JPH10140427A - リング精紡機における停止方法及びリング精紡機 - Google Patents

リング精紡機における停止方法及びリング精紡機

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JPH10140427A
JPH10140427A JP31021396A JP31021396A JPH10140427A JP H10140427 A JPH10140427 A JP H10140427A JP 31021396 A JP31021396 A JP 31021396A JP 31021396 A JP31021396 A JP 31021396A JP H10140427 A JPH10140427 A JP H10140427A
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JP
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yarn
spindle
rotation
positive
front roller
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Application number
JP31021396A
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English (en)
Inventor
Teruhiko Sato
輝彦 佐藤
Hiroshi Yokoyama
弘 横山
Ryoji Asakawa
良治 浅川
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Howa Machinery Ltd
Original Assignee
Howa Machinery Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な制御で、尻巻糸を確実に把持し、リン
グレールを巻始位置に上昇させたときに満ボビン下端に
糸を巻き付けないようにする。 【解決手段】 満管のタイミングで、スピンドル1の基
部に設けた、スピンドル回転による遠心力で開閉する積
極糸把持手段60を開放状態とする停止前回転数にスピ
ンドル回転を減速する一方、その状態でリングレール1
0を尻巻位置S1に下降させ、積極糸把持手段60の糸
導入空間に尻巻糸を1巻き以下の長さで巻き付けてドラ
フト駆動系内のクラッチを切ってフロントローラを止
め、更に、スピンドル1を減速して尻巻糸を積極糸把持
手段60に把持させた後に、リングレール10を次の巻
取のための巻始位置S2まで上昇させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リング精紡機に
おける満管の際の、停止方法及びその方法を実施するの
に好適なリング精紡機に関し、特に、スピンドル基部に
尻巻糸を保持させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スピンドル基部(ボビン下端の
下側)に尻糸巻部としてローレットを形成し、満管の際
にリングレールを降下させて、そのローレットにトラベ
ラを経た糸を2、3層巻き付けて尻巻糸として機台(ス
ピンドル)を停止し、その後、満ボビンをスピンドルか
らぬき上げて、満ボビンからボトムバンチに至る糸の途
中で糸を切断し、こうしてローラパートに連なる糸がト
ラベラを通ったまま、ローレットによりスピンドルに接
続させた状態で、次に空ボビンを装着して糸を巻きはじ
めるときに自動的に巻き付くようにしたもの(特開昭6
0−94629号、特公平7−96727号など)、
尻糸巻部への巻量を1巻以下としても、スピンドルへの
接続状態が良好となるように、スピンドル基部の尻糸巻
部に紡出回転時と逆方向の回転時に糸を捕捉する多数の
突起を有する糸捕捉を設けたもの(特開昭62−153
37号)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記では、尻糸巻部
