JPH10143954A - 磁気再生装置 - Google Patents

磁気再生装置

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JPH10143954A
JPH10143954A JP8317113A JP31711396A JPH10143954A JP H10143954 A JPH10143954 A JP H10143954A JP 8317113 A JP8317113 A JP 8317113A JP 31711396 A JP31711396 A JP 31711396A JP H10143954 A JPH10143954 A JP H10143954A
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Japan
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speed
magnetic
drum
magnetic tape
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JP8317113A
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Inventor
Yoshio Tokuyama
義夫 徳山
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッドの軌跡とトラックパターンとを一
致させて、高速再生時に再生画面上に生じるノイズを低
減する。 【解決手段】 少なくとも映像信号を記録するための磁
気テープ(T)の走行速度を標準の走行速度とし再生時に
この標準の走行速度にて記録された信号を再生し、特
に、標準の走行速度の固定倍の走行速度による特殊再生
を行う際、磁気テープ(T)上に形成されたトラックパタ
ーンと、磁気テープ(T)が巻き付けられた回転ドラム(1
0)上に搭載された磁気ヘッド(Ha,Hb)のテープ上の走査
軌跡とを一致させる機構部(100)を有する磁気再生装置
において、磁気テープ(T)を固定倍以外の走行速度で特
殊再生を行うとき、機構部(100)は、磁気ヘッド(Ha,Hb)
の走査軌跡を変位させて再生画面上に生じるノイズバー
を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドの軌跡
とトラックパターンとを一致させて特殊再生を行うVT
Rにおいて、高速再生時に再生画面上に生じるノイズを
低減する磁気再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヘリカルスキャン型VTRにおい
て映像信号が記録された磁気テープに対して高速再生等
の特殊再生を行うと、回転ヘッドは磁気テープ上に形成
されたトラックパターンを跨って走査するので、再生画
面上にはノイズバーが生じていた。
【0003】上記した回転ヘッドは互いにアジマス角度
が異なる磁気ヘッドを回転ドラム上に180゜対向する
位置に配置させている。記録時は、所定の走行速度で磁
気テープを走行させ、回転ドラムの回転に伴って夫々の
磁気ヘッド(以下、「回転ヘッド」ともいう)が磁気テ
ープ上を交互に走査することによってトラックパターン
を形成する。再生時は、記録時と同じ走行速度によって
磁気テープを走行させ、回転ヘッドがこのトラックパタ
ーンを走査することにより再生信号を得る。
【0004】ここで、再生時に、映像信号等の信号が記
録された磁気テープの走行速度を早くしたり遅くしたり
することによって特殊再生を行うことが知られている。
この特殊再生時には、トラックパターンと回転ヘッドの
磁気テープ上の走査軌跡とがずれてくることにより回転
ヘッドが磁気テープ上を1回走査する内に隣接するトラ
ックを複数跨って走査してしまう。
【0005】隣接するトラックパターンは互いに異なる
