JPH10141387A - 多板クラッチ - Google Patents

多板クラッチ

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JPH10141387A
JPH10141387A JP8334144A JP33414496A JPH10141387A JP H10141387 A JPH10141387 A JP H10141387A JP 8334144 A JP8334144 A JP 8334144A JP 33414496 A JP33414496 A JP 33414496A JP H10141387 A JPH10141387 A JP H10141387A
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flywheel
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Yoshinaga Fukuda
佳修 福田
Koji Kajitani
郊二 梶谷
Yuji Mizukami
裕司 水上
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D13/00Friction clutches
    • F16D13/22Friction clutches with axially-movable clutching members
    • F16D13/38Friction clutches with axially-movable clutching members with flat clutching surfaces, e.g. discs
    • F16D13/52Clutches with multiple lamellae ; Clutches in which three or more axially moveable members are fixed alternately to the shafts to be coupled and are pressed from one side towards an axially-located member

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多板クラッチ、特にレース用の多板クラッチ
において、高回転発進時におけるクラッチエンゲージポ
イントの安定化を図り、各部材の熱膨張によるクラッチ
トルクの急激な立ち上がりを防止する。 【解決手段】 多板クラッチ1は、フライホイールリン
グ2と、ハブフランジ6と、ドライブプレート7と、ド
リブンプレート8と、クラッチカバー組立体10と、コ
ーンスプリング90とを備えている。ドリブンプレート
8はドライブプレート7に圧接可能である。クラッチカ
バー組立体10は、両プレート7,8が互いに圧接され
るように押圧し、あるいはその押圧を解除する。コーン
スプリング90は、車両の発進に必要なトルクの伝達を
可能とする押圧荷重よりも小さいバネ反力を有してお
り、各部材の熱膨張による軸方向の変形量を吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多板クラッチ、特
に、レース用の多板クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レース用自動車などに使用され
る多板クラッチは、フライホイールに固定される第1筒
状部と、第1筒状部の内周側に配置された第2筒状部を
有しシャフトに連結されるハブフランジと、前記第1筒
状部および第2筒状部にそれぞれ係合するドライブプレ
ートおよびドリブンプレートと、両プレートをフライホ
イール側に押圧または押圧解除するための押圧機構とを
備えている。押圧機構は、クラッチカバー、プレッシャ
ープレート、それを付勢するためのダイヤフラムスプリ
ング等からなり、第1筒状部に固定されて、ドライブプ
レート及びドリブンプレートのフライホイール側と反対
側に配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自動車レースにおける
スタートの良し悪しは勝敗の行方を左右しかねないた
め、自動車レースにおけるクラッチの役割の中でも発進
時の役割は極めて重要である。レースにおけるスタート
時のエンジン回転数は非常に高いため、発進時における
クラッチエンゲージは極めてデリケートであり、ドライ
バーもクラッチ操作に神経を使っている。すなわち、レ
ースのスタート直前においては、ドライバーは半クラッ
チ状態である程度のクラッチトルクをキープしながら、
サイドブレーキで車両が発進するのを抑えながらスター
トの合図を待つ。そして、スタートの合図と同時にサイ
ドブレーキを解除し、クラッチを完全にエンゲージさせ
て発進する。このような状況では、スタートまでの半ク
ラッチ状態を保持している間は、クラッチトルクの変動
がないことが望ましい。
【0004】しかし、半クラッチ状態が続くと、摩擦に
よってドライブプレート、ドリブンプレート、及びそれ
に隣接するプレッシャープレートなどの温度が上昇す