が単にでこぼこしているだけのローレットであるから、
前述のように2、3回(好ましくは、それ以上)は糸を
巻き付けないと、尻巻糸が弛んでスピンドルと一体回転
せず、空ボビンへ自動巻き付けできないことがあった。
また、尻糸が尻糸巻部に残ってしまい、これを除去する
のに、別の手段を講じる必要があった。またでは、突
起に方向性を持たせ、突起により満ボビンに連なる糸を
引っかけるようにしているが、糸を単に引っかけること
で糸端をスピンドルに一体に接続するものであるから、
その接続状態は、堅固であるといえず不安定であり、尻
糸巻部への尻糸巻量を1巻き以下としたときには、ひっ
ぱり強さの大きな糸、例えば合成繊維の太番手のもので
は、満ボビンを抜き揚げるときに、突起による保持力で
は、糸を切断するための引っ張り力に対抗できず、尻糸
巻部から満ボビンの間で糸が切断されずに、尻糸巻部か
らドラフトローラにつらなる糸部分で切断し、再起動時
に、空ボビンに糸を自動巻きつけできないおそれがあっ
た。
【0004】ところで、これまでの精紡機においては、
ドラフト装置から送り出される糸をボビンに巻き取るた
めに、両者は、停止まで同期回転されており、そのこと
により、以下のような問題があった。即ち、品種変更に
より紡出条件が変わると、ドラフト駆動系やスピンドル
駆動系の慣性が変化し、スピンドル回転が停止するまで
の時間が変わる。そのため、満管停止時に、スピンドル
基部に尻糸巻を行った後、次の巻取の準備のために、リ
ングレールを所定の巻始位置まで上昇させたときに、依
然としてスピンドルが回転していて、満ボビンの下端に
紡出糸が巻きつくことがあった。すると、満ボビンを玉
揚げした時に、満ボビンとともに、その下端の糸が一緒
に引き上げられたときには、スピンドルの尻糸巻部から
ドラフトロ−ラに連なる糸が糸切れし、空ボビンを供給
した後の糸自動巻きつけができず、また、満ボビンから
前記下端の糸がはずれたときには、その糸の弛みにより
スナールが発生し、再起動時に糸切れをするなどの問題
があった。
【0005】前記特公平7−96727号では、スピン
ドルの尻糸巻部に所定の尻巻糸を巻き付けた後、フロン
トローラからの糸の送り出しを止めることで、次の巻取
りのためにリングレールを巻始位置まで上昇しても、糸
が満ボビンの下部外周に巻き付かないようにして前記問
題を防止しているが、尻糸巻部は前述の構造を採用して
いるから、ローレットや突起の有する欠点がいまだ解決
されていない。その上、特公平7−96727号では、
ドラフト駆動用モータからドラフト装置に到るドラフト
駆動系と、ドラフト駆動用モータからスピンドルに到る
スピンドル駆動系とを有しており、両者をスピンドル駆
動系に設けたクラッチで断続可能としておき、フロント
ローラからの糸送り出しを止めるときには、クラッチを
切ると共に、ドラフト駆動用モータを停止させているの
で、これら2つの制御対象を制御しなければならないた
めに制御が面倒となる問題があった。
【0006】この発明の課題は、尻巻糸の巻き付き長さ
をきわめて短くしても糸端をスピンドル側に堅固にグリ
ップできて、強度の大きな糸も満ボビンと尻巻糸との間
で切断し得て、次の空ボビンへの糸の自動巻き付けが確
実となり、しかも、尻巻後にリングレールを巻始位置ま
で上昇させても、満ボビン下端外周に糸を巻き付けるこ
とのない、制御容易なリング精紡機の停止方法、及びそ
れを実施するのに好適なリング精紡機を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題解決のため、本
願では、スピンドル基部に、スピンドル回転によって開
閉して糸を把持、開放可能な積極糸把持手段を備え、玉
揚げのための停止に際し、前記積極糸把持手段を開放状
態とするスピンドル回転中に、リングレールを開放状態
の積極糸把持手段と対応する尻巻位置まで降下させて糸
を積極糸把持手段に導き入れ、その状態で積極糸把持手
段が把持し得るに足る糸長さであって、1巻き以下とな
る糸長さを紡出してフロントローラからの糸の送り出し
を止め、その後、スピンドル回転を減速して糸を積極糸