アジマス角度の回転ヘッドで記録されており、上記した
ように回転ヘッドが隣接するトラックを複数跨って走査
すると、その回転ヘッドのアジマス角度に対して逆のア
ジマス角度に対応したトラックからは再生信号を得るこ
とができない。即ち、逆アジマストラックからはノイズ
が再生されてしまう。
【0006】そこで本願出願人は、特殊再生時に上記し
た回転ドラムを傾斜させると共に、磁気テープの回転ド
ラムへの巻き付け位置を変位させることにより回転ヘッ
ドの走査軌跡とトラックパターンとを一致させる機構部
を有する磁気記録再生装置(特願平7−33147号
等)を提案した。
【0007】次に上記した機構部を図3,図4を参照し
ながら説明する。図3は、予め磁気テープTを標準の速
度で走行させて記録した記録済み磁気テープTを標準の
速度のN倍の速度(Nは2以上の整数)で順方向(記録
時と同じ方向:矢印F方向)に走行させて再生する場合
(以下「FF再生」という)のドラム構体10とリードリ
ング12の傾斜態様を示す模式的な平面図であり、図4は
同様の記録済み磁気テープTを標準の速度のN倍の速度
(Nは2以上の整数)で逆方向(記録時と反対の方向:
矢印R方向)に走行させて再生する場合(以下「REV
再生」という。)のドラム構体10とリードリング12の傾
斜態様を示す模式的な平面図である。
【0008】両図において、磁気ヘッドHa,Hbを搭載し
て回転する上ドラム10aとこの上ドラム10aに同軸の下ド
ラム10bとから構成されている。磁気テープTは、入口
側ポールベース15とその上に設けられた入口側ガイドロ
ーラ13、入口側傾斜ポール1からなる入口側テープガイ
ド30及び出口側ポールベース16とその上に設けられた出
口側ガイドローラ14、出口側傾斜ポール2からなる出口
側テープガイド31によって、ドラム構体10の周面に18
0度強の範囲に亘って斜めに巻回され走行する。
【0009】下ドラム10bは、磁気テープTの摺接面10b
-1より小径に構成されてリードリング12に遊嵌する小径
部10b-2とリードリング12の中心孔12aに嵌合する嵌合部
10b-3を有している。リードリング12と下ドラム10bとの
同心関係はこの嵌合によって維持される。
【0010】また、リードリング12は大略お椀状の形状
を有しており、下ドラム10bの小径部10b-2と遊嵌した状
態でその上縁部が磁気テープTの下縁Tbを案内するリ
ードLを構成する。
【0011】一方、リードリング12は図示しない付勢手
段により下ドラム10bの底面に向かって付勢されてお
り、リードリング12に螺合した入口側トラック補正スク
リュー3と出口側トラック補正スクリュー4の作用によ
り、支点18,19を回動中心としてリードリング12に対し
て下ドラム10bが相対的に回動することによって両者間
の所望の相対角度が得られるようになっている。なお、
リードリング12に形成された支点18,19は、それぞれ図
示のような位置で、紙面に大略垂直な有限の長さを有す
る直線で下ドラム10bと当接する構成となっており、入
口側トラック補正スクリュー3及び出口側トラック補正
スクリュー4が共に図中下方に後退した状態で、支点1
8,19が下ドラム10bの底面に当接して下ドラム10bに対す
るリードリング12の基準姿勢が決定される構成になって
いる。
【0012】また、ドラム構体10は、図示しない他の付
勢手段により、シャーシ7に取り付けられたドラムベー
ス17に向かって付勢されており、ドラムベース17に螺合
した入口側リード補正スクリュー5と出口側リード補正
スクリュー6の作用により、支点20,21を回動中心とし
てドラムベース17に対してドラム構体10とともにリード
リング12が相対的に回動することによって両者間の所望
の相対角度が得られるようになっている。なお、ドラム
ベース17に形成された支点20,21は、夫々図示のような
位置で、紙面に大略垂直な有限の長さを有する直線で下
ドラム10bと当接する構成となっており、入口側リード
