JPH10144694A - 半導体基板の製造方法およびこの半導体基板を用いた半導体装置 - Google Patents
半導体基板の製造方法およびこの半導体基板を用いた半導体装置Info
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- JPH10144694A JPH10144694A JP30260896A JP30260896A JPH10144694A JP H10144694 A JPH10144694 A JP H10144694A JP 30260896 A JP30260896 A JP 30260896A JP 30260896 A JP30260896 A JP 30260896A JP H10144694 A JPH10144694 A JP H10144694A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 半導体基板面内で均一なIG作用を持つエピ
タキシャル層を持つ半導体基板の製造方法およびこのエ
ピタキシャル層を持つ半導体基板に形成された半導体装
置を提供する。 【解決手段】 シラン系ガス、ドーパントとなる原子を
含むドーパントガスおよび酸素ガスを用いた気相エピタ
キシャル結晶成長法により、半導体基板11上に第1の
エピタキシャル層51を形成する工程と、シラン系ガ
ス、ドーパントとなる原子を含むドーパントガスを用い
た気相エピタキシャル結晶成長法により、第1のエピタ
キシャル層51上に第2のエピタキシャル層52を形成
する工程と、第1のエピタキシャル層51内に、酸素原
子の析出による析出核53を形成する工程とにより形成
した、エピタキシャル半導体基板1に、複数のホトダイ
オード部45を搭載したバイポーラ型半導体装置30を
作製する。
タキシャル層を持つ半導体基板の製造方法およびこのエ
ピタキシャル層を持つ半導体基板に形成された半導体装
置を提供する。 【解決手段】 シラン系ガス、ドーパントとなる原子を
含むドーパントガスおよび酸素ガスを用いた気相エピタ
キシャル結晶成長法により、半導体基板11上に第1の
エピタキシャル層51を形成する工程と、シラン系ガ
ス、ドーパントとなる原子を含むドーパントガスを用い
た気相エピタキシャル結晶成長法により、第1のエピタ
キシャル層51上に第2のエピタキシャル層52を形成
する工程と、第1のエピタキシャル層51内に、酸素原
子の析出による析出核53を形成する工程とにより形成
した、エピタキシャル半導体基板1に、複数のホトダイ
オード部45を搭載したバイポーラ型半導体装置30を
作製する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体基板の製造方
法およびこの半導体基板を用いた半導体装置に関し、さ
らに詳しくは、エピタキシャル層を持つ半導体基板表面
近傍に、均一で高濃度のBMD(Bulk Micro
Defects)層を形成した半導体基板の製造方法
およびこの半導体基板を用いた半導体装置に関する。
法およびこの半導体基板を用いた半導体装置に関し、さ
らに詳しくは、エピタキシャル層を持つ半導体基板表面
近傍に、均一で高濃度のBMD(Bulk Micro
Defects)層を形成した半導体基板の製造方法
およびこの半導体基板を用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、電子機器部品の小型、高性能化に
伴って、半導体装置に光電変換素子(ホトダイオード)
を搭載した半導体装置が、光ディスク装置等の電子機器
部品として多用されてきている。この光ディスク装置用
のホトダイオードを搭載し、信号処理回路等で構成され
た半導体装置は、複数のホトダイオードを近接させて配
置し、例えば光ディスクで反射された半導体レーザ光を
各々のホトダイオードで受光し、これらホトダイオード
からの信号を基に信号処理することにより、光ディスク
の記録情報、トラッキングエラー情報、フォーカスエラ
ー情報を出力する機能を持つものである。
伴って、半導体装置に光電変換素子(ホトダイオード)
を搭載した半導体装置が、光ディスク装置等の電子機器
部品として多用されてきている。この光ディスク装置用
のホトダイオードを搭載し、信号処理回路等で構成され
た半導体装置は、複数のホトダイオードを近接させて配
置し、例えば光ディスクで反射された半導体レーザ光を
各々のホトダイオードで受光し、これらホトダイオード
からの信号を基に信号処理することにより、光ディスク
の記録情報、トラッキングエラー情報、フォーカスエラ
ー情報を出力する機能を持つものである。
【0003】上記のホトダイオードを搭載した半導体装
置は、通常エピタキシャル層を設けた半導体基板を用い
るバイポーラ半導体集積回路構成になっており、このエ
ピタキシャル層を設けた半導体基板の製造方法と、この
半導体基板を使用して製造する、ホトダイオードを搭載
したバイポーラ型半導体装置の従来例を、図5〜図7を
参照して説明する。
置は、通常エピタキシャル層を設けた半導体基板を用い
るバイポーラ半導体集積回路構成になっており、このエ
ピタキシャル層を設けた半導体基板の製造方法と、この
半導体基板を使用して製造する、ホトダイオードを搭載
したバイポーラ型半導体装置の従来例を、図5〜図7を
参照して説明する。
【0004】まず、エピタキシャル層を設けた半導体基
板、即ちエピタキシャル半導体基板の製造方法について
述べる。エピタキシャル半導体基板10は、図5に示す
ように、低抵抗率のP型で、酸素原子を過飽和状態に含
む(5E17/cm3 〜2E18/cm3 )半導体基板
11を用い、この半導体基板11をIG(Intrin
sic Gettering)処理、即ち高温−低温−
中温の熱履歴による熱処理を加えて、半導体基板11内
部には、半導体基板11中の酸素原子等の析出による析
出核12、所謂BMDを形成し、半導体基板11表面部
には、半導体基板11表面近傍の酸素原子等の表面への
拡散で、析出核12の無い無欠陥層13、所謂DZ(D
enuded Zone)を形成する。その後、上記熱
処理等で形成された半導体基板表面の酸化膜除去を含
