JPH10141424A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

Info

Publication number
JPH10141424A
JPH10141424A JP29907496A JP29907496A JPH10141424A JP H10141424 A JPH10141424 A JP H10141424A JP 29907496 A JP29907496 A JP 29907496A JP 29907496 A JP29907496 A JP 29907496A JP H10141424 A JPH10141424 A JP H10141424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid chamber
vibration
partition member
cylinder
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29907496A
Other languages
English (en)
Inventor
Michihiro Orikawa
通洋 折川
Isao Togawa
功 戸川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP29907496A priority Critical patent/JPH10141424A/ja
Publication of JPH10141424A publication Critical patent/JPH10141424A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い周波数に渡る振動を確実に吸収する。 【解決手段】 外筒14と内筒12とが同一軸方向に配
置され、内筒12と外筒14との間に中間筒16が配置
される。内筒12と中間筒16との間に内筒12及び中
間筒16にそれぞれ加硫接着される本体ゴム26が配置
される。本体ゴム26に切り欠くように窪んだ凹部26
Aが形成される。凹部26Aは第1ダイヤフラム24及
び薄膜ゴム14Aで密閉されて液室29を構成する。液
室29内に、受圧液室30と第1副液室46との2室に
液室29を仕切る隔壁部材34が配設される。隔壁部材
34の一対の側板部34Aに貫通穴34Eが形成され
る。貫通穴34Eを覆うように一対の側板部34Aに弾
性変形可能な弾性膜35が加硫接着されて配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動発生部からの
振動を吸収する防振装置に係り、特に自動車等の車両や
一般産業機械に取り付けられて振動を吸収する液体封入
式防振装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】周波数の相違する振動をそれぞれの振動
に合わせて効果的に吸収できる防振装置として液体封入
式防振装置110が提案されている。
【0003】そして、このような防振装置の例として、
図11及び図12に示すような液体封入式防振装置11
0が知られており、以下、これらの図に基づき従来技術
に係る防振装置を説明する。
【0004】つまり、図11及び図12に示すように、
この液体封入式防振装置110の内筒112と外筒11
4との間に弾性体である本体ゴム116が配設されてい
る。また、この本体ゴム116を隔壁の一部として本体
ゴム116の変形により内容積が変化する受圧液室11
8が、外筒114の内周面に沿ってU字状に形成された
第1の制限通路122を介して第1副液室120に連通
されると共に、第1の制限通路122よりも断面積が大
きくて長さが短くされた第2の制限通路126を介して
第2副液室124に連通されている。
【0005】そして、この液体封入式防振装置110
に、低周波数の例えばシェイク振動(一例として周波数
10Hz 程度)が入力すると、充填されている液体が第
1の制限通路122を介して受圧液室118と第1副液
室120との間を流れ、液体が第1の制限通路122で
液柱共振して、図13に示すようにロスファクターta
nδが高められて液体封入式防振装置110に減衰力が
発生する。
【0006】また、高周波数の例えばアイドル振動(一
例として周波数30Hz 程度)が入力すると、第1の制
限通路122は目詰まり状態となるが、充填されている
液体が第2の制限通路126を介して受圧液室118と
第2副液室124との間を流れ、液体が第2の制限通路
126で液柱共振して、図13に示すようにこの帯域の
液体封入式防振装置110の動ばね定数Kが低減され、
アイドル振動が抑えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この液体封
