JPH10133239A - 光偏向器及び光ビーム走査装置 - Google Patents

光偏向器及び光ビーム走査装置

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JPH10133239A
JPH10133239A JP32732196A JP32732196A JPH10133239A JP H10133239 A JPH10133239 A JP H10133239A JP 32732196 A JP32732196 A JP 32732196A JP 32732196 A JP32732196 A JP 32732196A JP H10133239 A JPH10133239 A JP H10133239A
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aod
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明子 山下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い周波数帯域に亘って高い回折効率で入射
光を2次元に偏向することができる低コストの光偏向器
を得る。 【解決手段】 第1のAOD は入射光の進行方向をz軸、
偏光方向をx軸とするxyz 座標系に対し、超音波進行方
向とx軸が一致し結晶の光学軸がz軸に一致した初期状
態から、z軸と超音波進行方向とを含む面に垂直な軸回
り(θB1)、超音波進行方向と平行な軸回り(θA1)、
z軸回り(θZ1)に回転されている。第2のAOD は入射
光の進行方向をz'軸、偏光方向をx'軸とするx'y'z'座標
系に対し、超音波進行方向とx'軸が一致し結晶の光学軸
がz'軸に一致した初期状態から、偏向方向を第1のAOD
の偏向方向と直交させることを含め、z'軸と超音波進行
方向とを含む面に垂直な軸回り(θB '2)、超音波進行
方向と平行な軸回り(θA '2)、z'軸回り(θZ '2)に
回転されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光偏向器及び光ビー
ム走査装置に係り、特に、偏向方向が互いに交差するよ
うに配置された第1及び第2の音響光学偏向素子を備え
た光偏向器、及び該光偏向器を備えた光ビーム走査装置
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、音響光学効果により光偏向を行う音響光学偏向素子
(AcoustoOpticDeflector:以下、AODという)が知
られている。このAODは、例えば光ビーム走査装置等
の光ビームの光路上に配置され、例えば走査手段により
走査される光ビームをAODによって予め偏向すること
で被照射体への光ビーム照射位置を補正する等の用途に
利用されている。また光ビーム走査装置において、被照
射体への光ビーム照射位置を2次元的に補正(移動)さ
せたい等の場合には、2個のAODを組み合わせ、光ビ
ームの光路に沿って直列に、かつ2個のAODによる光
ビームの偏向方向が互いに直交するように配置(タンデ
ム配置)していた。
【0003】ところで、上記AODのうち、異方性結晶
内を進行する超音波と異方性結晶内を進行する光波との
間に生じる異方ブラッグ回折を利用して光偏向を行うA
ODとして、音響光学媒体として低電力駆動が可能な二
酸化テルル(TeO2 )の単結晶を用い、TeO2 結晶
の[110]軸方向に進行しかつ[1’10]軸方向
(ここで、1’とは−1方向を意味する)に変位する横
波超音波によってTeO 2 結晶内に入射した光波を回折
させる構成が知られている(所謂オン-[110]型光偏
向素子)。このTeO2 結晶を用いたAODは、音響光
学媒体としてニオブ酸リチウム、または水晶を用いたA
ODと比較して大きな音響光学性能指数が得られ、高い
回折効率が得られる。
【0004】しかしながら、オン-[110]型光偏向素
子は、超音波の周波数の変化に対する回折効率の変化特
性がフラットではなく、中心周波数付近において回折効
率が大きく低下することによって回折光の光量が大幅に
低下するので、使用可能な周波数帯域が狭いという問題
があった。また、オン-[110]型光偏向素子で高い回
折効率を得るためには光偏向素子に入射する光を円偏光
とする必要があり、レーザ光源から射出された直線偏光
のレーザ光を円偏光に変換するためにλ/4板が必要と
なるので、コストが嵩むという問題もあった。
【0005】上記の問題点を解消したAODとして、超
音波の進行方向をTeO2 結晶の[110]軸方向から
大きく傾けたオフ-[110]型光偏向素子が知られてい
る(特開昭51−99039号公報参照)。このオフ-
[110]型光偏向素子によれば、前述のオン-[11
0]型光偏向素子の問題点であった中心周波数付近にお
ける光量の低下が解消されると共に、入射させるレーザ
光も直線偏光でよいのでλ/4板も不要である。
【0006】しかし、オフ-[110]型光偏向素子で
は、超音波の進行方向を[110]軸方向から大きく傾
けているため、音響光学媒体として用いるTeO2 結晶
のサイズを従来よりも大きくする必要があり、コストが
嵩むという問題があった。そして、このコストが嵩むと
いう問題は、特に光ビームを2次元に偏向させる等の目
的で2個のAODをタンデムに配置した場合に顕著な問
題となっていた。
【0007】なお、AODを光ビーム走査装置の筐体等
に実際に取付ける場合、従来は所期の回折効率を得るた
めに、入射光の光軸と超音波の進行方向とを含む面に垂
直な軸回りにAODを所定角度回転させる調整(ブラッ
グ角の調整)、及び入射光の進行方向に直交する方向に
AODを平行移動する調整は行われていたが、AODを
前記軸と異なる軸回りに回転させる調整は成されていな
かった。
【0008】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、広い周波数帯域に亘って高い回折効率で入射光を2
次元に偏向することができ、かつ低コストの光偏向器、
及びこの光偏向器を利用した光ビーム走査装置を得るこ
とが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る光偏向器は、異方性結晶内
を進行する超音波と異方性結晶内を進行する光波との間
に生じる異方ブラッグ回折を利用した第1及び第2の音
響光学偏向素子を備え、前記第1の音響光学偏向素子で
偏向された光が前記第2の音響光学偏向素子に入射され
る光偏向器であって、第1の音響光学偏向素子の異方性
結晶の光学軸が第1の音響光学偏向素子に入射される入
射光の進行方向と前記異方性結晶内の超音波の進行方向
とを含む面に対して平行にならないように第1の音響光
学偏向素子が配置されており、第2の音響光学偏向素子
による偏向方向が第1の音響光学偏向素子による偏向方
向と交差し、かつ第2の音響光学偏向素子の異方性結晶
の光学軸が第2の音響光学偏向素子に入射される入射光
の進行方向と前記異方性結晶内の超音波の進行方向とを
含む面に対して平行にならないように第2の音響光学偏
向素子が配置されていることを特徴としている。
【0010】請求項1記載の発明では、第2の音響光学
偏向素子による偏向方向を第1の音響光学偏向素子によ
る偏向方向と交差させると共に、異方ブラッグ回折が利
用でき、かつ各偏向素子の異方性結晶の光学軸が各偏向
素子に入射される入射光の進行方向と各偏向素子の異方
性結晶内の超音波の進行方向とを含む面に対して平行に
ならないように、各偏向素子を配置している。なお、本
発明における入射光の偏光面は、入射光が直線偏光であ
る場合には入射光の偏光方向を含む面を意味し、入射光
が楕円偏光である場合には、入射光の偏光成分の長軸の
偏光方向を含む面を意味する。
【0011】上記のように配置することにより、各偏向
素子は、請求項2にも記載したように、各偏向素子の異
方性結晶の光学軸が、各偏向素子への入射光の進行方向
と各偏向素子の異方性結晶内の超音波の進行方向とを含
む面に対して平行にならず、かつ各偏向素子への入射光
の偏光面が、各偏向素子への入射光の進行方向と各偏向
素子の異方性結晶内の超音波の進行方向とを含む面に対
して平行となる条件、及び各偏向素子の異方性結晶の光
学軸が、各偏向素子への入射光の進行方向と各偏向素子
の異方性結晶内の超音波の進行方向とを含む面に対して
平行にならず、かつ各偏向素子への入射光の偏光面が、
各偏向素子への入射光の進行方向と各偏向素子の異方性
結晶内の超音波の進行方向とを含む面に対して平行にな
らない条件のいずれか1つの条件を満足するように各々
配置されることになる。
【0012】各偏向素子の異方性結晶の光学軸が、各偏
向素子への入射光の進行方向と各偏向素子の異方性結晶
内の超音波の進行方向とを含む面に対して平行になら
ず、かつ各偏向素子への入射光の偏光面が、各偏向素子
への入射光の進行方向と各偏向素子の異方性結晶内の超
音波の進行方向とを含む面に対して平行となるように各
々配置することにより、各偏向素子は、各偏向素子の異
方性結晶の光学軸が各偏向素子への入射光の進行方向と
各偏向素子の異方性結晶内の超音波の進行方向とを含む
面に対して各々所定角度傾斜した状態になる。
【0013】また、各偏向素子の異方性結晶の光学軸
が、各偏向素子への入射光の進行方向と各偏向素子の異
方性結晶内の超音波の進行方向とを含む面に対して平行
にならず、かつ各偏向素子への入射光の偏光面が、各偏
