JPH10146670A - 管状部材の接合方法 - Google Patents

管状部材の接合方法

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JPH10146670A
JPH10146670A JP31701496A JP31701496A JPH10146670A JP H10146670 A JPH10146670 A JP H10146670A JP 31701496 A JP31701496 A JP 31701496A JP 31701496 A JP31701496 A JP 31701496A JP H10146670 A JPH10146670 A JP H10146670A
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tubular
zinc alloy
solder
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JP31701496A
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Shigenori Yamada
茂則 山田
Nobuaki Suzuki
延明 鈴木
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合強度及び気密性に優れた管状部材の接合
方法を提供すること。 【解決手段】 内部が中空の管状部材1と、この管状部
材1の内部に挿入される接合部材3とを備え、管状部材
1の一方端から接合部材3を挿入すると共に、管状部材
1の内部であって接合部材3との接合領域5に低融点合
金7を配設し、しかる後、当該低融点合金7に対し直接
的若しくは間接的に超音波振動を印加して管状部材1と
接合部材3を接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管状部材とこの管
状部材に挿入される接合部材との接合方法に係り、特
に、アルミニウム合金同士又はアルミニウム合金と異種
金属との接合に際し、超音波はんだ付け法を適用する管
状部材の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミニウム合金からなる管
状部材の接合方法としては、TIG溶接やMIG溶接等
の溶接方法等が用いられている。
【0003】また、アルミニウム合金と鉄等の異種金属
間の接合方法としては、超音波はんだ付け法がある。こ
の超音波はんだ付け法は、例えば中空の管状部材と、こ
の管状部材の内径とほぼ等しい外径を有する管状部材を
用いる。そして、一方の管状部材の内壁と他方の管状部
材の外周にそれぞれ超音波はんだ付け法によりはんだメ
ッキをする。その後、両者のメッキ部分が相互に接触す
るように嵌合し、最後に超音波振動を印加して接合する
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例には以下のような不都合が有った。即ち、TIGや
MIG等の溶接法によって管状部材を接合する場合に
は、溶接法の特徴から、管状部材や接合部材の一部分が
局所的に加熱される。このため、溶接によって管状部材
や接合部材内に熱歪みが生じやすく、これらの母材の強
度や特性を変化させてしまう、という不都合を生じてい
た。
【0005】また、溶接法による場合には、当然に管状
部材の外周部から溶接機の電極等を接合領域に近接させ
なければならない、という制限がある。従って、複数の
管状部材を狭い範囲に密集させて接合したい場合等に
は、それぞれの管状部材が他の管状部材の溶接作業の障
害となって、適切に接合できないという不都合を生じて
いた。
【0006】更に、従来の超音波はんだ付け法による接
合では、管状部材及び接合部材にはんだメッキを施した
後に、両者を嵌合して超音波振動を印加するので、接合
までの工数が多く製造コストを低減することができな
い、という不都合を生じていた。また、はんだメッキを
施す際に、管状部材及び接合領域における接合領域以外
にもはんだが付着してしまい、加工後の後処理が必要に
なる、という不都合を生じていた。