る。このため、これらの部材が軸方向に熱膨張し、相対
的にダイヤフラムスプリングの押圧荷重が増加する。す
ると、クラッチペダルの踏み込み量を一定に保持してい
るにもかかわらず、クラッチトルクが急激に立ち上がる
という現象が生じていた。これにより、クラッチトルク
がブレーキの抑えを超えドライバーの意に反して車両が
発進したり、ブレーキにより車両が発進しない場合に
は、ドライブプレートとドリブンプレートとが異常摩耗
するという問題が発生する。
【0005】本発明の課題は、多板クラッチ、特にレー
ス用の多板クラッチにおいて、高回転発進時におけるク
ラッチエンゲージポイントの安定化を図り、各部材の熱
膨張によるクラッチトルクの急激な立ち上がりを防止す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の多板ク
ラッチは、フライホイールから出力側回転体にトルクを
伝達および遮断するための車両の多板クラッチであっ
て、入力側部材と、出力側部材と、第1環状摩擦板と、
第2環状摩擦板と、クラッチ押圧機構と、低剛性弾性手
段とを備えている。入力側部材はフライホイールに固定
されている。出力側部材は出力側回転体に相対回転不能
に係合している。第1環状摩擦板は、その外周部が入力
側部材に軸方向に相対移動可能にかつ相対回転不能に係
合しており、その内周部が出力側部材に軸方向に相対移
動可能にかつ相対回転不能に係合している。第2環状摩
擦板は第1環状摩擦板に圧接可能である。クラッチ押圧
機構は、第1及び第2環状摩擦板が互いに圧接されるよ
うに両環状摩擦板を押圧し、あるいはその押圧を解除す
る。低剛性弾性手段は、入力側部材と出力側部材との間
で車両の発進に必要なトルクの伝達を可能とする両環状
摩擦板への押圧荷重よりも小さい弾性反力を有してお
り、各部材の熱膨張による軸方向の変形量を吸収する。
【0007】自動車レースのスタート時などにおいて、
ブレーキをかけつつ、エンジンを高回転にしてクラッチ
エンゲージポイントの直前にて半クラッチ状態を保持し
ていると、両環状摩擦板やクラッチ押圧機構を構成する
各部材の温度が摩擦熱により上昇し、これらの部材が軸
方向に熱膨張する。しかし、この多板クラッチでは、低
剛性弾性手段がこの熱膨張による変形を吸収し、かつ、
低剛性弾性手段の弾性変形による弾性反力では両摩擦板
を十分に圧接させて車両の発進に必要なトルクを伝達さ
せることはできない。したがって、エンジンを高回転に
してクラッチエンゲージポイントの直前にて半クラッチ
状態を保持しても、クラッチトルクが急激に立ち上がる
ことはなく、ドライバーの意に反する車両の発進を防止
することや第1及び第2環状摩擦板の異常摩耗を抑える
ことができる。
【0008】ここで、低剛性弾性手段として、低剛性弾
性手段の変形量が増加しても弾性反力があまり増加しな
いようにするのが望ましい。このようにすると、他の部
材のの熱膨張による変形を吸収して低剛性弾性手段が弾
性変形をしても、弾性反力があまり増加せず、クラッチ
トルクの変動が抑えられる。なお、理想的には、低剛性
弾性手段の任意の変形量に対し、弾性反力が一定である
のが望ましい。この場合には、低剛性弾性手段が各部材
の熱膨張を吸収して弾性変形をしても、弾性反力値は常
に一定値であるので、両環状摩擦板にかかる押圧荷重は
変化しない。すなわち、半クラッチ状態をキープしてい
る間、伝達されるクラッチトルクは変動しない。
【0009】請求項2に記載の多板クラッチは、請求項
1又は2に記載の多板クラッチにおいて、低剛性弾性手
段の軸方向の最大弾性変形量は0.2mm以下である。
低剛性弾性手段の弾性変形量が大きいと、クラッチのエ
ンゲージ時に余分なクッション効果が発生してエンゲー
ジ完了までのタイムに悪影響を及ぼす。特にスタートの
一瞬に全トルクを伝達することが望ましいレース用自動
車の場合、このタイムラグを最小限に抑えることが望ま
れる。この多板クラッチでは、上記のような余分なクッ
ション効果を排除するように、各部材の熱膨張変形の吸
収に最低限必要な寸法を低剛性弾性手段の最大弾性変形
量として設定している。これにより、クラッチエンゲー
ジポイントが安定化し、かつ、クラッチエンゲージにか
かるタイムが短くなるため、レース発進時の加速がより
向上する。
【0010】請求項3に記載の多板クラッチは、請求項
1又は2に記載の多板クラッチにおいて、低剛性弾性手
段は第1及び第2環状摩擦板とクラッチ押圧機構との間
に配置される弾性部材である。この多板クラッチでは、
従来の多板クラッチの部品に加え新たに弾性部材を採用
するため、その材質、形状、大きさなどの制約が少な
く、最適な剛性を選択することが容易である。
【0011】請求項4に記載の多板クラッチは、請求項
1又は2に記載の多板クラッチにおいて、クラッチ押圧
機構は、クラッチカバーと、プレッシャープレートと、
押圧部材とを備えている。クラッチカバーは、両環状摩
擦板を挟んでフライホイールと反対側に配置され、入力
側部材に固定されている。プレッシャープレートはクラ
ッチカバーと両環状摩擦板との間に配置されている。押
圧部材は、クラッチカバーに支持され、プレッシャープ
レートをフライホイール側に押圧する。プレッシャープ
