JPH10142177A - 光熱変換分光分析装置 - Google Patents

光熱変換分光分析装置

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JPH10142177A
JPH10142177A JP8301757A JP30175796A JPH10142177A JP H10142177 A JPH10142177 A JP H10142177A JP 8301757 A JP8301757 A JP 8301757A JP 30175796 A JP30175796 A JP 30175796A JP H10142177 A JPH10142177 A JP H10142177A
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強 牧野
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雅彦 平野
Hiroyuki Matsumoto
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BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度検出が可能な光熱変換分光分析装置を
提供する。 【解決手段】 励起光源10から出力された励起光A
は、チョッパ11、集光レンズ12およびダイクロイッ
クミラー13を経て、試料30に照射され、これによ
り、試料30には熱レンズが生じる。検出光源20から
出力された検出光Bは、ビームスプリッタ21、集光レ
ンズ23およびダイクロイックミラー22を経て、励起
光Aの照射方向とは反対の方向から試料30に照射さ
れ、これにより、試料30の熱レンズから信号光Cが発
生する。この信号光Cは、ダイクロイックミラー13、
集光レンズ40およびフィルタ41を経て、検出器42
により検出されて電流信号とされ、アンプ43により電
圧信号に変換され、そして、この電圧信号は、ロックイ
ンアンプ50により、チョッパ11における励起光Aの
変調周期に同期して検波される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、励起光を試料に照
射することにより生じる光熱効果を利用し、検出光を試
料に照射して生じた信号光を検出して、これにより試料
を分析する光熱変換分光分析技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料に光を集光照射すると、その試料
は、光吸収により局所的に温度上昇し、この温度上昇に
応じて屈折率が変化し、熱レンズが形成される。これを
光熱効果という。多くの物質では、温度上昇に伴い屈折
率は小さくなるので、熱レンズとして凹レンズが形成さ
れる。したがって、この凹レンズの中央およびその周辺
に光を入射させると、その光は発散する。また、この凹
レンズの中央以外の部分に光を入射させると、その光は
偏向する。
【0003】従来より、この光熱効果を利用して試料を
分光分析することが行われており、この分析方法を光熱
変換分光法という。従来の入射光と透過光との比に基づ
いて試料分析する吸光法とは異なり、この光熱変換分光
法は、熱の拡散すなわち屈折率変化を観察するものであ
るので、吸光法に比べて極微量な試料濃度を検出するこ
とができる。それ故、光熱変換分光分析技術は、キャピ
ラリー電気泳動装置用の高感度分析装置としての利用
や、従来の吸光法の適用が困難な細胞等の生体試料への
応用が提案されている。
【0004】図4は、従来の光熱変換分光分析装置の構
成図である。この光熱変換分光分析装置では、励起光源
110から出力された励起光は、チョッパ111により
変調され、ダイクロイックミラー112を透過し、レン
ズ113により集光される。集光された励起光は、試料
130に照射され吸収されて、その照射位置を中心とし
て熱レンズが形成される。試料130に照射された励起
光のうち試料130により吸収されなかった光は、試料
130を透過するが、フィルタ141により吸収され、
検出器142には入射しない。
【0005】一方、検出光源120から出力された検出
光は、反射鏡121およびダイクロイックミラー112
それぞれにより順次反射され、レンズ113により集光
される。集光された励起光は、励起光により試料130
に形成された熱レンズに集光照射され、試料130を透
過して発散する。この試料130から発散して出射され
た信号光のうち、ピンホール140の開口部を通過した
光はフィルタ141を通過して、検出器142により検
