JPH10144752A - パターンシフトの評価方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents

パターンシフトの評価方法および半導体装置の製造方法

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JPH10144752A
JPH10144752A JP8302206A JP30220696A JPH10144752A JP H10144752 A JPH10144752 A JP H10144752A JP 8302206 A JP8302206 A JP 8302206A JP 30220696 A JP30220696 A JP 30220696A JP H10144752 A JPH10144752 A JP H10144752A
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pattern
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pattern shift
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JP8302206A
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English (en)
Inventor
Akihiro Sawabe
明宏 澤部
Chihiro Arai
千広 荒井
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Bipolar Integrated Circuits (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターンシフトをサンプルを壁開せずに正確
で簡便に評価する。 【解決手段】 所定パターン1aを有する基板1上に積
層され、下地の所定パータン1aが面方向にシフトして
転写されるエピタキシャル層3についてのパターンシフ
トの評価方法であって、第1の高濃度領域2を基板1に
予め形成し、逆導電型の第2の高濃度領域4を、エピタ
キシャル層3表面のシフト後のパターン3aに対し形成
した後、第1の高濃度領域2又は第2の高濃度領域4と
同じ導電型領域間で形成されるダイオードについて、そ
の特性を測定してパターンシフトを定量的に見積もる。
両高濃度領域2,4の相対位置をxy平面上で所定量α
ずつずらして複数のダイオードD(-2)〜D(2) を形成す
ると、シフト方向も評価できる。また、得られたシフト
量Sを、測長したアライメントずれ量で補正すると精度
が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パターンシフトを
ともなう工程、例えばエピタキシャル工程における成長
面の下地パターンが成長後に面方向にシフトして転写さ
れるといった現象を定量的に見積もるパターンシフトの
評価方法に関する。また、本発明は、このパターンシフ
トを補正するようにした半導体装置の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】たとえばバイポーラICの製造工程で
は、単結晶のシリコンをシリコン基板上に成長させるエ
ピタキシャル工程が行われているが、エピタキシャル工
程においては、図10に示すように、エピタキシャル工
程を行う前段階で下地のシリコン基板表面に形成された
段差101aが、エピタキシャル層102を成長させた
後には、垂直方向に転写されずに、図中、符号101b
で示すように、斜め方向にシフトして転写される現象が
知られている。
【0003】この現象は、エピタキシャル成長が下地の
結晶方位の影響を受けて進行することに起因したもの
で、このため下地パターンが一定の角度をもった方向に
シフトし、そのシフト量はエピタキシャル層の成長厚に
比例して大きなものとなる。また、シフト量は、下地面
の結晶方位のほかに、反応種の種類あるいは供給状態
(温度、圧力)によっても大きく異なる。たとえば、シ
リコン基板面が〈111〉面の場合よりも〈100〉面
の方がシフト量が大きい。また、高速バイポーラIC
等、高耐圧を余り要求されない場合ではエピタキシャル
層も薄くて済み、反応ガスとしてシフト量が比較的に小
さいモノシラン(SiH4 )が使えるが、高耐圧バイポ
ーラICのプロセスでは、塩素系ガス(例えば、ジクロ
ルシラン:SiH2 Cl2 ,トリクロルシラン:SiH
Cl3 )を反応ガスとして使用しないと厚いエピタキシ
ャル層を積めないことから、シフト量が大きなものとな
る。さらに、高温,減圧成長ほどシフト量を抑えること