レートは皿バネ形状の環状部材である。低剛性弾性手段
はプレッシャープレートである。
【0012】この多板クラッチでは、従来から採用され
ている部品であるプレッシャープレートにバネ効果を持
たせて低剛性弾性手段を兼ねさせており、部品点数を増
やすことなく上記の効果を得ることができる。請求項5
に記載の多板クラッチは、請求項1又は2に記載の多板
クラッチにおいて、第1又は第2環状摩擦板の少なくと
も1枚は皿バネ形状に成形されており、低剛性弾性手段
は皿バネ形状に成形された第1又は第2環状摩擦板であ
る。
【0013】この多板クラッチでは、例えば、プレッシ
ャープレートと当接する位置に配置されている環状摩擦
板を皿バネ形状に成形することでバネ効果を持たせて、
低剛性弾性手段としての役割を果たさせる。ここでも、
部品点数を増やすことなく上記の効果を得ることができ
る。請求項6に記載の多板クラッチは、請求項1から5
のいずれかに記載の多板クラッチにおいて、入力側部材
は第1筒状部を有している。出力側部材は第1筒状部の
内周側に配置されている第2筒状部を有している。第1
環状摩擦板は、第1筒状部と第2筒状部との間に配置さ
れる複数の摩擦板であって、その外周部が第1筒状部に
対して軸方向に相対移動可能にかつ相対回転不能に係合
している。第2環状摩擦板は、複数の摩擦板であって、
第1環状摩擦板と軸方向に交互に配置されており、その
内周部が第2筒状部に対して軸方向に相対移動可能にか
つ相対回転不能に係合している。
【0014】請求項7に記載の多板クラッチは、請求項
1から3のいずれかに記載の多板クラッチにおいて、低
剛性弾性手段は、突出する複数の凸部を両側面に有する
環状のプレートである。ここでは、環状のプレートの両
側面に凸部を設け凸部間を曲げ変形させることによっ
て、環状のプレートに低剛性弾性手段としての弾性を持
たせている。
【0015】請求項8に記載の多板クラッチは、請求項
7に記載の多板クラッチにおいて、低剛性弾性手段は炭
素繊維を含む複合材である。上述のように、低剛性弾性
手段は高温下で使用されるため熱による劣化の恐れがあ
る。ここでは、耐熱性に優れる炭素繊維を強化材として
使用し炭素をマトリックスとした複合材を採用するた
め、低剛性弾性手段の劣化が抑えられる。また、このよ
うな複合材は、軽量であり耐摩耗性の利点を有してい
る。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]図1は本発明の第1実施形態による自
動車用乾式多板クラッチ1の断面図である。図1のO−
Oが多板クラッチ1の回転軸線である。多板クラッチ1
は、エンジン(図示せず)のフライホイール2からトラ
ンスミッションの軸(図示せず)にトルクを伝達および
遮断するための装置である。この多板クラッチ1は、主
に、入力側部材であるフライホイールリング5(第1筒
状部)と、出力側部材であるハブフランジ6と、フライ
ホイールリング5とハブフランジ6との間に配置された
複数のドライブプレート7(第1環状摩擦板)および複
数のドリブンプレート8(第2環状摩擦板)からなる環
状摩擦板群9と、両プレート7,8を圧接および圧接解
除するためのクラッチカバー組立体10(クラッチ押圧
機構)と、環状摩擦板群9とクラッチカバー組立体10
との間に配置されるコーンスプリング90とを備えてい
る。
【0017】ハブフランジ6は、中心に配置されたボス
11と、ボス11から一体に外周側に広がるフランジ1
2と、フランジ12の外周に一体に設けられた第2筒状
部13とを有している。ボス11の中心にはスプライン
孔11aが形成されており、このスプライン孔11aが
トランスミッションの軸のスプライン歯に噛み合ってい
る。これにより、ハブフランジ6はトランスミッション
の軸に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動自在にな
っている。ハブフランジ6のフランジ12には、円周方
向に間隔を隔てて複数の円形の空気通路用の開口14が
設けられている。第2筒状部13はフランジ12から軸
方向両側に突出している。第2筒状部13の外周には軸
方向に延びる多数の外歯13aが形成されている。外歯
13aには、図2に示すように、軸方向に孔13cが貫
通している。第2筒状部13の軸方向両側に突出してい
る部分には、円周方向に等間隔でそれぞれ複数の空気通
路孔19,20が設けられている。空気通路孔19,2
0は、それぞれ、第2筒状部13をほぼ半径方向に貫通
しており、半径方向外側の端部が外歯13a間の底部に
開口している。
【0018】第2筒状部13の半径方向外側にはフライ
ホイールリング5が同心に配置されている。フライホイ
ールリング5は、図1において左側の端部がエンジンの
フライホイール2に複数のボルト23で固定される。フ
ライホイールリング5は内歯5aを備えている。フライ
ホイールリング5の外周面の軸方向に間隔を隔てた複数
箇所(例えば3箇所)には、空気通路溝24が設けられ
ている。図1に示すように、空気通路溝24はドリブン
プレート8の半径方向外側に設けられている。個々の空
気通路溝24はフライホイールリング5の円周方向に沿
って円弧状に延びており、その底部は複数の内歯5aの
