JP3220680B2 - 固体酸触媒の製造方法並びに本触媒を用いたパラフィン系炭化水素の異性化方法 - Google Patents

固体酸触媒の製造方法並びに本触媒を用いたパラフィン系炭化水素の異性化方法

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JP3220680B2 JP05805199A JP5805199A JP3220680B2 JP 3220680 B2 JP3220680 B2 JP 3220680B2 JP 05805199 A JP05805199 A JP 05805199A JP 5805199 A JP5805199 A JP 5805199A JP 3220680 B2 JP3220680 B2 JP 3220680B2
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acid catalyst
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は石油精製工業、石油
化学工業で使用される固体酸触媒の製造方法並びに本触
媒を用いたパラフィン類の異性化に関し、詳しくは異性
化反応等の酸触媒反応に高い活性を有し、活性劣化の少
ない、圧縮強度の高い性能を有する成型固体酸触媒の製
造方法並びに本触媒を用いたパラフィン類の異性化方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】石油精製工業や石油化学工業においては
酸触媒が関与する反応が幅広く利用されている。代表的
な例としては、接触分解、接触改質、水素化脱硫、水素
化分解、異性化、アルキル化、重合などが上げられる。
その中でも、パラフィン異性化、アルキル化は特に強い
酸強度を有する触媒が必要であり、パラフィン異性化に
は塩素賦活白金アルミナ触媒、アルキル化には硫酸、弗
酸が工業的に主に利用されている。しかし、これらの触
媒は高い腐食性があるため、他の装置と比較して、高耐
食性の材質を使用しなければならず、かつその取り扱い
が難しい欠点があった。
【0003】以上の点を背景として酸強度が高く、取り
扱いの容易な固体酸触媒が公表されている。例えば、チ
タニア、ジルコニア、ハフニア、酸化すず、酸化鉄な
ど、各種酸化物については硫酸処理することにより高い
酸強度を発現することが見いだされている(特公昭59
−6181号、同59−40056号)。特開昭61−
68137号、同61−6838号では、必要により金
属担持を行い、触媒活性の安定性を改良することもでき
ると述べられている。
【0004】しかし、これらの硫酸根処理金属酸化物系
触媒は、粉末状態で反応性を検討されてきたにすぎな
い。触媒を通常の工業的実装置、例えば固定床流通式の
反応器に充填して使用する場合、粉末では流動化や差圧
の問題が生じるので、適切な大きさに成型する必要があ
る。
【0005】活性を損なわず粉末触媒を成型する簡単な
一般的な方法として、高圧で圧縮し、適切な大きさに粉
砕する打錠成型法が知られている。しかしながら、得ら
れる成型触媒の圧縮強度は一般に低く、実装置の固定床
流通式反応器に充填して使用できる代物ではない。
【0006】如何に、硫酸根処理金属酸化物の粉末触媒
の活性を低下させることなく、成型固体酸触媒とするか
が、当技術分野の大きな課題となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の課題を解決する
ため、水酸化ジルコニウムに代表される金属水酸化物粉
末を、結合剤としてアルミナ原料であるベーマイト粉末
と混合、成型し、その成型体を300℃以上500℃以
下の温度で前焼成した後、白金担持し硫酸根処理を行い
焼成することにより活性を失うことなく、良好な成型触
媒が得られることが見出された(特開平9−3849
4)。またその特許願の明細書中、白金担持は、硫酸根
処理の後に行ってもほぼ同程度の活性が得られると述べ
られている。
【0008】しかし、この成型触媒の、ジルコニアあた
りの活性は、反応初期こそ、粉末触媒とほぼ同程度の活
性を有するが、通油に伴う活性劣化が激しいという欠点
を有している。また、この成型触媒の圧縮強度も低く、
実装置の充填に耐えられるにまだ十分とは言えない。
【0009】この触媒成型法は根本的に、活性がなく、
ジルコニアと結晶構造、等電点も大きく異なるアルミナ
を結合剤として用いているため、十分ジルコニア本来の
性能を引き出せていない所に欠点があると考える。
【0010】一方、別の成型触媒調製法として、成型済
のシリカゲルにジルコニア前駆体を有機溶媒を用いて含
浸させ、400℃で焼成した後、硫酸処理し、600℃
で焼成する方法が行われている。得られた成型触媒は、
超強酸性を有し、シクロプロパンの開環異性化反応に活
性があると報告されている(ChemistryLet
ter,1869−1872(1988))。しかしな
がら、この成型触媒は、シリカ表面に硫酸根処理ジルコ
ニア層を形成させた物であり、ジルコニアを最大30%
程度しか担持することができず、成型触媒の単位量あた
りの活性が原理的に低いという欠点を有している。
【0011】本発明はかかる欠点を改良し、成型触媒単