ができる。
【0004】そのため、従来、エピタキシャル工程前に
形成したパターン(この場合、段差101a)に対し
て、特に成長厚が厚いエピタキシャル工程後にマスク合
わせを行う場合、エピタキシャル工程後にシフトしたパ
ターン(この場合、段差101b)に対してマスク合わ
せを行うことに対応し、両パターン間のシフト分だけ、
アライメントずれが発生するという問題があった。
【0005】このアライメントずれが発生すると、例え
ば図11に示すように、下地パターン101aに自己整
合的に高濃度な埋込不純物領域(例えば、コレクタ埋込
領域103)を有し、このコレクタ埋込領域103両側
に、逆導電型の不純物領域(例えば、素子分離領域10
4)がエピタキシャル層102表面から半導体基板10
0内にかけて形成される場合にあっては、転写後のパタ
ーン101bに対しマスク合わせがされて形成された素
子分離領域104は、下地の半導体基板100に対し位
置ずれを起こしてしまい、ひどい場合には、図示のよう
にコレクタ埋込領域103とぶつかってしまう。こうな
ると、コレクタ耐圧が急激に低下し、また素子分離特性
も劣化する。図11は極端な場合であるが、このアライ
メントずれの問題は、高耐圧が要求されるほど、またト
ランジスタサイズ等が縮小化されるほど、その特性等に
与える影響が大きくなることから、今後益々重要視され
るものと考えられる。
【0006】この問題に対応するため、当該エピタキシ
ャル工程のパターンシフト量をプロセスの条件出し時に
予め求めておき、そのシフト量を用いて実際の製造工程
でエピタキシャル工程後のアライメント時の補正を行な
う必要がある。
【0007】パターンシフト量を求めるために、従来で
は、評価サンプルを実際に壁開し、観察,測定する手法
が一般的にとられていた。すなわち、エピタキシャル成
長後のウェーハを壁開し、まず、エピタキシャル工程前
に形成した段差101aに形成されている不純物領域
と、その周囲の逆伝導型のシリコン領域(例えば、エピ
タキシャル層)との間で、一方の導電型領域を化学的に
着色させて浮かび上がらせていた。これは、シリコンの
電気化学的ポテンシャルがn型とp型とで異なっている
ことを利用し、n型シリコンとp型シリコンにおける化
学反応を異なった速度で進行させるものである。具体的
には、着色液として、例えば濃HFに約1%の濃HNO
3 を混ぜた液を用いると、p型領域のみ黒く染めること
ができる。そして、このサンプルを顕微鏡等で観察し、
着色部分とエピタキシャル層表面の段差101bとの相
対位置を測定し、これによりエピタキシャル工程前後の
パターンシフト量を求めていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のパ
ターンシフトの評価方法では、エピタキシャル工程前の
段差位置の正確な把握が難しく、また、例えば壁開面が
パターンに対し直角でない場合等にあっては測定誤差も
大きなもので、信頼性の高いサンプル作製に時間を要す
るといった問題があった。
【0009】さらに、得られた測定値にはサンプル作製
のアライメントずれ量が誤差として含まれており、アラ
イメントずれ量を考慮して測定値を補正しなければなら
ないが、その補正が面倒であるといった問題があった。
すなわち、アライメントずれ量はサンプル作製後のアラ
イメントマークを測長すれば容易にわかるが、得られた
ずれ量の方向と壁開方向とが一致しない場合は、両者の
相対的な角度を観察により正確に割り出す必要があっ
た。
【0010】以上のように、従来のパターンシフトの評
価方法では誤差が大きいため、より正確に、しかも簡便
にパターンシフトを評価する方法が強く求められてい
た。また、パターンシフトの方向と、その際のアライメ
ントずれの方向とが常に一致していれば、厳密なパター
ンシフト評価に便利であった。
【0011】本発明は、このような実情に鑑みてなさ
れ、層形成前後で下地パターンが面方向にシフトして転
写される工程に好適に利用できる、正確で簡便なパター
ンシフトの評価方法を新たに提案し、これを用いた半導
体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の問題
点を解決し、上記目的を達成するために、本発明のパタ
ーンシフトの評価方法では、所定パターンを有する第1
の層(例えば、半導体基板)上に形成され、下地の前記
所定パータンが面方向にシフトして転写される第2の層
(例えば、エピタキシャル層)について、そのパターン
シフトを定量的に見積もるパターンシフトの評価方法で
あって、第1導電型の第1の高濃度領域を、前記第1の
層に予め形成し、前記第1の高濃度領域と逆導電型の第
2の高濃度領域を、前記第2の層に転写されたシフト後