む、半導体基板11の洗浄を行う。
板、即ちエピタキシャル半導体基板の製造方法について
述べる。エピタキシャル半導体基板10は、図5に示す
ように、低抵抗率のP型で、酸素原子を過飽和状態に含
む(5E17/cm3 〜2E18/cm3 )半導体基板
11を用い、この半導体基板11をIG(Intrin
sic Gettering)処理、即ち高温−低温−
中温の熱履歴による熱処理を加えて、半導体基板11内
部には、半導体基板11中の酸素原子等の析出による析
出核12、所謂BMDを形成し、半導体基板11表面部
には、半導体基板11表面近傍の酸素原子等の表面への
拡散で、析出核12の無い無欠陥層13、所謂DZ(D
enuded Zone)を形成する。その後、上記熱
処理等で形成された半導体基板表面の酸化膜除去を含
む、半導体基板11の洗浄を行う。
【0005】次に、上記の半導体基板11を、図6に示
すように、エピタキシャル装置20のチャンバ21内の
サセプタ22上に載置して、無欠陥層13が形成された
半導体基板11表面にエピタキシャル層を形成する。こ
のエピタキシャル層形成工程は、まずガス供給源(図示
省略)より、水素ガスをチャンバ21内に設けたガス供
給円筒部23に送り、ガス供給円筒部23の側壁に設け
られた多数の小孔23aより水素ガスを半導体基板11
と平行方向に吹き出させる方法で、チャンバ21内に水
素ガスを導入する。次に、高周波電源(図示省略)よ
り、サセプタ22の下方に設けたコイル24に高周波電
流を流し、高周波誘導加熱法でサセプタ22を加熱して
半導体基板11の温度を約1100°C程度にする。半
導体基板11が水素ガス雰囲気中で約1100°C程度
に加熱された状態にあると、半導体基板11洗浄後に半
導体基板11表面に形成された、極薄い自然酸化膜が除
去される。
すように、エピタキシャル装置20のチャンバ21内の
サセプタ22上に載置して、無欠陥層13が形成された
半導体基板11表面にエピタキシャル層を形成する。こ
のエピタキシャル層形成工程は、まずガス供給源(図示
省略)より、水素ガスをチャンバ21内に設けたガス供
給円筒部23に送り、ガス供給円筒部23の側壁に設け
られた多数の小孔23aより水素ガスを半導体基板11
と平行方向に吹き出させる方法で、チャンバ21内に水
素ガスを導入する。次に、高周波電源(図示省略)よ
り、サセプタ22の下方に設けたコイル24に高周波電
流を流し、高周波誘導加熱法でサセプタ22を加熱して
半導体基板11の温度を約1100°C程度にする。半
導体基板11が水素ガス雰囲気中で約1100°C程度
に加熱された状態にあると、半導体基板11洗浄後に半
導体基板11表面に形成された、極薄い自然酸化膜が除
去される。
【0006】次に、ガス供給源(図示省略)より、Si
HCl3 ガス、B2 H6 ガスおよび水素ガスをチャンバ
21内に設けたガス供給円筒部23に送り、ガス供給円
筒部23の側壁に設けられた多数の小孔23aより、半
導体基板11と平行方向に吹き出させる方法で、チャン
バ21内に上記ガスを導入する。なお、このSiHCl
3 ガスとB2 H6 ガスの流量比は、所定の抵抗率を持つ
P型エピタキシャル層14が形成されるような流量比と
する。
HCl3 ガス、B2 H6 ガスおよび水素ガスをチャンバ
21内に設けたガス供給円筒部23に送り、ガス供給円
筒部23の側壁に設けられた多数の小孔23aより、半
導体基板11と平行方向に吹き出させる方法で、チャン
バ21内に上記ガスを導入する。なお、このSiHCl
3 ガスとB2 H6 ガスの流量比は、所定の抵抗率を持つ
P型エピタキシャル層14が形成されるような流量比と
する。
【0007】次に、上述したエピタキシャル半導体基板
10を用いた、ホトダイオードを搭載したバイポーラ型
半導体装置について述べる。ホトダイオードを搭載した
バイポーラ型半導体装置30は、図7に示すように、エ
ピタキシャル半導体基板10表面にN型やP型の不純物
となるイオンによるイオン注入を行い、その後エピタキ
シャル半導体基板10上に、シリコンのエピタキシャル
結晶成長を行ってN型のエピタキシャル層31を形成す
る。このエピタキシャル層31形成により、上述したイ
オン注入部にNPNトランジスタ部32の埋め込みコレ
クタ層33、PNPトランジスタ部34の埋め込みコレ
クタ層35と埋め込みコレクタ分離層36、第1の素子
分離層37等が形成される。
10を用いた、ホトダイオードを搭載したバイポーラ型
半導体装置について述べる。ホトダイオードを搭載した
バイポーラ型半導体装置30は、図7に示すように、エ
ピタキシャル半導体基板10表面にN型やP型の不純物
となるイオンによるイオン注入を行い、その後エピタキ
シャル半導体基板10上に、シリコンのエピタキシャル
結晶成長を行ってN型のエピタキシャル層31を形成す
る。このエピタキシャル層31形成により、上述したイ
オン注入部にNPNトランジスタ部32の埋め込みコレ
クタ層33、PNPトランジスタ部34の埋め込みコレ
クタ層35と埋め込みコレクタ分離層36、第1の素子
分離層37等が形成される。
【0008】次に、エピタキシャル層31表面にN型や
P型の不純物となるイオンによるイオン注入を行い、そ
の後イオン注入した不純物の熱拡散を行い、NPNトラ
ンジスタ部32やPNPトランジスタ部34のコレクタ
電極引き出し領域38,39および第2の素子分離層4
0を形成する。その後、N型やP型の不純物となるイオ
ンによるイオン注入と熱処理により、NPNトランジス
タ部32やPNPトランジスタ部34のグラフトベース
部を含むベース層41やエミッタ層42、PNPトラン
ジスタ部34のグラフトベース部を含むベース層43や
エミッタ層44、ホトダイオード部45の高濃度拡散層
46等を形成する。なお、図示は省略するが、図7に示
すエピタキシャル層31上には、層間絶縁膜、電極配
線、電極配線上の層間絶縁膜およびホトダイオード部4
5以外の領域への光入射を防止するための遮光膜等が形
成されている。上記のようにして、ホトダイオード部4
5を搭載したバイポーラ型半導体装置30が作製され
る。
P型の不純物となるイオンによるイオン注入を行い、そ
の後イオン注入した不純物の熱拡散を行い、NPNトラ
