JPH10132849A - 角速度データ補正装置 - Google Patents

角速度データ補正装置

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JPH10132849A
JPH10132849A JP8290500A JP29050096A JPH10132849A JP H10132849 A JPH10132849 A JP H10132849A JP 8290500 A JP8290500 A JP 8290500A JP 29050096 A JP29050096 A JP 29050096A JP H10132849 A JPH10132849 A JP H10132849A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドリフト成分が常に伴う角速度計を用いた場
合の回転運動量の検出誤差をゼロ値に近づける角速度デ
ータ補正装置を提供する。 【解決手段】 角速度計の計測値を表すカウンタ出力
(角速度データ)の誤差を初期補正部31で補正し、補
正された角速度データをスケール変換処理部32で内部
演算が可能な形式のデータに変換する。停止判定部33
は、変換後の角速度データの変動成分を抽出して該変動
成分の単位時間当たりの累積値に基づいて角速度計が運
動中か静止状態かを検知する。オフセット値算出部34
は、停止判定部33が静止状態を検知する度に静止時点
の角速度データに含まれるドリフト成分量を算出し、こ
れをオフセット値格納部35に保存する。そして、オフ
セット値除去部36が角速度データから保存中のドリフ
ト成分量を逐次除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の姿
勢制御に用いる姿勢角センサ技術に係り、特に角速度計
を用いた姿勢角センサの出力情報を正しく補正する角速
度データ補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の運転をより安全で快適にするた
めの技術として、自動車の姿勢制御技術が注目されてい
る。VSC(Vehicle stability Control)もその一つ
である。このVSCは、道路上のカーブを曲がるときな
どに、自動車が、運転者の意図する角度よりも大きく内
側や外側に曲がり込もうとする状態を姿勢角センサが感
知して、自動的に4輪それぞれへ適切なブレーキング制
御とエンジンの出力制御とを行い、自動車の安定性を確
保しようとする技術である。このような制御を行う場
合、必要不可欠となるのは、上記姿勢角センサより得ら
れる当該自動車の姿勢角変化情報、特に、回転運動の変
化を表す情報である。
【0003】従来、自動車のような移動体の回転運動の
変化を検出する姿勢角センサとして回転センサや角度セ
ンサなどが存在するが、このような回転センサや角度セ
ンサは、回転角度の変化を測定するための基準となる回
転軸を固定し、この固定した回転軸回りに生じた運動を
検出するものであったため、自動車のように、回転軸が
固定されないものの回転運動の変化の検出には必ずしも
適さない問題があった。そこで、最近は、回転軸が固定
されない場合の回転運動の検出に適した角速度計、例え
ば振動型ジャイロを用いて姿勢角センサを構成すること
が試みられている。振動型ジャイロは、振動している移
動体、つまり自動車に回転角速度が加えられた場合、そ
の振動方向と直角方向に生じるコリオリの力を利用し
て、角速度に比例した信号を出力するものである。つま
り、この出力信号は自動車の回転運動量を表す信号とな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】振動型ジャイロは、上
述のように回転軸が固定でなくとも回転運動の検出が可
能であり、しかも小形で量産性にも優れるという大きな
利点を有する反面、静止状態であっても振動しているた
めにドリフトが発生し、それが累積されるという問題が
あった。図12は、ドリフト成分量が時間とともに累積
される様子を示すものである。この結果、累積値がある
程度大きくなると、実際には自動車に回転は生じていな
いのに、検出結果として回転しているような信号が出力
される。つまり、姿勢角が誤認識されてしまう。また、
振動型ジャイロは、温度変化による安定性に欠ける問題
もあった。特に、真夏の猛暑時や真冬の厳寒時などに使
用されるカーエアコンによって車内で急激な温度変化が