のパターンに対し形成した後、前記第1の高濃度領域を
含む第1導電型領域と、前記第2の高濃度領域を含む第
2導電型領域とから構成されるダイオードについて、そ
の特性を測定して前記パターンシフトを定量的に見積も
ることを特徴とする。
【0013】また、マスクアライメントの合わせずれを
考慮する場合、本発明は、前記第2の層に形成した前記
第2の高濃度領域について、その前記シフト後のパター
ンに対するアライメントずれ量を測定し、測定したアラ
イメントずれ量にもとづいて、前記ダイオードを測定し
て得られた前記パターンシフトの値を補正することを他
の特徴とする。
【0014】例えばパターンシフト量に限らず、その方
向も予測できない場合等にあっては、前記ダイオードを
xy平面上に複数配置させるとよい。この場合、本発明
は、前記第1の高濃度領域と前記第2の高濃度領域との
設定位置を、xy平面上で所定量ずつ予めずらして複数
の前記ダイオードを形成し、当該複数のダイオードの特
性を測定して前記パターンシフトについて、その量およ
び方向を見積もることを他の特徴とする。
【0015】具体的に、前記ダイオードの特性測定は、
ダイオードの順方向特性、逆方向特性、電圧容量特性の
少なくとも一の特性にもとづいて行なうとよい。
【0016】以上のような本発明に係わる評価方法によ
れば、従来のように評価サンプルを壁開することなく、
形成されたダイオードの特性を測定するだけで、正確に
パターンシフトの量(及び方向)について、定量的な評
価を行なうことができる。また、アライメントずれを考
慮する際、パターンシフトを評価する方向とアライメン
トずれの方向との関係は、当該評価サンプルを作製する
際のフォトマスク上で規定できる。たとえば、アライメ
ントずれの方向のx方向及びy方向の一方又は両方に対
し、パターンシフトの測定方向(即ち、高濃度領域同士
の設定位置をフォトダイオード間で所定量ずつずらした
方向)を揃えておけば、ダイオードを測定して得られた
パターンシフト量に対し、アライメントマーク等を測長
して得られてアライメントずれ量を単に加減算するだけ
で、誤差のない厳密なパターンシフト量を求めることが
できる。
【0017】本発明の半導体装置の製造方法では、下地
パターンが面方向にシフトして形成層の最表面に転写さ
れるパターンシフトをともなって、第1の層上に第2の
層を形成する半導体装置の製造方法であって、前記第2
の層の形成に先立って、所定パターンを有し前記第1の
層とは別の他の第1の層上に、第1導電型の第1の高濃
度領域を形成し、前記他の第1の層上に、前記第2の層
の形成時に予定しているのと同じ条件で、第2の層とは
別の他の第2の層を形成し、前記第1の高濃度領域と逆
導電型の第2の高濃度領域を、前記他の第2の層に転写
されたシフト後のパターンに対し形成し、前記第1の高
濃度領域を含む第1導電型領域と、前記第2の高濃度領
域を含む第2導電型領域とから構成されるダイオードに
ついて、その特性を測定して前記パターンシフトを定量
的に見積り、前記第2の層の形成後においては、当該第
2の層上に転写されたシフト後のパターンに対するマス
ク合わせの際に、先に見積もった前記パターンシフトを
相殺するアライメント補正を行なうことを特徴とする。
【0018】また、前記アライメント補正は、使用する
フォトマスクの作製時に、アライメントマークと実デバ
イスパターンとの相対位置を予め調整することにより行
なうことが、好ましい。なぜなら、このようにアライメ
ント補正をフォトマスク上で行なっておけば、このマス
クを用いる実際の製造工程では、そのマスク合わせを通
常と同じように、即ちθ(回転)方向を合わせた後にx
y方向の合わせを上下左右で均等に行なえば、それだけ
で、パターンシフトが相殺され、第1の層に対して正確
な位置合わせを行うことになるからである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるパターンシ
フトの評価方法および半導体装置の製造方法を、図面を
参照しながら詳細に説明する。
【0020】第1実施形態 本実施形態は、本発明のパターンシフトの評価方法に関
するものである。図1は、当該評価方法を好適に用いら
れる半導体装置(評価サンプル)の評価パターンを示す
上面図、図2は、図1のII−II線(x方向)に沿った評
価サンプルの概略断面図である。
【0021】図2中、符号1はp型シリコンウェーハ等
の半導体基板、1aは半導体基板1の表面に形成された
段差、2は半導体基板1の段差1a位置に自己整合的に
形成されたn型高濃度領域、2aは上層側に熱拡散して
形成されたn型高濃度領域部分、3はp型のエピタキシ
ャル層、3aは段差1aがエピタキシャル成長とともに
面方向にシフトして転写されたシフト後の段差、4はp
