができる。
【0052】式(V)のシクロペンテノンをアルコール
(IV)にエナンチオ選択的還元するための1つの別の
合成法には、生物工学的工程が含まれている。前記ケト
ンを、常法により相応するラセミ体のアセテートに変換
することができ、次に、該アセテートを、リパーゼを用
いてエナンチオ選択的に鹸化して望ましい光学活性アル
コール(IV)にすることができる。
【0053】前記反応工程に適するリパーゼは、当業者
には公知であり、例えば Candida antarctica、Pseudom
onas Fluorescens、Pseudomonas Amano、Humicola lan
g.、Candida cylindracea、Mucor Miehei、Chromabacte
rium viscosum、Aspergillusniger、Mucor javanicus
および Rhisopus arrhizus が含まれる。
【0054】アセテート官能基にするためのケト官能基
の変換は、従来技術で常用の助剤を用いて引き起こされ
る。前記の関係から、LiAlH4/無水酢酸の系を挙
げることができるが、しかし、別の系を使用することも
できる。同様に、アセテートの他に別のエステルを使用
してもよい。
【0055】アリルアルコール(III)のクライゼン
転位は、エナンチオマー配置を全体的に保持する式(I
II)のエステルを得られるようにする。これは、全く
驚異的な結果であり、酸性条件および反応媒体の上昇し
た温度によって有利である可逆的脱水による出発シクロ
ペンテノールのラセミ化の程度が顕著になることが予想
されていたという事実が記載されていた。更に、出発シ
クロペンテノールの光学純度に対して、得られた生成物
の光学純度が実際的には損失を観察されなかった(ラセ
ミ化1%未満)。
【0056】前記エステル化反応の条件は、以下に更に
詳細に記載されている。
【0057】要するに、本発明は、高く評価される香気
成分の製造にそれ自体が有用であり、かつ極めて有用な
収率および卓越したジアステレオ化学的純度およびエナ
ンチオマー純度で、該香気成分を製造できるようにする
ような新規光学活性化合物を製造できるようにしてい
る。更にこれは、工業的規模で使用することができるよ
うな反応を使用することによって、環境に対する危険が
ない。
【0058】本発明は、以下の実施例を用いて更に詳細
に記載されることになるが、実施例中で、温度は、摂氏
を示し、かつ略符号は、従来技術で常用の意味を有す
る。
【0059】
【実施例】
発明の実施態様 例 1 (+)−(1R)−2−ペンチル−1−シクロペンテン
−1−オールの製造 テトラヒドロフラン(THF)140ml中の2−ペン
チル−2−シクロペンテン−1−オン(9.12g、6
0ミリモル)の溶液を、上記のオキサザボロリジン、即
ち、(S)−テトラヒドロ−1−メチル−3,3−ジフ
ェニル−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,
2]オキサザボロール(16.7ml;トルエン中0.
36M、6.0ミリモル;参照のため引用されたD. J.
Mathreを見よ)を用いて処理した。THF(60ml)
中のBH3・S(CH32(3.30ml=2.64
g、34.8ミリモル)の溶液を、0℃で1時間かけて
滴加した。この反応を、メタノール3ml(H2の発
生)、引き続くエチルエーテルおよび5%のHClで停
止させた。洗浄して中和させた(水で2回およびブライ
ンで1回)有機相を分離し、かつ溶剤を蒸発させた。粗
製生成物9.5gが得られ、これをバルブ・ツー・バル
ブ装置中で蒸発させ(炉温度60℃/11Pa)、
(+)−(1R)−2−ペンチル−2−シクロペンテン
−1−オール8.1g(収率89%)を生じさせた。
【0060】この化合物は、以下の分析データを示し
た。
【0061】[α]20 D=+28.3(c=2.7;C
HCl3) エナンチオマー過剰量(e.e.)=91%(相応する
トリメチルシリルエーテルを基礎とするタイプ Megadex
(登録商標)5またはCD-Chirasil(登録商標)DEX CB
により測定した) NMR(1H、360MHz):0.89(t,J=7,3
H);1.20〜1.40(m,4H);1.40〜1.57(m,3
H;D2O=2Hを伴う);1.69(m,1H);2.02〜
2.47(m,5H);4.64(幅広、1H);5.53(幅広
s、1H)δppm。
【0062】NMR(13C):146.7(s);126.9
(s);78.9(d);34.1(t);31.9(t);29.7
(t);28.1(t);27.5(t);22.6(t);14.1
(q)δppm。
【0063】MS:154(M+,2)、97(30)、83(10
0)、79(12)、67(7)、55(11)、41(9)。
【0064】異なるオキサザボロリジン、即ち(S)−
テトラヒドロ−1−メチル−3−フェニル−1H,3H
−ピロロ−[1,2−c][1,3,2]オキサザボロ
ール(例7を見よ)を、不斉還元における触媒として、
かつ支持体に対して10%の量で使用する場合、同じキ
ラルシクロペンテノールが、68%の収率および90%
のe.e.で得られた。
【0065】例 2 (+)−エチル−(1R)−2−ペンチル−1−シクロ
ペンテン−1−アセテートの製造 例1により得られたシクロペンテノール(5g、32.
