JPH10137627A - 圧延油の鉄分除去装置 - Google Patents

圧延油の鉄分除去装置

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JPH10137627A
JPH10137627A JP8296960A JP29696096A JPH10137627A JP H10137627 A JPH10137627 A JP H10137627A JP 8296960 A JP8296960 A JP 8296960A JP 29696096 A JP29696096 A JP 29696096A JP H10137627 A JPH10137627 A JP H10137627A
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iron
rolling
oil
drum
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Koujiyu Tachibana
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延に使用された圧延油から、その中に混入
した鉄分を除去する際に、鉄分と共に外部に排出される
圧延油の量を極力少なくすることによって、圧延ライン
における圧延油供給タンク側に、再使用可能なものとし
て戻される圧延油の量の減少を最小限に抑制し、もっ
て、新しい圧延油の補給量を最小限に維持し、かくし
て、ランニングコストの高騰を防止する。 【解決手段】 圧延油の鉄分除去装置は、圧延に使用さ
れた圧延油を収容するためのタンク1と、下半部がタン
ク1内の圧延油に浸漬されるように、中心軸線を水平に
してタンク1の上方に配置された、少なくとも一部分が
磁力を有する回転体2と、回転体2の磁力によって回転
体に吸着した、圧延油に含まれた鉄分を掻き落とすため
の、圧延油の液面よりも上方に配置されたスクレーパ3
とを備えている。圧延油の液面よりも上方で、且つ、回
転体2の回転方向における、スクレーパ3よりも上流側
の位置において、鉄分と共に回転体2に付着した圧延油
にガスを噴射して、圧延油をスクレーパ3から遠ざける
方向に流すためのガスノズル6が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧延に使用され
た圧延油から、圧延時にこれに混入する鉄分を除去し、
清浄な圧延油の効率的な再使用を可能にする、圧延油の
鉄分除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼板等の被圧延材の冷間圧延に
際し、圧延材および圧延ロールの潤滑および冷却のため
に、大量の圧延油が使用される。
【0003】このような圧延油は、通常、圧延ロールお
よび被圧延材に供給された後、再使用のために回収され
る。しかしながら、このような圧延油には、圧延ロール
と被圧延材との激しい摩擦によって発生する微細な鉄分
が混入する。この種の鉄分は、圧延油の成分と化学的に
反応して、圧延油の潤滑性能を悪化させるのみならず、
被圧延材に付着して、次工程における、洗浄性、メッキ
性、塗装性等に悪影響を及ぼす。従って、圧延に使用さ
れた圧延油を再使用するに先立って、圧延油中の鉄分濃
度を所定の範囲内に維持するように、圧延油中の鉄分の
量を減少させる必要がある。
【0004】上述した実情に鑑みて提案された圧延油の
鉄分除去装置が、実開昭59−48749号公報(以
下、「先行技術」という)に開示されている。先行技術
の圧延油の鉄分除去装置を、図5を参照しながら説明す
る。図5は、先行技術の圧延油の鉄分除去装置を示す概
略側面図である。図5に示すように、先行技術の圧延油
の鉄分除去装置Cは、タンク13と、回転体としてのド
ラム14と、スクレーパ15とからなっている。
【0005】タンク13は、圧延に使用された圧延油を
収容するものであり、その下方における一方の側壁に
は、圧延に使用された圧延油をタンク13内に導き入れ
るための配管13aが接続されており、その下方におけ
る他方の側壁には、鉄分が除去された再使用可能な圧延
油を、圧延ラインにおける圧延油供給タンク(図示せ
ず)側に戻すための配管13bが接続されている。
【0006】回転体としてのドラム14は、その下半部
がタンク13内の圧延油に浸漬されるように、中心軸線
を水平にしてタンク13の上方に配置されている。ドラ