底面に開口している。空気通路溝24が円周方向に長く
延びていることで、放熱性がよくかつフライホイールリ
ング5が軽量化されている。
【0019】フライホイールリング5の内側とハブフラ
ンジ6の第2筒状部13との間には、環状摩擦板群9が
配置されている。環状摩擦板群9は、軸方向にはフライ
ホイール2の摩擦面とプレッシャープレート29(後
述)との間に配置されている。環状摩擦板群9は、互い
に軸方向に交互に並ぶ状態で配置されている4枚のドラ
イブプレート7と3枚のドリブンプレート8とからな
る。ドライブプレート7及びドリブンプレート8は乾式
のカーボン製環状摩擦板であり、いずれも、トランスミ
ッションの軸と同心に配置されている。ドライブプレー
ト7は外周部に放射状の突起26を備え、突起26はフ
ライホイールリング5の内歯5aに相対回転不能にかつ
軸方向に摺動自在に係合している。ドリブンプレート8
は放射状の突起27を内周部に備えており、突起27は
第2筒状部13の外歯13aに相対回転不能にかつ軸方
向に摺動自在に係合している。
【0020】クラッチカバー組立体10は、クラッチカ
バー28と、クラッチカバー28内に配置された環状の
プレッシャープレート29と、プレッシャープレート2
9をフライホイール2側(図1左側)に付勢するための
押圧部材であるダイヤフラムスプリング30と、ダイヤ
フラムスプリング30をクラッチカバー28側に支持す
る支持機構31とを主に備えている。
【0021】クラッチカバー28はボルト22によりフ
ライホイールリング5の端面に固定されている。クラッ
チカバー28は、アルミニウムを主とした金属製であ
り、軽量化されている。プレッシャープレート29は、
最もトランスミッション側(図1右側)に配置されたド
ライブプレート7の図1右側に配置されている。プレッ
シャープレート29は、放射状の突起32を外周部に備
え、突起32が内歯5aに相対回転不能にかつ軸方向に
摺動自在に係合している。また、プレッシャープレート
29の内周部のトランスミッション側には、半円形断面
を有する環状隆起部33が形成されている。
【0022】ダイヤフラムスプリング30は、2枚の円
板部材が重ねられて用いられている。ダイヤフラムスプ
リング30は、環状弾性部30aと、環状弾性部30a
の内周から半径方向内方へ延びる複数のレバー部30b
とから構成されている。レバー部30bは円周方向に等
間隔を隔てて設けられ、隣接するレバー部30bの間に
スリットが形成されるとともに、各スリットの半径方向
外側の部分に、円周方向の幅が比較的広い切り欠き30
cが形成されている。
【0023】ダイヤフラスプリング30は、その環状弾
性部30aの外周部がプレッシャープレート29の環状
隆起部33に当接し、プレッシャープレート29をフラ
イホイール2側(図1左側)に付勢する。ダイヤフラム
スプリング30の内周部に隣接して、図示しないレリー
ズ装置が配置されている。レリーズ装置がダイヤフラム
スプリング30のレバー部30bの先端をフライホイー
ル2側に押すと、ダイヤフラムスプリング30の環状部
30a外周部がトランスミッション側に移動する。これ
により、ダイヤフラムスプリング30によるプレッシャ
ープレート29のフライホイール2側への付勢が解か
れ、この結果、クラッチ連結が解除される。
【0024】支持機構31は、ダイヤフラムスプリング
30の環状部30aの内周部を支持する1対の第1及び
第2環状支持部材35,36と、両環状支持部材35,
36をクラッチカバー28に固定する複数のボルト37
とを主に備えている。環状支持部材35,36はダイヤ
フラムスプリング30に沿って円周方向に延びており、
それぞれ外周部に支持部38、39を備えている。支持
部38,39は、それぞれ、ダイヤフラムスプリング3
0に当接する部分が半円形等の凸形断面を有している。
第1環状支持部材35の支持部38がダイヤフラムスプ
リング30に対してトランスミッション側(図1右側)
から当接し、第2環状支持部材36の支持部39がダイ
ヤフラムスプリング30に対してフライホイール2側
(図1左側)から当接している。
【0025】コーンスプリング90は、皿バネ形状の環
状弾性部材であって、ドライブプレート7のうち最もト
ランスミッション側(図1の右側)のプレートとプレッ
シャープレート29との間に配置される。このコーンス
プリング90のバネ剛性は、その反力が半クラッチ状態
でのトルク伝達に必要な押圧荷重に相当するように設定
される。したがって、コーンスプリング90のバネ反力
はクラッチが完全に連結された状態におけるダイヤフラ
ムスプリング30の押圧荷重よりも小さい。クラッチ連
結状態においては、コーンスプリング90は最大弾性変
形を生じてコーン形状の傾きがなくなる。コーンスプリ
ング90の最大弾性変形量は、各部材の熱膨張量に対応
させて、0.1〜0.2mmに設定される。また、コー
ンスプリング90は、軸方向に圧縮されてもできるだけ
バネ反力が増加しないように設計される。
【0026】なお、ハブフランジ6はトランスミッショ
ンの軸に対して軸方向に移動自在であり、従って、ハブ
フランジ6の軸方向移動を制限する必要がある。そのた
