JPH10138567A - 文字色設定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 背景が模様や画像などのように複数の異なる
色の領域からなっていても、背景色と文字色が同系色に
ならず、文字を見やすくすることである。 【解決手段】 文字データＲＡＭに記憶された文字デー
タと背景データＲＡＭに記憶された色データとの重なり
位置を色の異なる複数の領域からなる背景の同一領域内
で判断し、文字データと重なる位置の色データの色を文
字データと重ならない位置の色データの色に対する補色
関係の色に変換指定するので、背景が模様や画像などの
ように複数の異なる色の領域からなっていても、文字色
を背景色と補色関係の色にすることができ、このため背
景色と文字色とが同系色にならず、文字を見やすくする
ことができる。そして、この文字と背景とをプリンタ部
で印刷すると、背景が模様や画像などのような複数の異
なる色の領域からなっていても、背景色と文字色とが補
色関係になり、文字を見やすく印刷することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、カラー印刷装置
などに用いられる文字色設定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、カラー印刷装置には、複数の色、
例えば色の３原色を用いてフルカラー印刷するものがあ
る。このようなカラー印刷装置には、印刷する背景の色
を選択すると、この選択された背景色に対応する個所の
文字色を予め記憶された色対応表によって指定する文字
色設定装置を備え、この文字色設定装置によって指定さ
れた色で文字を印刷するとともに、選択した色で背景を
印刷するものがある。この場合、色対応表は、それぞれ
背景色と文字色とが補色の関係になるように設定されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなカラー印刷装置における文字色設定装置では、背景
が１色である場合には問題は生じないが、背景が模様や
画像などのように複数の異なる色の領域からなる場合に
は、複数の領域のうちのいずれかの領域の色を背景色と
して選択すると、この選択された色に対して文字色が色
対応表によって設定されてしまうため、背景色と文字色
が同系色になってしまう部分が生じ、文字が見にくくな
ってしまうという問題がある。この発明の課題は、背景
が模様や画像などのように複数の異なる色の領域からな
っていても、背景色と文字色が同系色にならず、文字を
見やすくすることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、文字データ
を記憶する第１記憶手段と、この文字データの背景とな
る複数の異なる色の領域からなる色データを記憶する第
２記憶手段と、この第２記憶手段の色データと第１記憶
手段の文字データとの重なり位置を同一領域内で判断す
る判断手段と、この判断手段で判断された文字データと
重なる位置の色データの色を文字データと重ならない位
置の色データの色と異なる色に変換する色変換手段とを
備えたことを特徴とする。したがって、この発明によれ
ば、第１記憶手段に記憶された文字データと第２記憶手
段に記憶された色データとの重なり位置を判断手段によ
って同一領域内で判断し、この判断手段で判断された文
字データと重なる位置の色データの色を色変換手段によ
って文字データと重ならない位置の色データの色と異な
る色に変換して指定するので、背景が模様や画像などの
ように複数の異なる色の領域からなっていても、背景色
と文字色とを異なる色にすることができ、このため背景
色と文字色とが同系色にならず、文字を見やすくするこ
とができる。