【0007】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特に、接合強度及び気密性に優れた管状部材
の接合方法を提供することを、その目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明では、内部が中空の管状部
材と、この管状部材に接合される接合部材とを備え、管
状部材の一端に接合部材を当接させると共に、管状部材
の内部であって接合部材との接合領域に低融点合金を配
設し、しかる後、当該低融点合金に対し直接的若しくは
間接的に超音波振動を印加して管状部材と接合部材を接
合する、という手段を採っている。
【0009】以上のような手段を採ることにより、先
ず、管状部材の内部に接合部材が所定量挿入される。そ
して、低融点合金を管状部材と接合部材との接合領域に
配設する。続いて、超音波振動を印加することにより管
状部材及び接合部材と低融点合金の間で合金が形成され
る。その後、自然冷却させることにより、溶融していた
低融点合金が凝固し、管状部材と接合部材とが接合され
る。
【0010】また、請求項2記載の発明では、管状部材
と接合部材との接合に際し、予め溶融した低融点合金を
接合領域に流し込み、しかる後、超音波振動を印加して
接合するという構成を採り、その他の構成は請求項1記
載の発明と同様である。以上のような手法を採ることに
より、管状部材と接合部材の接合領域に溶融した低融点
合金が供給される。特に、溶融している低融点合金であ
れば、複雑に折れ曲がった管状部材にも容易に流し込む
ことができる。その後、超音波振動を印加することで管
状部材及び接合部材と低融点合金の間に合金が形成さ
れ、自然冷却させることにより、管状部材と接合部材と
が接合される。
【0011】請求項3記載の発明では、管状部材と接合
部材との接合に際し、固体状の低融点合金を接合領域に
配設すると共に、当該低融点合金を加熱して溶融させ、
しかる後、超音波振動を印加して接合するという構成を
採り、その他の構成は請求項1記載の発明と同様であ
る。以上のような手法を採ることにより、管状部材内に
低融点合金を供給する際には固体状であるので、管状部
材の内部の不要な部分に低融点合金が付着することはな
い。そして、固体状のまま接合領域に低融点合金が配設
された後、管状部材及び接合部材全体を低融点合金の融
点以上に加熱することにより、固体状の低融点合金が溶
融する。溶融後に超音波振動を印加し自然冷却させるこ
とにより、管状部材と接合部材とが接合される。
【0012】請求項4記載の発明では、管状部材と接合
部材との接合後に、当該接合部材の内部に中心軸に沿っ
た貫通口を形成するという構成を採り、その他の構成は
請求項1,2又は3記載の発明と同様である。以上のよ
うな手法を採ることにより、接合部材の貫通口と管状部
材とによって長い管状の部材が形成される。このとき、
管状部材と接合部材との接合領域には低融点合金が凝固
しているので、内部に流体を流してもその流体が外部に
漏洩することはない。
【0013】更に、請求項5記載の発明では、管状部材
として吸気パイプを用い、且つ接合部材として吸気パイ
プが嵌合されるフランジを用いるという構成を採り、そ
の他の構成は請求項1,2,3又は4記載の発明と同様
である。以上のような手法を採ることにより、比較的狭
い領域に複数の吸気パイプを密集させてフランジに嵌合
させる。このとき、嵌合に先立て吸気パイプの内部に低
融点合金を配設しておく。そして、吸気パイプ及びフラ
ンジ全体を低融点合金の融点以上の温度に加熱すること
により、低融点合金が溶融する。その後、超音波振動を
印加し自然冷却させることにより、吸気パイプとフラン
ジとが接合される。接合後、フランジの所定箇所に吸気
パイプに対応した貫通口を形成することにより、吸気マ
ニホールドが完成する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。
【0015】〔第1の実施形態〕 〔構成の説明〕本発明の管状部材の接合方法では、図1
に示すように、内部が中空の管状部材1と、この管状部
材1の内部に挿入される接合部材3とを備え、管状部材
1の一方端から接合部材3を挿入すると共に、管状部材
