JPH10144909A - 固体撮像装置、その製造方法、およびその駆動方法 - Google Patents

固体撮像装置、その製造方法、およびその駆動方法

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JPH10144909A
JPH10144909A JP9244362A JP24436297A JPH10144909A JP H10144909 A JPH10144909 A JP H10144909A JP 9244362 A JP9244362 A JP 9244362A JP 24436297 A JP24436297 A JP 24436297A JP H10144909 A JPH10144909 A JP H10144909A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2層ゲート構造で、且つ4相駆動方式が可能
な全画素読み出し方式の固体撮像装置を提供する。 【解決手段】 全画素読み出し構造で、半導体基板1の
単位画素内に光電変換領域4と、ゲート絶縁膜7を介し
て形成された2層構造の2組の垂直転送電極φv1
φv2、φv3、φv4を用いて4相駆動を行うことにより、
上記光電変換領域で蓄積された信号電荷を読み出して転
送する垂直転送CCD領域5とを有する固体撮像装置で
あって、上記2層構造の2組の垂直転送電極φv1
φv2、φv3、φv4のうち、1組の2層構造の垂直転送電
極の電極引き出し部14が、上記単位画素内の光電変換
領域4に位置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は全画素読み出し方式
のCCD固体撮像装置、その製造方法およびその駆動方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、CCD固体撮像装置は、ビテオカ
メラだけでなく、電子スティルカメラ、パソコン画像入
力装置等のマルチメディア関連機器にも広く用いられる
ようになっている。従来のビテオカメラ用CCD固体撮
像装置は、テレビ放送方式の2:1インタレース走査に
適合する映像信号を得るために、隣接する垂直2ライン
の信号電荷を混合し、その垂直2ラインの組み合わせを
第1フィールドと第2フィールドとで入れ替える、フィ
ールド蓄積駆動方式を採用している。
【0003】一方、全画素読み出し方式のCCD固体撮
像装置では、垂直2ラインの信号電荷を混合せずに、独
立に読み出すので、高い動解像度と高い垂直解像度を両
立させることが可能である。また、この方式は、2:1
インタレース走査しないノンインタレース走査方式であ
るので、パソコン画面への変換が容易である。
【0004】この全画素読み出し方式を実現するために
は、垂直画素ピッチLv内に1ビット分の垂直転送CC
D領域を形成し、単位画素内の光電変換領域から読み出
した信号電荷を上下の他の単位画素からの信号電荷と混
合せずに転送し、出力する必要がある。全画素読み出し
方式の固体撮像装置の撮像部の構成については、垂直
転送CCD領域が2層ゲート構造で、2相駆動方式(図
9(a)、図10(a)、図11(a))、垂直転送
CCD領域が3層ゲート構造で、3相駆動方式(図9
(b)、図10(b)、図11(b))、垂直転送C
CD領域が3層ゲート構造で、4相駆動方式(図9
(c)、図10(c)、図11(c))が提案されてい
る。
【0005】なお、1/3インチ33万正方画素プログ
レツシブ・スキャンCCD撮像素子(奥谷、1995年
テレビジョン学会年次大会、第93頁および第94頁)
は、図9(b)、図10(b)、図9(c)、および図
10(c)に示す3および4相駆動方式のCCD撮像素
子を開示している。1/2インチ33万画素正方格子全
画素読み出し方式CCD撮像素子(中島、1994年テ
レビジョン学会年技術報告、第18巻、番号67、第7
頁〜第12頁)は、3相駆動方式のCCD撮像素子を開
示している。
【0006】なお、図9は全画素読み出し方式CCDの
画素部構成図であり、図10は図9の各画素部の垂直転