入式防振装置110では、30Hz を越えたさらに高周
波数の振動であるこもり音(周波数100〜300Hz
程度)等の振動が入力された場合において、制限通路が
目詰まりすると共に動ばね定数Kが上昇して、防振特性
が悪くなる欠点があった。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、広い周波数に
渡る振動を確実に吸収することのできる防振装置を提供
することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される外筒
と、外筒の内側に配置され振動発生部及び振動受部の他
方へ連結される内筒と、内筒と外筒との間に設けられる
と共に凹部が窪んで形成され且つ振動発生時に変形する
弾性体と、弾性体を隔壁の一部として凹部内に形成され
ると共に液体が封入される受圧液室と、受圧液室に隣接
して凹部内に形成され且つ受圧液室との間が制限通路を
介して連通される副液室と、凹部内に配置されて受圧液
室と副液室との間を仕切る仕切部材と、副液室を密閉す
るように設置される弾性変形可能なダイヤフラムと、仕
切部材の受圧液室と副液室との間を仕切る壁面の一部を
弾性変形可能に形成する弾性膜と、を備えたことを特徴
とする。
【0010】請求項2による防振装置は、請求項1の防
振装置において、仕切部材が凸設されて形成され、この
凸設された仕切部材がその先端部から凹部に挿入されて
凹部内に配置されると共に、弾性膜が仕切部材の側面部
を形成することを特徴とする。
【0011】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。内筒または外筒の一方を振動発生部へ連結し、
他方を振動受部へ連結して使用され、この防振装置に振
動が入力されると、弾性体が変形し、弾性体の内部摩擦
に基づく抵抗によって振動が吸収されると共に、受圧液
室内の液圧が変動する。
【0012】また、弾性体に形成される凹部内に、弾性
体を隔壁の一部として液体が封入される受圧液室が形成
される。この受圧液室に隣接して凹部内に形成される副
液室と受圧液室との間が、制限通路を介して連通されて
おり、この副液室を密閉するように、ダイヤフラムが設
置される。さらに、凹部内に配置される仕切部材が、こ
れら受圧液室と副液室との間を仕切り、この仕切部材の
壁面の一部を弾性膜が弾性変形可能に形成する。
【0013】従って、入力された振動が低周波数の場合
には、受圧液室の圧力変化が制限通路を介して副液室に
伝達され、ダイヤフラムが変形する。これによって液体
は制限通路内を行き来して、大きな減衰力が発生して低
周波数振動が吸収される。
【0014】一方、入力された振動が高周波数の場合に
は、制限通路は目詰まり状態となるが、この場合には、
受圧液室の圧力変化により弾性膜が共振する。つまり、
受圧液室の液体が弾性膜を共振して、高周波数の動ばね
定数を下げることにより、こもり音等の高周波数の振動
の改善が可能となる。
【0015】以上より、本請求項に係る防振装置は、低
周波数振動から高周波数振動までの広い周波数に渡る振
動を確実に吸収することができるようになる。
【0016】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1と同様な作用を奏する。但
し、本請求項では、仕切部材が凸設されて形成され、こ
の凸設された仕切部材がその先端部から凹部に挿入され
て凹部内に配置されると共に、弾性膜が仕切部材の側面
部を形成する構成とされている。
【0017】従って、仕切部材の先端部に弾性膜が配置
されると、内筒と衝突して弾性膜が破損する虞があるも
のの、弾性膜を仕切部材の側面部に形成したので、弾性
膜の破損を防ぐことができる。
【0018】また、弾性膜を仕切部材の側面部に形成す
ることにより、弾性膜の面積も大きくすることができ、
弾性膜の共振周波数をより高周波数域に設定することが
可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る防振装置の第
1の実施の形態である液体封入式防振装置10を図1か
ら図7に示し、これらの図に基づき本実施の形態を説明
する。
【0020】図1及び図2に示すように、この液体封入
式防振装置10では、外筒14とこの外筒14の内側に
位置する内筒12とが同一軸方向に配置されており、内
筒12と外筒14との間の外筒14と同軸的な位置には
中間筒16が配置されている。なお、この中間筒16
は、金属パイプ、金属板等を絞り成型、プレス成型等し
て形成されている。
【0021】図2に示すように、中間筒16の軸方向中
間部には、下側に矩形穴17を設けた小径部16Bが形
成されている。小径部16Bの軸方向両端部はそれぞれ
大径部16Aとされ、これら一対の大径部16Aの外周
