JP2002220499A - 熱可塑性エラストマー組成物及び成形体 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及び成形体

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JP2002220499A
JP2002220499A JP2001019849A JP2001019849A JP2002220499A JP 2002220499 A JP2002220499 A JP 2002220499A JP 2001019849 A JP2001019849 A JP 2001019849A JP 2001019849 A JP2001019849 A JP 2001019849A JP 2002220499 A JP2002220499 A JP 2002220499A
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thermoplastic elastomer
elastomer composition
weight
acid
molded article
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JP2001019849A
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Tadaaki Nishiyama
忠明 西山
Masanari Inagaki
勝成 稲垣
Harunori Fujita
晴教 藤田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、柔軟性、加工性に優れ、低分子量成分
のブリードがなく、特に押出し加工性及びカレンダー加
工性に優れる熱可塑性エラストマー組成物及び該熱可塑
性エラストマー組成物を押出し成形することで得られる
押出し成形体又はカレンダー成形することで得られるカ
レンダー成形体を提供する。 【解決手段】 下記(イ)〜(ロ)を含有し、(イ)の
含有量が5〜95重量%であり、(ロ)の含有量が5〜
95重量%である熱可塑性エラストマー組成物。 (イ):下記(a)〜(c)の条件を満足するGPC測
定におけるQ値(重量平均分子鎖長/数平均分子鎖長)
が4以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体 (a)α−オレフィン含量が5〜95重量%であること (b)ムーニー粘度:ML1+4100℃が5〜70であ
ること (c)JIS−K−6251に準拠して測定した引張応
力M100が8MPa以下であること (ロ):GPC測定におけるQ値が4未満であるポリオ
レフィン系樹脂

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物及び該熱可塑性エラストマー組成物を用いて
得られる成形体に関するものである。更に詳しくは、本
発明は、強度、柔軟性、加工性に優れ、低分子量成分の
ブリードがなく、特に押出し加工性及びカレンダー加工
性に優れる熱可塑性エラストマー組成物及び該熱可塑性
エラストマー組成物を押出し成形することで得られる押
出し成形体又はカレンダー成形することで得られるカレ
ンダー成形体に関するものである。本発明で押出し加工
性に優れるとは、押出し成形体の表面肌が平滑であり、
得られる最終製品の外観を損ねないことを意味する。ま
た、本発明でカレンダー加工性に優れるとは、シート取
り出しを容易に行うことができることを意味する。
【0002】
【従来の技術】軟質塩化ビニル材料は、機械的強度と柔
軟性のバランスが良く、加工性やコストパフォーマンス
に優れた材料であるが、近年の環境問題よりその使用が
制限されている。一方でリサイクル性に優れるポリオレ
フィン系材料としてエチレン−α−オレフィン共重合体
ゴムをあげることができ、従来、EPDM等のエチレン
−α−オレフィン−非共役ジエンゴムとともに自動車用
材料、建築材料、電線用材料、ポリオレフィン改質材料
として広く用いられている。これらの用途では、加硫物
性が優れていることはもちろん、加工性、特にロール加
工性、押し出し加工性が優れていることが望まれてお
り、この点で、ジエン成分を含むことにより加工性に優
れたEPDM等のエチレン−α−オレフィン−非共役ジ
エンゴムがエチレン−α−オレフィン共重合ゴムよりも
広く用いられる現状となっている。この加工性を更に改
良する従来技術として例えば、特開昭61−4708号
公報に示されるように二級アルコールのバナジン酸エス
テル等の特殊な触媒を用いて分子量分布の広いエチレン
−α−オレフィン−非共役ジエンゴムを製造する方法が
開示されている。また特公平6−18942号公報に
は、分子量分布の広いエチレン−α−オレフィン−非共
役ジエン共重合ゴムに加硫ゴム配合剤を配合したことを
特徴とするゴム組成物が開示されている。しかしなが
ら、ジエン成分を含むゴムは加工性に優れるものの、ジ
エン成分を含まないゴムに比べてジエンモノマー臭気を
含むことから、最終製品に該臭気が残留するという問題
が発生することがある。
【0003】更に特開平9−241325号公報には、