出される。この検出器142により検出された信号光の
強度は、試料130において形成された熱レンズに応じ
たものであり、また、チョッパ111による励起光変調
周期に同期して変化するものである。そこで、この検出
器142からの出力信号は、ロックインアンプ150に
より、チョッパ111による励起光変調周期に同期して
検波され、そのロックインアンプ150からの出力信号
に基づいて試料130の分析がなされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように光熱変換
分光法は、従来の吸光法に比べれば検出感度が優れてい
る。しかしながら、上記従来例では、励起光が試料13
0に到るまでの光学系において信号光と同種のバックグ
ラウンドノイズ光が発生する。例えば、図4に示した従
来の光熱変換分光分析装置の光学系では、集光レンズ1
13においても、励起光の照射による温度上昇に伴い屈
折率変化や膨張が起こるので、検出光がこれらを経る際
にバックグラウンドノイズ光が生じる。そして、このよ
うなバックグラウンドノイズ光は、検出器142により
検出されるため、信号光の検出感度が低下するという問
題点がある。
【0007】また、励起光および検出光それぞれが試料
130に照射される位置および照射径は固定されてお
り、その為に、試料130に依って、或いは、試料13
0を容れる試料セルの形状や材質に依っては、検出光が
この熱レンズにより発散されて出射された信号光の信号
強度は弱く、したがって、検出感度が充分ではない場合
があるという問題点がある。
【0008】特に、試料130が生体試料である場合等
においては、従来の光熱変換分光分析装置では検出感度
が充分ではなく、検出感度の更なる向上が望まれている
ところである。
【0009】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、更なる高感度検出が可能な光熱変換分
光分析装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光熱変換分
光分析装置は、励起光が試料に照射されて形成される熱
レンズに検出光を入射させ、検出光が熱レンズにより発
散または偏向されて出力された信号光に基づいて、試料
の分光分析を行う光熱変換分光分析装置であって、(1)
励起光を出力する励起光源と、(2) 検出光を出力する検
出光源と、(3)励起光源から出力された励起光を試料に
入射させる励起光照射光学系と、(4) 励起光の試料への
入射光路とは異なる入射光路で、検出光源から出力され
た検出光を試料に入射させる検出光照射光学系と、(5)
検出光の試料への入射に伴って発生する信号光を検出す
る検出器と、を備えることを特徴とする。
【0011】この光熱変換分光分析装置によれば、励起
光源から出力された励起光は、励起光照射光学系により
試料に入射されて、試料に熱レンズを生じせしめ、一
方、検出光源から出力された検出光は、検出光照射光学
系により、励起光の試料への入射光路とは異なる入射光
路で試料に入射される。そして、検出光の試料への入射
に伴って発生する信号光は、検出器により検出される。
したがって、励起光照射光学系において信号光と同種の
バックグラウンドノイズ光が発生したとしても、そのバ
ックグラウンドノイズ光は検出器により検出されること
はないので、信号光は高感度に検出される。
【0012】特に、励起光および検出光それぞれの試料
への入射方向は互いに略対向するのが好適である。この
ようにすることにより、光学系の調整が容易となる。
【0013】また、励起光が試料に照射される位置およ
び径の双方または何れか一方を調整する励起光照射調整
手段を更に備えてもよいし、検出光が試料に照射される
位置および径の双方または何れか一方を調整する検出光
照射調整手段を更に備えてもよい。これらの場合には、
信号光の検出感度が最大となるように、励起光および照
射光それぞれの試料への照射位置または照射径を調整す
ることができる。
【0014】また、励起光および検出光それぞれが試料
に照射される位置および集光状態を観察する観察手段を
更に備えるのが好適である。この場合には、励起光およ
び検出光それぞれの試料への照射位置および集光状態を
確認しながら、光熱変換分光分析を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。図1は、本発明に係る光熱変換分光分析装置の
構成図である。
【0016】励起光源10は、試料30に熱レンズを形
成するための励起光Aを出力するものである。励起光源
10として、指向性に優れるレーザ光源が好適に用いら
