JPH10139236A - ウェブの製造方法および装置 - Google Patents

ウェブの製造方法および装置

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JPH10139236A
JPH10139236A JP8296198A JP29619896A JPH10139236A JP H10139236 A JPH10139236 A JP H10139236A JP 8296198 A JP8296198 A JP 8296198A JP 29619896 A JP29619896 A JP 29619896A JP H10139236 A JPH10139236 A JP H10139236A
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JP
Japan
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web
coating
suction
cylindrical surface
width direction
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Application number
JP8296198A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nitta
宏 新田
Shintaro Kuge
慎太郎 久下
Yuji Yoshimura
裕司 吉村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】コーティング時のシワやたるみの発生を防止し
て、コーティング剤の均一な塗布厚みを得るとともに、
ウェブ端部の屑や製品への異物の混入を軽減する。 【解決手段】ウェブ11の両側の幅方向外側に向かう速
度成分を付与するウェブガイド手段21a,21bは、
ウェブとの接触面が接触摩擦によって従動回転する円筒
面または従動周回するベルト面であって、円筒面または
ベルト面の従動方向は、搬送方向に対して、相互に開く
方向に一定角度傾斜させて設定され、円筒面又はベルト
面のウェブ搬送側の面以外の面を包囲することにより、
ウェブの、円筒面又はベルト面への接触面側に向かう開
口部を有する吸引口と、吸引口を通しての空気吸引によ
り、幅方向外側に速度成分を付与する手段18と吸引口
との間から吸引される空気流によって、ウェブを幅方向
外側に速度成分を付与する手段の接触面に吸着せしめる
吸引手段24と、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続的に搬送され
るウェブの製造方法および装置に関し、特にウェブの巾
方向中央部から端部まで、コーティング剤の均一な塗布
厚みが得られるようにしたウェブの製造方法および装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、連続的に搬送されてくるウェブに
連続的にコーティングを施す方法は、グラビア法、ドク
ターブレード法、リバースロール法、メタリングバー法
等従来より各種知られている。
【0003】前記各種コーティングにおいて、コーティ
ング剤を所定の厚みで均一に塗布し、さらに、該コーテ
ィング剤が乾燥して、ウェブ上で流動不可能な状態にな
るまでコーティング剤の均一な厚みを保つために、連続
的に搬送されるウェブに、コーティング前後で、幅方向
外側に速度成分を与えることで、シワやたるみが発生し
ないようにする方法は従来より、例えば特公平4−15
031号公報、特開昭62−11629号公報などによ
り知られている。
【0004】これらの方法によれば、図5に示すよう
に、クロスガイダ手段30a、30bにより、ウェブ1
1の幅方向端部部分に該ウェブの幅方向外側に向かう速
度成分を付与することによって、ウェブを幅方向に緊張
させながら搬送させるものである。
【0005】ここでクロスガイダ手段とは、一対の短尺
かつ小径のロールからなり、該ロール間に搬送中のウェ
ブの幅方向端部部分をニップさせ、一対のロールをウェ
ブの搬送方向に対しウェブ幅方向外側に向けて傾斜させ
ることにより、ウェブの幅方向端部部分に該幅方向外側
に向かう速度成分を付与するものからなる。
【0006】一方、特公平7−37706号公報にはウ
ェブのシワ伸ばし装置が記載され、該装置は、ウェブの
両側近傍に該ウェブの搬送方向に対して相互に開く方向
に一定角度傾斜し、かつ該ウェブの搬送方向に配列され
