JPH10139747A - N−ポリフロロアルキル置換(メタ)アクリルアミドおよびこの重合体を用いた高分子膜 - Google Patents
N−ポリフロロアルキル置換(メタ)アクリルアミドおよびこの重合体を用いた高分子膜Info
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- JPH10139747A JPH10139747A JP31295396A JP31295396A JPH10139747A JP H10139747 A JPH10139747 A JP H10139747A JP 31295396 A JP31295396 A JP 31295396A JP 31295396 A JP31295396 A JP 31295396A JP H10139747 A JPH10139747 A JP H10139747A
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Abstract
の改良された累積膜および高分子累積膜を提供するこ
と、これらの改良された特性を持ちかつ潤滑性、撥水性
に優れた高分子膜を提供することである。 【解決手段】式(1)で示される化合物、該化合物およ
び該化合物の重合体を用いた単分子膜、累積膜および高
分子膜。 【化1】
Description
フロロアルキル置換アクリルアミドおよびN−ポリフロ
ロアルキル置換メタアクリルアミド(以下N−ポリフロ
ロアルキル置換(メタ)アクリルアミドと略記する)、
該化合物および該化合物の重合体を用いた単分子膜、累
積膜および高分子膜に関する。
の両親媒性の化合物が水面上で分子一つの厚さを有する
単分子膜を形成することは知られており、その単分子膜
を固体基板に移し取ることにより形成される分子累積膜
はラングミュア−ブロジェット膜(以下LB膜と略称す
ることがある。)と呼ばれ分子レベルの膜厚の制御や分
子を規則的に並べた有機超薄膜の製造法として注目され
ている。
酸等の高級脂肪酸およびフッソ含有高級脂肪酸等の低分
子化合物、2)ω−トリコセン酸等の高級不飽和脂肪
酸,長鎖アルキルジアセチレン誘導体および長鎖アルキ
ルアクリルアミド等の重合性化合物、3)ペルフロロア
ルキル基含有アリルアミンおよび長鎖フロロアルキル側
鎖とオキシランラジカルとを含むポリマ−等の高分子化
合物等が知られているが,機能材料として用いる場合次
のような問題があった。
的良好な累積膜が形成されるとされているオクダデシル
メタクリレ−トで得られた単分子膜でも,その表面圧は
25dyne/cmと低く,膜の安定性が問題である。
このように従来知られている低分子化合物から得られた
単分子膜を累積した累積膜には物理的強度,安定性,均
一性に問題があった。また,重合性化合物を累積して膜
とした後重合を行い高分子膜とする場合は収縮が起こる
ことが問題である。
るためには高分子化合物を累積膜とする方が好ましいと
考えられるが,一般的に高分子化合物は水面上に単分子
膜を形成し難く,分子が凝集した多分子膜となるため分
子累積による薄膜形成が困難である。
しても収縮を起こさない高分子LB膜を形成する方法に
ついては、公開昭62−260140号に記載されてい
るが、高分子を累積する方法ではなくかつ2次元的に架
橋可能なものではなかった。また、潤滑性、撥水性の機
能については明かにされていなかった。
的強度、安定性、均一性の改良された累積膜および高分
子累積膜を提供すること、これらの改良された特性を持
ちかつ潤滑性、撥水性に優れた高分子膜を提供すること
である。
安定な単分子膜を形成する化合物の分子設計に基づき研
究した結果、(i)N−ポリフロロアルキル置換(メ
タ)アクリルアミドおよび該化合物の重合体が良好な単
分子膜を形成すること,(ii)該単分子膜を固体基板
に累積することにより良好な累積膜が形成されること、
(iii)N−ポリフロロアルキル置換(メタ)アクリ
ルアミドおよびこの重合体を用いることを特徴とする高
分子薄膜は優れた機械的強度,耐溶剤性,撥水撥油性,
潤滑性,防食性,耐プラズマ性を有すること、さらに
(iv)N−ポリフロロアルキル置換(メタ)アクリル