れる。そして、チョッパ11、集光レンズ12およびダ
イクロイックミラー13からなる励起光照射光学系は、
この励起光源10から出力された励起光Aを試料30に
照射する。すなわち、チョッパ11は、励起光源10か
ら出力された励起光Aを周期的に透過/遮断の変調を
し、集光レンズ12は、チョッパ11により変調された
励起光Aを集光し、そして、ダイクロイックミラー13
は、その集光された励起光Aを透過させる。
【0017】その集光された励起光Aが試料30に照射
されると、その一部は試料30により吸収され、残部は
透過する。試料30では、励起光吸収に伴い、励起光A
が照射された位置を中心に温度上昇し熱レンズが形成さ
れる。励起光Aがチョッパ11により変調されているの
で、この熱レンズも励起光Aの変調周期と同一周期で変
調されたものとなる。また、試料30により吸収される
ことなく試料30を透過した励起光Aは、ダイクロイッ
クミラー22を透過し、ライトトラップ24に入射す
る。ライトトラップ24は、その入射した励起光Aを吸
収するものである。
【0018】一方、検出光源20は、試料30に形成さ
れた熱レンズに照射すべき検出光Bを出力するものであ
る。検出光源20として、同様にレーザ光源が好適に用
いられる。そして、ビームスプリッタ21、集光レンズ
23およびダイクロイックミラー22からなる検出光照
射光学系は、この検出光源20から出力された検出光B
を試料30に照射する。すなわち、ビームスプリッタ2
1は、検出光源20から出力された検出光Bの殆どを透
過させ、集光レンズ23は、その検出光Bを、ダイクロ
イックミラー22で反射させ試料30に集光照射する。
そして、その集光された検出光Bは、試料30に形成さ
れた熱レンズに入射する。このように、検出光Bの試料
30への入射光路を、励起光Aの試料30への入射光路
と異なるものとする。また、この図に示すように、励起
光Aおよび検出光Bそれぞれの試料30への入射方向を
互いに対向させてもよい。
【0019】検出光Bが試料30に入射すると、試料3
0に形成された熱レンズにより検出光Bは発散または偏
向し信号光Cとして出射する。この信号光Cの強度は、
その発散または偏向の度合い、即ち、熱レンズの形成度
合いを示すものであり、更には試料30の濃度等を示す
ものである。ダイクロイックミラー13はその信号光C
を反射させ、集光レンズ40は信号光Cを集光し、フィ
ルタ41は信号光Cを透過させ、そして、検出器42
は、信号光Cを検出して信号光強度に応じた電流信号を
出力する。なお、検出器42の受光面の前面にピンホー
ルを設けてもよい。
【0020】ここで、ダイクロイックミラー13および
22それぞれは、励起光Aを透過させるが、検出光Bお
よび信号光Cを反射させるものである。また、フィルタ
41は、信号光Cの波長成分を透過させるが、励起光A
の波長成分を遮断するものである。
【0021】検出器42から出力された電流信号を入力
するアンプ43は、その電流信号を電圧信号に変換し増
幅して出力する。そして、ロックインアンプ50は、ア
ンプ43から出力された電圧信号を入力するとともに、
チョッパ11による励起光変調の同期信号を入力して、
アンプ43からの電圧信号を同期検波する。ロックイン
アンプ50からの出力信号を入力するコンピュータ60
は、その出力信号に基づいて試料30の分析を行う。
【0022】また、集光レンズステージ(励起光照射調
整手段)71は、その上に集光レンズ12を固定配置す
るものであり、試料ステージ(検出光照射調整手段)7
2は、その上に試料30を固定配置するものである。こ
れら集光レンズステージ71および試料ステージ72そ
れぞれは、ステージ70の上に置かれており、ステージ
70に対して互いに直交する3軸方向の何れの方向にも
相対的に移動可能である。また、ステージ70は、その
他の光学系(励起光源10、チョッパ11、ダイクロイ
ックミラー13、検出光源20からダイクロイックミラ
ー22に到るまでの光学系、ならびに、ダイクロイック
ミラー13から検出器42に到るまでの光学系)に対し
て、互いに直交する3軸方向の何れの方向にも移動可能
である。
【0023】これらのうち、ステージ70は、集光レン
ズ12および試料30の概略位置を決めるものである。
集光レンズステージ71は、集光レンズ12を微動させ
ることにより励起光Aの試料30への照射位置を変更す
るものである。また、試料ステージ72は、試料30を
微動させることにより、励起光Aおよび検出光Bそれぞ
れの照射位置を変更するものである。
【0024】なお、励起光Aおよび検出光Bそれぞれの
試料30上の照射径の変更は、集光レンズ12および集