送電極の引き出し部断面図であリ、図11は図9の各画
素部の垂直転送CCD領域での電荷転送時のポテンシャ
ルプロファイルを示す図である。また、図9〜図11に
おいて、符号φV1、φV2、φV3、φV4は垂直転送電極を
指し、符号31はPウエル層を指し、符号32aおよび
32bは光電変換領域を指し、符号33は垂直転送CC
D領域を指し、符号34は垂直転送電極の引き出し部を
指し、符号35は転送方向付けポテンシャルバリア領域
を指し、符号36は信号電荷を指し、記号Lvは単位画
素の垂直画素ピッチを意味する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CCD
固体撮像装置において、全画素読み出し方式を実現する
ために、1画素内の垂直転送CCD領域33に1ビット
を対応させて、垂直転送CCD領域を構成する方法とし
て、図9(a)、図10(a)に示すように、2層ゲー
ト構造で全画素読み出しを実現する場合、同一電極下に
信号電荷の蓄積領域と、電荷の分離のためのポテンシャ
ルバリア領域35を形成する方法では、ポテンシャルバ
リア領域35はセルフアラインで形成できない。
【0008】このため、アライメントずれにより他方の
垂直転送電極下にポテンシャルバリア領域35が位置す
ると垂直転送に対してバリアまたはディップが形成され
てしまい、電荷転送不良が発生しやすいという欠点があ
る。また、図11(a)に示すように、垂直転送CCD
領域33に信号電荷の分離のためのポテンシャルバリア
領域35を設けた分だけ、信号電荷の蓄積部の長さはL
v/2より短くなる。
【0009】また、図9(b)、図10(b)に示すよ
うに、垂直転送電極を3層構造にして、それぞれの相の
垂直転送電極φV1、φV2、φV3に個別にクロックパルス
を印加する、垂直3相駆動方式がある。しかし、3層ゲ
ート構造では、2層ゲート構造に比べ製造プロセスが長
く複雑になり、図10(b)に示す光電変換領域の垂直
方向断面図のように、画素部表面における段差も大きく
なるという問題点がある。また、垂直転送CCD領域に
おいて、信号電荷を蓄積できる領域として利用できる垂
直方向の寸法に着目すると、図11(b)に示すよう
に、1画素当たリLv/3に減少する。
【0010】さらに、図9(c)、図10(c)に示す
ように、3層ゲート構造で、4相駆動方式を採用した例
では、4相内の2相に電荷を蓄積できるため、電荷蓄積
部の長さは、図11(c)に示すように、Lv/2とな
るが、製造プロセスが長く複雑になリ、また、画素部上
の段差が大きくなるという問題が残る。この段差が大き
いという問題点は、微細化に不利であり、感度向上のた
めのマイクロレンズを形成する際に、平坦化の困難性が
増大する。
【0011】本発明は、2層ゲート構造で、且つ4相駆
動方式が可能な全画素読み出し方式の固体撮像装置を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の固体撮像
装置は、半導体基板の単位画素内に光電変換領域と、ゲ
ート絶縁膜を介して上記半導体基板上に形成された2層
構造の2組の垂直転送電極を用いて4相駆動を行うこと
により、上記光電変換領域で蓄積された信号電荷を読み
出して転送する垂直転送CCD領域とを有する固体撮像
装置であって、上記2組の垂直転送電極のうち、1組の
2相構造の垂直転送電極の引き出し部が、上記光電変換
領域上に位置することを特徴とする。
【0013】これにより、垂直方向の単位画素ピッチ内
に、4相駆動を行う垂直転送CCDの1ビット分に相当
する第1から第4までの電極を配置することが可能とな
る。
【0014】一方、単位画素ピッチ内の光電変換領域は
2組の垂直転送電極引き出し部の内の1組によって分断
されたように見えるが、上記光電変換領域に蓄積された
信号電荷は、垂直転送CCD部への電荷読み出し時、ま
たは垂直転送CCD部への電荷読み出し後に加算され
る。この結果、単位画素の光電変換領域に蓄積された信
号電荷を、上下の単位画素の光電変換領域に蓄積された
信号電荷とは混合せずに、素直転送CCD部に転送し、