た複数のウェブガイド手段を有し、さらに前記ウェブガ
イド手段の下方より、流体吸引することにより、ウェブ
を前記ウェブガイド手段に吸引接触させる構成を従えた
ものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記クロスガ
イダ手段は、一対のロールでウェブをニップする構成と
なっており、ウェブに対して反コーティング面のみなら
ずコーティング面にも接触する。このため、特にコーテ
ィング直後にクロスガイダ手段を配する場合には、コー
ティング層は未乾燥の状態である。よって、ウェブの両
端部よりクロスガイダの接触する部分にはコーティング
を施すことができず、該コーティングを施さない部分は
製品とはならず、屑として廃棄しなければならないとい
う問題があった。さらにコーティングの後工程にウェブ
を幅方向に延伸させる工程がある場合には、ウェブの前
記コーティングを施せない部分が延伸倍率の分だけ幅方
向に拡幅されるため、製品部とならずに屑となる部分が
更に増加する。
【0008】また、コーティング処理を行う前にクロス
ガイダ手段を設ける場合であっても、クロスガイダ手段
とウェブの間に摩擦が生じ、クロスガイダ手段に用いら
れるロールが摩耗し、これによって発生する摩耗粉が、
コーティング面に付着することによって、コーティング
面に異物が混入し、不良品発生の原因となっていた。一
方、上述したように、特公平7−37706号公報に
は、シワ伸ばし装置が提案されているが、塗料を塗布す
るコーティング装置に上記のシワ伸ばし装置をそのまま
適用すると、前記ウェブガイド手段が複数のロールの場
合には、ロールの外径が大きいと、ウェブを吸引したと
きにロールの曲率に沿ってウェブ端部にうねりが発生す
る。また、前記ウェブガイド手段が孔開きベルトまたは
孔開き円筒面の場合には、孔が大きいと流体吸引によっ
てウェブが孔に落ち込み、ウェブにくぼみをつくる原因
となる。このため、特にコーティング直後に前記シワ伸
ばし装置を配すると、未乾燥状態のコーティング層がウ
ェブ端部で流動し、ウェブの両端部より前記シワ伸ばし
装置の接触する部分は製品とはならず、屑として廃棄し
なければならないという問題が発生する。
【0009】また、いろいろな品種のフィルムを様々な
運転条件でコーティングする際には、フィルムの厚み、
張力に応じて頻繁に、前記ウェブを流体吸引する吸引力
や、前記ウェブガイド手段の傾斜角を5゜〜40゜の範
囲で変更させる必要がある。本発明は、上記のような従
来技術における問題点に着目し、コーティング時のシワ
やたるみの発生を防止して、コーティング剤の均一な塗
布厚みを得るとともに、ウェブ端部の屑や製品への異物
の混入を軽減することが可能なウェブの製造方法および
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のコーティング装置は、 (イ)連続的に搬送されるウェブの表面に塗布液をコー
ティングする装置と、 (ロ)上記ウェブの幅方向両側近傍の位置に、該ウェブ
の幅方向外側に向かう速度成分を付与するウェブガイド
手段を有し、 (ハ)該ウェブガイド手段は、(A)ウェブに接触する
接触面が前記ウェブとの接触摩擦によって従動回転する
円筒面または従動周回するベルト面であって、(B)前
記円筒面またはベルト面の前記ウェブとの接触摩擦によ
る従動の方向は、前記ウェブの搬送方向に対して、それ
ぞれ相互に開く方向に一定角度傾斜させて設定されてい
ると共に、(C)前記円筒面またはベルト面を回転又は
周回自在に支持し、かつ、前記円筒面又はベルト面のウ
ェブ搬送側の面以外の面を包囲することにより、実質的
に前記ウェブの、前記円筒面又はベルト面への接触面側
に向かって開口した開口部を有する吸引口と、(D)該
吸引口に接続され、該吸引口を通しての空気吸引によ
り、少なくとも前記幅方向外側に速度成分を付与する手
段と前記吸引口との間から吸引される空気流によって、
前記ウェブを前記幅方向外側に速度成分を付与する手段
の接触面に吸着せしめる吸引手段と、を備えたことを特
徴とする。
【0011】また、前記ウェブガイド手段の、ウェブと
の接触摩擦によって従動回転する円筒面の外径が5mm
〜50mmであることを特徴とする。
【0012】また、前記円筒面またはベルト面がその外
周に孔を有しており、かつ該孔の径が1mm〜20mm
であることを特徴とする。
【0013】また、本発明のコーティング方法は、連続
的に搬送されるウェブの表面に塗布液をコーティングす
るウェブの製造方法において、搬送されるウェブの両側
