JPH10140119A - 粘着剤組成物 - Google Patents

粘着剤組成物

Info

Publication number
JPH10140119A
JPH10140119A JP31550996A JP31550996A JPH10140119A JP H10140119 A JPH10140119 A JP H10140119A JP 31550996 A JP31550996 A JP 31550996A JP 31550996 A JP31550996 A JP 31550996A JP H10140119 A JPH10140119 A JP H10140119A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensitive adhesive
pressure
adhesive composition
compound
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31550996A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Kimura
佳宏 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP31550996A priority Critical patent/JPH10140119A/ja
Publication of JPH10140119A publication Critical patent/JPH10140119A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着性及び凝集力に優れ、特に微小凹凸を有
する表面の被着体との接着性に優れた粘着剤組成物を提
供すること。 【解決手段】 アクリル系(共)重合体(A)、エポキ
シ基と反応する官能基を有するシラン系化合物(B)及
び有機溶剤(C)を配合してなり、かつ有機溶剤(C)
の含有量が5〜5000ppmで、更に400gf/c
2のズレ応力負荷時のズレ速度に基づく凝集力を0.
2μm/分以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系粘着剤
組成物に関し、更に詳しくは偏光フィルム等の光学フィ
ルムとガラス基材等との接着性に優れた粘着剤組成物に
関する。
【0002】
【従来技術】一般に、従来より用いられている粘着剤組
成物あるいは粘着テープ、粘着シート等のその応用物品
は常温において指圧程度の圧力で種々の適用体面に接着
可能であるために、種々の用途に用いられており、最近
では偏光フィルム等の光学フィルムの接着にもアクリル
系粘着剤が多用されているが、その要求性能は年々向上
してきて、高温・高湿条件における耐久性に優れた粘着
剤が要求されている。
【0003】例えば、高温・高湿条件における偏光フィ
ルムとガラス板との接着性の向上を目的として、特開平
7−301792号公報には、アクリル系アルキルエス
テルと官能性モノマーを特定量配合したり、特定量の架
橋剤を配合したりした400gf/cm2のズレ応力負
荷時のズレ速度に基づく凝集力が0.2μm/分以上の
アクリル系粘着剤が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにアクリル系粘着剤の400gf/cm2のズレ応
力負荷時のズレ速度に基づく凝集力を0.2μm/分以
上に調整しただけでは、24時間程度の高温・高湿条件
下における接着性は満足するものの、温冷繰り返し時の
接着耐久性については考慮されておらず、更には表面に
微小凹凸を有する被着体に対する接着性についても考慮
されておらずまだまだ改善の余地が残るところで、特に
偏光フィルム等の光学フィルムとガラス基材との接着に
おいて、かかるガラス表面が平滑性に劣る場合や意匠的
に表面に凹凸が設けられた場合(例えば、表示の枠,文
字,キャラクター,パターン等がガラス表面に印刷等で
設けられている場合など)などは、被着面が表面粗さ数
μm或いは数十μmの高さの凹凸を有するという微小凹
凸粗面になり、接着性が低下する恐れがあり、本発明者
の検討では、かかるアクリル系粘着剤では、表面凹凸の
激しい被着体に対する接着性については、まだまだ改善
の余地があることが判明した。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はかか
る課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アクリル系
(共)重合体(A)、エポキシ基と反応する官能基を有
するシラン系化合物(B)及び有機溶剤(C)を含有し
てなり、かつ有機溶剤(C)の含有量が5〜5000p
pmで、更に400gf/cm2のズレ応力負荷時のズ
レ速度に基づく凝集力を0.2μm/分以上である粘着
剤組成物が、上記の如き表面が微小凹凸を有する被着体
に対しても良好な接着性を有し、更に耐久性も良好であ
ることを見いだし本発明を完成した。
【0006】本発明の粘着剤組成物は、上記の如くアク
リル系(共)重合体(A)、エポキシ基と反応する官能
基を有するシラン系化合物(B)及び有機溶剤(C)を
含有し、かつその有機溶剤(C)含有量を5〜5000
ppmにコントロールし、更に400gf/cm2のズ
レ応力負荷時のズレ速度に基づく凝集力を0.2μm/
分以上にコントロールすることを最大の特徴とするもの
で、更にはエポキシ基を少なくとも2個以上有する化合
物(D)、アミン系化合物(但しシラン系化合物は除
く)(E)、架橋助剤(F)等を配合することにより本
発明の効果をより顕著に発揮することができるもので、
特に偏光フィルム等の光学フィルムとガラス基材との接
着に有用である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明のアクリル系(共)重合体(A)は、ア
クリル酸アルキルエステルを主成分として、これに極性
単量体成分を共重合したもので、かかるアクリル酸アル
キルエステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジ
ル、アクリル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数
2〜12程度のアクリル酸アルキルエステルやメタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタク
リル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアル
キル基の炭素数4〜12程度のメタクリル酸アルキルエ
