JPH10140940A - 空気流通窓 - Google Patents

空気流通窓

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JPH10140940A
JPH10140940A JP29856896A JP29856896A JPH10140940A JP H10140940 A JPH10140940 A JP H10140940A JP 29856896 A JP29856896 A JP 29856896A JP 29856896 A JP29856896 A JP 29856896A JP H10140940 A JPH10140940 A JP H10140940A
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indoor
glass
window
air
space
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JP29856896A
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Inventor
Hiroshi Horikawa
浩志 堀川
Masao Takagi
正夫 高木
Koichiro Mochizuki
光一郎 望月
Akihisa Odaka
明久 小高
Kazunori Inoue
一則 井上
Kiyoto Ono
清人 小野
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Shin Nikkei Co Ltd
Original Assignee
Shin Nikkei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】空気流通窓に係り、特に空気流通条件の改善を
図ることにより、室内ガラスの表面温度をより室内温度
に近づける。 【解決手段】室外側に室外ガラスGOを有するととも
に、室内側に室内ガラスGIを有し、これら室外ガラス
GOと室内ガラスGIとの間にブラインド3が設けられ
た窓において、窓の下部側において、室内側に開口する
エア導入口10を形成するとともに、このエア導入口1
0からガラス空間内に連通する連通口11を室内ガラス
GI寄りに形成し、かつ前記ブラインド3を室内ガラス
GI寄りの位置に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室外側に配置され
た室外ガラスと、室内側に配置されたガラス、壁板パネ
ル、透光シート等の室内側仕切り材とによって閉鎖され
た空間を形成するとともに、この閉鎖空間内にブライン
ドなどの日射遮蔽手段が設けられた空気流通窓に係り、
特に空気流通条件の改善を図ることにより、室内側仕切
り材の表面温度をより室内温度に近づけるようにした空
気流通窓に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の空気流通窓は、窓の下部から室
内の空気を取入れ、二重ガラスの窓上部から室外に排気
することにより、窓を通じて室内に出入りする熱量を大
幅に減少させるベンチレーション窓である。オフィスビ
ル等では空調により室内温度は一定に保たれているが、
冷房時には室外からの熱の侵入、暖房時には屋内からの
暖房熱の逸出があるため、これらの熱の出入りによって
空調に余分な負荷が掛かることになる。一方、多数の人
が居住するビル等では一人当りの必要換気量が規制され
ており、室内の空気を屋外に放出する必要がある。した
がって、前述のように、窓を二重ガラスとして空気流通
路を形成し、室内空気を窓の下側導入口より取入れ、前
記空気流通路を流して排気するようにすれば、室外側か
らの伝熱や輻射熱を遮断して効率的に空調負荷が低減で
きるようになる。
【0003】この種の空気流通窓については、過去にい
くつかの提案がなされており、たとえば特公平1−27
234号、同2−61597号、同2−61598号、
特開昭59−10689号、特公平2−59267号、
特開平8−53980号などを挙げることができる。
【0004】いずれにしても、この種の空気流通窓の多