出力するという全画素読み出し動作を実現する。
【0015】また、請求項2記載の固体撮像装置は、上
記光電変換領域上に位置する垂直転送電極引き出し部に
覆われた部分が、上記光電変換領域の上記電極引き出し
部に覆われていない不純物層の導電型と反対の導電型に
形成されていることを特徴とする、請求項1記載の固体
撮像装置である。
【0016】また、請求項3の固体撮像装置は、単位画
素内の2組の垂直転送電極引き出し部のうち、少なくと
も1組の上に遮光膜が形成されていることを特徴とす
る、請求項1または2の固体撮像装置である。
【0017】また、請求項4の固体撮像装置の製造方法
は、請求項1記載の固体撮像装置の製造方法であって、
半導体基板に垂直転送CCD領域、素子分離領域及びゲ
ート絶縁膜を形成した後、光電変換領域となる領域のみ
選択的に上記半導体基板と反対の導電型の不純物を所定
のドーズ量でイオン注入することにより光電変換領域を
形成する工程と、引き出し部が光電変換領域の一部を覆
った形状の第1層目の垂直転送電極を形成する工程と、
全面に絶縁膜を形成した後、上記1層目の垂直転送電極
引き出し部上に2層目の垂直転送電極を形成する工程と
を有することを特徴とするものである。
【0018】また、請求項5記載の固体撮像装置の製造
方法は、請求項2記載の固体撮像装置の製造方法であっ
て、半導体基板に垂直転送CCD領域、素子分離領域及
びゲート絶縁膜を形成した後、光電変換領域となる領域
の一部を覆った形状の第1層目の垂直転送電極を形成す
る工程と、全面に絶縁膜を形成した後、上記1層目の垂
直転送電極引き出し部上に2層目の垂直転送電極引き出
し部を形成する工程と、上記1層目の垂直転送電極引き
出し部及び2層目の垂直転送電極引き出し部をマスクと
して、上記半導体基板と反対の導電型の不純物を所定の
ドーズ量でイオン注入することにより光電変換領域を形
成する工程とを有することを特徴とするものである。
【0019】また、請求項6記載の固体撮像装置の製造
方法は、請求項1記載の別の固体撮像装置の製造方法で
あって、半導体基板に垂直転送CCD領域、素子分離領
域及びゲート絶縁膜を形成した後、光電変換領域となる
第1の領域と1層目の垂直転送電極が形成される第2の
領域との境界より第1の領域側に端部が位置し、且つ、
第2の領域全体を覆うようにレジストパターンを形成
し、上記レジストパターンをマスクとして上記半導体基
板と反対の導電型の不純物を所定のドーズ量でイオン注
入することにより、第1の不純物領域を形成する工程
と、引き出し部が光電変換領域の一部を覆った形状の第
1層目の垂直転送電極を形成する工程と、全面に絶縁膜
を形成した後、上記1層目の垂直転送電極引き出し部上
に2層目の垂直転送電極引き出し部を形成する工程と、
上記1層目の垂直転送電極引き出し部及び2層目の垂直
転送電極引き出し部をマスクとして、上記半導体基板と
反対の導電型の不純物を所定のドーズ量でイオン注入す
ることにより光電変換領域を形成する工程とを有するこ
とを特徴とするものである。
【0020】更に、請求項7記載の固体撮像装置の駆動
方法は、請求項1又は請求項2記載の固体撮像装置の駆
動方法において、光電変換領域から垂直転送CCD領域
へ信号電荷を移送する際、画素の異なる光電変換領域間
に引き出し部が位置する1組の2層構造の垂直転送電極
の内の2層目の垂直転送電極と、引き出し部が上記画素
内の光電変換領域上に位置する1組の2層構造の垂直転
送電極のそれぞれとい電荷読み出し用パルスを印加する
ことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1の実施の形
態におけるCCD固体撮像装置を図を用いて説明する。
【0022】図1は、第1の実施の形態におけるCCD
固体撮像装置の平面図である。図2は、図1の固体撮像
装置を直線II−IIで切断した場合の断面図を示し、
図3は、図1の固体撮像装置を直線III−IIIで切
断した場合の断面図を示し、図12は、図1の固体撮像
装置を直線XII−XIIで切断した場合の断面図を示
している。