ム14の周囲は磁力を有している。
【0007】上述したドラム14は、ドラム駆動機構
(図示ぜす)によって、図5における矢印R方向に回転
する。ドラム14の下半部は、上述したように、タンク
13内の圧延油に浸漬されているので、ドラム駆動機構
によってドラム14が回転すれば、その磁力によって、
ドラム2の外周面に、圧延油中に混入した鉄分が順次吸
着される。
【0008】このようにドラム14の外周面に吸着され
た鉄分を掻き落とすためのスクレーパ15は、その先端
をドラム14の外周面に接触させるようにして、タンク
13内の圧延油の液面よりも上方に配置されている。ス
クレーパ15の後端側には、これによって掻き落とされ
た鉄分を受け入れるための樋16が配置され、この樋1
6には、そこに受け入れられた鉄分を外部に排出するた
めの排出管17が接続されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】先行技術の装置によれ
ば、圧延に使用された圧延油から、その中に混入した鉄
分を確実に除去することができる。しかしながら、先行
技術の装置においては、回転体に吸着した鉄分は、その
周りにある程度の量の圧延油が付着した状態で、スクレ
ーパによって掻き落とされる。即ち、先行技術の装置に
おいては、圧延油から鉄分を除去する際に、再使用可能
な圧延油までも、無視できない量で、外部に排出され、
鉄分と共に廃棄される。
【0010】即ち、先行技術の装置によれば、回転体と
してのドラム14を、ドラム駆動機構(図示ぜす)によ
って、図5における矢印R方向に連続的に回転させれ
ば、ドラム14の磁力によって、その外周面に、圧延油
中に混入した鉄分が順次吸着される。
【0011】ドラム14の外周面に鉄分が吸着した直後
においては、図3(a)に示すと同様に、鉄分Iと油分
Oとは相互に分離されておらず、鉄分Iの各々は、その
周りに油分Oを保持している。このようにドラム14の
外周面に鉄分Iが吸着した状態で、ドラム14が回転
し、ある程度の時間が経過すると、図3(b)に示すと
同様に、鉄分Iはドラム14の磁力によって、その外周
面上に凝集し、鉄分Iの各々の周りの油分Oがある程度
絞り出され、このように絞り出された油分は重力によっ
て滴下し、かくして、鉄分Iと油分Oとのある程度の分
離が行われる。
【0012】このように絞り出される油分の量を更に多
くするするために、ドラム14の回転速度を小さくする
こと、または、ドラム14の外径を大きくすることが考
えられる。しかしながら、前者の方法においては、単位
時間当りの鉄分の除去率が低下し、また、後者の方法に
おいては、設備を大型化しなければならず、これに伴う
設備コストの高騰が余儀無くされる。しかも、圧延油は
比較的高い粘性を有しているので、上述したような方法
を採用しても、ドラム14に付着した油分のみを効率的
にタンク13内に戻すことは不可能であり、スクレーパ
15によって、鉄分のみならず、再使用可能な圧延油ま
でも、無視できない量で、外部に排出され、鉄分と共に
廃棄される。
【0013】上述から明らかなように、先行技術の装置
による、圧延油からの鉄分の除去を継続すると、圧延ラ
インにおける圧延油供給タンク側に、再使用可能なもの
として戻される圧延油の量が次第に減少し、従って、新
しい圧延油を常に補給する必要があり、その結果、ラン
ニングコストが高くなる。
【0014】従って、この発明の目的は、圧延に使用さ
れた圧延油から、その中に混入した鉄分を除去する際
に、鉄分と共に外部に排出される圧延油の量を極力少な
くすることによって、圧延ラインにおける圧延油供給タ
ンク側に、再使用可能なものとして戻される圧延油の量
の減少を最小限に抑制し、もって、新しい圧延油の補給
量を最小限に維持し、かくして、ランニングコストの高
騰を防止することが可能な、圧延油の鉄分除去装置を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
の装置は、圧延に使用された圧延油を収容するためのタ
ンクと、下半部が前記タンク内の前記圧延油に浸漬され
るように、中心軸線を水平にして前記タンクの上方に配
置された、少なくとも一部分が磁力を有する回転体と、
前記回転体の磁力によって前記回転体に吸着した、前記
圧延油に含まれた鉄分を掻き落とすための、前記圧延油
の液面よりも上方に配置されたスクレーパとを備えた、
圧延油の鉄分除去装置において、前記圧延油の前記液面