加工性、耐熱性に優れ、かつ引張強度が高く、低分子量
部のブリードの発生しない、特定の組成、分子量、分子
量分布を有するエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
が開示されている。しかしながら、この方法では、昨今
の更に厳しい品質要求に鑑みて、ブリードの防止が不十
分であり、該共重合体を用いた最終製品の表面外観を損
ねるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況の下、本発
明が解決しようとする課題は、強度、柔軟性、加工性に
優れ、低分子量成分のブリードがなく、特に押出し加工
性及びカレンダー加工性に優れる熱可塑性エラストマー
組成物及び該熱可塑性エラストマー組成物を押出し成形
することで得られる押出し成形体又はカレンダー成形す
ることで得られるカレンダー成形体を提供する点に存す
る。本発明で押出し加工性に優れるとは、押出し成形体
の表面肌が平滑であり、得られる最終製品の外観を損ね
ないことを意味する。また、本発明でカレンダー加工性
に優れるとは、シート取り出しを容易に行うことができ
ることを意味する。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のうち
第一の発明は、下記(イ)〜(ロ)を含有し、(イ)の
含有量が5〜95重量%であり、(ロ)の含有量が5〜
95重量%である熱可塑性エラストマー組成物に係るも
のである。 (イ):下記(a)〜(c)の条件を満足するGPC測
定におけるQ値(重量平均分子鎖長/数平均分子鎖長)
が4以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体 (a)α−オレフィン含量が5〜95重量%であること (b)ムーニー粘度:ML1+4100℃が5〜70であ
ること (c)JIS−K−6251に準拠して測定した引張応
力M100が8MPa以下であること (ロ):GPC測定におけるQ値が4未満であるポリオ
レフィン系樹脂 また、本発明のうち第二の発明は、上記の熱可塑性エラ
ストマー組成物を押出し成形することで得られる押出し
成形体に係るものである。更に、本発明のうち第三の発
明は、前記の熱可塑性エラストマー組成物をカレンダー
成形することで得られるカレンダー成形体に係るもので
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の成分(イ)は、Q値(重
量平均分子鎖長/数平均分子鎖長)が4以上であるエチ
レン−α−オレフィン共重合体である。成分(イ)はG
PC測定におけるQ値が4以上である必要があり、好ま
しくは6以上である。Q値が過少であると、得られる熱
可塑性エラストマー組成物を用いて成形した成形品の押
出し加工性やカレンダー加工性が悪化する。また、本発
明の構成用件に合致する限りQ値は大きい方が押し出し
加工性やカレンダー加工性の面で好ましい。Q値測定は
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法(た
とえば、Waters社製、150C/GPC装置)に
より行う。溶出温度は140℃、使用カラムは、たとえ
ば昭和電工社製Shodex Packed Colu
mnA−80M、分子量標準物質はポリスチレン(たと
えば、東ソー社製、分子量68−8,400,000)
を用いる。得られたポリスチレン換算重量平均分子量
(Mw)、数平均分子量(Mn)、更にこの比(Q値)
を分子量分布とする。測定サンプルは約5mgの重合体
を5mlのo−ジクロロベンゼンに溶解し、約1mg/
mlの濃度とする。得られたサンプル溶液の400μl
をインジェクションし、溶出溶媒流速は1.0ml/m
inとし、屈折率検出器にて検出する。
【0007】(イ)は、下記(a)〜(c)の条件を満
足するエチレン−α−オレフィン共重合体である。
(a)α−オレフィン含量が5〜95重量%であること (b)ムーニー粘度:ML1+4100℃が5〜70であ
ること (c)JIS−K−6251に準拠して測定した引張応
力M100が8MPa以下であること
【0008】成分(イ)のα−オレフィンの具体例とし
ては、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセ
ン、1−エイコセンなどをあげることができる。これら
のα−オレフィンは、その一種を単独で用いてもよく、
又はその二種以上を併用してもよい。本発明共重合体中
におけるα−オレフィン含量は5〜95重量%である必
要があり、好ましくは20〜90重量%であり、より好
ましくは25〜40重量%である。α−オレフィン含量
が過少であると、得られる熱可塑性エラストマー組成物
を用いて成形した成形品の表面にブリードを生じる。一
方α−オレフィン含量が過多であると、得られる熱可塑
性エラストマー組成物を用いて成形した成形品の強度が
劣る。
【0009】成分(イ)のムーニー粘度:ML1+410
0℃は5〜70である必要があり、好ましくは20〜6
0である。ムーニー粘度が過少であると、得られる熱可
塑性エラストマー組成物を用いて成形した成形品の強度