くは、図18に示されるように、室外および室内にそれ
ぞれガラスGOを有する室外障子301とガラスGIを
有する室内障子302とを有し、これらのガラスGO、
GIの間の空間に日射遮蔽手段としてのブラインド30
3が設けられ、室内障子302のガラスGIとブライド
303との間に空気流通空間304を形成し、この空気
流通空間304の下部に連通して室内に開口するエア導
入口310を形成し、壁体開口部305の上面に対して
窓の室外上枠306および室内上枠を固定し、それぞれ
室外障子301および室内障子302の各上框との間に
おいて気密を図り、室外上枠306および室内上枠30
7の間隙上部をエア排出口308とし、これに排気流路
309を連通させた構造となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例においては、室外ガラスと室内ガラスとの間を空気
流通路として室内空気を排気する構成が共通して記載さ
れているものの、具体的な、日射遮蔽手段の位置や空気
流通位置に関しての記載はなく、唯一、特公平2−59
267号において、日射遮蔽手段と屋内ガラス板との間
隔を日射遮蔽手段と屋外ガラス板との間隔より大きくす
ることによって、より多くの空気が室内ガラスに接触す
るため好適である旨の記載が存在するのみである。
【0006】他方、通常の窓の場合には、見込み寸法が
100mm程度であるが、特に見込み寸法が300mm近い
場合や、ショーウインドウなどのように室外ガラスと室
内ガラス等の間をショースペースとして活用する場合な
どは、見込み寸法が600mm近くになることもあり、こ
れらの場合にはおいては具体的にどの部分を空気流通路
として利用するのが最も効果的か、またそのための具体
的手段などが問題となる。
【0007】そこで本発明の主たる課題は、空気流通窓
に係り、特に空気流通条件の改善を図ることにより、室
内ガラス等の室内側仕切り材の表面温度をより室内温度
に近づけるようにした空気流通窓を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本第1発明は、室外側に室外ガラスを有するととも
に、室内側にガラス、壁板パネル、透光シート等の室内
側仕切り材を有し、これら室外ガラスと室内側仕切り材
との間に日射遮蔽手段が設けられた窓において、前記窓
の左右側において、室外ガラスと室内側仕切り材との間
の空間を室内空間に対して気密を図って取付け、前記窓
の下部側において、室内側に開口するエア導入口を形成
するとともに、このエア導入口から室外ガラスと室内側
仕切り材との間の空間に連通する連通口を前記空間内に
おける室内側仕切り材寄りに形成し、前記窓の上部側に
おいて、前記日射遮蔽手段と室内側仕切り材との間に屋
外に連通するエア排出口を形成し、前記室外ガラスと室
内側仕切り材との間に設けられた日射遮蔽手段を室内側
仕切り材寄りの位置に配置したことを特徴とするもので
ある。
【0009】また、第2発明は、室外側に室外ガラスを
有するとともに、室内側にガラス、壁板パネル、透光シ
ート等の室内側仕切り材を有し、これら室外ガラスと室
内側仕切り材との間に日射遮蔽手段が設けられた窓にお
いて、前記窓の左右側において、室外ガラスと室内側仕
切り材との間の空間を室内空間に対して気密を図って取
付け、前記窓の下部側において、室内側に開口するエア
導入口を形成するとともに、このエア導入口から室外ガ
ラスと室内側仕切り材との間の空間に連通する連通口を
前記空間内における室内側仕切り材寄りに形成し、かつ
この連通口は流通する空気を前記室内側仕切り材に沿わ
すために少なくとも連通口の出口部において吐出流路方
向が上方向に規制され、前記窓の上部側において、日射
遮蔽手段と室内側仕切り材との間に屋外に連通するエア
排出口を形成したことを特徴とするものである。
【0010】この場合、前記連通口の出口部における吐
出流路の上方向規制手段としては、たとえば室外ガラス
保持枠の室内側鉛直面を利用することもできるし、ある
いは前記室外ガラス保持枠等から一体的に上下方向に突
出する起立片を形成してこれに吐出流路の上方向規制機
能を担わせることもできる。さらに、上下方向に起立す
