JPH10139890A - シリコーンゴム用架橋剤及び架橋方法 - Google Patents

シリコーンゴム用架橋剤及び架橋方法

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JPH10139890A JP31414096A JP31414096A JPH10139890A JP H10139890 A JPH10139890 A JP H10139890A JP 31414096 A JP31414096 A JP 31414096A JP 31414096 A JP31414096 A JP 31414096A JP H10139890 A JPH10139890 A JP H10139890A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全性及び貯蔵安定性が良好で、かつ環境に悪
影響を及ぼさないシリコーンゴム用架橋剤を提供する
事。 【解決手段】ビス(2−メチルベンゾイル)パーオキサ
イドとビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイドと
の混合物及び2−メチルベンゾイルクロライドと4−メ
チルベンゾイルクロライドとの混合物を原料として合成
されるアシメBPO含有混合パーオキサイドを架橋剤と
してシリコーンゴムの架橋を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器・自動車
部品・電線被覆材・複写機ロール・医療関連製品等に使
用されるシリコーンゴムを架橋するのに好適な架橋剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーンゴムは、一般に有機過酸化物
を架橋剤として用いて、加熱下に架橋成形される。シリ
コーンゴムとしては、ジメチルシリコーンゴム、メチル
ビニルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴ
ム、フロロシリコーンゴム等が一般的に使用されてお
り、これらはそれぞれ架橋特性、低温特性及び耐油性が
良い等々の特徴を有している。これらのゴムは、架橋剤
のみを用いて成形されることは殆どなく、多くの場合こ
れらのゴムに乾式シリカ、湿式シリカ等の補強材、シリ
コーンオイル等の可塑剤、さらに種々物性向上を目的と
して添加される各種添加剤等々を配合して得られたシリ
コーンゴムコンパウンドに、架橋剤として有機過酸化物
を必要量添加混合した後、金型や熱風炉中で必要温度、
必要時間加熱して、シリコーンゴム成形品を得ている。
【0003】前記したようなシリコーンゴムコンパウン
ドの架橋には、一般にビス(2,4−ジクロロベンゾイ
ル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ビ
ス(4−クロロベンゾイル)パーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブ
チルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、等の有機過酸化物が液状、固体(粉末)状又はペ
ースト状で用いられており、成形法、成形温度、シリコ
ーンゴムの種類、添加剤の種類等の条件により架橋剤の
種類や添加量が選択され、それぞれ用いられている。こ
れら種々の架橋剤の中でビス(2,4−ジクロロベンゾ
イル)パーオキサイドはすぐれた架橋剤であり、工業的
に最も多く使用されている。すなわち、架橋速度が前記
架橋剤の中で最も速く、生産性が良いうえに、熱風架橋
(HAV)が効率よく出来るという長所がある。
【0004】熱風架橋は、例えば押出成形品を連続的に
架橋する方法で、押出機より押出されたシリコーンゴム
チューブ、シリコーンゴム被覆電線等を200〜400
℃程度の熱風炉を通過させることにより架橋させる成形
法である。通常、熱風架橋には、ビス(2,4−ジクロ
ロベンゾイル)パーオキサイド又はビス(4−クロロベ
ンゾイル)パーオキサイドが架橋剤として使用される。
これらの架橋剤は、成形物に発泡を生じさせることがな
いという特徴があるものの、ビス(4−クロロベンゾイ
ル)パーオキサイドは架橋速度が遅いため、特殊な場合
を除いて熱風架橋には使用されていないというのが現状
である。従って、熱風架橋に使用できる架橋剤は、実質
的にはビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサ
イドのみということになっている。しかし、この架橋剤