アミドからなる単分子膜および累積膜に光を照射するこ
とにより溶媒不溶性高分子薄膜を形成することができ、
この不溶性を利用することにより微細パターン形成が可
能であることを見いだし、本発明を完成するにいたっ
た。
る。 (1)式(1)で表される化合物。
メチル基を表し、R2は炭素数1〜14のペルフロロア
ルキル基を表す。) (2)R2が炭素数5〜14のペルフルオロアルキル基
である前記(1)項記載の化合物 (2)前記(1)項または(2)項記載の化合物を用い
た単分子膜および累積膜。 (3)前記(1)項または(2)項記載の単分子膜およ
び累積膜よりなるレジスト。 (4)前記(1)項または(2)項記載化合物の重合
体。 (5)前記(1)項または(2)項記載の式(1)で表
される化合物を5〜1000分子重合した重合体。 (6)前記(4)項および(5)項記載の重合体を用い
た単分子膜および累積膜。 (7)前記(4)項および(5)項記載の重合体を用い
た高分子膜。
クリルアミドの合成)本発明の化合物であるN−ポリフ
ロロアルキル置換(メタ)アクリルアミドの合成は下記
の2工程、即ち(a)ポリフロロアルキルアミンの合
成、(b)N−ポリフロロアルキル置換アクリルアミド
の合成からなる。次に各工程について詳しく説明する。
合成は次のように行うことができる。式(1)で示され
るN−ポリフロロアルキル置換(メタ)アクリルアミド
のうち、n=1およびn=2であるものは次の方法によ
り合成することができる。n=0のものは市販されてい
るものを用いることができる。
オダイドとソジウムアジドより対応する2−(ペルフロ
ロアルキル)アルキルアジドを得たのち,リチウムアル
ミニュウハイドライドで還元し対応するアミン化合物を
得ることができる。
アクリルアミドの合成は次のように行うことができる。
工程(a)で得られたポリフロロアルキルアミンとアク
リル酸クロリドとを触媒の存在下反応させて対応するN
−ポリフロロアルキル置換アクリルアミドを得ることが
できる。さらに得られた化合物をヘキサンを用いて再結
晶することにより高純度品を得ることができる。
クリルアミドを用いた単分子膜および累積膜の作製)N
−ポリフロロアルキル置換(メタ)アクリルアミドをフ
ロン系溶剤に溶解した溶液を水槽の水面上に必要量滴下
し、テフロンバリア−を用い一定速度で圧縮し単分子膜
を形成させる。溶解するN−ポリフロロアルキル置換
(メタ)アクリルアミドは単一の化合物であることが望
ましい。R2の炭素数が4以下であると膨張膜を形成し
やすくなるので、R2は5以上であることが好ましい。
積より算出される一分子当たりの占有面積と表面圧を測
定することで判る。この関係は後述の実施例2に示すが
本化合物から得られた膜は崩壊圧の高い、分子が密に充
填した単分子膜である。ここで用いられる溶剤としては
フロンR113,フロンR112,フロンR114B2
等のフロン系溶剤が挙げられるが、膜作製時の溶剤蒸発
速度の観点から言って特にフロンR113(CClF2
−CCl2F)が好適である。
ンウェハ−、金、等)を繰り返し上昇、下降することに
より基板の両面に該単分子膜を累積しLB膜を形成す
る。
クリルアミドの累積膜を用いたレジストの作成)上記操
作で得られる累積膜は光等を照射することにより重合体
累積膜を形成するので光架橋レジスト材料として用いる
ことができる。該累積膜は紫外線領域にUV吸収がある
ことから光源としては紫外線,遠紫外線を好適に用いる
ことができる。具体的には高圧水銀灯やキセノンランプ
を用いることができる。
接或いはフォトマスクを用いて,所定の面積(パター
ン)を照射し、次いで露光を行った累積膜をフロン系溶
剤等に浸漬し現像する。必要が有ればこの後リンス液で
溶剤を洗い、チッソガス或いは乾燥空気で乾燥する。未
露光部分は溶解し、露光部分は架橋が進行しパターンが
得られ、ネガレジストを得ることができる。ここで用い
る溶剤にはフロンR113,フロンR113,テトラヒ
ドロフラン,トリフロロ酢酸,およびこれら溶剤とフロ
ン系アルコ−ル(例えばヘキサフロロイソプロピルアル
コ−ル)との混合溶剤が好適である。混合溶剤の混合比
率は容積%でフロン系アルコ−ル5〜20%が好適であ
る。現像時間は用いる現像液によって異なるが数10秒