把持手段に把持させ、その後機台を停止させることを特
徴とする。
【0008】フロントローラからの糸の送り出しは、例
えば、リングレールが積極位置把持手段と対応したこと
を検出したタイミングで計時を開始し、その後、積極糸
把持手段が把持し得るに足る1巻以下の糸長さを紡出し
た時間となったときに止められ、また、リングレールが
前記積極位置把持手段と対応したことを検出したタイミ
ングでフロントローラの回転量を測定開始し、その後、
その回転量が積極糸把持手段が把持し得るに足る1巻き
以下の糸長さと対応した回転量となったときに止められ
る。
【0009】スピンドルを駆動するスピンドル駆動系
と、フロントローラを駆動するドラフト駆動系とが、単
一のメインモータに連繋されているリング精紡機におい
ては、ドラフト駆動系にクラッチを介在させ、このクラ
ッチを切ることで、フロントローラが停止され、また、
スピンドルを駆動するスピンドル駆動系と、フロントロ
ーラを駆動するドラフト駆動系とが独立していて、夫々
別個の駆動モータに連繋されているリング精紡機におい
ては、ドラフト駆動系の駆動モータを停止することでフ
ロントローラが停止される。
【0010】上記方法を実施するリング精紡機は、スピ
ンドル基部にスピンドル回転により開閉して糸を把持、
開放可能な積極糸把持手段を設ける一方、リングレール
が積極糸把持手段と対応する尻巻位置まで降下したこと
を検出する手段と、その状態で積極糸把持手段が把持し
得るに足る1巻以下の糸長さを紡出したとき、フロント
ローラからの糸の送り出しを止める糸送出停止手段と、
フロントローラが糸の送り出しを止めるまでは、積極糸
把持手段が糸を受入可能に開放するスピンドル回転を維
持し、糸の送り出しを止めた後には、積極糸把持手段が
糸を把持するスピンドル回転に減速するように、スピン
ドル回転を制御するスピンドル回転指令手段とを備えて
いる。
【0011】積極糸把持手段は、具体的には、スピンド
ルに固定の固定側把持部材と、上下方向に変位する可動
側把持部材とを備え、可動側把持部材が固定側把持部材
に向けて糸把持するように付勢され、可動側把持部材
は、所定のスピンドル回転で生じる遠心力により固定側
把持部材との間に糸導入空間を形成し、その遠心力が作
用しないスピンドル回転で前記付勢力によって糸を把持
する方向に閉じるようにしてある。
【0012】
【発明の実施の形態】次に図面において、本願に係るリ
ング精紡機について説明する。図1において、1は精紡
機のスピンドルで、チンプーリシャフト3等を含むスピ
ンドル駆動系Aを介して周知のインバータ装置8により
制御される単一のメインモータ2に連繋してある。単一
のメインモータ2から、フロントローラ5、ミドルロー
ラ6及びバックローラ7から成るドラフトパート4に到
るドラフト駆動系Bの途中には、フロントローラ5を停
止させるためのクラッチ24が介在してある。メインモ
ータ2は、前記ドラフトローラ5〜7を所定のドラフト
比となるように駆動する。
【0013】リングレール10はリフティングピラー1
1に接続され、リフティングピラー11の下端がリフテ
ィングテープ12の一端に連結されている。リフティン
グテープ12の他端はリングレール昇降シャフト13に
一体に取付けたリフティングローラ14に連結してあ
る。リングレール昇降シャフト13には別のローラ15
が一体に取付けてあり、このローラ15に一端を固着し
たリフティングテープ16の他端が、リフティングレバ
ー17の中間に回動自在としたガイドローラ18を介し
てリフティングドラム19に固着してある。
【0014】前述のリフティングレバー17の基端は、
回転軸20回りに揺動自在に支持してある。リフティン
グレバー17の先端はハートカム21に圧接している。
ハートカム21はフロントローラ5の駆動系Bよりプー
リ22、チェン23、ギヤ対25を介して回転されるよ
うにしてあり、リングレール10にチェースが与えられ
るようになっている。ハートカム21の回転はエンコー
ダ30で検出される。
【0015】フロントローラ5の駆動系Bには、前記プ
ーリ22よりリフティングドラム19側に適宜な駆動系