1の内部であって接合部材3との接合領域5に低融点合
金7を付し、しかる後、当該低融点合金7に対し直接的
若しくは間接的に超音波振動を印加して管状部材1と接
合部材3を接合するという手段を採っている。
【0016】図1に基づいて、以下にこれを詳述する
と、管状部材1は内部が中空のパイプであり、特に本実
施形態では円筒状に構成されている。但し、場合によっ
ては角パイプ状の部材であっても良い。また、管状部材
1はアルミニウム合金製の部材であり、より具体的に
は、一般的に用いられている材料であるADC12から
構成されている。
【0017】また、接合部材3も円筒状に構成されてお
り、特に、その外径は管状部材1の内径より僅かに小さ
く形成されている。このため、管状部材1の内部へ接合
部材3を挿入することができるようになっている。接合
部材3の材質も、上記した管状部材1と同様にアルミニ
ウム合金(ADC12)である。但し、接合部材3は中
実で構成されている点で管状部材1と異なる。
【0018】上記した管状部材1と接合部材3との接合
には低融点合金(以下「亜鉛合金はんだ」という)7が
用いられる。この亜鉛合金はんだ7は、実際に接合に用
いられる場合には、予め溶融したものを管状部材1と接
合部材3の接合領域5に流し込む場合と、固体状ものを
接合領域5に配設して、一旦加熱して溶融させる場合が
考えられる。
【0019】〔接合方法の説明〕次に、本実施形態にか
かる管状部材1の接合方法について、図1に基づいて説
明する。ここで図1は、管状部材1に接合部材3を挿入
し、亜鉛合金はんだ7によって両者を接合するまでの行
程を示す図である。
【0020】先ず、中空円筒からなる管状部材1の内部
に中実円筒状の接合部材3を挿入する(図1(A))。
従って、接合部材3の外径は管状部材1の内径より僅か
に小さく形成されている。このとき、管状部材1の内径
と接合部材3の外径の大きさの関係を適宜調整すること
により、接合強度を調整することができる。即ち、管状
部材1の内径と接合部材3の外径をほぼ同等とすること
により、接合領域5において両部材が大きな圧力で接触
し、管状部材1と接合部材3との機械的接合強度が高く
なる。一方、管状部材1の内径と接合部材3の外径の差
を大きくとることにより、両部材の接合領域5の相互間
に後述する亜鉛合金はんだ7が浸入して、超音波はんだ
付けによる接合強度が向上する。
【0021】次に、相互に一体となった管状部材1と接
合部材3とを予熱する。予熱温度は亜鉛合金はんだ7の
融点以上で且つ450〔℃〕以下である。これは、後述
する溶融した亜鉛合金はんだ7を接合領域5に流し込ん
だ場合に、亜鉛合金はんだ7が溶融したまま適切に保持
されるようにするためである。具体的には、亜鉛合金は
んだ7の融点より50〔℃〕程度高い温度とすることが
好適である。
【0022】溶融した亜鉛合金はんだ7を管状部材1の
内部に流し込んだ後には(図1(B))、管状部材1の
上部に超音波ホーン9を当接させ、超音波振動を印加す
る(図1(C))。これにより、管状部材1及び接合部
材3と亜鉛合金はんだ7との境界近傍が合金化する。こ
こで、超音波振動の印加条件としては、例えば、周波数
20〔KHz〕,発振器出力150〜1000〔KW〕
そして超音波振動の印加時間は3〜10〔秒〕程度であ
る。
【0023】このとき、図1から判るように、管状部材
1の下端部に所定の台13を配置する。これは、管状部
材1の上部から超音波ホーン9が当接した場合に、その
力によって管状部材1が下方にずれるのを防止するため
である。そして、超音波振動の印加を停止し、自然冷却
させることにより、溶融していた亜鉛合金はんだ7が凝
固する(図1(D))。
【0024】亜鉛合金はんだ7が凝固して安定した後に
は、接合部材3の中央部にその中心軸に沿って貫通口1
1が形成される(図1(E))。この貫通口11は、管
状部材1及び接合部材3を連通させてパイプとしての役
割を果たさせるために形成されるものである。従って、
貫通口11の形状や太さは特に限定されない。具体的な
加工方法としては種々考えられるが、一般的なドリル等
で加工するようにすれば良い。これにより管状部材1と
接合部材3との接合が完了する。