光レンズ23それぞれを焦点距離の異なるものに交換す
るか、あるいは、これらに替えて励起光源10と集光レ
ンズ12との間または検出光源20と集光レンズ23と
の間にビームエクスパンダを設けることにより、行って
もよい。
【0025】また、励起光Aおよび検出光Bそれぞれの
試料30上の照射位置および集光状態は、カメラ(観察
手段)26により確認することができる。すなわち、カ
メラ26は、励起光Aおよび検出光Bそれぞれが照射さ
れた試料30を、ダイクロイックミラー22、集光レン
ズ23、ビームスプリッタ21および結像レンズ25を
介して撮像し、励起光Aおよび検出光Bそれぞれが試料
30に照射された位置および集光状態を観察する。ここ
で、励起光Aは、ダイクロイックミラー22を透過する
ため、カメラ26に殆ど到達しないので、観察時(調整
時)にはダイクロイックミラー22を反射鏡に交換する
こととしてもよい。励起光Aの試料30への照射位置や
集光状態の観察・調整は、実際の分光分析を行う前に行
われればよいからである。
【0026】以上のように、本発明に係る光熱変換分光
分析装置では、励起光Aおよび検出光Bそれぞれの試料
30への入射光路を互いに異なるものとしたので、励起
光Aが試料30に到るまでの光学系において信号光Cと
同種のバックグラウンドノイズ光が発生したとしても、
そのバックグラウンドノイズ光は、検出器42により検
出されることはなく、したがって、信号光Cを高感度に
検出することができる。特に、励起光Aおよび検出光B
それぞれの試料30への入射方向を互いに対向させたの
で、光学系の調整が容易である。また、励起光Aおよび
検出光Bそれぞれが試料30に照射される位置および照
射径を調整できる構成としたので、信号光Cの検出感度
が最大となるように励起光Aおよび検出光Bそれぞれを
試料30に照射することができ、この点でも信号光Cの
検出感度を向上させることができる。さらに、励起光A
および検出光Bそれぞれが試料30に照射される位置お
よび照射径を観察するためのカメラ26を設けたので、
照射位置および照射径を確認しながら光熱変換分光分析
を行うことができる。
【0027】次に、本発明に係る光熱変換分光分析装置
の使用方法の1例について説明する。初めに、分析しよ
うとする試料30を試料ステージ72の上に載置し、ス
テージ70を移動させて分光分析に好適な位置に試料3
0を概略配置する。そして、検出光源20から出射され
た検出光Bを、ビームスプリッタ21、集光レンズ23
およびダイクロイックミラー22を経て試料30に照射
させるとともに、カメラ26により試料30上の検出光
の照射位置および照射径を観察しながら、試料30上の
分析すべき位置に検出光Bが適切な照射径で照射される
ように、試料ステージ72を移動させて試料30の配置
を決める。
【0028】その後、励起光源10から出射された励起
光Aを、チョッパ11、集光レンズ12およびダイクロ
イックミラー13を経て試料30に照射させるととも
に、カメラ26により試料30上の励起光の照射位置お
よび照射径を観察する。また、検出光Bの試料30への
照射に伴って生じた信号光Cを、ダイクロイックミラー
13、集光レンズ40およびフィルタ41を経て、検出
器42により検出し、その検出器42から出力された電
流信号をアンプ43により電圧信号に変換し、その電圧
信号をロックインアンプ50によりチョッパ11の変調
周期に同期して検波し、そのロックインアンプ50から
の出力信号をモニタする。そして、ロックインアンプ5
0からの出力信号が最大になるように、集光レンズステ
ージ71を移動させて集光レンズ12の配置を決め、こ
れにより、励起光Aが試料30に照射される位置および
照射径を決定する。
【0029】以上のようにして試料30に照射される励
起光Aおよび検出光Bの相対的位置関係および照射径が
決まると、例えば、検出光Bの入射方向と垂直な方向に
試料ステージ72により試料30を2次元走査しなが
ら、試料30の位置とともにロックインアンプ50から
の出力信号をコンピュータ60に取り込んで、コンピュ
ータ60における演算により試料30の2次元分析を行
う。また、例えば、試料30が電気泳動しているもので
あれば、各時刻におけるロックインアンプ50からの出
力信号をコンピュータ60に取り込んで、コンピュータ
60における演算により試料30の分析を行う。
【0030】次に、本発明に係る光熱変換分光分析装置
とともに用いるのに好適な試料セルについて説明する。
【0031】試料30を容れる試料セルとしてキャピラ
リー管を用い、このキャピラリー管内で試料30を電気
泳動させながら光熱変換分光分析することも考えられる