【0023】図1、図2、図3または図12に示すよう
に、N型半導体基板1の表面に形成されたPウエル層
2、3上に、Nウエル層からなる垂直転送CCD領域
5、P+型不純物層からなる素子分離層6およびN型不
純物層からなる光電変換領域4(PD1a、PD1b、PD
2a、PD2b)が形成されている。
【0024】垂直転送CCD領域5上には、ゲート絶縁
膜7を介して第1の多結晶シリコンゲート電極8aが形
成される。図12に示すように、第1の多結晶シリコン
ゲート電極8aの上には、熱酸化膜あるいはCVD酸化
膜からなる第1の層間絶縁膜9が形成される。第1の層
間絶縁膜9の上には、第2の多結晶シリコンゲート電極
8bが形成される。2層の多結晶シリコンゲート電極8
a、8bは、4相の垂直転送電極であるφV1(8b)、
φV2(8a)、φV3(8b)、φV4(8a)として働
く。
【0025】図12に示すように、多結晶シリコンゲー
ト電極8aの上には、熱酸化膜あるいはCVD酸化膜か
らなる第2の層間絶縁膜50が形成される。垂直転送C
CD領域5を覆うために、第2の層間絶縁膜50上のあ
る部分に、第1遮光膜10が形成される。
【0026】第1遮光膜10の上部には、CVD酸化膜
による第3の層間絶縁膜11を介して第2遮光膜12が
形成され、最後にCVD絶縁膜からなる表面保護膜13
が全面に形成される。
【0027】第1および第2遮光膜10、12、第1の
遮光膜10または第2遮光膜12が光電変換領域4の一
部を覆っていてもよい。図13および図14に示すよう
に、第2遮光膜12が、垂直転送電極の電極引き出し部
に、任意の周期、たとえば、垂直画素ピッチLvの周期
で形成されてもよい。言い換えると、第2遮光膜12
が、単位画素内の電極引き出し部の上に1つおきに形成
されてもよい。図13は、第2遮光膜12が光電変換領
域4の一部を覆っている固体撮像装置を上から見た図で
あり、図14は、図13の固体撮像装置を直線XIV−
XIVで切断した場合の断面図である。
【0028】図13の固体撮像装置では、第2遮光膜1
2が単位画素内の電極引き出し部の上に1つおきに形成
されたが、第1遮光膜10が単位画素内の電極引き出し
部の上に1つおきに形成されてもよいし、第1および第
2遮光膜10、12が単位画素内の電極引き出し部の上
に1つおきに形成されてもよい。
【0029】なお、図1〜図7および図12〜14にお
いて、記号Lvは垂直画素ピッチを意味し、符号4は光
電変換部となるN型不純物層を指し、符号4aは光電変
換部となる第1のN型不純物層を指し、符号4bは同第
2のN型不純物層を指し、符号14は垂直転送電極引き
出し部を指し、符号15は信号電荷を指し、符号16a
および16bはフォトレジストを指し、符号17はポテ
ンシャル井戸を指している。
【0030】本発明の第1の実施の形態では、図1に示
すように垂直転送CCD領域5の1ビットを構成する4
相の電極のうち、電極φV2、φV3の引き出し部は水平
方向に隣り合う画素の垂直転送電極と接続するために、
従来はひとつづきの領域であった光電変換領域4の中央
付近を水平方向に横断して形成される。
【0031】これにより、従来技術を示す図9(a)〜
(c)の光電変換領域32a(又は32b)は図1ではP
1aとPD1bとの2つの領域、又はPD2aとPD2bとの
2つの領域に分けられるが、各々の領域で光電変換され
た信号電荷は、PD1aとPD1b又はPD2aとPD2bとを
含む一の単位画素内に、1ビット分の4相の垂直転送電
極φV1、φV2、φV3、φV4が配置されているので、上下
に隣り合う単位画素の信号電荷とは混合されることなく
独立に垂直転送CCD領域5を経て、水平転送CCD部
(図示せず)の最終端に設けられた出力回路にて電荷量
に応じた電圧に変換された信号として出力される。
【0032】更に、垂直方向の単位画素ピッチLv内に
垂直転送CCD領域1ビット分として、4相の垂直転送
電極φV1、φV2、φV3、φV4が配置されているので、信
号電荷が垂直転送CCD領域5に転送されるときに、信
号電荷の蓄積領域としては、図4に示すように、垂直画
