JPH10139825A - エチレン系共重合体及びそれからなるフィルム - Google Patents

エチレン系共重合体及びそれからなるフィルム

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JPH10139825A
JPH10139825A JP29364296A JP29364296A JPH10139825A JP H10139825 A JPH10139825 A JP H10139825A JP 29364296 A JP29364296 A JP 29364296A JP 29364296 A JP29364296 A JP 29364296A JP H10139825 A JPH10139825 A JP H10139825A
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淳 若林
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達也 宝崎
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陸夫 大西
Makoto Suda
誠 須田
Shinichiro Miyazaki
伸一郎 宮崎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】透明性、ヒートシール性及び機械的特性等に優
れ、それらの特性バランスが良好であるフィルム、好ま
しくはさらに耐ブロッキング性に優れたフィルムを与え
ることができるエチレン系共重合体及びそれからなるフ
ィルムを提供する。 【解決手段】(イ)密度が890〜940kg/m3
(ロ)デカリン中、温度135℃で測定した極限粘度が
0.5〜5.0デシリットル/g、(ハ)昇温分別法よ
り得られるクロマトグラムで0℃で結晶しない成分を有
し、かつ0℃より高い温度に2個以上のピークを有す
る、(ニ)昇温分別における0℃の溶出成分量が10重
量%以下、(ホ)昇温分別における95℃以上の溶出成
分量が0.1〜10重量%、及び(ヘ)昇温分別法によ
り求めた0℃を除いた平均溶出温度の標準偏差が20℃
以下であることを特徴とするエチレンと炭素数3以上の
オレフィンとから得られるエチレン系共重合体およびこ
れからなるフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なエチレン系
共重合体に関するものである。さらに詳しくは、透明
性、ヒートシール性及び機械的強度等に優れたエチレン
と炭素数3以上のオレフィンとから得られるエチレン系
共重合体及びそれからなるフィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般にエチレンとα−オレフィンとの共
重合体である直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLD
PEとする場合もある。)は、透明性、ヒートシール性
及び、耐衝撃性等の機械的強度等に優れていることか
ら、包装分野で利用されるフィルム、シートをはじめ、
その他のフィルム成形品の素材として工業的に広く用い
られている。
【0003】近年、自動包装技術の発達に伴う包装スピ
ードの向上等から、LLDPEに対するヒートシール
性、機械的強度等のさらなる改善が要求されている。ま
た、透明性の向上も同時に要求されている。ところで、
LLDPEは、マグネシウム化合物、チタン化合物、有
機アルミニウム化合物及び有機ハロゲン化合物から得ら
れる触媒の存在下で高温溶液重合する方法、マグネシウ
ム化合物、チタン化合物、有機アルミニウム化合物から
なる触媒に種々の活性剤を添加して重合する方法等によ
り製造され、上記の特性の改善が図られてきている。
【0004】しかしながら、上記で要求される透明性、
ヒートシール性及び機械的特性を満足できるようなLL
DPEが得られていないし、どのようなLLDPEの構
造にすればよいかといった設計思想も明らかにされてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況のもとで、透明性、ヒートシール性及び機械的特性
等に優れ、それらの特性バランスが良好であるフィル
ム、好ましくはさらに耐ブロッキング性に優れたフィル
ムを与えることができるエチレン系共重合体及びそれか
らなるフィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するエ
チレン系共重合体を開発すべく鋭意研究した結果、以下
に示すような特定の範囲にあるエチレン系共重合体がそ
の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成した。 (1)以下の(イ)〜(ヘ)の特性を有するエチレンと
炭素数3以上のオレフィンとから得られるエチレン系共
重合体。 (イ)密度が890〜940kg/m3 (ロ)デカリン中、温度135℃で測定した極限粘度が
0.5〜5.0デシリットル/g (ハ)昇温分別法より得られるクロマトグラムにおい
て、0℃で結晶化しない成分を有し、かつ0℃より高い
温度に2個以上のピークを有する (ニ)昇温分別における0℃の溶出成分量が10重量%
以下 (ホ)昇温分別における95℃以上の溶出成分量が0.
