JPH10137587A - 担持貴金属触媒の製造方法 - Google Patents

担持貴金属触媒の製造方法

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JPH10137587A
JPH10137587A JP8314237A JP31423796A JPH10137587A JP H10137587 A JPH10137587 A JP H10137587A JP 8314237 A JP8314237 A JP 8314237A JP 31423796 A JP31423796 A JP 31423796A JP H10137587 A JPH10137587 A JP H10137587A
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noble metal
catalyst
carrier
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ruthenium
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JP8314237A
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Hiroshi Mizuguchi
博史 水口
Takashi Suzuki
崇 鈴木
Hikoichi Iwanami
彦一 岩波
Takashi Yoshizawa
隆 吉澤
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 還元処理を要しない担持貴金属触媒の製造方
法を提供する。 【解決手段】 担体に、ルテニウム、ロジウム、パラジ
ウムから選ばれる少なくとも1種の貴金属を担持し、該
貴金属をアルカリ水溶液により不溶・固定化し、不活性
ガス雰囲気中もしくは酸化性ガスが実質的に存在しない
減圧雰囲気中において、100〜500℃で処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、還元処理を要しな
い担持貴金属触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の
貴金属触媒は、炭化水素の水素化をはじめ、炭化水素の
脱水素化、改質、酸化等の種々の反応に高い活性を示す
ことから、工業的に幅広く使用されている。
【0003】しかし、これらの貴金属触媒は高価である
ために、触媒への貴金属含有量を低減しつつ、触媒性能
を従来以上に向上させることが求められている。このよ
うに貴金属含有量を低減し、なおかつ所望レベルの触媒
性能を発揮させるためには、貴金属を高分散状態で担持
させることが必要である。
【0004】また、貴金属は化学的に極めて安定なた
め、強酸に溶解して得られる塩化物、硝酸塩、硫酸塩等
の可溶性塩を出発原料としている。従って、触媒調製
後、前処理として貴金属塩の分解、および還元処理が不
可欠である。
【0005】貴金属塩の分解は、触媒表面に塩素イオ
ン、硝酸イオン、硫酸根イオン等のカウンターイオンが
存在することによる反応の阻害、あるいは生成物中への
これらの混入を防ぐために必要である。分解様式には、
熱分解によるもの、還元処理中に平行して分解するもの
等があり、出発原料塩の種類によっても様々である。
【0006】還元処理は、担持貴金属を0価にし、金属
状態の活性点を発現させるために必要である。この還元
処理は、担持貴金属触媒を高温で還元性ガスと接触させ
て行う。この温度は、触媒により異なるため一概には言
えないが、通常、500〜700℃程度である。
【0007】しかし、これらの分解や還元処理によって
も、上記の陰イオンや陰イオン原子団等を完全に除去す
ることができない上、熱により、触媒成分の焼結(si
ntering)が起こったり、貴金属微粒子が凝集し
たり、あるいは熱履歴により担体の表面積が減少する等
して、担持貴金属の分散性が損なわれたり、担体成分が
触媒表面に充分露出しなくなることにより担体効果(耐
硫黄性の向上等)が充分発揮できない等の種々の欠点が
ある。しかも、還元処理は、高温で還元性ガスを用いる