【0025】〔作用の説明〕以上のような方法によって
接合された管状部材1と接合部材3とは、その接合領域
5が亜鉛合金はんだ7によって完全に密閉されている。
従って、機械的接合強度に優れていることはもちろんで
あるが、管状部材1と接合領域5との隙間も完全に亜鉛
合金はんだ7によって塞がれ、気密性に優れた管状部材
1を提供することができる。また、管状部材1の内部で
亜鉛合金はんだ7によって接合しているので、亜鉛合金
はんだ7が外部に付着せず、後処理等を必要としない。
更には、接合に際しては超音波振動の印加により行うの
で、複数の管状部材を密集させて接合する場合にも、何
らの加工上の制限を受けることがない。また、管状部材
1内に流し込む亜鉛合金はんだ7の量を増大させること
により、接合面積が増大し、結果として接合強度が増大
する。
【0026】〔第2の実施形態〕次に、図2に基づいて
第2の実施形態について説明する。この実施形態にかか
る管状部材1の接合方法においては、上記した第1の実
施形態とその主要な接合行程を共通にしている。しかし
ながら、本実施形態においては、超音波振動を印加する
手法が第1の実施形態とは異なっている。即ち、超音波
振動を印加するのに、管状部材1の内径より細い超音波
ホーン9aを用い、溶融した亜鉛合金はんだ7中に超音
波ホーン9aを挿入する。そして、亜鉛合金はんだ7に
直接超音波振動を印加するようになっている(図2
(C))。このように構成しても、管状部材1及び接合
部材3と亜鉛合金はんだ7との境界領域に合金が形成さ
れ、強固に管状部材1と接合部材3とが接合される。
【0027】ここで、直接溶融した亜鉛合金はんだ7中
に超音波ホーン9aを挿入する場合には、超音波ホーン
9aは耐熱性のあるステンレス等の材料を用いることが
好適である。また、亜鉛合金はんだ7に直接超音波振動
を印加する構成の場合には、管状部材1に力が加わらな
いので、第1の実施形態で用いたような台13は不要と
なる。
【0028】〔第3の実施形態〕次に、図3に基づいて
第3の実施形態について説明する。この実施形態にかか
る管状部材1の接合方法においては、上記した第1の実
施形態とその主要な接合行程を共通にしている。しかし
ながら、本実施形態においては、亜鉛合金はんだ7aの
供給方法が第1の実施形態とは異なっている。即ち、当
該実施形態においては、固体状の亜鉛合金はんだ7aを
用いる。
【0029】具体的に説明すると、予め所定の大きさ及
び形状に形成した亜鉛合金はんだ7aのブロックを管状
部材1と接合部材3の接合領域5に配設する(図3
(A))。亜鉛合金はんだ7aの形状としては管状部材
1の内部に配置できるように円筒状で且つ管状部材1の
内径より小さなものである。但し、形状としては円筒状
に限定されるものではなく、角柱状のものや球形状のも
のでもよい。以後の加熱によって溶融させるものだから
である。
【0030】固体状の亜鉛合金はんだ7aを管状部材1
の内部に配設した後は、管状部材1及び接合部材3の全
体を亜鉛合金はんだ7aの融点以上の温度に加熱する。
加熱は、全体が均一に昇温するように加熱炉(図示略)
内で行う。これにより、固体状の亜鉛合金はんだ7aが
管状部材1と接合部材3の接合領域5で溶融する(図3
(B))。そして、以後の行程は第1の実施形態と同様
である。ここで、亜鉛合金はんだ7aの成分としては、
アルミニウムが約4〔重量%〕で、マグネシウムが1.5
〔重量%〕であり、残りが亜鉛となっている。そして、
この亜鉛合金はんだ7aの融点は約352〔℃〕であ
る。また、超音波振動は管状部材1を介して印加し、そ
の印加条件は、周波数が19〔KHz〕,発振器出力6
00〜700〔W〕そして印加時間は約5〔秒〕程度で
ある。但し、亜鉛合金はんだ7aの成分及び超音波振動
の印加条件は上記のものに限定されるものではなく、種
々のものが考えられる。
【0031】以上のように、固体状の亜鉛合金はんだ7
aを管状部材1内の接合領域5に挿入し、その後溶融さ
せるようにしたので、予め溶融した亜鉛合金はんだを流
し込む場合と比較して、管状部材1の内壁に不要な亜鉛
合金はんだが付着することを有効に防止することができ
る。
【0032】〔第4の実施形態〕次に、図4に基づいて