位量あたりの触媒活性が高く、活性劣化の少ない、圧縮
強度の高い性能を有する固体酸成型触媒の製造方法並び
に本触媒を用いるパラフィン類の異性化方法を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決すための手段】本発明者らは上記欠点を克
服し、成型触媒単位量あたりの触媒活性が高く、活性劣
化の少ない、圧縮強度の高い性能を有する固体酸成型触
媒を開発すべく鋭意研究した結果、第IVB族金属水酸
化物と結合剤としてジルコニア前駆体を混合、成型した
後、100〜600℃で前焼成した成型体を担体として
用いることにより、その後第VIII族金属担持、硫酸
根またはその前駆体を含む処理剤での処理及び焼成から
なる処理を施せば、上記欠点が克服され、パラフィン異
性化等に優れた触媒活性及び高い圧縮強度を付与できる
という固体酸成型触媒の製造法を見出し、本発明を完成
するに至った。
【0013】即ち、本発明は、 1.第VIII族金属担持硫酸根処理第IVB族金属酸
化物固体酸触媒の製造法において、第IVB族金属水酸
化物と、結合剤としてオキシ硝酸ジルコニウム、オキシ
酢酸ジルコニウム又はオキシヒドロキシ塩化ジルコニウ
ムから選ばれるジルコニア前駆体を混合、成型した後、
100〜600℃で前焼成した成型体(A)を担体とし
て用いることを特徴とし、その成型体(A)に、第VI
II族金属を担持する工程(a)及び硫酸根またはその
前駆体を含む処理剤で処理する工程(b)を施した後4
50〜750℃で焼成を行うパラフィン系炭化水素の異
性化用固体酸触媒の製造方法、
【0014】2.第VIII族金属担持硫酸根処理第I
VB族金属酸化物固体酸触媒の製造法において、第IV
B族金属水酸化物と、結合剤としてオキシ硝酸ジルコニ
ウム、オキシ酢酸ジルコニウム又はオキシヒドロキシ塩
化ジルコニウムから選ばれるジルコニア前駆体を混合、
成型した後、100〜600℃で前焼成した成型体
(A)を担体として用いることを特徴とし、その成型体
(A)に、硫酸根またはその前駆体を含む処理剤で処理
する工程(b)を施し450〜750℃で焼成した後、
第VIII族金属を担持する工程(a)を施し再度焼成
を行うパラフィン系炭化水素の異性化用固体酸触媒の製
造方法、
【0015】3.第VIII族金属担持硫酸根処理第I
VB族金属酸化物固体酸触媒の製造法において、第VI
II族金属を担持する工程(a)を施した第IVB族金
属水酸化物と、結合剤としてオキシ硝酸ジルコニウム、
オキシ酢酸ジルコニウム又はオキシヒドロキシ塩化ジル
コニウムから選ばれるジルコニア前駆体を混合、成型し
た後、100〜600℃で前焼成した成型体(B)を担
体として用いることを特徴とし、その成型体(B)に、
硫酸根またはその前駆体を含む処理剤で処理する工程
(b)を施した後450〜750℃で焼成を行うパラフ
ィン系炭化水素の異性化用固体酸触媒の製造方法、
【0016】4.第VIII族金属担持硫酸根処理第I
VB族金属酸化物固体酸触媒の製造法において、第IV
B族金属水酸化物、結合剤としてオキシ硝酸ジルコニウ
ム、オキシ酢酸ジルコニウム又はオキシヒドロキシ塩化
ジルコニウムから選ばれるジルコニア前駆体、及び第V
III族金属化合物あるいはそれを含む溶液を混合し、
成型した後、100〜600℃で前焼成した成型体
(C)を担体として用いることを特徴とし、その成型体
(C)に、硫酸根またはその前駆体を含む処理剤で処理
する工程(b)を施した後450〜750℃で焼成を行
うパラフィン系炭化水素の異性化用固体酸触媒の製造方
法、
【0017】5.第IVB族金属水酸化物に対する結合
剤、つまりオキシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコ
ニウム又はオキシヒドロキシ塩化ジルコニウムから選ば
れるジルコニア前駆体の比が、ジルコニアベースで20
〜60重量%であることを特徴とする前記1〜4のいず
れかに記載のパラフィン系炭化水素の異性化用固体酸触
媒の製造方法、
【0018】6.第IVB族金属水酸化物が、水酸化ジ
ルコニウムであることを特徴とする請求項1〜5のいず
れかに記載のパラフィン系炭化水素の異性化用固体酸触
媒の製造方法、
【0019】
【0020】7.第VIII族金属が、白金であること
を特徴とする前記1〜5のいずれかに記載のパラフィン
系炭化水素の異性化用固体酸触媒の製造方法、
【0021】8.硫酸根またはその前駆体を含む処理剤
で処理する工程(b)が、硫酸を用い40〜130℃で
加熱還流する工程を含むことを特徴とする前記2、5〜
7のいずれかに記載のパラフィン系炭化水素の異性化用
固体酸触媒の製造方法、
【0022】9.パラフィン系炭化水素を、請求項1〜
8のいずれかに記載の固体酸触媒の製造方法で製造した
固体酸触媒に接触させることを含んでなるパラフィン系
炭化水素の異性化方法、の各々である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。本発明の固体酸触媒の製造方法は、第IVB族金
属塩を加水分解して得られた第IVB族金属水酸化物粉
末と、結合剤としてオキシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢
酸ジルコニウム又はオキシヒドロキシ塩化ジルコニウム
から選ばれるジルコニア前駆体を混合し成型後、100
〜600℃の温度で前焼成した成型体(A)に、第VI
II族金属を担持する工程(a)及び硫酸根あるいはそ
の前駆体を含む処理剤で処理する工程(b)を施した後
450〜750℃で焼成を行うものである。工程(a)
は、成型前の第IVB族金属水酸化物粉末に行っても、
あるいは成型体(A)に工程(b)を施した後450〜
750℃で焼成したものに行っても良い。さらには、成
型体を調製する工程で、第IVB族金属水酸化物と結合
剤を混合する際に、第VIII族金属化合物あるいはそ
れを含む溶液を混ぜ込んでも行える。
【0024】第IVB族金属水酸化物の種類としては、
水酸化チタニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化ハフニ
ウムの単品やこれらを2種類以上混合した複合水酸化物
が上げられる。その中で好ましいのは水酸化ジルコニウ
ムと、水酸化ジルコニウムを主体に他の水酸化物を混合
した水酸化ジルコニウム系複合酸化物である。以下水酸
化ジルコニウムを例に述べる。
【0025】水酸化物を生成するための金属塩として
は、水溶性金属塩であればいかなるものでも使用でき
る。例えば、ジルコニウム塩としては、オキシ塩化ジル
コニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウ
ム、硝酸ジルコニウム等がある。その中で好ましいのは
オキシ塩化ジルコニウムである。
【0026】ジルコニウム塩を所定量の水に溶かして水
溶液とし、これをアルカリ性にして加水分解すれば、水
酸化ジルコニウムの沈殿が生成する。
【0027】生成した沈殿は約1日静置して熟成した
後、ろ過する。ろ過した沈殿物は炉液に使用した塩の塩
素イオン、硝酸イオン等の陰イオンが流出してこなくな
るまでよく蒸留水で洗浄する。洗浄後、100〜150
℃の温度で1〜20時間乾燥すると水酸化ジルコニウム
を得る。
【0028】結合剤であるジルコニア前駆体としては、
成型後100〜600℃での前焼成を経て、成型体上に
残存し、硫酸根またはその前駆体を含む処理剤での処理
効果を妨げることのないジルコニア前駆体であり、ある
程度の重合度を有している必要がある。その例として、
オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウム、オ
キシハイドロキシ塩化ジルコニウムがある。一方、オキ
シ炭酸アンモニウムジルコニウムは、効果を妨げるジル
コニア前駆体であり、得られた成型触媒の活性は低い。
【0029】以下、結合剤としてオキシ硝酸ジルコニウ
ム、オキシ酢酸ジルコニウム、オキシハイドロキシ塩化
ジルコニウムを例に説明する。
【0030】第IVB族金属水酸化物に対する結合剤、
つまり、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニ
ウム又はオキシヒドロキシ塩化ジルコニウムから選ばれ
るジルコニア前駆体の比は、ジルコニアベースで20〜
60重量%、好ましくいは25〜50重量%である。活
性の点から、結合剤の比は低い方が好ましいが、成型触
媒の強度からは結合剤の割合が高い方が好ましい。
【0031】オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジル
コニウム、オキシハイドロキシ塩化ジルコニウムは、ゾ
ル水溶液としても市販されている。化合物中、ジルコニ
ウムはヒドロキシ架橋重合体を形成していると考えられ
ており、塩酸等で安定化され高分子化を抑制した状態で
市販されている。
【0032】オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジル
コニウム、オキシハイドロキシ塩化ジルコニウムは、粉
末試薬としても入手できるが、出来上がった成型触媒の
活性及び触媒強度の点でゾル水溶液に劣る。
【0033】水酸化ジルコニウム粉末と結合剤であるオ
キシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウム、ある
いはオキシ塩化水酸化ジルコニウムを用いて成型する方
法は、当業者に周知であり、例えば造粒ハンドブック
(オーム社、平成3年度発行)657〜671ページに
記載されている。方法としては押し出し成型、転動造粒
法、油中滴下法等があり、これらの方法で、柱状、球
状、粒状の成型体を製造することができる。
【0034】成型体を100℃で3時間乾燥すること
で、成型体はすでに、引き続く第VIII族金属の担持
処理(工程(a))あるいは硫酸根またはその前駆体を
含む処理剤での処理(工程(b))に耐えうる強度は有
しているが、さらに空気気流下100〜600℃で焼成
することで、結合剤であるジルコニア前駆体をある程度
脱水縮合が進行した水酸化ジルコニウムに分解させ、1
00%水酸化ジルコニウム成型体(成型体(A))とす
る。これにより、結合剤自体に活性を持たせることが可
能となるとともに、成型体上にある不純物を除去するこ
とができ、硫酸根またはその前駆体を含む処理剤での処
理(工程(b))効果を妨げるのを防ぐばかりか、ジル