生じる場合、この温度変化によって回転運動量の検出結
果が大きく変動する。
【0005】このようなドリフトやノイズ、あるいは温
度変化に起因する回転運動量の検出結果の誤差は、例え
ばVSCのような、運転中の安全性、快適性を重視する
システムを実現する上で致命的であり、改善が望まれて
いた。
【0006】そこで本発明の課題は、振動型ジャイロの
ような角速度計の出力データを補正して、回転運動量の
検出誤差を限りなくゼロ値に近づけることができる角速
度データ補正装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の角速度データ補
正装置は、角速度計の出力データを所定形式の角速度デ
ータに変換するデータ変換手段と、前記角速度データの
変動成分を抽出するとともに該変動成分の単位時間当た
りの累積値に基づいて前記角速度計が運動中か静止状態
かを検知する状態検知手段と、前記状態検知手段が静止
状態を検知する度に静止時点の角速度データに含まれる
ドリフト成分量を算出する第1の演算手段と、算出され
たドリフト成分量を更新自在に保存するとともに前記角
速度データから保存中のドリフト成分量を逐次除去して
補正データを算出する第2の演算手段と、を有すること
を特徴とする。
【0008】前記状態検知手段は、例えば、少なくとも
前記角速度計に発生するドリフト成分の時定数より高い
時定数の信号を通過させる高域通過フィルタと、該高域
通過フィルタを経た角速度データを前記単位時間積分す
る積分器とを含み、該積分器の出力が閾値よりも低いと
きに静止状態と判定するように構成する。
【0009】本発明の他の角速度データ補正装置は、角
速度計の出力データを所定形式の角速度データに変換す
るデータ変換手段と、前記角速度データの変動成分のう
ち少なくとも前記角速度計に発生するドリフト成分の時
定数より高い時定数の変動成分のみを通過させて補正デ
ータを出力する高域通過フィルタと、前記角速度データ
の変動傾向が高周波的か低周波的かを検出する変動傾向
検出手段と、前記検出された変動傾向に応じて前記高域
通過フィルタの時定数を動的に変化させるフィルタ制御
手段と、を有することを特徴とする。
【0010】なお、より好ましくは、前記角速度計の周
囲温度を検知する温度センサと、該温度センサの検出温
度に応じて前記角速度データまたは補正データを補正す
るための温度係数値を算出する第3の演算手段とを備え
て角速度データ補正装置を構成する。前記補正データの
変動が予め前記角速度計の不感帯として設定した領域内
のときに該変動を除去する変動除去手段を設けてもよ
い。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明を自動車に搭載され
る姿勢角センサに適用した場合の実施の形態を詳細に説
明する。なお、以下の説明では、便宜上、角速度計から
のアナログ出力をディジタル変換して得た単位時間当た
りのデータを角速度データと称して説明する。
【0012】(第1実施形態)図1は、第1実施形態に
よる姿勢角センサの基本構成を示す図である。この姿勢
角センサは、角速度計の一例であるヨーレートジャイロ
1と、角速度データ補正装置2とから構成される。ヨー
レートジャイロ1は上述の振動型ジャイロであり、ヨー
方向の回転軸線回りの角速度に比例した信号、具体的に
はアナログ電圧を出力するものである。
【0013】角速度データ補正装置2は、例えば1チッ
プのボードであり、同種のヨーレートジャイロまたは他
の種のジャイロセンサに着脱自在に構成されるようにな
っている。ボード上には、ヨーレートジャイロ1より入
力されたアナログ電圧をディジタルデータに変換するA
/Dコンバータ21、A/Dコンバータ21からの単位
時間、例えば1秒毎のデータ数(パルス数:角速度デー
タ)を計測するカウンタ22、CPU23、CPU23
に角速度データ補正機能を実現させるプログラムや必要
なデータ(以下、プログラム等)を格納したROM2
4、ヨーレートジャイロ別にスケール変換等を行うため
の複数の調整用パラメータテーブルを格納したEEPR
OM25、補正後の角速度データをアナログ出力するA
/Dコンバータ26、及び姿勢角センサの周辺温度を感
知する温度センサ27が取り付けられる。
【0014】EEPROM25に格納される各種調整用
パラメータテーブルの一例を図2に示す。図2(a)は
カウンタ22による計測値(パルス数[個])と回転運
