JPH10131787A - エンジンの燃料供給制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料供給制御装置

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JPH10131787A
JPH10131787A JP29031696A JP29031696A JPH10131787A JP H10131787 A JPH10131787 A JP H10131787A JP 29031696 A JP29031696 A JP 29031696A JP 29031696 A JP29031696 A JP 29031696A JP H10131787 A JPH10131787 A JP H10131787A
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジンの減速性能を確保しつつ燃費改善を図
る。 【解決手段】前回のアイドル状態でエンジン回転速度を
目標値にフィードバック制御したときに必要な燃料量を
記憶しておき、その後減速運転時に燃料供給を停止後、
燃料供給を再開するときの燃料供給量を、前記記憶され
た前回のアイドル回転速度制御時の燃料噴射量に、エン
ジン回転速度に応じた分担率を乗じた値に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの燃料供
給量、特に減速アイドル状態で燃料供給を停止後、燃料
供給を再開する際の燃料供給量を、適切に制御する技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用エンジンでは、エンジン回転速度
が所定以上の高速状態からアクセルを開放して減速を行
うアイドル状態で燃料供給を停止し、燃費および減速性
能の改善を図り、その後エンジン回転速度が所定回転以
下に減速されると、エンストを防止すべく燃料供給を再
開するようにしている。
【0003】また、所定の定常アイドル状態では、エン
ジン回転速度を目標回転速度にするように燃料供給量を
フィードバック制御するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば電子
制御式燃料噴射ポンプを備えたディーゼルエンジンの燃
料噴射装置において、基本燃料供給量をエンジン回転速
度毎に設定し、該基本燃料供給量に対して余分に要求さ
れる負荷分を平行的に増大して、燃料噴射量特性を修正
し、この特性を用いて前記前記燃料供給再開時の燃料供
給量を決定するようにしたものがある(特開昭59-46335
号公報参照) 。
【0005】しかし、このものでは、本来エンジンが必
要とする燃料供給再開時の減少中の過渡的なエンジン回
転速度に対して、燃料供給量が大きくなりすぎてしま
い、燃費改善効果や減速性能が損なわれることがあっ
た。即ち、前記燃料噴射量の特性は、定常なアイドル状
態で目標回転速度を維持するのに必要な燃料噴射量であ
り、目標回転速度より高い減速中に、定常後に必要な燃
料量より少ない量の燃料を供給するのでなければ減速効
果が得られず、燃費上も不利であった。特に、大きな外
部負荷を与えられた状態で修正された燃料噴射量特性
を、その後外部負荷が軽減した状態で燃料供給再開時に
使用すると、上記傾向はさらに助長されてしまう。
【0006】そのため、燃料供給再開後、前記アイドル
回転速度制御時のフィードバック補正分にエンジン回転
速度の減少に応じて増大する係数を乗じた値を、そのま
ま若しくは基本の燃料供給量に加算した値を、燃料供給
再開時の燃料供給量として決定するようにしたものもあ
る。しかし、この方式でも、エンジンフリクションが大
きい場合、燃料噴射ポンプの噴射特性が噴射されにくい
特性である場合、使用燃料が寒冷地用の粘度が低く加圧
時に漏れやすい場合等では、前記アイドル回転速度制御
時において、全燃料供給量中に占めるフィードバック補
正分の割合が、上記条件以外の場合に比較して増大す
る。そして、実際には、前記のような条件を含まない最
もフィードバック補正分の割合が小さくなる場合でも、
該フィードバック補正分を用いたときにエンストが発生
しないように、前記エンジン回転速度に応じてフィード
バック補正分に乗じられる係数が、設定されるため、前
記の各条件特に、これらが重なったような場合は、燃料
供給再開時の過渡的なエンジン回転速度に対して燃料供
