JPH10138333A - 二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法

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JPH10138333A
JPH10138333A JP29883396A JP29883396A JPH10138333A JP H10138333 A JPH10138333 A JP H10138333A JP 29883396 A JP29883396 A JP 29883396A JP 29883396 A JP29883396 A JP 29883396A JP H10138333 A JPH10138333 A JP H10138333A
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正芳 朝倉
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】レーザーラマン散乱法で測定した1615
cm−1 における長手方向のピーク強度(IMD)と厚み
方向のピーク強度(IND)との比R(=IMD/IND)の
幅方向における最大値と最小値の差が1以下であること
を特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。 【効果】幅方向に物性ムラのない、かつ、製膜安定性に
優れたフィルムを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸延伸ポリエス
テルフィルムの製造方法に関するものであり、さらに詳
しくは、フィルム幅方向に物性ムラの少ない二軸延伸ポ
リエステルフィルムを、工程安定性に優れた製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリエステルフィルムは種々の
工業用途に供されるが、中でもレトルト包装、写真、磁
気ディスクなどの用途では、フィルムの縦横方向の物性
がバランスしていることが望まれている。さらに、熱や
化学薬品に対する寸法変化、熱膨張率、機械的強度など
の物性が製品の幅方向のいかなる部分でも均等なことが
望まれる。
【0003】幅方向延伸によって起きる延伸ムラやボー
イング現象によって、延伸フィルムの幅方向で物性(特
にF5値、熱収縮率、熱膨張率)の分布が生じ、延伸フ
ィルムの商品価値を著しく低下させている。
【0004】従来技術でも、ボーイング現象に対する解
決策は数多く提案(例えば、特開昭57−87331号
公報、特開昭58−24418号公報など)されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ボーイ
ング現象だけの解決だけではフィルムの物性、特に熱収
縮率、熱膨張率、F5値のフィルム幅方向の均等が不十
分である。
【0006】よって、物性がフィルム幅方向に均等なフ
ィルムを得るには、横延伸での延伸ムラの解消された二
軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、実質的に無配向状態のフィルムをフィル
ム長手方向に一軸延伸した後、幅方向の延伸を段階的に
降温し延伸する方法、もしくは、長手方向の延伸を2段
階以上の延伸帯域で行なう方法、もしくは、二軸延伸後
に熱処理を行なうに際して段階的に昇温し行なう方法、
もしくは、二軸延伸後さらに幅方向に微延伸を付け加え
た延伸方法により物性がフィルム幅方向に均等な二軸延
伸ポリエステルフィルムを特徴とするものである。
【0008】また、二軸延伸後の、レーザーラマン散乱
法で測定した1615cm−1 における長手方向のピー
ク強度(IMD)と厚み方向のピーク強度(IND)との比
R(=IMD/IND)の幅方向における最大値と最小値の
差が1以下であることを特徴とする方法からなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明におけるレーザーラマン散乱法で測
定した1615cm−1 における長手方向のピーク強度
(IMD)と厚み方向のピーク強度(IND)との比R(=
MD/IND)は、長手方向の全配向の強さを示す指標で
ある。これは、フィルムにレーザー光をあてた場合のラ
マン散乱光を測定することにより求めることができる。
そのラマンスペクトルにおいて、1615cm−1 のラ
マンバンドはベンゼン環のC=C伸縮振動(νC=C)
に帰属し、それの長手方向と厚み方向のピーク強度比R
(=IMD/IND)をとることでフィルム全体の長手方向
への配向の強さを測定することができる。
【0011】本発明においては、幅方向に物性ムラのな
い、かつ、製膜安定性に優れたフィルムを得るために
は、この強度比Rの幅方向における最大値と最小値の差
が1以下であることが必要である。1を超える場合は、