26を介して後述のシェーパ送り用クラッチ42が切れ
たとき、即ち満管でリングレール下降時のみつながるク
ラッチ41が接続してある。クラッチ41は更に適宜な
駆動系27を介して軸29を回転するようになってい
る。軸29の回転はギヤ対28を介して前記回転軸20
に伝えられるようになっている。軸29の回転は、エン
コーダ45で検出され、制御装置50へ入力されるよう
にしてある。軸29の回転は制御装置50で積算され、
シェーパ送り量の総和即ち、リングレール10の高さ位
置情報となる。従って、前記エンコーダ45は、リング
レール10の位置検出手段を構成している。前記駆動系
27をはさんでクラッチ41と反対側にシェーパ送り用
のクラッチ42が接続してある。このクラッチ42は、
巻取中にはリングレール10にシェーパ送りを与え、満
管停止時には、リングレール10を巻始位置S2(図
5,6)に上昇させるための、リングレール上昇モータ
43に接続してある。
【0016】前記スピンドル1には、図2に示すよう
に、その基部に積極糸把持手段60が設けてある。積極
糸把持手段60において、スピンドル駆動系Aに含まれ
るスピンドルベルト61により回転するスピンドル1
に、環状の固定側把持部材62が一体に設けてある。固
定側把持部材62の外周には、所定ピッチで糸切断用の
カッタ刃62aが設けてある。固定側把持部材62の上
面は、ボビン70の載置面となっている。固定側把持部
材62の下側には、可動側把持部材63がスピンドル1
に上下方向移動自在に嵌装してある。可動側把持部材6
3の上部は、リング壁63aに形成され、このリング壁
63aは、固定側把持部材62の下面に設けた環状溝6
2bに上下方向移動自在に嵌め込まれている。可動側把
持部材63の内側には半径方向外側に向かって上向き傾
斜のテーパ部64が設けてある。可動側把持部材63
は、スピンドル1の鍔部1aとの間に圧縮ばね65が介
在されて、その上面が固定側把持部材62に圧接するよ
うに付勢され、固定側把持部材62との間で糸把持可能
となっている。スピンドル1の前記テーパ部64と対向
する部分には環状溝66が形成され、その環状溝66と
前記テーパ部64との間に形成される空間には、遠心力
発生用の部材、ここではボール67が遊動自在に環状に
多数介在してある。そして、スピンドル1が所定回転
(最高紡出回転数を15,000rpmとしたとき、例
えば、6,000rpm)に達すると、ボール67が前
記環状溝66に接する位置から、回転による遠心力で半
径方向外側に移動し、そのボール67の半径方向への移
動により、前記テーパ部64が下方に押され、ばね65
のバネ力に抗して可動側把持部材63を下方に押し下
げ、図2に示すように、固定側把持部材62との間に糸
導入空間Pを形成し、その遠心力が作用しないスピンド
ル回転となると、前記ばね65のバネ力によって、可動
側保持部材63を固定側保持部材に圧着するようになっ
ている。尚、可動側把持部材63の開閉するスピンドル
回転数は、圧縮ばね65のバネ力を適宜調整することに
より、前記値に限らず、別の値に設定することができ
る。
【0017】次に制御装置50について説明する。制御
装置50は中央演算処理部(CPU)52と、ROM,
RAMから成る記憶手段51とを中心に構成されたもの
であり、満管長さ、前記積極糸把持手段60が把持し得
るに足る1巻き以下の尻巻長に相当する尻巻時間等を入
力する入力手段としてのキーボード53を備えている。
制御装置50には、満管時に尻巻長さを制御するための
タイマ54が内蔵されている。制御装置50には、起動
から停止するまでの運転プログラムが記憶されている。
図3のフローチャートにおいて、ステップ1は、起動か
ら満管となるまでの巻取指令手段、ステップ2は、フロ
ントローラ5に接続されたパルサ−46(回転検出器:
紡出長検出装置)からのデータにより、予め設定された
満管長となったかを判別する満管判別手段である。ステ
ップ3は、満管となると、停止前回転数に減速する停止
前減速指令手段であり、その停止前のスピンドル回転数
は、積極糸把持手段60が糸導入空間Pを開くのに必要
な最低スピンドル回転数(把持回転数)より高い回転数