型高濃度領域である。ここで、半導体基板1は本発明の
“第1の層”に対応し、エピタキシャル層3は本発明の
“第2の層”に対応する。また、n型高濃度領域2は
“第1の高濃度領域”、p型高濃度領域4は“第2の高
濃度領域”にそれぞれ対応する。
【0022】この評価サンプルでは、図2に示すx方向
にみると、エピタキシャル層3表面から半導体基板1内
にかけて形成された前記p型高濃度領域4が、複数個、
等間隔で配置されている。また、p型高濃度領域4に重
ねられているものも一部にあるが、このp型高濃度領域
4同士の各間隔内にほぼ対応して、前記n型高濃度領域
2と、半導体基板1の前記段差1aと、前記シフト後の
段差3aとがそれぞれ配置されている。このn型高濃度
領域2、段差1a,3aの3者の位置関係は、常に一定
である。なぜなら、段差1aはn型高濃度領域2に対し
自己整合的に形成されており、また、シフト後の段差3
aは、前述のようにエピタキシャル工程において半導体
基板1の段差1aが転写されたものであることから、そ
のシフト量Sは一定なものとなるからである。
【0023】この評価サンプルでは、n型高濃度領域2
を含むn型不純物領域、即ちn型高濃度領域2およびエ
ピタキシャル層と、p型高濃度領域4を含むp型不純物
領域、即ちp型高濃度領域4および半導体基板1と、か
らダイオードが構成されてる。このため、図2全体で
は、x方向負側から順に、5個のダイオードD(2),D
(1),D(0),D(-1), D(-2)が配置されいる。
【0024】この5個のダイオードD(2),D(1),D(0),
D(-1), D(-2)のうち、中央のダイオードD(0) でp型
高濃度領域4のマスク合わせがなされ、このため、ダイ
オードD(0) におけるシフト後の段差3aは、その両側
のp型高濃度領域4,4に対し等距離で位置している。
また、図2の例では、ダイオードD(0) における下層側
のn型不純物領域2がp型高濃度領域4に接しており、
このためシフト後の段差3aのp型高濃度領域4からの
距離は、パターンシフト量Sと一致している。
【0025】一方、中央のダイオードD(0) 以外のダイ
オードD(2),D(1),D(-1), D(-2)に関して、その段差
1aのピッチ(n型高濃度領域2のピッチおよび段差3
aのピッチも同じ)は、中央のダイオードD(0) に近い
ほど所定量αずつ狭まくなっている。このため、図示の
ように、5個のダイオードD(2),D(1),D(0),D(-1),
D(-2)における段差1aからx方向負側のp型高濃度領
域4までの距離も、それぞれS−2α,S−α,S,S
+α,S+2αと順次一定幅で変化している。この結
果、この図示例の評価サンプルでは、ダイオードD(-1)
において、そのn型高濃度領域2がp型高濃度領域4に
一部重なり、この重ね幅がダイオードD(-2)では更に大
きなものとなっている。
【0026】以上のような構成は、当該評価サンプルの
y方向においても基本的には同じである。すなわち、図
1に示すように、p型高濃度領域4に対する段差3aの
ピッチずれ幅は、図の下からy方向にみて順に、それぞ
れ+2α,+α,0,−α,−2αとなっている。
【0027】このような意図的にパターンをずらして評
価サンプルを作製し、このxy方向に配設された複数の
ダイオード特性を測定すれば、その結果、最も理想的な
特性値を示すダイオードのずれ幅によって、上面からは
視認できないエピタキシャル工程のパターンシフト量を
非破壊でモニタすることができる。
【0028】例えば図1の評価サンプルにおいて、n型
高濃度領域2はp型高濃度領域4の対向間隔内中心にあ
るものが理想的だとすると、理想的なダイオードは図2
のD(2) となる。しかし、このことはサンプルを図1の
上面から観察しても判らず、壁開して調べてみて初めて
判明することである。いま、全てのダイオード特性を測
定し、D(2) において理想的なダイオード特性が得られ
たとすると、そのp型高濃度領域4に対するn型高濃度
領域2のずれ量は前述のように+2αであることから、
視認できない下層側の段差1aが表面側の段差パターン
3aに転写される際のパターンシフト量Sも+2αであ
ることになる。よって、表面側の段差3aに対し行なう
p型高濃度領域4のマスク合わせ時に、この得られたパ
ターンシフト量Sを相殺するようなアライメント補正を
行なえば、半導体基板1(この場合、n型高濃度領域
2)に対して、p型高濃度領域4を精度よく合わせるこ
とが可能となる。この場合、アライメント補正値は、
(x,y)=(−2α,0)のx軸に沿った移動とな
る。
【0029】以上の記述では、表面側の段差3aに対し
p型高濃度領域4を形成する際のフォトリソグラフィ工
程で、そのマスク合わせのアライメントずれについて全