物性ムラが大きく非常に商品価値の低いものとなる。な
お、ここで言う幅方向とはフィルム幅0.5m〜8mの
ことを言う。
【0012】本発明においては、二軸延伸フィルムであ
ることが好ましく、二軸延伸の方法としては、実質的に
無配向状態のフィルムをまず周速差のあるロール間で長
手方向に延伸し、続いてフィルムの両端部をクリップで
把持するテンターにて幅方向延伸、熱処理するいわゆる
逐次二軸延伸法が最も好ましく用いられる。
【0013】ここでいう実質的に無配向状態のフィルム
とは、十分乾燥された原料ペレットを押出機に供給し、
T型口金により、回転する金属製キャスティングドラム
上にシート状に押し出し、冷却固化せしめたもの、もし
くは未乾燥ペレットをベント式押出機に供給し同様にし
て得られたものをいう。また、この無配向状態のフィル
ムのエッジ部の最大厚み(A)と幅方向中央部の厚み
(B)との比(A/B)が、2〜6のものが好ましく用
いられる。
【0014】本発明における長手方向延伸とは、ごく一
般的な縦延伸方法(例えば、周速差のあるロール間で9
0〜100℃の温度で2〜4倍延伸)もしくは、2段階
以上の延伸帯域で行なう多段延伸法のことを言う。この
多段延伸法においては、高温の1段目延伸と低温の2段
目延伸を組み合わせることが好ましい。1段目の延伸温
度は100〜120℃の範囲に設定することが好まし
く、また、延伸倍率は1.5〜2.5倍の範囲で行なう
ことが好ましい。引き続いて、2段目の延伸は70〜9
8℃の温度範囲で行なうことが好ましい。延伸倍率は、
1段目の幅方向延伸倍率にもよるが、延伸むら、破断を
抑えるためには、2〜3.5倍の範囲に設定するのが好
ましい。1段目から2段目の延伸に至る温度過程は、単
調に低下するのが好ましい。この様な温度過程をとるこ
とは、物性むらの無いフィルムを得るために有効であ
る。この、多段延伸法は次の横延伸性に優れ、さらに延
伸ムラのないフィルムを得るのに好ましく用いられる。
【0015】この様にして得られた長手方向一軸延伸フ
ィルムは、引き続き、フィルム両端部を走行するクリッ
プで把持するテンターに導かれ該フィルムのガラス転移
温度(Tg)〜Tg+30℃の温度(T1)に加熱され
全横延伸倍率の30〜80%の倍率で延伸され、(T1
−20℃)〜T1の範囲(T2)まで降温し全横延伸倍
率まで幅方向延伸を施される。
【0016】本発明において幅方向延伸は、この様に1
段目の延伸から2段目の延伸へ段階的に降温し延伸する
ことが好ましい。1段目の幅方向延伸を2段目より高い
温度に設定するのは、幅方向に昇温むらを作らないため
である。温度がTgよりも低いと昇温むらが発生し延伸
むらが起きるため結果として物性むらにつながる。ま
た、Tg+30℃よりも高いとフィルムの結晶化により
延伸むら、破断が起きるため、Tg〜Tg+30℃の範
囲に設定することが好ましい。また、延伸倍率が全横延
伸倍率の30%よりも低いと2段目の延伸で破断が多く
なり、80%を超えると物性むらの改善効果が低くなる
ため、1段目の延伸倍率は全横延伸倍率の30〜80%
の範囲で行なうことが好ましい。
【0017】この様に1段目の延伸を施されたフィルム
は、続く2段目の延伸でさらに延伸むらが無く、かつ、
物性むらの無いフィルムとなる。この時、2段目の延伸
を1段目の延伸より低い延伸温度で行なうのは1段目よ
り延伸張力を上げフィルム幅方向で延伸むらを抑制する
ためである。このため、2段目の延伸は1段目の延伸温
度(T1)より低い温度で行なうことが好ましい。ま
た、(T1−20℃)よりも低いと破断が頻発するた
め、2段目の延伸温度は(T1−20)〜T1の範囲で
行なうことが好ましい。また、該二軸延伸フィルムをさ
らにT1〜ポリエステルの融解温度Tmの温度範囲で
1.05〜2倍延伸することも付加することができる。
この延伸に際してT1より低い温度で行なうとさらに物
性むらを解消する効果が薄く、Tmより高いと物性むら
が発生するため、T1〜Tmの温度範囲で行なうことが
好ましい。また、延伸倍率が1.05倍より低いとさら
に物性むらを解消する効果が薄く、2倍より高いと破断
が頻発するため、1.05〜2倍の範囲で延伸すること
が好ましい。
【0018】この様にして得られた二軸延伸フィルム
は、平面性、熱寸法安定性を付与するために、180〜
240℃の温度範囲で熱処理が施される。また、この熱
処理に際して熱処理温度を2段階以上で行なうこともで
きる。この熱処理に際して、1段目の熱処理をT1〜ポ
リエステルの融解温度Tm−40℃の範囲(T2)で行
ない、段階的に昇温し2段目の熱処理温度をT2〜Tm
の範囲で行なうことがさらに物性ムラのないフィルムを
得るのに好ましい。また、1段目の熱処理をT1以下の
温度で行なうと平面性、熱寸法安定性を付与する効果が
無い、また、Tm−40℃より高いとよりさらに物性む
らを解消する効果が低いため、1段目の熱処理温度は、