めに、図1及び図3に示すように、ハブフランジ6の第
2筒状部13には、3枚の弧状プレート52が設けられ
ている。この弧状プレート52は隣接する2枚のドリブ
ンプレート8の突起27の間に配置されている。前述の
フライホイール2及びプレッシャープレート29は、ド
ライブプレート7及びドリブンプレート8の軸方向の移
動範囲を制限しているので、軸方向位置の制限された2
枚のドリブンプレート8の突起27の間に複数の弧状プ
レート52が位置することにより、ハブフランジ6の軸
方向の位置も所定範囲内に限定される。
【0027】次に動作を説明する。クラッチ連結状態で
は、ダイヤフラムスプリング30の環状弾性部30aが
プレッシャープレート29をフライホイール2側に付勢
している。これにより、プレッシャープレート29が環
状摩擦板群9側に押し付けられ、ドライブプレート7と
ドリブンプレート8がプレッシャープレート29とフラ
イホイール2との間に挟持され互いに圧接される。この
結果、フライホイール2からフライホイールリング5に
入力されたトルクが、ドライブプレート7及びドリブン
プレート8を介してハブフランジ6に伝達され、さら
に、ハブフランジ6からトランスミッションの軸へ出力
される。
【0028】ここで、自動車レースのスタート時におけ
るクラッチの連結の動作について説明する。まず、ドラ
イバーは、サイドブレーキをかけ、エンジン回転を上
げ、クラッチの踏み込み量を調節して半クラッチのポイ
ントを確認する。コーンスプリング90のバネ反力が半
クラッチ状態でのトルク伝達に必要な押圧荷重に相当す
るものであるので、コーンスプリング90が弾性変形を
開始するポイントが半クラッチのポイントとなる。そし
て、このポイントで、スタートの合図までクラッチの踏
み込み量をキープする。半クラッチ状態をキープし続け
ると、両プレート7,8の摩擦により熱が発生し、両プ
レート7,8及びその周辺の部材が熱膨張する。この熱
膨張により各部材が軸方向に延びようとする力はクラッ
チのトルク伝達に必要な押圧荷重よりも大きいため、も
しコーンスプリング90がなければ、ドライブプレート
7とドリブンプレート8とが強く圧接されてクラッチ伝
達トルクが立ち上がる。しかし、本実施形態の多板クラ
ッチ1では、コーンスプリング90が各部材の熱膨張力
により弾性変形をして各部材の熱膨張量を吸収する。こ
れにより、熱膨張による急激なトルクの立ち上がりの発
生を防止できる。また、コーンスプリング90が変形し
てもコーンスプリング90のバネ反力があまり増加しな
いように設計されているため、半クラッチ状態における
クラッチトルクの変動が最小限に抑えられている。
【0029】そして、スタートの合図と同時に、サイド
ブレーキを解除し、クラッチをエンゲージさせる。する
と、コーンスプリング90は傾きがなくなるまで変形
し、すなわち、最大弾性変形量の変形をして、単に剛体
としてプレッシャープレート29とクラッチプレート7
との間に挟まれた状態となる。ここで、熱膨張の吸収に
よる弾性変形量から最大弾性変形量までのコーンスプリ
ング90の弾性変形によって、スタート時のクラッチエ
ンゲージに対しクッション効果が発生する。このクッシ
ョン効果は、クラッチエンゲージを遅らせるため、自動
車レースのスタート時には存在しないことが望ましい。
本実施形態のコーンスプリング90では、各部材の熱膨
張量から吸収すべき軸方向寸法を計算して最大弾性変形
量を決定し、余分なクッション効果の発生を抑えてい
る。これにより、スタート時の加速が維持されている。
【0030】クラッチを遮断する場合、図示しないレリ
ーズ装置がダイヤフラムスプリング30のレバー部30
bの先端をフライホイール2側へ押し、環状弾性部30
aの外周部をトランスミッション側に移動させる。これ
により、ドライブプレート7とドリブンプレート8の圧
接が解放され、クラッチが遮断される。 [第2実施形態]第1実施形態ではコーンスプリング9
0により各部材の熱膨張を吸収させているが、コーンス
プリング90を採用せず、図4に示すようにプレッシャ
ープレート29をコーン状に成形して、プレッシャープ
レート29によって吸収させることもできる。
【0031】[第3実施形態]第1実施形態ではコーン
スプリング90により各部材の熱膨張を吸収させている
が、コーンスプリング90を採用せず、環状摩擦板群9
のいずれかのプレートをコーン状に成形して、このプレ
ートによって吸収させることもできる。ここでは、図5
に示すように、クラッチプレート7のうち最もプレッシ
ャープレート29側(図5の右端)に配置されているク
ラッチプレート7bをコーン状に成形し低剛性の弾性部
材としている。
【0032】[第4実施形態]本発明の第4実施形態に
よる自動車用乾式多板クラッチ1を図6〜図8に示す。
なお、以降の説明において第1実施形態と同一又は同様
な部材の符号は同一符号を付すものとする。多板クラッ
チ1は、主に、入力側部材であるフライホイールリング
5(第1筒状部)と、出力側部材であるハブフランジ6
と、フライホイールリング5とハブフランジ6との間に
配置された複数のドライブプレート7(第1環状摩擦
板)および複数のドリブンプレート8(第2環状摩擦
板)からなる環状摩擦板群9と、両プレート7,8を圧