〜数分間を要する。
の溶剤に対する溶解性が大きく異なり鮮明なパターンを
描かせる事ができる。且つ膨潤や基板との剥離は起こら
ないので良好なレジストとなる。
に配列しているので本累積膜に紫外線光を照射すること
により本化合物中の架橋グル−プが2次元的に且つ定量
的に架橋し溶剤不溶性の高分子超薄膜が形成される点で
従来の化合物にない優れた特性を有する。この優れた性
能を活かす用途としてフロン不溶性の撥水性高分子薄
膜、紫外線光レジスト等を挙げることができる。
クリルアミド重合体の合成)α,α-アゾビスイソブチロ
ニトリル(以下AIBNと略記することがある。)を開
始剤とし、60℃のテトラヒドロフラン溶剤中において
N−ポリフロロアルキル置換(メタ)アクリルアミドを
ラジカル重合することによりN−ポリフロロアルキル置
換(メタ)アクリルアミド重合体を合成することができ
る。得られる重合体をフロンR113に溶解したのち大
過剰のベンゼン中に投入し再沈澱して精製し、その後室
温で減圧乾燥することにより高純度品を得ることができ
る。
クリルアミド重合体を用いた単分子膜および累積膜の作
製。)前記のN−ポリフロロアルキル置換(メタ)アク
リルアミドの累積膜の作成と同様にしてN−ポリフロロ
アルキル置換(メタ)アクリルアミド重合体の累積膜を
作成することができる。本発明のN−ポリフロロアルキ
ル置換(メタ)アクリルアミド重合体を用いて作成した
単分子膜は崩壊圧が高く、該重合体が密に充填した単分
子膜である。重合体は5〜1000の分子が重合したも
のが好ましい。5分子以下であると耐溶解性が低下する
等好ましくなく、1000分子以上になると良好な膜が
作成できなくなることがある。R2が4以下になると膨
張膜を形成するので、N−ポリフロロアルキル置換(メ
タ)アクリルアミドとしてR2が5以上のものがより好
ましい。
113,フロンR112,フロンR114B2等のフロ
ン系溶剤が挙げられるが、このうち膜作製時の溶剤蒸発
速度の観点から言って特にフロンR113が好適であ
る。 上記の操作で得られた単分子膜を固体基板(ガラ
ス板、石英、シリコンウェハ−、金、等)に累積する,
即ち固体基板を上昇、下降を繰り返し基板の両面に累積
することによりLB膜が形成する。
昇、下降のいずれの時にも膜が基板に付着するY膜を形
成することができ、この結果優れた安定性を示す。また
累積比は約1であり理想的な状態で累積できる。且つ累
積を繰り返しても累積比は殆ど変化せず安定に累積でき
る。
有アルキル基を有するので良好な耐食性と特に優れた撥
水性および潤滑性を有している。これらの特性を発揮さ
せる用途として種々の機能素子、磁気ヘッド等の保護
膜、潤滑膜、表面改質膜、種々の材料への表面コーティ
ング剤、等が可能である。また、本発明の重合体の溶液
を塗布することによっても、機械的強度、潤滑特性にす
ぐれた潤滑膜、高撥水性高分子膜を作成することができ
る。
(以下C3F7AAと略記することがある。)の合成:2
gの1H,1H−ヘプタフロロブチルアミンと1.5ml
のトリエチルアミンを脱水ジクロロメタン50mlに溶
解し、攪拌しながら0.89mlのアクロイルクロリド
を滴下した。反応の進行は薄層クロマトグラフィ−にて
追跡した。反応終了後、有機相を分液ロ−トに入れ、希
塩酸、希炭酸ナトリウム水溶液および蒸留水の順で洗浄
後、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した後、溶
剤を減圧下溜去し、得られた固体をヘキサンで再結晶し
た。得られた結晶はN−1H,1H−ヘプタフロロブチ
ルアクリルアミド(C3F7AA)を得た。収率は77%
であった。
ミド(以下C7H15AAと略記することがある。)の合
成:実施例1中の1H,1H−ヘプタフロロブチルアミ
ンを1H,1H−ペンタデカフロロオクチルアミンに置
き換えた以外は実施例1と同様の条件での反応および後
処理を行いN−1H,1H−ペンタデカフロロオクチル
アクリルアミド(C7F15AA)を得た。収率は70%
であった。
(以下C10F21AA)と略記することがある。)の合
成:6gの2−(ペルフロロデシル)エチルアイオダイ
ドに対して8.6gのソジウムアジドをN−ジメチルホ