るエア流通ガイド壁面を有する、たとえばアングル等の
形材を取り付けることによって吐出流路を上方向に規制
することができる。
【0011】本発明においては、前記第1発明にして
も、第2発明にしても、基本的に窓の下部から流入した
室内空気を室内側仕切り材に沿わせて流通させるように
している。前述のように特公平2−59267号によれ
ば、日射遮蔽手段と屋内ガラス板(室内側仕切り材)と
の間隔を日射遮蔽手段と屋外ガラス板との間隔より大き
くすることが好適とされているが、本発明者等による実
験によれば、日射遮蔽手段と室内側仕切り材との間隔が
大き過ぎると、室内側仕切り材の室外面側に滞留してい
る熱をもった空気を効果的に排出できないためか、相対
的に室内側仕切り材に沿わせて空気を流通させた場合と
比較して効果が低いことが知見された。特に、室外ガラ
スと室内側仕切り材との間隔が大きい場合に、その傾向
がより顕著となる。
【0012】したがって、本第1発明では、室外ガラス
と室内側仕切り材との間の空間(以下、閉鎖空間とい
う。)への室内空気流入口(連通口)を室内側仕切り材
寄りに形成するとともに、日射遮蔽手段を室内側仕切り
材寄りの位置に設置することにより、流通空気が室内側
仕切り材に沿って流れる条件を与えている。また、第2
発明にあっては、閉鎖空間内への室内空気流入口を室内
側仕切り材寄りに形成するとともに、この連通口は流通
する空気を前記室内側仕切り材に沿わすために少なくと
も連通口の出口部において吐出流路方向が上方向に規制
されることで流通空気が室内側仕切り材に沿って流れる
条件を与えている。これらの場合、上部のエア排出口に
ついては、前記日射遮蔽手段と室内側仕切り材との間に
形成されるが、本発明の趣旨から室内側仕切り材寄りの
位置に形成するのが望ましい。
【0013】また、本発明にあっては、窓の左右側にお
いて、室外ガラスと室内側仕切り材との間の空間を室内
空間に対して気密を図って取付けるようにしている。た
とえば、横方向に隣接する室内側仕切り材間に縦方向に
隙間に形成されたままである場合には、この縦方向の隙
間から空気が吸い込まれる結果となるため、窓の下部か
ら流入した空気を効果的に吸い上げることができず、温
度低減効果が著しく低下する。したがって、本発明では
窓の左右側においては室内側仕切り材の種別や取付け形
式を問わず、室内空間に対して気密状態として取付ける
ようにする。
【0014】なお、前記室内側仕切り材としてはガラス
の他、壁板パネル、透光シート等の各種仕切り材を対象
として使用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて詳述する。図1は壁体1の開口部に連
窓状態で空気流通窓が組み込まれた態様の内視図であ
り、図2は空気流通窓の縦断面図であり、図3はその要
部拡大図、図4はその横断面図である。RC壁体WA
に、上枠20、下枠21、左枠22、右枠23からなる
サッシ取付枠がアンカー鉄筋14および取付ブラケット
15A、15B、15Cを介して固定されている。サッ
シ取付枠は、図示されているように、壁体WAの内面よ
り室内側に突出しておらず、壁体WAの厚み内に納めら
れている。16は充填モルタルである。
【0016】また、サッシ枠内に、室外側にガラスGO
を有する室外障子1が嵌め殺し障子として配置され、ま
た室内側に本発明の「室内側仕切り材」たる、ガラスG
Iを有する室内障子2が室内外方向に離間して配置さ
れ、この室外障子1と室内障子2との間の閉鎖空間4内
に、ほぼその全面を覆うことができる日射遮蔽手段とし
てのブラインド3が垂下状態で取付けられている。この
ブラインド3は本発明に従って室内障子2寄りの位置に
設置されている。前記ブラインド3に代えてスリットを
有するシートや板材などを配置することも可能である。
なお、32は室内障子2の回転軸、33は開閉ハンド
ル、34は解錠ハンドルである。
【0017】また、サッシ取付枠と室外障子1との間の
四周は、タイトゴム5、6によって気密が図られてお
り、また室内障子2の上および左右は対応するサッシ取
付枠に対してタイトゴム7、7…により気密が図られて
いるが、下についてはタイト材が設けられておらず、下
部開口部としてエア導入口10が形成されている。ま