接および圧接解除するためのクラッチカバー組立体10
(クラッチ押圧機構)と、環状摩擦板群9とクラッチカ
バー組立体10との間に配置される複合部材80(低剛
性弾性手段)とを備えている。
【0033】ハブフランジ6は、中心に配置されたボス
11と、ボス11から一体に外周側に広がるフランジ1
2と、フランジ12の外周に一体に設けられた第2筒状
部13とを有している。ボス11の中心にはスプライン
孔11aが形成されており、このスプライン孔11aが
トランスミッションの軸のスプライン歯に噛み合ってい
る。これにより、ハブフランジ6はトランスミッション
の軸に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動自在にな
っている。フランジ12には、円周方向に間隔を隔てて
複数の円形の空気通路用の開口14が設けられている。
第2筒状部13はフランジ12から軸方向両側に突出し
ている。第2筒状部13の外周には軸方向に延びる多数
の外歯13aが形成されている。第2筒状部13の軸方
向に突出している部分には、円周方向に等間隔でそれぞ
れ複数の空気通路孔19が設けられている。空気通路孔
19は、第2筒状部13をほぼ半径方向に貫通してお
り、半径方向外側の端部が外歯13a間の底部に開口し
ている。
【0034】第2筒状部13の半径方向外側にはフライ
ホイールリング5が同心に配置されている。フライホイ
ールリング5は、図6において左側の端部がエンジンの
フライホイール2に複数のボルト23で固定される。フ
ライホイールリング5は内歯5aを備えている。フライ
ホイールリング5の外周面の軸方向に間隔を隔てた3箇
所には、空気通路溝24が設けられている。図6に示す
ように、空気通路溝24はドリブンプレート8の半径方
向外側に設けられている。図8及び図6に示すように、
個々の空気通路溝24はフライホイールリング5の円周
方向に沿って円弧状に延びており、その底部は複数の内
歯5aの底面に開口している。空気通路溝24が円周方
向に長く延びていることで、放熱性がよくかつフライホ
イールリング5が軽量化されている。
【0035】フライホイールリング5の内側とハブフラ
ンジ6の第2筒状部13との間には、環状摩擦板群9が
配置されている。環状摩擦板群9は、軸方向にはフライ
ホイール2とプレッシャープレート29(後述)との間
に配置されている。環状摩擦板群9は、互いに軸方向に
交互に並ぶ状態で配置されている4枚のドライブプレー
ト7と3枚のドリブンプレート8とから構成される。ド
ライブプレート7及びドリブンプレート8は、後述する
複合部材80と同じC/Cコンポジット製の環状摩擦板
であり、いずれも、多板クラッチ1の軸O−Oと同心に
配置されている。ドライブプレート7は外周部に放射状
の突起26を備え、突起26はフライホイールリング5
の内歯5aに相対回転不能にかつ軸方向に摺動自在に係
合している。ドリブンプレート8は放射状の突起27を
内周部に備えており、突起27は第2筒状部13の外歯
13aに相対回転不能にかつ軸方向に摺動自在に係合し
ている。
【0036】クラッチカバー組立体10は、クラッチカ
バー28と、クラッチカバー28内に配置された環状の
プレッシャープレート29と、プレッシャープレート2
9をフライホイール2側に付勢するための押圧部材であ
るダイヤフラムスプリング30と、ダイヤフラムスプリ
ング30をクラッチカバー28側に支持する支持機構3
1とを主に備えている。
【0037】クラッチカバー28はボルト22によりフ
ライホイールリング5のトランスミッション側の端面に
固定されている。クラッチカバー28は、アルミニウム
を主とした金属製であり、軽量化されている。プレッシ
ャープレート29は、最もトランスミッション側(図6
右側)に配置されたドライブプレート7のトランスミッ
ション側に配置されている。プレッシャープレート29
は、放射状の突起32を外周部に備え、突起32がフラ
イホイールリング5の内歯5aに相対回転不能にかつ軸
方向に摺動自在に係合している。また、プレッシャープ
レート29の内周部のトランスミッション側には、半円
形断面を有する環状隆起部33が形成されている。
【0038】ダイヤフラムスプリング30は、2枚の円
板部材が重ねられている。ダイヤフラムスプリング30
は、環状弾性部30aと、環状弾性部30aの内周から
半径方向内方へ延びる複数のレバー部30bとから構成
されている。レバー部30bは円周方向に等間隔を隔て
て設けられ、隣接するレバー部30bの間にはスリット
が形成される。ダイヤフラスプリング30は、その環状
弾性部30aの外周部がプレッシャープレート29の環
状隆起部33に当接し、プレッシャープレート29をフ
ライホイール2側(図6左側)に付勢する。
【0039】ダイヤフラムスプリング30の内周部に隣
接して、図示しないレリーズ装置が配置されている。レ
リーズ装置がダイヤフラムスプリング30のレバー部3
0bの先端をフライホイール2側に押すと、ダイヤフラ
ムスプリング30の環状部30a外周部がトランスミッ
ション側に移動する。これにより、ダイヤフラムスプリ
ング30によるプレッシャープレート29のフライホイ