1〜10重量% (ヘ)昇温分別法により求めた0℃を除いた平均溶出温
度の標準偏差が20℃以下 (2)以下の(ト)の特性を有する上記(1)に記載の
エチレン系共重合体。 (ト)GPC・MALLS測定による90°光散乱クロ
マトグラムにおいて、分子量106 以上に現われる超高
分子量成分のピーク面積が5〜20% (3)上記(1)又は(2)に記載のエチレン系共重合
体を製膜してなるフィルム。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のエチレン系共重合体は、
エチレンと炭素数3以上のオレフィン、好ましくはエチ
レンと炭素数6〜18のオレフィンとの共重合体であ
る。コモノマーとして用いる炭素数3以上のオレフィン
としては、炭素数3〜18の直鎖状,分岐状,芳香核で
置換されたα−オレフィン等を挙げることができる。
【0008】該α−オレフィンの具体例としては、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1
−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン
等の直鎖状モノオレフィン、3−メチル−1−ブテン、
3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、2−エチル−1,2−エチル−1−ヘキセン、2,
2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐鎖モノオレ
フィン、さらにはスチレンなどの芳香核で置換されたモ
ノオレフィン等を挙げることができる。これらは、単独
で用いてもよく、2種以上で組み合わせて用いてもよ
い。
【0009】本発明のエチレン系共重合体は、次の
(イ)〜(ヘ)の特性を有するものである。 (イ)密度 密度は890〜940kg/m3 の範囲にある。この密
度が890kg/m3未満では、剛性に劣り、また94
0kg/m3 を超えると、透明性,耐衝撃性及び低温ヒ
ートシール性が低下する。剛性,透明性,耐衝撃性及び
低温ヒートシール性の特性バランスの面から、密度とし
ては900〜935kg/m3 が好ましく、特に905
〜930kg/m3 が好ましい。なお、この密度は、J
IS K−7112に準拠して求めた値である。 (ロ)極限粘度 極限粘度は、デカリン中、135℃の温度での測定にお
いて、0.5〜5.0デシリットル/gの範囲にある。
この極限粘度が0.5デシリットル/g未満では、成形
性に劣るとともに機械的強度が不充分であり、また5.
0デシリットル/gを超えると、溶融粘度が高くなり、
成形性が低下する。成形性及び機械的強度の面から、該
極限粘度としては、0.90〜4.80デシリットル/
gが好ましく、特に0.95〜4.50デシリットル/
gの範囲が好ましい。
【0010】(ハ)昇温分別法より得られるクロマトグ
ラム LLDPEのコモノマーによる短鎖分岐はどの分子にも
同じ数だけ生成するわけではなく、多い少ないという分
布が分子間に存在する(組成分布がある)。これを評価
する方法として、短鎖分岐が少ないほど融点が高くな
り、溶出温度も高くなることを利用した昇温分別法があ
る。例えば、o−ジクロロベンゼンを溶媒に用いた場合
は、これに一定量のLLDPEを溶解させ、それを所定
のカラムに入れ、0℃まで冷却した後、0℃から135
℃程度まで温度を上げながら、逐次溶出した成分を回収
し、各温度に対するLLDPEの溶出成分の重量分率と
して測定する。
【0011】公知のLLDPEにおいては、2個又は3
個のピークを有し、最近開発されたメタロセン触媒によ
るLLDPEは、1個のピークを有することが知られて
いるが、本発明のエチレン系共重合体は、この昇温分別
法より得られるクロマトグラムにおいて、0℃で結晶し
ない成分を有し、かつ0℃よりも高い温度に2個以上の
ピークを有するものである。
【0012】このピークが1個しかない場合は、透明性
の低下、成形性の不良等が生じる場合やべたつき成分が
多く、機械特性が低下する場合がある。なお、本発明の
エチレン系共重合体は、昇温分別において、0℃で結晶
しない成分を有し、かつ0℃よりも高い温度に2個以上
のピークを有し、また以下に示す(ニ)〜(ヘ)も規定
する範囲にあることで、所望の特性が得られるものであ
る。
【0013】(ニ)昇温分別における0℃の溶出成分量 本発明のエチレン系共重合体は、昇温分別における0℃
の溶出成分量が10重量%以下のものである。10重量
%を超えると耐ブロッキング性に劣り、またブリード物
によるトラブル発生がある。主に耐ブロッキング性の面
から、好ましくは、8重量%以下、特に好ましくは、5
重量%以下のものである。 (ホ)昇温分別における95℃以上の溶出成分量 本発明のエチレン系共重合体は、昇温分別における95
℃以上の溶出成分量が0.1〜10重量%の範囲にある
ものである。0.1重量%未満では、透明性が悪くな
り、10重量%を超えてもヘイズが高くなり、透明性が
悪くなる。主に透明性の面から、好ましくは、0.5〜
8重量%の範囲にあるものである。
【0014】(へ)昇温分別法により求めた0℃を除い
た平均溶出温度の標準偏差 本発明のエチレン系共重合体は、(へ)昇温分別法によ
り求めた0℃を除いた平均溶出温度の標準偏差が20℃