ステル等が挙げられ、更にはアクリル酸メチルやメタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル等のアルキル基の炭素数1〜3のメタクリル酸アル
キルエステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、スチレン等が挙げられる。又、アルキル
基が芳香環基、複素環基、ハロゲン原子等で置換されて
いるアクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸アルキ
ルエステル等、一般にアクリル系樹脂の合成に用いられ
るモノマーを、本発明の粘着剤アクリル系樹脂の合成に
も用いることもできる。
【0008】また、該極性単量体としては、架橋点など
として機能するものが用いられ、その種類について特に
限定はないが、一般には例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸の如きカル
ボキシル基含有単量体、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキ
シビニルエーテルの如きヒドロキシル基含有単量体、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−t−
ブチルアミノエチルアクリレートの如きアノミ基含有単
量体、アクリルアミド、メタクリルアミドの如きアミド
基含有単量体、N−メチロールアクリルアミド、N−メ
チロールメタクリルアミドの如きメチロール基含有単量
体、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
トの如きエポキシ基含有単量体などが用いられる。極性
単量体成分の共重合割合は、アクリル酸系アルキルエス
テル成分100重量部あたり0.5〜20重量部が一般
的である。
【0009】アクリル系(共)重合体(A)の製造に当
たっては、上記のアクリル酸系アルキルエステル及び極
性単量体成分等を有機溶剤中でラジカル共重合させる如
き、当業者周知の方法によって容易に製造することがで
きる。
【0010】かかるラジカル共重合に用いられる有機溶
剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロ
ピルアルコール、iso−プロピルアルコール等の脂肪
族アルコール類、メチルエチルケトン、アセトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等
が挙げられる。又、ラジカル共重合に使用する重合触媒
としては、通常のラジカル重合触媒であるアゾビスイソ
ブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド
等が具体例として挙げられる。更に、重合条件について
は、当業者周知の条件で行われる。
【0011】また、エポキシ基と反応する官能基を有す
るシラン系化合物(B)としては特に制限されることな
く、例えば、カルボキシル基含有シラン系化合物(酸無
水物構造のものも含む)、アミノ基含有シラン系化合
物、ヒドロキシル基含有シラン系化合物、アミド基含有
シラン系化合物、メルカプト基含有シラン系化合物等が
挙げられるが、なかでもカルボキシル基含有シラン系化
合物、特に酸無水物構造を有するシラン系化合物が最も
好ましい。かかるカルボキシル基含有シラン系化合物と
しては、例えば、下記化1で示される3−トリエトキシ
シリルプロピルコハク酸無水物(商品名:GF−20、
Wacker−Chemie GmbH製)、下記化2
で示される3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸、
3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸(無水物)、
3−メチルジメトキシシリルプロピルコハク酸(無水
物)、メチルジエトキシシリルプロピルコハク酸(無水
物)、下記化3で示される1−カルボキシ−3−トリエ
トキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
【0012】
【化1】
【化2】
【化3】 尚、本発明におけるカルボキシル基とは、上記の如く酸
無水物構造を含むものである。
【0013】又、アミノ基含有シラン系化合物として
は、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン等、ヒドロキシル基含有シラン系化合物
としては、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン
等、アミド基含有シラン系化合物としては、γ−アミド
プロピルトリメトキシシラン等、メルカプト基含有シラ
ン系化合物としては、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン等が挙げられる。
【0014】かかるエポキシ基と反応する官能基を有す
るシラン系化合物(B)の含有量については、上記アク
リル系(共)重合体(A)100重量部に対して0.0
001〜10重量部、好ましくは0.0005〜7重量
部、更に好ましくは0.001〜5重量部である。かか
る含有量が0.0001重量部未満では添加の効果が得
られ難く、また、10重量部を越えると凝集力が低下し
て好ましくない。本発明では、上記(A)及び(B)に
加えて、有機溶剤(C)を5〜5000ppm含有させ
る必要があり、かかる含有量が5ppm未満では、貼合
性に劣り、逆に5000ppmを越えると凝集力が低下
し、耐久性も低下して、本発明の効果を得ることができ
ない。かかる有機溶剤(C)の調整方法としては、特に
限定されないが、乾燥温度や乾燥時間等の乾燥条件、養
生条件等をコントロールする方法を挙げることができ
る。又かかる有機溶剤(C)としては、トルエン、キシ
レン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アルコール類
(メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール等)などを挙げることができ、ト
ルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンが好適に用い
られる。
【0015】また、本発明の粘着剤組成物は、400g
f/cm2のズレ応力負荷時のズレ速度に基づく凝集力
が0.2μm/分以上(更には0.2〜200μm/
分)であることも必要で、かかる凝集力が0.2μm/