近傍にそれぞれ、ウェブの幅方向外側に速度成分を付与
する円筒面またはベルト面を有するウェブガイド手段を
設け、流体吸引によってウェブを前記従動回転する円筒
面または従動周回するベルト面に密着させ、ウェブと前
記円筒面またはベルト面との摩擦力によって、ウェブの
片面から作用して、ウェブを幅方向に緊張させながら搬
送することを特徴とする。
【0014】また、前記ウェブの製造方法において、前
記ウェブの厚みあるいは張力に応じて前記流体吸引の吸
引力を調節することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】上記の本発明の装置においては、
吸引手段による吸引により、吸引口を通してウェブの幅
方向両側部分におけるウェブ面近傍の空気が吸引され、
該ウェブ面がウェブガイド手段の接触面に吸着される。
このウェブへの接触面は、ウェブの搬送方向に対して末
広がり状に傾けられており、該傾斜方向に接触面は移動
自在になっているから、該接触面は、上記ウェブの吸着
状態を維持しながら、ウェブの走行に伴って、ウェブと
共に移動する。したがってウェブの両側部分はウェブの
走行に伴って幅方向外側に速度成分を付与することがで
きる。
【0016】該装置を配置する位置はコーティング前、
コーティング中、コーティング後のどこに配置してもか
まわない。または、1カ所とは限らず複数箇所に配置し
てもかまわない。
【0017】特に好ましくは、ウェブ上に未乾燥で流動
可能な状態のコーティング剤が存在するコーティングさ
れた直後では、コーティング剤が局部的に流動しないた
めに、シワやたるみがない状態に保っておくことが重要
であり、前記コーティング直後の位置に配置しておくの
がよい。
【0018】さらに、前記幅方向外側に速度成分を付与
する手段が、前記ウェブとの接触摩擦によって従動回転
する複数の円筒面を有する場合には、該円筒面の外径を
50mm以下とし、円筒面の間隔をできるだけ小さくす
ることにより、吸引手段により吸引したときに、ウェブ
の前記円筒面への吸着により発生するうねりが小さくな
り、未乾燥状態のコーティング剤の流動を防ぐことがで
きる。また、該円筒面の外径を5mm以下とするとロー
ル間ピッチが狭くなり、ウェブと一定の接触面積を得る
ためには多数のロールが必要になり、ウェブガイド手段
の製作・組立が困難になるという問題がある。
【0019】また、前記幅方向外側に速度成分を付与す
る手段が、前記ウェブとの接触摩擦によって従動回転ま
たは従動周回する円筒面又はベルト面が孔を有する場合
には、該孔の径を20mm以下とするとウェブを円筒面
又はベルト面に吸着させたときの孔へのウェブの落ち込
みが小さくなり、未乾燥状態のコーティング剤の流動を
防ぐことができる。
【0020】本発明のコーティング方法において、ウェ
ブの張力が高い場合には吸引力を大きくし、ウェブをし
っかり把持し、幅方向外側に速度成分を付与してやる必
要がある。反対に、張力が低い場合に吸引力を大きくす
ると、前記吸着により発生するうねりや孔への落ち込み
が大きくなり、コーティング剤流動の原因となるため、
吸引力を下げてやる必要がある。また、ウェブの厚みが
薄い場合にはウェブのこしが弱く、前記吸着により発生
するうねりや孔への落ち込みが大きくなりやすいため、
吸引力を下げてやる必要がある。
【0021】以下、本発明の好ましい実施形態をその一
実施例を示す図面を参照しながら説明する。
【0022】図1は本発明のコーティング装置の概略図
を示したものであり、本発明をグラビア法にて実施した
場合の一例を示している。なお、コーティングの方法は
メタリングバー法、リバースロール法など他の方法にお
いても適用できる。
【0023】図1において11は矢印の方向に連続して
搬送されるウェブを示している。ウェブ11はニップロ
ール12a、12bから送り出され、コーティングロー
ル13上を適当な巻き付け角を持って搬送される。コー
ティングロール13に対向させて、グラビアロール14
が設けられており、グラビアロール14とコーティング
ロール13の間には所定のクリアランスが設定されてい
る。グラビアロール14はコーティング剤貯槽15中の
コーティング剤16を自身の回転に伴ってウェブ11の
表面上に塗布する。ウェブ11としては、特に限定され
ないが、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレンなどの熱可塑性樹脂のフィルム、紙、布、不織布
などが挙げられる。
【0024】コーティングされ、コーティングロール1
3上を通過したウェブ11はガイドロール17を経て次