5ミリモル)とオルト酢酸トリエチル(47.2ml=
42.1g、260ミリモル、8当量)との混合物を、
ビグローカラム(Vigreux Column)およびコンデンサを
備えた反応器中で窒素流下に145℃(油浴の温度16
0℃)に加熱し、他方、連続的に4時間に亘って、オル
ト酢酸トリエチル(5.9ml=5.26g、32.5
ミリモル、1当量)中のピバル酸(232mg、2.2
8ミリモル、7モル%)を添加する。反応の間、形成さ
れたエタノール並びに酢酸エチルおよび少量のオルト酢
酸を留去した。反応混合物を更に1時間加熱し、次に2
0℃に冷却し、稀釈された水性NaHCO3を用いて加
水分解し、かつエーテルで抽出した。有機層を水で2回
洗浄し、ブラインで1回洗浄し、Na2SO4により乾燥
させ、かつ蒸発させて粗製生成物15.4gを生じさせ
た。ヘッドの蒸留後に(6.6g、50℃/1.1×1
2Pa)、(+)−エチル−(1R)−2−ペンチル
−2−シクロペンテン−1−アセテート5.30g(9
5℃/1.1×102Pa)(収率73%)が得られ、
この場合、e.e.90%のエナンチオマー純度を有し
ている(タイプMegadex(登録商標)5型のキラルカラ
ム)。
【0066】[α]20 D=+23.6(c=3.9;C
HCl3) NMR(1H、360MHz):0.89(t,J=7,3
H);1.26(t,J=7,3H);1.22〜1.63(m,7
H);1.86〜2.36(m,6H);2.53(dd,J=15
および4,1H);2.95(幅広、1H);4.14(q,J
=7,2H);5.37(幅広s、1H)δppm。
【0067】NMR(13C):14.1(q);14.3
(q);22.6(t);27.4(t);28.9(t);30.4
(t);30.5(t);31.8(t);38.8(t);43.7
(d);60.2(t);124.3(d);146.3(s);173.