であって、通常紡出回転数より低い回転数に予め設定し
てある。
【0018】ステップ4はリングレール10を尻巻位置
S1まで下降させるように、シェーパ送りクラッチ42
を切断し、代わって、クラッチ41を繋ぐリングレール
下降指令手段である。ステップ5は、リングレール10
が尻巻位置S1に降下したことをエンコーダ45からの
検出信号で判別する検出手段、ステップ6は、制御装置
50内蔵のタイマ54を始動させる計時開始指令手段、
ステップ7は、タイマ54がタイムアップしたことによ
り、設定時間が経過したことを判別する手段、ステップ
8は設定時間経過によりクラッチ24を切断する糸送出
停止指令手段、ステップ9は送り出し停止のタイミング
で、スピンドル回転を停止に向かわせる減速指令手段、
ステップ10は、送り出し停止後に積極糸把持手段60
が糸を把持した後のタイミングでクラッチ41とクラッ
チ42の断続状態を切換え、リングレール上昇モータ4
3によりリングレール10を巻始位置まで上昇させるリ
ングレール上昇指令手段である。前記巻取指令手段に
は、管糸成形時にハートカム21の1回転をエンコーダ
30で検出すると(即ち1チェースが終わると)、予め
設定した一定量だけリフティングドラム19を回転させ
るように、リングレール上昇モータ43にシェーパ送り
指令を出力するシエーパ送り制御手段が含まれている。
【0019】以上の各ステップにおいて、ステップ6,
7,8は、前記クラッチ24と共に、積極糸把持手段6
0が把持し得るに足る1巻き以下の糸長さを紡出したと
き、フロントローラ5からの糸の送り出しを止める糸送
出停止手段を構成し、ステップ3,ステップ9は、フロ
ントローラ5が糸の送り出しを止めるまでは、積極糸把
持手段60が糸を受入可能に開放するスピンドル回転を
維持し、糸の送り出しを止めた後には、積極糸把持手段
60が糸を把持するスピンドル回転に減速するように、
スピンドル回転を制御するスピンドル回転指令手段を構
成する。
【0020】起動されると、クラッチ41は切りの状
態、クラッチ24、42は接続状態で、機台は運転プロ
グラムに従って運転され、ステップ1において、リング
レール10はリングレール上昇モータ43によるシェー
パ送りとハートカム21によるチェースを繰り返しつつ
フロントローラ5から紡出される糸をボビン70まわり
に巻取り、満管へ向かって上昇して管糸を形成する。そ
して、ステップ2で満管となったことが判別されると、
スピンドル回転数が、インバータ装置8によって停止前
回転数まで減速される。停止前回転数は、積極糸把持手
段60のボール67による遠心力が、積極糸把持手段6
0の可動側把持部材63をばね65に抗して押し下げる
に十分な大きさの遠心力となる回転数であるから、停止
前回転数で回転している間は、可動側把持部材63と固
定側把持部材62との間に、糸導入空間Pが形成された
状態が保持され、この状態は、少なくとも、ステップ8
のタイミングまでは維持される。
【0021】一方、満管後にリングレール10がトップ
バンチ巻位置まで上昇してトップバンチを形成すると、
ステップ4でクラッチ42が切れ、代わってクラッチ4
1が接続し、これにより、リングレール10はシェーパ
送りから切り離され、尻巻位置S1に向けて下降する。
リングレール10が尻巻位置S1まで下降する間に、満
ボビンFの外周に胴巻が施される。尻巻位置S1に達す
ると、トラベラリング36上のトラベラ35が開放状態
にある積極糸把持手段60の糸導入空間Pと対向し、ト
ラベラ35からの糸が糸導入空間Pに巻き付き始める。
尻巻位置S1に達したことが、エンコーダ45からの信
号で検知されると(ステップ5)、タイマ54が計時を
開始し(ステップ6)、尻巻時間となるとタイマ54が
タイムアップして設定時間経過が判別され(ステップ
7)、クラッチ24が切断され(ステップ8)、フロン
トローラ5が停止される。リングレール10が尻巻位置
S1にあって、糸導入空間Pに巻取る糸長さは前記尻巻
時間が、予め設定された1巻き以下の尻巻長さと対応す
る時間であるから、クラッチ24が切断されるまでに、
糸導入空間Pに巻取られる尻巻糸長さは、1巻き以下で