く考慮しなかった。このアライメントずれ量が、エピタ
キシャル工程のパターンシフト量に対し十分に小さい場
合は、上述のアライメント補正で事足りる。しかし、エ
ピタキシャル工程のパターンシフト量よりもアライメン
トずれ量の方が大きい場合も考えられ、これを考慮した
アライメント補正が必要となる。
【0030】図3は、評価サンプルのアライメントマー
クを拡大して例示する上面図である。このアライメント
マークはウェーハ内に数カ所離散的に配置され、主にx
y方向のマスクズレ寸法の測定を行なうためのものであ
る。図中、符号3bは前記段差3aと一括形成された合
わせ用段差、4aは前記p高濃度領域4と一括形成され
た合わせ痕である。また、破線で示す符号4bは、4a
の理想的な合わせ位置である。すなわち、この場合のア
ライメントずれは、(x,y)=(−Δx,Δy)とな
り、この値を用いてアライメント補正値に修正を加え
る。たとえば、先程のアライメント補正値(x,y)=
(−2α,0)に、このアライメントずれを差し戻す修
正を加えると、新たなアライメント補正値は(x,y)
=(−2α+Δx,−Δy)となる。これにより、より
厳密にパターンシフトの量と方向が求めることができ
る。
【0031】つぎに、このような構成の評価サンプルに
ついて、その測定について簡単に述べる。図4は、ダイ
オード特性の測定時を示す図である。実際の評価サンプ
ルにおいては、例えばn型高濃度領域2等はエピタキシ
ャル層3表面に引き出され、p型高濃度領域4、エピタ
キシャル層3とともに電極引出し配線、パッド形成等が
なされている。そして、この評価サンプルは、図示のよ
うに測定器5に接続される。勿論、この接続は評価サン
プルに直接針立てをしてもよいし、パッケージング後の
リードを介してでもよい。
【0032】測定するダイオードの特性としては、特に
限定はないが、一般には、順方向特性、逆方向特性、C
−Vカーブと称される電圧容量特性等がある。前述した
ように、ダイオードは、高濃度領域2,4間の距離が意
図的にずらして形成され、これに比べ周囲の半導体基板
1やエピタキシャル層3は低濃度であることから、高濃
度領域2,4間の距離によって、ダイオードのオン抵
抗、順方向立上り電圧、逆耐圧、逆バイアス時の容量値
等が異なったものになるからである。
【0033】具体例として、図5〜7には、測定器5と
してパラメータアナライザを用いた場合の順方向特性
(図5)、逆方向特性(図6)、及びLCRメータによ
るC−Vカーブ(図7)を示す。これらの特性図では、
破線は理想的なカーブ、実線はエピタキシャル工程のパ
ターンシフトがある場合のカーブを示す。複数のダイオ
ードから最も理想的に近いカーブを示すダイオードを特
定し、その意図的なパターンずれ量から、前述した方法
でアライメント補正量を見積もることが可能となる。な
お、このような特性カーブまで測定しなくとも、最も差
が出やすいバイアス条件によるポイント測定でも構わな
い。
【0034】第2実施形態 本実施形態は、本発明の半導体装置の製造方法に係わる
ものである。ここでは、本製造方法を、バイポーラIC
を例として、図面を参照しながら説明する。本製造方法
では、まず、例えば条件出し時等において、先に説明し
た第1実施形態と同様な評価方法により、エピタキシャ
ル工程以後のマスク合わせに用いるアライメント補正値
を求めておく。すなわち、図1,2の評価サンプルを作
製し、作製した評価サンプルのダイオード特性を測定
し、また図3のアライメントマークを測長し、このマー
クの測長値とダイオード測定結果とから、アライメント
補正値が前述の如く得ることができる。
【0035】バイポーラICは、通常、まずコレクタ埋
込領域を半導体基板に形成し、エピタキシャル層を成長
させ、素子分離を行ない、次にベースおよびエミッタ不
純物領域の形成、電極引出し層および配線層の形成とい
った手順で製造される。図8(a)〜(d)は、最初の
コレクタ埋込領域から素子分離までを示し、以後は、従
来の方法と何ら変わらないことから、ここでの説明は省
略する。
【0036】まず、図8(a),(b)で、p型シリコ
ン基板上に、後のコレクタ埋込領域となるn型高濃度領
域を形成する。具体的には、まずp型シリコンウェーハ
等の半導体基板10を用意し、用意した半導体基板10
上に熱酸化膜11を、例えば300nm程度成膜した
後、フォトリソグラフィー技術を用いて、この熱酸化膜
11上に部分的に開口する図示せぬレジストパターンを
形成する。そして、形成したレジストパターンをマスク
に、表面に露出した熱酸化膜部分を、例えばフッ酸(H
F)によるウェットエッチング等、下地に余りダメージ
を与えないエッチング方法で選択除去し、図示のよう
に、この熱酸化膜11に開口部11aを形成する。その