面が前記外筒14の内周面に加硫接着された薄膜ゴム1
4Aと圧接されている。なお、この薄膜ゴム14Aは外
気に曝されるため、耐オゾン性に優れるゴム材が使用さ
れている。
【0022】図2に示すように、外筒14の軸方向両端
部が縮径してかしめられることによって中間筒16が外
筒14内に固定されている。図1及び図2に示すよう
に、前記内筒12と中間筒16との間には、内筒12及
び中間筒16にそれぞれ加硫接着されて連結される弾性
体としての本体ゴム26が配置されている。なお、本体
ゴム26は、低ロスのゴム材が使用されている。
【0023】外筒14の下側には一対の貫通孔14Bが
形成されており、これら貫通孔14Bに対応する前記薄
膜ゴム14Aの部分は加硫接着されておらず、内筒12
方向に向かって凸となる第1ダイヤフラム24とされて
いる。そして、外筒14と第1ダイヤフラム24との間
は空気室25とされており、外筒14の空気孔15を介
して外気と連通される。
【0024】図1に示すように、内筒12の上側(矢印
C方向側)となる本体ゴム26の部分には、液体封入式
防振装置10の軸方向に貫通する空隙部28が形成され
ている。図1及び図2に示すように、内筒12を挟んで
空隙部28と反対側の本体ゴム26の部分には、内筒1
2方向に大きく切り欠くように窪んだ凹部26Aが形成
されている。なお、凹部26Aの側壁の内筒12の長手
方向に沿った中間部には、液体封入式防振装置10の軸
方向から見て(図1参照)、段部26Bが形成されてい
る。
【0025】この凹部26Aは、前記第1ダイヤフラム
24及び薄膜ゴム14Aで密閉されて、水、オイル等の
液体が充填される液室29を構成している。そして、こ
の液室29内には、液室29を径方向に受圧液室30と
第1副液室46との2室に区画して仕切る仕切部材であ
る隔壁部材34が配設されている。
【0026】図3及び図4に示すように、隔壁部材34
には略半円形状の一対の側板部34Aが対向して設けら
れており、これら側板部34Aの上部には側板部34A
に連続して矩形状の頂板部34Bが設けられている。頂
板部34Bの両端部には、下方向へ傾斜する傾斜部34
Dが設けられている。また、前記側板部34Aの縁部分
には屈曲されたフランジ部34Cが連続形成されてお
り、図2に示すように、隔壁部材34は、液体封入式防
振装置10の軸線に沿った断面が略ハット形状に凸設さ
れて形成されている。
【0027】そして、この凸設された隔壁部材34がそ
の先端部である頂板部34Bから凹部26Aに挿入され
て凹部26A内に配置されている。すなわち、隔壁部材
34は、そのフランジ部34Cが外筒14の薄膜ゴム1
4Aと本体ゴム26との間に挟持されてこれらに密着
し、傾斜部34Dが本体ゴム26に密着して、配置され
ている。これによって液室29は、前述のように隔壁部
材34の内筒12側に形成される受圧液室30と隔壁部
材34と外筒14との間に形成される第1副液室46と
の2室に区画される。
【0028】さらに、受圧液室30と第1副液室46と
の間を仕切る隔壁部材34の壁面の一部を構成する一対
の側板部34Aには、貫通穴34Eが形成されている。
この貫通穴34Eを覆うように一対の側板部34Aに
は、それぞれ弾性変形可能であって第1ダイヤフラム2
4よりも剛性を高くしたゴム製の弾性膜35が加硫接着
されて配置され、この弾性膜35が隔壁部材34の側面
部を形成している。
【0029】他方、図2、図5及び図6に示すように、
中間筒16の小径部16Bには、硬質材料(例えば、ア
ルミ合金、樹脂等)で形成された制限通路形成部材60
(例えば、アルミ合金ダイキャスト、樹脂成型品)が嵌
め込まれている。この制限通路形成部材60は、小径部
16B側に密着する薄肉の底板60Aを有しており、こ
の制限通路形成部材60の薄肉の側壁部分により、後述
する制限通路を構成する細溝36及び幅広溝38が形成
されている。
【0030】図5及び図6に示すように、細溝36は、
軸方向一方側(矢印B方向側)に配置され周方向に沿っ
て形成される周方向延設部分としての第1の直線溝部分
36Aと、軸方向他方側(矢印B方向とは反対方向側)
に配置され同じく周方向に沿って形成される周方向延設
部分としての第2の直線溝部分36Bと、半径方向一方
側(矢印A方向とは反対方向側)に配置され前記第1の
直線溝部分36Aの一端部と前記第2の直線溝部分36
Bの一端部とを連結する曲率半径が大とされた屈曲連結
部分としての円弧状溝部分36Cと、によって構成され
て、外側から見た全体形状としては略U字状を呈してい
る。
【0031】図5に示すように、この第1の直線溝部分
36Aの他端部は、矩形穴17の近傍に形成される矩形
孔40に連結されており、図1に示すように、この矩形
孔40はさらに本体ゴム26を貫通して凹部26Aの側
壁に達している。また、図5に示すように、前記第2の