必要があることから、操作性が悪く、生産効率に劣る
上、安全面でも問題を有している。
【0008】以上のように、現在の担持貴金属触媒にあ
っては、高温での分解および還元処理が不可欠である
が、これらの不可欠な処理が触媒の更なる高性能化を阻
害している。
【0009】一方、近年の石油精製工業、石油化学工業
においては、原油の高硫黄分化(サワー化)が著しいこ
とに加えて、生産効率の向上が非常に強く求められてい
ることから、触媒の高性能化はもとより、触媒の前処理
の簡素化が重要な技術開発課題となっている。
【0010】しかし、現在のところ、水素還元処理等の
前処理を省略することができ、しかも高性能な担持貴金
属触媒系は、見当たらない。
【0011】
【発明の目的】本発明は、水素等の還元性ガスを用いる
還元処理を必要とせず、簡便な活性化処理を行うだけ
で、高活性触媒を得ることができる担持貴金属触媒の製
造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【発明の概要】本発明者らは、触媒上に貴金属が水酸化
物の状態で存在している場合、これを不活性ガス、例え
ば、周期律表第18族元素や窒素等の化学的な反応性が
極めて低い気体(以下、「不活性ガス」あるいは「低反
応性ガス」と略記する)雰囲気中あるいは減圧雰囲気中
と言う酸化性ガスが実質的に存在しない雰囲気中で加熱
処理するだけで、容易に、0価の金属に分解でき、かつ
活性化でき、高性能担持貴金属触媒を得ることができる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の担持貴金属触媒の製造
方法は、担体に、ルテニウム、ロジウム、パラジウムか
ら選ばれる少なくとも1種の貴金属を担持し、該貴金属
をアルカリ水溶液を用いて水酸化物の形で不溶・固定化
し、不活性ガス雰囲気中または酸化性ガスが実質的に存
在しない減圧雰囲気中において、100〜500℃で処
理することを特徴とする(以下、不活性ガス雰囲気中あ
るいは酸化性ガスが実質的に存在しない減圧雰囲気中で
の加熱処理を、「活性化処理」と記すこともある)。
【0014】本発明で製造する触媒は、多孔質な担体
に、パラジウム、ロジウムおよびルテニウムからなる群
より選ばれる1種以上の貴金属を担持したものである。
貴金属の担持量は、特に限定しないが、製造後の触媒基
準で、0.3〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%
がより好ましい。担持量がこれより少ないと、活性点数
が少なくなりすぎ、所望の触媒性能を得ることができな
くなる。逆に、担持量がこれより多いと、分散性の低下
が起こり易く、活性点数増加が飽和する傾向が現れ、貴
金属使用量が増加して不経済となる。
【0015】上記の貴金属源としては、硝酸パラジウ
ム、塩化パラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウ
ム、硝酸ロジウム、塩化ロジウム、酢酸ロジウム、硝酸
ルテニウム、塩化ルテニウム等が好ましく使用できる。
【0016】これらの貴金属源を担持させる担体として
は、アルミナ、シリカ、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、希土類金属等の酸化物、これらの複合体等が好まし
く使用できる。
【0017】上記の担体に上記の貴金属源を担持する方
法としては、含浸法等の公知の方法を挙げることができ
る。
【0018】担持した貴金属は、アルカリ水溶液により
不溶・固定化を行う。この不溶・固定化により、担持貴
金属が水酸化物の状態となる。担持貴金属の水酸化物
は、還元処理を行うことなく、活性化処理のみを行うこ
とで、容易に、0価の金属となり、触媒の活性化が遂行
できる。従って、担体に担持した貴金属塩は、完全に水
酸化物へ変換させておくことが重要である。
【0019】担持貴金属塩を完全に水酸化物へ変換させ
るための不溶・固定化の条件は、担持する貴金属により
異なる。ルテニウムやロジウムの場合は、pH8〜10
のアルカリ水溶液を用い、20〜50℃で不溶・固定化
することが重要である。パラジウムの場合は、pH10