向素子への入射光の進行方向と各偏向素子の異方性結晶
内の超音波の進行方向とを含む面に対して平行にならな
いように各々配置することにより、各偏向素子の異方性
結晶の光学軸が各偏向素子への入射光の進行方向と各偏
向素子の異方性結晶内の超音波の進行方向とを含む面に
対して所定角度傾斜し、かつ各偏向素子への入射光の偏
光面が各偏向素子への入射光の進行方向と各偏向素子の
異方性結晶内の超音波の進行方向とを含む面に対して所
定角度傾斜した状態になる。
【0014】上記のように音響光学偏向素子を配置する
には、入射光を固定しておいて音響光学偏向素子の姿勢
を調整してもよいし、音響光学偏向素子を固定しておい
て入射光の進行方向を調整してもよいし、音響光学偏向
素子の姿勢及び入射光の進行方向の両方を調整してもよ
い。
【0015】本発明者等は、従来調整されていなかった
ブラッグ角以外の方向に音響光学偏向素子の姿勢を調整
し、音響光学偏向素子の異方性結晶の光学軸が入射光の
進行方向と超音波の進行方向とを含む面に対して平行に
ならないように音響光学偏向素子を配置すると、超音波
の進行方向を異方性結晶の[110]軸方向から大きく
傾けることなく広い周波数帯域に亘って高い回折効率が
得られること、及び第1の音響光学偏向素子で偏向され
た光が第2の音響光学偏向素子に入射され、かつ入射光
に対する偏向方向が互いに交差するように第1及び第2
の音響光学偏向素子を配置して入射光を2次元に偏向で
きるように構成した光偏向器についても、光偏向器の各
偏向素子の異方性結晶の光学軸が、各偏向素子への入射
光の進行方向と各偏向素子の異方性結晶内の超音波の進
行方向とを含む面に対して平行にならないように各偏向
素子を配置すると、広い周波数帯域に亘って高い回折効
率が得られることを実験により見い出し、本発明に想到
したものである。
【0016】光偏向器の各偏向素子を上記のように配置
することによって、各偏向素子の異方性結晶のサイズを
大きくすることなく、入射光として直線偏光の光を用い
て従来より回折効率を向上させることができ、広い周波
数帯域に亘って高い回折効率で入射光を2次元に偏向で
きる光偏向器を低コストで得ることができる。
【0017】なお、光偏向器の各偏向素子を上記のよう
に配置するにあたり、入射光を固定しておいて各偏向素
子の姿勢を調整する場合には、具体的には請求項3に記
載したように、第1の音響光学偏向素子を、第1の音響
光学偏向素子への入射光の進行方向をz軸、前記入射光
の偏光方向をx軸とするxyz座標系を定めたときに、
第1の音響光学偏向素子の異方性結晶内の超音波の進行
方向とx軸とが平行で、かつ前記異方性結晶の光学軸が
z軸に一致した状態を第1の音響光学偏向素子の初期状
態とし、該初期状態から、前記超音波の進行方向と同じ
方向の軸回りに回転させると共にz軸と前記超音波の進
行方向とを含む面に垂直な軸回りに所定角度回転させて
配置し、第2の音響光学偏向素子を、第2の音響光学偏
向素子による偏向方向が第1の音響光学偏向素子による
偏向方向と交差し、かつ第2の音響光学偏向素子への入
射光の進行方向をz’軸、前記入射光の偏光方向をx’
軸とするx’y’z’座標系を定めたときに、第2の音
響光学偏向素子の異方性結晶内の超音波の進行方向と
x’軸とが平行で、かつ前記異方性結晶の光学軸がz’
軸に一致した状態を第2の音響光学偏向素子の初期状態
とし、該初期状態から、前記超音波の進行方向と同じ方
向の軸回りに回転させると共にz’軸と前記超音波の進
行方向とを含む面に垂直な軸回りに所定角度回転させて
配置することができる。
【0018】すなわち、請求項3の発明は、第1の音響
光学偏向素子の異方性結晶の[110]方向が入射光の
偏光面に対して平行で、かつ[001]方向をz軸に一
致させた状態を第1の音響光学偏向素子の初期状態とし
たとき、第1の音響光学偏向素子を、前記初期状態か
ら、[110]方向の軸回りに回転させると共にz軸と
第1の音響光学偏向素子の異方性結晶内の超音波の進行
方向とを含む面に垂直な軸回りに所定角度回転させて配
置し、更に、第2の音響光学偏向素子の異方性結晶の
[110]方向が入射光の偏光面に対して平行で、かつ
[001]方向をz’軸に一致させた状態を第2の音響
光学偏向素子の初期状態としたとき、第2の音響光学偏
向素子を、第2の音響光学偏向素子による偏向方向が第
1の音響光学偏向素子による偏向方向と交差し、かつ前
記初期状態から、[110]方向の軸回りに回転させる
と共にz’軸と第2の音響光学偏向素子の異方性結晶内
の超音波の進行方向とを含む面に垂直な軸回りに所定角
度回転させて配置したものである。
【0019】第1の音響光学偏向素子の初期状態から、
z軸と超音波の進行方向とを含む面に垂直な軸回りの角
度を第1の音響光学偏向素子の第1の所定角度、[11
0]方向の軸回りの角度を第1の音響光学偏向素子の第
2の所定角度とし、第2の音響光学偏向素子の初期状態
から、z’軸と超音波の進行方向とを含む面に垂直な軸
回りの角度を第2の音響光学偏向素子の第1の所定角
度、[110]方向の軸回りの角度を第2の音響光学偏
向素子の第2の所定角度としたときに、各偏向素子の第
1の所定角度及び第2の所定角度を各々調整する場合に
は、第1の所定角度はブラッグ角(例えば略4°)、第
2の所定角度は、請求項4に記載したように略3°以
上、より好ましくは略9°とすることができ、これらの
角度をこの範囲に調整すると回折効率を好ましい値にす
ることができる。
【0020】また、請求項3又は請求項4の発明におい
て、好ましくは請求項5に記載したように、第1の音響
光学偏向素子を、更にz軸回りに回転させて配置し、第
2の音響光学偏向素子を、更にz’軸回りに回転させて
配置すると効果的である。
【0021】すなわち請求項5の発明は、第1の音響光
学偏向素子の初期状態から、第1の音響光学偏向素子
を、z軸と超音波の進行方向とを含む面に垂直な軸回り
に第1の所定角度、[110]方向の軸回りに第2の所
定角度、z軸回りに第3の所定角度回転して配置すると
共に、第2の音響光学偏向素子の初期状態から、第2の
音響光学偏向素子を、z’軸と超音波の進行方向とを含
む面に垂直な軸回りに第1の所定角度、[110]方向
の軸回りに第2の所定角度、z’軸回りに第3の所定角
度回転して配置したものである。
【0022】上記の各所定角度は、請求項6に記載した
ように、第1の所定角度はブラッグ角(例えば略4
°)、第2の所定角度は略3°以上、第3の所定角度は
略30°〜略90°とすることができ、これらの角度を
この範囲に設定すると回折効率を好ましい値にすること
ができる。
【0023】また、第1及び第2の音響光学偏向素子の
各々の第1〜第3の所定角度を共に調整する場合には、
第1の所定角度はブラッグ角(例えば略4°)、第2の
所定角度を略3°以上、第3の所定角度を略30°〜略
90°、好ましくは、第1の所定角度をブラッグ角(例
えば略4°)、第2の所定角度を略7°〜略10°、第
3の所定角度を略45°〜略90°、より好ましくは、
第1の所定角度をブラッグ角(略4°)、第2の所定角
度を略9°〜略10°、第3の所定角度を略70°〜略
90°とすることができ、更に好ましくは請求項7に記
載したように、第3の所定角度を略70°〜略75°と
することができる。第1〜第3の所定角度を上記のより
好ましい値に調整した場合には、広い周波数帯域に亘っ
て最も高くかつフラットな回折効率が得られる。
【0024】また、第1の音響光学偏向素子による偏向
方向と第2の音響光学偏向素子による偏向方向は、請求
項8に記載したように直交させることが好ましい。
【0025】また、各偏向素子の異方性結晶としては一
軸結晶や二軸結晶を使用することができるが、請求項9
に記載したように一軸結晶であることが好ましく、特に
請求項10に記載したようにTeO2 であることが好ま
しい。
【0026】また、請求項11に記載したように、第1
及び第2の音響光学偏向素子を単一のパッケージに各々
取付けて本発明に係る光偏向器を構成すれば、該光偏向
器を光ビーム走査装置等に搭載する際に、前記単一のパ
ッケージの姿勢を調整すれば、各偏向素子の姿勢の調整
が完了することになるので好ましい。
【0027】また、上述した光偏向器は、請求項12に
記載したように、光ビームを走査して画像記録を行う画
像記録装置、または光ビームを走査して画像の読取を行
う画像読取装置等の光ビーム走査装置に適用することが
できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。まず本発明に係る第1
の音響光学偏向素子単体について、第1の音響光学偏向
素子としてTeO2 単結晶を用いたオン-[110]型光
偏向素子(AOD)を適用した場合を例に説明する。
【0029】図1に示すように、AODは、頭部が斜め
にカットされたTeO2 単結晶10と、TeO2 単結晶
10の底面に貼着されかつ結晶の[110]方向に進行
しかつ[1’10]方向に変位する横波超音波を発生す
るトランスデューサ12から構成されている。なお、T
eO2 単結晶10の頭部には吸音材(図示せず)を貼着
してもよい。
【0030】このAODに対し、図1及び図2に示すよ
うに、z軸が入射光の進行方向に一致し、x軸が入射光
の偏光方向(入射光は直線偏光とする)に一致し、かつ
y軸がz軸及びx軸から右手系で定まるxyz座標系を
定める。また、図1に示すように、超音波の進行方向、
すなわち結晶の[110]軸方向をx軸方向に一致さ