4(s)δppm。
【0068】MS:224(M+,24)、176(5)、150(3
1)、136(68)、121(20)、107(30)、93(56)、80
(100)、79(92)、67(58)、55(18)、41(46)、2
9(63)。
【0069】例 3 (+)−メチル−(1R)−2−ペンチル−2−シクロ
ペンテン−1−アセテートの製造 前記のシクロペンテノールを、例2中に記載したのと同
様にして反応させるが、しかし、オルト酢酸トリメチル
(27当量)およびピバル酸10モル%を使用する。こ
の反応を、約115℃の温度で約6時間に亘って行っ
た。通常の処理後に、所望の(+)−メチル−(1R)
−2−ペンチル−2−シクロペンテン−1−アセテート
が43%の収率およびe.e.90%のエナンチオマー
純度で得られた(キラルカラムMegadex(登録商標)
5)。
【0070】該化合物は、以下の分析特性値を示した: [α]20 D=+25.3(c=3.6;CHCl3) NMR(1H、360MHz):0.89(t,J=7,3
H);1.20〜1.60(m,7H);1.85〜2.35(m,6
H);2.54(dd,J=15および4,1H);2.93
(幅広、1H);3.67(s,3H);5.37(幅広s、1
H)δppm。
【0071】NMR(13C):14.1(q);22.6
(t);27.4(t);28.9(t);30.4(t);30.5
(t);31.8(t);38.5(t);43.6(d);51.5
(q);124.4(d);146.2(s);173.8(s)δp
pm。
【0072】MS:210(M+,32)、178(3)、150(1
6)、136(59)、121(13)、107(23)、93(43)、80
(100)、67(42)、41(36)、29(31)。
【0073】また、前記エステルを、同じ化学的および
光学的純度で、例2中に記載された該エステルの同族体
のトランスエステル化(収率85%)または相応する酸
の形成のための前記同族体を鹸化し、次にエステル化す
ることによって製造した(全収率85%;通常の条
件)。
【0074】中間生成物(+)−(1R)−2−ペンチ
ル−2−シクロペンテン−1−酢酸(収率89%)は、
e.e.90%のエナンチオマー純度および以下の分析
データを示した: [α]20 D=+32.5(c=6.0;CHCl3) NMR(1H、360MHz):0.89(t,J=7,3
H);1.20〜1.65(m,7H);1.86〜2.36(m,6
H);2.60(dd,J=15,5および4,1H);2.
95(幅広、1H);5.39(幅広s、1H);〜10.3〜1
1.3(幅広,1H)δppm。
【0075】NMR(13C):14.1(q);22.6
(t);27.4(t);28.9(t);30.4(t);30.5
(t);31.8(t);38.5(t);43.4(d);124.6
(d);146.0(s);180.2(s)δppm。
【0076】MS:196(M+,31)、136(56)、125(1
0)、121(12)、107(20)、93(49)、91(41)、79
(100)、77(62)、67(40)、53(21)、41(48)、2
9(39)。
【0077】例 4 (+)−メチル−(1R,2S,3R)−2,3−エポ
キシ−2−ペンチル−1−シクロペンタンアセテートの
製造 CH2Cl2(15ml)中の例3中に記載されたエステ
ル(2.10g、10.0ミリモル)および無水マレイ
ン酸(1.46g、15.0ミリモル、1.5当量)の
溶液を、10℃で、70%のH22(0.58g、12
ミリモル、1.2当量)を用いて少量ずつ処理した。1
0℃で4時間後に、この反応混合物をNaHCO3の飽
和水溶液中に注ぎ込んだ。この生成物をエーテルで抽出
し、水およびブラインで洗浄し、Na2SO4により乾燥
させ、かつ蒸発させて粗製生成物2.35gを生じさせ
た。バルブ・ツー・バルブ装置中での蒸留(炉温度70
℃/8Pa)により、ジアステレオマー過剰量d.e.
100%およびe.e.90%のエナンチオマー純度
(カラムMegadex(登録商標)5)を有する純粋な状態
(1.95g、86%)でエポキシドを生じさせた。7
0%のH22(360mg、7.5ミリモル)を使用
し、0℃でCH2Cl2(20ml)中の(CF3CO)2
O(2.31g=1.53ml、11.0ミリモル)の
溶液に添加した場合に同じ結果が得られた。30分後
に、前記溶液を、−50℃で、CH2Cl2(10ml)
中の例3中に記載されたエステル(1.05g、5.0
ミリモル)およびNa2CO3(1.59g、15ミリモ
ル)の懸濁液に滴加した。添加を終了後に(15分
間)、反応が完結した。溶液を上記と同様に処理し、か
つ生成物を蒸留して、純粋な(+)−メチル−(1R,
2S,3R)−2,3−エポキシ−2−ペンチル−1−
シクロペンタンアセテート863mg(収率76%)を
生じたが、この場合、前記と同じ特性値を示した。
【0078】 [α]20 D=+13.3(c=3.7;CHCl3) NMR(1H、360MHz):0.89(t,J=7,3
H);1.11(m,1H);1.22〜1.40(m,6H);1.