ある。そして、クラッチ24が切断されると、ドラフト
パート4の慣性が大きいから、フロントローラ5は瞬時
に停止し、その後は、フロントローラ5から糸送り出し
がなされないので、糸には撚りが掛かるのみで、糸の巻
取は行われない。ドラフト駆動系Bに介在したクラッチ
24を切断することでフロントローラ5からの糸送り出
しを止める構成では、クラッチ24のON,OFFのみ
の制御でよいから、制御が容易である。
【0022】クラッチ24が切られて糸送り出しが停止
したタイミングで、停止に向けて更に減速され、その途
中でスピンドル回転によるボール67の遠心力が、ばね
65力に抗しきれなくなると、可動側把持部材63が閉
じて、尻巻糸を固定側把持部材62との間で把持する。
そして、糸把持された後に、クラッチ41が切れ、シェ
ーパ送りクラッチ42が繋げられ、リングレール上昇モ
ータ43を駆動して、リングレール10を次の巻始位置
S2まで上昇させる。リングレール10が巻始位置S2
まで上昇したとき、紡出条件等の変更でスピンドル1の
慣性が大きくなっていて、図4のようにスピンドル1が
回転していても前記のごとく糸は送り出されていないか
ら、図5のように糸は満ボビンFの下端部外周に巻き付
かない。これにより、従来満ボビンF下端に糸が巻き付
くことで生じていた問題が解決される。そして、スピン
ドル1の完全停止後に玉揚げが行われるが、積極糸把持
手段60で尻巻糸が積極的に把持されているから、強度
の大きな糸であっても、積極糸把持手段60による糸把
持部分より満ボビン側で満ボビンFに繋がる糸がカッタ
刃62aによって確実に切断される。また、積極糸把持
手段60による糸把持部分からトラベラ35側の糸に
は、満ボビンF側の糸の引っ張り力が伝播せず、従っ
て、トラベラ35からフロントローラ5に繋がる糸が切
れることがなく、次の空ボビンへの自動巻き付けが確実
となる。
【0023】満ボビンFを取り出した後に、空ボビンが
スピンドル1に嵌装され、再起動される。すると、しば
らくは、積極糸把持手段60が尻巻糸を把持したまま、
空ボビンに巻き付けが行われるが、把持回転数を越える
スピンドル回転数となると、積極糸把持手段60が開い
て尻巻糸を開放する。尻巻糸は1巻きより少ないので、
尻巻糸は、遠心力で半径方向外側に容易に飛び出し、空
ボビンへの巻き付け部分より切断端の部分の撚りが戻
り、糸強度が落ちて、遠心力で吹き飛ばされる。従っ
て、尻巻糸が積極糸把持手段60に残ることがなく、次
回の尻巻も確実に行われる。
【0024】図6では、スピンドル1を駆動するスピン
ドル駆動系Aと、フロントローラ5を駆動するドラフト
駆動系Bとが独立していて、夫々別個の駆動モータ2
A,2Bに連繋されているリング精紡機を示す。この場
合、2つの駆動モータ2A,2Bは、制御装置100か
らの指令で、送り出しと巻取が一定の関係となるように
制御される。フロントローラ5に接続したフロントロー
ラ5の回転量検出器46により満管を検出すると、前記
同様に、前記積極糸把持手段60を開放状態とするスピ
ンドル回転を保持したまま、リングレール10を開放状
態の積極糸把持手段60と対応する尻巻位置まで降下さ
せて糸を積極糸把持手段60に導き入れ、リングレール
10が尻巻位置に下降したことを検知する検知手段45
Aからの信号により、紡出量検出器46からのフロント
ローラ5の回転量を測定開始し、その後、その回転量
が、1巻き以下であって、積極糸把持手段60が把持し
得るに足る糸長さと対応した回転量となったときに、ド
ラフト駆動系Bの駆動モータ2Bを停止することでフロ
ントローラ5を停止してフロントローラ5からの糸の送
り出しを止め、その後、スピンドル回転を減速して尻巻
糸を積極糸把持手段60に積極把持させ、その後、リン
グレール10を巻取開始位置S2まで上昇させる。この
実施例では、フロントローラ5の回転停止を、ドラフト
駆動系Bの駆動モータ2A自体を停止することのみで行
っているから、制御が容易である。
【0025】尚、上記した実施例では、スピンドル回転
を、満管後に、一定の停止前回転数に減速して、その停
止前回転数を保っている間に、尻巻制御を行うようにし