工程へと送られるが、コーティングロール13とガイド
ロール17との間のコーティング直後の位置には幅方向
速度成分付与装置18が設けられている。幅方向速度成
分付与装置18はウェブ11の幅方向両側の対称位置に
それぞれ設けられ、本実施例では、幅方向速度成分付与
装置18、18′はそれぞれウェブガイド手段21a、
21bとウェブガイド手段21′a、21′bを支持
し、かつ、包囲することによってウェブ11の下面に向
かって開口する開口部を有する吸引口22(図2、図3
参照)と、吸引口22に配管23を通して接続され、吸
引口22を通してウェブ下面側の空気を吸引する吸引手
段24を備えている。吸引手段24は適当な容量の例え
ば吸引口22内を50〜500mmAq程度負圧にする
ことが可能なブロワ、真空ポンプ等からなる。なお、上
記吸引手段24による吸引力の調整は、ブロワの出力の
制御によってもよいし、配管途中のバルブや絞りで行っ
てもよい。また、フィルムの厚み、張力等のコーティン
グ装置の運転条件に連動して自動的にブロアの出力を制
御するようにしておいてもよい。
【0025】ウェブガイド手段21は、本実施例では、
図2に示すように複数のロール26からなっていて、各
ロールの外径は5〜50mmとし、ロールの中心軸間隔
Mをできるだけ小さくしておく。さらにこのロール26
が外周に孔を有し、ウェブ11を吸引しやすくしていて
もよい。ただし、孔25の径は1〜20mmであること
が好ましい。また、ウェブガイド手段21として図3に
示すようにロール41a、41b間に、複数の孔25が
穿設された孔開きエンドレスベルト42を掛けわたし、
ウェブ11の搬送と共にウェブ11との接触摩擦によっ
て従動周回させるようにしたものでもよい。ただし、孔
25の径は1〜20mmであることが好ましい。また
は、孔開きエンドレスベルトの代わりに網状(例えば金
網)ベルト手段を用いてもよい。
【0026】エンドレスベルト42または複数のロール
26は、図4に示すように、ウェブ11と平行な平面内
に、ウェブ14の搬送方向Xに対し一定角度θ傾斜する
方向に配されている。傾斜角度θは、わずかな角度でよ
いが、ウェブの幅、厚さ、表面状態とうに応じて、5〜
40度の範囲内で設定されるのが望ましい。5〜40度
の範囲内にするとウェブに幅方向の速度成分を与えると
共に、ベルト42やロール26の回転速度を低下させな
いという効果が得られる。ベルト42やロール26の材
質は本実施例では金属としたが、ウェブの幅方向速度成
分付与力を損なわず、摩耗粉の発生がない限り任意のも
のを選択できる。
【0027】ベルト42やロール26は対応する吸引口
22の内面側に周回または回転自在に支持されている。
つまり、ベルト42やロール26は走行中のウェブとの
接触摩擦によって従動周回又は回転している。吸引口2
2の開口部の形状は、図2に示すように、幅W、長さL
の矩形とされているが、この形状に限定されるものでは
ない。本実施例では、吸引口22による流体吸引は、図
2に示すように、各ロール26間、ロール26と吸引口
22の内面との間、および孔25、ロール26の中空部
内を通して行われるようになっている。
【0028】ウェブ11は、その幅方向両側部分におい
て、吸引手段24による吸引口22を通してのウェブ下
面近傍の空気吸引により、ウェブガイド手段としてのロ
ール26の外周面上に吸着される。この接触による摩擦
力によって、ウェブ11はロール外周面に捕捉され、ウ
ェブ11の走行により、ロール26を周回させるととも
に、上記捕捉によりウェブ11の位置が規制され、ウェ
ブの捕捉部はロール26の周回方向に、つまりロール2
6の外周面移動と同じ方向に強制搬送される。図2及び
図4に示すとおりロール26の周回方向は、ウェブの搬
送方向に対してθだけ傾けられているので、ウェブ11
の搬送速度に対して幅方向外側の速度成分Vxを付与さ
れる。この速度成分Vxによってウェブ11のシワやた
るみをなくすことが出来る。
【0029】この幅方向速度成分付与において、ウェブ
11はロール26と吸引口22のすきまのみならず、多
数の孔25をも通して吸着されるので、十分大きな接触
面積をもって捕捉されるので、ウェブと線接触するクロ
スガイダとは異なり、十分な幅方向速度成分が付与され
る。
【0030】また、吸引孔22の開口部の寸法としてそ
の幅Wと長さLは、ウェブ11の幅、厚さ、走行速度等
の条件にもよるが、Wを30〜150mm、Lを50〜
250mmの範囲にするのが強力な吸引力を得る上で好
ましい。
【0031】また本実施例においては、コーティング部