【０００５】この場合、請求項２に記載のごとく、色変
換手段が、判断手段によって同一領域内で判断された文
字データと重なる位置の色データの色を文字データと重
ならない位置の色データの色に対する補色関係の色に変
換指定する構造であれば、背景が模様や画像などのよう
に複数の異なる色の領域からなっていても、背景色と文
字色とが補色関係の色になり、より一層、文字を見やす
くすることができる。また、請求項３に記載のごとく、
文字データの背景となる色データ、および文字データと
重なる位置の色データに基づいてそれぞれ指定された色
で被印刷媒体に印刷する印刷手段を備えていれば、背景
が複数の異なる色の領域からなっていても、背景色と文
字色とを異なる色で印刷でき、文字を見やすく印刷する
ことができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図１〜図９を参照して、こ
の発明の文字色設定装置の一実施形態について説明す
る。図１はカラー印刷装置の文字色設定装置の回路構成
を示したブロック図である。この図において、１はＣＰ
Ｕである。また、２０はＲＡＭであり、このＲＡＭ２０
は文字データを記憶させる文字データメモリ４と背景の
色データを記憶させる背景メモリ５と、文字データメモ
リのアドレスデータを記憶させるアドレスデータメモリ
９と背景データメモリのアドレスデータを記憶させるア
ドレスデータメモリ１１と変数メモリ１２とを有してい
る。ＣＰＵ１は、入力部２から文字や背景色のデータが
与えられ、フォントデータＲＯＭ３により入力されたデ
ータに基づいて文字データを作成して文字データメモリ
（第１記憶部）４に格納するとともに、背景の色データ
を背景データＲＡＭ（第２記憶部）５に格納する。この
場合、文字データＲＡＭ４には、図２に示すように、１
ドットが１ビットに対応し、８ドットが１バイトの状態
で文字データ１０が格納される。この文字データは１ド
ットすなわち黒ドット１０ａから構成される。また、こ
の実施形態の背景は、模様や画像などのような複数の異
なる色の領域からなり、これら各領域の色が背景の色デ
ータとして背景データメモリ５に格納される。すなわ
ち、背景データＲＡＭ５には、イエローＹ、マゼンダ
Ｍ、シアンＣの３色ごとに、各色の階調データがそれぞ
れ１バイトで表され、これら各１バイトが図３に示すよ
うに文字データの１ドットに対応して格納される。ま
た、文字データメモリ４のアドレスデータはアドレスメ
モリ（ＡＤＤ１）に格納され、背景データメモリ５のア
ドレスデータはアドレスデータメモリ１１（ＡＤＤ２）
に格納される。

【０００７】また、ＣＰＵ１は、入力部２から印刷指令
が与えられると、文字データメモリ４から文字データ１
０を読み出すとともに、背景データメモリ５から背景の
色データを読み出し、文字データと背景の色データとの
重なり位置を同一領域内で判断し、文字データと重なる
位置の色データの色を図５に示す色対応表によって背景
色に対する補色関係の色に変換し、この変換された色で
文字データと重なる位置の背景を文字データと重ならな
い位置の背景と共に表示部６にカラー表示し、かつプリ
ンタ部（印刷手段）７で被印刷用紙にイエローＹ、マゼ
ンダＭ、シアンＣの３色ごとに順次印刷する。この時Ｃ
ＰＵ１は、表示駆動部８を駆動させて、表示部６に表示
させる。また、この場合、カラー印刷に用いる色は、図
４に示すように、イエローＹ、マゼンダＭ、シアンＣの
３色であり、この３色を組み合わせることにより、多数
の色を表現する。また、イエローＹ、マゼンダＭ、シア
ンＣの各色は、階段状に濃度レベルが変化する多階調に
区分されており、一般的に３２階調から２５６階調ぐら
いまでが使用され、この実施形態では０〜２５５階調に
区分され、各色の階調が１バイトで表されている。な
お、プリンタ部７で用いるインクリボンは、溶融型熱転
写リボンでも良いが、昇華型熱転写リボンが好ましい。

【０００８】ところで、背景の色データとこれに対応す
る補色の色データとの色対応表は、図５に示すように設
定されている。すなわち、背景の色データは、イエロー
Ｙ、マゼンダＭ、シアンＣの３色がそれぞれ２５５階調
で表され、これらの３色を組み合わせることにより、各
種の色が設定されている。これら各種の色に対応する補
色関係の色データは反転処理により設定されている。例
えば、イエローＹは、（Ｙ／Ｍ／Ｃ）が（２５５／０／
０）で表されたとき、その補色は、（反転Ｙ／反転Ｍ／
反転Ｃ）が（０／２５５／２５５）で表され、ブルーに
なるように設定されている。このときには、Ｙの階調が
２５５であるから濃い色のイエローになり、Ｙの階調が
低くなるに従って薄い色のイエローになる。以下同様
に、マゼンダＭは、（Ｙ／Ｍ／Ｃ）が（０／２５５／
０）であれば、その補色は、（反転Ｙ／反転Ｍ／反転
Ｃ）が（２５５／０／２５５）で表され、グリーンにな
る。シアンＣは、（Ｙ／Ｍ／Ｃ）が（０／０／２５５）
であれば、その補色は、（反転Ｙ／反転Ｍ／反転Ｃ）が
（２５５／２５５／０）で表され、レッドになる。ホワ
イトＷは、（Ｙ／Ｍ／Ｃ）が（０／０／０）であれば、
その補色は、（反転Ｙ／反転Ｍ／反転Ｃ）が（２５５／
２５５／２５５）で表され、ブラックになる。