せ、かつ光学軸である[001]軸方向をz軸方向に一
致させた状態をAODの初期状態とする。そして、この
初期状態からAODの姿勢を調整するための3つの軸回
りの角度、ブラッグ角θB 、あおり角θA 、入射光進行
方向の軸回りの回転角θZ を各々次のように定める。
【0031】ブラッグ角θB は、入射光の進行方向(z
軸)と超音波進行方向とで形成される面内でのAODの
回転(z軸と超音波進行方向とで形成される面に垂直な
軸B回りの回転)である。このブラッグ角θB は、超音
波進行方向がz軸に垂直の場合をθB =0とし、z軸方
向の正方向側から超音波進行方向の正方向側にAODが
回転されたとき(すなわち軸Bの正方向に向かって右ね
じ方向に回転された状態)を正(θB >0)とする。
【0032】あおり角θA は、超音波進行方向の軸回
り、すなわち[110]軸方向の軸A回りの回転であ
る。このあおり角θA は、結晶の光学軸[001]が、
入射光の偏光面を含む平面に対して平行のときをθA
0とし、超音波進行方向に対して右ねじの方向にAOD
が回転されたときを正(θA >0)とする。
【0033】入射光進行方向の軸回りの回転角θZ はz
軸回りの回転であり、超音波進行方向がx軸と平行の場
合(入射光の偏光面が入射光の進行方向と超音波の進行
方向とを含む面に対して平行の場合)をθZ =0とし、
z軸方向に対して右ねじの方向にAODが回転されたと
きを正(θZ >0)とする。
【0034】トランスデューサ12にパワー0.25W
の高周波信号を印加して超音波を進行させると共に偏光
方向がx軸方向のレーザビームをz軸方向に沿って入射
させ、あおり角θA を変化させ、ブラッグ角θB をブラ
ッグ条件を満足するように調整したときの回折効率特性
を図3に、入射光進行方向の軸回りの回転角θZ を変化
させると共に、入射光進行方向の軸回りの回転角θZ
各値のときに回折効率が最大になるようにあおり角θA
を各々調整し、ブラッグ条件を満足する角度(≒4°)
にブラッグ角θB を調整したときの駆動周波数76MH
z、80MHz、84MHzにおける回折効率特性を図
4に示す。なお、このときの入射光進行方向の軸回りの
回転角θZ とあおり角θA との関係を図5に示す。
【0035】なお、同じ回転角θZ に対してあおり角θ
A を調整すると、2つの特性が得られることが本願発明
者等によって確認されており、上記の図4は回折効率の
周波数特性がフラット(回折効率が周波数によらず略一
定)の場合を示しているが、図6に回折効率の周波数特
性の形状がピーク状(回折効率が中心周波数で高く、周
辺で低い比較的急峻な形状)の場合を参考として示す。
【0036】図3から理解されるように、従来のように
ブラッグ角θB のみ調整した場合(θB ≒4°、θZ
θA =0°)の回折効率(80MHzで約58%)と比
較すると、ブラッグ角θB 及びあおり角θA の両方を調
整することで、AODの回折効率が向上している。特
に、θA ≒±9°で回折効率ηがη≒95%になってい
る。また、θA ≒±6°〜±9°で回折効率ηがη≒8
0〜95%になり、θA≒±4°〜±9°で回折効率η
がη≒70〜95%になっている。回折効率ηを従来の
回折効率より10%程度以上高くする場合には、あおり
角θA を略3°以上にすればよい。
【0037】また図4から理解されるように、従来のよ
うにブラッグ角θB のみ調節した場合の回折効率(約5
8%)と比較すると、ブラッグ角θB を調整すると共
に、入射光進行方向の軸回りの回転角θZ 及びあおり角
θA を調節することで、AODの回折効率が向上してい
る。特に、θZ ≒±(70°〜75°)、θA ≒±(9
°〜10°)のときには回折効率ηはピークであるη≒
95%に達している。また、θZ ≒±(45°〜90
°)、θA ≒±(7°〜10°)で回折効率ηがη≒8
0〜95%になり、θZ ≒±(30°〜90°)、θA
≒±(5°〜10°)で回折効率ηがη≒70〜95%
になっている。
【0038】以上はブラッグ角θB が正の場合である
が、ブラッグ角θB が負(θB ≒−4°)の場合におい
ても同様であり、回折効率ηがピーク(約95%)にな
る場合をまとめると次の表1のようになる。
【0039】
【表1】
【0040】次に、入射光進行方向の軸回りの回転角θ
Z を、図4から得られる回折効率がピークとなる角度、
例えばθZ =70°に固定し、あおり角θA を変化させ
た場合の回折効率特性を図7に示す。図7から理解され
るように、入射光進行方向の軸回りの回転角θZ を固定
し、あおり角θA を変化させた場合にも、あおり角θ A
を例えばθA ≒1.5°以上に調節することで、回折効
率を従来より向上させることができ、回折効率はθA
9°でη≒95%、θA ≒4.5°以上でη≒80〜9
5%、θA ≒3°以上でη≒70〜95%になる。
【0041】従って、入射光進行方向の軸回りの回転角
θZ 及びあおり角θA を調整する場合において、最大の
回折効率が得られる状態から、入射光進行方向の軸回り
の回転角θZ を固定してあおり角θA を変化させた場合
には、あおり角θA を略1.5°以上にすると回折効率
を従来より向上させることができ、あおり角θA が略3
°以上で略70〜95%の回折効率が得られ、あおり角
θA が略4.5°以上で略80〜95%の回折効率が得
られることになる。
【0042】上記は、中心周波数における結果である
が、所定の周波数帯域内で周波数を変化させたとして
も、従来より回折効率は向上する。図8に、表1の回折
効率がピークになる条件の1つである、θZ =70°か
つθA ≒9°における回折効率の周波数特性、θZ =9
0°かつθA ≒9°にしたときの回折効率の周波数特
性、及び従来の回折効率の周波数特性(θZ =±0°、
θA =±0°)を示す。図8より明らかなように、所定
の周波数帯域内の何れの周波数においても回折効率は従
来より向上している。
【0043】以上より、AODを、異方ブラッグ回折が
利用できるように配置すると共に、異方性結晶の光学軸
が、入射光の進行方向と超音波の進行方向とを含む面に
対して平行にならないように配置することで、AODの
回折効率を向上させることができる。
【0044】すなわち、AODを、異方ブラッグ回折が
利用できるように配置すると共に、異方性結晶の光学軸
が入射光の進行方向と超音波の進行方向とを含む面に対
して平行にならず、かつ入射光の偏光面が入射光の進行
方向と超音波の進行方向とを含む面に対して平行となる
ようにするか、或いは、異方性結晶の光学軸が入射光の
進行方向と超音波の進行方向とを含む面に対して平行に
ならず、かつ入射光の偏光面が入射光の進行方向と超音
波の進行方向とを含む面に対して平行にならないように
することで、AODの回折効率を向上させることができ
る。
【0045】次に、入射光を2次元に偏向するために、
上記で説明した第1の音響光学偏向素子に、更に本発明
に係る第2の音響光学偏向素子とを組み合わせた場合
(本発明に係る光偏向器)について、第2の音響光学偏
向素子として第1の音響光学偏向素子と同一の構成の偏
向素子(オン-[110]型TeO2 光偏向素子)を適用
した場合を例に説明する。なお、以下では第1の音響光
学偏向素子を第1のAOD、第2の音響光学偏向素子を
第2のAODと称する。
【0046】図9に示すように、第2のAODは第1の
AODから射出された回折光が入射されるように配置さ
れている。この第2のAODに対し、第2のAODへの
入射光の進行方向に一致するz’軸、第2のAODへの
入射光の偏光方向(図9では便宜的に第2のAODへの
入射光の偏光方向を、第1のAODへの入射光の偏光方
向と90°異ならせて示している)に一致するx’軸、
z’軸及びx’軸から右手系で定まるy’軸から成る
x’y’z’座標系を定める。また、超音波の進行方
向、すなわち結晶の[110]軸方向をx’軸方向に一
致させ、かつ光学軸である[001]軸方向をz’軸方
向に一致させた状態を第2のAODの初期状態とする
(図1参照)。
【0047】そして、第2のAODに対する姿勢角と区
別するため、第1のAODに対するブラッグ角をθB1
あおり角をθA1、入射光進行方向の軸回りの回転角をθ
Z1とすると共に、第1のAODに対するブラッグ角
θB1、あおり角θA1、入射光進行方向の軸回りの回転角
θZ1と同様に、前述の初期状態から第2のAODの姿勢
を調整するための3つの軸回りの角度として、第2のA
ODへの入射光の進行方向(z’軸)と超音波進行方向
とで形成される面内での第2のAODの回転(z’軸と
超音波進行方向とで形成される面に垂直な軸B’回りの
回転)を表すブラッグ角θB '2、超音波進行方向の軸回
り、すなわち[110]軸方向の軸A’回りの回転を表
すあおり角θA '2、第2のAODへの入射光の進行方
向、すなわちz’軸回りの回転を表す入射光進行方向の
軸回りの回転角θZ '2を各々定義する。
【0048】第2のAODに対するx’y’z’座標系
は、第1のAODから射出される回折光の偏光方向(及
び射出方向)によって定まるため、第2のAODの姿勢
を決定するにあたっては、第1のAODから射出される
回折光の偏光方向及び偏光状態(直線偏光か楕円偏光
か)が問題となる。図10には、AODの入射光進行方
向の軸回りの回転角θzを変化させたときの、AODか
ら射出される回折光の長軸の偏光方向θdi(但し、入射
光の偏光方向を基準(=0°)とする)の変化を示し、
図11には、AODの入射光進行方向の軸回りの回転角