た、このエア導入口10から閉鎖空間4内に連通する連
通口11は閉鎖空間4内における室内障子2寄りの位置
に形成されている。前記連通口11は、閉鎖空間4内に
流入する空気が確実に室内障子2に沿って流れるよう
に、室外障子1の下框103(保持枠)の室内側鉛直面
103aと室内障子1の下框104の室外側鉛直面10
4aとによって連通口11の出口部において吐出流路方
向が上方向に規制されている。なお、図示の例では前記
室内側鉛直面103aの同一面に沿って上方向に延在す
るエア流通ガイド片103bが形成されており、より一
層室内障子2に沿って空気が流れるようにしてある。
【0018】一方、窓の上部側においては、室外障子1
の上框101と室内障子2の上框102との間の、室内
障子2に近接した間隙が流通空気のエア排出口12とさ
れている。上枠20は、室外ボックス部201の下部に
タイトゴム5、6との当りのための垂下片202、20
3が形成され、中央ボックス部204の上部には取付ブ
ラケット15Aとの逆L字状の連結片205が突出して
おり、また、室内側にはボックス部201、204の上
面より迫り上がった山部206が形成され、その室内側
端部から室内面壁207が垂下されている。さらに、山
部206には、取付ブラケット15Aとの連結のための
リップ溝型条208が形成されている。
【0019】山部206と室内面壁207の途中から鉤
条210および逆L字条211がそれぞれ室内方向に突
出して形成されている。
【0020】他方で、図1にも示されるように、上枠2
0の長手方向に関して、室内面壁207において、たと
えば2箇所切欠かれて上部開口部207a、207aが
形成されている。これらの上部開口部207a、207
aに連通して共通の水平に室内側に延びるチャンバー5
0が、T字条209および逆L字条211を利用してビ
スにより取付けられ、このチャンバー50の上面に枝ダ
クト51が連通され、各枝ダクト51は、主ダクト52
に連通されている。なお、主ダクト52の適宜の箇所に
は、排気ファン(図示せず)が設けられており、室外に
排気するようにしてある。
【0021】このように構成された窓においては、前記
排気ファンによる吸引力により、室内の空調空気がエア
導入口10から流入し、前記連通口11から閉鎖空間4
内に流入し、その後に室内障子2に沿うエア流通路4a
を通って上昇し、エア排出口12から山部206と室内
面壁207とで囲まれた空間に入り、さらに上部開口部
207a、207aから流出し、チャンバー50に共通
的に一旦集められ、枝ダクト51を介して主ダクト52
から室外に排気される。
【0022】次いで、本発明の実施の態様の第2例を図
5に基づいて述べる。具体的な細部構造については種々
異なるが、室外障子1と室内障子2とが室内外方向に離
間して配置され、これらによって形成された閉鎖空間4
内にブラインド3が設けられ、窓の下部に形成した室内
側に開口するエア導入口10から前記閉鎖空間4内に流
入した空気が窓上部のエア排出口12から室外に排出さ
れるようにした構造は基本的に同じである。
【0023】流通空気の流路部構造について詳述する
と、窓の下側には、下部開口部として室内側に開口する
エア導入口10が形成され、このエア導入口10から閉
鎖空間4内に連通する連通口11は閉鎖空間4内におけ
る室内障子2寄りに形成されている。そして、この連通
口11部において、室内障子2に沿って空気が流れるよ
うに、上下方向の鉛直壁面を有する下部エア流通ガイド
壁17を取付けている。
【0024】なお、前記下部エア流通ガイド壁17はサ
ッシ枠とともに一体的に形成してもよい。
【0025】一方で、本態様ではエア排出口12は室内
障子2から若干離れた位置に形成されているが、実質的
なエア排出口12’を室内障子2寄りとするために、上
部エア流通ガイド壁18を取付けている。したがって、
閉鎖空間4への流入部において流通空気は前記下部エア
流通ガイド壁17によって流路方向が上方向に規制され
た結果、周囲に拡散することなくそのほとんどが上方向
に向かって吐出され、室内ガラスGIに沿って流れた
後、上部エアガイド壁18によって室内ガラス寄りとさ
れたエア排出口12’から室外に排出される。本態様で