を使用して熱風架橋法や加圧成形法により架橋成形され
たシリコーンゴム成形物は、ブルーミングを生じるとい
う問題がある。ブルーミングとは、架橋剤の分解生成物
等が徐々にしみ出て表面が白くなる現象で、これを防ぐ
ためにビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサ
イドで架橋されたシリコーンゴム成形物を、成形後長時
間高温下で二次架橋処理を行う必要がある。ビス(2,
4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイドは各種シリコ
ーンゴム用架橋剤の中で最も低い架橋温度、最も高い架
橋効率をもち、熱風架橋に使用できる唯一の架橋剤であ
るが、一方において前記のように二次処理を施さなけれ
ばならないという問題を有しており、この問題の解決が
ひさしく求められていた。又、この化合物は分子構造内
に塩素原子を有しており、環境に悪影響を及ぼす懸念が
指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】我々は既に、ビス
(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイドの代わ
りにビス(2−メチルベンゾイル)パーオキサイドを架
橋剤として用いることにより前者と同じ架橋特性をも
ち、かつブルーミングのないシリコーンゴム成形物が得
られることを見出している(特開昭59−1875
8)。又、ビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイ
ドを用いる特許(特公平4−50327)があるが、ビ
ス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイドは融点が約
53℃と低いため貯蔵安定性に欠けるという欠点があ
る。更に、ビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイ
ドは、分解温度が高く、架橋させるのに高温を必要と
し、ビス(2−メチルベンゾイル)パーオキサイドと同
じ程度の架橋温度で架橋させるには時間がかかると言う
欠点がある。
【0006】過酸化物からなる架橋剤の製造において
は、これを純品で合成すると衝撃や摩擦による爆発の危
険性が高いため、通常これをシリコーンオイルで希釈し
純度を下げた湿体として合成し、その後更に必要量のシ
リコーンオイルを加えてペースト化・脱水をして製品と
されている。ビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサ
イドのシリコーンオイルで純度を下げた含水の湿体品
は、製造工程に関する圧力容器試験(PVT)での危険
性評価基準値(オリフィス径9mmで10回試験を行
い、4回以下の破裂の場合消防法における取扱が危険物
の第5類第2種となる)をクリアー出来るが、ビス(2
−メチルベンゾイル)パーオキサイドのシリコーンオイ
ルを用いて純度を下げた湿体品の場合は、製造工程下で
のPVTでの危険性評価第5類第2種の基準値をクリア
ーするのが非常に難しい。
【0007】ビス(2−メチルベンゾイル)パーオキサ
イドとビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイドと
を湿体状、又はペースト状で混合することにより、両者
の欠点(前者は融点が低いために貯蔵安定性に劣り、後
者は融点は高いが分解温度が高いために使用する場合高
温で架橋しなければならない)を互いに補う事が出来
る。しかしパーオキサイドを製造してから混合する方法
では、製造ロットにより各パーオキサイドの純度が異な
ることが多いため、2種のパーオキサイドの比率を一定
にしたり、製品品質を均一にするのに困難を伴うことが
多い。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決すべく鋭意検討の結果、ビス(2−メチルベンゾ
イル)パーオキサイドとビス(4−メチルベンゾイル)
パーオキサイドの混合物及び2−メチルベンゾイルクロ
ライドと4−メチルベンゾイルクロライドの混合物を予
め別個に調製しておいて、これらからパーオキサイドを
合成することによって得られる2−メチルベンゾイル
4’−メチルベンゾイルパーオキサイド(アシメBPO
と略記)、ビス(2−メチルベンゾイル)パーオキサイ
ド及びビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイドか
らなるベンゾイルパーオキサイド混合物(アシメBPO
含有混合パーオキサイドと略記)が、ビス(2−メチル