が劣る。一方ムーニー粘度が過多であると、得られる熱
可塑性エラストマー組成物を用いて成形した成形品の押
出し加工性が悪化する。
【0010】成分(イ)の、JIS−K−6251に準
拠して測定した引張応力M100は8MPa以下である必
要があり、好ましくは4MPa以下であり、より好まし
くは2.5MPa以下であり、さらに好ましくは2.0
MPa以下である。該値が過多であると、得られる熱可
塑性エラストマー組成物を用いて成形した成形品の柔軟
性に劣る。
【0011】(イ)は、(a)〜(c)の条件を満足す
るエチレン−α−オレフィン共重合体であり、加えて下
記(d)の条件を満足するエチレン−α−オレフィン共
重合体であることがより好ましい。 (d)分子量分布曲線が2つ以上のピークを示すこと
【0012】成分(イ)の分子量分布曲線が1つのピー
クである場合、分子量分布の広化が不十分であり、得ら
れる熱可塑性エラストマー組成物を用いて成形した成形
品の押出し加工性、中でも押出し肌が悪化したり、カレ
ンダー加工性が悪化することがある。成分(イ)の分子
量分布曲線のピークの数としては2つ(バイモーダ
ル)、3つ(トリモーダル)、4つ(テトラモーダル)
などが例示される。
【0013】成分(イ)は、下記(A)成分〜(C)成
分を後記のとおり組合せて得られる触媒系の存在下、1
槽又は2槽の重合槽を用いて、エチレン及びα−オレフ
ィンを重合に付すことにより製造し得る。なお、本発明
の構成要件に合致する限り3槽以上の重合槽を使用する
ことも可能である。
【0014】(A)成分としては、一般式VO(OR)
n3-n(ただしRは炭化水素基、Xはハロゲン、0≦n
≦3)で示されるバナジウム化合物を用いることがで
き、VOCl3、VO(OCH3)Cl2、VO(OC
32Cl、VO(OCH33、VO(OC25)Cl
2、VO(OC252Cl、VO(OC253、VO
(OC37)Cl2、VO(OC372Cl、VO(O
373、VO(Oiso−C37)Cl2、VO(O
iso−C372Cl、VO(Oiso−C373
VO(On−C49)Cl2、VO(On−C492
l、VO(On−C493、あるいはこれらの混合物
を例示することができる。これらの内、VOCl3以外
のものはVOCl3とアルコールを反応させたり、ある
いは、VOCl3とVO(OR)3を反応させることによ
って容易に得ることができる。
【0015】(B)成分としては、一般式R’mAlX
3-m(ただしR’は炭化水素基、Xはハロゲン、0≦m
≦3)で示される有機アルミニウム化合物を使用するこ
とができ、(C252AlCl、(C492AlC
l、(C6132AlCl、(C 251.5AlC
1.5、(C491.5AlCl1.5、(C6131.5
lCl1. 5、C25AlCl2、C49AlCl2、C6
13AlCl2等が例示できる。
【0016】(A)成分と(B)成分のみからなる触媒
系を用いても本発明の共重合体を得ることが可能である
が、ブリードする低分子量成分を更に少なくする目的で
次に示す(C)成分を合わせて用いてもよい。
【0017】(C)成分としては、下記一般式で示され
るハロゲン化エステル化合物を用いることができる。 (ただしR”は炭素数1〜20で、部分的あるいは全て
ハロゲン置換された有機基、R'''は炭素数1〜20の
炭化水素基)好ましくはR”の置換基が全てクロル置換
された化合物、更に好ましくは、パークロルクロトン酸
エステルが非常に有効である。具体的には、エチルジク
ロルアセテート、メチルトリクロルアセテート、エチル
トリクロルアセテート、メチルジクロルフェニルアセテ
ート、エチルジクロルフェニルアセテート、メチルパー
クロロクロトネート、エチルパークロルクロトネート、
プロピルパークロルクロトネート、イソプロピルパーク
ロルクロトネート、ブチルパークロルクロトネート、シ
クロプロピルパークロルクロトネート、フェニルパーク
ロルクロトネート等が例示できる。
【0018】重合反応における有機アルミニウム化合物
(B)とバナジウム化合物(A)の割合は、モル比で
2.5以上、かつハロゲン化エステル化合物(C)とバ
ナジウム化合物(A)の割合が、モル比で1.5以上で
なければならない。
【0019】また、本発明の成分(イ)は、上記触媒系
の他、公知のチーグラー・ナッタ型触媒又は公知のシン
グルサイト触媒(メタロセン系等)を単独又は複数用
い、かつ1槽又は2槽以上の重合槽を用いて製造するこ
とができるが、得られる重合体の組成分布の均一性とい
う観点からは、公知のシングルサイト触媒(メタロセン
系等)が好ましく、かかるシングルサイト触媒の例とし
ては、たとえば特開昭58−19309号公報、特開昭
60−35005号公報、特開昭60−35006号公
報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35
008号公報、特開昭61−130314号公報、特開
平3−163088号公報、特開平4−268307号
公報、特開平9−12790号公報、特開平9−873
13号公報、特開平10−508055号公報、特開平
11−80233号公報、特表平10−508055号
公報、等に記載のメタロセン系触媒、特開平10−31
6710号公報、特開平11−100394号公報、特