ンジスタ部32やPNPトランジスタ部34のコレクタ
電極引き出し領域38,39および第2の素子分離層4
0を形成する。その後、N型やP型の不純物となるイオ
ンによるイオン注入と熱処理により、NPNトランジス
タ部32やPNPトランジスタ部34のグラフトベース
部を含むベース層41やエミッタ層42、PNPトラン
ジスタ部34のグラフトベース部を含むベース層43や
エミッタ層44、ホトダイオード部45の高濃度拡散層
46等を形成する。なお、図示は省略するが、図7に示
すエピタキシャル層31上には、層間絶縁膜、電極配
線、電極配線上の層間絶縁膜およびホトダイオード部4
5以外の領域への光入射を防止するための遮光膜等が形
成されている。上記のようにして、ホトダイオード部4
5を搭載したバイポーラ型半導体装置30が作製され
る。
【0009】上述した製造方法によるエピタキシャル半
導体基板10は、半導体基板11内の酸素原子が不均一
な分布、例えばスワール状分布をしているために、半導
体基板11内部に形成された析出核12も、例えばスワ
ール状分布となって、重金属等のゲッターリング作用が
エピタキシャル半導体基板10面内で不均一となる。そ
のため、析出核12の密度が少ない部分ではIG作用が
少なく、このエピタキシャル半導体基板10に形成され
たバイポーラ型半導体装置30は、エピタキシャル半導
体基板10の析出核12の密度が少ない部分に形成され
たバイポーラ型半導体装置30の構成素子が重金属等に
よる汚染で特性不良を起こすと、バイポーラ型半導体装
置30の製造歩留を低下させるという問題が発生する。
導体基板10は、半導体基板11内の酸素原子が不均一
な分布、例えばスワール状分布をしているために、半導
体基板11内部に形成された析出核12も、例えばスワ
ール状分布となって、重金属等のゲッターリング作用が
エピタキシャル半導体基板10面内で不均一となる。そ
のため、析出核12の密度が少ない部分ではIG作用が
少なく、このエピタキシャル半導体基板10に形成され
たバイポーラ型半導体装置30は、エピタキシャル半導
体基板10の析出核12の密度が少ない部分に形成され
たバイポーラ型半導体装置30の構成素子が重金属等に
よる汚染で特性不良を起こすと、バイポーラ型半導体装
置30の製造歩留を低下させるという問題が発生する。
【0010】また、このエピタキシャル半導体基板10
を用いた、ホトダイオード部45を搭載したバイポーラ
型半導体装置30は、赤色の長波長レーザ光等をホトダ
イオード部45に入射させた時、ホトダイオード部45
に発生したホトキャリアが隣接したホトダイオード部4
5にも拡散し、長波長レーザ光等の入射光の無い隣接し
たホトダイオード部45からも出力信号が発生するとい
う、所謂クロストーク現象が起こるという問題がある。
を用いた、ホトダイオード部45を搭載したバイポーラ
型半導体装置30は、赤色の長波長レーザ光等をホトダ
イオード部45に入射させた時、ホトダイオード部45
に発生したホトキャリアが隣接したホトダイオード部4
5にも拡散し、長波長レーザ光等の入射光の無い隣接し
たホトダイオード部45からも出力信号が発生するとい
う、所謂クロストーク現象が起こるという問題がある。
【0011】ここで、上記クロストーク現象を、図8お
よび図9を参照して説明する。なお、図8は図7のホト
ダイオード部45を拡大したもので、図9は、図8のホ
トダイオード部45のA−A部におけるエネルギーバン
ド図である。今、赤色の長波長レーザ光が図8の右側の
ホトダイオード部45に入射すると、単結晶シリコンの
長波長光の吸収係数は小さいために、ホトダイオード部
45のエピタキシャル層31表面よりかなり深い部分ま
で、入射光による電子−正孔対、即ちホトキャリアが発
生する。
よび図9を参照して説明する。なお、図8は図7のホト
ダイオード部45を拡大したもので、図9は、図8のホ
トダイオード部45のA−A部におけるエネルギーバン
ド図である。今、赤色の長波長レーザ光が図8の右側の
ホトダイオード部45に入射すると、単結晶シリコンの
長波長光の吸収係数は小さいために、ホトダイオード部
45のエピタキシャル層31表面よりかなり深い部分ま
で、入射光による電子−正孔対、即ちホトキャリアが発
生する。
【0012】ホトダイオード部45に印加された電圧V
により、図9に示すように、電界が形成されている領
域、例えばPN接合部両側のホトダイオード部45のエ
ピタキシャル層31やエピタキシャル層14の領域で発
生した電子−正孔対の電子と正孔は、それぞれ高濃度拡
散層46と低抵抗のP型半導体基板11等に流れる。一
方、ホトダイオード部45に印加された電圧Vによる電
界が殆ど無い、低抵抗のP型半導体基板11に発生した
電子−正孔対の電子は、低抵抗のP型半導体基板11の
多数キャリアである正孔と再結合し、電子−正孔対が発
生した近傍で大部分が消滅し、一部が拡散により電界が
形成されているエピタキシャル層31領域に到達して、
高濃度拡散層46に流れる。この様にして、光入射の無
い図8の左側のホトダイオード部45からも光による信
号が出てしまうという現象、即ちクロストーク現象が起
きてしまう。
により、図9に示すように、電界が形成されている領
域、例えばPN接合部両側のホトダイオード部45のエ
ピタキシャル層31やエピタキシャル層14の領域で発
生した電子−正孔対の電子と正孔は、それぞれ高濃度拡
散層46と低抵抗のP型半導体基板11等に流れる。一
方、ホトダイオード部45に印加された電圧Vによる電
界が殆ど無い、低抵抗のP型半導体基板11に発生した
電子−正孔対の電子は、低抵抗のP型半導体基板11の
多数キャリアである正孔と再結合し、電子−正孔対が発
生した近傍で大部分が消滅し、一部が拡散により電界が
形成されているエピタキシャル層31領域に到達して、
高濃度拡散層46に流れる。この様にして、光入射の無
い図8の左側のホトダイオード部45からも光による信
号が出てしまうという現象、即ちクロストーク現象が起
きてしまう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した半
導体基板の製造方法およびこの半導体基板を用いた半導