後、このエッチング時のマスクとして使用した図示せぬ
レジストパターンを、例えば硫酸(H2 SO4 )と過酸
化水素水(H2 2 )とを混合した液等で除去する。図
8(a)には、このレジストパターン除去後の様子を示
す。
【0037】次に、この熱酸化膜11の開口部11aを
介して、表面に露出する半導体基板10の表面に、アン
チモン(Sb)をSb2 3 を用いた固体ソース拡散等
により導入し、前記n型高濃度領域12を、基板表面に
選択的に形成する。
【0038】その後、再び熱酸化を施すと、この2度目
の熱酸化では、図8(a)に形成した熱酸化膜11のあ
る部分と無い部分とでは熱酸化膜の成長速度が異なるた
め、半導体基板11が露出した開口部11a内側で熱酸
化が高速に進行し、同図(b)に示すように、元の開口
部11aが熱酸化膜11bで殆ど埋め込まれるようにな
る。また、この熱酸化により形成される酸化シリコン膜
を組成するシリコンは基板側から供給されるため、この
2度目の熱酸化により、半導体基板10には、n型高濃
度領域12周囲から内側に傾斜する段差10aが生じる
こととなる。
【0039】その後、熱酸化膜11,11bを全面除去
し、このn型高濃度領域12が形成され段差10aを有
する半導体基板10上に、エピタキシャル層13を、そ
の堆積抵抗率が例えば1Ω・cmとなるようにn化しな
がら、例えば4μm程度成長させる。エピタキシャル層
13の成長にともない、先に記述したように、エピタキ
シャル層13の成長面に形成されている半導体基板10
表面の段差10aは、ある一定方向にシフトしエピタキ
シャル層13表面に転写される。この転写後の段差13
aのパターンシフトの量Sおよび方向は、従来技術で述
べたように、下地面の結晶方位、エピタキシャル層13
の成長条件(温度、圧力、反応ガスの種類等)に依存す
る。一方、このとき高温に曝されることにより、n型高
濃度領域12内の不純物(例えば、アンチモン等)が成
長後のエピタキシャル層13内に拡散し、図示のような
コレクタ埋込領域14が形成される。
【0040】そして、次の図8(d)では、素子分離領
域としてp型高濃度領域15を、コレクタ埋込領域14
の両側に所定距離をおき、エピタキシャル層13表面か
ら半導体基板10内にかけて形成する。このp型高濃度
領域15の形成法は、イオン注入法等によって選択的に
例えばボロン(B)等のp型不純物をエピタキシャル層
13表面から導入することにより行なうが、そのマスク
として、まず、図示せぬレジストパターンをエピタキシ
ャル層13表面の段差13aに対して形成する。このマ
スクアライメントの際、上記したパターンシフトの量S
および方向に基づくアライメント補正を行なう。具体的
には、先に述べたように、予め求めておいたアライメン
ト補正量だけ(例えば、第1実施形態の例では、(x,
y)=(−2α+Δx,−Δy))、段差13aとレジ
ストパターンとの相対位置をずらしてマスク合わせを行
なう。これにより、図8(d)に示すように、p型高濃
度領域15がコレクタ埋込領域14の両側に所定距離を
おき形成される。
【0041】以後は、ベースおよびエミッタ不純物領域
の形成、電極引出し層、配線層の形成等の諸工程を経
て、当該バイポーラICが完成する。
【0042】第3実施形態 本実施形態は、上記第2実施形態において、図8(d)
に示すp型高濃度領域15形成時のアライメント補正
を、使用するフォトマスク上で行なう場合である。図9
は、p型高濃度領域15を形成する際、イオン注入選択
マスク等としてのレジストパターンを形成した状態を示
す概略断面図である。図中、左側はアライメントマーク
部を示し、右側は実デバイス部を示す。
【0043】このアライメントマーク部側のレジストパ
ターン16aは、合わせ対象である段差13bに対して
xy方向とも対称にしてアライメントしたときに、実デ
バイス部側のフォトレジストパターン16bが、前記第
2実施形態と同様に、アライメント補正量だけ段差13
aに対しずらされた状態で形成される。すなわち、本実
施形態でレジストにパターンを転写するもとのフォトマ
スクは、その製作時に、アライメントマーク部と実デバ
イス部との間で、予めアライメント補正量だけ相対位置
が調整されている。したがって、本実施形態では、アラ
イメントマークを通常と同じように合わせるだけで、実
デバイス部側ではアライメント補正がなされる。このた
め、アライメント補正が極めて容易であるといった特長
を有する。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のパターン
シフトの評価方法によれば、従来のようい評価サンプル
を壁開して観察する必要がなく、できたダイオードの特
性測定によってパターンシフトを定量的に見積もること