θzを変化させたときの、回折光の偏光成分の長軸と短
軸との比率の変化を示す。
【0049】図10及び図11に示す関係から、例えば
次の条件を満足するように第1のAOD及び第2のAO
Dの入射光進行方向の軸回りの回転角及びあおり角を調
整すれば、第1のAOD及び第2のAODの偏向方向が
直交し、かつ高い回折効率が得られることが明らかとな
った。
【0050】 第1のAOD:θZ1≒+80°、θA1≒+10° 第2のAOD:θZ2≒−10°(:θZ '2≒−80
°)、θA '2≒+10° なおθZ2は、第2のAODの入射光進行方向の軸回りの
回転角θZ '2を、xyz座標系から見たときの角度(第
1のAODへの入射光の偏光方向を0°としたときの角
度)である。上記の条件について、図12を参照しなが
ら説明する。
【0051】図12は、上記の条件に従って第1のAO
D及び第2のAODの姿勢を調整した場合を説明するた
めの図であり、図12の下から順に、(1)は第1のA
ODへの入射光の偏光方向、(2)は第1のAODの姿
勢、(3)は第1のAODから射出される回折光の偏光
方向、(4)は第2のAODの姿勢、(5)は第2のA
ODから射出される回折光の偏光方向を、各々便宜的に
図12の紙面に垂直な方向を入射及び回折光の進行方向
とみなして概念的に示している。
【0052】図12(1)に示すように、第1のAOD
への入射光の偏光方向が図12の上下方向であるとする
と、第1のAODに対するxyz座標系は図12(1)
に示すように定まる。第1のAODの入射光の進行方向
の軸回りの角度は先の条件からθZ1≒+80°であるの
で、図12(2)に示すように、第1のAODは入射光
の進行方向の軸回りに+80°回転されて配置される。
なお、図12(2)において白抜きで示す矢印は超音波
の進行方向を表している。また、第1のAODの入射光
の進行方向の軸回りの角度θZ1≒+80°に対する最適
なあおり角θA1は、図5よりθA1≒+10°である。図
4からも明らかなように、第1のAODを上記姿勢角に
調整することにより、第1のAODにおける回折効率は
ピーク付近の高い値となる。
【0053】第1のAODを上記の姿勢角に調整した場
合、第1のAODから射出される回折光の(長軸の)偏
光方向は、図10からθdi1 ≒+70°となり(図12
(3)参照)、図11からも明らかなように、この回折
光はほぼ直線偏光であるとみなすことができる。そし
て、この回折光の偏光方向を基準として、第2のAOD
に対するx’y’z’座標系が図12(3)に示すよう
に定まる。
【0054】第1のAOD及び第2のAODによって入
射光を2次元に偏向するためには、第1のAODによる
偏向方向と第2のAODによる偏向方向とが、少なくと
も交差(好ましくは直交)している必要がある。第1の
AODによる偏向方向に対し、第2のAODによる偏向
方向を直交させた場合、xyz座標系から見た第2のA
ODの入射光進行方向の軸回りの回転角θZ2はθZ2=θ
Z1−90°=−10°となる。第1のAODから射出さ
れる回折光の偏光方向θdi1 はθdi1 ≒+70°である
ので、この偏光方向を基準としたときの(x’y’z’
座標系から見た)第2のAODの入射光進行方向の軸回
りの回転角はθZ '2=θZ2−θdi1 ≒−80°となる。
【0055】また、第2のAODの入射光の進行方向の
軸回りの角度θZ '2≒−80°に対する最適なあおり角
θA '2は、図5よりθA '2≒−10°である。図4から
も明らかなように、第2のAODを上記姿勢角に調整す
ることにより、第1のAODから射出された回折光に対
する第2のAODの回折効率はピーク付近の高い値とな
る。そして、図10からも明らかなように、第2のAO
Dへの入射光の偏光方向を基準としたときの、第2のA
ODから射出される回折光の偏光方向θdi'2は、θdi'2
≒−70°であるので、第2のAODから射出される回
折光のxyz座標系から見た偏光方向θdi2 は、θdi2
=θdi1 +θdi'2≒0°となり、第1のAODへの入射
光の偏光方向と略一致することになる。
【0056】第1のAOD及び第2のAODをタンデム
に配置した場合の、第1のAOD及び第2のAODによ
る総合的な回折効率の周波数特性を図13に示す。図1
3においてθZ1=+80°として示す曲線は、第1のA
OD及び第2のAODを先に説明した条件で配置した場
合の周波数特性であり、従来の配置方法による回折効率
の周波数特性(θZ1=±0°として示す曲線)と比較し
ても明らかなように、所定の周波数帯域内の何れの周波
数においても回折効率は従来より大幅に向上している。
【0057】なお、上記ではθZ1=+80°とした場合
を例に説明したが、第1のAOD及び第2のAODの回
折効率が共に高くなるのは、上記の条件に限定されるも
のではない。例えばθZ1=−80°とした場合にも、上
記の条件と同等の回折効率が得られる条件が存在し、ま
たブラッグ角θB <0とした場合にも上記の条件と同等
の回折効率が得られる条件が存在している。また、|θ
Z1|=80°に限定されるものでもなく、例えば|θZ1
|=70°、或いは|θZ1|=85°としてもよい。
【0058】また、図13においてθZ1=+90°とし
て示す曲線は、第1のAODの入射光進行方向の軸回り
の回転角θZ1をθZ1=+90°、第2のAODの入射光
進行方向の軸回りの回転角θZ2をθZ2=0°とした場合
であるが、第1のAOD及び第2のAODの各々に対
し、入射光進行方向の軸回りの回転角θZ1、θZ2(正確
にはθZ '2)に応じて、図5よりあおり角が適正に調整
されているため、この場合にも回折効率は従来より向上
する。
【0059】更に、第1のAODによる偏向方向と第2
のAODによる偏向方向とは、必ずしも直交していなく
てもよく、第1のAODの偏向方向と第2のAODの偏
向方向が交差する、という条件の下で、第1のAODに
おける回折効率及び第2のAODにおける回折効率が各
々略最大となるように第1のAOD及び第2のAODの
姿勢を調整してもよい。例えば次の条件を満足するよう
に第1のAOD及び第2のAODの入射光進行方向の軸
回りの回転角及びあおり角を調整した場合には、第1の
AODの偏向方向と第2のAODの偏向方向は、交差す
るものの直交しないが、第1のAODにおける回折効率
及び第2のAODにおける回折効率が各々略最大となる
ので、光偏向器として更に高い回折効率が得られる。
【0060】 第1のAOD:θZ1≒+70°、θA1≒+10° 第2のAOD:θZ2≒−5°(:θZ '2≒−70°)、
θA '2≒+10° 上記の条件について、図14を参照しながら説明する。
図14は、上記の条件に従って第1のAOD及び第2の
AODの姿勢を調整した場合を説明するための図であ
り、図14の下から順に、(1)は第1のAODへの入
射光の偏光方向、(2)は第1のAODの姿勢、(3)
は第1のAODから射出される回折光の偏光方向、
(4)は第2のAODの姿勢、(5)は第2のAODか
ら射出される回折光の偏光方向を、各々便宜的に図14
の紙面に垂直な方向を入射及び回折光の進行方向とみな
して概念的に示している。
【0061】図14(1)に示すように、第1のAOD
への入射光の偏光方向が図14の上下方向であるとする
と、第1のAODに対するxyz座標系は図14(1)
に示すように定まる。第1のAODの入射光の進行方向
の軸回りの角度は先の条件からθZ1≒+70°であるの
で、図14(2)に示すように、第1のAODは入射光
の進行方向の軸回りに+70°回転されて配置される。
なお、図14(2)において白抜きで示す矢印は超音波
の進行方向を表している。また、第1のAODの入射光
の進行方向の軸回りの角度θZ1≒+70°に対する最適
なあおり角θA1は、図5よりθA1≒+10°である。図
4からも明らかなように、第1のAODを上記姿勢角に
調整することにより、第1のAODにおける回折効率は
略最大となる。
【0062】第1のAODを上記の姿勢角に調整した場
合、第1のAODから射出される回折光の(長軸の)偏
光方向は、図10からθdi1 ≒+65°となり(図14
(3)参照)、図11からも明らかなように、この回折
光はほぼ直線偏光であるとみなすことができる。そし
て、この回折光の偏光方向を基準として、第2のAOD
に対するx’y’z’座標系が図14(3)に示すよう
に定まる。
【0063】第1のAODから射出された回折光に対
し、第2のAODの回折効率が略最大となるときの、
x’y’z’座標系から見た第2のAODの入射光進行
方向の軸回りの回転角θZ '2は、図4からも明らかなよ
うに、θZ '2≒+70°又は−70°である。第1のA
OD及び第2のAODによって入射光を2次元に偏向す
るためには、第1のAODによる偏向方向と第2のAO
Dによる偏向方向とが交差し、かつ交差角度がなるべく
90°に近い角度であることが望ましいので、θZ'2
−70°とする(図14(4)参照)。また、第2のA
ODの入射光の進行方向の軸回りの角度θZ '2≒−70
°に対する最適なあおり角θA '2は、図5よりθA '2
−10°となる。
【0064】第1のAODから射出される回折光の(長
軸の)偏光方向θdi1 はθdi1 ≒+65°であるので、
xyz座標系から見た第2のAODの入射光進行方向の
軸回りの回転角θZ2はθZ2=θdi1 +θZ '2≒−5°と
なり、第1のAODによる偏向方向と第2のAODによ
る偏向方向との交差角度は、交差角度=θZ1−θZ2≒7