ベンゾイル)パーオキサイドより安定性・安全性に優
れ、かつ架橋速度に優れるという特徴があることを見出
し、本発明を完成させるに到った。
【0009】即ち、本発明は、 (1)ビス(2−メチルベンゾイル)パーオキサイドと
ビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイドの混合物
及び2−メチルベンゾイルクロライドと4−メチルベン
ゾイルクロライドの混合物を原料として合成された2−
メチルベンゾイル4’−メチルベンゾイルパーオキサイ
ド、ビス(2−メチルベンゾイル)パーオキサイド及び
ビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイドからなる
ベンゾイルパーオキサイド混合物からなるシリコーンゴ
ム用架橋剤 (2)(1)記載のベンゾイルパーオキサイド混合物を
用いることを特徴とするシリコーンゴムの架橋方法に関
する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシリコーンゴム用架橋剤の合成方法としては、
ビス(2−メチルベンゾイル)パーオキサイドとビス
(4−メチルベンゾイル)パーオキサイドの混合物及び
2−メチルベンゾイルクロライドと4−メチルベンゾイ
ルクロライドの混合物とをそれぞれ別個に予め調製して
おいてから、アルカリの存在下に反応させるものであ
る。得られた(アシメBPO含有)混合パーオキサイド
をペースト化し、シリコーンゴムの架橋剤に使用する。
【0011】本発明のシリコーンゴム用架橋剤の合成に
おいては、ビス(2−メチルベンゾイル)パーオキサイ
ドとビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイドとの
比率、及び2−メチルベンゾイルクロライドと4−メチ
ルベンゾイルクロライドとの比率をそれぞれ50:50
から1:99とし、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム
等から選ばれるアルカリ性物質を、ベンゾイルクロライ
ドに対しモル比で1から1.5倍量使用する。反応温度
は0から30℃とし、1から4時間反応させる。この比
率は、50:50に近い方は融点を上げる効果はそれほ
どなく、1:99に近い方は分解温度を下げる効果が小
さい為、好ましくは20:80から5:95の範囲であ
る。製造工程下に於ける中間品のPVTでの危険性評価
では、オリフィス径9mmで50:50においても4/
10以下の数値であり、ビス(2−メチルベンゾイル)
パーオキサイドが減ればより安全な側に向かう。
【0012】シリコーンゴムの架橋は、常法により行わ
れるが、通常、製品に必要な性能を与えるための可塑剤
や添加剤をシリコーンゴムに添加混合し、シリコーンゴ
ムに対する本発明で使用する(アシメBPO含有)混合
パーオキサイドの添加量を、100gのシリコーンゴム
に対して約0.5から10ミリモル、好ましくは約1か
ら10ミリモル添加、これらを良く混合した後一定時間
加熱、加圧成形すればよい。
【0013】本発明の架橋剤により架橋可能なシリコー
ンゴムの具体例としては、ジメチルシリコーンゴム、メ
チルフェニルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム等
が挙げられる。これらのシリコーンゴムに必要な添加剤
を混合し、更に架橋剤を混合させた後、目的とする鋳型
等に注入し、通常架橋温度を100℃から400℃、架
橋時間を5分から4時間の範囲から選ばれる条件で硬化
される。
【0014】合成例1には、本発明におけるアシメBP
O含有混合パーオキサイドの含有量が50重量%である
シリコーンオイルペーストの合成方法を示したが、種々
の方法で合成可能であり、又、安全化のために用いたシ
リコーンオイルも、その全部又は一部をフタール酸エス
テル類で置き換えてもその性能に問題はない。純品の形
で用いることも可能ではあるが、安全化と粒子の細粒化
のためにはシリコーンオイルやフタール酸類でペースト
化する方が好ましい。
【0015】本発明の架橋剤は、その製造工程での安全
性が優れており、貯蔵安定性が良好で、シリコーンゴム
の架橋に使用した場合比較的低温で短時間で架橋物を得
ることが出来、得られた架橋物に発泡がなく、架橋密度
も高い。又、本発明の架橋方法で得られたシリコーンゴ
ム架橋成型品は、長時間経過してもブルーミングを生じ
ない。
【0016】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明を更に詳