第4の実施形態について説明する。この実施形態にかか
る管状部材1の接合方法においては、上記した第3の実
施形態とその主要な接合行程を共通にしている。しかし
ながら、本実施形態においては、亜鉛合金はんだ7aに
超音波振動を印加する手法が第3の実施形態とは異なっ
ている。即ち、超音波振動を印加するのに、管状部材1
の内径より細い超音波ホーン9aを用い、溶融した亜鉛
合金はんだ7a中に超音波ホーン9aを挿入する。そし
て、亜鉛合金はんだ7aに直接超音波振動を印加するよ
うになっている(図4(C))。この点は、第2の実施
形態と共通している。
【0033】〔第5の実施形態〕次に、図5ないし図6
に基づいて第5の実施形態について説明する。当該実施
形態は、本発明にかかる管状部材の接合方法を、自動車
等の内燃機関に使用される吸気マニホールド15の製造
に適用した場合である。即ち、図5に示すように、吸気
パイプ15aをフランジ15bに接合することを目的と
している。
【0034】具体的に説明すると、図6に示すように、
吸気パイプ15aは3本が1組となっており、この吸気
パイプ15aを接合するフランジ15bには吸気パイプ
15aに対応した所定の凹部17が形成されている。こ
の凹部17は、各吸気パイプ15aの一端部が正確に嵌
合されるように、その相互の間隔及び内径が適切に設定
されている。そして、接合に先立って、先ず、凹部17
に固体状の亜鉛合金はんだ7aを配設する(図6(A)
参照)。この亜鉛合金はんだ7aは吸気パイプ15aの
内径より小さなものとなっている。
【0035】次に、吸気パイプ15aをフランジ15b
の凹部17に嵌合する。これによって吸気パイプ15a
の内部に固体状の亜鉛合金はんだ7aが収納されること
となる(図6(B)参照)。そして、吸気パイプ15a
及びフランジ15bを加熱炉(図示略)等で加熱して吸
気パイプ15aの内部に収納されている亜鉛合金はんだ
7aを溶融させる(図6(C)参照)。そして、亜鉛合
金はんだ7aが溶融した状態で凝固する前に、フランジ
15b及び吸気パイプ15aを超音波ホーン9bの上に
担持する。そして、フランジ15bを介して超音波振動
を印加する(図6(C)参照)。これにより、吸気パイ
プ15a及びフランジ15bと亜鉛合金はんだ7aとの
接合領域に合金が形成される。
【0036】しかる後、超音波振動の印加を停止し、吸
気パイプ15a及びフランジ15bを自然冷却させるこ
とによって溶融していた亜鉛合金はんだ7aが凝固す
る。完全に冷えて凝固した後に、フランジ15b側から
各吸気パイプ15aに対応させて貫通口11aを形成す
ることにより、フランジ15b側と吸気パイプ15aと
が連通し、吸気マニホールド15としての部材が完成す
る(図6(D)参照)。
【0037】吸気マニホールド15は、各吸気パイプ1
5a同士が隣接しているので、一般的な溶接方法では接
合することができない。外部から溶接用の電極を吸気パ
イプ15aの全周にわたって近接させるのは困難だから
である。このため、本発明を適用すれば、狭い領域に複
数の吸気パイプ15aが密集している場合でも、容易で
且つ接合強度に優れた接合を行うことができる。
【0038】〔管状部材及び接合部材の変形例〕 〔第1の変形例〕次に図7ないし図14に基づいて管状
部材及び接合部材の変形例について説明する。先ず、図
7に示す管状部材1a及び接合部材3aにはそれぞれ対
応するテーパ2aが形成されている。即ち、管状部材1
aの内周壁の接合領域は、外側(下方)に向かって広が
るテーパ部となっている。また、接合部材3aの端部に
も、管状部材1aのテーパ部に対応して端部方向(上
方)に向かって細くなるようにテーパ部が形成されてい
る。このような形状とすることにより、管状部材1aを
超音波ホーン(図1参照)で押圧した場合でも、管状部
材1aが接合部材3aに対して移動しない。このため、
図1(C)で用いたような台13は不要となる。逆に、
超音波ホーンによる押圧力によって、管状部材1aと接
合部材3aの接合領域がより強固に接合される。
【0039】〔第2の変形例〕図8に基づいて第2の変
形例について説明する。本変形例では、接合部材3bの
上端部に凸部2bを設けた形状となっている。このよう
な形状にすることにより、凸部2bが無い場合と比較し