T1〜Tm−40℃の範囲で行なうことが好ましい。引
き続いて、最終的に平面性、熱寸法安定性を付与するた
めに2段目の熱処理を施される。この時、2段目の熱処
理でT2より低い温度で行なうと平面性、熱寸法安定性
を付与する上であまり意味が無く、Tmより高いと部分
融解が起き物性むらが発生するため、2段目の熱処理温
度は、T2〜Tmの範囲で行なうことが好ましい。
【0019】次に、本発明の二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの製造方法の具体的な例について説明するが、かか
る例に限定するものではない。
【0020】ポリエステルとして、ポリエチレンテレフ
タレートのペレット(例えば、比表面積300m2 /g
の湿式シリカ0.5重量%配合、固有粘度0.681、
末端COOH基濃度42当量/106 g)を真空下で十
分に乾燥する。このペレットを、270〜300℃の温
度に加熱された押出機に供給し、Tダイよりシート状に
押出す。
【0021】この溶融されたシートを、表面温度10〜
40℃に冷却されたドラム上に静電気力で密着させて冷
却固化し、実質的に非晶状態の未延伸キャストフィルム
を得る。該キャストフィルムを、加熱された複数のロー
ル群に導き、予熱ロールで90〜100℃に加熱され、
2〜4倍の延伸倍率で長手方向延伸を行ない、引き続き
該フィルムを、フィルム両端部を走行するクリップで把
持するテンターに導かれ該フィルムのガラス転移温度
(Tg)〜Tg+30℃の温度(T1)に加熱され全横
延伸倍率の30〜60%の倍率で延伸され、(T1−2
0℃)〜T1の範囲(T2)まで降温し全横延伸倍率ま
で幅方向延伸を施される。
【0022】こうして得られた二軸延伸フィルムは、平
面性、熱寸法安定性を付与するために、180〜240
℃の温度範囲で熱固定を行ない、均一に徐冷後室温まで
冷やして巻き取り、目的とするレーザーラマン散乱法に
おけるピーク強度比R(=IMD/IND)の幅方向におけ
る最大値と最小値の差が1以下の二軸延伸ポリエステル
フィルムを得る。
【0023】本発明においてポリエステルとは、ジオー
ルとジカルボン酸とから縮重合により得られるポリマー
である。ジカルボン酸とは、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、
セバチン酸などで代表されるものであり、また、ジオー
ルとは、エチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノールなどで代表されるものである。具体的には、例え
ば、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレ
ンイソフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−
1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどを用いること
ができる。もちろん、これらのポリエステルは、ホモポ
リマーであってもコポリマーであってもよく、共重合成
分としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオ
ール成分、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカル
ボン酸成分を用いることができる。本発明の場合、特
に、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレ
フタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート(ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト)およびこれらの共重合体より選ばれた少なくとも一
種であることが機械的強度、耐熱性、耐薬品性、耐久性
などの観点から好ましい。
【0024】また、フィルム中の末端COOH基濃度と
しては、特に耐熱性の点からも、15当量/106 g以
上かつ80当量/106 g以下の範囲にすることが好ま
しく、さらには、20当量/106 g以上かつ50当量
/106 g以下の範囲がより好ましい。
【0025】また、このポリエステルの中には、無機粒
子や有機粒子、その他の各種添加剤、例えば酸化防止
剤、帯電防止剤、結晶核剤などを添加してもかまわな
い。
【0026】無機粒子の具体例としては、酸化ケイ素、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化
チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウムなどの酸化物、カオ
リン、タルク、モンモリロナイトなどの複合酸化物、炭