動量[度/sec]との対応関係を示したゲインテーブル
であり、必要な計測結果の精度に応じて用意される。図
2(b)はヨーレートセンサ固有のスペック誤差を補正
するためのスペック誤差テーブルであり、例えば上記計
測値と回転運動量[度/sec]との対応関係の実測値、
あるいは補正係数をまとめたものである。図2(c)は
温度変化に伴って生じる上記計測値と回転運動量[度/
sec]との対応関係のずれ量、あるいは補正係数を実測
した温度補正テーブルである。
【0015】図3は、EPROM24に格納されたプロ
グラム等によってCPU23が実現する機能ブロックの
構成図である。図3において、初期補正部31は、例え
ば姿勢角センサが静止状態にあるとき、カウンタ22か
ら出力される計測値の誤差の有無を監視し、誤差がある
場合は計測値を誤差の分だけ補正するものである。誤差
の有無及び誤差値は、具体的には、計測値をリセット処
理中の一定時間累積して平均値を算出するとともに、そ
の平均値が0度以外かどうか、ずれているパルス数はど
れだけかを、EEPROM25内のゲインテーブルを参
照することにより判定する。図4は、この初期補正処理
部31での処理内容の説明図であり、まず誤差値と誤差
方向を判定し、計測値を誤差方向とは逆の方に補正して
設定値に近づけるようにする。この処理により、以後の
計測が0[度/sec]から開始されるようになり、検出
ないし補正精度を高めることができる。
【0016】スケール変換処理部32は、初期補正部3
1を経たカウンタ22の計測値をEEPROM25内の
ゲインテーブル及びスペック誤差補正テーブルを参照し
て工学値、例えばCPU23が処理可能な形式の固定小
数点データに変換するものである。この固定小数点デー
タは、具体的には32ビットの中間ビットを小数点位置
とするデータであり、1秒間の回転運動量を表すものと
なっている。なお、温度変化によって生じるヨーレート
センサ1の計測誤差の補正をこのスケール変換処理部3
2で行うことができる。つまり、温度センサ27の感知
温度に対応するずれ量あるいは補正係数をEEPROM
25内の温度補正テーブルより索出し、これをスケール
変換の際に反映させる。このようにすれば、温度変化が
あっても常に正しい角速度データが得られるようにな
る。
【0017】停止判定部33は、図5(a)に示される
ような角速度データの変動成分を抽出するとともに、該
変動成分の単位時間(例えば2秒間)当たりの累積値に
基づいてヨーレートセンサ1が運動中か静止状態か、つ
まり自動車が走行中か停止しているかを判定するもので
ある。具体的には、ヨーレートセンサ1に発生するドリ
フト成分の時定数より高い時定数の信号を通過させる高
域通過フィルタと、この高域通過フィルタを経た角速度
データを単位時間積分する積分器とを含んで構成され
る。
【0018】1種類の角速度データによって自動車の停
止判定が可能な理由は下記の通りである。まず、ドリフ
ト成分は累積されるだけなので、図7から明らかなよう
に周期的な変動成分がなく、しかも2秒間程度であれば
それが停止判定に与える影響が少ない。また、高域通過
フィルタを経た角速度データは振動によるノイズ成分と
運動成分のいずれかであるところ、ヨーレートセンサ1
が静止状態である場合のノイズ成分は、図5(b)のよ
うに理想的には正負対象となり、積分すればゼロ値にな
るのに対し、運動状態の場合には正負対象とはならない
ため、図5(c)のように、積分すれば必ず有限値が発
生する。本発明は、この点を利用して自動車の停止判定
を行うものである。但し、実際には、若干の誤差を伴う
ことから、積分器の出力が閾値よりも低いときに停止と
判定するように構成する。この閾値は可変にすることが
できる。
【0019】オフセット値算出部34は、停止判定部3
3が自動車の停止を検知したときに該停止時点の角速度
データに含まれるドリフト成分量を算出し、これを補正
すべきオフセット値とする。そしてこのオフセット値を
オフセット値格納部35に格納(更新)する。これを自
動車の停止が検知される度に繰り返す。オフセット値除
去部36は、スケール変換により得られた角速度データ
からオフセット値格納部35に格納された最新のオフセ
ット値を逐次除去して補正データを算出し、これを不感
帯処理部37に送る。
【0020】不感帯処理部37は、実際には自動車が停
止しているのに、何らかの原因、例えば突発的に発生す
るパルス状ノイズのために回転運動中を表すデータが出