給量が大きくなりすぎてしまい、燃費改善効果や減速性
能が損なわれることがあった。
【0007】例えば、図5に示すように、エンジンフリ
クションは同一であるが、燃料噴射量) の制御指令値に
対する実際の燃料供給量が異なる3通りの例において、
左側の例では、指令値に対する実燃料噴射量が最大、中
央の例では中間の値、右側の例では最小であるとする。
この場合、エンジンフリクションは同一であるから、実
際の燃料噴射量は3通りの例で等しいが、全燃料噴射量
に対するフィードバック補正分PiDの割合が、左側の
例では6/20、中央の例では9/20、右側の例では12/
20と異なる。したがって、燃料供給再開時において、既
述したようにフィードバック補正分の割合が最小となる
左側の場合でもエンストが発生しないように、例えばエ
ンジン回転速度が1400rpm のときの前回のフィードバッ
ク補正分PiDに乗じる分担率を100 %となるように設
定すると、該左側の例では燃料噴射量が6という値であ
るのに対し、中央の例では同一条件での再開時の燃料噴
射量の値が9、右側の例では同じく燃料噴射量が12と大
きく増大することが明らかである。
【0008】更に、アイドル回転速度制御時にパワース
テアリングやエアコン等の大きな外部負荷が加わった場
合には、該外部負荷の増大分もフィードバック補正分で
賄われるため、その後の減速時に燃料供給停止後に前記
大きな外部負荷が無くなったような場合には、必要な再
開時の燃料供給量に対してより過剰な燃料量が供給され
てしまい、前記の傾向がより助長されることとなってい
た。
【0009】例えば、図6は、図5の各例に対し、前回
のアイドル回転速度制御時に前記大きな外部負荷が加え
られ、それによるフィードバック補正分の値が3増大
し、その後減速による燃料供給停止後の燃料供給再開時
に、前記外部負荷が解除された場合について示したもの
であり、左側の例でも燃料供給再開時に必要な燃料噴射
量の値が適正量が6であるのに9と増大し、中央の例で
は同じく12、右側の例では15にまで増大してしまう。
【0010】なお、自動変速機付車両において、自動変
速機には一般的にエンジンの駆動力から出力軸側のみに
駆動力が伝達されるようにワンウェイ・クラッチが設け
られているが、前記燃料供給再開時の燃料量が多すぎる
とエンジン回転速度の方が出力軸の回転速度を超えてし
まい駆動力が出力軸に伝達されて、速やかな減速が行わ
れず突っ張り感を生じてしまう。
【0011】本発明は、このような従来の課題に鑑みな
されたもので、燃料供給再開時の燃料供給量を、必要最
小限に留めるように設定することにより、燃費及び減速
性能改善機能が十分に発揮されるようにしたエンジンの
燃料供給量制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1にか
かる発明は、所定のアイドル状態でエンジン回転速度を
目標回転速度にフィードバック制御する毎に必要な燃料
供給量を更新記憶しておき、所定エンジン回転速度以上
のアイドル状態で燃料供給を停止後、減速に伴って燃料
供給を再開する時の燃料供給量を、前記記憶された燃料
供給量とエンジン回転速度とに基づいて、エンジン回転
速度が減少するにしたがって燃料供給量が増大するよう
に設定するようにしたことを特徴とする。 (作用・効果)このようにすれば、最新にアイドル状態
で目標回転速度にフィードバック制御したとき(以下ア
イドル回転速度制御時、又はISC制御時という) に要
求された燃料供給量の全量と、エンジン回転速度とに基
づいて燃料供給停止後、再開時の燃料供給量が設定され
るため、エンジンフリクション,燃料噴射ポンプの噴射
量特性,使用燃料の特性等によって、アイドル回転速度
制御時のフィードバック補正量の分担率が変化した場合
でも、燃料供給再開時にエンジン回転速度に応じて必要
かつ十分な量の燃料が供給されることとなり、過剰に燃
料が供給されることなく、燃費及び減速性能を改善でき
る。
【0013】また、アイドル回転速度制御時に外部負荷
の増大によって必要な燃料供給量が増大した後、燃料供
給が停止され、その後の燃料供給再開時に外部負荷が軽
減されていたような場合でも、前記燃料供給量の増大分
はフィードバック補正量の増大分で賄われ、再開時の燃
料供給量は、該増大分の全量が増大するわけではなく、
アイドル回転速度制御時に必要とされた燃料供給量の全
量に対する分担率で設定されるので、影響を小さくする