素ピッチLvの1/2まで利用できる。これは、従来技
術における、3層ゲート3相駆動方式の全画素読み出し
CCD固体撮像装置では、垂直画素ピッチLvの1/3
であるのに比べ、1.5倍の利用効率となる。
【0033】上記構成の単位画素を2次元に配列し、想
定する表示画面の走査線数に対応する数だけ垂直方向に
配置することで、全画素から同時に読み出した情報を、
混合することなく転送し、全画面領域に表示可能な映像
信号を出力する、全画素読み出し方式のCCD固体撮像
装置が得られる。
【0034】尚、単位画素内の光電変換領域4は、垂直
転送電極の引き出し部14によって、必ずしも、1:1
に等しく分割される必要はないが、1:1の等しい面積
に分けた方が、双方に蓄積される電荷量が等しくなるの
で、光電変換領域4のダイナミックレンジを最も大きく
することができる。
【0035】本発明の第1の実施の形態としては、図3
のように、光電変換領域4(PD1a、PD1b、PD
2a、PD2b)のN-不純物層が、垂直転送電極
φV2、φV3の下にも形成されている。この場合、垂直転
送電極φV2、φV3の下にも形成されている。この場合、
垂直転送電極φV2、φV3に覆われた領域も光電変換され
た信号電荷の蓄積に寄与するので信号電荷の増大には有
利である。
【0036】しかしながら、このような第1の実施の形
態では垂直転送電極の形成前に光電変換領域4のN-
純物層を形成するために、後に形成される垂直転送電極
引き出し部の端部との位置ずれが発生することが予想さ
れ、マスク合わせのマージンを考慮すると、限られた面
積の単位画素内で光電変換および信号電荷の蓄積に寄与
する有効面積が減少する。
【0037】この位置合わせずれを避ける実施例とし
て、図5(a)(b)の第2の実施の形態のように、垂
直転送電極を形成後に、垂直転送電極引き出し部の端部
をマスクとして、イオン注入により光電変換領域4のN
-不純物層を形成してもよい。
【0038】更に、上記第1及び第2の実施の形態に示
された方法をあわせて用いる、第3の実施の形態も可能
である。
【0039】以下、図6及び図7を用いて、本発明の第
3の実施の形態の固体撮像装置の製造工程を説明する。
【0040】まず、N型半導体基板1上にPウエル層2
を形成し、このPウエル層2にN型ウエル層からなる垂
直転送CCD領域5及びP+型不純物層からなる素子分
離領域6を形成し、Pウエル層2上にゲート絶縁膜7を
形成する。次に、光電変換領域となる領域のみフォトレ
ジストレジスト除去したレジストパターン16bを形成
する。この際、レジストパターンの端部は、ゲート電極
形成後にゲート電極をマスクとしてイオン注入により形
成されるN型不純物領域4bの境界よりも光電変換領域
が形成される側に位置するように、レジストパターンニ
ングされる。
【0041】その後、このレジストパターン16aをマ
スクに、N型不純物として、リンを加速エネルギーを2
00〜400kev、ドーズ量1011〜1013cm-2
して第1のイオン注入を行い、光電変換領域となる領域
より面積の小さい、第1のN型不純物領域4aを形成す
る(図6(a)、図7(a))。
【0042】次に、ポリシリコン膜を厚さ5000Å程
度に形成し、フォトエッチング工程により、垂直転送電
極φV2、φV4を形成する。次に、全面にシリコン酸化膜
を厚さ1500Å程度に形成した後、ポリシリコン膜を
厚さ5000Å程度に形成し、フォトエッチング工程に
より、垂直転送電極φV1、φV3を形成する(図6
(b)、図7(b))。
【0043】次に、上記転送電極φV1、φV2、φV3、φ
V4をマスクに、N型不純物として、リンを加速エネルギ
ーを200〜400keV、ドーズ量を1011〜1013
cm-2として、第2のイオン注入を行い、第2のN型不
純物領域4bを形成し、第1のN型不純物領域4aと第
2の不純物領域4bとで、光電変換領域を構成する。
【0044】この場合、N型不純物層4a、4bの濃度
は、合計で目標の濃度となるように、ドーズ量を設定す
る。また、図6、図7では深さが異なっているが、同じ
