JPH10144533A - 電子部品のコア構造 - Google Patents

電子部品のコア構造

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JPH10144533A
JPH10144533A JP8312810A JP31281096A JPH10144533A JP H10144533 A JPH10144533 A JP H10144533A JP 8312810 A JP8312810 A JP 8312810A JP 31281096 A JP31281096 A JP 31281096A JP H10144533 A JPH10144533 A JP H10144533A
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Tetsushi Otake
徹志 大竹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料部品の標準化ができ、かつコストの低減
が可能な、トランス等の電子部品のコア構造を提供す
る。 【解決手段】 I型のコアIC1の所定の面の長辺方向
中央部に、その内側にステップ状の段差が設けられてい
る凹部DENを設ける。すると、凹部DENの内側に設
けられた段差によって第1の対向面G1と第2の対向面
G2が形成され、また凹部DENの両側には第1の接合
面C1と第2の接合面C2が形成される。一方、E型の
コアEC1は、その中央磁脚P1が側磁脚P2、P3よ
りも幅広で厚みの小さい形状をしており、その中央磁脚
P1の固定位置がヨーク部Y1の中心から厚み方向に偏
心しているものとする。このような構造のコアIC1と
EC1の組み合わせにより、コアIC1をコアEC1と
組み合わせる時、コアIC1の回転位置により異なる2
つのギャップが得られるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力用のトランス
やコイル等の電子部品に使用される、部品の標準化を促
進することのできるコア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源回路のように比較的大
きな大きな電力を扱う回路においては、トランス、チョ
ークコイル等のインダクタンスを利用した電子部品がそ
の動作に大きな役目を担う。このようなインダクタンス
を利用した電子部品には様々な構造のものが存在する
が、一般には大きな電力を扱うために、磁束の通路(以
下、磁路で統一する)の一部に空隙(以下、ギャップで
統一する)を設け、磁路の磁気飽和を防止する構造を採
用する。例えばインダクタンスを利用する電子部品とし
てトランスを想定すると、部品の外形を小型にするため
に、その磁路を構成する磁気コアは図9に示すようなE
−I構造としたものが多い。
【0003】図9に示す磁気コアはE型のコアEC3と
I型のコアIC3を組み合わせたものであり、ここでコ
アIC3は角柱状のものを使用している。一方、コアE
C3は、幅広で偏平な中央磁脚P7と、幅が狭く厚みの
大きい側磁脚P8、P9と、各磁脚P7、P8、P9を
連結するヨーク部Y3からなり、ここで中央磁脚P7
は、ヨーク部Y3の中心から偏心した位置でヨーク部Y
3と連結された構造となっている。ところでE−I構造
のコアにおけるギャップは、洩れ磁束による他の電子部
品への悪影響、あるいはさらにトランスに発生する損失
を軽減するために、一般にはコア内側にある磁路に設け
ることになる。図9に示す磁気コアでは、コアEC3の
中央磁脚P7を側磁脚P8、P9よりもわずかに短くす
ることにより、コアEC3とコアIC3とを組み合わせ
た時、中央磁脚P7とコアIC3との間にギャップl0
が形成されるような構成となっている。このような中央
磁脚P7にギャップを設ける構造はセンタギャップ方式
と呼ばれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁路にギャップを設け
るトランス、チョークコイル等においては、その電子部
品が扱う電力の大きさに応じて必要なギャップの大きさ
が変化する。そこで各種仕様に適合する製品を取り揃え
るには、中央磁脚P7の長さが異なるコアEC3を数多
く取り揃えなければならなくなる。すると材料部品の管
理の負担が大きくなり、また量産効果が得られないこと
からコストが上昇してしまう。このような問題点に対
し、例えば特開平1−129406号に示されるよう