直線溝部分36Bの他端部は矩形穴17の端部で終端し
ており、凹部26Aの外筒14側(隔壁部材34よりも
外側)の端部に連結されている。
【0032】一方、幅広溝38は、前記第1の直線溝部
分36Aと前記第2の直線溝部分36Bとの間に配置さ
れ、周方向に沿って延びている。幅広溝38の一端部は
前記矩形孔40に連結されており、他端は前記円弧状溝
部分36Cの近傍で終端している。この幅広溝38の他
端部に面した小径部16Bの部分であって空隙部28の
側方の部分には、矩形孔42が形成されており、この矩
形孔42は厚肉の第2ダイヤフラム44で閉塞されてい
る。なお、中間筒16の矩形孔42に対応する制限通路
形成部材60の底板60Aの部分には、逃げ孔62が形
成されている。
【0033】この第2ダイヤフラム44は、中間筒16
及び内筒12に本体ゴム26を加硫接着する際に同時に
中間筒16へ加硫接着されるものである。そして、この
第2ダイヤフラム44は、第1ダイヤフラム24よりも
厚肉とされ、第1ダイヤラム24よりも液圧に対する剛
性が高いものの弾性膜35より剛性が低く設定されてい
る。
【0034】図1及び図2に示すように、中間筒16の
大径部16A及び制限通路形成部材60の外周面は、前
記薄膜ゴム14Aに圧接され、細溝36は外筒14によ
って覆われてシェイク振動等の低周波数振動吸収用の第
1の制限通路22を構成し、幅広溝38は外筒14によ
って覆われてアイドル振動等の高周波数振動吸収用の第
2の制限通路20を構成している。
【0035】ここで、第2ダイヤフラム44に面する第
2の制限通路20の他端部周辺(幅広溝38の他端部周
辺)は、第2副液室50としての役目を有している。ま
た、図1に示すように、本体ゴム26には断面略円弧状
の拘束板52が受圧液室30を周回するように埋設され
ており、本体ゴム26の剛性を調整して変形量を制限し
ている。
【0036】次に本実施の形態の作用を説明する。液体
封入式防振装置10を自動車のエンジンマウントとして
自動車に取り付ける場合は、一例として外筒14を図示
しないブラケットを介して自動車の車体へ連結し、内筒
12を図示しない連結棒を介してエンジンに固定する。
ここでエンジンの荷重は矢印C方向とは反対方向に作用
する。
【0037】これによってエンジンの自重が作用する内
筒12は本体ゴム26を弾性変形させ、図1の状態より
も隔壁部材34側へ移動し、内筒12と外筒14とが略
同軸的に配置される。このため、空隙部28が上下方向
に広がる。なお、これとは逆に、内筒12へ自動車の車
体を、外筒14へエンジンを連結してもよい。
【0038】また、前述のように本体ゴム26に形成さ
れる凹部26A内に、本体ゴム26を隔壁の一部とした
受圧液室30が形成されている。この受圧液室30に隣
接して凹部26A内に形成される第1副液室46と受圧
液室30との間が、第1の制限通路22を介して連通さ
れており、この第1副液室46を密閉するように、第1
ダイヤフラム24が配置される。さらに、凹部26A内
に配置される隔壁部材34が、これら受圧液室30と第
1副液室46との間を仕切り、この隔壁部材34の壁面
の一部を弾性膜35が弾性変形可能に形成する。
【0039】従って、エンジンの振動が、液体封入式防
振装置10に入力すると本体ゴム26が変形して、本体
ゴム26の内部摩擦に基づく抵抗によって振動が吸収さ
れると共に、受圧液室30内の液圧が変動する。
【0040】そして、エンジンの振動が、例えばシェイ
ク振動(一例として周波数10Hz、振幅±0.5〜±
1.0mm程度)等の低周波数大振幅振動である場合に
は、第1副液室46に面する剛性の低い第1ダイヤフラ
ム24が液圧の変化を受けて大きく変形する。これによ
り、液体が断面積の小さい第1の制限通路22で液柱共
振して、図7に示すようにこの帯域でロスファクターt
anδが高められ、液体封入式防振装置10に大きな減
衰力が発生して低周波数振動が吸収される。なお、第2
ダイヤフラム44も同時に低周波数大振幅振動による液
圧変化を受けるが、剛性が高いため殆ど変形することは
ない。
【0041】さらに、エンジンの振動が、例えばアイド
ル振動(一例として周波数30Hz、振幅±0.1〜±
0.04mm程度)等の高周波数小振幅振動である場合
には、断面積の小さい第1の制限通路22は目づまり状
態となる。このときには、第2ダイヤフラム44が変形
して、第2の制限通路20で液柱共振が生じ、図7に示
すようにこの帯域における液体封入式防振装置10の動
ばね定数Kが低下してアイドル振動等の高周波数振動が
吸収される。
【0042】一方、入力された振動が、アイドル振動よ
り更に高いこもり音(周波数100〜300Hz 程度)
等の高周波数の場合には、制限通路22、20は目詰ま
り状態となるが、この場合には、受圧液室30の圧力変
化により弾性膜35が共振する。つまり、受圧液室30