て接合面積が増大する。即ち、亜鉛合金はんだ7bが管
状部材1bの内壁側に多く滞留するからである。この結
果、接合強度が向上する、という優れた効果を生じる。
また、本変形例では凸部2bを垂直方向に立ち上げてい
るが、これに限定されることなく、例えば傾斜をつけた
凸部としても良い。但し、本変形例の場合には、管状部
材1bの上方から超音波ホーン(図示略)を当接させる
と管状部材1bが降下してしまうので、接合作業に際し
ては第1の実施形態で用いた台13(図1参照)を必要
とする。
【0040】〔第3の変形例〕図9に基づいて第3の変
形例について説明する。本変形例では、管状部材1cの
直径が接合部材3cの直径とほぼ同等となっている。こ
のように構成することにより、管状部材1cの上端部に
超音波ホーン(図示略)を当接させても管状部材1cは
下方にずれないので、管状部材3cを支持するための台
は不要である。
【0041】〔第4の変形例〕図10に基づいて第4の
変形例について説明する。本変形例では、管状部材1d
の直径が接合部材3dの直径より小さくなっている。こ
のように構成することにより、管状部材1dの上端部に
超音波ホーン(図示略)を当接させても管状部材1dは
下方にずれないので、管状部材1dを支持するための台
は不要である。
【0042】〔第5の変形例〕図11に基づいて第5の
変形例について説明する。本変形例では、管状部材1e
の直径が接合部材3eの直径より小さくなっている。そ
して、接合部材3eの上端部が管状部材1eの内部に挿
入されている。このように構成することにより、管状部
材1eと接合部材3eとは適度な強度で嵌合されるの
で、超音波振動を印加する際に管状部材1eが安定した
状態となる。また、管状部材1eの上端部に超音波ホー
ン(図示略)を当接させても管状部材1eは下方にずれ
ないので、管状部材1eを支持するための台は不要であ
る。
【0043】〔第6の変形例〕図12に基づいて第6の
変形例について説明する。本変形例では、接合部材3f
の上端部に円環状の溝2fが形成されている。そして、
この溝2fに管状部材1fの端部が挿入されて固定され
る。このように構成することにより、管状部材1fと接
合部材3fとは適度な強度で嵌合されるので、超音波振
動を印加する際に管状部材1fが安定した状態となる。
また、管状部材1fの上端部に超音波ホーン(図示略)
を当接させても管状部材1fは下方にずれないので、管
状部材1fを支持するための台は不要である。
【0044】〔第7の変形例〕図13に基づいて第7の
変形例について説明する。本変形例は、図11に示した
第5の変形例とほぼ同様であるが、本変形例では、接合
部材3gの上端部に凸部2gが形成されている。このよ
うに構成することにより、溶融した亜鉛合金はんだ(図
示略)は管状部材1gとの接合領域に多く滞留するの
で、少ない亜鉛合金はんだの量で広い接合面積を得るこ
とができる。このため、接合強度が向上する。また、管
状部材1gの上端部に超音波ホーン(図示略)を当接さ
せても管状部材1gは下方にずれないので、管状部材1
gを支持するための台は不要である。更には、管状部材
1gと接合部材は一部が嵌合しているので、超音波振動
印加の際にも安定している。
【0045】〔第8の変形例〕図14に基づいて第8の
変形例について説明する。本変形例は、上端部が閉塞さ
れた接合部材3hを用いる。接合部材3hの具体的形状
は、管状部材1hとほぼ同等の外径を有する管状となっ
ている。そして、接合部材3hの端部が閉塞された側を
上方にして、この接合部材3h上に管状部材1hを配置
する。
【0046】管状部材1hの配置後に、管状部材1hの
内部に亜鉛合金はんだ(図示略)を挿入し、超音波振動
を印加して両者を接合する。接合された後には、接合部
材3hの閉塞壁に貫通口(図示略)を形成することによ
り、管状部材1hと接合部材3hとが連通する。以上の
ような構成を採る場合には、接合後に貫通口を形成する
のが容易である、という優れた効果を生じる。
【0047】〔その他の例〕次に、複数の管状部材1i
を密集させて接合する場合の例を図15に基づいて説明
する。この例では、所定の板状部材3iに4本の管状部
材1iが接合されている。即ち、各管状部材1iは狭い