よりも上方で、且つ、前記回転体の回転方向における、
前記スクレーパよりも上流側の位置で、前記鉄分と共に
前記回転体に付着した前記圧延油にガスを噴射して、前
記圧延油を前記スクレーパから遠ざける方向に流すため
のガスノズルが設けられていることに特徴を有するもの
である。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、この発明の第1実施態様の
圧延油の鉄分除去装置を、図1から図3を参照しながら
説明する。図1は、この発明の第1実施態様の圧延油の
鉄分除去装置を示す概略側面図であり、図2は、同装置
における、回転体、スクレーパおよびガスノズルの概略
斜視図であり、図3(a)から(c)は、同装置におけ
る回転体への鉄分の吸着状態を示す概略部分側面図であ
る。
【0017】この発明の第1実施態様の圧延油の鉄分除
去装置Aは、図5を参照しながら説明した先行技術の圧
延油の鉄分除去装置Cにおけると同一の基本構造を有し
ている。即ち、この発明の第1実施態様の圧延油の鉄分
除去装置Aの基本構造は、図1に示すように、タンク1
と、回転体としてのドラム2と、スクレーパ3とからな
っている。
【0018】タンク1は、圧延に使用された圧延油を収
容するものであり、その下方における一方の側壁には、
圧延に使用された圧延油をタンク1内に導き入れるため
の配管1aが接続されており、その下方における他方の
側壁には、鉄分が除去された再使用可能な圧延油を、圧
延ラインにおける圧延油供給タンク(図示せず)側に戻
すための配管1bが接続されている。
【0019】回転体としてのドラム2は、その下半部が
タンク1内の圧延油に浸漬されるように、中心軸線を水
平にしてタンク1の上方に配置されている。ドラム2の
周囲には、図3(a)から(c)に示すように、ドラム
2の軸線方向の長さと実質的に同一の長さを有する複数
本の永久磁石2aが、ドラム2の周方向に所定間隔をあ
けて埋設されている。ドラム2は、上述したように、そ
の外周面において、部分的に磁力を有しているが、その
外周面の全体が磁力を有していてもよい。
【0020】上述したドラム2は、ドラム駆動機構(図
示ぜす)によって、図1における矢印R方向に回転す
る。ドラム2の下半部は、上述したように、タンク1内
の圧延油に浸漬されているので、ドラム駆動機構によっ
てドラム2が回転すれば、上述した永久磁石2aの磁力
によって、ドラム2の外周面に、圧延油中に混入した鉄
分が順次吸着される。
【0021】このようにドラム2の外周面に吸着された
鉄分を掻き落とすためのスクレーパ3は、その先端をド
ラム2の外周面に接触させるようにして、タンク1内の
圧延油の液面よりも上方に配置されている。図1に示す
ように、スクレーパ3は、その先端がその後端よりも上
方に位置するように、傾斜して配置されている。スクレ
ーパ3の後端側には、スクレーパ3によって掻き落とさ
れた鉄分を受け入れるための樋4が配置され、この樋4
には、そこに受け入れられた鉄分を外部に排出するため
の排出管5が接続されている。
【0022】この発明の第1実施態様の圧延油の鉄分除
去装置Aは、上述した基本構造に加えて、タンク1内に
収容された圧延油の液面よりも上方で、且つ、ドラム2
の回転方向における、スクレーパ3よりも上流側の位置
で、鉄分と共にドラム2に付着した圧延油にガスを噴射
して、上記圧延油をスクレーパ3から遠ざける方向に流
すためのガスノズル6を有している。
【0023】即ち、ガスノズル6は、図2に示すよう
に、スリットノズルからなっており、ドラム2の上方に
所定間隔をあけて配置されている。ガスノズル6の噴射
口は、ドラム2の両端の最上部P1およびP2を結ぶ直
線L1よりも、ドラム2の回転方向の上流側に位置す
る、ドラム2の外周面に向けられている(図2参照)。
ガスノズル6の取付け位置は、上述した条件を満たすこ
とが望ましいが、鉄分と共にドラム2に付着した圧延油
にガス、例えば、空気を噴射して、上記圧延油をスクレ
ーパ3から遠ざける方向に流すことができる位置であれ
ばよく、例えば、鉄分と共にドラム2に付着した圧延油
を、スクレーパ3側に流すことなく、ドラム2の両端部
側に逃がして、上記圧延油をタンク1内に戻すように、
スクレーパ3と上述した直線L1との間にガスノズル6
を配置してもよい。
【0024】ガスノズル6には、図1に示すように、配
管8が接続されており、このガス配管8には、エアポン