48〜1.66(m,2H);1.76〜1.91(m,2H);1.95
(dd,J=14および8,1H);2.22〜2.38(m,
2H);2.60(dd,15,5および4,1H);3.29
(s,1H);3.66(s,3H)δppm。
【0079】NMR(13C):14.0(q);22.6
(t);24.7(t);26.5(t);26.7(t);29.2
(t);31.9(t);34.5(t);37.6(d);51.6
(q);62.6(d);68.3(s);173.6(s)δpp
m。
【0080】MS:226(M+,3)、211(12)、183(2
6)、167(35)、152(42)、138(22)、123(37)、1
09(51)、96(89)、81(100)、67(56)、55(7
2)、41(88)、29(49)。
【0081】更に、他の反応条件も使用した。以下の表
は、上記の結果をまとめかつエポキシド化条件を変化さ
せることによって得られた結果と比較するものである。
反応生成物中に存在する種々の化合物(絶対配置)(重
量%)並びにタイプDB−WAXのカラム上での該化合
物の滞留時間[100℃(3分間)、次に30℃/分]
を表中に示してある。
【0082】
【表1】
【0083】例 5 (+)−エチル−(1R,2S,3R)−2−エポキシ
−2−ペンチル−1−シクロペンタンアセテートの製造 前記エポキシドを、例4中に記載されたのと同様の条件
下で製造するが、しかし、例2中に記載されたエステル
から出発した。以下の表は、異なる反応条件下で得られ
た結果をまとめている。
【0084】
【表2】
【0085】例 6 (+)−メチル−(1R)−シス−3−オキソ−2−ペ
ンチル−1−シクロペンタンアセテートまたは(+)−
(1R)−シス−Hedione(登録商標)の製造 例4中に記載されたエポキシド(1.0g、4.42ミ
リモル)、4Åのモレキュラーシーブ(0.50g)お
よびトルエン(10ml)の混合物を、23℃で、エー
テル化トリフルオロホウ素BF3・OEt2(56μl=
63mg、0.44ミリモル、0.1当量)で処理し
た。20〜25℃で8分後に、反応を、重炭酸ナトリウ
ムの飽和した氷水溶液を添加することによって停止さ
せ、次に、生成物をエーテルで抽出し、水で2回洗浄
し、ブラインで1回洗浄し、Na2SO4により乾燥さ
せ、かつ溶剤を蒸発させて粗製生成物1.09gを生じ
させた。バルブ・ツー・バルブ装置中での最後の蒸留に
より(炉温度60〜85℃/7×102Pa)、純度8
0%(収率66%、d.e87%、e.e.90%)を
有する(+)−(1R)−シス−Hedione(登録
商標)824gを生じさせた。第二の分留により、
(−)−(1S)−トランス配置の異性体5重量%並び
にジエン、即ちメチル−(2−ペンチル−2−シクロペ
ンテン−1−イリデン)アセテート5重量%を含有する
(+)−(1R)−シス−Hedione(登録商標)
を生じさせた。
【0086】同じ方法で、BF3・OEt2の化学量論的
量を使用した場合、(+)−(1R)−シス−Hedi
one(登録商標)を、純度90%(d.e90%、
e.e90%)で70%の収率で得られた。
【0087】更に、前記の条件とは異なる他の反応条件
を同様の方法で使用した。以下の表は、上記の結果をま
とめかつ異なる反応条件下で得られた結果と比較するも
のである。反応生成物中に存在する種々の化合物(絶対
配置)(重量%)並びにタイプDB−WAXのカラム上
での該化合物の滞留時間[100℃(3分間)、次に3
0℃/分]を表中に示してある。
【0088】
【表3】
【0089】例 7 (S)−テトラヒドロ−1−メチル−3−フェニル−1
H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサ
ザボロールの製造 トルエン(10ml)中の(1R,2′S)−1−フェ
ニル−2′−ピロリジンメタノール(オオカワ他により
得られた、引用文献参照のこと)(0.554g、3.