以下のものである。20℃を超えるものは、組成分布が
広く、低温ヒートシール性、ホットタック性が不良であ
る。低温ヒートシール性の面から、好ましくは、17℃
以下のものがよい。以上で説明した昇温分別法より得ら
れるクロマトグラムにおける2個以上のピークの大きさ
やピーク温度、平均溶出温度の標準偏差は極めて重要な
意味をもつものである。
【0015】例えば、第1図に示すような2個のピーク
を有する場合、高温側の小ピークと0℃で結晶しない成
分量は、通常の製造方法では、それぞれの大きさに相互
関係があり、高温側の小ピークを大きくしようとする
と、0℃で結晶化しない成分量も増加し、それぞれを個
々に制御することができていなかったし、それぞれの効
果に着目して、制御しようとする考え方も明らかにされ
ていなかった。また、平均溶出温度の標準偏差は小さい
程、組成分布が狭いことは知られていたが、要求特性を
考慮して、どの程度にすべきであるかは何ら明らかにさ
れていなかった。
【0016】本発明のエチレン系共重合体は、要求特性
とこれらのピークの大きさ、ピーク温度、平均溶出温度
の標準偏差等のバランスを考えて種々検討した結果、初
めて見出した関係であり、特に上記の(ハ)〜(ヘ)で
規定した範囲にあることに意味があり、従来にない透明
性、ヒートシール性及び機械的強度の特性バランスに優
れたフィルムを提供できるものである。上記の(ハ)〜
(ヘ)は、第2図に示すような構成の昇温分別装置(以
下に装置構成の詳細を示す。)を用いて、以下の条件で
測定を行い、求めたものである。
【0017】 装置構成 TREFカラム :GLサイエンス社製 シリカゲルカラム(4.6 φ×150mm) フローセル :GLサイエンス社製 光路長1mm KBrセル 送液ポンプ :センシュー科学社製 SSC−3100ポンプ バルブオーブン:GLサイエンス社製 MODEL554オーブン(高温型) TREFオーブン :GLサイエンス社製 二系列温調器 :理学工業社製 REX−C100温調器 検出器 :液体クロマトグラフィー用赤外検出器(IR) FOXBORO社製 MIRAN 1A CVF 10方バルブ :バルコ社製 電動バルブ ループ :バルコ社製 500μLループ
【0018】 測定条件 溶媒 : o−ジクロロベンゼン 試料濃度 : 7.5ミリグラム/ミリリットル 注入量 : 500マイクロリットル 流速 : 2ミリリットル/分 降温速度 : 5℃/時間 昇温速度 : 40℃/時間 検出波数 : 3.41μm カラム充填剤 : クロモソルブP(30〜60メッシュ) カラム温度分布: ±0.2℃以内
【0019】カラム内に試料溶液を135℃の条件下で
導入後、5℃/時間で徐冷してポリマーを充填剤に吸着
させたのち、0℃まで冷却後、カラム温度を上記条件で
昇温させることにより、各温度で溶出したポリマー濃度
を赤外検出器で検出する。この温度と濃度の関係から、
各温度における溶出量を求めることができる。0℃溶出
成分量(%)は、0℃まで冷却した時点で結晶化しなか
った成分であり、最初の試料溶液中のポリマー量に対す
るこの成分中のポリマー量の重量%に相当する。95℃
以上溶出成分量は、最初の試料溶液中のポリマー量に対
する95℃以上で溶出した成分中のポリマー量の重量%
に相当する。
【0020】また、0℃を除いた平均溶出温度の標準偏
差は、昇温分別における温度Ti と溶出量Wi のデータ
から、下式により先ず平均溶出温度(Tw)を求め、次
いで標準偏差(σ)を求める。一定昇温であるから、溶
出成分量のデータを時間間隔を一定にして取り込み、求
めることができる。
【0021】
【数1】
【0022】
【数2】
【0023】(ト)GPC・MALLS測定による90
°光散乱クロマトグラム 本発明のエチレン系共重合体の好ましい態様として、
(ト)GPC・MALLS測定による90°光散乱クロ
マトグラムにおいて、分子量106 以上に現れる超高分
子量成分のピーク面積が5〜20%の範囲にあるもので
ある。このようにすることで、さらにフィルムの耐ブロ
ッキング性が向上する。これが20%を超えるとゲルや
フィッシュアイが多くなり、好ましくない。一方、5%
未満では、充分な耐ブロッキング性が得られない場合が
ある。耐ブロッキング性等の面から、好ましくは、7〜
18%の範囲がよい。
【0024】このGPC・MALLS測定による90°
光散乱クロマトグラムの一例を第3図に示す。図に示す
ように、超高分子量成分のピークが顕著に表される傾向
があり、上記の規定はベースラインからの全ピーク面積
に対する分子量106 以上に現われる超高分子量成分の
ピーク(斜線部分)面積の割合を示すものである。
【0025】なお、GPC・MALLS測定は、以下の
装置及び条件で行い、求めたものである。 測定装置構成 カラム :昭和電工社製 Shodex UT806L 光散乱計(MALLS):Wyatt社製DawnF photometer 検出器 :液体クロマトグラフィー用赤外検出器(IR) FOXBORO社製 MIRAN 1A CVF 赤外検出フローセル :KBrセル(光路長1mm)
【0026】測定条件 溶媒 : TCB(0.033%BHT含有) 測定温度 : 135 ℃ 流速 : 1.0ミリリットル/分 試料濃度 : 2ミリグラム/ミリリットル 注入量 : 200μリットル 赤外吸収波長 : 3.41μm
