JPH10130703A - パラジウム粉末の製造方法 - Google Patents

パラジウム粉末の製造方法

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JPH10130703A
JPH10130703A JP28218996A JP28218996A JPH10130703A JP H10130703 A JPH10130703 A JP H10130703A JP 28218996 A JP28218996 A JP 28218996A JP 28218996 A JP28218996 A JP 28218996A JP H10130703 A JPH10130703 A JP H10130703A
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JP
Japan
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palladium
hydrazine
complex
palladium powder
powder
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JP28218996A
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English (en)
Inventor
Shiyunji Mimura
俊貳 三村
Yoshiaki Manabe
善昭 真鍋
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パラジウムの塩化物錯体を含む水溶液から、
パラジウムの塩化物錯体を湿式法で還元して、粒子が大
きく取り扱いが容易なパラジウム粉末を製造する方法を
提供する。 【解決手段】 ジクロロジアミンパラジウム錯体等のパ
ラジウムの塩化物錯体を含む塩化物溶液に、アンモニア
水を添加して、PHを8〜10に調整した後に、該溶液
にヒドラジン、抱水ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、硫酸
ヒドラジン等の還元剤を加え、パラジウムの塩化物錯体
を湿式法で還元し、従来の湿式法で得られるパラジウム
粉末よりも粒子が大きくかつ粒度分布が均一なパラジウ
ム粉末を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、パラジウムの塩
化物錯体を含む塩化物溶液より、パラジウムを湿式法で
還元しパラジウム粉末を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 パラジウムは、主に触媒や貴金属合金
の原料として利用されている。このパラジウムは、白金
鉱、イリドスミン鉱などのパラジウムを含有する原料鉱
石から精製されたり、パラジウムを使用した使用済み廃
触媒、そして銅やニッケルの電解精製で発生する電解ス
ライムから回収され精製されている。
【0003】この電解スライムからのパラジウム回収に
おいて、パラジウムはスライム中に多量に含まれる銀と
同様に挙動し、粗銀中に濃縮することが知られている。
この粗銀よりパラジウムを分離回収する方法は、まず粗
銀を電解精製により銀を精製し回収する。この粗銀の電
解精製時に発生する銀電解スライムを硝酸で溶解し、該
硝酸溶液中に溶解した銀を塩化銀として除去し、次に脱
硝し、さらにアンモニア水を加えてパラジウム以外の不
純物を水酸化物として沈殿させる。この沈殿した水酸化
物を除去した後、塩酸を加え、粗ジクロロジアミンパラ
ジウム錯体としてパラジウムを沈殿させる。
【0004】このようにして得られた粗ジクロロジアミ
ンパラジウム錯体を必要に応じてアンモニア水により溶
解し、塩酸を加えて沈殿形成を繰り返すことにより高純
度化する。さらに、上記の方法で高純度化されたジクロ
ロジアミンパラジウム錯体を水中に懸濁させ、ヒドラジ
ン等の還元剤を加えて還元し、パラジウム粉末を製造し
ていた。
【0005】このジクロロジアミンパラジウム錯体を水
中に懸濁させた溶液のPHは、通常5程度であり、この
溶液にヒドラジン等の還元剤を添加し、パラジウム粉末
を生成させても生成反応中のPHは、5〜6程度でほぼ
変化しない。しかし、反応終期において、過剰の還元剤
が溶液中に残留した場合には、PHが徐々に上昇し、8
〜9以上となる。
【0006】しかし、上記方法により得られたパラジウ
ム粉は、粒子が非常に小さいために飛散性が高く、取り
扱い性が悪いという問題があった。すなわち、ナイロン
袋等封入した場合、封入口の開閉時にパラジウム粉が飛