1ミリモル)およびトリメチルボロキシン(0.226
g、2.1ミリモル)の溶液を、25℃で撹拌した。4
5分後に、この溶液を緩徐に昇温させて2時間還流さ
せ、かつ形成されたH2Oおよびホウ酸を、トルエンと
の共沸混合物として留去した。直ちに、この混合物を、
半分の新鮮なトルエン(約5ml)の添加(反応の間に
添加することが必要とされるトルエンの3または4容
量)によって濃縮した。この反応混合物を一晩で室温に
冷却し、かつ所望のオキサザボロリジン(5.2ml、
約[0.59M])の溶液を、シリンジを介して瓶の中
に運搬し、かつアルゴン雰囲気下で貯蔵した。この溶液
は、例えば上記の還元条件下で使用することができた。
【0090】MS:201(M+,100)、200(94)、186
(12)、172(92)、158(20)、130(42)、104(1
9)、91(78)、77(18)、70(18)、67(18)、51(1
3)、39(15)。
【0091】比較例 国際公開番号WO95/33735号中に記載された方
法 A.2−ペンチル−2−シクロペンテン−1−酢酸メチ
ルを、上記引用文献、例1中に記載された条件下で(N
aSO4、HCOOH、HCOONa、H22、70%
で、40℃、6時間)、エポキシド化した。エーテル抽
出および反応生成物のバルブ・ツー・バルブ装置中での
蒸留後に、上記表I(4を見よ)から明らかなように、
本質的に出発エステルが得られ、この場合、所望のエポ
キシド中の収率は、僅かに20%までにすぎない。
【0092】B.c−メチル−2,3−エポキシ−2−
ペンチル−r−1−シクロペンタンアセテート(例4中
に記載されたのと同様の方法で得られるが、しかし、ラ
セミ体の2−ペンチル−2−シクロペンテン−1−酢酸
メチルから出発する)を、国際公開番号WO95/33
735号の例2中に記載されたのと同様の方法で反応さ
せた。
【0093】上記のエポキシド400mg(1.80ミ
リモル)およびLiI19mg(0.14ミリモル)の
混合物を、バルブ・ツー・バルブ装置中に入れ、加熱し
て190℃にした。10分後に、黒色混合物を真空中
(8Pa)で蒸留した。留出物(277mg)は、本質
的に出発エポキシド(純度82%)であった。この留出
物を、再度、残分(68mg)と組合せ、30分間加熱
して190℃にし、冷却し、かつバルブ・ツー・バルブ
装置(炉温度90℃/8Pa)中で蒸留して留出物11
0mgを得た。前記生成物の再蒸留(炉温度110℃/
11Pa)により、純度90%を有しかつ以下の分析デ
ータを示す生成物85mgを生じさせた。
【0094】IR(ニート):2950、2920、2855、176
0、〜1735(くびれ)、〜1705(くびれ)、1450、121
5、1185cm-1
【0095】NMR(1H、360MHz):0.87(t,J
=7,3H);〜1.2〜1.8(m,12H);1.90(m,
1H);2.05(m,1H);2.28(dd,J=17,5
および3,5,1H);2.51(m,1H);2.85(d
d,J=17,5および10,1H)δppm。
【0096】NMR(13C):177.5(s);98.3
(s);42.1(d);39.4(t);38.1(t);37.1
(t);34.4(t);32.1(t);24.0(t);23.9
(t);22.5(t);14.0(q)δppm。
【0097】MS:196(M+,6)、167(6)、153(1
0)、140(17)、125(100)、97(70)、81(18)、71
(26)、69(30)、55(50)、41(69)。
【0098】前記スペクトルデータは、更に前記文献中
に引用されたラクトンの構造に相応している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07M 7:00

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 〔式中、シクラン(1R)配置を有し、2位の基はトラ
    ンス配置であり、かつエポキシ基は環の1位に対してシ
    ス配置であり、Rは、低級アルキル基を表し、R1は、
    炭素原子1〜8個を有する飽和もしくは不飽和で、線状
    もしくは分枝鎖状の炭化水素基を表す〕で示されるエポ
    キシド。
  2. 【請求項2】 (+)−メチル−(1R,2S,3R)
    −2,3−エポキシ−2−ペンチル−1−シクロペンタ
    ンアセテート。
  3. 【請求項3】 式: 【化2】 〔式中、シクラン配置(1R)−シスを有し、符号Rお
    よびR1は、式(I)中で示された意味を有する〕で示
    される環式ケトンを製造するための方法において、請求
    項1に記載のエポキシドを、不活性有機溶剤中で、適当