ルムアミド溶媒100ml中にて混合し、懸濁のまま5
時間還流した。反応生成物を分液ロ−トに入れ、蒸留水
で洗浄後分液し、有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水乾
燥した後、溶剤を減圧下留去し2−(ペルフロロデシ
ル)エチルアジド5gを得た。次いで得られたアジド化
合物5gを脱水エ−テル200ml中、リチウムアルミ
ニウムハイドライド0.64gで還元して2−(ペルフ
ロロデシル)エチルアミン(C10F21AA)を得た。次
に上記操作で得られた2−(ペルフロロデシル)エチル
アミン1.6gと0.64mlのトリエチルアミンを脱水
ジクロロメタン50mlに溶解し、攪拌しながら0.3
5mlのアクロイルクロリドを滴下した。反応の進行は
薄層クロマトグラフィ−にて追跡した。反応終了後、有
機相を分液ロ−トに入れ、希塩酸、希炭酸ナトリウム水
溶液および蒸留水の順で洗浄した後、有機相を無水硫酸
ナトリウムで脱水乾燥し、減圧下溶媒を溜去したのち、
得られた固体をヘキサンで再結晶した。得られた結晶は
N−2−(ペルフロロデシル)エチルアクリルアミドで
あり、収率は40%であった。またこの結晶の融点は9
3.4℃であった。本化合物の赤外線吸収(IR)スペ
クトルを図1に示す。
の合成(以下C8F17AAと略記することがあ
る。):実施例3中の2−(ペルフロロデシル)エチル
アイオダイドを2−(ペルフロロオクチル)エチルアイ
オダイドに置き換えた以外は実施例3と同様の条件で反
応および後処理を行いN−2−(ペルフロロオクチル)
エチルアクリルアミド(C8F17AA)を収率45%で
得た。
クリルアミドを用いた累積膜を下記のように作成した。 ・N−2−(ペルフロロデシル)エチルアクリルアミド
(C10F21AA)の累積膜の作成 測定に(株)USI製のFilm Balance C
ontrollerFSD−110を使用し、20℃に
保持した水槽上に本発明のN−2−(ペルフロロデシ
ル)エチルアクリルアミドを95%のフロンR113と
5%のヘキサフロロイソプロピルアルコ−ルとの混合溶
剤に溶解した溶液(濃度10-3mol/l)を200μ
l滴下し,テフロンバリア−を用い一定速度(14cm
2/min.)で圧縮し、膜面積より算出される一分子
当たりの占有面積と表面圧を測定した。その関係を図2
に示す。図中においてN−2−(ペルフロロデシル)エ
チルアクリルアミドはC10F21AAと略記して示した。
図2より崩壊圧の高い、分子が密に充填した一分子の膜
(単分子膜)が形成しているのが判る。次に膜の表面圧
が35mN/mになるようにテフロンバリア−で圧縮し
ながら、ジクロロジメチルシランで疎水処理を行ったス
ライドガラスを10mm/min.の速度で上下して累
積を行った。上昇時、下降時ともおよそ1.0の累積比
でガラス基板上に単分子膜を移し取ることができ累積膜
が得られた。このような条件を保ちつつ上昇、下降を繰
り返すことで基板の両面に片面40層の累積膜を作製し
た。
チルアクリルアミドを用いた累積膜を下記のように作成
した。上記操作と同様の操作によりN−1H,1H−ペ
ンタデカフロロオクチルアクリルアミド(C7F15A
A)を用い40層の累積膜を作成し、占有面積と表面圧
を測定した。その関係を図2に示した。図中においてN
−1H,1H−ペンタデカフロロオクチルアクリルアミ
ドはC7F15AAと略記して示した。・N−2−(ペル
フロロオクチル)エチルアクリルアミドを用いた累積膜
を下記のように作成した。上記操作と同様の操作により
N−2−(ペルフロロデシル)エチルアクリルアミド
(C8F17AA)を用い片面40層の累積膜を作成し、
占有面積と表面圧を測定した。その関係を図2に示し
た。図中においてN−2−(ペルフロロオクチル)エチ
ルアクリルアミドはC8F17AAと略記して示した。
(C10F21AA)を用い、上記実施例5と条件を同じく
して作成した石英基板上の累積膜(40層)にウシオ
(株)製/500Wのキセノンランプを用い、15分,
30分,45分,60分と時間を変えて密着露光を行っ
た。次いでこの露光を行った累積膜をフロン113溶剤
に1分間浸漬した所、未露光部分は溶解していたが30