補正スクリュー5及び出口側リード補正スクリュー6が
共に図中下方に後退した状態で、支点20,21がリードリ
ング12を貫通して下ドラム10bの底面に当接してドラム
ベース17に対するドラム構体10の基準姿勢が決定される
構成になっている。
【0013】さて、次にFF再生及びREV再生を行う
場合のリードリング12に対する下ドラム10b(即ちドラ
ム構体10)の相対角度制御と、ドラムベース17に対する
リードリング12の相対角度制御とについて説明する。
【0014】図3、図4において、直線C0は磁気テー
プを標準の速度で走行させて記録又は再生を行う場合
の、基準位置におけるドラム構体10の中心軸方位及びリ
ードリング12の中心軸方位を示す。また、直線C1、C
2は、予め磁気テープTを標準の速度で走行させて記録
した記録済み磁気テープTを標準の速度のN倍の速度で
順方向(矢印F方向)又は逆方向(矢印R方向)に走行
させて再生するFF再生又はREV再生の場合のリード
リング12の中心軸方位とドラム構体10の中心軸方位をそ
れぞれ示す。なお、以下の説明からも明らかなように、
ドラム構体10とリードリング12の回動軸は、それぞれの
中心軸上にはないが、説明の便宜上、ドラム構体10の中
心軸とリードリング12の中心軸との回動軸を点Pを通る
紙面に垂直な直線に近似して、それぞれの傾斜方位を図
のように表現する。
【0015】FF再生の場合、図3に示すように、入口
側リード補正スクリュー5を図中上方に繰り出すととも
に出口側リード補正スクリュー6を下方に繰り込むこと
によって、リードリング12の中心軸は支点21の周りに時
計方向にθ2だけ傾斜する。
【0016】また、入口側トラック補正スクリュー3を
図中上方に繰り出すとともに出口側トラック補正スクリ
ュー4を下方に繰り込むことによって、ドラム構体10の
中心軸はリードリング12に対して支点19の周りに時計方
向にθ1だけ傾斜する。この結果を全体として見ると、
ドラム構体10はドラムベース17に対して時計方向にθ
(=θ1+θ2)傾斜し、リードリング12はドラムベー
ス17に対して時計方向にθ2傾斜する結果、ドラム構体
10はリードリング12に対して時計方向にθ1傾斜するこ
とになる。
【0017】ここで、リードリング12に対してドラム構
体10をθ1傾斜する補正を「トラック補正」と呼び、リ
ードリング12をドラムベース17に対してθ2傾斜する補
正を「リード補正」と呼ぶことにする。このトラック補
正は、磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡をN倍速で走行する
磁気テープに記録された記録跡に一致させるための補正
である。このトラック補正を行うことによって、例えば
図3のFF再生の場合、ドラム構体10が時計方向に回動
すると、磁気テープTはドラム構体10から時計方向に捻
る力を受けることになる。この結果、ドラム構体10に対
する磁気テープTの入口側では、磁気テープTは、リー
ドLから離れる傾向を生じ、反対に出口側では、リード
Lに圧着する傾向を生じる。リード補正は、この傾向を
補正するものであり、トラック補正の結果生じる磁気テ
ープTの下縁Tbの変位に応じて、リードLを磁気テー
プTの下縁Tbに沿わせるようにする補正である。
【0018】次に、REV再生の場合は、図4に示すよ
うに、出口側リード補正スクリュー6を図中上方に繰り
出すとともに入口側リード補正スクリュー5を下方に繰
り込む。これによって、リードリング12の中心軸は支点
20の周りに反時計方向にθ2だけ傾斜し、リード補正が
行われる。
【0019】また、出口側トラック補正スクリュー4を
図中上方に繰り出すとともに入口側トラック補正スクリ
ュー3を下方に繰り込むことによって、ドラム構体10の
中心軸はリードリング12に対して支点18の周りに反時計
方向にθ1だけ傾斜し、トラック補正が行われる。
【0020】このように、図3又は図4を参照して説明