深さにしてもよい。また、図1及び図2のN型不純物層
4a、4bの不純物濃度は同一でもよいし、異なっても
よい。
【0045】そして、上記第1〜第3の実施の形態のC
CD固体撮像装置において、光電変換領域に蓄積された
信号電荷を垂直転送CCD領域へ読み出す際に、ゲート
電極に印加する通常は振幅15V程度(0〜15V)の
電荷読み出しパルスを図8(a)のタイミングチャート
に示すように、4相の電極の内、隣接する異なる光電変
換領域間(例えば、図1におけるPD2aとPD1bとの
間)に形成された1相の電極(φV4)を残して、3相の
電極(φV1、φV2、φV3)に印加する。
【0046】本発明による全画素読み出しCCD固体撮
像装置の画素部の構成では、垂直転送電極引き出し部1
4によって、単位画素ピッチ内の光電変換領域4が分け
られている。このため、光電変換領域4から信号電荷を
垂直転送CCD領域5に読み出すときに、2層目の多結
晶シリコンゲート電極8bのみ(本実施の形態の場合電
極φV1とφV3)に電荷読み出しパルスを印加するよう
な、図8(b)の従来のタイミングによる読み出し方法
では、電荷読み出し時に電荷が通過するチャネル部分が
狭いため、光電変換領域に蓄積された信号電荷を完全に
読み出すのに必要な電荷読み出しパルスの振幅が上昇す
ることが懸念されるので、電極φV1、φV3に電荷読み出
しパルスを印加すると同時に、電極φV2にも電荷読み出
しパルスを印加して、本発明の全画素読み出し方式CC
D固体撮像装置を駆動する。これにより電荷読み出し時
のチャネル幅が広くなるので、電荷読み出しに必要なパ
ルスの振幅の上昇を抑えることができる。即ち、本実施
例では、光電変換領域4、4間に引き出し部が位置する
1組の2層構造の垂直転送電極(電極φV1とφV4)の内
の2層目の垂直転送電極(電極φV1)と、引き出し部が
上記画素内の光電変換領域上に位置する1組の2層構造
の垂直転送電極(電極φV2とφV3)のそれぞれとに電荷
読み出し用パルスを印加している。
【0047】尚、本発明の実施の形態においては、従来
は光電変換領域となる領域の一部が垂直転送CCD領域
の転送用電極の引き出し部14によって覆われるが、こ
れによる光電変換領域面積の減少は、上述のように、垂
直転送CCD領域のチャネル幅の縮小が可能であるの
で、その寸法余裕を光電変換領域の水平方向の開口寸法
の拡大に振り分けることによって補うことができる。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明を用
いることにより、従来ビデオカメラに用いられているイ
ンターライン転送型CCD固体撮像装置の製造に適し
た、2層ゲート構造の製造プロセスに特に変更を加える
ことなく、全画素読み出し方式のCCD固体撮像装置を
得ることができる。また、イオン注入工程等の追加もな
く、2層ゲート構造が可能なため、製造プロセスの複雑
化を招くこともなく、且つ、画素部表面の段差が大きく
なることも避けられる。
【0049】また、垂直転送CCD部の信号電荷蓄積領
域の垂直方向寸法は、垂直画素ピッチLvの1/2まで
利用でき、従来用いられている、3層ゲート3相駆動方
式の場合のLv/3に対し、1.5倍となるので、同じ
量の信号電荷を蓄積・転送するのに必要な垂直転送CC
D部のチャネル幅を縮小できる。
【0050】また、本発明は、従来は光電変換領域とな
る領域の一部が垂直転送CCD部の転送用電極の引き出
し部分によって覆われるが、これによる受光部面積の減
少は、上述のように、垂直転送CCD部のチャネル幅の
縮小が可能であるので、その寸法余裕を光電変換領域の
水平方向の開口寸法の拡大に振り分けることによって補
うことができる。
【0051】また、請求項1及び請求項4、6記載の本
発明を用いることにより、電極の引き出し部に覆われた
領域も信号電荷の蓄積に寄与できるので、更に光電変換
された信号電荷の蓄積量を大きくすることができる。
【0052】また、請求項2、5、6記載の本発明を用
いることにより、光電変換領域と信号電荷読み出し電極
との位置合わせの際の、アライメントずれのマージンを