【０００９】次に、このようなカラー印刷装置のフロー
について、図６および図７を参照して説明する。図６に
示すメインフローがスタートすると、ステップＳ１で印
刷キーが押されたかが判断され、押すされていなけれ
ば、印刷キーが押されるまで待機する。印刷キーが押さ
れて印刷指令が与えられると、ステップＳ２に進んで印
刷する文字データを文字データメモリ４に展開し、ステ
ップＳ３に進んで背景の色データを背景データメモリ５
に展開する。このときには、背景が模様や画像などのよ
うな複数の異なる色の領域からなり、各領域の色データ
が背景データメモリ５に展開される。そして、ステップ
Ｓ４に進んで文字データメモリ４の先頭アドレスをＡＤ
Ｄ１に記憶させ、背景データメモリ５の先頭アドレスを
ＡＤＤ２に記憶させ、ステップＳ５に進む。ステップＳ
５では、文字データと背景の色データとの重なり位置を
同一領域内で判断し、文字データと重なる位置の色デー
タの色を文字データと重ならない位置の色データの色に
対する補色関係の色に変換して指定する背景データの色
変換処理をし、ステップＳ６に進んで指定された色で文
字データと重なる位置の背景の色データを文字データと
重ならない位置の背景の色データと共にプリンタ部７で
被印刷用紙に順次カラー印刷し、ステップＳ７に進む。
ステップＳ７では、Ｙ／Ｍ／Ｃの３色を印刷したかが判
断され、３色全部が印刷されていなければ、ステップＳ
３に戻り、残りの色を印刷する。そして、３色全部が印
刷されると、このフローを終了する。

【００１０】ステップＳ５の背景データの色変換処理
は、図７に示すように、この処理フローがスタートする
と、ステップＳ１０で文字データメモリ４のＡＤＤ１に
記憶されたアドレスデータを変数Ａに格納し、ステップ
Ｓ１１に進んでＡが黒ドットつまり文字データの文字ド
ットであるかを判断する。このときには、例えば背景が
図８（ａ）に示すように色の異なる複数の領域１５〜１
８からなる模様で、この領域１５はシアンＣ、領域１６
はイエローＹ、領域１７はマゼンタＭ、領域１８はイエ
ローＹからなっているとする。この時、この模様の同一
の領域内における背景中のどの位置に文字データ１０の
文字ドット１０ａが重なっているかを検出する。そし
て、図８（ｂ）に示すように、同一領域内の背景中に文
字ドット１０ａがあり、すなわち黒ドットであると判断
されると、ステップＳ１２に進んで背景データメモリ５
のＡＤＤ２に記憶されたデータをＢに入れ、このＢのデ
ータを反転させることにより、同一領域内において文字
データと重なる位置の背景色を文字データと重ならない
位置の背景色の補色関係の色に選択指定し、ステップＳ
１３に進む。なお、ステップＳ１２で黒ドットでないと
判断されたときには、そのままステップＳ１３に進む。
ステップＳ１３では、ＡＤＤ１に記憶された文字データ
のアドレスを更新して文字データメモリ４に格納すると
ともに、ＡＤＤ２に記憶された背景データのアドレスを
更新して背景データメモリ５に格納し、ステップＳ１４
に進む。ステップＳ１４では、文字データメモリ４の文
字データを全部のドットについて検索したかを判断し、
全部のドットについて検索していなければ、ステップＳ
１０に戻り、文字データの全部のドットを検索するまで
上記処理を繰り返し、全部のドットについて検索したと
きにはメインフローに戻る。