〜13のアルカリ水溶液を用い、40〜80℃で不溶・
固定化することが重要である。
【0020】上記のアルカリ水溶液も、担持する貴金属
により好ましいものが異なり、ルテニウムやロジウムの
場合は、アンモニア水が好ましく、パラジウムの場合
は、アルカリ金属水酸化物水溶液が好ましい。アルカリ
金属水酸化物としては、LiOH、NaOH、KOH、
RbOH、CsOHを用いることができるが、入手のし
易さからNaOH、KOHを用いるのが特に好ましい。
【0021】不溶・固定化後、洗浄し、乾燥する。洗浄
には、水(イオン交換水等)を用いることが適してい
る。
【0022】乾燥は、室温〜200℃、好ましくは室温
〜100℃、空気中、窒素気流中、常圧あるいは減圧下
で、行うことが適している。これより高い温度である
と、雰囲気の条件にもよるが、水酸化物が一部分酸化さ
れて酸化物になることがあり、この後に行う活性化処理
の効果が充分発揮されなくなる。これより低い温度であ
ると、酸化を抑制する意味では理にかなうが、乾燥時間
が長くなりすぎる。
【0023】乾燥時間は、触媒量によって異なるが、1
〜20時間程度が適している。触媒量が少量であれば、
減圧下で行うのが、乾燥時間が短く、かつ充分乾燥でき
るため、好ましい。
【0024】活性化処理に用いる低反応性ガス(不活性
ガス)は、周期律表第18族元素や窒素等であり、周期
律表第18族元素としては、He、Ne、Ar、Kr、
Rnから選ばれるものが好ましく、特に好ましくはH
e、Arである。また、活性化処理を、触媒中の金属を
酸化するような酸化性ガス(空気等)が実質的に存在し
ない減圧雰囲気中で行う場合は、50mmHg(6.7
kPa)程度以下の減圧度合いであればよい。
【0025】活性化処理の温度は、100〜500℃で
ある。100℃未満では、担持貴金属を充分に活性化す
ることができず、500℃を超過すると、担持貴金属が
凝集する等の悪影響があるばかりでなく、熱経済上好ま
しくない。担持貴金属を均一に0価にする意味では20
0〜500℃が好ましく、担持貴金属の凝集防止等の観
点からは200〜480℃が特に好ましい。処理時間
は、触媒量によっても異なるが、数十分から数時間程度
が適している。
【0026】なお、活性化処理前や活性化処理中に担持
貴金属が酸化されると、触媒活性が失われるだけでな
く、担持貴金属が0価になり難くなるため、酸化されな
いように注意する必要がある。例えば、前述のように不
溶・固定化後の乾燥温度・乾燥雰囲気への配慮、あるい
は活性化処理温度範囲での空気への暴露の回避、処理温
度に達する前の低反応性ガスでの置換等の対策を行うこ
とが好ましい。
【0027】本発明の製造方法で得られる触媒は、活性
化処理温度未満(100℃未満)であれば、空気に曝し
ても特に問題ないが、長期間保存するような場合には、
60℃以下の低温、低湿度、遮光条件下が好ましい。
【0028】以下に、担体にルテニウムを担持する場合
を例にして、本発明の製造方法を具体的に説明するが、
本発明の製造方法は、これに限定されるものではない。
【0029】先ず、担体に、所定量の三塩化ルテニウム
水和物を溶解した水溶液を滴下し、充分吸収(担持)さ
せる。次いで、10〜15容量%のアンモニア水(pH
8〜10)を、担持三塩化ルテニウムの量に対して過剰
量滴下する。これにより、化1の反応式に示すように、
三塩化ルテニウムは水酸化物に変換して不溶・固定化
し、塩素アニオンは水溶性の塩化アンモニウムとなり、
この後に行う水洗により容易に除くことができる。
【0030】
【化1】RuCl+3NHOH→Ru(OH)
3NHCl
【0031】このようにしてルテニウムを不要・固定化
した担体を、ブフナー漏斗等を用いて、充分水洗する。
洗浄は、濾液の一部に希硝酸銀液滴等を加え、塩化銀の
沈澱(白濁)が生じなくなるまで行う。
【0032】なお、洗浄は、上記の不溶・固定化にアル
カリ金属水酸化物水溶液を使用する場合には、この水溶
液に起因するNa、K等のアルカリ金属カチオンが
残存しないように、充分洗浄する。アルカリ金属カチオ
ンが残存すると、反応によっては期待される触媒性能が
生じなくなる場合もある。アルカリ金属カチオンの存在