酸カルシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、チタン酸バリウム、
チタン酸カリウムなどのチタン酸塩、リン酸第3カルシ
ウム、リン酸第2カルシウム、リン酸第1カルシウムな
どのリン酸塩、弗化カルシウム(螢石)、弗化リチウ
ム、弗化カーボンなどの弗化物、ケイ酸ナトリウム、ケ
イ酸アルミニウムなどのケイ酸塩などを用いることがで
きるが、これらに限定されるわけではない。また、これ
らは目的に応じて2種以上用いてもかまわない。
【0027】有機粒子の具体例としては、ポリスチレン
もしくは架橋ポリスチレン粒子、スチレン・アクリル系
及びアクリル系架橋粒子、スチレン・メタクリル系及び
メタクリル系架橋粒子などのビニル系粒子、ベンゾグア
ナミン・ホルムアルデヒド、シリコーン、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリフェニルエステル、フェノール樹
脂などの粒子を用いることができるが、これらに限定さ
れるものではなく、粒子を構成する部分のうち少なくと
も一部がポリエステルに対し不溶の有機高分子微粒子で
あれば如何なる粒子でもよい。
【0028】また、有機粒子は易滑性、耐削れ性の点か
ら粒子形状が球形状で均一な粒度分布のものが好まし
い。これらの粒子の粒径、配合量、形状などは用途、目
的に応じて選ぶことが可能であるが、通常は、平均粒子
径として0.005μm以上3μm以下、配合量として
0.01重量%以上10重量%以下が好ましい。
【0029】また、本発明のフィルムは2層以上の積層
フィルムであっても構わない。2層以上積層された積層
フィルムの場合は、少なくとも一層が層中に含有する粒
子の平均径(d)と層厚み(t)との比(d/t)が
0.1以上10以下であることが好ましい。
【0030】なお、本発明では、フィルムの表面にウレ
タン、アクリル、エステル、シリコン、ワックスなどで
代表される樹脂コート層を付設して表面改質したフィル
ムとしてもよい。また、表面改質の方法は、製膜ライン
の途中で該表面改質をするほうが好ましい。
【0031】また本発明のフィルムは紙、不織布、金属
などの他の素材と複合させることも可能である。
【0032】例えば金属を複合する場合には、鋼板また
はアルミ板などと本発明のフィルムを貼り合わせて建
材、工業資材、缶用途などに用いることが可能である。
【0033】
【物性値の評価法】
(1)レーザラマン散乱法によるフィルムの配向 レーザラマン分光の測定条件は次のとおりである。
【0034】 装置 :Jobin Yvon社製 Ramanor U-1000 マイクロラマン:測定配置 180°散乱 試料台 固体 光源 :Ar+ レーザ、NEC GLG3300 、波長515nm 分光器 :構成 1m Czerny-Turner 型 Double Monochromator 回折格子 Plane Holographic 、1800g/mm、 110×110mm 分散 9.23cm−1 /mm 逆光除去率 10−14(20cm−1 ) 検出器 :PM RCA31034、浜松943−02 測定に用いたフィルムはポリメチルメタクリレートに包
埋後、湿式研磨し、断面は長手方向に平行にした。測定
部分は中心部分とし、位置を少しずらして10回測定し
平均値をとった。測定は長手方向に平行な偏光測定にお
ける1615cm−1 バンドの強度(IMD)と厚み方向
に平行な偏光測定における1615cm−1 バンドの強
度(IND)をとり、配向を表す比RをR=IMD/IND
した。
【0035】(2)固有粘度 o−クロロフェノールを溶媒として25℃にて測定し
た。
【0036】(3)末端COOH基濃度 フィルム0.5gをo−クレゾールに溶解し、水酸化カ
リウムで滴定した。
【0037】(4)F5値 “インストロン”タイプの引張り試験機を用いて、試料
フィルムを幅10mm、試長間100mm、引張り速度
200mm/分で引張った。得られた張力−歪曲線の5
%伸び時の張力をF5値とした。測定は25℃、65%
RHの雰囲気下で行った。
【0038】(5)熱収縮率 試料幅10mm、試料長200mmのサンプルをギアオ
ーブンにより100℃、30分の条件下で熱処理し、試
料長の変化から下記式により収縮率を算出した。
【0039】熱収縮率(%)=[(熱処理前の長さ−熱
処理後の長さ)/熱処理前の長さ]×100
【0040】(6)破れ頻度 真空乾燥したポリエチレンテレフタレートをT型口金か
ら、静電気力でキャスティングドラム上に密着させて冷
却固化せしめて、キャストフィルムを得、次いで複数の
ロールからなる長手方向延伸機、およびテンターにて二
軸延伸、熱処理を施した。該フィルムの製造過程におい
て、次の基準で判定した。
【0041】 ◎:エッジからの破れが48時間以上無い場合 ○:エッジからの破れが24時間以上無い場合 ×:エッジからの破れにより製膜が6時間以上連続して