分間以上露光した累積膜は溶解せずに膜が残っていた。
即ち累積膜中の架橋グル−プが架橋し、溶剤不溶性の高
分子超薄膜が形成されていた。次いで上記と同様,石英
基板上の累積膜にキセノンランプを用い、15分,30
分,45分,60分と時間を変えて露光を行い、それぞ
れの露光後の累積膜の可視−紫外線吸収スペクトルを測
定した。その結果を図3に示す。炭素−炭素二重結合に
帰属される230nm付近の吸収が露光時間に比例して
減少していることがわかる。
(C10F21AA)を用い、上記実施例5と条件を同じく
して、疎水処理を行ったシリコンウェハ−上に40層の
累積した累積膜を作製した。次いでキセノンランプを用
い、この累積膜にフォトマスクを通して20分間密着露
光した。次いでフォトマスクを取り外しフロン113で
1分間その表面を洗浄した。未露光部は溶解し、露光部
は高分子化が進行し、シリコンウェハ−上に微細パタ−
ンが転写されていた。このパタ−ンの光学顕微鏡観察よ
り本累積膜がレジスト材料として充分実用し得ることを
認めた。
(C10F21AA)を用い、上記実施例5と条件を同じく
して、疎水処理を行ったスライドガラス上に10層の累
積膜を作製した。この膜上にマイクロシリンジを用いて
微量の純水を滴下し接触角を測定した結果110度と高
い値を示した。次いで臨界表面張力を求めるために、種
々のn−アルカンに対する接触角を求めZismanプ
ロットを行い、臨界表面張力を求めたところ9−10m
N/mであった。通常のテフロンの表面張力が18mN
/mであるのに比べかなり小さい値であることが明かで
あり、従来にない高撥水性であることがわかった。接触
角の測定にはNakamura Work Co.LT
D製の接触角測定器を使用した。
(C10F21AA)を用い、上記実施例5と条件を同じく
して、疎水処理を行ったガラス基板上に10層の累積膜
を作製した。次いで往復動摩擦試験機(新東科学(株)
製Heiden−14D)を用いてこの単分子膜の動摩
擦係数を測定し、連続11回往復動を行い摺動が安定す
る10回目の摩擦力から動摩擦係数を求めた結果0.1
の値が得られた。比較のため行ったガラス基板の動摩擦
係数が0.7であったのに比べて著しく減少しているこ
とが判った。
0層の累積膜重合体について実施した結果いずれについ
ても動摩擦係数0.1の値が得られた。
ミド重合体(以下poly−C7F15AAと略記するこ
とがある。)の合成:N−1H、1H−ペンタデカフロ
ロオクチルアクリルアミド0.4gをTHF10mlに
溶解し、開始剤としてAlBN0.014gを加え、凍
結、排気、溶解のサイクルにより溶存酸素を除いた後、
60℃の高温槽にて8時間重合を行った。重合体は沈澱
物として得られた。重合体はフロンR113に溶かし、
ジクロロメタンに沈澱することにより精製した。濾過に
より重合体を分離したのち、二日間室温にて減圧乾燥
し、0.2gのN−1H、1H−ペンタデカフロロオク
チルアクリルアミド重合体(poly−C7F15AA)
を得た。得られた重合体のIRスペクトルを図4に示し
た。重合することによりモノマーに見られる二重結合に
相当する1632cm-1の吸収が減少している。この重
合体はTHF等の汎用溶剤に溶けないためGPC等によ
る分子量測定が困難であったが、数十量体であると推定
した。分子量はAIBN等の開始剤を増やしたり、ドデ
シルメルカプタン等を10-3mol/L程度使用するこ
とにより下げることができる。
ミド重合体(poly−C7F15AA)の累積膜の調
製:N−2−(ペルフロロデシル)エチルアクリルアミ
ドに代えてN−1H、1H−ペンタデカフロオオクチル
アクリルアミド重合体(poly−C7F15AA)と
し、累積膜を10層とした以外は実施例5と同様にして
N−1H、1H−ペンタデカフロオオクチルアクリルア
ミド重合体の単分子膜および累積膜を作成した。膜面積
より算出される一分子当たりの占有面積と表面圧の関係
を図5に示す。図5より崩壊圧の高い、分子が密に充填
した一分子の膜(単分子膜)が形成しているのが判る。
累積比は上昇時、下降時ともおよそ1.0であった。
プタフロロブチルアクリルアミド重合体(以下poly
−C3F7AAと略記することがある。)、N−2−(ペ