ことができる。
【0014】また、請求項2にかかる発明は、図1に示
すように、所定のアイドル状態で、エンジン回転速度を
目標回転速度とするように燃料供給量をフィードバック
制御するアイドル回転速度制御手段と、所定のエンジン
回転速度以上のアイドル状態で、エンジンへの燃料供給
を停止し、その後、エンジン回転速度の減速に伴って、
燃料の供給を再開する燃料供給停止・再開制御手段と、
を含んで構成されるエンジンの燃料供給制御装置におい
て、前記アイドル回転速度制御手段によるフィードバッ
ク制御を実行する毎に、目標回転速度の維持に必要とさ
れた燃料供給量を記憶更新する燃料供給量記憶手段と、
前記燃料停止・再開制御手段による燃料供給再開時の燃
料供給量を、燃料供給量記憶手段に記憶されている燃料
供給量とエンジン回転速度とに基づいて、エンジン回転
速度が減少するに従って燃料供給量が増大するように設
定する再開燃料供給量設定手段と、を含んで構成したこ
とを特徴とする。 (作用・効果)前記アイドル回転速度制御手段によっ
て、最新にアイドル状態で目標回転速度にフィードバッ
ク制御したときに、燃料供給量記憶手段に記憶されてい
る要求燃料供給量の全量と、エンジン回転速度とに基づ
いて、再開燃料供給量設定手段が燃料供給停止後、再開
時の燃料供給量を設定するため、エンジンフリクショ
ン,燃料噴射ポンプの噴射量特性,使用燃料の特性等に
よって、アイドル回転速度制御時のフィードバック補正
量の分担率が変化した場合でも、燃料供給再開時にエン
ジン回転速度に応じて必要かつ十分な量の燃料が供給さ
れることとなり、過剰に燃料が供給されることなく、燃
費及び減速性能を改善できる。
【0015】また、アイドル回転速度制御時に外部負荷
の増大によって必要な燃料供給量が増大した後、燃料供
給が停止され、その後の燃料供給再開時に外部負荷が軽
減されていたような場合でも、前記燃料供給量の増大分
はフィードバック補正量の増大分で賄われ、再開時の燃
料供給量は、該増大分の全量が増大するわけではなく、
アイドル回転速度制御時に必要とされた燃料供給量の全
量に対する分担率で設定されるので、影響を小さくする
ことができる。
【0016】また、請求項3にかかる発明は、前記燃料
供給再開時の燃料供給量を、前記記憶されているフィー
ドバック制御時の燃料供給量に、エンジン回転速度の減
少に応じて増大する係数を乗じて設定することを特徴と
する。 (作用・効果)エンジン回転速度の減少に応じて増大す
る係数を、前回のアイドル回転速度制御時に必要とされ
た燃料供給量に乗じることにより、エンジン回転速度に
見合った燃料供給再開時の燃料供給量に設定することが
できる。
【0017】また、請求項4にかかる発明は、アクセル
操作量検出手段と、基本燃料供給量を、前記アクセル操
作量の増大に応じて増大すると共に、同一のアクセル操
作量ではエンジン回転速度の増大に応じて減少するよう
に設定する基本燃料供給量設定手段と、を含んで構成さ
れ、前記目標回転速度へのフィードバック制御は、前記
基本燃料供給量をフィードバック補正分で補正して実行
されるようにしたことを特徴とする (作用・効果)このように基本燃料供給量を、アクセル
操作量の増大に応じて増大すると共に、エンジン回転速
度の増大に応じて減少するように設定することにより、
フィードバック補正分による補正量を小さくして、過渡
時の応答性を良好なものとすることができる。
【0018】また、請求項5にかかる発明は、前記フィ
ードバック制御時の燃料供給量の記憶は、エンジンへ加
わる外部負荷の大小に応じて個別に記憶され、前記燃料
供給再開時には、該再開時にエンジンへ加わる外部負荷
に対応して記憶されている燃料供給量を用いて燃料供給
量を設定することを特徴とする。 (作用・効果)前記したように、アイドル回転速度制御
時の全燃料供給量に対して燃料供給再開時の燃料供給量
を設定することにより、外部負荷の変化の影響を受けに
くくなるが、外部負荷が大きいときと小さいときとで、
個別に記憶しておき、燃料供給再開時に対応する外部負
荷に応じた燃料供給量を用いて再開時の燃料供給量を設
定するようにすれば、より、精度良く燃料供給量を設定
することができる。
【0019】また、請求項6にかかる発明は、エンジン
がディーゼルエンジンであり、前記アクセル操作量検出
手段によって検出されたアクセル操作量に基づいて、燃
料噴射ポンプの燃料供給量制御部材を駆動して燃料供給
量を制御することを特徴とする。このように、ディーゼ