開平11−80228号公報、特開平11−80227
号公報、特表平10−513489号公報、特開平10
−338706号公報、特開表11−71420号公報
記載の非メタロセン系の錯体触媒を例示することができ
るが、これらの中でも、一般的にはメタロセン触媒が使
用され、その中でも好適なメタロセン触媒の例として
は、シクロペンタジエン形アニオン骨格を少なくとも1
個有し、かつ得られる重合体の柔軟性という観点から
は、C1対称構造を有する周期表第3族〜第12族の遷
移金属錯体が好ましい。更に、高分子量の重合体を得る
に際してのメタロセン触媒を用いた好適な製造方法の例
として、下記(α)と、下記(β)及び/又は下記
(γ)とを用いてなるオレフィン重合用触媒の存在下、
エチレン及びα−オレフィンを共重合してなる方法を例
示することができる。 (α):下記一般式[I]〜[III]で表される遷移金
属錯体のうちの少なくとも一種 (上記一般式[I]〜[III]においてそれぞれ、M1
元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を示し、Aは元
素の周期律表の第16族の原子を示し、Jは元素の周期
律表の第14族の原子を示す。Cp1はシクロペンタジ
エン形アニオン骨格を有する基を示す。X1、X2
1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、ア
リール基、置換シリル基、アルコキシ基、アラルキルオ
キシ基、アリールオキシ基又は2置換アミノ基を示す。
3は元素の周期律表の第16族の原子を示す。R1、R
2、R3、R4、R5及びR6は任意に結合して環を形成し
てもよい。二つのM1、A、J、Cp1、X1、X2
3、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ同じ
であっても異なっていてもよい。) (β):下記(β1)〜(β3)から選ばれる1種以上
のアルミニウム化合物 (β1)一般式 E1 aAlZ3-aで示される有機アルミ
ニウム化合物 (β2)一般式 {−Al(E2)−O−}bで示される
構造を有する環状のアルミノキサン (β3)一般式 E3{−Al(E3)−O−}cAlE3
2で示される構造を有する線状のアルミノキサン (但し、E1、E2及びE3は、それぞれ炭化水素基であ
り、全てのE1、全てのE 2及び全てのE3は同じであっ
ても異なっていてもよい。Zは水素原子又はハロゲン原
子を表し、全てのZは同じであっても異なっていてもよ
い。aは0<a≦3を満足する数を、bは2以上の整数
を、cは1以上の整数を表す。) (γ):下記(γ1)〜(γ3)のいずれかのホウ素化
合物 (γ1)一般式 BQ123で表されるホウ素化合
物、 (γ2)一般式 G+(BQ1234-で表されるホ
ウ素化合物、 (γ3)一般式 (L−H)+(BQ1234-で表
されるホウ素化合物 (但し、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q
1〜Q4はハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水
素基、置換シリル基、アルコキシ基又は2置換アミノ基
であり、それらは同じであっても異なっていてもよい。
+は無機又は有機のカチオンであり、Lは中性ルイス
塩基であり、(L−H)+はブレンステッド酸であ
る。)
【0020】触媒の調製に用いられる不活性炭化水素媒
体としては、具体的にはプロパン、ブタン、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯
油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エ
チレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなど
のハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの混合物などを
あげることができる。また、調製温度は通常−100〜
250℃の範囲とすることが好ましく、圧力、時間は任
意に設定することができる。
【0021】成分(イ)における重合は、炭化水素溶媒
中で行う。炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の
ような脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロ
ペンタン、メチルシクロヘキサン等のような環状脂肪族
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等のような芳
香族炭化水素を例示することができる。また、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の如き
α−オレフィンを溶媒の一部又は全部として使用し得
る。重合温度は40〜160℃が好ましく、生産性、分
子量制御の観点から40〜80℃が更に好ましい。
【0022】重合は、一槽の重合槽又は二槽の重合槽を
直列に用い、大気圧下もしくは加圧下で実施され、0.