ルフロロオクチル)エチルアクリルアミド重合体(以下
poly−C8F1 7AAと略記することがある。)およ
び2−(ペルフロロデシル)エチルアミン重合体(以下
poly−C10F21AAと略記することがある。)を用
い、実施例11と同様に単分子膜および累積膜を作成
し、一分子当りの占有面積と表面圧の関係を測定した。
図5に占有面積と表面圧の関係を示した。
重合体(poly−C8F17AA)、N−1H,1H−
ペンタデカフロロオクチル重合体(poly−C7F15
AA)およびN−1H,1H−ヘプタフロロブチルアク
リルアミド重合体(poly−C3F7AA)を用い、累
積回数を除き実施例11と同様にして、疎水処理を行っ
たスライドガラス上に1〜12層の累積膜を作製した。
種々のn−アルカンに対する接触角を求めZisman
プロットを行った。この結果、接触角はN−2−(ペル
フロロオクチル)エチルアクリルアミド重合体(pol
y−C8F17AA)およびN−1H,1H−ペンタデカ
フロロオクチル重合体(poly−C7F15AA)を用
いた3層以上の累積膜で110度と高い値を示し、臨界
表面張力はそれぞれ9、11mN/mであり従来に比べ
て著しく撥水性が大きいことがわかった。N−1H,1
H−ヘプタフロロブチルアクリルアミド重合体(pol
y−C3F7AA)を用いた累積膜に対する接触角は95
度であり、臨界表面張力は14mN/mであった。
体(poly−C7F1 5AA)、N−2−(ペルフロロ
オクチル)エチルアクリルアミド(poly−C8F17
AA)を用い、累積回数を除き上記実施例11と同様に
して、疎水処理を行ったガラス基板上に1,2,4,6層
の累積膜を作製し、動摩擦係数を測定した。荷重で連続
11回往復動を行い摺動が安定する10回目の摩擦力か
ら動摩擦係数を求めた結果1層〜6層の累積膜で0.1
5の値が得られた。比較のため行ったガラス基板の動摩
擦係数が0.7であったのに比べて著しく減少している
ことが判った。
材料として利用可能な高分子累積膜の作成に好適であ
る。特に潤滑膜、高撥水性膜、レジスト材料として好適
である。
アミド(poly−C10F21AA)のIR吸収スペクト
ル。
表面圧−表面積曲線。
クリルアミド重合体(poly−C7F15AA)のIR
吸収スペクトル。
合体の表面積−表面圧曲線。
ルキル置換アクリルアミドおよびN−ポリフロロアルキ
ル置換メタアクリルアミド(以下N−ポリフロロアルキ
ル置換(メタ)アクリルアミドと略記する)、該化合物
および該化合物の重合体を用いた単分子膜、累積膜およ
び高分子膜に関する。
ミド重合体(以下poly−C7F15AAと略記する
ことがある。)の合成:N−1H、1H−ペンタデカフ
ロロオクチルアクリルアミド0.4gをTHF10ml
に溶解し、開始剤としてAlBN0.014gを加え、
凍結、排気、溶解のサイクルにより溶存酸素を除いた
後、60℃の恒温槽にて8時間重合を行った。重合体は
沈澱物として得られた。重合体はフロンR113に溶か
し、ジクロロメタンに沈澱することにより精製した。濾
過により重合体を分離したのち、二日間室温にて減圧乾
燥し、0.2gのN−1H、1H−ペンタデカフロロオ
クチルアクリルアミド重合体(poly−C7F15A
A)を得た。得られた重合体のIRスペクトルを図4に
示した。重合することによりモノマーに見られる二重結
合に相当する1632cm−1の吸収が減少している。
この重合体はTHF等の汎用溶剤に溶けないためGPC
等による分子量測定が困難であったが、数十量体である
と推定した。分子量はAIBN等の開始剤を増やした
り、ドデシルメルカプタン等を10−3mol/L程度
使用することにより下げることができる。
ミド重合体(poly−C7F15AA)の累積膜の調
製:N−2−(ペルフロロデシル)エチルアクリルアミ
ドに代えてN−1H、1H−ペンタデカフロロオクチル
アクリルアミド重合体(poly−C7F15AA)と
し、累積膜を10層とした以外は実施例5と同様にして
N−1H、1H−ペンタデカフロロオクチルアクリルア
ミド重合体の単分子膜および累積膜を作成した。膜面積
より算出される一分子当たりの占有面積と表面圧の関係