細に説明するが、これらにより、本発明が限定されるも
のではない。
【0017】合成例 1 攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた1リットルビー
カーに、水100g、25重量%水酸化ナトリウム水溶
液352g(2.2モル)、10重量%ネオゲンR(商
品名、ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬製)水溶液
10gを仕込み、外冷下0℃に冷却した。この溶液に過
酸化水素60重量%含有の過酸化水素水68g(1.2
モル)を0〜5℃に保ちながら、攪拌下に滴下した。得
られた混合物中に、2−メチルベンゾイルクロライドと
4−メチルベンゾイルクロライドとの比率10:90の
混合物311g(2.0モル)を0から5℃で激しく攪
拌しながら、60分間にわたって徐々に加えた。さら
に、この反応混合物を0から5℃に保持して60分間攪
拌した。反応終了後、この反応混合物をヌッチェ上で吸
引濾過し、濾液がアルカリ性を示さなくなるまで水洗
し、ビス(2−メチルベンゾイル)パーオキサイドとビ
ス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド及びアシメ
BPOからなる混合パーオキサイドの湿体351gを得
た。この湿体を室温で減圧下に乾燥することにより、パ
ーオキサイドの純度が99.3重量%の前記アシメBP
O含有混合パーオキサイド247g(収率91.0%)
を得た。
【0018】得られた上記混合パーオキサイド(乾燥
品)200gにジメチルシリコーンオイル200gを加
え、充分に混合した後、3本ロールを通し均一化処理し
てパーオキサイド含有量約50重量%のパーオキサイド
シリコーンペースト360g(パーオキサイド純度4
9.8重量%)を得た。
【0019】比較の合成例1 合成例1において2−メチルベンゾイルクロライドと4
−メチルベンゾイルクロライドの混合物の代わりに、4
−メチルベンゾイルクロライドのみを使用する以外は合
成例1におけるのと同様に処理してパーオキサイド含有
量50重量%のビス(4−メチルベンゾイル)パーオキ
サイドシリコーンペーストを得た。
【0020】実施例1、2 メチルビニルシリコーンゴムに、合成例1で得られたパ
ーオキサイド含有量50重量%のパーオキサイドシリコ
ーンペーストを、メチルビニルシリコーンゴム100重
量部に対し1.1重量部添加した場合を実施例1、1.
5重量部添加した場合を実施例2とし、それぞれの配合
物を2本ロール上で十分混合し、厚さ2mmのモールドを
用いて、120℃−10分間加圧成型を行った。得られ
たシートについてJIS−K−6301「過硫ゴム物理
試験法」により抗張力、伸び、硬度(A型)を測定し
た。ブルーミングは、加圧成形の1日後と7日後のシー
ト表面の外観を目視することにより判定した。
【0021】比較例1、2 実施例1及び2に使用したパーオキサイドシリコーンペ
ーストに代え、比較例1では市販のパーオキサイド含有
量50重量%のビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パ
ーオキサイドシリコーンペースト1.5重量部を、比較
例2では比較の合成例1で得られたパーオキサイド含有
量50重量%のビス(4−メチルベンゾイル)パーオキ
サイドシリコーンペースト1.1重量部を用いた以外は
実施例1、又は実施例2と同様に処理を行って、加圧成
形によるシートを得た。
【0022】表1に実施例1及び2並びに比較例1及び
2でそれぞれ得られたシートの諸物性を示した。
【0023】
【表1】 表 1 実施例 プレス条件 架橋物の物性 ブルーミング 抗張力 伸び 硬度 1日後 7日後 kg/cm2 % 1 120℃×10分 92 590 53 ナシ ナシ 2 上に同じ 90 570 54 ナシ ナシ 比較例 1 上に同じ 89 580 53 アリ アリ 2 130℃×10分 84 620 50 ナシ ナシ
【0024】表1から、実施例1及び2のアシメBPO
含有混合パーオキサイドは、ビス(2,4−ジクロロベ
ンゾイル)パーオキサイドの架橋物の物性と同等もしく
は良好な結果を示し、かつ、ブルーミングが見られず、
又、ビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイドと比
較すると架橋物の物性が優れていることから、本発明の
パーオキサイドが公知の架橋剤に比べて優れた架橋剤で
あることが明らかである。
【0025】実施例 3、4 実施例1及び2と同様の方法で、合成例1で得られたア