たが、本願では、満管後に、尻巻位置にリングレールが
下降して1巻き以下の尻巻が終了するまでに、積極糸把
持手段を開放状態とするスピンドル回転レベルを下回ら
ないようにスピンドル回転を制御することが肝要であ
り、そのスピンドル回転状態が実現されれば、通常紡出
回転から停止に向かう減速の途中で、本願尻巻制御を行
ってもよい。また、スピンドル駆動系とドラフト駆動系
が独立しているものでは、各スピンドルが夫々独立した
駆動モータを備えている、いわゆる単錘駆動スピンドル
を採用してもよい。
【0026】
【発明の効果】以上のように本願発明では、スピンドル
回転を制御して、尻糸巻部に設けた積極糸把持手段を開
閉制御し、積極糸把持手段に、把持するのに足る糸長さ
であって、1巻き以下となる糸長さを積極把持させる
と、フロントローラからの糸の送り出しを止めるように
したから、紡出条件が変更されて、スピンドル駆動系
や、ドラフト駆動系の慣性が変わったときに、尻糸巻後
にスピンドルが回転していても糸は巻取られないから、
尻糸巻後にリングレールを所定位置まで上昇させても、
満ボビンの下端外周に糸が巻付かず、玉揚げ時の糸切れ
や、再起動時の糸切れなどを防止できる。フロントロー
ラの停止は、ドラフトローラ駆動系の途中に介在したク
ラッチを切るか、あるいは、ドラフトローラ駆動系とス
ピンドル駆動系とが独立していて別々の駆動モータで駆
動されるときには、ドラフトローラ駆動用モータを停止
させるだけなので、制御対象が1つであって、制御容易
である。
【0027】また、スピンドル回転で開閉する積極糸把
持手段で糸を積極把持するから、従来のように、ローレ
ットや、突起を用いた場合に比べ、糸保持が格段に堅固
となり、強度の大きな糸でも、それを切断するのに要す
る引っ張り力に十分対抗することができ、積極糸把持手
段と満ボビンとの間で糸を確実に切断でき、次の空ボビ
ンへの糸自動巻きつけが確実である。また、1巻き以下
のきわめて少ない糸長さを積極糸把持手段にからませる
だけなので、糸の無駄が少なくなり、しかも、スピンド
ル回転が高速となると、把持していた尻巻糸を確実に開
放するので、積極糸把持手段に糸が残ることもなく、次
回の尻糸把持も確実となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願精紡機の駆動系を示す全体図である。
【図2】スピンドル基部の拡大断面図である。
【図3】制御プログラムを示すフローチャートである。
【図4】作動状態を示すタイミングチャートである。
【図5】尻巻糸の巻き付き状態を示す図である。
【図6】他の実施例である。
【符号の説明】
1 スピンドル 2 メインモータ 5 フロントローラ 10 リングレール 24 クラッチ 60 積極糸把持手段 62 固定側把持部材 63 可動側把持部材 65 圧縮ばね A スピンドル駆動系 B ドラフト駆動系 S1 尻巻位置 70 ボビン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピンドル基部に、スピンドル回転によ
    って開閉して糸を把持、開放可能な積極糸把持手段を備
    え、玉揚げのための停止に際し、前記積極糸把持手段を
    開放状態とするスピンドル回転中に、リングレールを開
    放状態の積極糸把持手段と対応する尻巻位置まで降下さ
    せて糸を積極糸把持手段に導き入れ、その状態で積極糸
    把持手段が把持し得るに足る糸長さであって1巻き以下
    となる糸長さを紡出してフロントローラからの糸の送り
    出しを止め、その後、スピンドル回転を減速して糸を積
    極糸把持手段に把持させ、その後機台を停止させること
    を特徴とするリング精紡機における停止方法。
  2. 【請求項2】 リングレールが積極位置把持手段と対応
    したことを検出したタイミングで計時を開始し、その
    後、積極糸把持手段が把持し得るに足る1巻き以下の糸
    長さを紡出した時間となったときに、フロントローラか
    らの糸の送り出しを止めるようにしたことを特徴とする