ができるので、評価が容易な上、従来の方法よりも正確
なパターンシフト量(及び方向)を得ることができる。
【0045】また、高濃度領域形成時のアライメントず
れがパターンシフト量より無視できないほど大きい場合
等にあって、本発明では、このアライメントずれ方向と
パターンシフト方向との関係がフォトマスクマスク上で
規定でき、例えば両方向を予め揃えておくと、アライメ
ントずれを加減算するだけでより正確なパターンシフト
量を求めることができる。
【0046】本発明の半導体装置の製造方法によれば、
パターンシフトをともなう第2の層(例えば、エピタキ
シャル層)形成によって、下地の第1の層(例えば、半
導体基板)の形成パターンが上面から視認できなくなる
ような場合にあっても、以後、第2の層上にパターンを
形成する際、アライメント補正しながら下層側の第1の
層の形成パターンに対し正確に位置合わができることか
ら、この位置ずれに起因する特性低下等を有効に防止す
ることが可能となる。また、アライメント補正をフォト
マスク上で予め行なっておくと、アライメント補正が極
めて容易化されるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に示す本発明の評価方法におい
て、好適に用いることができる半導体装置(評価サンプ
ル)の評価パターンを示す上面図である。
【図2】図1のII−II線(x方向)に沿った評価サンプ
ルの概略断面図である。
【図3】図1の評価サンプルについて、そのアライメン
トマーク例を拡大して示す上面図である。
【図4】第1実施形態に示す本発明の評価方法におい
て、ダイオード特性の測定時を示す図である。
【図5】図4の測定における測定結果例としての順方向
特性図である。
【図6】他の測定結果例としての逆方向特性図である。
【図7】さらに他の測定結果例としてのC−Vカーブ
(電圧容量特性図)である。
【図8】図8(a)〜(d)は、第2実施形態に示す本
発明の半導体製造方法について、素子分離までの各製造
過程を示す概略断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係わり、素子分離の選
択マスクとしてレジストパターンを形成した状態を示す
概略断面図である。
【図10】エピタキシャル工程におけるパターンシフト
の説明図である。
【図11】パターンシフトが発生した場合、バイポーラ
ICにおける問題を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…半導体基板(第1の層)、1a…段差(所定パター
ン)、2…n型高濃度領域(第1の高濃度領域)、2a
…熱拡散領域、3…エピタキシャル層(第2の層)、3
a…シフト後の段差、3b…合わせ用段差、4…p型高
濃度領域(第2の高濃度領域)、4a…合わせ痕、5…
測定器、10…半導体基板(第1の層)、10a…段差
(所定パターン)、11…熱酸化膜、11a…開口部、
11b…2度目の熱酸化膜、12…n型高濃度領域(第
1の高濃度領域)、13…エピタキシャル層(第2の
層)、13a…段差(シフト後のパターン)、14…コ
レクタ埋込領域、15…p型高濃度領域(第2の高濃度
領域)、16a…アライメントマーク部側のレジストパ
ターン、16b…実デバイス部側のレジストパターン、
D(0) 等…ダイオード、S…パターンシフト量、α…評
価サンプルにおけるパターンずれ幅、Δx,Δy…アラ
イメントずれ量

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定パターンを有する第1の層上に形成
    され、下地の前記所定パータンが面方向にシフトして転
    写される第2の層について、そのパターンシフトを定量
    的に見積もるパターンシフトの評価方法であって、 第1導電型の第1の高濃度領域を、前記第1の層に予め
    形成し、 前記第1の高濃度領域と逆導電型の第2の高濃度領域
    を、前記第2の層に転写されたシフト後のパターンに対
    し形成した後、 前記第1の高濃度領域を含む第1導電型領域と、前記第
    2の高濃度領域を含む第2導電型領域とから構成される
    ダイオードについて、その特性を測定して前記パターン
    シフトを定量的に見積もるパターンシフトの評価方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の層に形成した前記第2の高濃
    度領域について、その前記シフト後のパターンに対する
    アライメントずれ量を測定し、 測定したアライメントずれ量にもとづいて、前記ダイオ
    ードを測定して得られた前記パターンシフトの値を補正