に、I型のコアの表裏で対向する二面に深さの異なる凹
部を設け、いずれかの面を使用することによってギャッ
プの大きさの異なる磁気コアを得るという手段が存在す
る。
【0005】しかしこの手段では、I型のコアの製作時
に形成基準面を設定しにくく、また表裏で対向する二面
のそれぞれに、E型のコアと接合することを想定した高
精度の加工と緻密な表面仕上げを行わなければならな
い。このため磁気コアの標準化が行われ、コアの種類を
減らすことができるものの、1個当たりのコアの製造コ
ストが上昇する問題があった。従って本発明は、材料部
品の標準化を図ることが可能で、かつコスト低減が可能
なトランス等の電子部品のコア構造を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、中央磁脚と、
中央磁脚の両側に配置された2つの側磁脚と、中央磁脚
及び2つの側磁脚のそれぞれの長さ方向の一端を連結す
るヨーク部とを具備し、中央磁脚はヨーク部の中心から
偏心した位置に固定された第1のコアと、所定の面に、
2つの側磁脚のそれぞれの長さ方向の他端に形成された
面と突き合わされる2つの接合面が形成され、さらにそ
の2つの接合面に挟まれた位置に設けられた段差によっ
て第1と第2の対向面が形成されている第2のコアとを
組み合わせることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態としては、先
ず第1のコアとして、中央磁脚とその両側に設けられた
2つの側磁脚、そして各磁脚を連結するヨーク部を有す
るE型のコアを使用する。ここで第1のコアの中央磁脚
は、側磁脚に比べて幅広で偏平な形状であり、ヨーク部
の中心から厚み方向で偏心した位置に固定されることと
する。そして第2のコアとして、角柱状のI型のコアを
使用する。この第2のコアの所定の面の長辺方向中央部
に、その内側が所定の面の短辺方向でステップ状に変化
している凹部、あるいはその上面がステップ状に変化し
ている凸部を設ける。ここで凹部の内側の段差、あるい
は凸部の上面の段差によって形成される2つの面は第1
と第2の対向面とする。また所定の面の凹部あるいは凸
部の両側に形成された2つの面は接合面とする。
【0008】第1のコアの2つの側磁脚のそれぞれの長
さ方向の端面を第2のコアの接合面に突き合わせて第1
と第2のコアを組み合わせ、電子部品の磁気コアを構成
する。この時第2のコアが凹部を有するものであれば、
中央磁脚の長さ方向の端面は凹部内側に形成された第1
あるいは第2の対向面と、所定のギャップを隔てて向か
い合うことになる。また第2のコアが凸部を有するもの
であれば、中央磁脚の長さ方向の端面は凸部上面に形成
された第1あるいは第2の対向面と、所定のギャップを
隔てて向かい合うことになる。中央磁脚の長さ方向の端
面と向かい合う対向面を第1とするか第2とするかは、
第2のコアを凹部あるいは凸部が設けられた面の中心点
を軸として180度回転させることにより選択する。
【0009】
【実施例】材料部品の標準化を行うことができる本発明
による電子部品のコア構造について、その第1の実施例
を図1から図4に示した。図1には本発明の特徴部分と
なっているI型の第2のコアIC1の外形の斜視図、図
2には第2のコアIC1の正面図及び中央断面図を示し
てある。このコアIC1は角柱状の磁性体からなり、そ
の所定の面の長辺方向中央部に凹部DENが設けられて
いる。ここでこの凹部DENの内側には、面の短辺方向
にステップ状の段差が設けられ、各段の面により第1の
対向面G1及び第2の対向面G2が形成されている。そ
して所定の面の凹部DENの両側には接合面C1及びC
2が形成されている。なお、凹部が設けられた面の反対
側の面は形成基準面(R1)である。
【0010】このような形状としたコアIC1は、図3
に示すようにE型のコアEC1と組み合わせて使用され
る。このコアEC1は図9のコアEC3と同様に、幅広
で偏平な中央磁脚P1と、幅が狭く厚みの大きい側磁脚
P2、P3と、各磁脚P1、P2、P3を連結するヨー
ク部Y1からなり、ここで中央磁脚P1は、ヨーク部Y
3の中心から短辺方向に偏心した位置でヨーク部Y3と
連結された構造となっている。なお図9のコアEC3
は、側磁脚P8、P9よりも中央磁脚P7の方が短くな
っていたが、図3に示すコアEC1は、中央磁脚P1と
側磁脚P2、P3との長さが同じものを想定している。
電子部品の組み立て時には、コアEC1の側磁脚P2、
P3の長さ方向の端面とコアIC1の接合面C1、C2