力されてしまう事態を防止するためのものであり、この
不感帯処理部37は、具体的には、予め停止状態とみな
す補正データの変動幅を定めておき、オフセット値除去
部36からの出力がこの変動幅に入っている場合は停止
状態を表す補正データを出力するように構成する。
【0021】不感帯処理部37を経た補正データは、D
/Aコンバータ26でアナログ電圧に変換され、後続処
理に渡される。
【0022】このように、本実施形態によれば、ヨーレ
ートセンサ1で生じたドリフト成分量を正しく定量化し
てこれを角速度データから実時間で除去することができ
るので、自動車の回転運動量の検出結果の誤差が限りな
くゼロ値に近づく。なお、この実施形態では、温度変化
に伴う補正をスケール変換の際に行う例を示したが、こ
の補正は、オフセット値除去部36において行うように
してもよい。
【0023】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態について説明する。この実施形態では、停止中のド
リフト成分量を検出することなく、運動中に実時間で角
速度データの補正を行う。この場合の基本構成は、図1
の場合と同様であるが、EPROM24に格納されたプ
ログラム等によりCPU23で実現する機能ブロックが
一部異なる。
【0024】図6は、この実施形態の角速度データ補正
装置の機能ブロック構成図である。この実施形態では、
高域通過フィルタ41と、角速度データの変動傾向、例
えば約2〜5秒の間の変動周波数を検出する変動検出部
42と、この変動検出部42の検出結果に応じて高域通
過フィルタ41の時定数を動的に変化させるフィルタ制
御部43と、スケール変換処理部44と、不感帯処理部
45とをCPU23により実現する。スケール変換処理
部44及び不感帯処理部45は、第1実施形態のスケー
ル変換処理部32及び不感帯処理部37と同一機能のも
のである。
【0025】高域通過フィルタ41は、カウンタ22の
計測値(角速度データ)のうち少なくともヨーレートセ
ンサ1に発生するドリフト成分の時定数より高い時定数
の変動成分を通過させて補正データを出力するものであ
る。一般に、高域通過フィルタの伝達関数Fは、時定数
をT、変換関数(ラプラス変換)の変数をSとすると、
F=T・S/(1+T・S)によって表現することがで
きる。また、この伝達関数を逆ラプラス変換することに
より得られる関数(デルタ関数)も時定数Tの関数とな
る。したがって、時定数Tを動的に変化させることによ
ってフィルタ通過域を変えることができる。この実施形
態は、高域通過フィルタのこのような性質を利用するこ
とで角速度データを補正するものである。
【0026】ところで、入力された角速度データには自
動車の回転運動の速度に応じて異なる周波数成分が混在
している。そのため、高域通過フィルタ41の時定数を
変える際には、まず、系の動作、つまり自動車が高周波
的な動作を行っているか、低周波的な動作を行っている
かを検出する必要がある。変動検出部42はそのための
もので、例えば図7に示すように、高域通過フィルタ5
1、積分器52、演算部53、解析データ保持部54、
及び変動傾向判定部55をこの順におく。各部の動作
は、下記のとおりである。高域通過フィルタ51の臨界
周波数は、自動車の場合、2Hz程度が適当である。
【0027】高域通過フィルタ51を通過した角速度デ
ータは図8及び図9のようになる。つまり、低周波動作
時には、図8(a)に示すようにドリフト成分(破線)
が重畳しているが、高域通過フィルタ51を通ると図8
(b)に示すように、ドリフト成分は除去され、比較的
低周波の変化成分のみが残る。一方、高周波動作時に
は、図9(a),(b)に示すように高域通過フィルタ
51の通過前後で波形は殆ど変わらない。
【0028】次に、高域通過フィルタ51の出力を積分
器に通すと、低周波動作の場合には図10(a)に示す
ように有限値が累積されていくのに対し、高周波動作の
場合には、図10(b)に示すようにゼロ値に近くな
る。そこで、演算部53において積分器52の出力の絶
対値をとり、積分値の大きさM(Magnitude)を系(自
動車)の変動傾向を表すデータとする。通常、低周波成
分の多い系は積分値Mが相対的に大きくなる。そこで、
この積分値Mを解析データ保持部54に蓄える。積分値
Mは常に大きくなる傾向なので、例えば10秒程度蓄積
された後にゼロ値になるようにリセットされるようにす
る。すると、低周波動作の多い系(自動車)では、ゼロ