領域から四方にそれぞれ広がっている。このように管状
部材1iを密集させて接合する場合にも、管状部材1i
の外部からは何らの加工も加えず、管状部材1iの内部
に亜鉛合金はんだ(図示略)を配設すると共に、単純に
超音波振動を印加するだけである。このため、どんな複
雑な形状の管状部材1iであっても、また、どんなに狭
い領域に管状部材1iが密集しても、適切に接合するこ
とができる。
【0048】以上のような方法を用いて管状部材及び接
合部材を接合した場合の管状部材1及び接合部材3の金
属組織写真を図16に示す。この金属組織写真から判る
ように、管状部材1と接合部材3との接合領域において
適切に亜鉛合金はんだ7が凝固し、両者を強固に接合し
ている。また、管状部材1と接合部材3の相互間にも溶
融した亜鉛合金はんだ7が浸入するので気密性も充分に
確保され、液体や気体のような流体を管状部材1内に流
す場合にも、内部の流体が漏洩することはない、という
優れた効果を生じる。
【0049】また、図17は、図16における領域Xの
拡大した金属組織写真(400倍)である。この接合に
使用した亜鉛合金はんだ7は、上記したように、アルミ
ニウムが約4〔重量%〕で、マグネシウムが1.5 〔重量
%〕であり、残りが亜鉛となっている。そして、この亜
鉛合金はんだ7の融点は約352〔℃〕である。また、
超音波振動は管状部材1を介して印加し、その印加条件
は、周波数が19〔KHz〕,発振器出力600〜70
0〔W〕そして印加時間は約5〔秒〕程度である。
【0050】図17から判るように、管状部材1と亜鉛
合金はんだ7の接合領域における境界部は確実に接合さ
れている。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、管状部
材の内部であって接合部材との接合領域に低融点合金を
配設し、しかる後、当該低融点合金に対し直接的若しく
は間接的に超音波振動を印加して管状部材と接合部材を
接合することとした。このため、外部から溶接法等によ
り狭い接合部を接合する場合と比較して、接合面積を大
きくとることができ、結果として接合強度を向上させる
ことができる、という優れた効果を生じる。
【0052】また、本発明では溶接法で生じるような局
部的な加熱が行われないので、局部的な熱歪み等が生じ
ず、また、加熱温度も低いので管状部材や接合部材に対
する熱の影響を抑制することができる。
【0053】また、本発明では、接合媒体である低融点
合金を管状部材の内部に配設し、外部から超音波振動を
印加するだけであるので、どんな複雑な形状でも接合す
ることができ、また、狭い領域に複数の管状部材が密集
している様な場所でも確実に接合することができる、と
いう優れた効果を生じる。
【0054】加えて、予め管状部材や接合部材の接合領
域に低融点合金等をメッキしておく必要がないので、製
造行程の削減ができ、また、管状部材や接合部材の不要
な領域に低融点合金が付着せず、これらを除去するよう
な後処理も不要となる、という優れた効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す断面図であり、
図1(A)は管状部材と接合部材を嵌合させた状態を示
し、図1(B)は管状部材内の接合領域に亜鉛合金はん
だを流し込んだ状態を示し、図1(C)は超音波振動を
印加している状態を示し、図1(D)は自然冷却によっ
て亜鉛合金はんだが凝固した状態を示し、図1(E)は
接合部材に貫通口を形成した状態を示す。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す断面図であり、
図2(A)は管状部材と接合部材を嵌合させた状態を示
し、図2(B)は管状部材内の接合領域に亜鉛合金はん
だを流し込んだ状態を示し、図2(C)は超音波振動を
印加している状態を示し、図2(D)は自然冷却によっ
て亜鉛合金はんだが凝固した状態を示し、図2(E)は
接合部材に貫通口を形成した状態を示す。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す断面図であり、
図3(A)は管状部材と接合部材を嵌合させた状態を示