を互いに突き合わせて接着する。この時、コアEC1の
中央磁脚P1の長さ方向の端面は、コアIC1の凹部D
ENと所定のギャップを隔てて対向することになる。
【0011】このギャップの大きさは、中央磁脚P1の
端面が凹部DENの第1の対向面G1と向かい合うよう
に側磁脚P2、P2の端面を接合面C1、C2に突き合
わせたか、あるいは、第2の対向面G2と向かい合うよ
うに側磁脚P2、P2の端面を接合面C1、C2に突き
合わせたかによって決定される。具体的には、図4の
(a)に示すように第1の対向面G1と中央磁脚の端面
を向かい合わせた時、ギャップの大きさはl1 となる。
一方、コアIC1を凹部DENが設けられた面の中心点
を軸として180度回転させると、図4の(b)に示す
ように第2の対向面G2と中央磁脚の端面が向かい合
い、ギャップの大きさはl1 より大きなl2とすること
ができる。
【0012】このようにコアIC1は、その回転位置に
より一つの面で2つの異なるギャップを得ることができ
るため、材料部品の標準化を行うことができ、磁気コア
の種類を少なくすることができる。またコストを増加さ
せる要因となる加工、表面仕上げは一つの面だけで済
み、コストの低減も可能となる。なお、形成基準面R1
の表面仕上げを緻密に行っておけば、図4の(c)に示
すようにギャップ無しの磁気コアを構成することも可能
である。この場合にはコアIC1の1個当たりのコスト
は増加するが、材料部品の標準化を一層進めることがで
きる。形成基準面R1に表面仕上げを行うかどうかは、
加工によるコスト増加と部品標準化によるコスト低減と
のトータルコストを勘案して採用すれば良い。
【0013】本発明による電子部品のコア構造の第2の
実施例を図5から図7に示した。図5には本発明の特徴
部分となっているI型の第2のコアIC2の外形の斜視
図、図6には第2のコアIC2の正面図及び中央断面図
を示してある。このコアIC2は図1、図2に示したコ
アIC1とは反対に、その所定の面の長辺方向中央部に
凸部PROが設けられている。ここでこの凸部PROの
上面には、所定の面の短辺方向にステップ状の段差が設
けられ、各段の面により第1の対向面G3及び第2の対
向面G4が形成されている。そして所定の面の凸部PR
Oの両側には接合面C3及びC4が形成されている。な
お、凸部が設けられた面の反対側の面は形成基準面(R
2)である。
【0014】このような形状としたコアIC2は、図7
に示すようにE型のコアEC2と組み合わせて使用され
る。ただしこのコアEC2は、図9のコアEC3よりも
さらに、側磁脚P5、P6よりも中央磁脚P4の方が短
い構造となっている。磁気コアの組み立て時には、コア
EC2の側磁脚P5、P6の長さ方向の端面とコアIC
2の接合面C3、C4を互いに突き合わせて接着する。
この時、コアEC2の中央磁脚P4の長さ方向の端面は
コアIC2の凸部PROと所定のギャップを隔てて対向
する。このギャップについては、図8の(a)に示すよ
うに第1の対向面G3と中央磁脚P4の端面が向かい合
った時にはギャップの大きさはl3 となり、コアIC2
を180度回転させると図8の(b)に示すように第2
の対向面G4と中央磁脚P4の端面が向かい合い、この
時にはギャップの大きさはl3 より大きなl4 とするこ
とができる。
【0015】この図5、6に示した形状のコアIC2
は、図1、2に示したコアIC1と、各接合面と各対向
面の位置関係が凹凸逆となっているだけで、作用効果は
実質的に同一となる。なお、以上に説明した実施例にお
いて、コアIC1の凹部DENを深く設ければ、コアI
C1はI型のコアではなくC型のコアとして見なすこと
ができ、またコアIC2の凸部PROを大きく突き出し
て設ければ、コアIC2はI型のコアではなくT型のコ
アとして見なすことができる。このため、本発明のコア
構造はE−I構造だけに限定されるものではない。
【0016】
【発明の効果】以上に述べたように本発明は、第1と第
2のコアを組み合わせて使用する磁気コアにおいて、E
型の第1のコアに対し、第2のコアの所定の面に、その
内側にステップ状の段差が形成されている凹部か、ある
いは、その上面にステップ状の段差が形成されている凸
部を設けた形状を特徴としている。そしてこの第1と第
2のコアを組み合わせる時には、第2のコアを凹部ある
いは凸部が設けられている所定の面の中心点を軸として
回転させることにより、大きさの異なる2つのギャップ
が形成されるようにしたものである。これにより、一つ
の面で異なる2つの大きさのギャップが設定することが