値になるよりも積分値Mを蓄える方が多くなり、一定の
時間、有限の数値を維持することになる。そこで変動傾
向判定部55において、解析データ保持部54の積分値
Mを参照することで、系(自動車)の変動傾向を判定す
ることができるようになる。
【0029】図11は、この実施形態の角速度データ補
正装置を自動車に取り付けて走行した場合の角速度デー
タ(回転運動量[度/sec])の変化とその結果に基づ
いて算出された角度[度]の変化の様子を示す図であ
る。通常の直線走行中は、車両振動と僅かな動きによる
角速度データが出力され、その結果得られる角度は、殆
ど大きな数字をもてない(高周波成分か低周波成分かの
判定基準となるスレッショルドレベル以下)。ところ
が、自動車が交差点を曲がったりすると、角速度データ
に、変動振幅が大きく、且つゆっくりした動きが発生
し、その結果、角度は大きな値をもつようになる。この
ような場合、変動傾向判定部55は、低周波成分の傾向
が多い系(自動車)であると判定し、その結果をフィル
タ制御部43に伝える。
【0030】なお、変動検出の手法は、上述のほかにも
種々の手法が考えられる。例えばヨーレートセンサ1が
取り付けられる移動体毎に定めた基準周波数よりも高い
第1変動周波数(高周波成分)と基準周波数より低い第
2変動周波数(低周波成分)とを検出し、いずれの成分
が相対的に多いかどうかを比較できるようにしてもよ
い。この場合の基準周波数は、自動車の場合には2[H
z]程度が適当である。
【0031】フィルタ制御部43は、変動検出器42の
検出結果に応じて高域通過フィルタ41の時定数を動的
に変化させる。具体的には、高周波成分の傾向が多い場
合は自動車の回転運動の速度が速い(周波数成分が高
い)と判定して高域通過フィルタ41の時定数を短くす
る。一方、低周波成分の傾向が多い場合は自動車の回転
運動の速度が遅い(周波数成分が低い)と判定して高域
通過フィルタ41の時定数を長くする。
【0032】従来、高域通過フィルタの時定数は固定的
であり、その時定数をドリフト成分の時定数に合わせる
ことが著しく困難であったため、高域通過フィルタによ
るドリフト除去は行われていなかったが、上記実施形態
によれば、ドリフト成分の蓄積量に連関する上記回転運
動の周波数に応じて高域通過フィルタ41の時定数が動
的に変化するので、角速度データを高域通過フィルタ4
1に入力するだけでドリフト成分が除去されるようにな
る。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の角速度データ補正装置によれば、振動型ジャイロのよ
うに、ドリフト成分が常に伴う角速度計を用いた場合で
あっても、回転運動量の検出誤差が限りなくゼロ値に近
づく効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る姿勢角センサの基
本構成図。
【図2】第1実施形態で用いる各種調整用パラメータテ
ーブルの内容例を示す図で、(a)は計測値と回転運動
量[度/sec]との対応を示したゲインテーブル、
(b)はヨーレートセンサ固有のスペック誤差を補正す
るためのスペック誤差テーブル、(c)は温度変化に伴
って生じる計測値と回転運動量[度/sec]との対応関
係のずれ量、あるいは補正係数値を実測した温度補正テ
ーブルである。
【図3】第1実施形態によりCPUが実現する機能ブロ
ック構成図。
【図4】第1実施形態による初期補正処理部の動作説明
図。
【図5】(a)は入力された角速度データの変動状態説
明図、(b)は高域通過フィルタを通過した高周波変動
成分をもつ角速度データの変動状態説明図、(c)は比
較的低周波的に変動する成分をもつ角度データの積分結
果を示す説明図。
【図6】本発明の第2実施形態によりCPUが実現する
機能ブロック構成図。
【図7】第2実施形態による変動検出部の詳細ブロック
構成図。
【図8】(a)は低周波動作時における(補助)高域通
過フィルタを通る前の角速度データ、(b)は(補助)
高域通過フィルタを通った後の角速度データの説明図。
【図9】(a),(b)は高周波動作時における(補
助)高域通過フィルタの通過前後の角速度データの説明
図。
【図10】(補助)高域通過フィルタの出力の積分結果
の説明図で、(a)は低周波動作の場合、(b)は高周
波動作の場合の例を示す。
【図11】第2実施形態における角速度データ補正装置
を自動車に取り付けて走行した場合の角速度データ(回