を図5に示す。図5より崩壊圧の高い、分子が密に充填
した一分子の膜(単分子膜)が形成しているのが判る。
累積比は上昇時、下降時ともおよそ1.0であった。
プタフロロブチルアクリルアミド重合体(以下poly
−C3F7AAと略記することがある。)、N−2−
(ペルフロロオクチル)エチルアクリルアミド重合体
(以下poly−C8F17AAと略記することがあ
る。)および2−(ペルフロロデシル)エチルアクリル
アミド重合体(以下poly−C10F21AAと略記
することがある。)を用い、実施例11と同様に単分子
膜および累積膜を作成し、一分子当りの占有面積と表面
圧の関係を測定した。図5に占有面積と表面圧の関係を
示した。
重合体(poly−C8F17AA)、N−1H,1H
−ペンタデカフロロオクチルアクリルアミド重合体(p
oly−C7F15AA)およびN−1H,1H−ヘプ
タフロロブチルアクリルアミド重合体(poly−C3
F7AA)を用い、累積回数を除き実施例11と同様に
して、疎水処理を行ったスライドガラス上に1〜12層
の累積膜を作製した。種々のn−アルカンに対する接触
角を求めZismanプロットを行った。この結果、接
触角はN−2−(ペルフロロオクチル)エチルアクリル
アミド重合体(poly−C8F17AA)およびN−
1H,1H−ペンタデカフロロオクチルアクリルアミド
重合体(poly−C7F15AA)を用いた3層以上
の累積膜で110度と高い値を示し、臨界表面張力はそ
れぞれ9、11mN/mであり従来に比べて著しく撥水
性が大きいことがわかった。N−1H,1H−ヘプタフ
ロロブチルアクリルアミド重合体(poly−C3F7
AA)を用いた累積膜に対する接触角は95度であり、
臨界表面張力は14mN/mであった。
ミド重合体(poly−C7F15AA)、N−2−
(ペルフロロオクチル)エチルアクリルアミド(pol
y−C8F17AA)を用い、累積回数を除き上記実施
例11と同様にして、疎水処理を行ったガラス基板上に
1,2,4,6層の累積膜を作製し、動摩擦係数を測定
した。荷重で連続11回往復動を行い摺動が安定する1
0回目の摩擦力から動摩擦係数を求めた結果1層〜6層
の累積膜で0.15の値が得られた。比較のため行った
ガラス基板の動摩擦係数が0.7であったのに比べて著
しく減少していることが判った。
Claims (8)
- 【請求項1】式(1)で表される化合物。 【化1】 (式中nは0〜2を表し,R1はHまたはメチル基を表
し、R2は炭素数1から〜14のペルフロロアルキル基
を表す。) - 【請求項2】R2が炭素数5〜14のペルフロロアルキ
ル基である請求項1記載の化合物。 - 【請求項3】請求項1記載の化合物を用いた単分子膜お
よび累積膜。 - 【請求項4】請求項1記載の化合物を用いた累積膜より
なるレジスト。 - 【請求項5】請求項1記載の式(1)で表される化合物
からなる重合体。 - 【請求項6】請求項1記載の式(1)で表される化合物
の単量体が5〜1000分子重合してなる重合体。 - 【請求項7】請求項5記載の重合体を用いた単分子膜お
よび累積膜。 - 【請求項8】請求項5記載の重合体を用いた高分子膜。
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JP2006256031A (ja) * | 2005-03-16 | 2006-09-28 | Chisso Corp | 無電解メッキ用基板、無電解メッキされたメッキ基板およびその製造方法 |
CN111499836A (zh) * | 2020-04-21 | 2020-08-07 | 临沂大学 | 一种全氟碘化物的转化利用方法及所得产品和应用 |
-
1996
- 1996-11-08 JP JP31295396A patent/JP3919269B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN111499836A (zh) * | 2020-04-21 | 2020-08-07 | 临沂大学 | 一种全氟碘化物的转化利用方法及所得产品和应用 |
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