できるため、異なる仕様に対して部品を共有することが
でき、磁気コアの部品種類を少なくすることができる。
また、ギャップを形成する部分の加工と表面仕上げを行
うべき面が少なくて済むため、コアの加工に要するコス
トの増加を抑えることができる。従って本発明によれ
ば、部品の標準化とコスト低減が可能な電子部品のコア
構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるコア構造を適用した第2のコア
の実施例の外形斜視図。
【図2】 本発明によるコア構造を適用した第2のコア
の実施例の正面図及び中央断面図。
【図3】 本発明によるコア構造を適用したコアの実施
例の上面図及び側面図。
【図4】 本発明によるコア構造を適用したコアの実施
例のギャップの状態を示す図。
【図5】 本発明によるコア構造を適用した第2のコア
の別の実施例の外形斜視図。
【図6】 本発明によるコア構造を適用した第2のコア
の別の実施例の正面図及び中央断面図。
【図7】 本発明によるコア構造を適用したコアの別の
実施例の上面図及び側面図。
【図8】 本発明によるコア構造を適用したコアの別の
実施例のギャップの状態を示す図。
【図9】 従来のコア構造を説明するための上面図及び
側面図。
【符号の説明】
IC1、2 I型の第2のコア DEN 凹部 PRO 凸部 G1、G3 第1の対向面 G2、G4 第2の対向面 C1〜C4 接合面 R1、R2 形成基準面 EC1、2 E型の第1のコア P1、P4 中央磁脚 P2、P3 側磁脚 P5、P6 側磁脚 Y1、Y2 ヨーク部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央磁脚と、該中央磁脚の両側に配置さ
    れた2つの側磁脚と、該中央磁脚及び該2つの側磁脚の
    それぞれの長さ方向の一端を連結するヨーク部とを具備
    し、該中央磁脚は該ヨーク部の中心から偏心した位置に
    固定された第1のコアと、 所定の面に、該2つの側磁脚のそれぞれの長さ方向の他
    端に形成された端面と突き合わされる2つの接合面が形
    成され、さらに該2つの接合面に挟まれた位置に設けら
    れた段差によって第1と第2の対向面が形成されている
    第2のコアとを組み合わせてなる電子部品のコア構造。
  2. 【請求項2】 中央磁脚と、該中央磁脚の両側に配置さ
    れた2つの側磁脚と、該中央磁脚及び該2つの側磁脚の
    それぞれの長さ方向の一端を連結するヨーク部とを具備
    し、該中央磁脚は該ヨーク部の中心から偏心した位置に
    固定された第1のコアと、 所定の面の長辺方向中央部に凹部が設けられており、該
    凹部の内面には、該所定の面の短辺方向でステップ状に
    変化することにより第1と第2の対向面が形成されてお
    り、さらに該所定の面の該凹部の両側には、該第1のコ
    アの2つの側磁脚のそれぞれの長さ方向の他端に形成さ
    れた端面と突き合わされる2つの接合面が形成されてい
    る第2のコアとを組み合わせてなる電子部品のコア構
    造。
  3. 【請求項3】 中央磁脚と、該中央磁脚の両側に配置さ
    れた2つの側磁脚と、該中央磁脚及び該2つの側磁脚の
    それぞれの長さ方向の一端を連結するヨーク部とを具備
    し、該中央磁脚は該ヨーク部の中心から偏心した位置に
    固定された第1のコアと、 所定の面の長辺方向中央部に凸部が設けられており、該
    凸部の上面には、該所定の面の短辺方向でステップ状に
    変化することにより第1と第2の対向面が形成されてお
    り、さらに該所定の面の該凸部の両側には、該第1のコ
    アの2つの側磁脚のそれぞれの長さ方向の他端に形成さ
    れた端面と突き合わされる2つの接合面が形成されてい
    る第2のコアとを組み合わせてなる電子部品のコア構
    造。
  4. 【請求項4】 前記第1のコアはE型コアで、前記第2
    のコアはI型コアであることを特徴とする、請求項1、
    2、3のいずれかに記載した電子部品のコア構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20060041362A (ko) * 2004-11-08 2006-05-12 엘지이노텍 주식회사 인버터용 트랜스포머

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