体装置における問題点を解決することをその目的とす
る。即ち本発明の課題は、半導体基板面内で均一なIG
作用を持つエピタキシャル層を持つ半導体基板の製造方
法およびこのエピタキシャル層を持つ半導体基板に形成
された半導体装置を提供することを目的とする。
導体基板の製造方法およびこの半導体基板を用いた半導
体装置における問題点を解決することをその目的とす
る。即ち本発明の課題は、半導体基板面内で均一なIG
作用を持つエピタキシャル層を持つ半導体基板の製造方
法およびこのエピタキシャル層を持つ半導体基板に形成
された半導体装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体基板の製
造方法は、上述の課題を解決するために提案するもので
あり、エピタキシャル層を持つ半導体基板の製造方法に
おいて、シラン系ガス、ドーパントとなる原子を含むド
ーパントガスおよび酸素ガスを用いた気相エピタキシャ
ル結晶成長法により、半導体基板上に第1のエピタキシ
ャル層を形成する工程と、シラン系ガス、ドーパントと
なる原子を含むドーパントガスを用いた気相エピタキシ
ャル結晶成長法により、第1のエピタキシャル層上に第
2のエピタキシャル層を形成する工程と、第1のエピタ
キシャル層内に、酸素原子の析出による析出核を形成す
る工程とを有することを特徴とするものである。
造方法は、上述の課題を解決するために提案するもので
あり、エピタキシャル層を持つ半導体基板の製造方法に
おいて、シラン系ガス、ドーパントとなる原子を含むド
ーパントガスおよび酸素ガスを用いた気相エピタキシャ
ル結晶成長法により、半導体基板上に第1のエピタキシ
ャル層を形成する工程と、シラン系ガス、ドーパントと
なる原子を含むドーパントガスを用いた気相エピタキシ
ャル結晶成長法により、第1のエピタキシャル層上に第
2のエピタキシャル層を形成する工程と、第1のエピタ
キシャル層内に、酸素原子の析出による析出核を形成す
る工程とを有することを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の半導体装置は、本発明の半
導体基板を用いたことを特徴とするものである。
導体基板を用いたことを特徴とするものである。
【0016】本発明によれば、エピタキシャル層を持つ
半導体基板を、シラン系ガス、ドーパントとなる原子を
含むドーパントガスおよび酸素ガスを用いた気相エピタ
キシャル結晶成長法により、半導体基板上に第1のエピ
タキシャル層を形成する工程と、シラン系ガス、ドーパ
ントとなる原子を含むドーパントガスを用いた気相エピ
タキシャル結晶成長法により、第1のエピタキシャル層
上に第2のエピタキシャル層を形成する工程と、第1の
エピタキシャル層内に、酸素原子の析出による析出核を
形成する工程と有して形成することにより、第1のエピ
タキシャル層内に、高密度で均一な析出核が形成でき、
この半導体基板表面近傍の均一な析出核が重金属のゲッ
ターリング作用をするために、この半導体基板を用いて
作製される半導体装置は、重金属等による汚染で特性不
良を起こすことがなく、従って半導体装置の製造歩留が
向上する。
半導体基板を、シラン系ガス、ドーパントとなる原子を
含むドーパントガスおよび酸素ガスを用いた気相エピタ
キシャル結晶成長法により、半導体基板上に第1のエピ
タキシャル層を形成する工程と、シラン系ガス、ドーパ
ントとなる原子を含むドーパントガスを用いた気相エピ
タキシャル結晶成長法により、第1のエピタキシャル層
上に第2のエピタキシャル層を形成する工程と、第1の
エピタキシャル層内に、酸素原子の析出による析出核を
形成する工程と有して形成することにより、第1のエピ
タキシャル層内に、高密度で均一な析出核が形成でき、
この半導体基板表面近傍の均一な析出核が重金属のゲッ
ターリング作用をするために、この半導体基板を用いて
作製される半導体装置は、重金属等による汚染で特性不
良を起こすことがなく、従って半導体装置の製造歩留が
向上する。
【0017】また、上述したエピタキシャル層を持つ半
導体基板を用いた、複数のホトダイオードを搭載した半
導体装置においては、上記第1のエピタキシャル層が、
赤色の長波長レーザ光によるホトダイオードの表面より
かなり深い部分で発生したホトキャリアの再結合層とし
ても作用する。従って、クロストークの無く、製造歩留
も良い、複数のホトダイオードを搭載した半導体装置が
作製できる。
導体基板を用いた、複数のホトダイオードを搭載した半
導体装置においては、上記第1のエピタキシャル層が、
赤色の長波長レーザ光によるホトダイオードの表面より
かなり深い部分で発生したホトキャリアの再結合層とし
ても作用する。従って、クロストークの無く、製造歩留
も良い、複数のホトダイオードを搭載した半導体装置が
作製できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例につき、添付図
面を参照して説明する。なお従来技術の説明で参照した
図5および図7〜図9中の構成部分と同様の構成部分に
は、同一の参照符号を付すものとする。
面を参照して説明する。なお従来技術の説明で参照した
図5および図7〜図9中の構成部分と同様の構成部分に
は、同一の参照符号を付すものとする。
【0019】本実施例はエピタキシャル層を持つ半導体
基板の製造方法およびこの半導体基板を用いたホトダイ
オードを積載したバイポーラ型半導体装置に本発明を適
用した例であり、これを従来技術の説明で参照したエピ
タキシャル装置の概略断面図である図6と、図1〜図4
を参照して説明する。
基板の製造方法およびこの半導体基板を用いたホトダイ
オードを積載したバイポーラ型半導体装置に本発明を適
用した例であり、これを従来技術の説明で参照したエピ
タキシャル装置の概略断面図である図6と、図1〜図4
を参照して説明する。
【0020】始めに、エピタキシャル層を持つ半導体基
板の製造方法、所謂エピタキシャル半導体基板の製造方
法について述べる。まず、エピタキシャル半導体基板1
の製造方法は、図1に示すように、低抵抗率のP型で、
酸素原子を過飽和状態に含む(5E17/cm3 〜2E
18/cm3 )半導体基板11を用い、従来例のエピタ