が反応に影響しない場合は、水洗を簡便に済ませること
もできる。
【0033】洗浄後、室温〜200℃で、空気中、窒素
気流中、常圧あるいは減圧下で、乾燥する。乾燥時間
は、1〜24時間の範囲から触媒量によって最適のもの
を選択する。触媒量が少量の場合は、減圧下で乾燥し、
乾燥時間を短くすることもできる。
【0034】乾燥後、ヘリウム、アルゴン等の周期律表
第18族元素または窒素ガス等の低反応性ガス雰囲気
中、もしくは酸化性ガスが実質的に存在しない減圧雰囲
気中、100〜500℃で、活性化処理する。実使用の
際には、乾燥後の触媒を、例えば炭化水素油の水蒸気改
質反応を行う反応器に実使用の状態で充填し、活性化処
理を行った後、所定温度にて原料(炭化水素油等)を供
給して反応(水蒸気改質反応等)を行えばよい。
【0035】以上のようにして得られる触媒は、水素等
の還元ガスや他の還元剤を用いて還元処理した触媒と同
等の活性を有し、炭化水素の水蒸気改質反応等の各種反
応に好ましく使用することができる。
【0036】
【実施例】
実施例1 活性アルミナ粉末(Aluminium oxide
90,Type−1,Merck社製)を打錠成形し、
電気炉にて500℃で3時間焼成して担体を得た。この
担体15.2gを、三塩化ルテニウム水和物(RuCl
・nHO(n≒1)、Ru含有量36wt%、三津
和化学社製)1gを16mlの水に溶解した水溶液に、
1時間浸漬し、残液を除去後、約2.7kPa(20m
mHg)の減圧下、45℃に加温して水分を除去した。
これを13容量%のアンモニア水(pH8)に加えて2
0℃で2時間撹拌し、ルテニウムを不溶・固定化した。
ブフナー漏斗により触媒を濾別し、イオン交換水で充分
洗浄した。これを約2.7kPaの減圧下、45℃に加
温して乾燥し、触媒Aを得た。
【0037】触媒Aの約100mgを精秤して、パイレ
ックス製の吸着管に採り、表1に示す圧力(常圧)下、
ヘリウム気流中200、300、400および500℃
で2時間活性化処理を行ったもの、窒素気流中500℃
で2時間活性化処理を行ったもの、および水素気流中5
00℃で2時間還元処理を行ったもののそれぞれについ
て、50℃でCOの吸着量を測定した。標準状態(ST
P)でのCO吸着量を表1に示す。
【0038】また、触媒Aの約100mgを精秤して、
真空コックの付いた吸着管に採り、ロータリーポンプ
で、50mmHg(6.7kPa)以下となるようにピ
ラニゲージ真空計で測定しながら、減圧し、500℃で
2時間還元処理を行った後、50℃でCOの吸着量を測
定した。標準状態(STP)でのCO吸着量を表1に併
せて示す。
【0039】実施例2 実施例1で得た担体15.5gを、塩化ロジウム三水和
物(キシダ化学社製、RhCl・3HO)1gを1
6mlの水に溶解した水溶液に1時間浸漬し、残液を除
去後、約2.7kPaの減圧下50℃に加温して水分を
除去した。これを20容量%のアンモニア水(pH1
0)に加えて50℃で2時間撹拌し、ロジウムを不溶・
固定化した。これを実施例1と同様に、洗浄、乾燥して
触媒Bを得た。
【0040】触媒Bの約100mgを精秤し、実施例1
と同様にCO吸着量を測定した結果を表1に示す。
【0041】実施例3 実施例1で得た担体21.9gを、塩化パラジウム(キ
シダ化学社製、PdCl、Pd含有量59wt%)1
gを25mlの水に溶解した水溶液に1時間浸漬し、残
液を除去後、約2.7kPaの減圧下40℃に加温して
水分を除去した。これを10Nの水酸化カリウム水溶液
中に加えて80℃で2時間撹拌し、パラジウムを不溶・
固定化した。これを実施例1と同様に洗浄、乾燥し触媒
Cを得た。
【0042】触媒Cの約100mgを精秤し、実施例1
と同様にCO吸着量を測定した結果を表1に示す。
【0043】比較例1 活性アルミナ粉末(Aluminium oxide
90,Type−1,Merck社製)粉末を打錠成型
し、電気炉にて500℃で3時間焼成して担体を得た。
この担体24gを、三塩化ルテニウム水和物(RuCl
・nHO(n≒1)、Ru含有量36wt%、三津
和化学社製)1gを水に溶解して25mlとした水溶液
に、1時間浸漬し、残液を除去後、定温乾燥機にて10
5℃で5時間乾燥して触媒Dを得た。