した本願出願人の先の提案に係るVTRでは、FF再
生、REV再生の何れの場合であっても、磁気ヘッドH
a,Hbの回転軌跡を、磁気テープ上に記録されたトラック
に一致させ磁気テープTの下縁TbをリードLで安定に
案内することができるため、ノイズのない良好なトリッ
クプレイを実現することができるものである。
【0021】尚、このVTRで通常記録を行う場合は、
入口側トラック補正スクリュー3、入口側トラック補正
スクリュー4、入口側リード補正スクリュー5、出口側
リード補正スクリュー6は、何れもゆるめられて図中下
方に後退する。これによりリードリング12は図示しない
付勢手段により付勢されて支点18,19は下ドラム10bの底
面に当接し、下ドラム12の底面はドラムベース17の支点
20,21に当接してドラム構体10とリードリング12は記録
時の基準姿勢となる。記録は、この状態で磁気テープT
を標準の速度で走行させることによって行われる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特殊再生を行う際、磁気テープの走行速度が標準に比
べて早くなればなるほど上記機構部100が補正すべき磁
気テープの回転ドラムへの巻き付け位置及び回転ヘッド
の走査軌跡を大きく変位させなければならず、それだけ
高性能の機構部を用いる必要があり、量産可能な安価な
機構部では対応できる磁気テープの走行速度に限界があ
った。即ち、回転ヘッドの走査軌跡を変位させるには限
界があった。
【0023】このため、従来は完全にトラックパターン
と回転ヘッドの走査軌跡とを一致させることができる磁
気テープの走行速度を超える特殊再生の場合は、機構部
の動作を停止させて回転ヘッドが複数のトラックパター
ンを跨ぐという従来のVTRの特殊再生と同じ方法で再
生画像を得ていたので改善が望まれていた。
【0024】一方、例えば、VHS(登録商標)方式の
ビデオシステムには「標準モード」(上記した磁気テー
プの標準の走行速度における記録再生の動作態様)と
「長時間モード」(磁気テープの走行速度とトラックピ
ッチ(トラックの幅)を標準モードの1/3にした標準
の3倍時間の記録再生を行う動作態様)とがある。この
ビデオシステムにおいて上記した機構部を用いたVTR
では、「標準モード」のの7倍速(磁気テープの走行速
度が標準の7倍)までの特殊再生に対応可能である。即
ち、機構部100の傾斜だけを考えれば物理的には「長時
間モード」における21(=7×3)倍速まで対応するこ
とができるはずである。
【0025】しかしながら、この「長時間モード」の特
殊再生時では、普通に再生するときの21倍の速さで走行
する磁気テープに対して、トラックピッチが標準の1/
3の幅になったトラックから再生信号を得るために正確
なトラッキング動作を必要とし、その制御が複雑になる
という問題があった。
【0026】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記し
た課題を解決するために、以下の構成を有する。
【0027】(1) 第1の発明は、 少なくとも映像
信号を記録するためのテープ状記録媒体(以下、「磁気
テープ」という)Tの走行速度を標準の走行速度とし通
常の再生時にこの標準の走行速度にて記録された信号を
再生する一方、標準の走行速度の固定倍の走行速度によ
る特殊再生を行う際、磁気テープ上に形成されたトラッ
クパターンと、磁気テープが巻き付けられた回転ドラム
(「ドラム構体」ともいう)10上に搭載された磁気ヘッ
ドHa,Hbの磁気テープ上の走査軌跡とを一致させる機構
部100を有する磁気再生装置において、磁気テープを前
記固定倍以外の走行速度で特殊再生を行うとき、前記機
構部100は、磁気ヘッドHa,Hbの走査軌跡を変位させて再
生画面上に生じるノイズバーの本数を低減することを特
徴とする磁気再生装置を提供する。
【0028】(2) 第2の発明は、磁気テープを標準
の走行速度に対してN(Nは奇数の整数)倍の走行速度