は、特に室内障子2寄りの位置にエア排出口12’を形
成したが、エア排出口に関してはブラインド3から室内
障子2の間のどの部分に形成する態様であっても、十分
な効果が得られると考えられる。
【0026】なお、この態様においては前記ブラインド
3が室内障子2寄りに位置していることは必須の構成と
されないが、可能な限りで室内障子2寄りとするのが好
ましいことは言うまでもない。
【0027】ところで、窓の左右側の気密構造に係り、
前記例においては、室内障子2は周囲の枠材に対して接
触するタイト材7により気密を図った構造となっている
が、左右方向に室内障子2が直に隣接するような構造の
場合にはたとえば図6(A)〜(B)に示されるよう
に、室内障子2の一方側から他方側に突き出したシール
片35、両室内障子2、2からそれぞれ突き出したシー
ル片36a、36bによって気密を確保するようにす
る。また、閉鎖空間4の室内外方向の間隔が大きな空気
流通窓では、たとえば室内ガラスのみが横方向に隣接し
て吊持された構造のものもあるが、このような場合には
横方向に隣接する両ガラスの側縁間に直接シールを施工
するか、図7に示されるように、両室内ガラスの側縁に
それぞれ押出成形等によって製造された嵌合タイプの透
明シール材37a、37bを取付け、両シール材37
a、37bの接触によって気密を確保するようにするこ
ともできる。いずれにしても、窓の側部から室内空気が
流入しないように室内ガラスGIの側部を封止した構造
とする必要がある。
【0028】他方、前記例では室内側仕切り材が室内ガ
ラスである場合について述べたが、本発明は他に壁板パ
ネルや可撓性の透光シートなども室内側仕切り材として
用いることができる。たとえば前記可撓性シートを室内
側仕切り材として用いた場合には、図8に示されるよう
に、横方向に隣接するシート24、24…間に重ね代を
もって配設したり(排気によって両者は密着する)、さ
らに好ましくはこの重ね部分にシール片を設けたり、両
者を接着するなどして気密を確保するようにする。
【0029】〔実験例〕以下、本発明の効果をさらに実
験によって明らかにする。具体的には図9に示されるよ
うに、実験窓40を製作し、この実験窓40の室外ガラ
ス42に日射を当て、各種の条件下で通気した時の室内
ガラス41の表面温度分布を赤外線サーモカメラ46で
観察した。上記実験窓40は、図10〜図11に示され
るように、高さ1284mm×横1610mmの窓であり、
室内ガラス41と室外ガラス42との間隔を260mmと
し、同一気象条件下で対比できるように、横方向中間に
両ガラス空間(閉鎖空間)を左右2つ(以下、空間I、
空間II)に分割する仕切り壁44を設けるとともに、こ
れら両空間に夫々室内外方向に移動可能なブラインド4
3A、43Bを設けたものである。ダクト45の途中に
はファン(図示しない)が設けられており、窓の下側か
ら流入した空気は、ガラス空間内を通り、ダクト45を
介して室外に排気されるようになっている。なお、流通
空気の流量は約80〜90m3/hである。
【0030】(実験1)図13に示されるように、空間
I側のブラインド43Aを室内ガラス41から45mm離
れた位置とし、空間II側のブラインド43Bを室内ガラ
ス41から165mm離れた位置として実験を行った。室
温条件は18.5℃である。
【0031】実験の結果、空間Iの方は室内ガラス41
の表面温度が29.0℃〜24.9℃の勾配で変化して
いるのに対して、空間IIの方は室内ガラス41の表面温
度が29.9℃〜27.5℃の勾配で変化している。こ
れより、空気流路を室内ガラス41に沿った位置に規制
した方が、はるかに温度低減効果が高いことが判る。
【0032】(実験2)図14に示されるように、空間
I側のブラインド43Aを室内ガラス41から45mm離
れた位置とし、空間II側のブラインド43Bを室内ガラ
ス41から105mm離れた位置として実験を行った。室
温条件は18.8℃である。
【0033】実験の結果、空間Iの方は室内ガラス41
の表面温度が28.3℃〜24.4℃の勾配で変化して
いるのに対して、空間IIの方は室内ガラス41の表面温
度が29.6℃〜25.7℃の勾配で変化している。こ