プ7が設けられている。なお、ガスノズル6から噴射さ
れるガスとしては、周囲の雰囲気に悪影響を及ぼすこと
なく、且つ、容易に入手可能な空気を使用することが望
ましいが、これに限定されるものではない。ガスノズル
6から噴射されるガスの圧力は、1.0から3.0kg
f/cm2 の範囲内であることが望ましい。
【0025】この発明の第1実施態様の圧延油の鉄分除
去装置Aにおいては、ガスノズル6は、スリットノズル
からなるものとして説明したが、鉄分と共にドラム2に
付着した圧延油にガスを噴射して、上記圧延油をスクレ
ーパ3から遠ざける方向に流すことができるものであれ
ば、その形態は任意であり、例えば、円形状の噴射口を
有するノズルを複数個使用することも可能である。
【0026】次に、この発明の上述した第1実施態様の
圧延油の鉄分除去装置Aの作動について説明する。先
ず、回転体としてのドラム2を、ドラム駆動機構(図示
ぜす)によって、図1における矢印R方向に連続的に回
転させ、同時に、ガスポンプ7を駆動させて、ガスノズ
ル6の先端から空気を噴射する。ドラム2の回転に伴っ
て、ドラム2に埋設された永久磁石2aの磁力によっ
て、ドラム2の外周面に、圧延油中に混入した鉄分が順
次吸着される。
【0027】ドラム2の外周面に鉄分が吸着した直後に
おいては、図3(a)に示すように、鉄分Iと油分Oと
は相互に分離されておらず、鉄分Iの各々は、その周り
に油分Oを保持している。このようにドラム2の外周面
に鉄分Iが吸着した状態で、ドラム2が回転し、ある程
度の時間が経過すると、図3(b)に示すように、鉄分
Iはドラム2の磁力によって、その外周面上に凝集し、
鉄分Iの各々の周りの油分Oがある程度絞り出され、こ
のように絞り出された油分は重力によって滴下し、かく
して、鉄分Iと油分Oとのある程度の分離が行われる。
【0028】このような状態における鉄分Iおよび油分
Oが、ドラム2の回転に伴って、ガスノズル6付近に到
達すると、図3(b)におけるように、鉄分Iからある
程度分離された油分Oの大半が、ガスノズル6からの空
気の噴射によって、ドラム2の回転方向と反対方向に押
し流され(図3(c)参照)、かくして、このように押
し流された油分Oは、タンク1内に滴下する。
【0029】このような状態で、ドラム2が更に回転す
ると、スクレーパ3によって、ドラム2に吸着された鉄
分が掻き落とされ、掻き落とされた鉄分は、樋4から排
出管5を通って、外部に排出される。このように、スク
レーパ3によって鉄分が掻き落とされる際、ドラム2の
外周面上において、鉄分Iからある程度分離された油分
Oの大半が、上述したように、ガスノズル6からの空気
の噴射によって、ドラム2の回転方向と反対方向に既に
押し流されているので、スクレーパ3の鉄分の掻き落と
しに伴って外部に排出される油分の量を極めて少量に減
少させることができる。
【0030】次に、この発明の第2実施態様の圧延油の
鉄分除去装置を、図4を参照しながら説明する。図4
は、この発明の第2実施態様の圧延油の鉄分除去装置に
おける回転体、スクレーパおよびガスノズルの概略部分
斜視図である。
【0031】この発明の第2実施態様の圧延油の鉄分除
去装置Bは、回転体が複数枚のディスクからなってお
り、スクレーパが櫛歯状の形状を有しており、ガスノズ
ルが、各ディスクの表裏面の各々およびその周面に向け
て配置されていることを除き、この発明の上述した第1
実施態様の圧延油の鉄分除去装置Aと同一である。従っ
て、これ等両者の共通の構成要素の説明を省略する。
【0032】この発明の第2実施態様の圧延油の鉄分除
去装置Bにおいては、図4に示すように、回転体は、相
互に平行に配置された複数枚のディスク9、10からな
っている。これ等のディスク9、10は、その各々の下
半部がタンク内の圧延油に浸漬されるように、共通の中
心軸線を水平にしてタンクの上方に配置されている。各
ディスク9、10には、その表裏面および周面に鉄分が
吸着可能なように、複数個の永久磁石(図示せず)が放
射状に埋設されている。
【0033】櫛歯状の形状を有するスクレーパ12は、
その一方の側に平行に突出した複数枚の突片12aを備
えている。即ち、スクレーパ12は、図4に示すよう
に、各ディスクの表裏面上に吸着した鉄分を掻き落とす
ための掻取り部12bと、各ディスクの周面上に吸着し
た鉄分を掻き落とすための掻取り部12cとをそれぞれ
有している。
【0034】上述したディスク9、10は、その表裏面