で走行させ特殊再生を行うことを特徴とする上記(1)
記載の磁気再生装置を提供する。
【0029】
【発明の実施の形態】図1はトラックパターンと回転ヘ
ッドの走査軌跡とを説明するための図、図2は本磁気再
生装置の制御系を説明するための図である。例えば、上
記した磁気テープの標準の走行速度に対して5倍のFF
再生を行うとき(5倍速再生という)、図1(A)に示
すように、回転ヘッドの走査軌跡がずれる(同図中ヘッ
ド軌跡)。
【0030】同図において、トラックパターンA1,A
2,A3…(同図中の斜線部)と、トラックパターンB
1,B2…は互いに異なるアジマス角度の回転ヘッドに
より磁気テープT上に形成されたものである。回転ヘッ
ドの回転速度が標準のときと変わらないとすると磁気テ
ープTを標準の5倍で走行させたとき回転ヘッドの走査
軌跡はのようにトラックパターンから大きくずれる。
【0031】トラックパターンA1に対応するアジマス
角度を持つ磁気ヘッド(第1の磁気ヘッド)がの軌跡
を走査すると異なるアジマス角度に対応するトラックB
1、B2を跨ぐときは再生信号を得ない。即ち、トラッ
クB1、B2を跨いだところは再生画面上、ノイズバー
となって現れる。同様に、第1の磁気ヘッドと異なるア
ジマス角度を有する第2の磁気ヘッドの走査軌跡を示
す。
【0032】そこで、上述したようにドラム構体10とリ
ードリング12とを変位させることにより回転ヘッドの走
査軌跡をの位置に補正すると、このヘッドはトラック
パターンA1上を走査することができるので、ノイズバ
ーのない再生信号を得ることができる。この状態で5倍
速再生を行うと、図1(B)に示すように、回転ヘッド
の走査軌跡は、、…のようにトラックパターンと略
一致する。このとき同図、は夫々互いに異なるアジ
マス角度を有する第1の磁気ヘッド及び第2の磁気ヘッ
ドによって夫々走査されるものであることは勿論であ
る。
【0033】例えば、図1(A)のような回転ヘッドの
走査軌跡を同図(B)のように補正するためには、トラ
ックA1からトラックA3を跨いでいた軌跡をそのまま
トラックA1を走査するようにトラックA3を走査した
位置からトラックピッチ(トラック幅)の4倍の距離だ
け上記したドラム構体10を傾斜させる(図1(A)中の
点線で示す走査軌跡)。即ち、磁気テープの標準の走行
速度に対してN倍の走行速度で特殊再生を行うとき、ト
ラックピッチをP、傾斜すべき距離をLとすると、L=
(N−1)×Pとなる。
【0034】一方で、図1(A)のように回転ヘッドの
走査軌跡が隣接する複数のトラックを跨るとき、再生画
面上に現れるノイズバーの数NBは、NB=(N−1)
/2となる(但しNは奇数)。ここで、例えば、機構部
100を有する磁気再生装置がドラム構体10を傾斜させる
ことにより標準の5倍速再生まで対応できるものとし
て、この装置で9倍速再生を行う場合を説明する。
【0035】上記した機構部100においてドラム構体10
を傾斜させずに9倍速再生を行うと、図1(C)に示す
ように、回転ヘッドは9つの隣接するトラックを跨ぐ
(機構部100を持たないVTRの9倍速の特殊再生と同
じ)。このとき上述したように再生画面上に生じるノイ
ズバーの数は上記した式より、NB=((9)−1)/
2=8/2=4本となる。そこで、上記ドラム構体10を
最大限傾けさせる(上記したように特殊再生時に対応可
能な5倍速再生の傾斜位置まで傾けさせる)と、ドラム
構体10は上記した式より、((5)−1)×P =4P
(即ち、同図(C)のヘッドの走査軌跡に対して4トラ
ックピッチ分)まで傾斜することになり、回転ヘッドの
走査軌跡は同図(D)に示すようになる。
【0036】尚、本実施の形態では上記した機構部100
は5倍速再生(N2=5)まで対応するものとして説明
したが、トラック補正、リード補正の性能を向上させれ
ばこれに限定されるものではないのは勿論である(上記
したVHS方式のビデオシステムでは7倍のFF再生/