し、図3(B)は管状部材内の接合領域に固体状の亜鉛
合金はんだを配設した状態を示し、図3(C)は超音波
振動を印加している状態を示し、図3(D)は自然冷却
によって亜鉛合金はんだが凝固した状態を示し、図3
(E)は接合部材に貫通口を形成した状態を示す。本発
明の第三の実施形態を示す側方断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態を示す断面図であり、
図4(A)は管状部材と接合部材を嵌合させた状態を示
し、図4(B)は管状部材内の接合領域に固体状の亜鉛
合金はんだを配設した状態を示し、図4(C)は超音波
振動を印加している状態を示し、図4(D)は自然冷却
によって亜鉛合金はんだが凝固した状態を示し、図4
(E)は接合部材に貫通口を形成した状態を示す。本発
明の第三の実施形態を示す側方断面図である。
【図5】接合前の吸気パイプとフランジを示す斜視図で
ある。
【図6】図5に開示した吸気パイプとフランジを接合す
る場合を示す断面図であり、図6(A)はフランジの接
合領域に固体状の亜鉛合金はんだを配設した状態を示
し、図6(B)はフランジに吸気パイプを嵌合した状態
を示し、図6(C)は超音波振動を印加している状態を
示し、図6(D)は接合後にフランジに貫通口を形成し
た状態を示す。
【図7】管状部材及び接合部材の第1の変形例を示す断
面図である。
【図8】管状部材及び接合部材の第2の変形例を示す断
面図であり、図8(A)は接合前の状態を示し、図8
(B)は接合して貫通口を形成した状態を示す。
【図9】管状部材及び接合部材の第3の変形例を示す断
面図である。
【図10】管状部材及び接合部材の第4の変形例を示す
断面図である。
【図11】管状部材及び接合部材の第5の変形例を示す
断面図である。
【図12】管状部材及び接合部材の第6の変形例を示す
断面図である。
【図13】管状部材及び接合部材の第7の変形例を示す
断面図である。
【図14】管状部材及び接合部材の第8の変形例を示す
断面図である。
【図15】複数の管状部材が隣接して接合されている状
態を示す斜視図である。
【図16】本発明の接合方法によって接合された管状部
材と接合部材の断面を示す金属組織写真である。
【図17】図16に開示した管状部材と亜鉛合金はんだ
との境界領域Xの拡大した金属組織写真である。
【符号の説明】
1 管状部材 3 接合部材 5 接合領域 7 低融点合金(亜鉛合金はんだ) 11 貫通口 15a 吸気パイプ 15b フランジ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が中空の管状部材と、この管状部材
    に接合される接合部材とを備え、 前記管状部材の一端に前記接合部材を当接させると共
    に、前記管状部材の内部であって前記接合部材との接合
    領域に低融点合金を配設し、しかる後、当該低融点合金
    に対し直接的若しくは間接的に超音波振動を印加して前
    記管状部材と接合部材を接合することを特徴とした管状
    部材の接合方法。
  2. 【請求項2】 前記管状部材と接合部材との接合に際
    し、予め溶融した低融点合金を前記接合領域に流し込
    み、しかる後、超音波振動を印加して接合することを特
    徴とした請求項1記載の管状部材の接合方法。
  3. 【請求項3】 前記管状部材と接合部材との接合に際
    し、固体状の低融点合金を前記接合領域に配設すると共
    に、当該低融点合金を加熱して溶融させ、しかる後、超
    音波振動を印加して接合することを特徴とした請求項1
    記載の管状部材の接合方法。
  4. 【請求項4】 前記管状部材と接合部材との接合後に、
    当該接合部材の内部に中心軸に沿った貫通口を形成する
    ことを特徴とした請求項1,2又は3記載の管状部材の
    接合方法。
  5. 【請求項5】 前記管状部材として吸気パイプを用い、
    且つ前記接合部材として前記吸気パイプが嵌合されるフ
    ランジを用いることを特徴とした請求項1,2,3又は
    4記載の管状部材の接合方法。
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