分未満では、貼合性或いは耐久時(特に耐熱時)の特性
が低下して本発明の効果を得ることができない。尚、か
かる凝集力の測定は特開平7−301792号公報に記
載の如き山本式凝集力測定装置を用いて、荷重2000
g、温度23℃の条件で30分から120分間のズレ速
度から測定されるものである。かかる凝集力を調整する
方法としては、特に限定されないが、(B)成分の配合
量や(C)の含有量をコントロールしたり、更には、
(A)〜(C)の配合量のバランスをコントロールした
りする等の方法により調整することができる。更に、本
発明では、必要に応じて上記エポキシ基と反応する官能
基を有するシラン系化合物(C)と共にエポキシ系シラ
ン、アクリル系シラン等の他のシラン系化合物を併用す
ることも可能である。
【0016】本発明においては、上記(A)〜(C)
に、更にエポキシ基を少なくとも2個以上有する化合物
(D)を配合することも基材への粘着性向上の点で有用
で、かかる化合物(D)としては、エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパントリグリシジルエーテル、2,2−ジブロ
モ・ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ア
ジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシ
ジルエステル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリ
シジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリ
シジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ソ
ルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロール
ポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグ
リシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエー
テル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)
イソシアヌレート、グリセロールジリグリシジルエーテ
ル、グリセロールトリグリシジルエーテル、N,N,
N′,N′−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、
1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シ
クロヘキサン等が挙げられ、なかでもエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリ
シジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジ
ルエーテルが好適に採用されるが、特に好ましいものと
しては水酸基をも有する化合物、例えばソルビトールポ
リグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジ
ルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、
グリセロールジリグリシジルエーテル等が採用される。
そのなかでもグリセロールジグリシジルエーテルが最も
好ましいものとして挙げられる。
【0017】かかるエポキシ基を少なくとも2個以上有
する化合物(D)の含有量については、上記アクリル系
(共)重合体(A)100重量部に対して0.0001
〜10重量部、好ましくは0.001〜10重量部、更
に好ましくは0.001〜5重量部であることが望まれ
る。かかる含有量が0.0001重量部未満では、添加
の効果が得られず、又、10重量部を越えると凝集力が
低下することとなり好ましくない。
【0018】本発明においては、上記(A)〜(C)或
いは(A)〜(D)の他に更にアミン系化合物(但しシ
ラン系化合物は除く)(E)を含有させることが好まし
く、本発明の効果が顕著に発揮できる。該アミン系化合
物(E)としては特に制限されず、例えば、トリエチレ
ンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルトリメ
チレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ア
ミノエチルピペラジン、N,N,N′,N′−テトラメ
チルエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、2−メチルイミダゾール、ピリジン、1−シアノエ
チル−2−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシク
ロ−7−ウンデセン、ベンジルジメチルアミン、トリエ
タノールアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロ
リド、トリブチルアミン、三ふっ化ホウ素−ジメチルア
ミン錯体等が挙げられ、なかでもトリエチレンジアミ
ン、N,N,N′,N′−テトラメチルトリメチレンジ
アミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジ
アミン、2−メチルイミダゾールが特に好ましい。かか
るアミン系化合物(E)の含有量については、アクリル
系(共)重合体(A)100重量部に対して0.000
1〜10重量部、好ましくは0.001〜10重量部、
更に好ましくは0.001〜5重量部であることが望ま
れる。
【0019】又、本発明では、上記(A)〜(E)の他
に、更に架橋助剤(F)としてポリオール系化合物(但
し多官能エポキシ化合物)やメラミン系化合物、ジビニ
ルベンゼンを一種又は二種以上含有させることが好まし
い。かかる含有量については、アクリル系(共)重合体
(A)100重量部に対して、ポリオール系化合物の場
合で0.001〜50重量部、好ましくは0.01〜3
0重量部、メラミン系化合物の場合で0.001〜10
重量部、好ましくは0.001〜0.5重量部、ジビニ
ルベンゼンの場合で0.0001〜10重量部、好まし
くは0.001〜10重量部であることが好ましく、本
発明の効果が顕著に発揮できる。
【0020】該ポリオール系化合物としては、特に制限
されることはなくポリエーテルポリオール、ポリエステ
ルポリオール、水酸基含有ポリブタジエンポリオール、
アクリルポリオール、ヒマシ油の誘導体、トール油誘導
体等の窒素を含有しないポリオールが挙げられ、その中