キシャル半導体基板10の製造方法で説明したと同様に
して、この半導体基板11のIG処理を行う。このIG
処理により、半導体基板11内部に析出核12を形成
し、半導体基板11表面部に無欠陥層13を形成する。
その後、上記IG処理後の半導体基板11表面の酸化膜
除去を含む、半導体基板11の洗浄を行う。
板の製造方法、所謂エピタキシャル半導体基板の製造方
法について述べる。まず、エピタキシャル半導体基板1
の製造方法は、図1に示すように、低抵抗率のP型で、
酸素原子を過飽和状態に含む(5E17/cm3 〜2E
18/cm3 )半導体基板11を用い、従来例のエピタ
キシャル半導体基板10の製造方法で説明したと同様に
して、この半導体基板11のIG処理を行う。このIG
処理により、半導体基板11内部に析出核12を形成
し、半導体基板11表面部に無欠陥層13を形成する。
その後、上記IG処理後の半導体基板11表面の酸化膜
除去を含む、半導体基板11の洗浄を行う。
【0021】次に、上記の半導体基板11を、図6に示
すように、エピタキシャル装置20のチャンバ21内の
サセプタ22上に載置して、無欠陥層13が形成された
半導体基板11表面にエピタキシャル層を形成する。こ
のエピタキシャル層形成工程は、まず従来例と同様にし
て、ガス供給源(図示省略)より、水素ガスをチャンバ
21内に設けたガス供給円筒部23に送り、ガス供給円
筒部23の側壁に設けられた多数の小孔23aより水素
ガスを半導体基板11と平行方向に吹き出させる方法
で、チャンバ21内に水素ガスを導入する。その後、サ
セプタ22を加熱して半導体基板11の温度を約110
0°C程度とし、半導体基板11洗浄後に半導体基板1
1表面に形成された、極薄い自然酸化膜を除去する。
すように、エピタキシャル装置20のチャンバ21内の
サセプタ22上に載置して、無欠陥層13が形成された
半導体基板11表面にエピタキシャル層を形成する。こ
のエピタキシャル層形成工程は、まず従来例と同様にし
て、ガス供給源(図示省略)より、水素ガスをチャンバ
21内に設けたガス供給円筒部23に送り、ガス供給円
筒部23の側壁に設けられた多数の小孔23aより水素
ガスを半導体基板11と平行方向に吹き出させる方法
で、チャンバ21内に水素ガスを導入する。その後、サ
セプタ22を加熱して半導体基板11の温度を約110
0°C程度とし、半導体基板11洗浄後に半導体基板1
1表面に形成された、極薄い自然酸化膜を除去する。
【0022】次に、ガス供給源(図示省略)より、シラ
ン系ガス、例えばSiHCl3 ガスと、ドーパントとな
る原子を含むドーパントガス、例えばB2 H6 ガスと、
酸素ガス(O2 ガス)をチャンバ21内に導入して、無
欠陥層13が形成された半導体基板11表面にシリコン
の気相エピタキシャル結晶成長を行い、P型で、酸素原
子を含む第1のエピタキシャル層51を膜厚約3μm程
形成する。なお、このSiHCl3 ガス、B2 H6 ガス
およびO2 ガスの流量比は、第1のエピタキシャル層5
1の抵抗率を所定の抵抗率、例えば約5Ωcm、エピタ
キシャル層中に含まれる酸素原子数Nを、5E17/c
m3 ≦N≦2E18/cm3 となるような流量比とす
る。ここで、酸素原子数Nを、5E17/cm3 ≦N≦
2E18/cm3 となるようにした理由は、酸素原子数
Nが5E17/cm3 より少ないと、後述する析出核5
3の密度が小さくなり、ゲッターリング効果が少なくな
り、酸素原子数Nが2E18/cm3 より多いと、良質
のエピタキシャル層が得られないためである。
ン系ガス、例えばSiHCl3 ガスと、ドーパントとな
る原子を含むドーパントガス、例えばB2 H6 ガスと、
酸素ガス(O2 ガス)をチャンバ21内に導入して、無
欠陥層13が形成された半導体基板11表面にシリコン
の気相エピタキシャル結晶成長を行い、P型で、酸素原
子を含む第1のエピタキシャル層51を膜厚約3μm程
形成する。なお、このSiHCl3 ガス、B2 H6 ガス
およびO2 ガスの流量比は、第1のエピタキシャル層5
1の抵抗率を所定の抵抗率、例えば約5Ωcm、エピタ
キシャル層中に含まれる酸素原子数Nを、5E17/c
m3 ≦N≦2E18/cm3 となるような流量比とす
る。ここで、酸素原子数Nを、5E17/cm3 ≦N≦
2E18/cm3 となるようにした理由は、酸素原子数
Nが5E17/cm3 より少ないと、後述する析出核5
3の密度が小さくなり、ゲッターリング効果が少なくな
り、酸素原子数Nが2E18/cm3 より多いと、良質
のエピタキシャル層が得られないためである。
【0023】次に、チャンバ21内へのO2 ガス導入を
停止し、シラン系ガス、例えばSiHCl3 ガスと、ド
ーパントとなる原子を含むドーパントガス、例えばB2
H6ガスにより、第1のエピタキシャル層51表面上に
シリコンの気相エピタキシャル結晶成長を行い、P型の
第2のエピタキシャル層52を膜厚約7μm程形成す
る。
停止し、シラン系ガス、例えばSiHCl3 ガスと、ド
ーパントとなる原子を含むドーパントガス、例えばB2
H6ガスにより、第1のエピタキシャル層51表面上に
シリコンの気相エピタキシャル結晶成長を行い、P型の
第2のエピタキシャル層52を膜厚約7μm程形成す
る。
【0024】次に、SiHCl3 ガスとB2 H6 ガスの
チャンバ21内への導入を停止すると同時に水素ガスを
チャンバ21内へ導入し、その後サセプタ温度を下げ
て、半導体基板11を所定の温度、例えば650°Cと
し、この温度で約10時間熱処理し、更にその後サセプ
タ温度を上げて、半導体基板11を所定の温度、例えば
1050°Cとして約1時間の熱処理をする。この一連
の熱処理工程により、第1のエピタキシャル層51中に
は、酸素原子の析出による析出核53が形成される。こ
の析出核53形成工程後、半導体基板11をエピタキシ
ャル装置20より取り出す。なお、上述した工程で、析
出核53形成工程は、第2のエピタキシャル層52形成
後に半導体基板11をエピタキシャル装置より取り出し
た後、熱処理炉にて行ってもよい。
チャンバ21内への導入を停止すると同時に水素ガスを
チャンバ21内へ導入し、その後サセプタ温度を下げ