転運動量[度/sec])の変化とその結果に基づいて算
出された角度[度]の変化の様子を示す図。
【図12】ジャイロセンサにより発生し、累積されるド
リフト成分の説明図。
【符号の説明】
1 ヨーレートセンサ(角速度計) 2 角速度データ補正装置 21 A/Dコンバータ 22 カウンタ 23 CPU 24 EPROM 25 EEPROM 26 D/Aコンバータ 27 温度センサ 31 初期補正部 32,44 スケール変換処理部 33 停止判定部 34 オフセット値算出部 35 オフセット値格納部 36 オフセット値除去部 37,45 不感帯処理部 41,55 高域通過フィルタ 42 変動検出部 43 フィルタ制御部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角速度計の出力データを所定形式の角速
    度データに変換するデータ変換手段と、 前記角速度データの変動成分を抽出するとともに該変動
    成分の単位時間当たりの累積値に基づいて前記角速度計
    が運動中か静止状態かを検知する状態検知手段と、 前記状態検知手段が静止状態を検知する度に静止時点の
    角速度データに含まれるドリフト成分量を算出する第1
    の演算手段と、 算出されたドリフト成分量を更新自在に保存するととも
    に前記角速度データから保存中のドリフト成分量を逐次
    除去して補正データを算出する第2の演算手段と、 を有することを特徴とする角速度データ補正装置。
  2. 【請求項2】 前記状態検知手段は、少なくとも前記角
    速度計に発生するドリフト成分の時定数より高い時定数
    の信号を通過させる高域通過フィルタと、該高域通過フ
    ィルタを経た角速度データを前記単位時間積分する積分
    器とを含み、該積分器の出力が閾値よりも低いときに静
    止状態と判定するように構成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の角速度データ補正装置。
  3. 【請求項3】 角速度計の出力データを所定形式の角速
    度データに変換するデータ変換手段と、 前記角速度データの変動成分のうち少なくとも前記角速
    度計に発生するドリフト成分の時定数より高い時定数の
    変動成分のみを通過させて補正データを出力する高域通
    過フィルタと、 前記角速度データの変動傾向が高周波的か低周波的かを
    検出する変動傾向検出手段と、 前記検出された変動傾向に応じて前記高域通過フィルタ
    の時定数を動的に変化させるフィルタ制御手段と、 を有することを特徴とする角速度データ補正装置。
  4. 【請求項4】 前記変動傾向検出手段を、前記角速度デ
    ータの変動成分のうち少なくとも前記角速度計に発生す
    るドリフト成分の時定数より高い時定数の変動成分のみ
    を通過させる補助高域通過フィルタと、 該補助高域通過フィルタの出力を周期的に積分する積分
    器と、 該積分器の出力の絶対値を一定時間累積し、累積結果か
    ら高周波変動成分と低周波変動成分のいずれかが多いか
    を判定する判定手段とを備えて構成し、 前記フィルタ制御手段を、前記判定手段により多いと判
    定された変動成分に応じて前記高域通過フィルタの時定
    数を動的に変化させるように構成したことを特徴とする
    請求項3記載の角速度データ補正装置。
  5. 【請求項5】 前記変動傾向検出手段を、前記角速度計
    が取り付けられる移動体毎に定めた基準周波数よりも高
    い第1変動周波数と前記基準周波数より低い第2変動周
    波数とを前記角速度データから検出するように構成し、 前記フィルタ制御手段を、前記第1変動周波数及び第2
    変動周波数の比率に応じて前記高域通過フィルタの時定
    数を動的に変化させるように構成したことを特徴とする
    請求項3記載の角速度データ補正装置。
  6. 【請求項6】 前記角速度計の周囲温度を検知する温度
    センサと、該温度センサの検出温度に応じて前記角速度
    データまたは補正データを補正するための温度係数値を
    算出する第3の演算手段と、をさらに有することを特徴
    とする請求項1ないし5のいずれかの項記載の角速度デ
    ータ補正装置。
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