でも好適には、トリメチロールプロパン、1,4−ブタ
ンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチ
ルペンタン−1,3,5−トリオール等が挙げられる
が、好ましくは下記の化4及び化6に示されるような窒
素を含有したポリオール系化合物が挙げられ、具体的に
は、化4としてトリエタノールアミン、メチルジエタノ
ールアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポ
リオキシエチレンラウリルアミン、好ましくはメチルジ
エタノールアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミ
ンが挙げられ、化6としてはN,N,N′,N′−テト
ラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、
アデカクオドロール(旭電化工業(株))が挙げられ
る。
【0021】
【化4】 ここで、R、R′はアルキル基で、R1は水素、アルキ
ル基、アシル基、フェニル基、あるいは下記の化5のい
ずれかで、m、n、k、lは0以上の整数(但し、mと
n、kとlとはいずれも同時に0にはならない。)であ
る。
【化5】
【0022】
【化6】 ここで、R、R′はアルキル基で、Xはアルキレン基又
はフェニレン基で、a、b、m、n、k、l、x、yは
0以上の整数(但し、aとb、mとn、kとl、xとy
とはいずれも同時に0にはならない。)で、pは1以上
の整数である。
【0023】又、該メラミン系化合物としては特に制限
されないが下記の化7で示される化合物が好ましく、具
体的にはR2が水素(9重量%)、−CH2OH(31重
量%)、−CH2OBu(60重量%)からなるスーパ
ーベッカミンJ−820−60(大日本インキ化学工
業)が挙げられる。
【0024】
【化7】 ここで、R2は水素又は−CH2−O−R2′(但し、
2′は水素、アルキル基)で、R3はR2又は縮合によ
り生成する結合で、rは1以上の整数である。
【0025】又、ジビニルベンゼンを用いた場合は、得
られる粘着剤組成物を基材に塗工し、フィルム等に貼合
した後、必要に応じて電子線照射することが好ましい。
電子線照射については、0.1Mrad〜10Mrad
の照射量を照射することが好ましい。本発明では、上記
アミン系化合物(E)と上記架橋助剤(F)を併用した
とき、最も優れた粘着物性を示す。
【0026】又、本発明においては、上記の如きアクリ
ル系(共)重合体(A)、エポキシ基と反応する官能基
を有するシラン系化合物(B)及び有機溶剤(C)、更
にはエポキシ基を少なくとも2個以上有する化合物
(D)、アミン系化合物(E)、架橋助剤(F)等が含
有されていればよく、その配合方法、配合順序等につい
ては、特に制限はなく任意の方法を採用することができ
る。尚、本発明においては、その他に架橋剤として、イ
ソシアネート系、金属キレート系、メラミン系、アジリ
ジン系等の架橋剤を挙げることができ、これらのうち特
に好ましくはイソシアネート系化合物、更に好ましくは
多官能イソシアネート、例えばトリレンジイソシアネー
トのトリメチロールプロパン付加物、エチレンジイソシ
アネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイ
ソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート等が挙げられる。
【0027】かくして本発明の粘着剤組成物は、粘着性
及び凝集力に優れ、かつ、本発明の特徴である微小凹凸
を有する粗面への接着力にも優れた効果を示す粘着剤組
成物である。尚、本発明の粘着剤組成物の使用に当たっ
ては、被着体に塗工してすぐに貼着に供しても良いし、
或いは有機溶剤等で希釈して(5000ppmを越える
有機溶剤含有量)塗工した後、(熱)乾燥等により有機
溶剤を除去して本発明の粘着剤組成物(有機溶剤含有量
5〜5000ppm)とすることもでき、如何なる場合
においても、有機溶剤含有量5〜5000ppmの範囲
内で接着に供される、或いは供されていることが重要で
ある。
【0028】そして、該粘着剤組成物は、粘着テープ、
粘着シート等の各種粘着用途として有効に用いられ、更
に各種基材に貼り合わされる。基材は特に限定されない
が、ステンレス板、アルミニウム板、鋼板、銅板等をは
じめとするあらゆる材質の金属板、ポリエチレン板、ポ
リプロピレン板、メラミン板、フェノール板等の合成樹
脂化粧板、合板、単板、ガラス板等のいわゆる板状物の
他、棒状物、陶器や各種成形物の表面に貼り合わすこと
ができる。必要に応じて、貼合後、上述の如く電子線照
射を行うこともある。
【0029】又、本発明の粘着剤組成物は、基材、特に
ガラス基材と光学フィルムとの接着において非常に優れ
た効果を示す。即ち、該粘着剤組成物を用いることによ
り、上記の如く微小凹凸を有するガラス基材との接着性
に優れ、粘着剤層の発泡や剥離等の外観欠点が発生せ
ず、更には光学特性についても優れた光学積層体を得る
ことができる。
【0030】本発明に用いる光学フィルムとしては、光
学特性を有するフィルムであれば特に限定されないが、
偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム等の
使用が好ましく、これらの光学フィルムとガラス基板の
接着に本発明の粘着剤組成物を用いることにより、耐熱
性、耐湿熱性及び光学特性に優れた光学フィルム/ガラ
ス基板の光学積層体が得られるのである。尚、本発明で
は、主として偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光
フィルム等の光学フィルムには保護層を設けるが、特に
断りのない限り、ここでは保護層の有無にかかわらず光
学フィルムと称する。
【0031】以下、光学積層体について詳述する。本発
明では、例えば、主としてポリビニルアルコール系偏光
フィルムを基材とし、これに必要に応じ保護層を設けた
偏光板、あるいはポリビニルアルコール系やポリカーボ
ネート系の位相差フィルムを基材とし、これに必要に応
じ保護層を設けた位相差板、更には偏光フィルムと位相
差フィルムを組み合わせた楕円偏光板等に、粘着剤層及
び離型フィルムを付加するのである。粘着剤層及び離型
フィルムを付加する方法としては、離型フィルムの上に
粘着剤層を設け、その上に光学フィルムを貼り合わせる
方法、あるいは逆に光学フィルムの上に粘着剤層を設
け、その上に離型フィルムを貼り合わせる方法が通常取
られる。
【0032】このようにして得られた粘着剤層を有する