て、半導体基板11を所定の温度、例えば650°Cと
し、この温度で約10時間熱処理し、更にその後サセプ
タ温度を上げて、半導体基板11を所定の温度、例えば
1050°Cとして約1時間の熱処理をする。この一連
の熱処理工程により、第1のエピタキシャル層51中に
は、酸素原子の析出による析出核53が形成される。こ
の析出核53形成工程後、半導体基板11をエピタキシ
ャル装置20より取り出す。なお、上述した工程で、析
出核53形成工程は、第2のエピタキシャル層52形成
後に半導体基板11をエピタキシャル装置より取り出し
た後、熱処理炉にて行ってもよい。
【0025】上述した第1、第2のエピタキシャル層5
1、52を持つ半導体基板11、即ちエピタキシャル半
導体基板1は、第1のエピタキシャル層51の形成時、
酸素原子が第1のエピタキシャル層51中に均一に分散
されるので、第1、第2のエピタキシャル層51、52
形成後に行われる析出核53形成工程において、密度の
均一な析出核53が第1のエピタキシャル層51中に形
成される。
1、52を持つ半導体基板11、即ちエピタキシャル半
導体基板1は、第1のエピタキシャル層51の形成時、
酸素原子が第1のエピタキシャル層51中に均一に分散
されるので、第1、第2のエピタキシャル層51、52
形成後に行われる析出核53形成工程において、密度の
均一な析出核53が第1のエピタキシャル層51中に形
成される。
【0026】次に、上述したエピタキシャル半導体基板
1を用いた、ホトダイオードを搭載したバイポーラ型半
導体装置について述べる。ホトダイオードを搭載したバ
イポーラ型半導体装置30は、図2に示すように、エピ
タキシャル半導体基板1表面にN型やP型のドーパント
とするイオンによるイオン注入を行い、その後エピタキ
シャル半導体基板1上に、シリコンの気相エピタキシャ
ル結晶成長を行ってN型のエピタキシャル層31を膜厚
約4μm程形成する。このエピタキシャル層31形成に
より、NPNトランジスタ部32の埋め込みコレクタ層
33、PNPトランジスタ部34の埋め込みコレクタ層
35と埋め込みコレクタ分離層36、第1の素子分離層
37等が形成される。
1を用いた、ホトダイオードを搭載したバイポーラ型半
導体装置について述べる。ホトダイオードを搭載したバ
イポーラ型半導体装置30は、図2に示すように、エピ
タキシャル半導体基板1表面にN型やP型のドーパント
とするイオンによるイオン注入を行い、その後エピタキ
シャル半導体基板1上に、シリコンの気相エピタキシャ
ル結晶成長を行ってN型のエピタキシャル層31を膜厚
約4μm程形成する。このエピタキシャル層31形成に
より、NPNトランジスタ部32の埋め込みコレクタ層
33、PNPトランジスタ部34の埋め込みコレクタ層
35と埋め込みコレクタ分離層36、第1の素子分離層
37等が形成される。
【0027】その後は、従来例のホトダイオードを搭載
したバイポーラ型半導体装置30で説明したと同様にし
て、NPNトランジスタ部32、PNPトランジスタ部
34およびホトダイオード部45等を形成する。なお、
図示は省略するが、図2に示すエピタキシャル層31上
には、層間絶縁膜、電極配線、電極配線上の層間絶縁膜
およびホトダイオード部45以外の領域への光入射を防
止する遮光膜等が形成されている。上記のようにして、
ホトダイオード部45を搭載したバイポーラ型半導体装
置30が作製される。
したバイポーラ型半導体装置30で説明したと同様にし
て、NPNトランジスタ部32、PNPトランジスタ部
34およびホトダイオード部45等を形成する。なお、
図示は省略するが、図2に示すエピタキシャル層31上
には、層間絶縁膜、電極配線、電極配線上の層間絶縁膜
およびホトダイオード部45以外の領域への光入射を防
止する遮光膜等が形成されている。上記のようにして、
ホトダイオード部45を搭載したバイポーラ型半導体装
置30が作製される。
【0028】上述したエピタキシャル半導体基板1に形
成された、ホトダイオード部45を搭載したバイポーラ
型半導体装置30は、製造工程において重金属汚染を受
けても、エピタキシャル半導体基板1表面近傍にある均
一な析出核53が形成されている第1のエピタキシャル
層があるために、重金属はこの析出核53にトラップさ
れ、バイポーラ型半導体装置30の構成素子自体が重金
属汚染で特性不良を起こすことがなく、従ってバイポー
ラ型半導体装置30の製造歩留が向上する。
成された、ホトダイオード部45を搭載したバイポーラ
型半導体装置30は、製造工程において重金属汚染を受
けても、エピタキシャル半導体基板1表面近傍にある均
一な析出核53が形成されている第1のエピタキシャル
層があるために、重金属はこの析出核53にトラップさ
れ、バイポーラ型半導体装置30の構成素子自体が重金
属汚染で特性不良を起こすことがなく、従ってバイポー
ラ型半導体装置30の製造歩留が向上する。
【0029】また、上述したエピタキシャル半導体基板
1に形成された、ホトダイオード部45を搭載したバイ
ポーラ型半導体装置30は、入射光による隣接したホト
ダイオード部45間のクロストーク現象が殆ど起こらな
い。この理由を図3および図4を参照して説明する。こ
こで、図3は図2のホトダイオード45部を拡大したも
ので、図4は、図3のホトダイオード部45のB−B部
におけるエネルギーバンド図である。
1に形成された、ホトダイオード部45を搭載したバイ
ポーラ型半導体装置30は、入射光による隣接したホト
ダイオード部45間のクロストーク現象が殆ど起こらな
い。この理由を図3および図4を参照して説明する。こ
こで、図3は図2のホトダイオード45部を拡大したも
ので、図4は、図3のホトダイオード部45のB−B部
におけるエネルギーバンド図である。
【0030】今、赤色の長波長レーザ光が図3の右側の
ホトダイオード部45に入射すると、電子−正孔対が発
生する。この入射が長波長レーザ光であると、ホトダイ
オード部45表面よりかなり深い部分においても電子−
正孔対が発生するため、ホトダイオード部45に印加さ
れた電圧Vによる電界が殆どゼロである低抵抗のP型半
導体基板11部にも電子−正孔対が発生する。この電界