1〜5MPaで実施するのが好ましく、特に0.1〜2
MPaの間が好ましい。重合槽一槽あたりの反応液の平
均滞留時間は2〜180分が好ましく、20〜120分
がさらに好ましい。ポリマー濃度は、反応液の粘度低減
の観点から15重量%以下が好ましく、12重量%以下
がさらに好ましい。
【0023】また、成分(イ)の分子量のコントロール
には水素、ジエチルアミン、アリールクロリドピリジン
−N−オキシド等が例示され、水素が特に好ましい。
【0024】二槽の重合槽を用いる場合、1槽目と2槽
目の重合槽の温度、分子量調節剤は本発明の構成要件を
満たすように任意に設定できるが、1槽目で高分子量ポ
リマーを合成し、2槽目で低分子量ポリマーを重合する
のが好ましく、1槽目の重合温度は40〜60℃、2槽
目の重合温度は50〜80℃が好ましい。1槽目の重合
温度が高すぎると高分子量ポリマーの分子量が不十分と
なることがあり、また、2槽目の重合温度が低すぎると
分子量調節剤を大量に使用する必要が生じ、好ましくな
い。
【0025】一方、分子量調節剤は、1槽目、2槽目の
何れか、又は両方に添加できるが1槽目の使用量を少な
くし、2槽目の使用量を多くすることにより、十分な高
分子量ポリマーと低分子量ポリマーを重合することがで
き、好ましい。
【0026】また、1槽目と2槽目の共重合体生成量の
割合は2.0/0.05〜1/2.5の範囲が好まし
い。更には、2.0/0.1〜2/1.5の範囲で実施
すればより好適な結果が得られる。
【0027】また、上述の方法により得られた共重合体
と同一の構成要件を満たす共重合体を、別々に合成した
ポリマーのブレンドにより合成する方法も考えられる。
【0028】ただし、前述の、公知のチーグラー・ナッ
タ型触媒又は公知のシングルサイト触媒よりなる触媒系
の併用(ハイブリッド)により、高分子量ポリマーと低
分子量ポリマーを同時に重合かつブレンドすることは可
能であり、量産にも適する方法である。なお、この場合
は複数の重合槽は必ずしも必要ではなく、重合槽は1槽
でも問題ない。
【0029】本発明の成分(ロ)は、GPC測定におけ
るQ値が4未満であるポリオレフィン系樹脂である。成
分(ロ)は、GPC測定におけるQ値が4未満である必
要がある。該値が過少であると、得られる熱可塑性エラ
ストマー組成物を用いて成形した成形品の強度に劣る。
【0030】また得られる熱可塑性エラストマー組成物
を用いて成形した成形品の柔軟性を向上する観点から
は、成分(ロ)の密度は0.90以下であることが好ま
しく、より好ましくは0.89以下である。
【0031】成分(ロ)としては高密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、LLDPE
(直鎖状低密度ポリエチレン)等のポリエチレン系樹
脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ−
4−メチル−ペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹
脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−
メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重
合体樹脂、エチレン−スチレン共重合体樹脂等を例示す
ることができる。また2種類以上の成分(ロ)を併用し
てもよい。
【0032】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
(イ)の含有量が5〜95重量%であり、(ロ)の含有
量が5〜95重量%である。(イ)が過少であると得ら
れる熱可塑性エラストマー組成物を用いて成形した成形
品の柔軟性や押出し加工性、特に形状保持性が劣り、一
方(イ)が過多であると得られる熱可塑性エラストマー
組成物を用いて成形した成形品の強度が劣る。(ロ)が
過少であると得られる熱可塑性エラストマー組成物を用
いて成形した成形品の強度が劣り、一方(イ)が過多で
あると得られる熱可塑性エラストマー組成物を用いて成
形した成形品の柔軟性や押出し加工性、特に形状保持性
が劣る。
【0033】本発明の熱可塑性エラストマー組成物10
0重量部に対し、下記(ハ)を0.01〜5重量部含有
してもよい。 (ハ):滑剤
【0034】該範囲で(ハ)を含有することにより、得
られる熱可塑性エラストマー組成物のカレンダー加工
性、特に離ロール性を向上することができる。(ハ)が
過少であると得られる熱可塑性エラストマー組成物のカ
レンダー加工性、特に離ロール性改良効果が十分に得ら
れないことがある。一方(ハ)が過多であると得られる
熱可塑性エラストマー組成物を用いて成形した成形品の
表面に滑剤がブリードして、外観を悪化させたり、押出
加工中にメヤニ現象が発生することがある。
【0035】本発明の成分(ハ)である滑剤とは、成形
加工時に成形体と加工機のロールとの滑性や、成形体と
成形体との滑性などの外部滑性効果を与えるものであっ
て、ワックス類、高級アルコール、脂肪酸、脂肪酸金属
塩、脂肪酸アミド、カルボン酸エステル、リン酸エステ
ル、スルホン酸金属塩、酸エステル金属塩、アクリル系
樹脂、フッ素含有樹脂類、シリコーン類などを用いるこ
とができ、2種類以上を併用してもよい。
【0036】ワックス類としては、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワック
ス、ライスワックスなどの植物系ワックス、モンタンワ
ックスなどの鉱物系ワックス、ポリエチレンワックス、
低分子量ポリプロピレンなどの合成系ワックスなどを例
示できる。
【0037】高級アルコールとしては、ラウリルアルコ
ール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイル
アルコール、エルシルアルコール、12ヒドロキシステ