ール2側への付勢が解かれ、この結果、クラッチ連結が
解除される。
【0040】支持機構31は、主に、ダイヤフラムスプ
リング30の環状部30aの内周部を支持する1対の第
1及び第2環状支持部材35,36と、両環状支持部材
35,36をクラッチカバー28に固定する複数のボル
ト37とを備えている。環状支持部材35,36はダイ
ヤフラムスプリング30に沿って円周方向に延びてお
り、それぞれ外周部に支持部38、39を備えている。
支持部38,39は、それぞれ、ダイヤフラムスプリン
グ30に当接する部分が半円形等の凸形断面を有してい
る。第1環状支持部材35の支持部38はダイヤフラム
スプリング30に対してトランスミッション側(図6右
側)から当接し、第2環状支持部材36の支持部39は
ダイヤフラムスプリング30に対してフライホイール2
側(図6左側)から当接している。
【0041】複合部材80は、図9及び図10に示すよ
うな環状の弾性部材であって、図6に示すように、ドラ
イブプレート7のうち最もトランスミッション側(図6
右側)のプレートとプレッシャープレート29との間に
配置される。複合部材80は、環状部80aと、環状部
80aのトランスミッション側(図6右側)の側面に設
けられた3つの凸部80bと、環状部80aのフライホ
イール2側(図6左側)の側面に設けられた3つの凸部
80cと、環状部80aの外周部に設けられた放射状の
突起80dとから構成される。突起80dはフライホイ
ールリング5の内歯5aに相対回転不能にかつ軸方向に
摺動自在に係合している。この複合部材80は、環状部
80aが凸部80bと凸部80cとの間で軸方向に変形
するため、軸方向のバネ剛性を低く設定することができ
る。複合部材80のバネ剛性は、その反力が半クラッチ
状態でのトルク伝達に必要な押圧荷重に相当するように
設定される。したがって、複合部材80のバネ反力はク
ラッチが完全に連結された状態におけるダイヤフラムス
プリング30の押圧荷重よりも小さい。クラッチ連結状
態においては、複合部材80は最大弾性変形を生じ、そ
の最大弾性変形量は各部材の熱膨張量に対応して0.1
〜0.2mmに設定される。また、複合部材80の素材
として、耐熱性・耐熱衝撃性・耐摩耗性に優れ軽量であ
るC/Cコンポジット(炭素繊維強化複合材)を採用し
ている。
【0042】次に動作を説明する。クラッチ連結状態で
は、ダイヤフラムスプリング30の環状弾性部30aが
プレッシャープレート29をフライホイール2側に付勢
している。これにより、プレッシャープレート29が環
状摩擦板群9側に押し付けられ、ドライブプレート7と
ドリブンプレート8がプレッシャープレート29とフラ
イホイール2との間に挟持され互いに圧接される。この
結果、フライホイール2からフライホイールリング5に
入力されたトルクが、ドライブプレート7及びドリブン
プレート8を介してハブフランジ6に伝達され、さら
に、ハブフランジ6からトランスミッションの軸へ出力
される。
【0043】ここで、自動車レースのスタート時におけ
るクラッチの連結の動作について説明する。まず、ドラ
イバーは、サイドブレーキをかけ、エンジン回転を上
げ、クラッチの踏み込み量を調節して半クラッチのポイ
ントを確認する。複合部材80のバネ反力が半クラッチ
状態でのトルク伝達に必要な押圧荷重に相当するもので
あるので、複合部材80が弾性変形を開始するポイント
が半クラッチのポイントとなる。そして、このポイント
で、スタートの合図までクラッチの踏み込み量をキープ
する。半クラッチ状態をキープし続けると、両プレート
7,8の摩擦により熱が発生し、両プレート7,8及び
その周辺の部材が熱膨張する。この熱膨張により各部材
が軸方向に延びようとする力はクラッチのトルク伝達に
必要な押圧荷重よりも大きいため、もし複合部材80が
なければ、ドライブプレート7とドリブンプレート8と
が強く圧接されてクラッチ伝達トルクが立ち上がる。し
かし、本実施形態の多板クラッチ1では、複合部材80
が各部材の熱膨張力を受けて弾性変形をするため、各部
材の熱膨張が吸収される。これにより、熱膨張による急
激なトルクの立ち上がりの発生を防止できる。なお、半
クラッチ状態においては複合部材80にも高熱が作用す
るが、耐熱性に優れるC/Cコンポジットを採用してい
るため劣化が少ない。
【0044】そして、スタートの合図と同時に、サイド
ブレーキを解除し、クラッチをエンゲージさせる。する
と、複合部材80が最大弾性変形量の変形をして、単に
摩擦材としてプレッシャープレート29とクラッチプレ
ート7との間に挟まれた状態となる。ここで、熱膨張の
吸収による弾性変形量から最大弾性変形量までの複合材
料80の弾性変形によって、スタート時のクラッチエン
ゲージに対しクッション効果が発生する。このクッショ
ン効果は、クラッチエンゲージを遅らせるため、自動車
レースのスタート時には存在しないことが望ましい。本
実施形態の複合材料80は、各部材の熱膨張量から吸収
すべき軸方向寸法を計算して最大弾性変形量を決定して
いるため、余分なクッション効果の発生が抑えられる。
これにより、スタート時の加速が維持されている。
【0045】クラッチを遮断する場合、図示しないレリ
ーズ装置がダイヤフラムスプリング30のレバー部30