が殆どゼロである低抵抗のP型半導体基板11部に発生
した電子−正孔対の電子は、図4に示すように、低抵抗
のP型半導体基板11の多数キャリアである正孔と再結
合し、電子−正孔対が発生した近傍で大部分が消滅し、
残りの一部が拡散により、電界が形成されている第2の
エピタキシャル層52の方向に流れる。しかし、この拡
散してきた電子は、第1のエピタキシャル層に形成され
た酸素原子による析出核53部の再結合中心R(図4参
照)で正孔と再結合して消滅するので、図3の左側のホ
トダイオード部45の高濃度拡散層46に流れて信号と
なることが無く、従ってクロストーク現象は起きない。
ホトダイオード部45に入射すると、電子−正孔対が発
生する。この入射が長波長レーザ光であると、ホトダイ
オード部45表面よりかなり深い部分においても電子−
正孔対が発生するため、ホトダイオード部45に印加さ
れた電圧Vによる電界が殆どゼロである低抵抗のP型半
導体基板11部にも電子−正孔対が発生する。この電界
が殆どゼロである低抵抗のP型半導体基板11部に発生
した電子−正孔対の電子は、図4に示すように、低抵抗
のP型半導体基板11の多数キャリアである正孔と再結
合し、電子−正孔対が発生した近傍で大部分が消滅し、
残りの一部が拡散により、電界が形成されている第2の
エピタキシャル層52の方向に流れる。しかし、この拡
散してきた電子は、第1のエピタキシャル層に形成され
た酸素原子による析出核53部の再結合中心R(図4参
照)で正孔と再結合して消滅するので、図3の左側のホ
トダイオード部45の高濃度拡散層46に流れて信号と
なることが無く、従ってクロストーク現象は起きない。
【0031】以上、本発明を実施例により説明したが、
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
例えば、本発明の実施例では、本発明のエピタキシャル
半導体基板を用いた半導体装置として、ホトダイオード
を搭載したバイポーラ型半導体装置としたが、ホトダイ
オードを搭載しないバイポーラ型半導体装置やMOS型
半導体装置やBi−CMOS型半導体装置でもよい。そ
の他、本発明の技術的思想の範囲内で、エピタキシャル
半導体基板の製造工程におけるプロセス装置やプロセス
条件は適宜変更が可能である。
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
例えば、本発明の実施例では、本発明のエピタキシャル
半導体基板を用いた半導体装置として、ホトダイオード
を搭載したバイポーラ型半導体装置としたが、ホトダイ
オードを搭載しないバイポーラ型半導体装置やMOS型
半導体装置やBi−CMOS型半導体装置でもよい。そ
の他、本発明の技術的思想の範囲内で、エピタキシャル
半導体基板の製造工程におけるプロセス装置やプロセス
条件は適宜変更が可能である。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のエピタキシャル半導体基板の製造方法は、エピタキシ
ャル半導体基板表面近傍に、酸素原子の析出による析出
核を均一な密度で形成させたため、このエピタキシャル
半導体基板を用いた半導体装置は、製造工程において重
金属汚染を受けても、重金属を上記析出核にトラップし
てしまうので、半導体装置の構成素子の重金属汚染によ
る特性不良がなく、従って半導体装置の製造歩留が向上
する。また、本発明のエピタキシャル半導体基板を用い
た、例えばホトダイオードを搭載したバイポーラ型半導
体装置に適応すれば、製造歩留が向上するだけでなく、
半導体基板上に形成した、酸素原子の析出による析出核
を持つ第1のエピタキシャル層部がホトダイオードの入
射光によるホトキャリアの再結合部として働くため、ホ
トダイオード部表面よりかなり深い部分で発生したホト
キャリアが、拡散により隣接したホトダイオードに流れ
て、クロストーク信号を発生することもない。
のエピタキシャル半導体基板の製造方法は、エピタキシ
ャル半導体基板表面近傍に、酸素原子の析出による析出
核を均一な密度で形成させたため、このエピタキシャル
半導体基板を用いた半導体装置は、製造工程において重
金属汚染を受けても、重金属を上記析出核にトラップし
てしまうので、半導体装置の構成素子の重金属汚染によ
る特性不良がなく、従って半導体装置の製造歩留が向上
する。また、本発明のエピタキシャル半導体基板を用い
た、例えばホトダイオードを搭載したバイポーラ型半導
体装置に適応すれば、製造歩留が向上するだけでなく、
半導体基板上に形成した、酸素原子の析出による析出核
を持つ第1のエピタキシャル層部がホトダイオードの入
射光によるホトキャリアの再結合部として働くため、ホ
トダイオード部表面よりかなり深い部分で発生したホト
キャリアが、拡散により隣接したホトダイオードに流れ
て、クロストーク信号を発生することもない。
【図1】本発明を適用した実施例の工程を工程順に説明
する、エピタキシャル層を持つ半導体基板の概略断面図
である。
する、エピタキシャル層を持つ半導体基板の概略断面図
である。
【図2】本発明を適用したエピタキシャル層を持つ半導
体基板を用いた、ホトダイオードを搭載した半導体装置
の概略断面図である。
体基板を用いた、ホトダイオードを搭載した半導体装置
の概略断面図である。
【図3】図2のホトダイオード部を拡大した図である。
【図4】図3のホトダイオードのB−B部におけるエネ
ルギーバンド図である。
ルギーバンド図である。
【図5】従来例のエピタキシャル層を持つ半導体基板の
製造方法をを説明するための、エピタキシャル層を持つ
半導体基板の概略断面図である。
製造方法をを説明するための、エピタキシャル層を持つ
半導体基板の概略断面図である。
【図6】半導体基板表面上に、気相エピタキシャル成長
法を用いて、エピタキシャル層を形成するための、エピ
タキシャル装置である。
法を用いて、エピタキシャル層を形成するための、エピ
タキシャル装置である。
【図7】従来例のエピタキシャル層を持つ半導体基板を
用いた、ホトダイオードを搭載した半導体装置の概略断
面図である。
用いた、ホトダイオードを搭載した半導体装置の概略断
面図である。
【図8】図7のホトダイオード部を拡大した図である。