光学フィルムは使用時に適当に切断され、離型フィルム
を剥がし、相手基材であるガラスあるいは他の基材と貼
り合わせ、液晶表示素子、防眩用あるいはサングラスと
して用いられる。又、前記粘着剤層を有する光学フィル
ムは、更に反射板及び/又は半透明層を設けることによ
り、反射型あるいは半透過型の液晶表示板に使用され
る。この反射板としては通常アルミニウム、銀等の箔、
板が使用される。又、半透明層としては反射型及び透過
型の両方に使用可能となるべく反射率と透過率が選ば
れ、適宜材料は選択される。
【0033】位相差フィルムには、特に制限されること
なくポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィ
ン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタアク
リレート、液晶ポリマー、トリアセチルセルロース系樹
脂、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物、ポリ塩化ビニル等が採用されるが、主とし
てポリカーボネート、ポリビニルアルコール系樹脂フィ
ルムが用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂として
は通常酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化し
て製造されるが、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステ
ル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニ
ルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共
重合可能な成分を含有していても良い。又、ポリビニル
アルコールを酸の存在下でアルデヒド類と反応させた、
例えばポリブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂
等のいわゆるポリビニルアセタール樹脂及びポリビニル
アルコール誘導体が挙げられる。平均重合度は500〜
10000、ケン化度は80〜100モル%のもので、
1.01〜4倍程度に一軸延伸されたものであることが
望ましい。
【0034】一方、偏光フィルムには平均重合度が15
00〜10000、ケン化度が85〜100モル%の上
記ポリビニルアルコール系樹脂を原反フィルムとして、
ヨウ素−ヨウ化カリの水溶液あるいは二色性染料により
染色された一軸延伸フィルム(2〜10倍、好ましくは
3〜7倍程度の延伸倍率)が用いられる。
【0035】保護層としては従来から知られているセル
ロースアセテート系フィルム、アクリル系フィルム、ポ
リエステル系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィ
ルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエーテルエー
テルケトン系フィルム、ポリスルホン系フィルム等が挙
げられるが、好適には三酢酸セルロースフィルム等のセ
ルロースアセテート系フィルムが用いられる。更に、必
要に応じて、上記樹脂フィルムにサリチル酸エステル系
化合物、ベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾー
ル系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯
塩系化合物等の紫外線吸収剤を配合させることも可能で
ある。
【0036】本発明の光学積層体としては、特に制限さ
れることなく種々の層構成が挙げられる。例えば、保護
層/偏光フィルム/保護層/本発明の粘着剤層/ガラス
(又は離型用フィルム)、機能層/保護層/偏光フィル
ム/保護層/本発明の粘着剤層/ガラス(又は離型フィ
ルム)、位相差フィルム/本発明の粘着剤層/ガラス
(又は離型フィルム)、保護層/位相差フィルム/保護
層/本発明の粘着剤層/ガラス(又は離型フィルム)、
(保護層/)偏光フィルム(/保護層)/アクリル系粘
着剤層/(保護層/)位相差フィルム(/保護層)/本
発明の粘着剤層/ガラス(又は離型フィルム)、機能層
/保護層/偏光フィルム(/保護層)/アクリル系粘着
剤層/(保護層/)位相差フィルム(/保護層)/本発
明の粘着剤層/ガラス(又は離型フィルム)、マスキン
グ層/偏光フィルム(/保護層)/アクリル系粘着剤層
/(保護層/)位相差フィルム(/保護層)/本発明の
粘着剤層/ガラス(又は離型フィルム)、(保護層/)
位相差フィルム(/保護層)/アクリル系粘着剤層/
(保護層/)偏光フィルム(/保護層)/本発明の粘着
剤層/ガラス(又は離型フィルム)、マスキング層/位
相差フィルム(/保護層)/アクリル系粘着剤層/(保
護層/)偏光フィルム(/保護層)/本発明の粘着剤層
/ガラス(又は離型フィルム)、(ガラス又は離型フィ
ルム/)本発明の粘着剤層/(保護層/)位相差フィル
ム(/保護層)/アクリル系粘着剤層/(保護層/)偏
光フィルム(/保護層)/本発明の粘着剤層/ガラス
(又は離型フィルム)等がある。
【0037】上記機能層としては、ハードコート層、反
射防止層、アンチグレア層等がある。又、マスキング層
としては、厚みが10〜100μ程度のポリエチレンフ
ィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の合成
樹脂系フィルムが用いられ、離型フィルムとしては、紙
の表面に離型性シリコーン、ワックス、パラフィン類、
塩化クロムステアレート又は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂等の合成樹脂による剥離層を設けた剥離紙や、ポリエ
ステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム等を基材とする合成樹脂系の
ものが用いられる。更に、保護層と偏光フィルム又は位
相差フィルムの積層に関しては、天然あるいは合成ゴ
ム、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニ
ルアルコール系樹脂等を主成分とする接着剤ないし粘着
剤等を用いて、風乾法、化学硬化法、熱硬化法、熱溶融
法等により接着せしめることができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて具体的
に説明する。尚、以下「部」、「%」とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。 実施例1 アクリル酸n−ブチル:アクリル酸=95:5(重量