【００１１】このように、このカラー印刷装置の文字色
設定装置では、文字データＲＡＭ４に記憶された文字デ
ータと背景データメモリ５に記憶された色データとの重
なり位置を同一領域内で判断し、文字データと重なる位
置の色データの色を文字データと重ならない位置の色デ
ータの色に対する補色関係の色に変換指定するので、背
景が模様や画像などのように複数の異なる色の領域から
なっていても、例えば図９（ａ）および図９（ｂ）に示
すように、文字色を背景色に対する補色関係の色に印刷
することができる。すなわち、このため背景色と文字色
とが同系色にならず、文字を見やすくすることができ、
この文字と背景とをプリンタ部７で印刷するので、背景
が模様や画像などのような複数の異なる色の領域からな
っていても、文字を見やすく印刷することができる。

【００１２】なお、上記実施形態で、同一領域内におい
て、文字データと重なる位置の背景の色データの色を文
字データと重ならない位置の背景の色データの色に対す
る補色関係の色に変換指定したが、必ずしも補色関係の
色にする必要はなく、背景色に対し文字が見やすけれ
ば、背景色に対し文字色が異なっているだけでも良い。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、第１記憶手段に記憶された文字データと第２記憶手
段に記憶された色データとの重なり位置を判断手段によ
って同一領域内で判断し、この判断手段で判断された文
字データと重なる位置の色データの色を色変換手段によ
って文字データと重ならない位置の色データの色と異な
る色に変換して指定するので、背景が模様や画像などの
ように複数の異なる色の領域からなっていても、背景色
と文字色とを異なる色にすることができ、このため背景
色と文字色とが同系色にならず、文字を見やすくするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のカラー印刷装置の文字色設定装置の
回路構成を示したブロック図。

【図２】図１の文字データＲＡＭに格納される文字デー
タの説明図。

【図３】図１の背景データＲＡＭに格納される背景の色
データの説明図。

【図４】カラー印刷における色の組み合わせを示した
図。

【図５】背景の色データおよびその補色関係の色データ
の色対応表を示した図。

【図６】カラー印刷装置のメインフローを示した図。

【図７】図６の背景データの色変換処理のフローを示し
た図。

【図８】背景データと文字データの重なり位置を判断す
る状態を示し、（ａ）は背景の色データの検索状態を示
した図、（ｂ）はその背景中における文字ドットの検索
状態を示した図。

【図９】（ａ）および（ｂ）は背景色を変えた場合の２
種類の印刷状態を示した各図。

【符号の説明】

１ ＣＰＵ ２ 入力部 ４ 文字データメモリ ５ 背景データメモリ ７ プリンタ部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】文字データを記憶する第１記憶手段と、 前記文字データの背景となる複数の異なる色の領域から
   なる色データを記憶する第２記憶手段と、 この第２記憶手段の前記色データと前記第１記憶手段の
   前記文字データとの重なり位置を同一領域内で判断する
   判断手段と、 この判断手段で判断された前記文字データと重なる位置
   の前記色データの色を前記文字データと重ならない位置
   の前記色データの色と異なる色に変換する色変換手段
   と、 を備えたことを特徴とする文字色設定装置。
2. 【請求項２】前記色変換手段は、前記判断手段によって
   同一領域内で判断された前記文字データと重なる位置の
   前記色データの色を、前記文字データと重ならない位置
   の前記色データの色に対する補色関係の色に変換するこ
   とを特徴とする請求項１記載の文字色設定装置。
3. 【請求項３】前記文字データの背景となる前記色デー
   タ、および前記文字データと重なる位置の前記色データ
   に基づいてそれぞれ変換された色で被印刷媒体に印刷す
   る印刷手段を備えていることを特徴とする請求項１また
   は２記載の文字色設定装置。