確保することができる。
【0053】更に、請求項7記載の本発明を用いること
により、電荷読み出し時に電荷が通過する実効的なチャ
ネル幅が広くなるため、電荷読み出しに必要な読み出し
パルスの振幅の増大を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるCCD固体撮像装置
の平面図である。
【図2】図1の固体撮像装置を直線II−IIで切断し
た場合の断面図である。
【図3】図1の固体撮像装置を直線III−IIIで切
断した場合の断面図である。
【図4】図1の垂直転送CCD部における電荷蓄積時の
ポテンシャルプロファイル模式図である。
【図5】第2の実施の形態の製造方法によって製造中の
固体撮像装置を図1の直線III−IIIに相当する直
線で切断した場合の断面図である。
【図6】第3の実施の形態の製造方法によって製造中の
固体撮像装置を第1方向の直線で切断した場合の断面図
である。
【図7】第3の実施の形態の製造方法によって製造中の
固体撮像装置を第1方向と垂直な第2方向の直線で切断
した場合の断面図である。
【図8】(a)は本発明の実施の形態の駆動タイミング
チャートを示す図であり、(b)は別の駆動タイミング
チャートを示す図である。
【図9】(a)は垂直転送部2層ゲート構造、2相駆動
方式の全画素読み出し方式CCDの画素部構成図であ
リ、(b)は垂直転送部3層ゲート構造、3相駆動方式
の全画素読み出し方式CCDの画素部構成図であリ、
(c)は垂直転送部4層ゲート構造、4相駆動方式の全
画素読み出し方式CCDの画素部構成図である。
【図10】(a)は 図9(a)の全画素読み出し方式
CCDの画素部構成の垂直転送電極引き出し部断面図で
あり、(b)は 図9(b)の全画素読み出し方式CC
Dの画素部構成の垂直転送電極引き出し部断面図であ
り、(c)は 図9(c)の全画素読み出し方式CCD
の画素部構成の垂直転送電極引き出し部断面図である。
【図11】(a)は 図9(a)の全画素読み出し方式
CCDの画素部構成の垂直転送部での電荷蓄積時のポテ
ンシャルプロファイルを示す図であり、(b)は 図9
(b)の全画素読み出し方式CCDの画素部構成の垂直
転送部での電荷蓄積時のポテンシャルプロファイルを示
す図であり、(c)は 図9(c)の全画素読み出し方
式CCDの画素部構成の垂直転送部での電荷蓄積時のポ
テンシャルプロファイルを示す図である。
【図12】図1の固体撮像装置を直線XII−XIIで
切断した場合の断面図である。
【図13】第2遮光膜12が光電変換領域4の一部を覆
っている固体撮像装置を上から見た図である。
【図14】図13の固体撮像装置を直線XIV−XIV
で切断した場合の断面図である。
【符号の説明】
1 N型半導体基板 2、3 Pウェル層 4、PD1a、PD1b、PD2a、PD2b 光電変換領域 5 垂直転送CCD領域 6 素子分離領域 7 ゲート絶縁膜 8a、8b、φv1、φv2、φv3、φv4 垂直転送電極 9 第1の層間絶縁膜 10 第1遮光膜 11 第3の層間絶縁膜 12 第2遮光膜 13 表面保護膜 14 垂直転送電極の引き出し部 15 信号電荷 16b レジストパターン 17 ポテンシャル井戸 50 第2の層間絶縁膜 Lv 垂直画素ピッチ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全画素読み出し構造で、半導体基板の単
    位画素内に光電変換領域と、ゲート絶縁膜を介して上記
    半導体基板上に形成された2層構造の2組の垂直転送電
    極を用いて4相駆動を行うことにより、該光電変換領域
    で蓄積された信号電荷を読み出して転送する垂直転送C
    CD領域とを有する固体撮像装置であって、 上記2層構造の2組の垂直転送電極のうち、1組の2層
    構造の垂直転送電極の電極引き出し部が、上記単位画素
    内の光電変換領域上に位置することを特徴とする固体撮
    像装置。
  2. 【請求項2】 上記光電変換領域上に位置する垂直転送
    電極引き出し部に覆われた部分が、上記光電変換領域の