ルエンジンに適用することができるが、本発明はガソリ
ンエンジン等の火花点火エンジンにも適用することがで
きる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。図2は、本発明に係るディーゼルエン
ジンの燃料供給量制御装置の全体システム構成を示す。
図2において、ディーゼルエンジン1には燃焼室に燃料
噴射する燃料噴射弁2が装着され、該燃料噴射弁2に燃
料を圧送する電子制御燃料噴射ポンプ3が備えられてい
る。
【0021】前記電子制御燃料噴射ポンプ3は、前記燃
料噴射弁2からの燃料噴射量 (燃料供給量) を制御する
コントロールスリーブ (図示せず) を備え、該コントロ
ールスリーブの位置を、コントロールユニット4からの
燃料噴射量制御信号に基づいて制御することにより、燃
料噴射量が制御される。一方、車体には、アクセル操作
手段としてのアクセルペダル5と、該アクセルペダル5
と一体のユニットに装着され、該アクセルペダル5を略
開放した設定開度 (例えば5.5 °) 以下の状態でONと
なるアクセル開放検出手段としてのアクセルペダルスイ
ッチ6が設けられ、該アクセルペダルスイッチ5の信号
は、前記コントロールユニット4に入力される。
【0022】また、前記アクセルペダル5にワイヤ7を
介して連係し、アクセル操作量を検出するアクセル操作
量検出手段としてのアクセル操作量センサ8が設けら
れ、更に、該アクセル操作量センサ8と一体に、該セン
サで検出されるアクセル操作量が所定値以下のアイドル
状態でONとなるアイドル検出手段としてのアイドルス
イッチ9が設けられ、これらアクセル操作量センサ8か
らのアクセル操作量信号及びアイドルスイッチ9からの
信号も、前記コントロールユニット4に入力される。
【0023】前記コントロールユニット4は、前記セン
サ,スイッチ類の他、燃料噴射ポンプ3に装着されてエ
ンジン回転速度を検出する回転速度センサ10、その他エ
ンジン冷却水温度 (以下水温という) を検出する水温セ
ンサ11等の信号を入力する。そして、通常の部分負荷以
上の運転時は、アクセル操作量とエンジン回転速度とに
基づいてマップ等から検索した基本燃料噴射量を、水温
で補正して得られた燃料噴射量信号を前記燃料噴射ポン
プ3に出力する。
【0024】また、前記アイドルスイッチ9がONとな
るアイドル状態では、水温等に応じて設定された目標回
転速度一定となるように燃料噴射量を補正して、フィー
ドバック制御する。さらに、燃費改善と減速効果向上を
目的として、エンジン回転速度が設定回転速度 (例えば
1800rpm) 以上で、前記アクセルペダルスイッチ5が
ONである略アクセル開放状態(アイドル状態) のとき
には、燃料噴射弁2への燃料の供給を停止するようにし
ている。詳細には、アクセル開放操作後、燃料供給量を
段階的に減少させて最終的に燃料供給を停止させること
により、減速ショックを緩和するいわゆるダッシュポッ
ト制御を行っている。そして、その後燃料供給停止によ
って減速され設定回転速度(前記燃料供給停止制御開始
時の設定回転速度と同一かそれより小さく設定された回
転速度) 以下となったときから、燃料の供給が再開さ
れ、回転速度の減少に従って徐々に燃料供給量が増大さ
れ、最終的に所定の回転速度以下となった段階で前記ア
イドル回転速度制御に移行して、目標回転速度を維持す
るのに必要な燃料供給量まで増大して平衡する。
【0025】ここで、前記燃料供給再開時の燃料供給量
が、本発明に係る方式により、設定され、制御される。
前記燃料供給停止時及び燃料供給再開時の制御を、図3
のフローチャートに従って説明する。ステップ1では、
前記アイドルスイッチが9がオンのアイドル状態である
か否かを判定する。
【0026】ステップ2では、エンジン回転速度Nが燃
料供給停止する設定回転速度(例えば1800rpm ) 以上で
あるか否かを判定する。そして、設定回転速度以上と判
定されたときは、ステップ3へ進み、燃料供給を停止す
るための処理を行う。具体的には、燃料供給再開時の燃
料供給量Qは、予めエンジン回転速度に応じて設定され
ている基本燃料供給量DRVQ(図4参照) に後述のよ
うに算出される補正量QISCONを加算して設定され
る形式を採っており、前記設定回転速度以上では前記基
本燃料供給量DRVQ=0に設定されているので、補正
量QISCON=0として、燃料供給を停止する。な