コニア前駆体の分解で生成したある程度脱水縮合が進行
した水酸化ジルコニウムと原料である水酸化ジルコニウ
ムの加熱により、より分子レベルでの脱水縮合が進行
し、成型体の強度をさらに増加させることができる。但
し、硫酸根またはその前駆体を含む処理剤で処理する工
程(b)の前に、あまり高温で焼成すると、さらなる脱
水縮合により結晶化ジルコニアへと変化し、かえってそ
の後の硫酸根またはその前駆体を含む処理剤での処理の
効果を妨げるおそれがある。以上のことから、本発明に
おける成型体の前処理温度は100〜600℃が好まし
い。本焼成操作を本明細書においては、前焼成と呼ぶ。
【0035】結合剤として、オキシ硝酸ジルコニウムを
用いる場合、オキシ硝酸ジルコニウムが分解し硝酸を発
生する250℃から、結晶化が進む450〜600℃ま
でが前処理温度として望ましい。なお、成型体の結晶化
の温度は、水酸化ジルコニウム粉末とオキシ硝酸ジルコ
ニウムの比率にも若干影響される。
【0036】前焼成の時間は、時間の長い方が強度も高
いが、長すぎると脱水縮合により結晶化ジルコニアへと
変化し、できた最終成型触媒の活性を低下させる。その
ため、前焼成の時間は1〜10時間が適当である。
【0037】次に、この前焼成した成型体(A)に、第
VIII族金属を担持する工程(a)を施した後、硫酸
根あるいはその前駆体を含む処理する工程(b)を施し
450〜750℃で焼成を行うことにより固体酸成型触
媒を製造することができる。尚工程(a)及び工程
(b)の順序は入れ替えても良い。本処理法をA処理法
と呼ぶ。
【0038】あるいは、この前焼成した成型体(A)
に、工程(b)を施し450〜750℃で焼成した後、
工程(a)を行い200〜500℃で再焼成して固体酸
成型触媒を製造する。本処理法をB処理法と呼ぶ。
【0039】場合によっては、第VIII族金属を担持
する工程(a)を、成型前の第IVB族金属水酸化物粉
末に対して行ってもよい。この場合、成型体の調製は、
第VIII族金属担持第IVB族金属水酸化物と、結合
剤としてジルコニア前駆体を用いて行い、混合後成型し
てから100〜600℃で前焼成して成型体(B)とす
る。調製方法は成型体(A)と同様である。この成型体
(B)に工程(b)を施し450〜750℃で焼成を行
うことにより固体酸成型触媒を製造することができる。
本処理法をC処理法と呼ぶ。
【0040】先ずB処理法について述べる。硫酸根ある
いはその前駆体を含む処理剤で処理する工程(b)は、
上述の前焼成した成型体(A)に硫酸根あるいはその前
駆体を含む処理剤を添加して、静置し、ろ過ないし風乾
あるいは蒸発乾固した後、これを100〜150℃で1
〜20時間乾燥することである。特に、硫酸根あるいは
その前駆体を含む処理剤を過剰量添加後、40〜130
℃で加熱還流する方法が、静置する方法に比べ極めて有
効である。
【0041】硫酸根あるいはその前駆体を含む処理剤と
しては、硫酸及び、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウム等の硫酸塩水溶液を用いることができ
る。特に好ましいのは、焼成処理後、触媒上に金属の残
らない硫酸、硫酸アンモニウム等である。硫酸あるいは
硫酸塩水溶液の濃度は必要な活性により、0.1〜10
Nのものを用いる。
【0042】次にこの成型体を空気気流中で焼成する。
焼成は450〜750℃の温度範囲で行い、好ましくは
550〜700℃である。焼成時間は0.1〜5時間で
ある。この焼成により、ある程度脱水縮合の進んでいる
水酸化ジルコニウム成型体がさらに脱水縮合してジルコ
ニア成型体になる過程で、硫酸根がジルコニアに取り込
まれる。この硫酸根は強い電子吸引性を発揮してジルコ
ニア上にある水酸基のプロトンを活性化し、その酸強度
を高めているものと推測される。また、この焼成による
脱水縮合により、成型体自体の圧縮強度もさらに増加さ
せられる。
【0043】次に第VIII族金属を担持する工程
(a)について述べる。本工程は、第VIII族金属化
合物水溶液を用い金属担持後、100〜150℃の温度
で3〜24時間乾燥する工程である。
【0044】担持する金属は水素活性化能の高い第VI
II族金属が好ましく、中でも特に白金、パラジウムが
好ましい。金属担持量は0.01〜5重量%、より好ま
しくは0.05〜1.5重量%である。金属は水素分子
を活性化し金属表面に水素を供給するスピルオーバーの
役割を担う。スピルオーバー水素は、酸性点を生成して
反応を促進すると共に触媒上のコーク前駆体を除去して
触媒寿命を延長する作用を持つといわれている。
【0045】金属の担持方法は、当業者に周知の溶液中
における含浸法、イオン交換法が代表的な方法である
が、成型体上に高分散且つ均一に担持できる方法であれ
ばいかなる方法でもよい。担持に際して使用する金属化
合物は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩、
アンミン錯体、錯塩等、各種の水溶性塩のいずれも使用
できる。
【0046】最後に、工程(a)を施した成型体を空気
気流下で焼成を行うことで固体酸成型触媒を得る。な
お、焼成温度は200〜500℃、焼成時間は1〜5時
間である。