が、キャピラリー管は、細いために折れ易く取り扱いが
困難であり、また、管形状であるために励起光および検
出光が散乱し易く照射位置が少しでも動くと信号光検出
への影響が大きいという問題点がある。したがって、本
発明に係る光熱変換分光分析装置においては、集光レン
ズステージ71により試料30への励起光照射位置を移
動させるだけでなく、試料ステージ72により試料30
を移動させるので、このような問題点のあるキャピラリ
ー管を用いるのは適当ではない。そこで、以下に示すよ
うなキャピラリー基板(図2)や試料チャンバ(図3)
を用いるのが好適である。
【0032】図2は、本発明に係る光熱変換分光分析装
置とともに用いるのに好適なキャピラリー基板の斜視図
である。このキャピラリー基板80は、直方体の石英ガ
ラス等の透明材料からなる2枚の透明平板81および8
2からなる。一方の透明平板81の1面には、断面形状
が50μm角程度の細溝81Aがリソグラフィ技術によ
り形成されており、その上に他方の透明平板82が貼り
合わされている。また、透明平板82には、試料導入口
82Aおよび82Bが適当な距離を隔てて設けられてお
り、透明平板81および82が貼り合わされたときに
は、これら試料導入口82Aおよび82Bは、細溝81
Aへ試料30を導入するための口となる。
【0033】このキャピラリー基板80が、本発明に係
る光熱変換分光分析装置とともに用いられるときには、
このキャピラリー基板80が試料ステージ72に載置さ
れた後、試料30は、試料導入口82Aまたは82Bか
ら細溝81Aに導入され、細溝81A内で電気泳動さ
れ、そして、励起光Aはキャピラリー基板80の或る一
面に垂直に入射し、検出光Bはその反対側の面に垂直に
入射する。したがって、集光レンズステージ71および
試料ステージ72それぞれの移動により、励起光Aおよ
び検出光Bそれぞれがキャピラリー基板80に入射する
位置が移動したとしても、励起光Aおよび検出光Bそれ
ぞれは細溝81Aに垂直に入射するので、入射位置に依
らず同一条件で光熱変換分光分析を行うことができる。
【0034】図3は、本発明に係る光熱変換分光分析装
置とともに用いるのに好適な試料チャンバの説明図であ
り、図3(a)は、その試料チャンバの斜視図であり、
図3(b)は、その試料チャンバの一部品であるスペー
サの斜視図である。この試料チャンバ90は、スライド
ガラス91と、中央部に孔93Aが設けられ且つ適当な
距離を隔てて試料口93Bおよび93Cが設けられた上
板93とが、スペーサ92を挟んで貼り合わされてい
て、この上板93の上には孔93Aを覆うようにカバー
ガラス94が貼られている。スペーサ92は、中央部に
円形状の孔92Aが設けられ、さらに、その孔92Aに
つながって帯形状の孔92Bおよび92Cが設けられて
いる。そして、スライドガラス91、スペーサ92、上
板93、およびカバーガラス94が貼り合わされたとき
には、上板93の試料口93B、スペーサ92の孔92
B,92Aおよび92C、ならびに、上板93の試料口
93Cは、この順につながって試料環流経路となる。
【0035】この試料チャンバ90が、本発明に係る光
熱変換分光分析装置とともに用いられるときには、試料
チャンバ90が試料ステージ72に載置された後、試料
30は、試料口93Bまたは93Cから試料環流経路中
に導入され、そして、例えば、励起光Aは試料チャンバ
90のスライドガラス91の側から垂直に入射し、検出
光Bはカバーガラス94の側から垂直に入射する。した
がって、集光レンズステージ71および試料ステージ7
2それぞれの移動により、励起光Aおよび検出光Bそれ
ぞれが試料チャンバ90に入射する位置が移動したとし
ても、励起光Aおよび検出光Bそれぞれは試料チャンバ
90の孔93Aの領域にある観察窓に垂直に入射するの
で、同一条件で光熱変換分光分析を行うことができる。
また、この試料チャンバ90に導入される試料30が細
胞等の生体試料である場合には、その試料30はカバー
ガラス94の内面に付着するので、試料30をその付近
で培養しながら光熱変換分光分析を行うこともできる。
【0036】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。例えば、励起光およ
び検出光それぞれの試料への入射方向を互いに対向させ
るのが光学系調整の観点からは好適ではあるが、本発明
は、これに限られるものではなく、励起光および検出光
を互いに任意の角度で試料に入射してもよい。
【0037】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明によ
れば、励起光源から出力された励起光は、励起光照射光