れより、空気流路を室内ガラス41に沿った位置に規制
した方が、はるかに温度低減効果があることが判る。
【0034】なお、実験1の結果をも踏まえると、温度
低減効果は間隔45mm、105mm、165mmの順であ
り、空気流路をより室内ガラス寄りに制限してやれば、
これに比例して温度低減効果も高くなることが判る。
【0035】(実験3)図15に示されるように、空間
I側はブラインド43Aを室内ガラス41から105mm
離れた位置とし、空気流入部に下側エア流通ガイド壁1
7を取付けるとともに、空気排出部に上側エア流通ガイ
ド壁18を取付け、空間II側はブラインド43Bを室内
ガラス41から単に105mm離れた位置として実験を行
った。室温条件は26.0℃である。
【0036】実験の結果、空間Iの方は室内ガラス41
の表面温度が35.8℃〜30.7℃の勾配で変化して
いるのに対して、空間IIの方は室内ガラス41の表面温
度が37.0℃〜32.1℃の勾配で変化している。こ
れより、ブラインド43Aが若干室内ガラス41より若
干離れた位置にあったとしても、上下に設けたエア流通
ガイド壁17、18によって流通空気は室内ガラス41
に沿わして流れるため十分な温度低減効果があることが
判明した。
【0037】(実験4)図16に示されるように、空間
Iの側はブラインド43Aを室内ガラス41から105
mm離れた位置とし、空気流入部に下側エア流通ガイド壁
17を取付けるとともに、空気排出部に上側エア流通ガ
イド壁18を取付け、空間IIの側はブラインド43Bを
室内ガラス41から同じく105mm離れた位置とし、空
気流入部の空気流路をわざとブラインド43B寄りとす
る上下エア流通ガイド壁46、47を設けて実験を行っ
た。室温条件は11.9℃である。
【0038】実験の結果、空間Iの方は室内ガラス41
の表面温度が23.7℃〜19.0℃の勾配で変化して
いるのに対して、空間IIの方は室内ガラス41の表面温
度が25.5℃〜21.2℃の勾配で変化している。上
記実験3の場合よりも両者の差が一層明確となり、上下
に設けたエア流通ガイド壁17、18による効果がより
明らかとなっている。
【0039】(実験5)図17に示されるように、空間
Iおよび空間II共に、ブラインド43Aを室内ガラス4
1から45mm離れた位置とし、空間IIについては室内ガ
ラス41の側縁に室内に連通する隙間を形成して、この
隙間から自由に室内空気が流入するようにした。なお、
室温条件は19.0℃である。
【0040】実験の結果、空間Iの方は室内ガラス41
の表面温度が28.5℃〜24.4℃の勾配で変化して
いるのに対して、空間IIの方は室内ガラス41の表面温
度が29.5℃〜24.4℃の勾配で変化している。室
内ガラス41の下側において両者の間には差はないが、
上側部分においては顕著な差異が見られた。
【0041】
【発明の効果】以上詳説のとおり、閉鎖空間内への空気
流入口位置やブラインド位置等を限定することによっ
て、あるいは連通口部に設けたエア流通ガイド壁などの
上方向への流路規制手段によって、流通空気が室内側仕
切り材に沿って流れる条件を与えることにより、室内側
仕切り材の表面温度をより室内温度に近づけることがで
きるようになり、もって空調負荷が軽減されエネルギー
効率を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】壁体開口部に連窓状態で空気流通窓が組み込ま
れた態様の内視図である。
【図2】空気流通窓の縦断面図である。
【図3】その要部拡大図である。
【図4】その横断面図である。
【図5】本発明の第2例に係る空気流通窓の縦断面図で
ある。
【図6】室内側仕切り材の側縁シール例の横断面図であ
る。
【図7】他の室内側仕切り材の側縁シール例の横断面図
である。
【図8】他の室内側仕切り材の側縁シール例の横断面図
である。
【図9】実験概要図である。
【図10】実験窓40の正面図である。
【図11】実験窓40の縦断面図である。
【図12】実験窓40の横断面図である。
【図13】実験1の測定結果図である。
【図14】実験2の測定結果図である。
【図15】実験3の測定結果図である。
【図16】実験4の測定結果図である。
【図17】実験5の測定結果図である。