【0047】次に、A処理法について述べる。A処理法
は、成型体(A)に第VIII族金属を担持する工程
(a)を施した後、硫酸根あるいはその前駆体を含む処
理剤で処理する工程(b)を行い、焼成して固体酸成型
触媒を得る方法である。工程(a)及び工程(b)はB
処理法と同様である。最後の焼成は、空気気流中450
〜750℃の温度範囲、好ましくは550〜700℃で
0.1〜5時間である。
【0048】次に、C処理法について述べる。まず、成
型体に施す場合と同様に、ジルコニウム塩の加水分解で
得られた乾燥した水酸化ジルコニウム粉末へ第VIII
族金属を担持する工程(a)を施して第VIII族金属
担持水酸化ジルコニウムを得る。
【0049】この第VIII族金属担持水酸化ジルコニ
ウムと、結合剤としてジルコニア前駆体を混合し成型
後、100〜600℃で前焼成して成型体(B)とす
る。調製方法は成型体(A)と同様である。
【0050】成型体(B)に対し,硫酸根あるいはその
前駆体を含む処理剤で処理する工程(b)を施した後、
空気気流中450〜750℃の温度範囲、好ましくは5
50〜700℃で0.1〜5時間の焼成して成型固体酸
触媒を得る。
【0051】最後に、C処理法の応用について述べる。
これは、成型体を調製する工程中、結合剤と第IVB族
金属水酸化物を混合する際に、第VIII族金属化合物
あるいはそれを含む溶液を混ぜ込む方法である。得られ
た成型体は、100〜600℃で前焼成して成型体
(C)とする。
【0052】成型体(C)に対し,硫酸根あるいはその
前駆体を含む処理剤で処理する工程(b)を施した後、
空気気流中450〜750℃の温度範囲、好ましくは5
50〜700℃で0.1〜5時間の焼成して成型固体酸
触媒を得る。
【0053】本発明に係るパラフィン系炭化水素の異性
化方法は、パラフィン系炭化水素を上記成形体(A)、
(B)、(C)の少なくとも1つから得られる成型固体
酸触媒に接触させる点に特徴を有する。
【0054】本触媒を用いるパラフィン系炭化水素の異
性化反応に用いるパラフィン系炭化水素はC4〜C8パラ
フィンの単品及びそれらの混合物、あるいはそれらを主
体とする炭化水素の混合物であることが好ましい。
【0055】C1パラフィンの異性化反応はアルキレー
ト製造原料となるイソブタンを供給するために、あるい
はC4〜C6パラフィンの異性化反応は比較的低いオクタ
ン価の直鎖パラフィンを骨格異性化しオクタン価の高い
分岐パラフィンへと変換しオクタン価の高いガソリン基
材とする目的で石油精製工業において用いられている
が、本触媒はいずれの異性化反応にも適用できる。
【0056】異性化反応の反応温度、圧力等はパラフィ
ンの炭素数によって異なるが、例えばC5、C6パラフィ
ンを主体とするパラフィン類の異性化反応に本成型触媒
を用いると、反応系中に腐食原因となる有機塩素化合物
の添加や原料油中の厳格な脱水を施すことなく、水素気
流下、反応圧力5〜100kg/cm2Gで200℃以
下という低い反応温度でオクタン価の高いガソリン基材
を得ることができる。
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
【0058】実施例 (1)触媒Aの調製 A処理法により成型触媒を以下の通り調製する。オキシ
塩化ジルコニウム10gをイオン交換水150gに溶解
し、攪拌しながら、28%アンモニア水を添加し、pH
8.0に調整する。約1日静置熟成した後、生成した沈
殿を濾別し、濾液の塩素イオンが検出されなくなるまで
イオン交換水で洗浄する。洗浄後、110°で20時間
乾燥し、水酸化ジルコニウムを得た。得られた水酸化ジ
ルコニウムは粉砕し、粒子サイズを100メッシュ以下
とした。
【0059】水酸化ジルコニウム10.0gにオキシ硝
酸ジルコニウムのゾル水溶液26.5g(酸化ジルコニ
ウムとして25.0重量%含有。第一希元素化学工業社
製、商品名ジルコゾールZN)を加えいれ、80℃に加
熱混合し、混練後、直径1/32インチの穴から押し出
し、110℃で3時間乾燥し、柱状の成型体を得た。こ
れを成型体(イ)とする。次に成型体(イ)を、空気気
流下450℃で3時間焼成した。これを成形体(ロ)と
する。
【0060】成形体(ロ)10.0gに対し、白金濃度
0.34g/Lのヘキサクロロ白金酸水溶液を150m
l添加し、蒸発乾固後、110℃で20時間乾燥し、
0.5重量%白金担持成型触媒を得た。次に、0.5重
量%白金担持成型触媒10gに対し1N硫酸25mlを
添加し、10分間減圧脱気した後、室温で風乾する。さ
らに110℃で2〜3時間乾燥させた後、空気気流下6
00℃で3時間焼成する。これを触媒Aとする。
【0061】(2)触媒Bの調製 触媒Aの調製において、オキシ硝酸ジルコニウムのゾル
水溶液の代わりに、オキシ酢酸ジルコニウムのゾル水溶
液22.1g(酸化ジルコニウムとして30重量%含
有。第一希元素化学工業社製、商品名ジルコゾールZA
30)を用いる以外他の操作は全く同様に実施する。こ
れを触媒Bとする。
【0062】(3)触媒Cの調整 触媒Aの調製において、オキシ硝酸ジルコニウムのゾル
水溶液の代わりに、オキシハイドロキシ塩化ジルコニウ
ムのゾル水溶液18.9g(酸化ジルコニウムとして3