の液体が弾性膜35を共振して、図7に示すようにアイ
ドル振動より更に高い周波数の動ばね定数Kを下げるこ
とにより、こもり音の改善が可能となる。
【0043】以上より、本実施の形態に係る液体封入式
防振装置10によれば、低周波数振動から高周波数振動
までの広い周波数に渡る振動を確実に吸収することがで
きるようになる。
【0044】また、本実施の形態では、隔壁部材34が
凸設されて形成され、この凸設された隔壁部材34がそ
の先端部から凹部26Aに挿入されて凹部26A内に配
置されると共に、弾性膜35が隔壁部材34の側面部を
形成する構成とされている。
【0045】従って、隔壁部材34の先端部である図1
及び図2上、上部の頂板部34Bに弾性膜35が配置さ
れると、上下方向の振動の入力に伴って、内筒12と衝
突して弾性膜35が破損する虞があるものの、弾性膜3
5を隔壁部材34の側面部に形成したので、弾性膜35
の破損を防ぐことができる。
【0046】また、弾性膜35を隔壁部材34の側面部
に形成することにより、弾性膜35の面積も大きくする
ことができ、結果として、弾性膜35の共振周波数を1
00〜300Hz 程度の高周波数域に設定することが可
能となる。
【0047】次に、本発明に係る防振装置の第2の実施
の形態である液体封入式防振装置10を図8から図10
に示し、これらの図に基づき本実施の形態を説明する。
尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には
同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0048】図8及び図9に示すように、本実施の形態
の液体封入式防振装置10では、補強金具72を内蔵し
た制限通路形成ゴム18が中間筒16の小径部16Bの
外周側に加硫接着されている。そして、この制限通路形
成ゴム18に略U字状の細溝36が形成されているもの
の幅広溝38は無く、これに伴って矩形孔42及び第2
ダイヤフラム44も無い。従って、第1の制限通路22
及び第1副液室46は有るものの、幅広溝38が外筒1
4によって覆われて構成される高周波数振動吸収用の第
2の制限通路20及び第2副液室50が、無い構造とな
っている。
【0049】以上より、本実施の形態の液体封入式防振
装置10は、シングルオリフィスの構造とされ、シェイ
ク振動等の低周波数大振幅振動が入力されると、第1副
液室46に面する第1ダイヤフラム24が液圧の変化を
受けて大きく変形し、図10に示すようにロスファクタ
ーtanδが高められ、大きな減衰力が発生して低周波
数振動が吸収される。
【0050】さらに、高周波数の振動が入力されると、
第1ダイヤフラム24が液柱共振後に目詰まりしてしま
うが、隔壁部材34の側面部に施された弾性膜35の共
振により動ばね定数Kを低下することで、こもり音の改
善が可能となる。なお、その他の作用、効果は第1の実
施の形態と同様である。
【0051】尚、上記各実施の形態では液体封入式防振
装置10をエンジンマウントとして用いた例を示した
が、本発明はこれに限らず、この液体封入式防振装置1
0をキャブマウント、ボディーマウント、一般産業用機
械等に用いてもよいのは勿論である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防振装置
は上記構成としたので、広い周波数に渡る振動を確実に
吸収できることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液体封入式防
振装置の軸線に直角な断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る液体封入式防
振装置の断面図であって、図1の2−2線断面図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る液体封入式防
振装置に適用される隔壁部材の斜視図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る液体封入式防
振装置の中間筒の右側面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る液体封入式防
振装置の中間筒の左側面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る液体封入式防
振装置の防振特性を表すグラフを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る液体封入式防
振装置の軸線に直角な断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る液体封入式防
振装置の断面図であって、図8の9−9線断面図であ