上に吸着した鉄分が上記掻取り部12bによって掻き落
とされ、そして、その周面上に吸着した鉄分が上記掻取
り部12cによって掻き落とされるように、スクレーパ
12の複数枚の突片12a間に挿入されている。
【0035】ガスノズル11は、円形状の噴射口を有す
る複数個のノズルからなっている。この複数個のガスノ
ズル11は、ディスク9、10の各々の表裏面用のため
の1対の表裏面用ノズル11aと、ディスク9、10の
各々の周面のための単一の周面用ノズル11bとに大別
される。
【0036】表裏面用ノズル11aは、図4に示すよう
に、ディスク9、10の各々の表裏面に向けてガスを噴
射するように、各ディスク9、10毎にそれぞれ設けら
れている。1対の表裏面用ノズル11aの噴射口は、ス
クレーパ12の掻取り部12bの先端Qを通る垂線L2
よりも、ディスク9の回転方向の上流側に位置する、デ
ィスク9の表裏面にそれぞれ向けられている(図4参
照)。表裏面用ノズル11aの取付け位置は、上述した
条件を満たすことが望ましいが、鉄分と共にディスク
9、10に付着した圧延油にガスを噴射して、上記圧延
油をスクレーパ12から遠ざける方向に流すことができ
る位置であればよい。
【0037】周面用ノズル11bは、各ディスク9、1
0の周面上に吸着した鉄分のまわりに付着した圧延油
を、スクレーパ12から遠ざける方向に流すように、上
述した表裏面用ノズル11aの上方に配置されている。
【0038】スクレーパ12の突片12aの幅が狭く、
換言すれば、隣接する2枚のディスク9、10間の距離
が比較的短い場合には、隣接する2枚のディスク9、1
0間毎に単一の表裏面用ノズル11aを配置してもよ
い。
【0039】また、ガスノズル11として、円形状の噴
射口を有するノズルを使用するものとして説明したが、
その代わりに、スリットノズルを使用してもよい。この
発明の第2実施態様の圧延油の鉄分除去装置Bの作動
は、ディスク9、10の表面上に付着した鉄分が、櫛歯
状の形状を有するスクレーパ12の掻取り部12bおよ
び12cによって掻き落とされることを除き、この発明
の上述した第1実施態様の圧延油の鉄分除去装置Aの作
動と同一である。従って、前者の作動の説明を省略す
る。
【0040】
【実施例】次に、この発明の圧延油の鉄分除去装置を、
実施例により、比較例と対比しながら説明する。
【0041】〔実施例1〕この発明の第1実施態様の圧
延油の鉄分除去装置Aと同一の装置(以下、「本発明装
置No.1」という)を用いて、下記条件下において、
圧延に使用した圧延油から鉄分を除去した。 (1)ドラム2の外径: 900mm (2)ドラム2の幅 : 1000mm (3)ドラム2の回転速度: 1.5rpm (4)スクレーパ3の幅: 1000mm (5)スリットノズル6からの空気の圧力: 1.5kgf/mm2 (6)鉄分除去前の圧延油中の鉄分の含有量: 2000ppm 上述した条件下における、圧延油からの鉄分の除去を行
い、樋4から排出管5を通って外部に排出されたスラッ
ジ状の廃液の成分を調べた。その成分、および、廃液中
の油鉄比率(油分/鉄分)を表1に記す。
【0042】
【表1】 〔実施例2〕この発明の第2実施態様の圧延油の鉄分除
去装置Bと同一の装置(以下、「本発明装置No.2」
という)を用いて、下記条件下において、圧延に使用し
た圧延油から鉄分を除去した。 (1)ディスク9、10の外径: 900mm (2)ディスク9、10の厚さ: 100mm (3)ディスク9、10の回転速度: 1.5rpm (4)スクレーパ12の掻取り部12bの長さ: 300mm (5)スクレーパ12の掻取り部12cの長さ:約100mm (6)ガスノズル11からの空気の圧力: 1.5kgf/mm2 (5)鉄分除去前の圧延油中の鉄分の含有量: 2000ppm 上述した条件下における、圧延油からの鉄分の除去を行
い、外部に排出されたスラッジ状の廃液の成分を調べ
た。その成分、および、廃液中の油鉄比率(油分/鉄
分)を表1に併せて記す。
【0043】〔比較例1〕図5を参照しながら説明した
先行技術の圧延油の鉄分除去装置Cと同一のスリットノ
ズルを有しない装置(以下、「比較装置No.1」とい
う)を用いて、下記条件下において、圧延に使用した圧
延油から鉄分を除去した。 (1)ドラム14の外径: 900mm (2)ドラム14の幅 : 1000mm (3)ドラム14の回転速度: 1.5rpm (4)スクレーパ15の幅: 1000mm (5)鉄分除去前の圧延油中の鉄分の含有量: 2000ppm 上述した条件下における、圧延油からの鉄分の除去を行