bの先端をフライホイール2側へ押し、環状弾性部30
aの外周部をトランスミッション側に移動させる。これ
により、ドライブプレート7とドリブンプレート8の圧
接が解放され、クラッチが遮断される。
【0046】
【発明の効果】本発明では、多板クラッチ、特にレース
用の多板クラッチにおいて、半クラッチ状態を保持した
ときに発生する各部材の熱膨張による変形を低剛性弾性
手段が吸収するので、高回転時におけるクラッチエンゲ
ージポイントの安定化が図られ、各部材の熱膨張による
クラッチトルクの急激な立ち上がりを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の自動車用多板クラッチ
の断面図。
【図2】多板クラッチの平面図。
【図3】ハブフランジの部分断面図。
【図4】第2実施形態の多板クラッチの断面図。
【図5】第3実施形態の多板クラッチの断面図。
【図6】第4実施形態の多板クラッチの断面図。
【図7】第4実施形態の多板クラッチの平面図。
【図8】第4実施形態の多板クラッチの側面図。
【図9】第4実施形態の複合部材の側面図。
【図10】第4実施形態の複合部材の平面図。
【符号の説明】
1 多板クラッチ 2 フライホイール 5 フライホイールリング(第1筒状部) 6 ハブフランジ(出力側部材) 7 ドライブプレート(第1環状摩擦板) 8 ドリブンプレート(第2環状摩擦板) 9 環状摩擦板群 10 クラッチカバー組立体(押圧機構) 13 第2筒状部 28 クラッチカバー 29 プレッシャープレート 30 ダイヤフラムスプリング 80 複合部材 80b,80c 凸部 90 コーンスプリング

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フライホイールから出力側回転体にトルク
    を伝達および遮断するための車両の多板クラッチであっ
    て、 前記フライホイールに固定される入力側部材と、 前記出力側回転体に相対回転不能に係合する出力側部材
    と、 外周部が前記入力側部材に軸方向に相対移動可能にかつ
    相対回転不能に係合する第1環状摩擦板と、 内周部が前記出力側部材に軸方向に相対移動可能にかつ
    相対回転不能に係合し、前記第1環状摩擦板に圧接可能
    な第2環状摩擦板と、 前記第1及び第2環状摩擦板が互いに圧接されるように
    両環状摩擦板を押圧し、あるいはその押圧を解除するた
    めのクラッチ押圧機構と、 前記入力側部材と前記出力側部材との間で前記車両の発
    進に必要なトルクの伝達を可能とする前記両環状摩擦板
    への押圧荷重よりも小さい弾性反力を有し、各部材の熱
    膨張による軸方向の変形量を吸収する低剛性弾性手段
    と、を備えた多板クラッチ。
  2. 【請求項2】前記低剛性弾性手段の軸方向の最大弾性変
    形量は0.2mm以下である、請求項1に記載の多板ク
    ラッチ。
  3. 【請求項3】前記低剛性弾性手段は前記第1及び第2環
    状摩擦板と前記クラッチ押圧機構との間に配置される弾
    性部材である、請求項1又は2に記載の多板クラッチ。
  4. 【請求項4】前記クラッチ押圧機構は、 前記両環状摩擦板を挟んで前記フライホイールと反対側
    に配置され、前記入力側部材に固定されるクラッチカバ
    ーと、 前記クラッチカバーと前記両環状摩擦板との間に配置さ
    れた皿バネ形状のプレッシャープレートと、 前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレ
    ートを前記フライホイール側に押圧する押圧部材とを備
    え、 前記低剛性弾性手段は前記プレッシャープレートであ
    る、請求項1又は2に記載の多板クラッチ。
  5. 【請求項5】前記第1又は第2環状摩擦板の少なくとも
    1枚は皿バネ形状に成形され、 前記低剛性弾性手段は前記皿バネ形状の第1又は第2環
    状摩擦板である、請求項1又は2に記載の多板クラッ
    チ。
  6. 【請求項6】前記入力側部材は第1筒状部を有し、 前記出力側部材は前記第1筒状部の内周側に配置された
    第2筒状部を有し、 前記第1環状摩擦板は前記第1筒状部と前記第2筒状部
    との間に配置される複数の摩擦板であり、外周部が前記
    第1筒状部に対して軸方向に相対移動可能にかつ相対回
    転不能に係合しており、 前記第2環状摩擦板は、複数の摩擦板であって、前記第
    1環状摩擦板と軸方向に交互に配置されており、内周部
    が前記第2筒状部に対して軸方向に相対移動可能にかつ
    相対回転不能に係合している、請求項1から5のいずれ
    かに記載の多板クラッチ。
  7. 【請求項7】前記低剛性弾性手段は、突出する複数の凸
    部を両側面に有する環状のプレートである、請求項1か
    ら3のいずれかに記載の多板クラッチ。
  8. 【請求項8】前記低剛性弾性手段は炭素繊維を含む複合
    材である、請求項7に記載の多板クラッチ。
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