比)の配合物100部を過酸化ベンゾイル(重合開始
剤)0.3部の存在下、トルエン中で重合してアクリル
系共重合体(A)の溶液(固形分27%)を得た。次い
で、得られたアクリル系共重合体(A)の溶液に、該共
重合物溶液の固形分100部に対して、3−トリエトキ
シシリルプロピルコハク酸無水物(B)(商品名:GF
−20、Wacker−Chemie GmbH製)
1.0部を添加し、更に架橋剤としてコロネートL(日
本ポリウレタン工業(株)製のトリレンジイソシアネート
のトリメチロールプロパン付加物)を1.0部添加して
充分混合して粘着剤組成物を得た後、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム(サイズ:幅25mm、長さ150
mm)に塗工して、100℃で2分間乾燥(乾燥後の塗
布厚25μm)し、更に25℃で7日間養生して、トル
エン含有量200ppmの本発明の粘着剤組成物を得
た。かかる粘着剤組成物の400gf/cm2のズレ応
力負荷時のズレ速度に基づく凝集力は0.3μm/分で
あった。得られた粘着剤組成物について、一般接着力、
凝集力及び微小凹凸表面での接着力の評価を行った。
尚、一般接着力、凝集力及び微小凹凸表面での接着力の
評価方法は下記に示す通りである。
【0039】(一般接着力)上記の粘着剤組成物(ポリ
エチレンテレフタレートフィルムに塗工したまま)をJ
IS Z 0237に準じた手動ローラで3往復してガ
ラス板(Ra=0.1μm以下、サイズ:幅25mm、
長さ180mm)に圧着した。該サンプルをオートクレ
ーブ処理(50℃、15分、5kg/cm2)し、25
℃、65%RHの条件下で6時間放置した後、JIS
B 7721に準じた装置により、JIS Z 023
7に準じた90度引きはなし法で接着力(kg/25m
m)を測定した。引き上げる速度は200mm/min
であった。
【0040】(凝集力)上記と同様の粘着剤組成物をガ
ラス板(同上、サイズ:幅40mm、長さ80mm)に
JIS Z 0237に準じた手動ローラで3往復して
圧着した。該サンプルをオートクレーブ処理(50℃、
15分、5kg/cm2)し、25℃、65%RHの条
件下で6時間放置した後、端部に1kgの荷重をかけ、
JISZ 0237に準じて、70℃で48時間後のず
れの大きさ(mm)を測定し、下記の基準で評価した。 ◎・・・0〜0.5(mm)未満 ○・・・0.5〜5.0(mm)未満 △・・・5.0〜10.0(mm)未満 ×・・・10.0(mm)以上
【0041】(微小凹凸表面の接着力)表面粗さがRa
=4.0μmのガラス板上に、上記粘着剤組成物を塗布
したPETフィルムをJIS Z 0237に準じて貼
着し、貼着直後の剥離力(a)と90℃,3時間後の剥
離力(b)を測定して、その変化率(b)/(a)を求
めて、下記の基準により評価した。 ◎・・・(b)/(a)≧1.4 ○・・・1.4>(b)/(a)≧1.2 △・・・1.2>(b)/(a)≧1.1 ×・・・1.1>(b)/(a)
【0042】又、得られた粘着剤組成物を厚さ1.1m
mのガラス板上にアプリケーターを用いて乾燥後の厚み
が25μmとなるように塗布し、100℃2分間乾燥し
て粘着性板を得、その後、更に25℃で7日間養生し
た。別途、膜厚30μmのポリビニルアルコール偏光フ
ィルム(平均重合度1700、平均ケン化度99モル
%、4倍延伸)の両側を厚さ80μmの三酢酸セルロー
スフィルムで積層した偏光板(ポリビニルアルコール偏
光フィルムの延伸軸方向を45度傾けて150mm×2
00mmに切断)を作製し、この片面に上記粘着性板を
積層し、ローラーで押圧してガラス積層偏光板を製造し
た。該偏光板について、下記の如くサイクル試験及びシ
ョック試験を行い、試験後の剥離の大きさ(mm)を測
定し、以下の基準で評価した。
【0043】(サイクル試験)偏光板を45℃、95%
RHの条件下で60分間放置した後、20分後に105
℃の条件下に60分間放置した。その30分後に再び4
0℃、95%RHの条件下にさらし、同様の操作を計5
回行った。 (ショック試験)偏光板を−10℃の条件下で30分間
放置した後、直ちに100℃の条件下で30分間放置し
た。その後、再び−10℃の条件下にさらし、同様の操
作を計5回行った。
【0044】評価基準は以下の通りである。 ◎・・・剥離0〜2(mm)未満 ○・・・剥離2〜5(mm)未満 △・・・剥離5〜10(mm)未満 ×・・・剥離10(mm)以上 又、偏光板のサイクル試験後及びショック試験後の光学
特性変化を評価した。
【0045】尚、偏光板の光学特性については単体透過
率τ(%)及び偏光度V(%)を測定した。ここで、本
発明でいう偏光度は [(H11−H1)/(H11+H1)]1/2×100(%) で示され、H11は2枚の偏光フィルムサンプルの重ね合
わせ時において、偏光フィルムの配向方向が同一方向に
なるように重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定
した透過率(%)、H1は2枚のサンプルの重ね合わせ
時において、偏光フィルムの配向方向が互いに直交する
方向になるように重ね合わせた状態で測定した透過率
(%)である。
【0046】同様に位相差フィルム(平均重合度170
0、平均ケン化度97モル%、1.1倍延伸のポリビニ
ルアルコールフィルム、膜厚50μm)についても、位
相差フィルムの両側に厚さ80μmの三酢酸セルロース
フィルムを積層した位相差板(ポリビニルアルコールフ
ィルムの延伸軸方向を45度傾けて150mm×200
mmに切断)を作製し、この片面に上記粘着性板を積層
し、ローラーで押圧してガラス積層位相差板を製造し
た。該位相差板についても、上記と同様にサイクル試験
及びショック試験を行い、試験後の剥離の大きさ(m
m)及び光学特性変化を評価した。
【0047】尚、位相差板の光学特性についてはレター
デーション値(RD)を測定した。位相差フィルムにお
けるレターデーション値(RD)とは、主延伸方向(M
D方向)及びこれに垂直な方向(TD方向)における屈
折率(IIMD−IITD)と位相差フィルムの厚さ(d)との
積で定義され、バビネ型コンペンサーター付の偏光顕微
鏡(ニコンPOH−1型)を用い補償法にて測定した
(光源は白色光)。
【0048】更に、三酢酸セルロースフィルム/偏光フ
ィルム/三酢酸セルロースフィルム/粘着剤層/三酢酸
セルロースフィルム/位相差フィルム/三酢酸セルロー
スフィルム/粘着剤層からなる構成をもった楕円偏光板
についても、サイクル試験、ショック試験を行い、剥離
の大きさ(mm)を評価した。