学系により試料に入射されて、試料に熱レンズを生じせ
しめ、一方、検出光源から出力された検出光は、検出光
照射光学系により、励起光の試料への入射光路とは異な
る入射光路で試料に入射される。そして、検出光の試料
への入射に伴って発生する信号光は、検出器により検出
される。したがって、励起光照射光学系において信号光
と同種のバックグラウンドノイズ光が発生したとして
も、そのバックグラウンドノイズ光は検出器により検出
されることはないので、信号光は高感度に検出される。
【0038】特に、励起光および検出光それぞれの試料
への入射方向を互いに略対向させた場合には、光学系の
調整が容易となる。
【0039】また、励起光が試料に照射される位置およ
び径の双方または何れか一方を調整する励起光照射調整
手段を更に備え、また、検出光が試料に照射される位置
および径の双方または何れか一方を調整する検出光照射
調整手段を更に備える場合には、励起光および照射光そ
れぞれの試料への照射位置または照射径を調整すること
ができるので、信号光の検出感度が最大となるように光
学系を容易に調整することができる。
【0040】また、励起光および検出光それぞれが試料
に照射される位置および径を観察する観察手段を更に備
える場合には、実際の分光分析に先立って励起光の試料
への照射位置および照射径を調整することができ、ま
た、検出光の試料への照射位置および照射径を確認しな
がら光熱変換分光分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光熱変換分光分析装置の構成図で
ある。
【図2】本発明に係る光熱変換分光分析装置とともに用
いるのに好適なキャピラリー基板の斜視図である。
【図3】本発明に係る光熱変換分光分析装置とともに用
いるのに好適な試料チャンバの説明図である。
【図4】従来の光熱変換分光分析装置の構成図である。
【符号の説明】
10…励起光源、11…チョッパ、12…集光レンズ、
13…ダイクロイックミラー、20…検出光源、21…
ビームスプリッタ、22…ダイクロイックミラー、23
…集光レンズ、24…ライトトラップ、25…結像レン
ズ、26…カメラ、30…試料、40…集光レンズ、4
1…フィルタ、42…検出器、43…アンプ、50…ロ
ックインアンプ、60…コンピュータ、70…ステー
ジ、71…集光レンズステージ、72…試料ステージ、
80…キャピラリー基板、90…試料チャンバ、A…励
起光、B…検出光、C…信号光。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起光が試料に照射されて形成される熱
    レンズに検出光を入射させ、前記検出光が前記熱レンズ
    により発散または偏向されて出力された信号光に基づい
    て、前記試料の分光分析を行う光熱変換分光分析装置で
    あって、 前記励起光を出力する励起光源と、 前記検出光を出力する検出光源と、 前記励起光源から出力された前記励起光を前記試料に入
    射させる励起光照射光学系と、 前記励起光の前記試料への入射光路とは異なる入射光路
    で、前記検出光源から出力された前記検出光を前記試料
    に入射させる検出光照射光学系と、 前記検出光の前記試料への入射に伴って発生する前記信
    号光を検出する検出器と、 を備えることを特徴とする光熱変換分光分析装置。
  2. 【請求項2】 前記励起光および前記検出光それぞれの
    前記試料への入射方向は互いに略対向する、ことを特徴
    とする請求項1記載の光熱変換分光分析装置。
  3. 【請求項3】 前記励起光が前記試料に照射される位置
    および径の双方または何れか一方を調整する励起光照射
    調整手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1記載
    の光熱変換分光分析装置。
  4. 【請求項4】 前記検出光が前記試料に照射される位置
    および径の双方または何れか一方を調整する検出光照射
    調整手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1記載
    の光熱変換分光分析装置。
  5. 【請求項5】 前記励起光および前記検出光それぞれが
    前記試料に照射される位置および集光状態を観察する観
    察手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1記載の
    光熱変換分光分析装置。
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