アリルアルコールなどを例示できる。
【0038】脂肪酸としては、ラウリル酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ
酸、リノール酸、リシノール酸などを例示できる。
【0039】脂肪酸金属塩としては、ラウリル酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エ
ルカ酸、リノール酸、リシノール酸等脂肪酸のLi、N
a、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ba、Pb等金属の
塩などを、具体的には、ステアリン酸リチウム、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸亜鉛などを例示できる。
【0040】脂肪酸アミドとしては、ラウリル酸アミ
ド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイ
ン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン
酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレン
ビスオレイン酸アミド、ステアリルジエタノールアミド
などを例示できる。
【0041】カルボン酸エステルとしては、アクリル
酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、マレイン
酸、コハク酸、アコニット酸などの脂肪族カルボン酸、
ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン
酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リシノール酸
などの脂肪酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸など
のオキシカルボン酸などのカルボン酸と、ミリスチルア
ルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコール、12ヒドロキシステアリルア
ルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコー
ル、β−フェニルエチルアルコール、フタリルアルコー
ルなどの芳香族アルコール、グリセリン、ジグリセリ
ン、ポリグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、プロ
ピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロ
ールプロパンなどの多価アルコールなどのアルコールと
のエステルなどを、具体的にはグリセリンモノオレー
ト、グリセリンジオレート、ポリエチレングリコールモ
ノステアレート、クエン酸ジステアレートなどを例示で
きる。
【0042】リン酸エステルとしては、リン酸と高級ア
ルコールとのモノアルキルエステル、ジアルキルエステ
ル、トリアルキルエステルであって、具体的には旭電化
工業製AX−1などを例示できる。
【0043】アクリル系樹脂としては、アクリル酸、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチルアクリル酸ブチル、
アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エス
テル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エ
チルヘキシルなどのメタクリル酸エステルを主単位とし
た重合体などを、具体的には三菱レーヨン製のメタブレ
ン、鐘淵化学工業製のカネエースなどを例示できる。
【0044】スルホン酸金属塩としては、ステアリルス
ルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム、ステアリルスルホン酸カ
リウム、ラウリルスルホン酸カリウム、スルホコハク酸
ジブチルナトリウム、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘ
キシルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル2ナト
リウムなどを例示できる。
【0045】酸エステル金属塩としては、ラウリル硫酸
ナトリウム、ラウリル硫酸カリウムなどの硫酸エステル
塩、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウ
ムなどのリン酸エステル塩などが例示できる。
【0046】フッ素含有樹脂類としては、テトラフルオ
ロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フルオロアル
キルエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルな
どの含フッ素オレフィンやパーフルオロアルキレンアク
リレート、パーフルオロメタアルキレンアクリレートな
どの含フッ素アルキルアクリレート、含フッ素アルキル
メタアクリレートなどの含フッ素モノマーを主単位とし
た重合体などを、具体的にはポリテトラフルオロエチレ
ン、パーフルオロ(ポリオキシプロピレンエチルエーテ
ル)などを例示できる。
【0047】シリコーン類としては、ジメチルシロキサ
ン、メチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン
などのシロキサン誘導体を主単位とする重合体などを、
具体的にはポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニ
ルシロキサンなどを例示できる。
【0048】本発明においては、上記の各成分に加え