【0027】本発明のエチレン系共重合体は、上記の特
性を有するものが製造できるならば、その製造方法は特
に問わないが、以下に示すような〔I〕固体触媒成分、
〔II〕有機アルミニウム混合体及び〔III 〕電子供与体
からなる触媒の存在下で、エチレンとα−オレフィンと
を高温溶液重合することで効率よく製造することができ
る。 〔I〕固体触媒成分 固体触媒成分は、次の(A)ハロゲン含有有機アルミニ
ウム化合物、(B)有機マグネシウム化合物との接触反
応物に、(C)遷移金属化合物及び(D)ハロゲン化炭
化水素化合物を実質上同時に接触、反応させ、さらにこ
れをMg換算5ミリモル/リットル以上の濃度で熟成し
て得られたスラリー状の物質を固液分離して得られた固
体成分である。 (A)ハロゲン含有有機アルミニウム化合物 ハロゲン含有有機アルミニウム化合物としては、ジエチ
ルアルミニウムモノクロリド,ジ−n−プロピルアルミ
ニウムモノクロリド,ジイソプロピルアルミニウムモノ
クロリド,ジイソブチルアルミニウムモノクロリド,ジ
オクチルアルミニウムモノクロリド,エチルアルミニウ
ムジクロリド,イソプロピルアルミニウムジクロリド,
ブチルアルミニウムジクロリド,オクチルアルミニウム
ジクロリド,モノエチルモノエトキシアルミニウムクロ
リド,エチルアルミニウムセスキクロリド,プロピルア
ルミニウムセスキクロリド,イソブチルアルミニウムセ
スキクロリド等が挙げられる。
【0028】これらの中では、特に、ジエチルアルミニ
ウムモノクロリド,ジイソプロピルアルミニウムモノク
ロリド,ジイソブチルアルミニウムモノクロリド,エチ
ルアルミニウムジクロリド,イソプロピルアルミニウム
ジクロリド,エチルアルミニウムセスキクロリド,イソ
ブチルアルミニウムセスキクロリドが好適である。ま
た、これらのハロゲン含有有機アルミニウム化合物は、
それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0029】(B)有機マグネシウム化合物 有機マグネシウム化合物としては、ジエチルマグネシウ
ム,ジブチルマグネシウム,ブチルオクチルマグネシウ
ム,ジアミルマグネシウム,ジヘキシルマグネシウム,
ジオクチルマグネシウム,エチルブチルマグネシウム,
ブチルイソプロピルマグネシウム等のジアルキルマグネ
シウム、ジフェニルマグネシウム等のジアリールマグネ
シウム、エチルフェニルマグネシウム等のアルキルアリ
ールマグネシウム、ブチルマグネシウムイソプロポキシ
ド等のアルキルマグネシウムアルコキシド、フェニルマ
グネシウムプロポキシド等のアリールマグネシウムアル
コキシド、ブチルマグネシウムクロリド,アミルマグネ
シウムクロリド等のアルキルマグネシウムハライド、フ
ェニルマグネシウムクロリド等のアリールマグネシウム
ハライド等が挙げられる。これらの中では、特にジブチ
ルマグネシウム,ブチルオクチルマグネシウム,エチル
ブチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウムが好適
である。また、これらの有機マグネシウム化合物は、そ
れぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0030】(C)遷移金属化合物 遷移金属化合物としては、テトラクロロチタン等のテト
ラハロゲン化チタン、トリクロロエトキシチタン等のト
リハロゲン化アルコキシチタン、トリクロロシクロヘキ
ソキシチタン等のトリハロゲン化シクロアルキルオキシ
チタン、トリクロロフェノキシチタン等のトリハロゲン
化アリールオキシチタン、ジクロロジエトキシチタン等
のジハロゲン化ジアルコキシチタン、ジクロロジシクロ
ヘキソキシチタン等のジハロゲン化ジシクロアルキルオ
キシチタン、ジクロロジフェノキシチタン等のジハロゲ
ン化ジアリールオキシチタン、クロロトリエトキシチタ
ン等のモノハロゲン化トリアルコキシチタン、クロロト
リシクロヘキソキシチタン等のモノハロゲン化トリシク
ロアルキルオキシチタン、クロロトリフェノキシチタン
等のモノハロゲン化トリアリールオキシチタン、テトラ
エトキシチタン,テトラブトキシチタン等のテトラアル
コキシチタン、テトラシクロヘキソキシチタン等のテト
ラシクロアルキルオキシチタン、テトラフェノキシチタ
ン等のテトラアリールオキシチタン等が挙げられる。こ
れらの中では、テトラアルコキシチタン及びテトラハロ
ゲン化チタンが好ましく、特にテトラ−n−ブトキシチ
タン及びテトラクロロチタンが好適である。これらの遷
移金属化合物はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0031】(D)ハロゲン化炭化水素化合物 ハロゲン化炭化水素化合物としては、ジクロロメタン,
クロロホルム,四塩化炭素,ジクロロエタン,トリクロ
ロエタン,テトラクロロエタン,ペンタクロロエタン,
n−プロピルクロリド,イソプロピルクロリド;1,3
−ジクロロプロパン;1,2−ジクロロプロパン;n−
ブチルクロリド,イソブチルクロリド,sec−ブチル
クロリド,tert−ブチルクロリド;1,4−ジクロ
ロブタン,n−アミルクロリド,イソアミルクロリド,
n−ヘキシルクロリド,n−デシルクロリド等の脂肪族
塩素化炭化水素化合物及びこれらに対応する臭素化,沃