る。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る液体封入式
防振装置の防振特性を表すグラフを示す図である。
【図11】従来技術に係る液体封入式防振装置の断面図
である。
【図12】図11の12−12線断面図である。
【図13】従来技術に係る防振装置の防振特性を表すグ
ラフを示す図である。
【符号の説明】
10 液体封入式防振装置 12 内筒 14 外筒 22 第1の制限通路 24 第1ダイヤフラム(ダイヤフラム) 26 本体ゴム(弾性体) 30 受圧液室 34 隔壁部材(仕切部材) 35 弾性膜 46 第1副液室(副液室)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方へ連結さ
    れる外筒と、 外筒の内側に配置され振動発生部及び振動受部の他方へ
    連結される内筒と、 内筒と外筒との間に設けられると共に凹部が窪んで形成
    され且つ振動発生時に変形する弾性体と、 弾性体を隔壁の一部として凹部内に形成されると共に液
    体が封入される受圧液室と、 受圧液室に隣接して凹部内に形成され且つ受圧液室との
    間が制限通路を介して連通される副液室と、 凹部内に配置されて受圧液室と副液室との間を仕切る仕
    切部材と、 副液室を密閉するように設置される弾性変形可能なダイ
    ヤフラムと、 仕切部材の受圧液室と副液室との間を仕切る壁面の一部
    を弾性変形可能に形成する弾性膜と、 を備えたことを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 仕切部材が凸設されて形成され、この凸
    設された仕切部材がその先端部から凹部に挿入されて凹
    部内に配置されると共に、弾性膜が仕切部材の側面部を
    形成することを特徴とする請求項1記載の防振装置。
JP29907496A 1996-11-11 1996-11-11 防振装置 Pending JPH10141424A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29907496A JPH10141424A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29907496A JPH10141424A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 防振装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10141424A true JPH10141424A (ja) 1998-05-29

Family

ID=17867860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29907496A Pending JPH10141424A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10141424A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2007116976A1 (ja) 防振装置
US4907786A (en) Fluid-filled elastic mount having partition member which includes a double-layered section
WO1986001567A1 (en) Vibration-proof structure
JP4945162B2 (ja) 防振装置
JPH0258494B2 (ja)
JP2003172397A (ja) 流体封入式防振マウント
JP2002327788A (ja) 流体封入式防振装置
JP3212047B2 (ja) 液体封入式防振装置
JPH0460233A (ja) 防振装置
JPS63289349A (ja) 流体封入式防振ブッシュ
JP4528661B2 (ja) 防振装置
JPH10141424A (ja) 防振装置
JPH0545810B2 (ja)
JPH10132017A (ja) 防振装置
JPH08135726A (ja) 防振装置
JPH11141595A (ja) 防振装置
JP3627397B2 (ja) 流体封入式筒形マウント
JP3426292B2 (ja) 防振装置
JP3300446B2 (ja) 液体封入式防振装置
JPH062734A (ja) 液体封入式防振装置
JP2000002286A (ja) 液体封入防振装置
JP2827846B2 (ja) 流体封入式ブッシュ
JPH0510378A (ja) 防振装置
JPH0349316Y2 (ja)
JPH11125301A (ja) 防振装置