【0049】尚、光学特性変化については、偏光板では
試験前後の単体透過率τ(%)及び偏光度V(%)の差
により評価し、絶対値で5%以下であることが望まれ、
位相差板では試験前後のRD値の差により評価し、絶対
値で30nm以下であることが望まれる。
【0050】実施例2 実施例1の粘着剤組成物に、更にグリセロールジグリシ
ジルエーテル(D)を1.0部添加した以外は同様に行
って、粘着剤組成物を得て、同様に評価を行った。尚、
得られた粘着剤組成物の400gf/cm2のズレ応力
負荷時のズレ速度に基づく凝集力は0.4μm/分で、
溶剤含有量は180ppmであった。
【0051】実施例3 実施例1において、乾燥条件を90℃で2分として、ト
ルエン(C)含有量を1200ppmとした以外は同様
に行って、粘着剤組成物を得て、同様に評価を行った。
尚、得られた粘着剤組成物の400gf/cm2のズレ
応力負荷時のズレ速度に基づく凝集力は0.3μm/分
であった。
【0052】実施例4 実施例2において、更にポリオキシエチレンステアリル
アミン(F)を1.0部添加した以外は同様に行って、
粘着剤組成物を得て、同様に評価を行った。尚、得られ
た粘着剤組成物の400gf/cm2のズレ応力負荷時
のズレ速度に基づく凝集力は0.4μm/分で、溶剤含
有量は130ppmであった。
【0053】実施例5 実施例2において、更にトリエチレンジアミン(E)を
1.0部及びポリオキシエチレンステアリルアミン
(F)を1.0部添加した以外は同様に行って、粘着剤
組成物を得て、同様に評価を行った。尚、得られた粘着
剤組成物の400gf/cm2のズレ応力負荷時のズレ
速度に基づく凝集力は0.3μm/分で、溶剤含有量は
140ppmであった。
【0054】比較例1 実施例1において、3−トリエトキシシリルプロピルコ
ハク酸無水物(C)(商品名:GF−20、Wacke
r−Chemie GmbH製)を無添加としたした以
外は同様に行って、粘着剤組成物を得て、同様に評価を
行った。尚、得られた粘着剤組成物の400gf/cm
2のズレ応力負荷時のズレ速度に基づく凝集力は0.1
μm/分で、溶剤含有量は200ppmであった。
【0055】比較例2 実施例1において、乾燥温度を120℃として、トルエ
ン(B)含有量3ppmとしたした以外は同様に行っ
て、粘着剤組成物を得て、同様に評価を行った。尚、得
られた粘着剤組成物の400gf/cm2のズレ応力負
荷時のズレ速度に基づく凝集力は0.2μm/分であっ
た。
【0056】比較例3 実施例1において、乾燥温度を75℃として、トルエン
(B)含有量8000ppmとしたした以外は同様に行
って、粘着剤組成物を得て、同様に評価を行った。尚、
得られた粘着剤組成物の400gf/cm2のズレ応力
負荷時のズレ速度に基づく凝集力は0.2μm/分であ
った。
【0057】比較例4 実施例1において、コロネートLの添加量を3.0部と
して、400gf/cm2のズレ応力負荷時のズレ速度
に基づく凝集力が0.1μm/分で、溶剤含有量が21
0ppmである粘着剤組成物を得た以外は同様に行っ
て、同様に評価を行った。実施例及び比較例のそれぞれ
の評価結果を表1〜4にまとめて示す。
【0058】
【表1】 粘着物性 一般的接着力 凝集力 微小凹凸表面の接着力 (kg/25mm) 実施例1 1.9 ○ ◎ 〃 2 1.8 ◎ ◎ 〃 3 1.7 ○ ◎ 〃 4 1.8 ◎ ◎ 〃 5 1.9 ◎ ◎ 比較例1 0.5 × × 〃 2 0.9 × × 〃 3 1.0 × × 〃 4 0.9 × ×
【0059】
【表2】 (剥離の大きさ) 偏光板 位相差板 楕円偏光板 サイクル ショック サイクル ショック サイクル ショック 試験後 試験後 試験後 試験後 試験後 試験後 実施例1 ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ 〃 2 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 〃 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 4 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 〃 5 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 比較例1 × × × × × × 〃 2 × × × × × × 〃 3 × × × × × × 〃 4 × × × × × ×
【0060】
【表3】 (光学特性変化) サイクル サイクル ショック ショック 試験前 試験後 試験前 試験後 実施例1 偏光板 τ 42 41 42 41 V 99.0 99.0 99.0 98.8 位相差板 RD 400 394 400 390 〃 2 偏光板 τ 42 40 42 41 V 99.0 99.0 99.0 98.9 位相差板 RD 400 394 400 394 〃 3 偏光板 τ 42 41 42 41 V 99.0 99.0 99.0 98.0 位相差板 RD 400 391 400 390 〃 4 偏光板 τ 42 40 42 41 V 99.0 99.0 99.0 98.9 位相差板 RD 400 394 400 393 〃 5 偏光板 τ 42 41 42 42 V 99.0 99.0 99.0 98.8 位相差板 RD 400 392 400 391 注)τ:単体透過率(%)、V:偏光度(%)、 RD:レターデーション値(nm)
【0061】
【表4】 (光学特性変化) サイクル サイクル ショック ショック 試験前 試験後 試験前 試験後 比較例1 偏光板 τ 42 38 42 39 V 99.0 99.0 99.0 99.0 位相差板 RD 400 389 400 390 〃 2 偏光板 τ 42 40 42 40 V 99.0 99.0 99.0 97.9 位相差板 RD 400 390 400 394 〃 3 偏光板 τ 42 41 42 41 V 99.0 99.0 99.0 98.8 位相差板 RD 400 391 400 390 〃 4 偏光板 τ 42 40 42 40 V 99.0 99.0 99.0 97.9 位相差板 RD 400 393 400 394 注)τ:単体透過率(%)、V:偏光度(%)、 RD:レターデーション値(nm)
【0062】
【発明の効果】本発明の粘着剤組成物は、アクリル系
(共)重合体、エポキシ基と反応する官能基を有するシ
ラン系化合物及び有機溶剤を含有し、かかる有機溶剤が
特定の含有量に調整されており、更には400gf/c
2のズレ応力負荷時のズレ速度に基づく凝集力が0.