5°となる(図14(5)参照)。図4からも明らかな
ように、第1のAOD及び第2のAODを上記姿勢角に
調整することにより、第1のAOD及び第2のAODの
回折効率が各々略最大となるので、第1のAOD及び第
2のAODをタンデム配置した光偏向器における回折効
率も略最大となる。
【0065】また、図10からも明らかなように、第2
のAODへの入射光の偏光方向を基準としたときの、第
2のAODから射出される回折光の偏光方向θdi'2は、
θdi'2≒−65°であるので、第2のAODから射出さ
れる回折光のxyz座標系から見た偏光方向θdi2 は、
θdi2 =θdi1 +θdi'2≒0°となり、第1のAODへ
の入射光の偏光方向と略一致することになる。
【0066】なお、上記のように、光偏向器の第1のA
ODの偏向方向と第2のAODの偏向方向が直交してい
ない場合であっても、後述するように、第1のAOD及
び第2のAODの少なくとも一方に対し、周波数変調の
位相をずらしかつ振幅を調整した駆動信号を供給するよ
うにすれば、光偏向器に入射された光を、互いに直交す
る2つの方向に沿って2次元に偏向することができる。
【0067】以上より、第1のAOD及び第2のAOD
をタンデム配置した光偏向器においても、各AODを異
方ブラッグ回折が利用できるように配置すると共に、各
AODの異方性結晶の光学軸が、各AODへの入射光の
進行方向と各AODの異方性結晶内の超音波の進行方向
とを含む面に対して各々平行にならないように各々配置
することで、光偏向器の回折効率を向上させることがで
きる。
【0068】次に、上記の光偏向器を利用した円筒内面
走査型画像記録装置の実施形態を図面を参照して説明す
る。図15に示すように、本実施形態に係る画像記録装
置は、レーザビームLを発生するレーザビーム発生器1
4と、レーザビーム発生器14から発生されたレーザビ
ームを3本のレーザビームL1 ,L2 ,L3 に分割する
レーザビームスプリッタ16とを備えている。
【0069】レーザビームL1 の射出側には、レーザビ
ームL1 を、回転鏡32に入射されるレーザビーム(回
転鏡32については後述)に対して設定したXYZ座標
系におけるX軸方向に相当する方向に偏向する第1のA
OD18xと、第1のAOD18xで回折されたレーザ
ビームL1 をY軸方向に相当する方向に偏向すると共に
画像情報に応じてレーザビームを強度変調(オンオフ変
調)する第2のAOD18yと、から成る光偏向器18
が配置されている。
【0070】またレーザビームL2 の射出側には、レー
ザビームL2 を偏向することなく画像情報に応じてレー
ザビームをオンオフ変調するAOD20が配置されてお
り、レーザビームL3 の射出側には、レーザビームL3
をX軸方向に相当する方向に偏向する第1のAOD22
xと、第1のAOD22xで回折されたレーザビームL
3 をY軸方向に相当する方向に偏向すると共に画像情報
に応じてレーザビームをオンオフ変調する第2のAOD
22yと、から成る光偏向器22が配置されている。
【0071】図16に示すように、光偏向器18の第1
のAOD18x及び第2のAOD18yは、各々の姿勢
が調整された状態で同一のパッケージ18A内に取付け
されている。また、図示は省略するが、光偏向器22の
第1のAOD22x及び第2のAOD22yについて
も、各々の姿勢が調整された状態で同一のパッケージ内
に取付けられている。従って、入射光に対する各光偏向
器のパッケージの姿勢を調整することにより、第1のA
OD及び第2のAODの姿勢の調整が完了するので、本
実施形態に係る画像記録装置の製造が容易になる。
【0072】本実施形態では、各パッケージ内における
光偏向器18の第1のAOD18x及び第2のAOD1
8y、光偏向器22の第1のAOD22x及び第2のA
OD22yの各々の姿勢が、先に説明した条件、すなわ
ちブラッグ角θB がθB ≒4°、第1のAODの入射光
進行方向の軸回りの回転角θZ1がθZ1≒+80°、第1
のAODのあおり角θA1がθA1≒+10°、第2のAO
Dの入射光進行方向の軸回りの回転角θZ2がθZ2≒−1
0°、第2のAODのあおり角θA '2がθA '2≒+10
°となるように調整されている。
【0073】光偏向器18、AOD20、及び光偏向器
22のレーザビーム射出側には、各々レーザビームをx
軸の負の方向に反射するミラー24、26、28が配置
されおり、これらのミラーのレーザビーム反射側には、
各ミラーから反射されたレーザビームを集光する集光レ
ンズ30、軸に対して45°傾斜した反射面を備え、か
つモータ34により軸を中心として回転される円柱状の
回転鏡32が配置されている。なお、記録シートSは、
展開して図示した円筒状のドラム36の内周面に保持さ
れており、回転鏡32は軸がドラム36の中心軸と一致
するように配置されている。
【0074】上記の画像記録装置では、レーザビームに
よって記録されるドットが記録シートS上でM方向に配
列されている状態(図15の状態)から回転鏡32を9
0°回転させると、図17(1)に示すようにドット配
列が90°回転されことになる。すなわち、ドット配列
が回転鏡32の回転に伴って回転されることになり、回
転鏡32の反射面の中心に入射されないレーザビームL
1 、L3 によって記録されるドットが単振動し、レーザ
ビームL1 、L3 によって記録されるドットの軌跡は正
弦波状になる。
【0075】これに対し、回転鏡32の反射面が図18
(1)に示す向き(反射面の短軸がY軸と一致)の場
合、Z軸に沿って反射面の中心に入射するレーザビーム
L0の回転鏡32への入射方向を、X軸方向に−θx
け変位させたとすると、反射面で反射されたレーザビー
ムのX軸に直交する平面上への照射位置がZ軸方向に沿
って+Δzだけ変位する。このレーザビームの照射位置
の変位の方向は、前記X軸に直交する平面が記録シート
Sであるとすると、図15及び図17に示すM方向(回
転鏡32の回転に伴うレーザビームの走査方向(θ方
向)と直交する方向)である。
【0076】従って、レーザビームL1 に対し、光偏向
器18の第1のAOD18XによってX軸方向に相当す
る方向に偏向すると共に、正弦波状の振動が相殺される
ように偏向量を余弦波状に変化させることで、図17
(1)に示すレーザビームL1の軌跡を走査方向に沿っ
た直線とすることができる。また、レーザビームL3
対し、光偏向器22の第1のAOD22XによってX軸
方向に相当する方向に偏向すると共に、正弦波状の振動
が相殺されるように偏向量を余弦波状に変化させること
で、図17(1)に示すレーザビームL3 の軌跡を走査
方向に沿った直線とすることができる。
【0077】これにより、レーザビームL1 、L2 、L
3 によって形成される3本の走査線を互いに平行にする
ことはできるが、各レーザビームによって形成される走
査線端の位置は、図17(2)に示すように互いにずれ
ることになる。この走査線端の位置を揃えるためには、
記録シートSへのレーザビーム照射位置を走査方向(θ
方向)にも変位させる必要がある。
【0078】これに対し、回転鏡32の反射面が図18
(2)に示す向き(反射面の短軸がY軸と一致:先に説
明した図18(1)に示す向きと同一))の場合、Z軸
に沿って反射面の中心に入射するレーザビームL0の回
転鏡32への入射方向を、Y軸方向に+θY だけ変位さ
せたとすると、反射面で反射されたレーザビームのX軸
に直交する平面上への照射位置がY軸方向に沿って+Δ
yだけ変位する。このレーザビームの照射位置の変位の
方向は、前記X軸に直交する平面が記録シートSである
とすると、図15及び図17に示すθ方向(回転鏡32
の回転に伴うレーザビームの走査方向)である。
【0079】従って、例として図18(3)にも示すよ
うに、レーザビームL0の回転鏡32への入射方向を、
X軸方向及びY軸方向に変位させる(図ではX、Y軸方
向にθXYだけ変位させている)ことにより、レーザビー
ムの照射位置を2次元に変位させることができる。図1
9(1)に示すように、回転鏡32の反射面に入射する
レーザビームL1 、L2 、L3 の光スポットを、記録シ
ートSと共役な面S’に射影した場合、回転鏡32の回
転に伴う面S’上におけるレーザビームL1 及びL3
光スポットの軌跡は、回転鏡32の角速度をωとする
と、
【0080】 レーザビームL1 :X=−a・cos ωt ,Y=−a・sin ωt …(1) レーザビームL3 :X=a・cos ωt ,Y=a・sin ωt …(2) 上記(1)式、(2)式で表される円となる(図19
(2)参照)。このため、レーザビームL1 を、光偏向
器18の第1のAOD18X、第2のAOD18Yによ
り上記(1)式に応じてX軸方向に相当する方向及びY
軸方向に相当する方向に偏向し、レーザビームL3 を、
光偏向器22の第1のAOD22X、第2のAOD22
Yにより上記(2)式に応じてX軸方向に相当する方向
及びY軸方向に相当する方向に偏向することで、回転鏡
32から射出されるレーザビームL1、L2 、L3 を常
にZ軸方向(記録シートS上のM方向)に沿って一定間
隔で配列することができ、図17(3)に示すように、
レーザビームL1 、L2 、L3によって形成される3本
の走査線を、互いに平行でかつ端部の位置を揃えること
ができる。
【0081】上記に基づき、本実施形態では図20に示
す制御装置38が設けられている。図20に示すよう
に、制御装置38は各AODのトランスデューサに接続