直上流側にも上記と同様の構成を有する幅方向速度成分
付与装置18が設けられており、この部分でもウェブ1
1に幅方向外側に速度成分を付与できるようになってい
る。
【0032】このように構成された装置においては、ニ
ップローラ12a、12bから送り出されてくるウェブ
11は幅方向速度付与装置18a、18bにて片側より
幅方向外側に向かって速度成分が付与されるので、ウェ
ブ11は幅方向外側に拡張され、シワやたるみのない緊
張状態でコーティングロール13へと送られる。
【0033】コーティングロール13上では対向するグ
ラビアロール14から所定の厚みを持って均一にコーテ
ィング剤16がウェブ11の一表面に塗布される。
【0034】コーティング後のウェブ11はガイドロー
ル17へと搬送されるが、コーティング直後の位置には
幅方向速度付与装置18a、18bが設けられているの
でウェブ11の両側端部部分に付与される幅方向外側に
向かう速度成分により、この部分でウェブ11は両側下
面から幅方向速度付与装置18a、18bにより、幅方
向に強制的に引っ張られ、連続的に緊張した状態を保た
れる。したがって、コーティング直後のウェブ11にお
いてコーティングされたコーティング剤が局部的に流動
することはなく、均一な塗布厚みが維持される。また、
ウェブ端部までコーティングされていても未乾燥状態の
コーティング剤は幅方向速度付与装置18a、18bに
接触することはなく、摩耗粉の混入もない。
【0035】さらに、本実施例のごとくコーティング直
前にも幅方向速度付与装置18a、18bを設ければ、
一層確実でかつ均一な塗布状態が得られる。
【0036】
【実施例】上記に示した実施例の装置を用いて、厚み1
5μmで幅3mのポリエステルフィルムを速度200m
/分・張力5kg/mで搬送しながら、粘度2.1mP
a・Sの塗液を塗布厚み6μmにてポリエステルフィル
ムの全幅にわたりコーティングを施し、乾燥工程にて塗
液を乾燥させ、その後巻取り、巻取後コートムラの有無
と異物混入の有無を検査した。コートムラおよび異物混
入の検査方法は暗室で検反用フィルムの斜め後方からラ
イトを照射し、10m長さを検査した。その時の検査基
準は、以下の基準で評価した。
【0037】コートムラに関しては、 ○:コートムラが認められないもの △:少しコートムラが認められるもの ×:明らかにコートムラが認められるもの 異物混入に関しては、 ○:異物混入が認められないもの △:少が異物混入が認められるもの ×:明らかに異物混入が認められるもの 実施例1は図1に示されるコーティング装置で幅方向速
度付与装置18a、18bのウェブ11の搬送方向に対
して10°傾け、ロール26の径をφ25、ロール26
の中心軸間隔Mを27mmとし、吸引口22内を200
mmAq負圧とする。
【0038】実施例2は図1に示されるコーティング装
置で幅方向速度付与装置18a、18bのウェブ11の
搬送方向に対して10°傾け、ロール26の径をφ2
5、ロール26の中心軸間隔Mを27mmとし、吸引口
22内を700mmAq負圧とする。
【0039】比較例1は図5に示されるようにクロスガ
イダ手段30a、30bをコーティングの直前および直
後に配置し、該クロスガイダ手段をウェブ11の搬送方
向に対して10°傾けたものである。
【0040】比較例2はコーティングの直前および直後
に幅方向速度成分を付与しなかったものである。
【0041】上記実施例1〜3、比較例1〜2を行った
結果を表1に示す。
【0042】
【表1】 実施例1〜2からわかるように幅方向速度付与装置18
a、18bの吸引口22内より吸引する吸引力は、ウェ
ブの厚みや張力・コーティング速度等によって変わるも
のであるが、今回の実施例では吸引口22内を200m
mAq程度負圧にするのが適当である。
【0043】また、比較例1では中央部にもコートムラ
が少しあったが、特に端部のコートムラが多かった。こ
れはクロスガイダではウェブに対して線接触であるため
幅方向外側に付与する速度成分が小さいため、ウェブを
幅方向に十分緊張させることができず中央部にコートム
ラが発生する。端部のコートムラはクロスガイダがコー
ティング面に接触することによって起こる。また、比較
例1ではクロスガイダとウェブの接触摩擦によって発生
する摩耗粉の混入も見られた。
【0044】比較例2ではウェブのしわや搬送中のバタ
ツキによってコートムラが発生した。
【0045】
【発明の効果】以上述べてきたように、幅方向速度付与
装置は、面でウェブを把持するのでクロスガイダなどに
比べて、大きな幅方向外側の速度成分を与えることがで