散するため環境衛生上好ましくないという問題があっ
た。また、ナイロン袋にパラジウム粉が付着するため、
この付着したパラジウム粉を回収するために、ナイロン
袋を焼却するなどの処理が必要であり、操作上煩雑であ
るという問題があった。
【0007】また、高純度化されたジクロロジアミンパ
ラジウム錯体を、水素雰囲気下で焙焼する製造方法も実
施されている。この方法によると、粗大なパラジウム粉
末が得られるが、焙焼時に塩化アンモニウム塩の白煙が
多量に発生し環境衛生上の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解消するパラジウム粉末の製造方法、すなわ
ち、湿式還元法により粒度の大きいパラジウム粉末を製
造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるパラジウム
粉末の製造方法は、銀電解スライムを溶解し、該溶液中
の銀を塩化銀として除去し、さらにアンモニア水を加え
てパラジウム以外の不純物を水酸化物として沈殿させ、
この沈殿した水酸化物を除去した後、塩酸を加え、粗ジ
クロロジアミンパラジウム錯体としてパラジウムを沈殿
させ、この得られた粗ジクロロジアミンパラジウム錯体
をアンモニア水により溶解し、塩酸を加えて沈殿形成を
繰り返すことにより高純度化し、この高純度化されたジ
クロロジアミンパラジウム錯体を水中に懸濁させ、還元
剤を加えて湿式で還元してパラジウム粉末を製造する方
法において、高純度化されたパラジウムの塩化物錯体を
含む塩化物溶液に、アンモニア水を添加して溶液のPH
を8〜10に調整した後、該溶液にヒドラジン、抱水ヒ
ドラジン、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジンから選択さ
れる少なくとも1種である還元剤を加えパラジウムを還
元することを特徴とするパラジウム粉末の製造方法であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】上記課題を解決するため、設備費
の安価な湿式還元法により、大きな粒子のパラジウム粉
末が得られる条件を種々検討した。その結果、該ジクロ
ロジアミンパラジウム錯体を湿式で還元する条件を該ジ
クロロジアミンパラジウム錯体にアンモニア水を添加
し、PHが8〜10になるように溶解して得た溶液に、
還元剤を加えて還元することで、上記問題点を解決する
パラジウム粉末を得ることができた。すなわち、従来よ
りも粒子サイズが大きくなりその結果、飛散性の少ない
パラジウム粉が得られることを見いだした。
【0011】通常、ジクロロジアミンパラジウム錯体か
らパラジウム粉末を得る方法は、上記したように水中に
懸濁し、ヒドラジン等の還元剤を加え還元する。この還
元されたパラジウム粉末の粒度を観察すると、0.1〜
1ミクロン程度の一次粒子が凝集した、30〜50ミク
ロンの凝集体である。また、苛性ソーダでPHを上昇さ
せて還元しても同様の粒子サイズのパラジウム粉末しか
得られず、アンモニア水に溶解した場合のみ粒子の大き
なパラジウム粉が得られることが分かった。
【0012】この理由は、明らかではないが、通常生成
する粒子の大きさは、還元反応時の核の発生量と発生し
た粒子の成長の速度で決定される。よって、本発明によ
る方法で得られるジクロロジアミンパラジウム錯体をア
ンモニア水に溶解した錯体は、非常に安定であり、した
がって還元時の核の発生量が抑制される一方成長の度合
いが大きくなるものと推定される。
【0013】アンモニア水で調整する溶液のPHを8〜
10にするのは、PH8以下では、ジクロロジアミンパ
ラジウム錯体がアンモニア水に十分溶解しないためであ
り、PH10以上では、アンモニア水が多量に必要であ
り、また、臭気が強く環境衛生上好ましくないことによ
る。
【0014】還元する温度は、低いと反応が十分進みに
くく、逆に高いとヒドラジン等の還元剤添加時に反応が
激しく危険である。よって、温度範囲は、20〜80℃
程度が好ましくは、40〜70℃程度がさらに好まし
い。用いる還元剤には、ヒドラジン、抱水ヒドラジン、
塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン等いずれでも使用する
ことができる。
【0015】
【実施例】
(実施例1) アンモニア水で精製したジクロロジアミ
ンパラジウム錯体(以下パラジウムケーキ)WET30
0gをスラリー濃度が750g/リットルになるように
純水で懸濁させた。この溶液にアンモこア水を添加し、
PHを8.0、9.5、10.0とし、パラジウムケー
キを溶解させ、溶解液の温度を55℃に調整した。抱水
ヒドラジンをパラジウムを還元するのに必要な量の1.