されている。制御装置38は制御回路40を備えてい
る。制御回路40には、モータ34に取り付けられた図
示しないロータリエンコーダが接続されており、ロータ
リーエンコーダから入力されたモータの回転に同期した
回転位置信号P及び主走査開始信号LSYNCに基づい
てクロック信号を生成する。
【0082】制御回路40には、余弦波電圧信号生成回
路42、正弦波電圧信号生成回路44、定電圧信号生成
回路46、余弦波電圧信号生成回路48、及び正弦波電
圧信号生成回路50が接続されている。余弦波電圧信号
生成回路42は、制御回路40から入力されるクロック
信号に従って、X=−a・cos ωtの余弦波電圧信号
(但し、aは定数、ωはクロック信号が表すモータ34
(回転鏡32)の角速度、tは経過時間)を生成する。
また、正弦波電圧信号生成回路44は、制御回路40か
ら入力されるクロック信号に従って、Y=−a・sin ω
tの正弦波電圧信号を生成する。
【0083】また、定電圧信号生成回路46は一定電圧
の信号を生成する。余弦波電圧信号生成回路48は制御
回路40から入力されるクロック信号に従って、X=a
・cos ωtの余弦波電圧信号を生成する。そして正弦波
電圧信号生成回路50は、制御回路40から入力される
クロック信号に従って、Y=a・sin ωtの正弦波電圧
信号を生成する。
【0084】上記の電圧信号生成回路42〜50は、入
力された信号の電圧レベルに応じた周波数の高周波信号
を出力する電圧制御発振器(VCO)52A、52B、
52C、52D、52Eに接続されている。従って、V
CO52AからはX=−a・cos ωtの余弦波電圧信号
に応じて周波数変調された高周波信号が出力され、VC
O52BからはY=−a・sin ωtの正弦波電圧信号に
応じて周波数変調された高周波信号が出力され、VCO
52DからはX=a・cos ωtの余弦波電圧信号に応じ
て周波数変調された高周波信号が出力され、VCO52
EからはY=a・sin ωtの正弦波電圧信号に応じて周
波数変調された高周波信号が出力されることになる。ま
たVCO52Cからは一定周波数の高周波信号が出力さ
れる。
【0085】VCO52Aの出力端は、増幅器56Aを
介して光偏向器18の第1のAOD18xのトランスデ
ューサに接続されており、VCO52Dの出力端は、増
幅器56Dを介して光偏向器22の第1のAOD22x
のトランスデューサに接続されている。VCO52A、
52Dから出力された信号は、増幅器56A、56Dで
増幅されて第1のAOD18x、第1のAOD22xの
トランスデューサに各々入力される。
【0086】また、VCO52Bの出力端は、変調器5
4A、増幅器56Bを介して光偏向器18の第2のAO
D18yのトランスデューサに接続されており、VCO
52Cの出力端は、変調器54B、増幅器56Cを介し
てAOD20のトランスデューサに接続されており、V
CO52Eの出力端は、変調器54C、増幅器56Eを
介して光偏向器22の第2のAOD22yのトランスデ
ューサに接続されている。また、制御回路40には2値
画像信号生成回路58が接続されており、2値画像信号
生成回路58の出力端は変調器54A、54B、54C
に各々接続されている。
【0087】2値画像信号生成回路58は、制御回路4
0から入力されたクロック信号と同期したタイミングで
変調器54A、54B、54Cに2値画像信号を出力す
る。VCO52B、VCO52C、VCO52Eから出
力された高周波信号は、2値画像信号生成回路58から
入力された2値画像信号に応じて変調器54A、54
B、54Cで各々オンオフ変調され、増幅器56B、5
6C、56Eによって増幅された後に、第2のAOD1
8y、AOD20、第2のAOD22yのトランスデュ
ーサに各々入力される。
【0088】次に、画像記録装置の動作について説明す
る。レーザビーム発生器14から射出されたレーザビー
ムLはビームスプリッタ16によってレーザビーム
1 、L 2 、L3 に分割される。ビームスプリッタ16
から射出されたレーザビームL2は、AOD20に入射
される。AOD20のトランスデューサには、2値画像
信号に応じてオンオフ変調された一定周波数の高周波信
号が入力されるので、AOD20に入射されたレーザビ
ームL2 は、x軸に相当する方向及びy軸に相当する方
向に偏向(回折)されることなく、2値画像信号に応じ
たオンオフのみが行われてAOD20から射出され、ミ
ラー26で反射され、集光レンズ30を介して回転鏡3
2に入射される。
【0089】また、ビームスプリッタ16から射出され
たレーザビームL1 は、光偏向器18の第1のAOD1
8xに入射される。第1のAOD18xのトランスデュ
ーサには、X=−a・cos ωtの余弦波電圧信号に応じ
て周波数変調された高周波信号が入力されるので、第1
のAOD18xに入射されたレーザビームL1 は、x軸
に相当する方向に偏向(回折)されると共に、その偏向
量がX=−a・cos ωtに応じて随時変化されて第1の
AOD18xから射出され、光偏向器18の第2のAO
D18yに入射される。
【0090】また、第2のAOD18yのトランスデュ
ーサには、Y=−a・sin ωtの正弦波電圧信号に応じ
て周波数変調されると共に、2値画像信号に応じてオン
オフ変調された高周波信号が入力されるので、第2のA
OD18yに入射されたレーザビームL1 は、y軸に相
当する方向に偏向されると共に、その偏向量がY=−a
・sin ωtに応じて随時変化され、更に2値画像信号に
応じたオンオフが行われて第2のAOD18yから射出
される。第2のAOD18yから射出されたレーザビー
ムL1 は、ミラー24で反射され、集光レンズ30を介
して回転鏡32に入射される。
【0091】更に、ビームスプリッタ16から射出され
たレーザビームL3 は、光偏向器22の第1のAOD2
2xに入射される。第1のAOD22xのトランスデュ
ーサには、X=a・cos ωtの余弦波電圧信号に応じて
周波数変調された高周波信号が入力されるので、第1の
AOD22xに入射されたレーザビームL3 は、x軸に
相当する方向に偏向(回折)されると共に、その偏向量
がX=a・cos ωtに応じて随時変化されて第1のAO
D22xから射出され、光偏向器22の第2のAOD2
2yに入射される。
【0092】また、第2のAOD22yのトランスデュ
ーサには、Y=a・sin ωtの正弦波電圧信号に応じて
周波数変調されると共に、2値画像信号に応じてオンオ
フ変調された高周波信号が入力されるので、第2のAO
D22yに入射されたレーザビームL3 は、y軸に相当
する方向に偏向されると共に、その偏向量がY=a・si
n ωtに応じて随時変化され、更に2値画像信号に応じ
たオンオフが行われて第2のAOD22yから射出され
る。第2のAOD22yから射出されたレーザビームL
3 は、ミラー28で反射され、集光レンズ30を介して
回転鏡32に入射される。
【0093】回転鏡32はz軸を中心に回転しているの
で、回転鏡32に入射された3本のレーザビームL1
2 、L3 は、回転鏡32の反射面で反射されることに
よって、記録シートS上を走査される。また、レーザビ
ームL1 は、光偏向器18により(1)式に応じてx軸
に相当する方向及びy軸に相当する方向に偏向されてお
り、レーザビームL3 は、光偏向器22により(2)式
に応じてx軸に相当する方向及びy軸に相当する方向に
偏向されているので、図17(3)に示すように、レー
ザビームL1 、L2 、L3 によって記録シートS上に形
成される3本の走査線は、互いに平行でかつ端部の位置
が揃うことになる。従って、画像を構成する各走査線の
主走査方向の記録範囲が同一で、かつ歪みが生ずること
のないように、記録シートSに高精度に画像を記録する
ことができる。
【0094】また、本実施形態では先に説明したよう
に、光偏向器18の第1のAOD18xと第2のAOD
18y、光偏向器22の第1のAOD22xと第2のA
OD22yの各々の姿勢が、ブラッグ角θB がθB ≒4
°、第1のAODの入射光進行方向の軸回りの回転角θ
Z1がθZ1≒+80°、第1のAODのあおり角θA1がθ
A1≒+10°、第2のAODの入射光進行方向の軸回り
の回転角θZ2がθZ2≒−10°、第2のAODのあおり
角θA '2がθA '2≒+10°となるように調整されてい
るので、第1のAOD及び第2のAODによる総合的な
回折効率が従来に比して非常に高く、レーザビーム発生
器14から射出されるレーザビームのエネルギーを有効
に利用して画像を記録することができる。
【0095】なお、上記では光偏向器18の第1のAO
D18x及び第2のAOD18y、光偏向器22の第1
のAOD22x及び第2のAOD22yの各々の姿勢
を、ブラッグ角θB がθB ≒4°、第1のAODの入射
光進行方向の軸回りの回転角θ Z1がθZ1≒+80°、第
1のAODのあおり角θA1がθA1≒+10°、第2のA
ODの入射光進行方向の軸回りの回転角θZ2がθZ2≒−
10°、第2のAODのあおり角θA '2がθA '2≒+1
0°となるように、すなわち第1のAODによる偏向方
向と第2のAODによる偏向方向とが直交するように調
整した場合を例に説明したが、入射光を2次元に偏向す
るためには、第1のAODによる偏向方向と第2のAO
Dによる偏向方向とが少なくとも交差していればよく、
例えば第1のAOD及び第2のAODの姿勢を、ブラッ
グ角θB がθB ≒4°、第1のAODの入射光進行方向
の軸回りの回転角θZ1がθZ1≒+70°、第1のAOD