5重量%含有。第一希元素化学工業社製、商品名ジルコ
ゾールZC−2)を用いる以外他の操作は全く同様に実
施する。これを触媒Cとする。
【0063】(4)触媒Dの調製 B処理法により成型触媒を以下の通り調製した。触媒A
の調製の際に得られた成型体(ロ)10gに対し、先に
1N硫酸25mlを添加し、10分間減圧脱気した後、
室温で風乾する。さらに110℃で2〜3時間乾燥させ
た後、空気気流下600℃で3時間焼成し、硫酸処理成
型触媒を得た。この硫酸処理成型触媒10gに対し、白
金濃度0.34g/Lのヘキサクロロ白金酸水溶液を1
50ml添加する。蒸発乾固し、110℃で20時間乾
燥後、最後に空気気流下450℃で3時間焼成して、
0.5%白金担持硫酸腑活ジルコニアの成型触媒を得
た。これを触媒Dとする。
【0064】(5)触媒Eの調整 C処理法により成型触媒を以下の通り調製した。触媒A
の調製の際に得られた、粒子サイズ100メッシュ以下
の乾燥した水酸化ジルコニウム10.0gに対して、白
金濃度0.34g/Lのヘキサクロロ白金酸水溶液を2
15ml添加し、蒸発乾固後、110℃で20時間乾燥
し、0.73重量%白金担持水酸化ジルコニウムを得
た。
【0065】この0.73重量%白金担持水酸化ジルコ
ニウム10.1gにオキシ硝酸ジルコニウムのゾル水溶
液26.5g(酸化ジルコニウムとして25.0重量%
含有。第一希元素化学工業社製、商品名ジルコゾールZ
N)を加えいれ、80℃に加熱混合し、混練後、直径1
/32インチの穴から押し出し、110℃で3時間乾燥
し、柱状の成型体を得た。この成型体を、空気気流下4
50℃で3時間焼成した。これを成形体(ハ)とする。
【0066】成型体(ハ)10.0gに対し1N硫酸2
5mlを添加し、10分間減圧脱気した後、室温で風乾
する。さらに110℃で2〜3時間乾燥させた後、空気
気流下600℃で3時間焼成する。これを触媒Eとす
る。
【0067】(6)触媒Fの調製 C処理法の応用により成型触媒を以下の通り調製した。
触媒Aの調製の際に得られた、粒子サイズ100メッシ
ュ以下の乾燥した水酸化ジルコニウム10.0gにオキ
シ硝酸ジルコニウムのゾル水溶液26.5g(酸化ジル
コニウムとして25.0重量%含有。第一希元素化学工
業社製、商品名ジルコゾールZN)及び白金濃度7.3
g/Lのヘキサクロロ白金酸水溶液を10mlを加え入
れ、80℃に加熱混合し、混練後、直径1/32インチ
の穴から押し出し、110℃で3時間乾燥し、柱状の成
型体を得た。この成型体を、空気気流下450℃で3時
間焼成した。これを成形体(ニ)とする。
【0068】成型体(ニ)10.0gに対し1N硫酸2
5mlを添加し、10分間減圧脱気した後、室温で風乾
する。さらに110℃で2〜3時間乾燥させた後、空気
気流下600℃で3時間焼成する。これを触媒Fとす
る。
【0069】(7)触媒Gの調製 触媒Dの調製において、成型体(ロ)への硫酸添加、風
乾後の焼成温度を600℃から650℃に代えただけで
他の操作はまったく同様にする。これを触媒Fとする。
【0070】(8)触媒Hの調製 触媒Dの調製において、成型体(イ)を空気気流下45
0℃で3時間焼成する作業に代えて、成型体(イ)を空
気気流下550℃で3時間焼成するだけで他の操作は全
く同様に実施する。これを触媒Hとする。
【0071】(9)触媒Iの調製 触媒Gの調製において、加え入れるオキシ硝酸ジルコニ
ウムのゾル水溶液の量を13.1gにする以外の操作は
全く同様に実施する。これを触媒Iとする。
【0072】(10)触媒Jの調製 触媒Iの調製において、成型体(ロ)10gに対し1N
硫酸25mlを添加し、10分間減圧脱気した後、室温
で風乾する操作に代えて、成型体(ロ)10gに対し1
N硫酸150mlを添加し、10分間減圧脱気した後、
80℃で3時間加熱還流し、室温で20時間放置した
後、成形体を濾別するだけで他の操作はまったく同様に
する。これを触媒Jとする。
【0073】比較例 (1)触媒Kの調製 触媒Aの調製において、水酸化ジルコニウム10.0g
にオキシ硝酸ジルコニウムのゾル水溶液26.5gを加
えいれ、80℃に加熱混合し、混練する操作に代え、水
酸化ジルコニウム10.0gにベーマイト9.81gを
混合し、水15gを添加し混練する以外の操作は全て同
様に実施する。これを触媒Kとする。
【0074】(2)触媒Lの調製 触媒Aの調製において、オキシ硝酸ジルコニウムのゾル
水溶液の代わりに、オキシ炭酸アンモニウムジルコニウ
ムのゾル水溶液51.0g(酸化ジルコニウムとして1
3重量%含有。第一希元素化学工業社製、商品名ジルコ
ゾールAC−7)を用いる以外他の操作は全く同様に実
施する。これを触媒Lとする。 (3)触媒Mの調整 触媒Dの調製において、成型体(ロ)の原料として乾燥
した水酸化ジルコニウム10.0gを用いる代わりに、
空気気流下350℃で3時間加熱処理した水酸化ジルコ
ニウム9.1gを用いる以外の操作は全て同様に実施す
る。これを触媒Mとする。
【0075】(4)触媒Nの調整 触媒Aの調製において得られた、粒子サイズを100メ
ッシュ以下にそろえた乾燥した水酸化ジルコニウム1
0.0gに対し、1N硫酸25mlを添加し、室温で風
乾後、110℃で2〜3時間乾燥させ、さらに空気気流