できない場合
【0042】(7)ガラス転移温度、融解温度 Perkin−Elmer社製DSC−2Cに5mgの
サンプルを充填して、常温から20℃/分の昇温速度で
昇温して、昇温DSC曲線を得た。該チャートからガラ
ス転移にもとずく変曲温度を求め、ガラス転移温度と
し、また融解に伴い吸熱ピークを求め、融解温度とし
た。
【0043】
【実施例】以下に、本発明のより具体的な実施例につい
て説明する。
【0044】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65、融点
256℃、末端COOH基濃度36当量/106 g、平
均径0.23μmの炭酸カルシウム粒子0.03重量%
配合)のペレットを180℃で3時間真空乾燥した後
に、280℃に加熱された押出機に供給して溶融押出
し、Tダイよりシート状に吐出した。さらにこのシート
を表面温度25℃の冷却ドラム上に静電気力で密着させ
て冷却固化し、実質的に無配向状態のフィルムを得た。
このフィルムを、加熱されたロール群に導き90℃に予
熱した後、延伸倍率3.5倍で長手方向延伸を行った。
該一軸延伸フィルム(Tg=85℃)を両端部をクリッ
プで把持するテンターに導き、95℃で2.5倍延伸し
た後に、80℃で同方向に1.6倍延伸をした。引き続
き、200℃で熱処理を施し、30℃に冷却後、フィル
ムエッジを除去し厚さ10.1μm、幅4mの二軸延伸
フィルムを得た。得られたフィルムのレーザーラマン散
乱法におけるピーク強度比Rの幅方向における最大値と
最小値の差、F5値ムラ、熱収縮率ムラ、破れ頻度を表
1に示した。フィルム中の末端COOH基濃度は42当
量/106 gであった。
【0045】比較例1〜3 横延伸温度を変更した以外は実施例1と同様の方法で二
軸延伸フィルムを製造した。得られたフィルムのレーザ
ーラマン散乱法におけるピーク強度比Rの幅方向におけ
る最大値と最小値の差、F5値ムラ、熱収縮率ムラ、破
れ頻度を表1に示した。
【0046】実施例2〜6 延伸倍率、温度を変更した以外は実施例1と同様の方法
で二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィ
ルムのレーザーラマン散乱法におけるピーク強度比Rの
幅方向における最大値と最小値の差、F5値ムラ、熱収
縮率ムラ、破れ頻度を表2に示した。
【0047】実施例7 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65、融点
256℃、末端COOH基濃度36当量/106 g、平
均径0.23μmの炭酸カルシウム粒子0.03重量%
配合)のペレットを180℃で3時間真空乾燥した後
に、280℃に加熱された押出機に供給して溶融押出
し、Tダイよりシート状に吐出した。さらにこのシート
を表面温度25℃の冷却ドラム上に静電気力で密着させ
て冷却固化し、実質的に無配向状態のフィルムを得た。
このフィルムを、加熱されたロール群に導き105℃に
て2倍長手方向に1段目の延伸を行い、引き続き85℃
にて2.7倍長手方向に2段目の延伸をした後、該一軸
延伸フィルム(Tg=67℃)を両端部をクリップで把
持するテンターに導き、80℃で2.5倍延伸した後
に、70℃で同方向に1.6倍延伸をした。引き続き、
200℃で熱処理を施し、30℃に冷却後、フィルムエ
ッジを除去し厚さ10.1μm、幅4mの二軸延伸フィ
ルムを得た。得られたフィルムのレーザーラマン散乱法
におけるピーク強度比Rの幅方向における最大値と最小
値の差、F5値ムラ、熱収縮率ムラ、破れ頻度を表3に
示した。
【0048】実施例8 横延伸温度を変更した以外は実施例7と同様の方法で二
軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルム
のレーザーラマン散乱法におけるピーク強度比Rの幅方
向における最大値と最小値の差、F5値ムラ、熱収縮率
ムラ、破れ頻度を表3に示した。
【0049】実施例9 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65、融点
256℃、末端COOH基濃度36当量/106 g、平
均径0.23μmの炭酸カルシウム粒子0.03重量%
配合)のペレットを180℃で3時間真空乾燥した後
に、280℃に加熱された押出機に供給して溶融押出
し、Tダイよりシート状に吐出した。さらにこのシート
を表面温度25℃の冷却ドラム上に静電気力で密着させ
て冷却固化し、実質的に無配向状態のフィルムを得た。
このフィルムを、加熱されたロール群に導き90℃に予
熱した後、延伸倍率3.5倍で長手方向延伸を行った。
該一軸延伸フィルム(Tg=85℃)を両端部をクリッ
プで把持するテンターに導き、95℃で2.5倍延伸し
た後に、80℃で同方向に1.6倍延伸をした。引き続