のあおり角θA1がθA1≒+10°、第2のAODの入射
光進行方向の軸回りの回転角θZ2がθZ2≒−5°、第2
のAODのあおり角θA '2がθA '2≒+10°となるよ
うに調整してもよい。これにより、第1のAODによる
回折効率、第2のAODによる回折効率が各々略最大と
なり、第1のAOD及び第2のAODによる総合的な回
折効率を略最大とすることができる。
【0096】但しこの場合、第1のAODによる偏向方
向及び第2のAODによる偏向方向の少なくとも一方
が、回転鏡32に入射されるレーザビームに対して設定
したXYZ座標系におけるX軸方向に相当する方向、又
はY軸方向に相当する方向からずれることになるので、
第1のAODによる偏向方向と第2のAODによる偏向
方向とが直交させた場合と同様に第1のAOD及び第2
のAODを駆動したとすると、回転鏡32の反射面に入
射するレーザビームL1 、L2 、L3 の光スポットを記
録シートSと共役な面S’に射影したとき(図19
(1)参照)の面S’上におけるレーザビームL1 及び
3 の光スポットの軌跡は、(1)式又は(2)式で表
される真円とはならず、楕円になるという問題がある。
【0097】これに対しては、第1のAOD及び第2の
AODのトランスデューサに入力する高周波信号の周波
数変調の位相及び振幅を変化させて(VCO52に入力
する余弦波電圧信号又は正弦波電圧信号の位相及び振幅
を変化させて)、第1のAOD及び第2のAODによる
レーザビームの偏向量を変化させれば、レーザビームL
1 及びL3 の光スポットの軌跡を、(1)式又は(2)
式で表される真円とすることができる。
【0098】以下、第1のAODによる偏向方向と第2
のAODによる偏向方向とを非直交とした場合に、光ス
ポットの軌跡を真円とするための第1のAOD及び第2
のAODによる偏向量を求める。
【0099】例として図21に示すように、第1のAO
Dによる偏向方向と第2のAODによる偏向方向とを直
交させたときの各AODによる偏向方向を単位ベクトル
0,j 0 で表し、第1のAODによる偏向方向と第2
のAODによる偏向方向とを非直交にしたとき(このと
きの交差角をθとする)の各AODによる偏向方向を単
位ベクトルi,j で表すものとする。任意の位置のベク
トルxを、直交している単位ベクトルi0 ,j 0 及び非
直交の単位ベクトルi,j で表すと、 x=a0 ・i0 +b0 ・j 0 …(3) x=a・i+b・j …(4) となり、係数a0 ,b0 と係数a,bとの関係は
【0100】
【数1】
【0101】となる。次にベクトルxをレーザビームの
光スポットの位置とみなし、光スポットの軌跡(ベクト
ルxの軌跡)が真円となるための条件を求める。単位ベ
クトルi0 ,j 0 を用いて光スポットの軌跡(真円)を
表すと、(3)式における係数a0 ,b0 は時間の関数
となり、次のように表される。
【0102】 a0 (t)=cos(ω+φ) …(7) b0 (t)=sin(ω+φ) …(8) 但し、φはt=0のときの位相を表し、t=0(光スポ
ットの位置がベクトルi 0 に一致するときをt=0とす
る)のときをφ=0とする。また、(7)式及び(8)
式では、光スポットが単位ベクトルi0 から単位ベクト
ルj0 へ向かう方向(図21における時計回り方向)に
沿って旋回するものとした。次に(7)式及び(8)式
を(5)式及び(6)式に代入することにより、単位ベ
クトルi,j を用いて光スポットの軌跡(真円)を表す
したときの(4)式の係数a,bを求めると、次のよう
になる。
【0103】
【数2】
【0104】ここで、θC =π/2−θなる非直交角θ
C を定義すると、cot θ=tan θC となるので、(9)
式及び(10) 式は、
【0105】
【数3】
【0106】となる。従って、第1のAODによる偏向
方向と第2のAODによる偏向方向とを非直交(θ≠9
0°)とした場合であっても、第1のAODによる偏向
量及び第2のAODによる偏向量が(11) 式及び(12)
式で表される変化となるように、すなわち、第1のAO
Dによる偏向方向と第2のAODによる偏向方向とを直
交させたときと比較して、第1のAOD及び第2のAO
Dによる偏向量が各々(1/ cosθC )倍となり、かつ
一方のAODによる偏向量の変化の位相が他方のAOD
による偏向量の変化の位相に対してθC だけずれるよう
に、第1のAOD及び第2のAODに入力する高周波信
号の周波数変調の位相及び振幅を変化させれば、レーザ
ビームの光スポットの軌跡を真円にすることができる。
【0107】また、上記では音響光学媒体としてTeO
2 単結晶を用いた例を説明したが、PbMoO4 その他
の一軸結晶や二軸結晶を使用することもできる。
【0108】また、上記では本発明に係る光ビーム走査
装置として画像記録装置を例に説明したが、これに限定
されるものではなく、被照射体上に光ビームを走査さ
せ、被照射体を反射又は透過した光ビームの光量を検出
して被照射体上に記録されている画像を読み取る画像読
取装置等の他の光ビーム走査装置に適用することも可能
である。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、第1の音
響光学偏向素子の異方性結晶の光学軸が第1の音響光学
偏向素子に入射される入射光の進行方向と第1の音響光
学偏向素子の異方性結晶内の超音波の進行方向とを含む
面に対して平行にならないように第1の音響光学偏向素
子を配置すると共に、第2の音響光学偏向素子による偏
向方向が第1の音響光学偏向素子による偏向方向と交差
し、かつ第2の音響光学偏向素子の異方性結晶の光学軸
が、第2の音響光学偏向素子に入射される入射光の進行
方向と第2の音響光学偏向素子の異方性結晶内の超音波
の進行方向とを含む面に対して平行にならないように第
2の音響光学偏向素子を配置したので、広い周波数帯域
に亘って高い回折効率で入射光を2次元に偏向すること
ができ、かつ低コストの光偏向器が得られる、という優
れた効果を有する。
【0110】また本発明は、上記の光偏向器を利用し
て、回折効率を向上した低コストの光ビーム走査装置が
得られる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るAODの概略図である。
【図2】AODを回転させる軸を説明するためのAOD
単体の斜視図である。
【図3】あおり角θA のみを変化させた場合のAOD単
体の回折効率の変化を示す線図である。
【図4】あおり角θA 及び入射光進行方向の軸回りの回
転角θZ を変化させた場合の、入射光進行方向の軸回り
の回転角θZ の変化に対するAOD単体の回折効率の変
化を示す線図である。
【図5】図4に示した回折効率特性を得るための入射光
進行方向の軸回りの回転角θZとあおり角θA との関係
を示す線図である。
【図6】入射光進行方向の軸回りの回転角θZ の変化に
対する回折効率の変化(回折効率の周波数特性の形状が
ピーク状(急峻な形状)の場合)を示す線図である。
【図7】入射光進行方向の軸回りの回転角θZ が70°
のときのあおり角θA の変化に対するAOD単体の回折
効率の変化を示す線図である。
【図8】入射光進行方向の軸回りの回転角θZ を70
°、90°、±0°とし、かつ所定周波数帯域内で駆動
周波数を変化させたときのAOD単体での回折効率の変
化を各々示す線図である。
【図9】第1のAODと第2のAODをタンデム配置し
た光偏向器において、各AODを回転させる軸を説明す
るための光偏向器の斜視図である。
【図10】入射光進行方向の軸回りの回転角θzを変化
させたときの、AODから射出される回折光の長軸の偏
光方向θdi(但し、入射光の偏光方向を基準(=0°)
とする)の変化を示す線図である。
【図11】駆動周波数を各値とし、かつ入射光進行方向
の軸回りの回転角θzを変化させたときの、回折光の偏
光成分の長軸と短軸との比率の変化を各々示す線図であ
る。
【図12】光偏向器の第1のAOD及び第2のAODの
偏向方向が直交し、かつ高い回折効率を得るための条件
を説明するための、(1)は第1のAODへの入射光の
偏光方向、(2)は第1のAODの姿勢、(3)は第1
のAODから射出される回折光の偏光方向、(4)は第
2のAODの姿勢、(5)は第2のAODから射出され
る回折光の偏光方向を各々示す概念図である。
【図13】第1のAODの入射光進行方向の軸回りの回
転角θZ1を+80°、+90°、±0°とし、かつ所定
周波数帯域内で駆動周波数を変化させたときの、第1の
AOD及び第2のAODの総合的な(光偏向器の)回折
効率の変化を各々示す線図である。
【図14】光偏向器で高い回折効率を得るための他の条
件を説明するための、(1)は第1のAODへの入射光
の偏光方向、(2)は第1のAODの姿勢、(3)は第
1のAODから射出される回折光の偏光方向、(4)は
第2のAODの姿勢、(5)は第2のAODから射出さ
れる回折光の偏光方向を各々示す概念図である。
【図15】本実施形態に係る画像記録装置の概略構成を
示す斜視図である。
【図16】光偏向器を構成する第1のAOD及び第2の
AODが同一のパッケージ内に取付けられている状態を
示す斜視図である。
【図17】(1)は回転鏡によって偏向された3本のレ
ーザビームによって記録シート上に記録される走査線、
(2)はレーザビームをx軸方向に相当する方向に偏向
して像の回転を補正した場合の走査線、(3)はレーザ
ビームを2次元に偏向して走査線長の相違も補正した場