    請求項1記載のリング精紡機における停止方法。
  3. 【請求項3】 リングレールが前記積極位置把持手段と
    対応したことを検出したタイミングでフロントローラの
    回転量を測定開始し、その後、その回転量が、積極糸把
    持手段が把持し得るに足る1巻き以下の糸長さと対応し
    た回転量となったときに、フロントローラからの糸の送
    り出しを止めるようにしたことを特徴とする請求項1記
    載のリング精紡機における停止方法。
  4. 【請求項4】 スピンドルを駆動するスピンドル駆動系
    と、フロントローラを駆動するドラフト駆動系とが、単
    一のメインモータに連繋されているリング精紡機におい
    て、ドラフト駆動系にクラッチを介在させ、このクラッ
    チを切ることで、フロントローラを停止するようにした
    ことを特徴とする請求項1または2または3のいずれか
    1項記載のリング精紡機における停止方法。
  5. 【請求項5】 スピンドルを駆動するスピンドル駆動系
    と、フロントローラを駆動するドラフト駆動系とが独立
    していて、夫々別個の駆動モータに連繋されているリン
    グ精紡機において、ドラフト駆動系の駆動モータを停止
    することでフロントローラを停止するようにしたことを
    特徴とする請求項1または2または3のいずれか1項記
    載のリング精紡機における停止方法。
  6. 【請求項6】 フロントローラから送り出されてくる糸
    を、スピンドルに装着したボビンに巻き取ってゆくリン
    グ精紡機において、スピンドル基部にスピンドル回転に
    より開閉して糸を把持、開放可能な積極糸把持手段を設
    ける一方、リングレールが積極糸把持手段と対応する尻
    巻位置まで降下したことを検出する手段と、その状態で
    積極糸把持手段が把持し得るに足る1巻き以下の糸長さ
    を紡出したとき、フロントローラからの糸の送り出しを
    止める糸送出停止手段と、フロントローラが糸の送り出
    しを止めるまでは、積極糸把持手段が糸を受入可能に開
    放するスピンドル回転を維持し、糸の送り出しを止めた
    後には、積極糸把持手段が糸を把持するスピンドル回転
    に減速するように、スピンドル回転を制御するスピンド
    ル回転指令手段とを備えたことを特徴とするリング精紡
    機。
  7. 【請求項7】 積極糸把持手段は、スピンドルに固定の
    固定側把持部材と、上下方向に変位する可動側把持部材
    とを備え、可動側把持部材が固定側把持部材に向けて糸
    把持するように付勢され、可動側把持部材は、所定のス
    ピンドル回転で生じる遠心力により固定側把持部材との
    間に糸導入空間を形成し、その遠心力が作用しないスピ
    ンドル回転で前記付勢力によって糸を把持する方向に閉
    じるようにしたことを特徴とする請求項6記載のリング
    精紡機。
JP31021396A 1996-11-05 1996-11-05 リング精紡機における停止方法及びリング精紡機 Pending JPH10140427A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009517558A (ja) * 2005-12-08 2009-04-30 ケーニヒ、ギュンター リング精紡機またはリング撚糸機のスピンドル上の下部巻き付け糸用の糸締め付け装置
JP2009536989A (ja) * 2006-05-13 2009-10-22 エーリコン アコーテックス テクスパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング クランプ装置
JP2010270430A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Mas Fab Rieter Ag 紡績機または撚糸機のスピンドル用糸クランプ装置

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