お、前記したように、段階的に燃料供給量を減少させる
ダッシュポット制御としてもよい。次いで、ステップ4
へ進み、フラグFを1にリセットして、このフローを終
了する。
【0027】また、前記ステップ2でエンジン回転速度
が前記設定回転速度未満のときは、ステップ5へ進ん
で、エンジン回転速度を前記目標回転速度にフィードバ
ック制御するアイドル回転速度制御(ISC)を行うべ
き、ISC用の設定回転速度(例えば1000rp) 以下か否
かを判定する。エンジン回転速度が前記ISC用の設定
回転速度より大きいと判定されたときは、ステップ6へ
進んで、フラグFが1にセットされているか否かを判定
する。
【0028】そして、フラグFが1にセットされている
と判定されたときは、ステップ7へ進んで、前回のIS
C制御時に目標回転速度(例えば700rpm) に維持するの
に必要であった燃料供給量Qidllを、該燃料供給量を記
憶したRAMから読みだす。なお、該RAMには、前記
ISC制御毎に必要とされた燃料供給量Qidllが更新し
て記憶されるようになっている。このRAMと燃料供給
量Qidllを更新記憶する機能が、燃料供給量記憶手段を
構成する。
【0029】ステップ8では、前記燃料供給量Qidllに
乗じられる燃料供給再開時用の燃料供給量決定用の係数
αを、現在のエンジン回転速度Nに応じてROMに記憶
されたマップから検索して読み込む。ここで、αは、例
えば1700≦N<1800のときは20%、1600≦N<1700のと
きは40%、1500≦N<1600のときは60%、1400≦N<15
00のときは80%というように、エンジン回転速度の増大
に応じて段階的に係数αが増大するように設定される。
【0030】ステップ9では、前記燃料供給量Qidllに
前記係数αを乗じて、燃料供給再開時用の燃料供給量Q
を設定する。なお、演算の都合上、前記燃料供給量Qか
ら現在のエンジン回転速度に対応してマップから検索さ
れた基本燃料供給量DRVQを差し引いて補正量QIS
CONを算出しておく。また、ステップ1でアイドル状
態でないと判定された場合、ステップ6でフラグが1に
セットされていないと判定された場合は、ステップ10へ
進んでアクセル操作量とエンジン回転速度とに基づい
て、マップから基本燃料供給量DRVQを検索し、水温
補正等を行って燃料供給量Qを設定する。
【0031】また、ステップ5で、ISC制御用の設定
回転速度以下と判定された場合は、ステップ11へ進ん
で、ISC制御を実行し、クランク角センサで検出され
た実際のエンジン回転速度を目標回転速度に一致させる
ように、前記基本燃料供給量DRVQをフィードバック
補正量PiD分で補正しつつ燃料供給量Qを設定する。
かかる本発明の方式によれば、図5の中央の例及び右側
の例でも一点鎖線に示すように、燃料供給再開時の燃料
噴射量は、適正量である6の値に固定される。
【0032】また、外部負荷が変化する図6の例のよう
に、外部負荷が3増大した場合でも、図で一点鎖線に示
すように、すべての例での23×6/20≒6.9 となり、0.9
の増加に留められることが明らかである。したがって、
外部負荷の変更があっても燃料供給再開時の燃料噴射量
を特に区別しなくても、比較的良好な燃料噴射量が得ら
れ、演算が簡易で済む利点がある。
【0033】但し、外部負荷の大きさに応じて個別に前
回のアイドル回転速度制御時の燃料噴射量を記憶してお
き、燃料供給再開時に外部負荷が変化した場合、該変化
した外部負荷に対応する前回アイドル回転速度制御時の
フィードバック補正分を用いて燃料供給再開時の燃料噴
射量を設定するようにしてもよく、この場合は、可及的
に燃料噴射量の精度を高めることができる。
【0034】なお、図7は、同上の実施形態における減
速時の燃料噴射量とエンジン回転速度の変化を示す図で
あり、図示のように滑らかな減速性能を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成・機能を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態のシステム構成図。
【図3】同上実施形態の減速時の燃料噴射量設定ルーチ
ンを示すフローチャート。
【図4】同上実施形態のエンジン回転速度に対する燃料
噴射量の関係を示す図。
【図5】同上実施形態と従来例との燃料供給再開時の燃
料噴射量を比較して示す図。
【図6】同上実施形態と従来例との外部負荷変化時にお