て、付加成分として、酸化防止剤、帯電防止剤、耐候
剤、紫外線吸収剤、着色剤、分散剤などの添加剤、カー
ボンブラックなどの着色剤、ガラス繊維、炭素繊維、金
属繊維、アラミド繊維、ガラスビーズ、アスベスト、マ
イカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウイスカー、
タルク、硫酸バリウム、ガラスフレーク等の充填剤、あ
るいは他のゴム質重合体、又は熱可塑性樹脂などを適宜
配合することができる。
【0049】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
必要に応じて、従来公知の方法により、イオウ架橋、過
酸化物架橋、金属イオン架橋、シラン架橋、水架橋など
の架橋を行うこともできる。
【0050】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
(イ)、(ロ)及び適宜用いられる(ハ)他の付加成分
を、通常の混練り装置、たとえばラバーミル、ブラベン
ダーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二
軸押出機等を用いて混練すればよい。混練り装置として
は、密閉式及び開放式のいずれの装置であってもよい
が、不活性ガスによって置換できる密閉式タイプの装置
が好ましい。混練り温度は、混合された構成成分のすべ
てが溶融する温度であり、通常、160〜250℃とさ
れ、好ましくは180〜240℃とされる。混練り時間
は、混合された構成成分の種類、量及び混練り装置の種
類に依存するため一概に論じられないが、加圧ニーダ
ー、バンバリーミキサーなどの混練り装置を使用する場
合には、通常、約3〜10分程度とされる。なお、混練
り工程においては、各構成成分を一括して混練りしても
よく、また一部の構成成分を混練りした後、残部の構成
成分を添加して混練りを継続する多段分割混練り法を採
用することもできる。
【0051】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
特に押出し成形用の材料として優れており、成形品形状
の金型を押出機先端に取り付けた押出機より溶融押出
し、冷却、切断することにより異型押出し成形体を得る
ことができる。また、インフレーション加工、Tダイキ
ャスト加工によりシート、フィルム状の押出し成形体を
得ることが出来る。
【0052】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、特にカレンダー成形用の材料として優れており、
厚み精度の高い平滑なシートを連続生産するシーティン
グ加工、同種あるいは異種の熱可塑性エラストマー組成
物や熱可塑性樹脂組成物の貼り合わせにおいてピンホー
ルのない厚み精度の高いシートを連続生産するダブリン
グ加工、布などをシートに貼り合わせ複合体を連続して
作るトッピング加工、接着性向上を目的として熱可塑性
エラストマー組成物を布にすり込むフリクション加工、
ロール表面に彫刻模様を付けその模様をシート表面に連
続して型付けするプロファイリング加工により、カレン
ダー成形体を得ることができる。
【0053】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
従来の軟質塩化ビニル系樹脂が使用されている、自動車
の内・外装部品・弱電部品のパッキンやハウジングなど
の部品、工業用部品、防水シート部品、建材用部品、家
具用部品、文具用品、包装資材などに使用され得る。中
でも柔軟性、優れた押出し加工性、更にブリードのない
特徴を生かして、ホース、チューブ、ガスケット、バッ
キング、シート及びフィルムに利用することが好まし
い。用途例として、ホース・チューブ用途としては、エ
アホース、水用ホース、補強材入りエアホース、補強材
入り水用ホース、医療用チューブ、ガスケット用途とし
てはアルミサッシシーリングガスケットや自動車のドア
回りガスケット、パッキング用途としては冷蔵庫ドアパ
ッキング、シート・フィルム用途としてはマット、壁
紙、バッグ、ベルト、ノートの表紙、カバー、ケース、
ベルト、袋、食品容器、農業用フィルム、包装用フィル
ム、ラベルなどをあげることができる。
【0054】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、これらは例示のためのものであり、本発明を
限定するものと解すべきではない。 [I]成分(イ)の製造及び評価 測定は下記のとおり行った。 (1)GPC測定 GPC装置にはWaters社製150C、溶出温度は
140℃、使用カラムは、昭和電工社製Shodex
Packed ColumnA−80M、分子量標準物
質はポリスチレン(たとえば、東ソー社製、分子量68
−8,400,000)を用いた。得られたポリスチレ
ン換算重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(M
n)、更にこの比(Q値=Mw/Mn)を分子量分布と
した。測定サンプルは約5mgの重合体を5mlのo−
ジクロロベンゼンに溶解し、約1mg/mlの濃度とす
る。得られたサンプル溶液の400μlをインジェクシ
ョンし、溶出溶媒流速は1.0ml/minとし、屈折
率検出器にて検出した。 (2)引張応力 試料を150℃でプレス成形し、2mm厚シートを得た
後、JIS−K−6251に準拠し、共重合体の引張応
力M100を測定した。試験片形状はダンベル状3号形を
用いた。 (3)ムーニー粘度 JIS−K−6300に準拠し、共重合体のムーニー粘
度:ML1+4100℃を測定した。
【0055】参考例1(成分(イ)の合成) 攪拌機を備えた100Lのステンレススチール製の重合
槽下部より重合溶媒として、ヘキサンを毎時62.8K
g、エチレン、プロピレンを各々毎時5.90Kg、2
2.44Kgの速度で連続的に供給する。触媒としてV