き、広幅になっても幅方向中央部までウェブを十分に緊
張させてやることができる。
【0046】また、幅方向速度付与装置を用いることに
よって、ウェブに対してコーティング面とは反対の面か
らの作用でウェブの幅方向外側に速度成分を付与するこ
とができ、ウェブ端部までコーティングできるようにな
り、屑を減少させるとともにコーティング面への摩耗粉
の混入を防ぐことができる。
【0047】さらに、幅方向速度付与装置は空気吸引方
式なので、該幅方向速度付与装置とウェブとの摩擦によ
って摩耗分が発生しても、吸引してくれるという効果も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1にかかる装置の斜視図である
【図2】図1の装置の部分拡大図である。
【図3】幅方向速度付与装置の縦断面図である。
【図4】図1の装置の部分平面図である。
【図5】比較例1に係る装置の斜視図である。
【符号の説明】
11:ウェブ 12a、12b:ニップロール 13:コーティングロール 14:グラビアロール 15:コーティング剤貯槽 16:コーティング剤 17:ガイドロール 18:幅方向速度付与装置 21a、21b:ウェブガイド手段 22:吸引口 23:配管 24:吸引手段 26:ロール 41a、41b:ロール 42:エンドレスベルト

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)連続的に搬送されるウェブの表面に
    塗布液をコーティングする装置と、 (ロ)上記ウェブの幅方向両側近傍の位置に、該ウェブ
    の幅方向外側に向かう速度成分を付与するウェブガイド
    手段を有し、 (ハ)該ウェブガイド手段は、(A)ウェブに接触する
    接触面が前記ウェブとの接触摩擦によって従動回転する
    円筒面または従動周回するベルト面であって、(B)前
    記円筒面またはベルト面の前記ウェブとの接触摩擦によ
    る従動の方向は、前記ウェブの搬送方向に対して、それ
    ぞれ相互に開く方向に一定角度傾斜させて設定されてい
    ると共に、(C)前記円筒面またはベルト面を回転又は
    周回自在に支持し、かつ、前記円筒面又はベルト面のウ
    ェブ搬送側の面以外の面を包囲することにより、実質的
    に前記ウェブの、前記円筒面又はベルト面への接触面側
    に向かって開口した開口部を有する吸引口と、(D)該
    吸引口に接続され、該吸引口を通しての空気吸引によ
    り、少なくとも前記幅方向外側に速度成分を付与する手
    段と前記吸引口との間から吸引される空気流によって、
    前記ウェブを前記幅方向外側に速度成分を付与する手段
    の接触面に吸着せしめる吸引手段と、を備えたことを特
    徴とするウェブの製造装置。
  2. 【請求項2】前記ウェブガイド手段の、ウェブとの接触
    摩擦によって従動回転する円筒面の外径が5mm〜50
    mmであることを特徴とする請求項1に記載のウェブの
    製造装置。
  3. 【請求項3】前記円筒面またはベルト面がその外周に孔
    を有しており、かつ該孔の径が1mm〜20mmである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のウェブの製
    造装置。
  4. 【請求項4】連続的に搬送されるウェブの表面に塗布液
    をコーティングするウェブの製造方法において、搬送さ
    れるウェブの両側近傍にそれぞれ、ウェブの幅方向外側
    に速度成分を付与する円筒面またはベルト面を有するウ
    ェブガイド手段を設け、流体吸引によってウェブを前記
    従動回転する円筒面または従動周回するベルト面に密着
    させ、ウェブと前記円筒面またはベルト面との摩擦力に
    よって、ウェブの片面から作用して、ウェブを幅方向に
    緊張させながら搬送することを特徴とするウェブの製造
    方法。
  5. 【請求項5】前記ウェブの製造方法において、前記ウェ
    ブの厚みあるいは張力に応じて前記流体吸引の吸引力を
    調節することを特徴とする請求項4に記載のウェブの製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024180839A1 (ja) * 2023-02-28 2024-09-06 東レエンジニアリング株式会社 搬送装置

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