シメBPO混合パーオキサイドシリコーンペーストをメ
チルビニルシリコーンゴムに良く練り込み、それぞれ実
施例3及び4とした。これを冷時において厚さ約2mm
に成形する。この未架橋のシートを200℃のギヤーオ
ーブンに15分間入れ熱風架橋し、表面のベタつきと、
成形物の断面の発泡を観察した。ブルーミングは架橋1
日後と7日後のシート表面の外観を目視することにより
判定し、これらの結果を表2にまとめた。
【0026】比較例 3 実施例4において架橋剤として比較例1で用いたものと
同じ物を用いる以外は、実施例4と同様に処理して架橋
シートを得た。その時の表面のベタつき、発泡、ブルー
ミングの状況を表2にまとめた。
【0027】
【表2】 表 2 実施例 架橋物の状態 ブルーミング ベタつき 発泡 1日後 7日後 3 ナシ ナシ ナシ ナシ 4 ナシ ナシ ナシ ナシ 比較例 3 ナシ ナシ アリ アリ
【0028】本発明のアシメBPO含有混合パーオキサ
イドの分子量は270.3であり、ビス(2,4−ジク
ロロベンゾイル)パーオキサイドの分子量の380.0
に比べ1モル当たりの重量が29重量%小さいので、実
施例3では比較例3に比べパーオキサイド添加重量にし
て約3割減らしてあるが、それでも本発明の架橋剤によ
る架橋物の状態が良く、ブルーミングのない架橋物が得
られる事がわかる。
【0029】合成例 2 合成例1の方法において、最初に水を入れた後にジメチ
ルシリコーンオイル64gを加えた以外は合成例1と同
様にしてアシメBPO含有混合パーオキサイドのシリコ
ーンオイル入りパーオキサイド含有量65重量%の中間
湿体品380gを得た。
【0030】比較の合成例 2 合成例1と同じ様にし、合成例1の混合酸クロライド原
料を、2メチルベンゾイルクロライドに替え、ビス(2
−メチルベンゾイル)パーオキサイド含有量65重量%
の中間湿体品を得た。
【0031】参考例 製造工程下での中間湿体品のPVTを測定し、表3に示
した。
【0032】
【表3】 表 3 合成例 架橋剤 PVT(オリフィス径9mm) 2 D 1/10 破裂 比較の合成例 2 E 6/10 破裂 D:合成例2に於ける混合パーオキサイド含有量65重
量%中間湿体品 E:比較の合成例2のビス(2−メチルベンゾイル)パ
ーオキサイド含有量65重量%中間湿体品
【0033】表3から、製造工程下における本発明に使
用されるパーオキサイド中間湿体品の安全性が比較例よ
り高いことが明らかである。
【0034】
【発明の効果】本発明の架橋剤は、製造工程における安
全性に優れている。この架橋剤を用いてシリコーンゴム
の架橋を行った場合、架橋速度が早く、ブルーミングの
ない架橋物が得られる。又、本発明のパーオキサイド
は、塩素原子を有さないため、得られた架橋物も塩素原
子を放出する危険がないという特徴がある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビス(2−メチルベンゾイル)パーオキサ
    イドとビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイドの
    混合物及び2−メチルベンゾイルクロライドと4−メチ
    ルベンゾイルクロライドの混合物を原料として合成され
    た2−メチルベンゾイル 4’−メチルベンゾイルパー
    オキサイド、ビス(2−メチルベンゾイル)パーオキサ
    イド及びビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド
    からなるベンゾイルパーオキサイド混合物からなるシリ
    コーンゴム用架橋剤
  2. 【請求項2】請求項1記載のベンゾイルパーオキサイド
    混合物を用いることを特徴とするシリコーンゴムの架橋
    方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6362299B1 (en) * 1998-11-19 2002-03-26 Wacker-Chemie Gmbh Combination crosslinking agent for vulcanization of silicone rubber under normal pressure
US9234087B2 (en) 2008-06-06 2016-01-12 United Initiators Gmbh & Co. Kg Preparation for initiating radical reactions

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