REV再生まで対応)。
【0037】図1(C)の回転ヘッドの走査軌跡に比べ
て同図(D)の回転ヘッドの走査軌跡ではドラム構体10
を傾けた分、跨る隣接トラックの数が少なくなっている
のがわかる。即ち、同図(D)のような状態で回転ヘッ
ドが得る再生信号を再生画面上に表示すると生じるノイ
ズバーの数NBは、9倍速再生で生じていたノイズバー
の数から5倍速再生で生じていたノイズバーの数を引い
た数にまで抑えることができる。
【0038】上記した式によって表すと、((9)−
1)/2−((5)−1)/2=4−2、再生画面上の
ノイズバーの数は2本となる。従来では再生画面上に4
本生じていたノイズバーが2本になるのでより見やすい
特殊再生画面を得ることができる。
【0039】ここで、上記した機構部100には傾斜限界
があってその傾斜限界に対応した走行速度より速い走行
速度によって特殊再生を行う場合を説明したが、発明が
解決しようとする課題で述べたように、機構部100の傾
斜が完全に対応できる特殊再生の状態でもトラッキング
制御などが煩雑となり十分な再生出力を得られず良好な
再生信号を得ることが困難な場合がある(「長時間モー
ド」の21倍速再生時等)。
【0040】このときは、所望のFF再生速度に対して
機構部100を任意の傾斜位置に傾斜させることによって
十分な再生出力による再生信号を得ると共に、再生画面
上に生じるノイズバーを極力抑えた、従来よりは格段に
見やすい再生映像を得るようにしてもよいことは勿論で
ある。
【0041】例えば、N1(奇数の整数)倍速のFF再
生を行うとき、機構部100をN2(奇数の整数)倍速の
FF再生に対応した位置まで傾斜させることにより再生
画面上に生じるノイズバーの数NBをNB=(N1−N
2)/2(本)とすることができる。
【0042】ここで、磁気ヘッドの走査軌跡を変位させ
る機構部を持たない磁気再生装置において標準の奇数倍
速の特殊再生を行うときは、図1(A)中の斜線に示す
トラックのアジマス角度に対応した第1の磁気ヘッドに
よって得られる再生信号と、白いトラックのアジマス角
度に対応した第2の磁気ヘッドによって得られる再生信
号とは、再生画面上で同じ位置にノイズバーが現れる。
これは夫々のアジマスヘッドが走査する逆アジマストラ
ックの順番が同じになるため、夫々のヘッドの走査によ
って再生画面上に現れるノイズバーが重なるためであ
る。従って、奇数倍の特殊再生時に、上記した機構部10
0のドラム構体10を奇数倍速に対応したヘッドの走査軌
跡まで傾斜させるとノイズバーの本数の低減効果が一層
はっきりとわかるのは勿論である。
【0043】尚、本実施の形態では磁気テープを記録時
と同じ方向に走行(正方向)させるFF再生時を説明し
たが、磁気テープを記録時と逆の方向(負方向)に走行
させるREV再生でも同様に本発明を応用しても良いこ
とは勿論である。
【0044】尚、上記した実施の形態では奇数倍のFF
再生を行う場合を説明したが、同様の考え方により遇数
倍のFF再生/REV再生時のノイズバーを低減するよ
うにしても良いことは勿論である。但し、遇数倍の特殊
再生時は奇数倍の特殊再生とは異なり、再生画面上に現
れるノイズバーの位置もフィールド単位で交互に変わる
ので上式のようにノイズバーの数が表わされるものでは
ない。
【0045】図2に機構部100の制御系を示す。この制
御系は従来のVTRの制御系に対して、上記したトラッ
ク補正スクリュー3,4、リード補正スクリュー5,6を駆動
するモータMと、その制御回路50を追加し、システムコ
ントロール(制御部)部90が特殊再生(FF再生/RE
V再生)動作に従ってこれらを制御することに特徴があ
る。
【0046】特殊再生の動作指示が図示しない操作指示
手段より指示信号として制御部90に供給されると、制御
部90はキャプスタンモータ制御回路70に制御信号を供給
し、キャプスタンモータ71が制御回路70に従って磁気テ
ープTの走行速度を動作指示に従った速度に可変する。