下600℃で3時間焼成し、硫酸根処理ジルコニア粉末
を得る。
【0076】この硫酸根処理ジルコニア粉末10.0g
にオキシ硝酸ジルコニウムのゾル水溶液26.5gを加
えいれ、80℃に加熱混合し、混練後、直径1/32イ
ンチの穴から押し出し、110℃で3時間乾燥し、柱状
の成型体を得た。この成型体を、空気気流下600℃で
3時間焼成した。これを成型体(ホ)とする。
【0077】この成型体(ホ)10.0gに対して、白
金濃度0.34g/Lのヘキサクロロ白金酸水溶液を1
50ml添加する。蒸発乾固し、110℃で20時間乾
燥後、最後に空気気流下450℃で3時間焼成して、
0.5%白金担持硫酸腑活ジルコニアの成型触媒を得
た。これを触媒Nとする。
【0078】(5)触媒Oの調製 触媒Dの調製において、成型体(ロ)への硫酸添加、風
乾後の焼成温度を600℃から725℃に代えただけで
他の操作はまったく同様にする。これを触媒Oとする。
【0079】(6)触媒Pの調製 触媒Aの調製において、オキシ硝酸ジルコニウムのゾル
水溶液26.5g加え入れ、80℃で加熱混合し、混練
する作業に代えて、オキシ硝酸ジルコニウム粉末14.
36g(和光純薬工業社製)とイオン交換水4.3ml
加え入れ、80℃で加熱混合し、混練する作業以外他の
操作はまったく同様に実施する。これを触媒Pとする。
【0080】(7)触媒Qの調製 触媒Aの調製において、オキシ硝酸ジルコニウムのゾル
水溶液26.5g加え入れ、80℃で加熱混合し、混練
する作業に代えて、酸化ジルコニウム粉末6.68g
(関東化学社製)とイオン交換水5ml加え入れ、80
℃で加熱混合し、混練する作業以外他の操作はまったく
同様にして、成型体の調製を試みた。しかし、得られた
成型体は非常にもろく、すぐに紛化してしまった。
【0081】(8)触媒Rの調製 触媒Aの調製において、オキシ硝酸ジルコニウムのゾル
水溶液26.5gに代えて、酸化ジルコニウムのゾル水
溶液33.4g(20重量%含有。第一希元素化学工業
社製)を用いる以外他はまったく同様にして、成型体の
調製を試みた。しかし、得られた成型体は非常にもろ
く、すぐに紛化してしまった。
【0082】(9)触媒Sの調製 触媒Aの調製において、オキシ硝酸ジルコニウムのゾル
水溶液26.5gに代えて、イオン交換水2.5ml用
いる以外他はまったく同様にして、成型体の調製を試み
た。しかし、得られた成型体は非常にもろく、すぐに紛
化してしまった。
【0083】実施例 (11)異性化反応 触媒A〜Jを用い、酸触媒が関与する代表的な反応とし
て、n−ヘキサンの異性化反応を行った。結果を表1、
表2及び表3に示す。反応器は通常の固定床流通式反応
器を用いて行い、触媒充填量は4gである。反応条件
は、温度200℃、反応圧力5kg/cm2G、重量空
間速度1.95g/h・g―cat(結合剤を除く)、
水素対原料油比4.4mol/molである。
【0084】比較例 (10)異性化反応 触媒J〜Pを用い、実施例と同一原料油、同一条件で異
性化反応させた結果を、表1、表2及び表3に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】実施例 (12)成型触媒の圧縮強度測定 柱状である成型触媒A〜D、Jの圧縮強度は、電動式の
平面圧子を有する専用の卓上型引張圧縮試験装置(丸菱
科学機械製作所製SV−950)を用いて測定した。サ
ンプルとして30mm程度の長さの成型触媒を10個選
び、平面圧子の送り速度1mm/minで圧縮強度を測
定し、その平均値を圧縮強度とした。結果を表4に示
す。
【0089】比較例 (11)成型触媒の圧縮強度測定 柱状である成型触媒K、L、Pの圧縮強度は、実施例と
同一の装置、同一の測定方法で測定した。結果を表4に
示す。
【0090】
【表4】
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、従来の触媒と比較して
特にパラフィン異性化等の酸触媒反応に対して高活性で
活性劣化が少なく圧縮強度の高い成型固体酸触媒を製造
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 康嗣 神奈川県横浜市鶴見区北寺尾6−6−B 203 (72)発明者 増田 敏彦 神奈川県相模原市共和1−14−8 (56)参考文献 特開 平11−57478(JP,A) 特開 平7−89724(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第VIII族金属担持硫酸根処理第IVB
    族金属酸化物固体酸触媒の製造法において、第IVB族
    金属水酸化物と、結合剤としてオキシ硝酸ジルコニウ
    ム、オキシ酢酸ジルコニウム又はオキシヒドロキシ塩化
    ジルコニウムから選ばれるジルコニア前駆体を混合、成
    型した後、100〜600℃で前焼成した成型体(A)
    を担体として用いることを特徴とし、その成型体(A)
    に、第VIII族金属を担持する工程(a)及び硫酸根
    またはその前駆体を含む処理剤で処理する工程(b)を
    施した後450〜750℃で焼成を行うパラフィン系炭