2倍添加して1時間攪拌し、濾過して得られたパラジウ
ム粉末を乾燥し粒子サイズを電子顕微鏡で観察するとと
もに、ナイロン袋に入れ付着の程度を調べた。
【0016】粒子サイズはいずれも1〜2ミクロン程度
のー次粒子が凝集し50〜100ミクロンの凝集体とな
っていた。また、ナイロン袋への付着がなく取り扱い性
の良いものであった。
【0017】(実施例2) パラジウムケーキWet5
0Kgを容量500リットルのFRP製タンクに装入し
温度50℃の純水を150リットル添加し、さらに、2
4%のアンモニア水を21Kg添加してパラジウムケー
キを溶解した。溶液のPHを測定したところ9.5であ
った。次に、溶液のパラジウム濃度が0.01g/リッ
トル以下になるまで60%抱水ヒドラジンを添加し、パ
ラジウムをパラジウム粉末として回収した。
【0018】回収したパラジウム粉末は、飛散性が少な
く実施例1と同様にナイロン袋等への付着も見られず取
り扱い性の良いものであった。
【0019】得られたパラジウム粉末の粒子サイズを表
1に示す。表1に示すとおり、50ミクロン以下の微粒
子が少なく50ミクロン以上の粒子が全体の89.4%
を占めている。また、50〜100ミクロンの粒子が全
体の88.4%を占め粒子径が大きく、かつ粒子径の均
一なパラジウム粉末を得ることができた。
【0020】
【表1】 (比較例) パラジウムケーキWet50Kgを容量5
00リットルのFRP製タンクに装入し温度50℃の純
水を150リットル添加してパラジウムケーキをスラリ
ーとした。このスラリーのPHを測定したところ約5で
あった。次に、溶液のパラジウム濃度が0.01g/リ
ットル以下になるまで60%抱水ヒドラジンを添加し、
パラジウムをパラジウム粉末として回収した。
【0021】この回収したパラジウム粉末は、乾燥させ
てナイロン袋に封入する等のハンドリング時に粉末の飛
散があり、取り扱い性が悪いものであった。同様に得ら
れたパラジウム粉末の粒度分布を表2に示すが50ミク
ロン以下の小さな粒子が26.3%も存在した。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明によるパラジウム粉末の製造方法
によれば、従来の方法に比較して粒度が大きく、取り扱
いの容易なパラジウム粉末が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウムの塩化物錯体を含む塩化物
    溶液に、アンモニア水を添加して溶液のPHを8〜10
    に調整した後、該溶液に還元剤を加えパラジウムの塩化
    物錯体を湿式で還元し、パラジウム粉末を得ることを特
    徴とするパラジウム粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 パラジウムの塩化物錯体が、ジクロロ
    ジアミンパラジウム錯体である請求項1記載のパラジウ
    ム粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 還元剤が、ヒドラジン、抱水ヒドラジ
    ン、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジンから選択される少
    なくとも1種である請求項1または2記載のパラジウム
    粉末の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10249521A1 (de) * 2002-10-23 2004-05-19 W. C. Heraeus Gmbh & Co. Kg Verfahren zur Herstellung von zumindest nahezu palladiumoxidfreiem Palladium, insbesondere Palladiumschwamm
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CN112809015A (zh) * 2020-12-29 2021-05-18 有研亿金新材料有限公司 一种低松装密度微米钯粉的制备方法
CN114164347A (zh) * 2021-11-24 2022-03-11 核工业北京化工冶金研究院 一种大比重海绵钯的制备方法

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