このときキャプスタンモータ制御回路70はコントロール
ヘッドH2によってテープに記録されたコントロールパル
スを増幅器A2を介して検出して速度制御を行っているの
は勿論である。
【0047】また、制御部90はドラムモータ制御回路40
と制御回路50とに夫々制御信号を供給し、磁気テープT
の走行速度変化に伴うドラムの回転調整と、ドラム構体
10の傾斜制御を行う。このときドラムモータ制御回路40
は回転ドラム10aの回転に応じてヘッドH1からパルスを
検出してドラムの回転制御を行っている。更に、制御部
90は上記したモータMからスクリュー駆動の情報を受け
ドラム構体10の傾斜がどの位置にあるかを検出してい
る。そして、磁気テープTの走行速度に応じてドラム構
体10をどの程度傾斜させるかを制御している。
【0048】回転ヘッドHa,Hbは増幅器A1を介して再生
信号をFMエンベロープ検出回路60に供給している。こ
こで再生信号の再生FMレベルの検出してヘッドが映像
信号を正確に再生しているかを調べている。その検出結
果は制御部90に供給され、例えば、再生FMレベルが低
いとドラムモータ制御回路40、制御回路50、キャプスタ
ンモータ制御回路70に夫々制御信号を供給して磁気テー
プTの走行制御、ドラムの回転制御、ドラム構体10の傾
斜制御等の微調整を行う。
【0049】例えば、制御部90に入力された特殊再生指
示が上記したN1倍速の特殊再生であったとき、制御部
90はN1と予め設定された倍速値N2との比較を行う。
N2は機構部100の傾斜による対応限界の走行速度ある
いは任意に設定される走行速度である。N1≦N2であ
れば、制御部90はドラムモータ制御回路40、制御回路5
0、キャプスタンモータ制御回路70に夫々制御信号を供
給してドラム構体10をテープの走行速度に応じて傾斜さ
せ、回転ヘッドの走査軌跡をトラックパターンと一致さ
せるのでノイズバーの生じない特殊再生画像を得ること
ができる。N1>N2であれば、制御部90はキャプスタ
ンモータ制御回路70に制御信号を供給してテープをN1
倍速で走行させ、ドラムモータ制御回路40、制御回路50
に夫々制御信号を供給してドラム構体10をN2倍速にお
ける傾斜位置まで傾斜させる。従ってヘッドが跨ぐ逆ア
ジマストラックの数を減らすことにより、再生画面上に
生じるノイズバーの数を減らすことができる。
【0050】こうして本磁気再生装置は、N1倍速再生
時に、任意に設定されるN2倍速再生に対応したドラム
構体10の位置までこれを傾斜させることにより、再生画
面上のノイズバーの数を大幅に減らすことができるの
で、より見やすい特殊再生画像を得ることができる。
【0051】尚、本磁気再生装置では、N1倍速再生時
にN2倍速再生に対応したドラム構体10の傾斜を行う
際、N1>N2である場合を述べたが、N1<N2であ
っても良いことは勿論である。即ち、機構部100の傾斜
位置がN1倍速再生に対応できるときでも上記した長時
間モードで記録された磁気テープの高速再生時のトラッ
キング制御が困難な場合等、再生画面上のノイズバーの
本数を低減するためにN1<N2となるN2倍速再生に
対応してドラム構体10を傾斜してもよいことは勿論であ
る。
【0052】尚、本実施の形態では上記した機構部100
はドラム構体10を傾斜させて特殊再生時のトラックパタ
ーンと磁気ヘッドの走査軌跡とを一致させることを述べ
たが、例えば、ムービングコイルやバイモルフ等の圧電
素子を用いて回転ドラム上に搭載された磁気ヘッド自体
を変位させる機構を備えて、特殊再生時のトラックパタ
ーンと磁気ヘッドの走査軌跡とを一致させても良いこと
は勿論である。
【0053】尚、本実施の形態では少なくとも2個のダ
ブルアジマスヘッドによって磁気テープを走査すること
を説明したが、ヘッドの構成はこれに限らず、上記した
標準モード、長時間モードに夫々対応するダブルアジマ
スヘッドの組を搭載した4ヘッド構成でも良いことは勿