    なルイス酸または酸性粘土を含有する酸性助剤を用いて
    処理することを特徴とする、環式ケトンの製造法。
  4. 【請求項4】 (+)−メチル−(1R,2S,3R)
    −2,3−エポキシ−2−ペンチル−1−シクロペンタ
    ンアセテートを、(+)−メチル−(1R)−シス−3
    −オキソ−2−ペンチル−1−シクロペンタンアセテー
    トを製造するために使用する、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 酸性助剤がエーテル化トリフルオロホウ
    素または三塩化アルミニウムである、請求項3または4
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のエポキシドを製造する
    ための方法において、式: 【化3】 〔式中、シクラン配置(1R)−シスを有し、符号Rお
    よびR1は、式(I)中で示された意味を有する〕で示
    されるエステルを、不活性有機溶剤中で強過酸と反応さ
    せることを特徴とする、請求項1に記載のエポキシドの
    製造法。
  7. 【請求項7】 式(III)のエステルを、キラルオキ
    サザボロリジンの存在下でBH3を用いて、式: 【化4】 〔式中、R1は、式(III)中で示された意味を有す
    る〕で示されるケトンを還元して、式: 【化5】 で示される(1R)配置のシクロペンテノールを得、次
    にこれを、クライゼンタイプの転位に有利な反応条件下
    で、適当なオルト酢酸アルキルと反応させて、望ましい
    エステルを生じさせることからなる方法によって得る、
    請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ケトンを、式: 【化6】 〔式中、Arは、置換もしくは非置換のフェニル基また
    は融合したアリール基を表す〕で示されるキラルオキサ
    ザボロリジンを用いて還元させる、請求項7に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 (+)−メチル−(1R)−2−ペンチ
    ル−2−シクロペンテン−1−アセテートを還元して、
    (+)−メチル−(1R,2S,3R)−2,3−エポ
    キシ−2−ペンチル−1−シクロペンタンアセテートを
    得る、請求項6に記載の方法。
  10. 【請求項10】 強過酸が過マレイン酸またはトリフル
    オロ過酢酸である、請求項6または9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 2−ペンチル−2−シクロペンテン−
    1−オンを還元して、(+)−(1R)−2−ペンチル
    −2−シクロペンテン−1−オールを生じさせる、請求
    項7または8に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記シクロペンテノールを、ピバリン
    酸の存在下に、オルト酢酸メチルと反応させて、(+)
    −メチル−(1R)−2−ペンチル−2−シクロペンテ
    ン−1−アセテートを得る、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 式: 【化7】 〔式中、シクラン(1R)配置を有し、符号Rは、低級
    アルキル基を表し、R1は、炭素原子1〜8個を有する
    飽和もしくは不飽和で、線状もしくは分枝鎖状の炭化水
    素基を表す〕で示されるエステル。
  14. 【請求項14】 (+)−メチル−(1R)−2−ペン
    チル−2−シクロペンテン−1−アセテート。
  15. 【請求項15】 式: 【化8】 〔式中、置換基のエポキシおよびカルボキシが、厳密な
    シス配置を有し、Rは、低級アルキル基を表し、R
    1は、炭素原子1〜8個を有する飽和もしくは不飽和
    で、線状もしくは分枝鎖状の炭化水素基を表す〕で示さ
    れるエポキシド。
  16. 【請求項16】 式: 【化9】 〔式中、Arは、置換もしくは非置換のフェニル基また
    は融合したアリール基を表す〕で示されるオキサザボロ
    リジン。
  17. 【請求項17】 ケトンをアルコールにするためのエナ
    ンチオ選択的還元法において、この方法が、式(VI)
    のオキサザボロリジンを使用することを含むことを特徴
    とする、ケトンをアルコールにするためのエナンチオ選
    択的還元法。
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