き180℃で1.1倍同方向に延伸し、200℃で熱処
理し、30℃に冷却後、フィルムエッジを除去し厚さ1
0.1μm、幅4mの二軸延伸フィルムを得た。得られ
たフィルムのレーザーラマン散乱法におけるピーク強度
比Rの幅方向における最大値と最小値の差、F5値ム
ラ、熱収縮率ムラ、破れ頻度を表4に示した。
【0050】実施例10 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.626、融
点256℃、末端COOH基濃度45当量/106 g、
平均径0.23μmの凝集シリカ粒子0.06重量%配
合)のペレットを180℃で3時間真空乾燥した後に、
280℃に加熱された押出機に供給して溶融押出し、T
ダイよりシート状に吐出した。さらにこのシートを表面
温度25℃の冷却ドラム上に静電気力で密着させて冷却
固化し、未延伸キャストフィルムを得た。この未延伸フ
ィルムを、加熱されたロール群に導き90℃に予熱した
後、延伸倍率3.5倍で長手方向延伸を行った。該一軸
延伸フィルム(Tg=85℃)を両端部をクリップで把
持するテンターに導き、95℃で2.5倍延伸した後
に、80℃で同方向に1.6倍延伸をした。引き続き、
1段目の熱処理を140℃で行い、続いて、2段目の熱
処理を230℃で施し、30℃に冷却後、フィルムエッ
ジを除去し厚さ3.5μm、幅4mの二軸延伸フィルム
を得た。得られたフィルムのレーザーラマン散乱法にお
けるピーク強度比Rの幅方向における最大値と最小値の
差、F5値ムラ、熱収縮率ムラ、破れ頻度を表4に示し
た。
【0051】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0052】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムの製造方
法によれば、レーザーラマン散乱法で測定した1615
cm−1 における長手方向のピーク強度(IMD)と厚み
方向のピーク強度(IND)との比R(=IMD/IND)の
幅方向における最大値と最小値の差が1以下となり幅方
向に物性ムラのない、かつ、製膜安定性に優れたフィル
ムを得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザーラマン散乱法で測定した161
    5cm−1 における長手方向のピーク強度(IMD)と厚
    み方向のピーク強度(IND)との比R(=IMD/IND
    の幅方向における最大値と最小値の差が1以下であるこ
    とを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 実質的に無配向状態のフィルムをフィル
    ム長手方向に一軸延伸した後、幅方向の延伸を行うに際
    して段階的に降温し延伸することによりレーザーラマン
    散乱法で測定した1615cm−1 における長手方向の
    ピーク強度(IMD)と厚み方向のピーク強度(IND)と
    の比R(=IMD/IND)の幅方向における最大値と最小
    値の差を1以下にすることを特徴とする二軸延伸ポリエ
    ステルフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 長手方向の延伸を2段階以上の延伸帯域
    で行うことを特徴とする請求項2に記載の二軸延伸ポリ
    エステルフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 幅方向の延伸を一軸延伸フィルムのガラ
    ス転移温度(Tg)以上Tg+30℃以下の温度(T
    1)で延伸開始し、段階的に降温し延伸終了温度がT1
    −20℃以上T1未満で延伸することを特徴とする請求
    項2または請求項3に記載の二軸延伸ポリエステルフィ
    ルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 幅方向延伸フィルムをT1以上ポリエス
    テルの融解温度(Tm)−40℃以下の温度(T2)の
    範囲より、段階的にT2以上Tm以下の温度まで昇温
    し、熱処理を行うことを特徴とする請求項2〜請求項4
    のいずれかに記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 幅方向に延伸した後、引き続き、さらに
    T1以上Tm以下の温度で同方向に1.05〜2倍延伸
    することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに
    記載の二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
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