2μm/分以上であるため、粘着性及び凝集力に優れ、
かつ微小凹凸を有する表面の被着体との接着性に優れ、
特に光学フィルムと基材との接着に用いた場合、粘着剤
の発泡や剥離を起こさず長時間使用してもその光学特性
が低下しないといった効果も発揮する。かかる特性を利
用して液晶表示体の用途に用いられ、特に車両用途、各
種工業計器類、家庭用電化製品の表示等に有用である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系(共)重合体(A)、エポキ
    シ基と反応する官能基を有するシラン系化合物(B)及
    び有機溶剤(C)を含有してなり、かつ有機溶剤(C)
    の含有量が5〜5000ppmで、更に400gf/c
    2のズレ応力負荷時のズレ速度に基づく凝集力が0.
    2μm/分以上であることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ基と反応する官能基が、カルボ
    キシル基、アミノ基、水酸基、アミド基のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ基と反応する官能基を有するシ
    ラン系化合物(B)の含有量が、アクリル系(共)重合
    体(A)100重量部に対して0.0001〜10重量
    部であることを特徴とする請求項1または2記載の粘着
    剤組成物。
  4. 【請求項4】 有機溶剤(C)が、トルエン、キシレ
    ン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アルコール類か
    ら選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする
    請求項1〜3いずれか記載の粘着剤組成物。
  5. 【請求項5】 更に、エポキシ基を少なくとも2個以上
    有する化合物(D)を配合してなることを特徴とする請
    求項1〜4いずれか記載の粘着剤組成物。
  6. 【請求項6】 エポキシ基を少なくとも2個以上有する
    化合物(D)が、水酸基をも有する化合物であることを
    特徴とする請求項5記載の粘着剤組成物。
  7. 【請求項7】 エポキシ基を少なくとも2個以上有する
    化合物(D)の含有量が、アクリル系(共)重合体
    (A)100重量部に対して0.0001〜10重量部
    であることを特徴とする請求項5または6記載の粘着剤
    組成物。
  8. 【請求項8】 更に、アミン系化合物(但しシラン系化
    合物は除く)(E)を含有してなることを特徴とする請
    求項1〜7いずれか記載の粘着剤組成物。
  9. 【請求項9】 アミン系化合物(E)がトリエチレンジ
    アミン、N,N,N′,N′−テトラメチルトリメチレ
    ンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、アミノ
    エチルピペラジン、N,N,N′,N′−テトラメチル
    エチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、2,
    4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、
    2−メチルイミダゾール、ピリジン、1−シアノエチル
    −2−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−
    7−ウンデセン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノ
    ールアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリ
    ド、トリブチルアミン、三ふっ化ホウ素−ジメチルアミ
    ン錯体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項8記載の粘着剤組成物。
  10. 【請求項10】 更に、架橋助剤(F)としてポリオー
    ル系化合物(但し多官能エポキシ化合物は除く)、メラ
    ミン系化合物、ジビニルベンゼンから選ばれる少なくと
    も一種を配合させてなることを特徴とする請求項1〜9
    いずれか記載の粘着剤組成物。
  11. 【請求項11】 基材と光学フィルムの接着に用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の粘着剤組
    成物。
  12. 【請求項12】 光学フィルムが偏光フィルム、位相差
    フィルム、楕円偏光フィルムのいずれかであることを特
    徴とする請求項11記載の粘着剤組成物。
JP31550996A 1996-11-11 1996-11-11 粘着剤組成物 Pending JPH10140119A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31550996A JPH10140119A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 粘着剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31550996A JPH10140119A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 粘着剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10140119A true JPH10140119A (ja) 1998-05-26

Family

ID=18066214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31550996A Pending JPH10140119A (ja) 1996-11-11 1996-11-11 粘着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10140119A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005068521A1 (en) * 2004-01-20 2005-07-28 Lg Chem, Ltd. Acrylic pressure-sensitive adhesive composition for polarizing film

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005068521A1 (en) * 2004-01-20 2005-07-28 Lg Chem, Ltd. Acrylic pressure-sensitive adhesive composition for polarizing film
US7285313B2 (en) 2004-01-20 2007-10-23 Lg Chem Ltd. Acrylic pressure-sensitive adhesive composition for polarizing film

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3487940B2 (ja) 粘着剤組成物
JP3426411B2 (ja) 粘着剤組成物
JP2008101168A (ja) 粘着剤組成物および光学機能性フィルム
JP3426410B2 (ja) 粘着剤組成物
JPH10130612A (ja) 粘着剤組成物
JPH1046125A (ja) 粘着剤組成物
JP3667361B2 (ja) 粘着剤組成物
JPH1046126A (ja) 粘着剤組成物
JPH10140122A (ja) 粘着剤組成物
JPH10140120A (ja) 粘着剤組成物
JPH08199143A (ja) 粘着剤組成物
JPH08199139A (ja) 粘着剤組成物
KR102609849B1 (ko) 점착 시트
JPH10140119A (ja) 粘着剤組成物
JPH08300544A (ja) 積層体
JPH1046124A (ja) 粘着剤組成物
JPH08199144A (ja) 粘着剤組成物
JPH08199133A (ja) 粘着剤組成物
JPH08120236A (ja) 粘着剤組成物
JP3799078B2 (ja) 粘着剤組成物
JPH10130611A (ja) 粘着剤組成物
JPH08300543A (ja) 積層構造体
JP4121133B2 (ja) 粘着剤組成物
JPH08209091A (ja) 粘着剤組成物
JPH08199146A (ja) 粘着剤組成物