論である。即ち、この4ヘッド構成により標準モード対
応のヘッドの逆アジマストラックは長時間モード対応の
ヘッドによって再生出力を得て、長時間モード対応のヘ
ッドの逆アジマストラックは標準モード対応のヘッドに
よって再生出力を得る場合でも、本発明により特殊再生
時の再生画面上に生じるノイズバーを低減することがで
きることは勿論である。
【0054】尚、上記した4ヘッド構成のように回転ド
ラム上に搭載される磁気ヘッドの数を増やしてそれらの
再生出力を切換えて得る場合は、上式(NB=(N1−
N2)/2)のようにノイズバーの数が表されるもので
はないが、本磁気再生装置の特殊再生時に、ヘッドの走
査軌跡を傾斜させることによって再生画面上に生じるノ
イズバーの数を低減することができるのは勿論である。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、標準の固定倍の特殊再
生時にトラックパターンと回転ヘッドの走査軌跡とを一
致させることができる磁気再生装置において、上記した
固定倍以外の磁気テープの走行速度において特殊再生を
行う場合、回転ヘッドの走査軌跡を任意の角度に傾斜さ
せることにより、再生画面上に生じるノイズバーの数を
低減することが可能となるので、より見やすい再生画像
を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラックパターンと回転ヘッドの走査軌跡とを
説明するための図である。
【図2】制御系を説明するための図である。
【図3】本磁気再生装置の機構部を説明するための図で
ある。
【図4】本磁気再生装置の機構部を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
T…磁気テープ、1…入口側傾斜ポール、2…出口側傾
斜ポール、3…入口側トラック補正スクリュー、4…出
口側トラック補正スクリュー、5…入口側リード補正ス
クリュー、6…出口側リード補正スクリュー、7…シャ
ーシ、10…ドラム構体、12…リードリング、 13
…入口側ガイドローラ、14…出口側ガイドローラ、1
5…ポールベース、16…出口側ポールベース、17…
ドラムベース、18,19,20,21…支点、30…
入口側テープガイド、31…出口側テープガイド、40
…ドラムモータ制御回路、50…制御回路、 60… F
Mエンベロープ検出回路、70…キャプスタンモータ制
御回路、90…制御部、100…機構部、 H1…ヘッ
ド、H2…コントロールヘッド、A1,A2…増幅器、
Ha,Hb…磁気ヘッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも映像信号を記録するためのテー
    プ状記録媒体の走行速度を標準の走行速度とし通常の再
    生時にこの標準の走行速度にて記録された信号を再生す
    る一方、標準の走行速度の固定倍の走行速度による特殊
    再生を行う際、前記テープ状記録媒体上に形成されたト
    ラックパターンと、前記テープ状記録媒体が巻き付けら
    れた回転ドラム上に搭載された磁気ヘッドの前記テープ
    状記録媒体上の走査軌跡とを一致させる機構部を有する
    磁気再生装置において、 前記テープ状記録媒体を前記固定倍以外の走行速度で特
    殊再生を行うとき、前記機構部は、磁気ヘッドの走査軌
    跡を変位させて再生画面上に生じるノイズバーの本数を
    低減することを特徴とする磁気再生装置。
  2. 【請求項2】前記テープ状記録媒体を標準の走行速度に
    対してN(Nは奇数の整数)倍の走行速度で走行させ特
    殊再生を行うことを特徴とする請求項1記載の磁気再生
    装置。
JP8317113A 1996-11-12 1996-11-12 磁気再生装置 Pending JPH10143954A (ja)

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