合の走査線を各々示す平面図である。
【図18】回転鏡の反射面に入射するレーザビームL0
の入射方向を、(1)はX軸方向に−θx だけ変位させ
た場合、(2)はY軸方向に+θY だけ変位させた場
合、(3)はX、Y軸方向にθxYだけ変位させた場合を
各々示す斜視図である。
【図19】(1)は回転鏡の反射面に入射する3本のレ
ーザビームの光スポットを、記録シートと共役な面S’
に射影した場合を説明する概念図、(2)は面S’上で
の各レーザビームの光スポットの軌跡を示す平面図であ
る。
【図20】本実施形態に係る画像記録装置の制御装置の
概略ブロック図である。
【図21】第1のAODによる偏向方向と第2のAOD
による偏向方向とを非直交とした場合に、レーザビーム
の光スポットの軌跡を真円とするための条件を求める過
程を説明するための概念図である。
【符号の説明】
10 TeO2 単結晶 12 トランスデューサ 18 光偏向器 18x 第1のAOD 18y 第2のAOD 20 AOD 22 光偏向器 22x 第1のAOD 22y 第2のAOD

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異方性結晶内を進行する超音波と異方性
    結晶内を進行する光波との間に生じる異方ブラッグ回折
    を利用した第1及び第2の音響光学偏向素子を備え、前
    記第1の音響光学偏向素子で偏向された光が前記第2の
    音響光学偏向素子に入射される光偏向器であって、 第1の音響光学偏向素子の異方性結晶の光学軸が第1の
    音響光学偏向素子に入射される入射光の進行方向と前記
    異方性結晶内の超音波の進行方向とを含む面に対して平
    行にならないように第1の音響光学偏向素子が配置され
    ており、 第2の音響光学偏向素子による偏向方向が第1の音響光
    学偏向素子による偏向方向と交差し、かつ第2の音響光
    学偏向素子の異方性結晶の光学軸が第2の音響光学偏向
    素子に入射される入射光の進行方向と前記異方性結晶内
    の超音波の進行方向とを含む面に対して平行にならない
    ように第2の音響光学偏向素子が配置されていることを
    特徴とする光偏向器。
  2. 【請求項2】 異方性結晶内を進行する超音波と異方性
    結晶内を進行する光波との間に生じる異方ブラッグ回折
    を利用した第1及び第2の音響光学偏向素子を備え、前
    記第1の音響光学偏向素子で偏向された光が前記第2の
    音響光学偏向素子に入射される光偏向器であって、 第1の音響光学偏向素子の異方性結晶の光学軸が第1の
    音響光学偏向素子に入射される入射光の進行方向と前記
    異方性結晶内の超音波の進行方向とを含む面に対して平
    行にならず、かつ前記入射光の偏光面が前記入射光の進
    行方向と前記超音波の進行方向とを含む面に対して平行
    となる条件、及び前記異方性結晶の光学軸が前記入射光
    の進行方向と前記超音波の進行方向とを含む面に対して
    平行にならず、かつ前記入射光の偏光面が前記入射光の
    進行方向と前記超音波の進行方向とを含む面に対して平
    行にならない条件のいずれか1つの条件を満足するよう
    に第1の音響光学偏向素子が配置されており、 第2の音響光学偏向素子による偏向方向が第1の音響光
    学偏向素子による偏向方向と交差し、かつ第2の音響光
    学偏向素子の異方性結晶の光学軸が第2の音響光学偏向
    素子に入射される入射光の進行方向と前記異方性結晶内
    の超音波の進行方向とを含む面に対して平行にならず、
    かつ前記入射光の偏光面が前記入射光の進行方向と前記
    超音波の進行方向とを含む面に対して平行となる条件、
    及び前記異方性結晶の光学軸が前記入射光の進行方向と
    前記超音波の進行方向とを含む面に対して平行になら
    ず、かつ前記入射光の偏光面が前記入射光の進行方向と
    前記超音波の進行方向とを含む面に対して平行にならな
    い条件のいずれか1つの条件を満足するように第2の音
    響光学偏向素子が配置されていることを特徴とする光偏
    向器。
  3. 【請求項3】 異方性結晶内を進行する超音波と異方性
    結晶内を進行する光波との間に生じる異方ブラッグ回折
    を利用した第1及び第2の音響光学偏向素子を備え、前
    記第1の音響光学偏向素子で偏向された光が前記第2の
    音響光学偏向素子に入射される光偏向器であって、 前記第1の音響光学偏向素子は、第1の音響光学偏向素
    子への入射光の進行方向をz軸、前記入射光の偏光方向
    をx軸とするxyz座標系を定めたときに、第1の音響
    光学偏向素子の異方性結晶内の超音波の進行方向とx軸
    とが平行で、かつ前記異方性結晶の光学軸がz軸に一致
    した状態を第1の音響光学偏向素子の初期状態とし、該
    初期状態から、前記超音波の進行方向と同じ方向の軸回
    りに回転されていると共にz軸と前記超音波の進行方向
    とを含む面に垂直な軸回りに所定角度回転されて配置さ
    れており、 前記第2の音響光学偏向素子は、第2の音響光学偏向素
    子による偏向方向が第1の音響光学偏向素子による偏向
    方向と交差し、かつ第2の音響光学偏向素子への入射光
    の進行方向をz’軸、前記入射光の偏光方向をx’軸と
    するx’y’z’座標系を定めたときに、第2の音響光
    学偏向素子の異方性結晶内の超音波の進行方向とx’軸
    とが平行で、かつ前記異方性結晶の光学軸がz’軸に一
    致した状態を第2の音響光学偏向素子の初期状態とし、
    該初期状態から、前記超音波の進行方向と同じ方向の軸
    回りに回転されていると共にz’軸と前記超音波の進行
    方向とを含む面に垂直な軸回りに所定角度回転されて配
    置されていることを特徴とする光偏向器。
  4. 【請求項4】 前記第1の音響光学偏向素子は、第1の
    音響光学偏向素子の異方性結晶内の超音波の進行方向と
    同じ方向の軸回りの回転角度が略3°以上とされてお
    り、 前記第2の音響光学偏向素子は、第2の音響光学偏向素
    子の異方性結晶内の超音波の進行方向と同じ方向の軸回
    りの回転角度が略3°以上とされていることを特徴とす
    る請求項3記載の光偏向器。
  5. 【請求項5】 前記第1の音響光学偏向素子が、更に前
    記z軸回りに回転されて配置されており、 前記第2の音響光学偏向素子が、更に前記z’軸回りに
    回転されて配置されていることを特徴とする請求項3又
    は請求項4記載の光偏向器。
  6. 【請求項6】 前記第1の音響光学偏向素子に対する前
    記z軸と第1の音響光学偏向素子内の異方性結晶内の超
    音波の進行方向とを含む面に垂直な軸回りの回転角度が
    ブラッグ角、前記超音波の進行方向と同じ方向の軸回り
    の回転角度が略3°以上、前記z軸回りの回転角度が略
    30°〜略90°とされており、 前記第2の音響光学偏向素子に対する前記z’軸と第2
    の音響光学偏向素子内の異方性結晶内の超音波の進行方
    向とを含む面に垂直な軸回りの回転角度がブラッグ角、
    前記超音波の進行方向と同じ方向の軸回りの回転角度が
    略3°以上、前記z’軸回りの回転角度が略30°〜略
    90°とされていることを特徴とする請求項5記載の光
    偏向器。
  7. 【請求項7】 前記第1の音響光学偏向素子の前記z軸
    回りの回転角度が略70°〜略75°とされており、 前記第2の音響光学偏向素子の前記z’軸回りの回転角
    度が略70°〜略75°とされていることを特徴とする
    請求項6記載の光偏向器。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2の音響光学偏向素子
    は、第1の音響光学偏向素子による偏向方向と第2の音
    響光学偏向素子による偏向方向とが直交するように配置
    されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何
    れか1項記載の光偏向器。
  9. 【請求項9】 前記異方性結晶は一軸結晶であることを
    特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項記載の光
    偏向器。
  10. 【請求項10】 前記異方性結晶はTeO2 であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項記載の
    光偏向器。
  11. 【請求項11】 第1及び第2の音響光学偏向素子が単
    一のパッケージに各々取付けられていることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項10の何れか1項記載の光偏向
    器。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項11の何れか1項
    記載の光偏向器を備えた光ビーム走査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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