    上記電極引き出し部に覆われていない不純物層の導電型
    と反対の導電型に形成されていることを特徴とする、請
    求項1記載の固体撮像装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の固体撮像装置で
    あって、単位画素内の2組の垂直転送電極引き出し部の
    うち、少なくとも1組の上に遮光膜が周期的に形成され
    ていることを特徴とする固体撮像装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の固体撮像装置の製造方法
    であって、 半導体基板に垂直転送CCD領域、素子分離領域及びゲ
    ート絶縁膜を形成した後、光電変換領域となる領域のみ
    選択的に上記半導体基板と反対の導電型の不純物を所定
    のドーズ量でイオン注入することにより光電変換領域を
    形成する工程と、引き出し部が光電変換領域の一部を覆
    った形状の第1層目の垂直転送電極を形成する工程と、
    全面に絶縁膜を形成した後、上記1層目の垂直転送電極
    引き出し部上に2層目の垂直転送電極を形成する工程と
    を有することを特徴とする、固体撮像装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の固体撮像装置の製造方法
    であって、 半導体基板に垂直転送CCD領域、素子分離領域及びゲ
    ート絶縁膜を形成した後、光電変換領域となる領域の一
    部を覆った形状の第1層目の垂直転送電極を形成する工
    程と、全面に絶縁膜を形成した後、上記1層目の垂直転
    送電極引き出し部上に2層目の垂直転送電極引き出し部
    を形成する工程と、 上記1層目の垂直転送電極引き出し部及び2層目の垂直
    転送電極引き出し部をマスクとして、上記半導体基板と
    反対の導電型の不純物を所定のドーズ量でイオン注入す
    ることにより光電変換領域を形成する工程とを有するこ
    とを特徴とする、固体撮像装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の固体撮像素装置の製造方
    法であって、 半導体基板に垂直転送CCD領域、素子分離領域及びゲ
    ート絶縁膜を形成した後、光電変換領域となる第1の領
    域と1層目の垂直転送電極が形成される第2の領域との
    境界より第1の領域側に端部が位置し、且つ、第2の領
    域全体を覆うようにレジストパターンを形成し、該レジ
    ストパターンをマスクとして上記半導体基板と反対の導
    電型の不純物を所定のドーズ量でイオン注入することに
    より、第1の不純物領域を形成する工程と、 引き出し部が光電変換領域の一部を覆った形状の第1層
    目の垂直転送電極を形成する工程と、全面に絶縁膜を形
    成した後、上記1層目の垂直転送電極引き出し部上に2
    層目の垂直転送電極引き出し部を形成する工程と、 上記1層目の垂直転送電極引き出し部及び2層目の垂直
    転送電極引き出し部をマスクとして、上記半導体基板と
    反対の導電型の不純物を所定のドーズ量でイオン注入す
    ることにより光電変換領域を形成する工程とを有するこ
    とを特徴とする、固体撮像装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項2記載の固体撮像
    装置の駆動方法において、 光電変換領域から垂直転送CCD領域へ信号電荷を移送
    する際、画素の異なる光電変換領域間に引き出し部が位
    置する1組の2層構造の垂直転送電極の内の2層目の垂
    直転送電極と、引き出し部が上記画素内の光電変換領域
    上に位置する1組の2層構造の垂直転送電極のそれぞれ
    とに電荷読み出しようパルスを印加することを特徴とす
    る、固体撮像装置の駆動方法。
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