素化あるいはフッ素化炭化水素化合物等が挙げられる。
また、クロロベンゼン,o−クロロトルエン,p−クロ
ロトルエン,p−クロロエチルベンゼン,o−ジクロロ
ベンゼン;3,4−ジクロロトルエン,塩化ベンジル,
p−クロロベンジルクロリド等の芳香族塩素化炭化水素
化合物及びこれらに対応する臭素化,沃素化あるいはフ
ッ素化炭化水素化合物等が挙げられる。これらの中で
は、特に、イソプロピルクロリド,イソブチルクロリ
ド,sec−ブチルクロリド,tert−ブチルクロリ
ドが好適である。これらのハロゲン化炭化水素化合物
は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0032】以上の触媒成分は、次に示す方法により調
製される。すなわち、まず、(A)成分のハロゲン含有
有機アルミニウム化合物と(B)成分の有機マグネシウ
ム化合物とを、ヘキサンやヘプタン等の不活性有機溶剤
中において、攪拌しながら混合して接触させる。この
際、マグネシウム濃度が5ミリモル/リットル以上、好
ましくは7〜500ミリモル/リットル、より好ましく
は10〜200ミリモル/リットルの範囲になるように
調整するのが有利である。また、(A)成分と(B)成
分とを接触させることにより、白色固形物が生成するの
で、固まりができないように攪拌するのが望ましい。
【0033】次に、このようにして、(A)成分と
(B)成分とを接触させて得られた化合物(I−a)
に、(C)成分の遷移金属化合物及び(D)成分のハロ
ゲン化炭化水素化合物を実質上同時に、15〜50℃程
度、好ましくは20〜40℃の範囲の温度で接触、反応
させて化合物(I−b)を得る。ここで、(C)成分及
び(D)成分を実質上同時に接触、反応させるとは、化
合物(I−a)を攪拌しながら、これに(C)成分と
(D)成分とを同時に添加するか、又は(C)成分を添
加後1分間以内に(D)成分を添加し、接触、反応させ
ることを意味する。(D)成分を(C)成分の前に接触
させると、得られる触媒の活性が低下し、かつ重合体の
ヘキサン可溶分が多くなり、好ましくない。また、
(C)成分を充分に接触させた後に、(D)成分を接触
させた場合、得られる触媒の活性がさらに低下する。
【0034】次いで、このようにして得られた化合物
(I−b)を、15〜40℃程度、好ましくは20〜3
0℃の範囲の温度において、好ましくは1時間以上、よ
り好ましくは3時間以上熟成させて、化合物(I−c)
からなるスラリー状物質をを得る。これを、ろ別法等に
より固液分離し、再び炭化水素溶媒中に分散して得られ
たスラリー体を〔I〕固体触媒成分として用いる。この
熟成温度が15℃未満では所望の性能を有する触媒が得
られにくく、40℃を超えると活性及び性能が共に低下
し、好ましくない。また、熟成時間が1時間未満では性
能が充分に良好な触媒が得られにくい。さらに、この
際、化合物(I−b)の濃度は、マグネシウム換算濃度
で5ミリモル/リットル以上になるように調整される。
マグネシウム換算濃度が5ミリモル/リットル未満では
性能が充分な触媒が得られにくい。また、濃度が高すぎ
ると活性が低下する傾向がみられる。得られる触媒の活
性及び性能の面から、化合物(I−b)の濃度は、マグ
ネシウム換算濃度で7〜500ミリモル/リットルの範
囲が好ましく、特に10〜200ミリモル/リットルの
範囲が好適である。なお、この熟成においては、攪拌を
行っても行わなくてもよい。また、化合物(I−b)を
ヘキサン等の不活性溶剤で希釈して熟成しても、各成分
を同様に希釈して使用しても、化合物(I−c)で最終
的な濃度がマグネシウム換算で5ミリモル/リットル以
上とすれば問題はない。
【0035】前記各触媒成分の使用割合については、マ
グネシウム/チタン原子比が0.1〜200、好ましく
は0.5〜30の範囲に、アルミニウム/チタン原子比
が1〜200、好ましくは2〜100の範囲になるよう
に各成分を用いることが望ましい。マグネシウム/チタ
ン原子比が上記範囲を逸脱すると触媒の活性が低下し、
好ましくない。また、アルミニウム/チタン原子比が1
未満では触媒の活性が低下し、200を超えるとその量
の割には触媒活性の向上があまりみられない。また、
(D)成分/(B)成分モル比は0.01〜10、好ま
しくは0.05〜5の範囲にあることが望ましい。この
(D)成分/(B)成分モル比が上記範囲を逸脱すると
触媒活性が低下する傾向がみられる。
【0036】〔II〕有機アルミニウム混合体 この有機アルミニウム混合体は、(E)有機アルミニウ
ム、(F)ハロゲン化炭化水素、及び(G)含酸素化合
物の混合体から調整されるものである。 (E)有機アルミニウム化合物 この有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピル
アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチル
アルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウム
モノクロリド、ジエチルアルミニウムモノメトキシド、
ジエチルアルミニウムモノエトキシド、ジエチルアルミ
ニウムモノブトキシド、ジエチルアルミニウムモノフェ
ノキシド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプリピ
ルアルミニウムジクロリド、メチルアルミニウムセスキ
クロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等を挙げ
ることができる。これらの化合物は、それぞれ単独で用
いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】(F)ハロゲン化炭化水素 任意のものを用いることができるが、炭素数1〜18の
脂肪族ハロゲン化炭化水素、炭素数6〜15の芳香族ハ
ロゲン化炭化水素等が好ましい。好ましいものとして、
例えば、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプ
ロパン、イソプロピルクロリド、sec−ブチルクロリ
ド等が挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独で
用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 (G)含酸素化合物 任意のものを用いることができるが、アルコール類が好
ましく、特に炭素数1〜18の脂肪族アルコールが好ま
しい。好ましいものとして、例えば、n−ブタノール、
イソブタノール、tert−ブタノール、n−ヘキサノ
ール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。これら
の化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0038】上記の(E)有機アルミニウム、(F)ハ
ロゲン化炭化水素、及び(G)含酸素化合物の混合比
は、(E)有機アルミニウム1モルに対して、〔(F)
ハロゲン化炭化水素+(G)含酸素化合物〕を0.01
〜10モル、好ましくは0.1〜1モルの範囲にするの
がよい。これが10モルを超えると活性の低下を引き起
こす場合がある。これらの接触は、ヘキサン、ペプタ
ン、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素中で行うの
がよい。また、これらの接触条件として、接触温度は、
通常0〜100℃の範囲の下、接触時間は、通常1分間
以上、好ましくは、5分間以上とするのがよい。
【0039】〔II〕電子供与体 電子供与体としては、例えばアルコール類,エーテル
類,ケイ素化合物等を好ましく挙げることができる。ア
ルコール類としては、エタノール,n−プロパノール,
イソプロパノール,n−ブタノール,t−ブタノール,
n−ヘキサノール,2−エチルヘキサノール,n−デカ
ノール,オレイルアルコール,n−ステアリルアルコー
ル,イソステアリルアルコール,シクロペンタノール,
シクロヘキサノール,ベンジルアルコール,メチルベン
ジルアルコール,n−ブチルセロソルブ等が挙げられ
る。
【0040】また、エーテル類としては、ジエチルエー
テル,ジ−n−プロピルエーテル,ジ−イソプロピルエ
ーテル,ジ−n−ブチルエーテル,ジ−n−アミルエー
テル,ジ−イソアミルエーテル,ジネオペンチルエーテ
ル,ジ−n−ヘキシルエーテル,ジ−n−オクチルエー
テル,メチルn−ブチルエーテル,メチル−tert−
ブチルエーテル,メチルイソアミルエーテル,エチルイ
ソブチルエーテル,エチル−n−ブチルエーテル,アニ
ソール,フェネトール等が挙げられる。
【0041】さらに、ケイ素化合物としては、トリクロ
ロメトキシシラン,ジクロロジメトキシシラン,クロロ
トリメトキシシラン,テトラメトキシシラン,トリクロ
ロエトキシシラン,ジクロロジエトキシシラン,クロロ
トリエトキシシラン,テトラエトキシシラン,トリクロ
ロプロポキシシラン,ジクロロジプロポキシシラン,ク
ロロトリプロポキシシラン,テトラプロポキシシラン,
トリクロロブトキシシラン,ジクロロブトキシシラン,
クロロトリブトキシシラン,テトラブトキシシラン等が
挙げられる。これらの電子供与体の中では、特にn−デ
カノール,イソステアリルアルコール,メチル−ter
t−ブチルエーテル,アニソール,テトラエトキシシラ
ン及びテトラブトキシシランが好適である。また、これ
らの電子供与体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】前記〔I〕固体触媒成分、〔II〕有機アル
ミニウム混合体及び〔III 〕電子供与体からなる触媒に
おける各触媒成分の使用割合は、〔I〕固体触媒成分の
チタン1モルに対して、〔II〕有機アルミニウム混合体
のアルミニウムを通常1〜1000モル、好ましくは1
0〜100モルの範囲とするのがよい。また、〔III〕
電子供与体は、〔II〕有機アルミニウム混合体のアルミ
ニウム1モルに対して、通常0.01〜10モル、好ま
しくは0.1〜1モルの範囲とするのがよい。本発明の
エチレン系共重合体は、前記重合用触媒の存在下、エチ
レンと炭素数3以上のα−オレフィンとを高温溶液重合
させることで効率よく製造できるものである。この炭素
数3以上のα−オレフィンとしては、前記の通りであ
る。
【0043】高温溶液重合の製造条件としては、炭素数
5〜18の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭
化水素等の不活性溶剤中で重合が行われる。不活性溶剤
の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ノナン、デカン、テトラデカン等の直鎖状又は
分岐鎖状炭化水素、シクロヘキサン等の環状炭化水素、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙
げられる。特に好ましい不活性溶剤としては、n−ヘキ
サンを挙げることができる。これらは、1種を用いても
よく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0044】この共重合反応は、生成する重合体が反応
媒体に溶解する加熱条件下で行われ、通常120〜24
0℃、好ましくは160〜220℃の範囲の温度で行わ
れる。また、反応圧力は、通常0.2〜10MPa、好
ましくは1〜8MPaの範囲で選定される。反応時間は
1〜180分程度である。そして、触媒濃度は、チタン
濃度で0.001〜10ミリモル/リットル、特に好ま
しくは0.001〜0.1ミリモル/リットルである。
このエチレンとα−オレフィンとの共重合反応において
は、水素等の公知の分子量調節剤を用い、分子量を調節
することができる。
【0045】生成した共重合体は、公知の方法により、
溶剤と分離し、それ単独で、又は、必要に応じて添加剤
を配合して、通常、押出機を通してペレットとする。そ
の他、パウダーのまま、フィルム、シートの成形機に供
される場合もある。以上で得られた本発明のエチレン系
共重合体は、それ単独で、又は、必要に応じて添加剤を
配合してから、通常の成形方法により、フィルム、シー
ト等に成形加工される。添加剤としては、滑剤、酸化防
止剤、中和剤、紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、
アンチブロッキング剤、染料等が挙げられる。
【0046】成形方法としては、一般的な押出成形法、
射出成形法、ブロー成形法、回転成形法が挙げられる。
フィルム、シート等の成形には、押出成形法の中のTダ
イ成形法やインフレーション成形法が一般的に用いられ
る。
【0047】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に示すが、
本発明は下記の実施例に限定されるものではない。な
お、フィルムの特性は、以下に示すようにして求めた。 (1)ヒートシール温度(℃) JIS Z−1707に準拠して求めた。すなわち、東
洋精機製作所製の熱傾斜試験機を用い、設定温度にて、
圧力0.5kg/cm2 、シール時間1秒でヒートシー
ルした。シール部の面積はMD(機械方向)10mm×
TD(横方向)15mmとし、引張試験法の条件は、M
DのT型剥離で剥離試験速度200mm/分とした。こ
の剥離強度が0.3kg/15mmになるときの温度を
ヒートシール温度と定義した。 (2)ヘイズ(%) JIS K−7105に準拠して求めた。 (3)フィルムインパクト(kJ/m) ASTM−D3420に準拠し、東洋精機製作所製のフ
ィルムインパクトテスターで測定した。衝撃頭の径は1
インチに設定した。 (4)ブロッキング強度(N/m2 ) 荷重72g/cm2 (720kg/m2 )、60℃、3
時間の条件下で、2枚のフィルムを密着させた(密着面
積100cm2 (0.01m2 ))。そのフィルムを室
温で16時間以上放置した後、フィルム面に対して垂直
方向に剥離してブロッキング強度を測定した。また、共
重合体の各物性は、前述した方法に従って求めた。
【0048】〔実施例1〕 (1)固体触媒成分〔I〕の調製 乾燥した5リットルのガラス製触媒調製槽に、脱気処理
したドライヘキサン2160ミリリットルを入れ、攪拌
機で攪拌しながらエチルアルミニウムセスキクロリド8
64ミリモルを添加し、温度を室温(約23℃)に調製
した。ついでエチルブチルマグネシウム216ミリモル
を添加すると白色固形物が生成したので、約10分攪
拌を続けた。次に、これに、テトラブトキシチタン48
ミリモル及びイソプロピルクロリド324ミリモルを同
時に添加して化合物を得るが、発熱により温度が上昇
するので、最高温度が40℃以下になるように調製し、
更に室温まで温度を戻した。その後化合物をそのまま
室温で1日間熟成し、化合物を得た。化合物は、窒
素置換された3リットルのガラス製ろ過管にて加圧ろ
過、固液分離し、固体成分を得、これを脱気処理したド
ライヘキサン中に再び分散させた。
【0049】(2)有機アルミニウム混合体〔II〕の調
製 窒素ガスで充分に置換した攪拌機付きガラス製フラスコ
(内容積5リットル)に、乾燥n−ヘキサン2320m
l、ジエチルアルミニウムモノクロライド67.5mm
ol(アルミニウム原子当たり)を順次加え、それにイ
ソプロピルクロライド15mmol、n−ブタノール1
5mmolを同時に加えた。この溶液を室温にて、1時
間攪拌し、有機アルミニウム混合体(II)を得た。
【0050】(3)エチレン・オクテン−1共重合体の
重合 内容積1リットルの連続重合反応器に、n−ヘキサンを
5.5リットル/時間、エチレンを710g/時間、お
よびオクテン−1を360g/時間で供給した。また、
触媒として上記で得られた化合物Iをチタン原子換算で
0.15ミリモル/時間、化合物IIをアルミニウム原子