【図9】図8のホトダイオードのA−A部におけるエネ
ルギーバンド図である。
ルギーバンド図である。
1,10…エピタキシャル半導体基板、11…半導体基
板、12…析出核、13…無欠陥層、14…エピタキシ
ャル層、20…エピタキシャル装置、21…チャンバ、
22…サセプタ、23…ガス供給円筒部、23a…小
孔、24…コイル、30…半導体装置、31…エピタキ
シャル層、32…NPNトランジスタ部、33,35…
埋め込みコレクタ層、34…PNPトランジスタ部、3
6…埋め込みコレクタ分離層、37…第1の素子分離
層、38,39…コレクタ電極引き出し領域、40…第
2の素子分離層、41,43…ベース層、42,44…
エミッタ層、45…ホトダイオード部、46…高濃度拡
散層、51…第1のエピタキシャル層、52…第2のエ
ピタキシャル層、53…析出核
板、12…析出核、13…無欠陥層、14…エピタキシ
ャル層、20…エピタキシャル装置、21…チャンバ、
22…サセプタ、23…ガス供給円筒部、23a…小
孔、24…コイル、30…半導体装置、31…エピタキ
シャル層、32…NPNトランジスタ部、33,35…
埋め込みコレクタ層、34…PNPトランジスタ部、3
6…埋め込みコレクタ分離層、37…第1の素子分離
層、38,39…コレクタ電極引き出し領域、40…第
2の素子分離層、41,43…ベース層、42,44…
エミッタ層、45…ホトダイオード部、46…高濃度拡
散層、51…第1のエピタキシャル層、52…第2のエ
ピタキシャル層、53…析出核
Claims (6)
- 【請求項1】 エピタキシャル層を持つ半導体基板の製
造方法において、 シラン系ガス、ドーパントとなる原子を含むドーパント
ガスおよび酸素ガスを用いた気相エピタキシャル結晶成
長法により、半導体基板上に第1のエピタキシャル層を
形成する工程と、 シラン系ガス、ドーパントとなる原子を含むドーパント
ガスを用いた気相エピタキシャル結晶成長法により、前
記第1のエピタキシャル層上に第2のエピタキシャル層
を形成する工程と、 前記第1のエピタキシャル層内に、酸素原子の析出によ
る析出核を形成する工程とを有することを特徴とするエ
ピタキシャル層を持つ半導体基板の製造方法。 - 【請求項2】 前記シラン系ガスは、SiH4 ガス、S
iH2 Cl2 ガス、SiHCl3 ガス、SiCl4 およ
びSi2 H6 ガスの内、何れか少なくとも1種のガスで
あることを特徴とする、請求項1に記載の半導体基板の
製造方法。 - 【請求項3】 ドーパントとなる原子を含む前記ドーパ
ントガスは、B2 H6 ガスおよびPH3 ガスの内、何れ
か一方のガスであることを特徴とする、請求項1に記載
の半導体基板の製造方法。 - 【請求項4】 前記第1のエピタキシャル層内の酸素原
子濃度Nは、7E17/cm3 ≦N≦2E18/cm3
であることを特徴とする、請求項1に記載の半導体基板
の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1に記載の半導体基板を用いたこ
とを特徴とする半導体装置。 - 【請求項6】 前記半導体装置は、ホトダイオードを搭
載したバイポーラ型半導体装置であることを特徴とす
る、請求項5に記載の半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30260896A JPH10144694A (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | 半導体基板の製造方法およびこの半導体基板を用いた半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30260896A JPH10144694A (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | 半導体基板の製造方法およびこの半導体基板を用いた半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10144694A true JPH10144694A (ja) | 1998-05-29 |
Family
ID=17911039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30260896A Pending JPH10144694A (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | 半導体基板の製造方法およびこの半導体基板を用いた半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10144694A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11616571B2 (en) | 2018-02-26 | 2023-03-28 | Lumeova, Inc. | Methods, devices, and systems for integration, beam forming and steering of ultra-wideband, wireless optical communication devices and systems |
-
1996
- 1996-11-14 JP JP30260896A patent/JPH10144694A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11616571B2 (en) | 2018-02-26 | 2023-03-28 | Lumeova, Inc. | Methods, devices, and systems for integration, beam forming and steering of ultra-wideband, wireless optical communication devices and systems |
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