ける燃料供給再開時の燃料噴射量を比較して示す図。
【図7】同上実施形態の減速時の燃料噴射量とエンジン
回転速度の変化を示す図。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン 2 燃料噴射弁 3 燃料噴射ポンプ 4 コントロールユニット 8 アクセル操作量センサ 9 アイドルスイッチ 10 回転速度センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定のアイドル状態でエンジン回転速度を
    目標回転速度にフィードバック制御する毎に必要な燃料
    供給量を更新記憶しておき、所定エンジン回転速度以上
    のアイドル状態で燃料供給を停止後、減速に伴って燃料
    供給を再開する時の燃料供給量を、前記記憶された燃料
    供給量とエンジン回転速度とに基づいて、エンジン回転
    速度が減少するにしたがって燃料供給量が増大するよう
    に設定するようにしたことを特徴とするエンジンの燃料
    供給制御装置。
  2. 【請求項2】所定のアイドル状態で、エンジン回転速度
    を目標回転速度とするように燃料供給量をフィードバッ
    ク制御するアイドル回転速度制御手段と、 所定のエンジン回転速度以上のアイドル状態で、エンジ
    ンへの燃料供給を停止し、その後、エンジン回転速度の
    減速に伴って、燃料の供給を再開する燃料供給停止・再
    開制御手段と、 を含んで構成されるエンジンの燃料供給制御装置におい
    て、 前記アイドル回転速度制御手段によるフィードバック制
    御を実行する毎に、目標回転速度の維持に必要とされた
    燃料供給量を記憶更新する燃料供給量記憶手段と、 前記燃料停止・再開制御手段による燃料供給再開時の燃
    料供給量を、燃料供給量記憶手段に記憶されている燃料
    供給量とエンジン回転速度とに基づいて、エンジン回転
    速度が減少するに従って燃料供給量が増大するように設
    定する再開燃料供給量設定手段と、 を含んで構成したことを特徴とするエンジンの燃料供給
    制御装置。
  3. 【請求項3】前記燃料供給再開時の燃料供給量を、前記
    記憶されているフィードバック制御時の燃料供給量に、
    エンジン回転速度の減少に応じて増大する係数を乗じて
    設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    のエンジンの燃料供給装置。
  4. 【請求項4】アクセル操作量検出手段と、 基本燃料供給量を、前記アクセル操作量の増大に応じて
    増大すると共に、同一のアクセル操作量ではエンジン回
    転速度の増大に応じて減少するように設定する基本燃料
    供給量設定手段と、 を含んで構成され、 前記目標回転速度へのフィードバック制御は、前記基本
    燃料供給量をフィードバック補正分で補正して実行され
    るようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載のエンジンの燃料供給量制御装置。
  5. 【請求項5】前記フィードバック制御時の燃料供給量の
    記憶は、エンジンへ加わる外部負荷の大小に応じて個別
    に記憶され、前記燃料供給再開時には、該再開時にエン
    ジンへ加わる外部負荷に対応して記憶されている燃料供
    給量を用いて燃料供給量を設定することを特徴とする請
    求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のエンジンの燃
    料供給量制御装置。
  6. 【請求項6】エンジンがディーゼルエンジンであり、前
    記アクセル操作量検出手段によって検出されたアクセル
    操作量に基づいて、燃料噴射ポンプの燃料供給量制御部
    材を駆動して燃料供給量を制御することを特徴とする請
    求項4又は請求項5に記載のエンジンの燃料供給量制御
    装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030037639A (ko) * 2001-11-07 2003-05-14 현대자동차주식회사 차량의 연료량 공급 제어방법

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