【図18】従来の空気流通窓の縦断面図である。
【符号の説明】
1…室外障子、2…室内障子(室内側仕切り材)、3…
ブラインド、4…閉鎖空間、4a…エア流通路、5・6
・7…タイトゴム、10…エア導入口、11…連通口
(流入口)、12…エア排出口、17…下部エア流通ガ
イド壁、18…上部エア流通ガイド壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 光一郎 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内 (72)発明者 小高 明久 東京都江東区木場2丁目7番23号 新日軽 株式会社内 (72)発明者 井上 一則 東京都江東区木場2丁目7番23号 新日軽 株式会社内 (72)発明者 小野 清人 東京都江東区木場2丁目7番23号 新日軽 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室外側に室外ガラスを有するとともに、室
    内側にガラス、壁板パネル、透光シート等の室内側仕切
    り材を有し、これら室外ガラスと室内側仕切り材との間
    に日射遮蔽手段が設けられた窓において、 前記窓の左右側において、室外ガラスと室内側仕切り材
    との間の空間を室内空間に対して気密を図って取付け、 前記窓の下部側において、室内側に開口するエア導入口
    を形成するとともに、このエア導入口から室外ガラスと
    室内側仕切り材との間の空間に連通する連通口を前記空
    間内における室内側仕切り材寄りに形成し、 前記窓の上部側において、前記日射遮蔽手段と室内側仕
    切り材との間に屋外に連通するエア排出口を形成し、 前記室外ガラスと室内側仕切り材との間に設けられた日
    射遮蔽手段を室内側仕切り材寄りの位置に配置したこと
    を特徴とする空気流通窓。
  2. 【請求項2】室外側に室外ガラスを有するとともに、室
    内側にガラス、壁板パネル、透光シート等の室内側仕切
    り材を有し、これら室外ガラスと室内側仕切り材との間
    に日射遮蔽手段が設けられた窓において、 前記窓の左右側において、室外ガラスと室内側仕切り材
    との間の空間を室内空間に対して気密を図って取付け、 前記窓の下部側において、室内側に開口するエア導入口
    を形成するとともに、このエア導入口から室外ガラスと
    室内側仕切り材との間の空間に連通する連通口を前記空
    間内における室内側仕切り材寄りに形成し、かつこの連
    通口は流通する空気を前記室内側仕切り材に沿わすため
    に少なくとも連通口の出口部において吐出流路方向が上
    方向に規制され、 前記窓の上部側において、日射遮蔽手段と室内側仕切り
    材との間に屋外に連通するエア排出口を形成したことを
    特徴とする空気流通窓。
JP29856896A 1996-11-11 1996-11-11 空気流通窓 Pending JPH10140940A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6511901B1 (en) * 1999-11-05 2003-01-28 Atmel Corporation Metal redistribution layer having solderable pads and wire bondable pads
JP2015190104A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 幸爾 奥田 透明な窓枠、透明なクレセント及び微着色材シート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6511901B1 (en) * 1999-11-05 2003-01-28 Atmel Corporation Metal redistribution layer having solderable pads and wire bondable pads
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