O(Oiso−C373、エチルアルミニウムセスキ
クロライド(EASC)を各々毎時2.22g、7.7
9gの速度で連続的に供給し、重合槽の温度を50℃に
保った。1槽目の重合液を一部抜きだし、スチームスト
リッピングによりポリマーを析出させ、乾燥後、イルガ
ノックス1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
社製酸化防止剤)を600ppm添加し、水中カット方
式で造粒することでエチレン−プロピレン共重合体ペレ
ットを得た。こうして毎時4.6Kgの共重合体を得
た。なお、分子量の調節は水素にて行った。その結果、
プロピレン含量27.6重量%、ムーニー粘度:ML
1+4100℃=40.9、GPC測定におけるQ値=
6.6、引張応力M100=1.1MPaであり、バイモ
ーダルの分子量分布曲線を示すエチレン−プロピレン共
重合体ペレットが得られた。
【0056】[II]ロール加工性の評価 表1に示す配合を2本ロールを用いて3分間混練しシー
ト化した。ロール直径は8インチであり、ロール温度を
110℃に調整し、フロントロール回転速度を3.1r
pm、バックロール回転速度を2.4rpmとした。 離ロール性の判定 ○:ロール表面からのシートの剥離性がよい。 ×:ロール表面からのシートの剥離性が悪く固着するた
め、取り出したシート表面に剥離の際に生じたしわや筋
が認められる。 シート肌の判定 ○:シート肌が平滑である。 ×:シート肌が平滑でなく、しわや波うちが認められ
る。
【0057】[III]熱可塑性エラストマー組成物及び
成型体の評価 表1に示す配合を、2軸のバッチ式混練機プラスチコー
ダー(ブラベンダー社製)を用いて、温度150℃、ス
クリュー回転数100rpmで5分間混練を行った。該
組成物を150℃でプレス成形し、以下の試験を行っ
た。 引張試験:JIS−K−6251に準拠し、引張破断強
度(TB)及び引張破断伸び(EB)を測定した。 硬度:JIS−K−6253に準拠したデュロA型硬度
計による硬さを測定した。 流動性:JIS−K−7210に準拠して190℃での
メルトフローレートを測定した。(荷重2.16kg)
【0058】実施例1〜2 本発明の条件を充足する熱可塑性エラストマー組成物
は、柔軟性およびカレンダー加工時の離ロール性に優
れ、肌が平滑で外観が良好なシートを得ることができ
る。
【0059】
【表1】 (ロ):エチレン−ヘキセン−1共重合体(ヘキセン−
1含量17重量%、密度0.885g/cm3、2.1
6kg荷重におけるMFR190℃=3、GPC測定に
おけるQ値=1.9) (ハ):エルカ酸アミド
【0060】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、強
度、柔軟性、加工性に優れ、低分子量成分のブリードが
なく、特に押出し加工性及びカレンダー加工性に優れる
熱可塑性エラストマー組成物及び該熱可塑性エラストマ
ー組成物を押出し成形することで得られる押出し成形体
又はカレンダー成形することで得られるカレンダー成形
体を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 晴教 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA14 AA15 AA88 AH07 BB04 BB06 BC01 BC07 4J002 AE03Y BB03X BB05W BB06X BB09X BB12X BB15W BB17X BD12Y CP03Y EC066 EF056 EG016 EH056 EP016 EV186 FD17Y FD176

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(イ)〜(ロ)を含有し、(イ)の
    含有量が5〜95重量%であり、(ロ)の含有量が5〜
    95重量%である熱可塑性エラストマー組成物。 (イ):下記(a)〜(c)の条件を満足するGPC測
    定におけるQ値(重量平均分子鎖長/数平均分子鎖長)
    が4以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体 (a)α−オレフィン含量が5〜95重量%であること (b)ムーニー粘度:ML1+4100℃が5〜70であ
    ること (c)JIS−K−6251に準拠して測定した引張応
    力M100が8MPa以下であること (ロ):GPC測定におけるQ値が4未満であるポリオ
    レフィン系樹脂
  2. 【請求項2】 (イ)が請求項1記載の(a)〜(c)
    及び下記(d)の条件を満足する請求項1記載の熱可塑
    性エラストマー組成物。 (d)分子量分布曲線が2つ以上のピークを示すこと
  3. 【請求項3】 請求項1記載の熱可塑性エラストマー組
    成物100重量部に対し、下記(ハ)の含有量が0.0
    1〜5重量部を含有してなる熱可塑性エラストマー組成
    物。 (ハ):滑剤
  4. 【請求項4】 請求項1記載の熱可塑性エラストマー組
    成物を押出し成形することで得られる押出し成形体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の成形体より得られるホ
    ース、チューブ、ガスケット、パッキング、シート又は
    フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の熱可塑性エラストマー組
    成物をカレンダー成形することで得られるカレンダー成
    形体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載に記載の成形体より得られ
    るシート又はフィルム。
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