    する請求項1に記載のパターンシフトの評価方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の高濃度領域と前記第2の高濃
    度領域との設定位置を、xy平面上で所定量ずつ予めず
    らして複数の前記ダイオードを形成し、当該複数のダイ
    オードの特性を測定して前記パターンシフトについて、
    その量および方向を見積もる請求項1に記載のパターン
    シフトの評価方法。
  4. 【請求項4】 前記ダイオードの特性測定は、ダイオー
    ドの順方向特性、逆方向特性、電圧容量特性の少なくと
    も一の特性にもとづいて行なう請求項1に記載のパター
    ンシフトの評価方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の層は、前記第1の層上に成長
    されるエピタキシャル層である請求項1に記載のパター
    ンシフトの評価方法。
  6. 【請求項6】 下地パターンが面方向にシフトして形成
    層の最表面に転写されるパターンシフトをともなって、
    第1の層上に第2の層を形成する半導体装置の製造方法
    であって、 前記第2の層の形成に先立って、 所定パターンを有し前記第1の層とは別の他の第1の層
    上に、第1導電型の第1の高濃度領域を形成し、 前記他の第1の層上に、前記第2の層の形成時に予定し
    ているのと同じ条件で、第2の層とは別の他の第2の層
    を形成し、 前記第1の高濃度領域と逆導電型の第2の高濃度領域
    を、前記他の第2の層に転写されたシフト後のパターン
    に対し形成し、 前記第1の高濃度領域を含む第1導電型領域と、前記第
    2の高濃度領域を含む第2導電型領域とから構成される
    ダイオードについて、その特性を測定して前記パターン
    シフトを定量的に見積り、 前記第2の層の形成後においては、当該第2の層上に転
    写されたシフト後のパターンに対するマスク合わせの際
    に、先に見積もった前記パターンシフトを相殺するアラ
    イメント補正を行なう半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記アライメント補正は、使用するフォ
    トマスクの作製時に、アライメントマークと実デバイス
    パターンとの相対位置を調整することにより行なう請求
    項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記他の第2の層に形成した前記第2の
    高濃度領域について、その前記シフト後のパターンに対
    するアライメントずれ量を測定し、測定したアライメン
    トずれ量にもとづいて、前記ダイオードを測定して得ら
    れた前記パターンシフトの値を補正する請求項6に記載
    の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の高濃度領域と前記第2の高濃
    度領域との設定位置を、xy平面上で所定量ずつ予めず
    らして複数の前記ダイオードを形成し、当該複数のダイ
    オードの特性を測定して前記パターンシフトについて、
    その量および方向を見積もり、 前記アライメント補正では、見積もった前記パターンシ
    フトの量および方向にもとづいて、当該パターンシフト
    を相殺する補正を行なう請求項6に記載の半導体装置の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の層および前記他の第1の層
    は、第1導電型を有する半導体基板であり、 前記第2の層および前記他の第2の層は、第1導電型も
    しくは第2導電型のいずれかの導電型を有するエピタキ
    シャル層である請求項6に記載の半導体装置の製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100698075B1 (ko) * 2005-10-31 2007-03-23 동부일렉트로닉스 주식회사 반도체 소자의 테스트 패턴 및 패턴 쉬프트 측정방법
KR100698073B1 (ko) 2005-10-27 2007-03-23 동부일렉트로닉스 주식회사 반도체 소자의 패턴이동 측정방법
KR100781439B1 (ko) 2006-08-31 2007-12-03 동부일렉트로닉스 주식회사 반도체 소자의 테스트 패턴 보정방법
CN102931219A (zh) * 2012-11-08 2013-02-13 杭州士兰集成电路有限公司 半导体器件及其制备方法

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