い、樋16から排出管17を通って外部に排出されたス
ラッジ状の廃液の成分を調べた。その成分、および、廃
液中の油鉄比率(油分/鉄分)を表1に併せて記す。
【0044】〔比較例2〕この発明の第2実施態様の圧
延油の鉄分除去装置Bと同一の装置において、ガスノズ
ルからの空気の噴射を行わないことによって、この発明
の範囲外の装置(以下、「比較装置No.2」という)
を準備し、これを使用して、圧延に使用した圧延油から
鉄分を除去した。ここにおける条件は、ガスノズルから
の空気の圧力に関する条件を除き、実施例2の条件と同
一であった。圧延油からの鉄分の上述した除去の際に、
外部に排出されたスラッジ状の廃液の成分を調べた。そ
の成分、および、廃液中の油鉄比率(油分/鉄分)を表
1に併せて記す。
【0045】表1から明らかなように、本発明装置N
o.1によれば、廃液中の油鉄比率は、2.06である
のに対して、比較装置No.1によれば、廃液中の油鉄
比率は、2.51であり、従って、前者によれば、後者
による場合に比して、油鉄比率が約18%改善された。
【0046】また、本発明装置No.2によれば、廃液
中の油鉄比率は、1.95であるのに対して、比較装置
No.2によれば、廃液中の油鉄比率は、2.43であ
り、従って、前者によれば、後者による場合に比して、
油鉄比率が約20%改善された。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、圧延に使用された圧延油から、その中に混入した鉄
分を除去する際に、鉄分と共に外部に排出される圧延油
の量を極力少なくすることによって、圧延ラインにおけ
る圧延油供給タンク側に、再使用可能なものとして戻さ
れる圧延油の量の減少を最小限に抑制し、もって、新し
い圧延油の補給量を最小限に維持し、かくして、ランニ
ングコストの高騰を防止することが可能な、圧延油の鉄
分除去装置を提供することができ、かくして、有用な効
果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施態様の圧延油の鉄分除去装
置を示す概略側面図である。
【図2】この発明の第1実施態様の圧延油の鉄分除去装
置装置における、回転体、スクレーパおよびガスノズル
の概略斜視図である。
【図3】この発明の第1実施態様の圧延油の鉄分除去装
置装置における回転体への鉄分の吸着状態を示す概略部
分側面図である。
【図4】この発明の第2実施態様の圧延油の鉄分除去装
置における回転体、スクレーパおよびガスノズルの概略
部分斜視図である。
【図5】先行技術の圧延油の鉄分除去装置を示す概略側
面図である。
【符号の説明】
A:この発明の第1実施態様の圧延油の鉄分除去装置 1:タンク 1a:配管 1b:配管 2:ドラム 3:スクレーパ 4:樋 5:排出管 6:ガスノズル 7:エアポンプ 8:ガス配管 I:鉄分 O:油分 B:この発明の第2実施態様の圧延油の鉄分除去装置 9:ディスク 10:ディスク 11:ガスノズル 12:スクレーパ 12a:突片 12b:掻取り部 12c:掻取り部 C:先行技術の装置 13:タンク 13a:配管 13b:配管 14:ドラム 15:スクレーパ 16:樋 17:排出管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延に使用された圧延油を収容するため
    のタンクと、下半部が前記タンク内の前記圧延油に浸漬
    されるように、中心軸線を水平にして前記タンクの上方
    に配置された、少なくとも一部分が磁力を有する回転体
    と、前記回転体の磁力によって前記回転体に吸着した、
    前記圧延油に含まれた鉄分を掻き落とすための、前記圧
    延油の液面よりも上方に配置されたスクレーパとを備え
    た、圧延油の鉄分除去装置において、前記圧延油の前記
    液面よりも上方で、且つ、前記回転体の回転方向におけ
    る、前記スクレーパよりも上流側の位置で、前記鉄分と
    共に前記回転体に付着した前記圧延油にガスを噴射し
    て、前記圧延油を前記スクレーパから遠ざける方向に流
    すためのガスノズルが設けられていることを特徴とす
    る、圧延油の鉄分除去装置。
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