    化水素の異性化用固体酸触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】第VIII族金属担持硫酸根処理第IVB
    族金属酸化物固体酸触媒の製造法において、第IVB族
    金属水酸化物と、結合剤としてオキシ硝酸ジルコニウ
    ム、オキシ酢酸ジルコニウム又はオキシヒドロキシ塩化
    ジルコニウムから選ばれるジルコニア前駆体を混合、成
    型した後、100〜600℃で前焼成した成型体(A)
    を担体として用いることを特徴とし、その成型体(A)
    に、硫酸根またはその前駆体を含む処理剤で処理する工
    程(b)を施し450〜750℃で焼成した後、第VI
    II族金属を担持する工程(a)を施し再度焼成を行う
    パラフィン系炭化水素の異性化用固体酸触媒の製造方
    法。
  3. 【請求項3】第VIII族金属担持硫酸根処理第IVB
    族金属酸化物固体酸触媒の製造法において、第VIII
    族金属を担持する工程(a)を施した第IVB族金属水
    酸化物と、結合剤としてオキシ硝酸ジルコニウム、オキ
    シ酢酸ジルコニウム又はオキシヒドロキシ塩化ジルコニ
    ウムから選ばれるジルコニア前駆体を混合、成型した
    後、100〜600℃で前焼成した成型体(B)を担体
    として用いることを特徴とし、その成型体(B)に、硫
    酸根またはその前駆体を含む処理剤で処理する工程
    (b)を施した後450〜750℃で焼成を行うパラフ
    ィン系炭化水素の異性化用固体酸触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】第VIII族金属担持硫酸根処理第IVB
    族金属酸化物固体酸触媒の製造法において、第IVB族
    金属水酸化物、結合剤としてオキシ硝酸ジルコニウム、
    オキシ酢酸ジルコニウム又はオキシヒドロキシ塩化ジル
    コニウムから選ばれるジルコニア前駆体、及び第VII
    I族金属化合物あるいはそれを含む溶液を混合し、成型
    した後、100〜600℃で前焼成した成型体(C)を
    担体として用いることを特徴とし、その成型体(C)
    に、硫酸根またはその前駆体を含む処理剤で処理する工
    程(b)を施した後450〜750℃で焼成を行うパラ
    フィン系炭化水素の異性化用固体酸触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】第IVB族金属水酸化物に対する結合剤、
    つまりオキシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウ
    ム又はオキシヒドロキシ塩化ジルコニウムから選ばれる
    ジルコニア前駆体の比が、ジルコニアベースで20〜6
    0重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載のパラフィン系炭化水素の異性化用固体酸触媒
    の製造方法。
  6. 【請求項6】第IVB族金属水酸化物が、水酸化ジルコ
    ニウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載のパラフィン系炭化水素の異性化用固体酸触媒の
    製造方法。
  7. 【請求項7】第VIII族金属が、白金であることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパラフィン系
    炭化水素の異性化用固体酸触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】硫酸根またはその前駆体を含む処理剤で処
    理する工程(b)が、硫酸を用い40〜130℃で加熱
    還流する工程を含むことを特徴とする請求項2、5〜7
    のいずれかに記載のパラフィン系炭化水素の異性化用固
    体酸触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】パラフィン系炭化水素を、請求項1〜8の
    いずれかに記載の固体酸触媒の製造方法で製造した固体
    酸触媒に接触させることを含んでなるパラフィン系炭化
    水素の異性化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR200497323Y1 (ko) 2020-11-09 2023-10-06 피-투 인더스트리즈 인코포레이티드 누름식 잠금 해제 구조를 구비하는 간편 잠금 커넥터

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KR200497323Y1 (ko) 2020-11-09 2023-10-06 피-투 인더스트리즈 인코포레이티드 누름식 잠금 해제 구조를 구비하는 간편 잠금 커넥터
KR200497318Y1 (ko) * 2021-03-03 2023-10-06 피-투 인더스트리즈 인코포레이티드 초박형 간편 잠금 및 잠금 해제 커넥터

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