換算で2.7ミリモル/時間、ならびに電子供与体III
としてメチル−tert−ブチルエーテルを1.1ミリ
モル/時間、重合器の直前で三者が混合する様式で、重
合器に供給した。また水素を0.04g/時間で供給
し、反応温度185℃、反応温度7.0MPaの条件の
条件下で重合反応を行い、エチレン・オクテン−1共重
合体を得た。重合活性(1時間当たりの生産量を使用T
i量で除した値)は119kg/gTi−Hrであっ
た。
【0051】得られた共重合体の特性の測定は前述の方
法に従って行った。また、その品質評価としては、以下
のようにキャストフィルムを成形し、各特性について評
価した。まず、得られた共重合体に添加剤として、酸化
防止剤(イルガノックス1076及びイルガノックス1
010(いずれもチバガイギー社製))、中和剤(ステ
アリン酸カルシウム(日本油脂社製))アンチブロッキ
ング剤(シルトンAMT(水沢化学社製))、スリップ
剤(ニュトロンS(日本精化社製))を適量配合し、こ
れを20mmφ単軸押出機で混練して造粒した。次い
で、20mmφ押出成形機(塚田機械社製)で、以下の
成形条件でキャストフィルムに成形した。得られたフィ
ルムの特性の測定は前述の方法に従って行った。
【0052】成形条件 スクリュー :フルフライトタイプ(L/D=20) スクリュー径:20mm、 回転数:50rpm ダイス :コートハンガータイプ(幅170mm) リップ幅 :0.4mm、フィルム厚み:40μm 樹脂温度 :170℃ 得られた共重合体の特性は第1表に、フィルム特性は第
2表に示す。
【0053】〔実施例2〕実施例1の(2)において、
イソプロピルクロライドの代わりにn−ブチルクロライ
ドを使用した以外は実施例1と同様にして重合を行なっ
た。実施例1と同様に、共重合体の特性及びフィルム特
性の評価を行った。その結果は、第1表及び第2表に示
す。
【0054】〔実施例3〕実施例1の(2)において、
n−ブタノールの代わりにn−ヘキサノールをを使用し
た以外は実施例1と同様にして重合を行なった。実施例
1と同様に、共重合体の特性及びフィルム特性の評価を
行った。その結果は、第1表及び第2表に示す。
【0055】〔実施例4〕実施例1において、オクテン
−1の供給量を144g/時間で供給した以外は実施例
1と同様にして重合を行なった。実施例1と同様に、共
重合体の特性及びフィルム特性の評価を行った。その結
果は、第1表及び第2表に示す。
【0056】〔比較例1〕実施例1において、(2)を
有機アルミニウム混合体を用いずに、ジエチルアルミニ
ウムモノクロライド単独で使用した以外は実施例1と同
様にして重合を行なった。実施例1と同様に、共重合体
の特性及びフィルム特性の評価を行った。その結果は、
第1表及び第2表に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明は、透明性、低温ヒートシール性
及び機械的特性等に優れ、これらの特性バランスが良好
であるフィルム、好ましくはさらに耐ブロッキング性に
優れたフィルムを与えることができるエチレン系共重合
体を提供することができる。従って、包装用フィルム、
食品用フィルム、テープ用フィルムの用途に好ましく利
用できる。また、好ましい特性を活かし、シート、容
器、日用品等の用途にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、昇温分別法より得られるクロマトグ
ラムを示す。(図にも示すように一定昇温であるから時
間は溶出温度に相当する。)
【図2】第2図は、分析昇温分別装置の模式図を示す。
【図3】第3図は、GPC・MALLS測定による90
°光散乱クロマトグラム示す。
【符号の説明】
1・・・TREFカラム 2・・・送液ポンプ 3・・・バルブオーブン 4・・・TREFオーブン 5・・・検出器 6・・・10方バルブ 7・・・ループ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(イ)〜(ヘ)の特性を有するエ
    チレンと炭素数3以上のオレフィンとから得られるエチ
    レン系共重合体。 (イ)密度が890〜940kg/m3 (ロ)デカリン中、温度135℃で測定した極限粘度が
    0.5〜5.0デシリットル/g (ハ)昇温分別法より得られるクロマトグラムおいて、
    0℃で結晶化しない成分を有し、かつ0℃より高い温度
    に2個以上のピークを有する (ニ)昇温分別における0℃の溶出成分量が10重量%
    以下 (ホ)昇温分別における95℃以上の溶出成分量が0.
    1〜10重量% (ヘ)昇温分別法により求めた0℃を除いた平均溶出温
    度の標準偏差が20℃以下
  2. 【請求項2】 以下の(ト)の特性を有する請求項1に
    記載のエチレン系共重合体。 (ト)GPC・MALLS測定による90°光散乱クロ
    マトグラムにおいて、分子量106 以上に現われる超高
    分子量成分のピーク面積が5〜20%
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のエチレン系共重
    合体を製膜してなるフィルム。
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