【0044】触媒Dの約100mgを精秤し、実施例1
と同様にCO吸着量を測定した結果を表1に示す。
【0045】担持金属が充分金属状態(0価)である触
媒には、COが化学吸着する。COの吸着には物理吸着
と化学吸着があるが、化学吸着は物理吸着に比べて強い
ため、本発明の実施例および比較例で採用した50℃の
条件下では化学吸着のみが起こる。従って、触媒が活性
化された状態(0価の金属が担持された状態)の触媒に
はCOが多く吸着する。この性質を利用し、CO吸着量
から触媒の活性を推定することができる。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示すように、実施例1〜3の本発明
による触媒A〜Cでは、ヘリウム中または減圧下で20
0〜500℃の範囲で加熱処理した後のCO吸着量が、
比較例1の公知調製法による触媒Dの約1.6〜4倍に
も達する。このことは、本発明による触媒を用いれば、
活性化処理だけで、担持貴金属が充分金属状態になり、
触媒の活性化が生じることを示唆している。また、貴金
属の担持量に関しては、触媒A〜Dともに同じであるこ
とから、本発明による触媒では、活性点の分散性向上効
果も認められる。
【0048】
【発明の効果】本発明の製造方法による担持貴金属触媒
では、触媒の活性化処理として水素還元処理を省略し、
簡便な活性化処理のみで充分であるため、炭化水素の水
素化、脱水素化、改質、酸化等の種々の反応プロセスに
おいて、操作性の向上、生産効率の向上等に寄与できる
外、装置の建設コストの低減、運転コストの低減等にも
寄与できる。また、処理工程に可燃性の水素を使用しな
いため、安全性も向上する。加えて、活性点の高分散化
により、現状レベルの触媒と比較するならば、貴金属使
用量が削減できるため、触媒価格の低減が可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07B 35/02 C07B 35/02 35/04 35/04 C10G 45/10 C10G 45/10 B // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 岩波 彦一 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 吉澤 隆 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担体に、ルテニウム、ロジウム、パラジ
    ウムから選ばれる少なくとも1種の貴金属を担持し、該
    貴金属をアルカリ水溶液を用いて不溶・固定化し、不活
    性ガス雰囲気中もしくは酸化性ガスが実質的に存在しな
    い減圧雰囲気中において、100〜500℃で処理する
    ことを特徴とする担持貴金属触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 担持貴金属がルテニウム、ロジウムから
    選ばれる少なくとも1種であり、不溶・固定化に用いる
    アルカリ水溶液のpHが8〜10、不溶・固定化温度が
    20〜50℃であることを特徴とする請求項1記載の担
    持貴金属触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ水溶液がアンモニア水であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の担持貴金属触媒の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 担持貴金属がパラジウムであり、不溶・
    固定化に用いるアルカリ水溶液のpHが10〜13、不
    溶・固定化温度が40〜80℃であることを特徴とする
    請求項1記載の担持貴金属触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ水溶液がアルカリ金属水酸化物
    水溶液であることを特徴とする請求項4記載の担持貴金
    属触媒の製造方法。
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