JP3255736B2 - 塩化鉄系廃液の処理方法 - Google Patents

塩化鉄系廃液の処理方法

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JP3255736B2 JP30481592A JP30481592A JP3255736B2 JP 3255736 B2 JP3255736 B2 JP 3255736B2 JP 30481592 A JP30481592 A JP 30481592A JP 30481592 A JP30481592 A JP 30481592A JP 3255736 B2 JP3255736 B2 JP 3255736B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化鉄系廃液の処理方
法に係り、更に詳しくは、塩化銅または塩化銅・ニッケ
ルなどを含有する強酸廃液中に鉄粉を添加して、連続工
程で廃液を浄液再生すると共に有価金属を回収する塩化
鉄系廃液の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばIC、LSI用のリードフレーム
は、ホトエッチングにより加工される場合がある。その
際に使用されるエッチング液には、通常、純度の高い塩
化第二鉄が含有されている。ところで、使用後のエッチ
ング液は、液中にリードフレームの成分が溶出すると共
に、液中の塩化第二鉄の濃度が低下してエッチング効率
が悪くなるため、一定時間毎にエッチング液の交換が行
われている。しかし、このエッチング廃液中には、高濃
度の鉄イオンの他に、貴重な銅イオンやニッケルイオン
が相当量含有されている。そこで、特開平1−1672
35号公報に記載されたもののように、エッチング廃液
中に鉄屑を添加して廃液中のPHを調整し、銅およびニ
ッケルを回収すると共に、エッチング液は再使用すると
いう方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の塩化鉄系廃液の処理方法では、回収される銅やニッ
ケルの品位は低く、有価金属といえども商品価値が低
い。また、旧来より回収金属の品位を高める手段とし
て、特開昭51−120902号公報に記載された含金
属含炭素粉状体の処理方法のように、有価金属を含有す
る粉状体をスラリーとし、これを湿式分級してから浮遊
選鉱する方法が知られているが、物理的に選鉱している
ので分離しようとする不純物の比重が大きい場合には、
浮遊選鉱処理を行うことは困難である。本発明はこのよ
うな事情に鑑みてなされたもので、廃液の浄液再生と同
時に高品位の有価金属を回収できる塩化鉄系廃液の処理
方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う塩化鉄系
廃液の処理方法は、銅、ニッケル及び少量のクロムを含
有する塩化鉄系の強酸廃液中に鉄粉を添加して、残存塩
化第2鉄を塩化第1鉄に還元させることにより溶存塩化
銅を置換析出させ、こうして脱銅された液中に鉄粉及び
前記塩化鉄系廃液を前記脱銅液に対して10〜30%の
割合で混入し、得られた混合廃液のPHを1.3〜2.
5に調整し、かつ鉄イオン濃度を280g/リットル以
下に制御して水酸化第2鉄を生成し、該水酸化第2鉄に
前記混合廃液の懸濁性不純物を吸着・包括させ、更に凝
集剤溶液を添加してある程度大きな分離し易い凝集フロ
ックを形成させ、それから該凝集フロックを分離除去す
る構成としている。前記塩化鉄系の強酸廃液としては、
例えば塩化第二鉄を主成分とするエッチング廃液または
エッチング廃液と塩酸酸洗廃液などが挙げられる。
【0005】また、前記鉄粉としては、例えば球状転炉
精製鉄粉などが使用でき、その大きさは44〜250μ
m、特に44〜150μmが好ましい。44μm未満で
は比表面積が大き過ぎて反応が急激に起こるため、PH
コントロール不能(急上昇)となり、250μmを超え
ると球状鉄粉の比表面積が小さくなり、反応活性面積が
少ないため反応が不充分になる。更に、前記鉄粉が添加
された強酸廃液中の鉄イオン濃度は、280g/リット
ル以下、特に240〜270g/リットルが好ましく、
240g/リットル未満では薄過ぎてエッチング向け製
品として適合せず、280g/リットルを超えると鉄イ
オン濃度が高過ぎてニッケルの置換反応が抑制される。
【0006】更にまた、前記鉄粉が添加された強酸廃液
の酸化還元電位は、−520〜−400mV、特に−4
60〜−430mVが好ましく、−520mV未満では
鉄粉添加量が過剰となり、攪拌機に負荷がかかり操業不
可能となり、−400mVを超えるとニッケルの置換反
応(セメンテーション)の進行が遅くなる。また、前記
鉄粉が添加された強酸廃液のPHの値は、1.3〜2.
5、特に1.5〜1.7が好ましく、PH1.3未満で
は低PH領域においてクロムの加水分解が起こり難くて
水酸化物の発生量が少なくなるため、水酸化クロムと水
酸化第2鉄との共沈が起こらず、PH2.5を超えると
水酸化物の発生量が多くなり過ぎて、鉄粉消費量が増大
するし、次工程で使用される固液分離機への負荷が大と
なる。更に、水酸化物が鉄粉の周囲にまとわり付き、溶
液と鉄粉の接触を阻害するため反応不良(特に、ニッケ
ルセメンテーションの反応不良)が起きる。
【0007】更に、廃液中の前記水酸化第2鉄の生成量
は、13〜30g/リットル、特に15〜20g/リッ
トルが好ましく、13g/リットル未満では水酸化クロ
ムを共沈させるのに不十分だし、懸濁性不純物(C、S
iO2 などの不溶性個体(SS))を包括するのに不十
分である。また、30g/リットルを超えると水酸化物
が鉄粉の周囲にまとわり付き、溶液と鉄粉の接触を阻害
するため、反応不良(特に、ニッケルセメンテーショ
ン)となる。更に、水酸化物が多過ぎて、次工程の固液
分離工程での分離が不良となり、製品液中のSSが増加
する。更にまた、前記懸濁性不純物としては、例えばエ
ッチング廃液の場合、カーボン、二酸化ケイ素などが挙
げられる。
【0008】
【作用】本発明に係る塩化鉄系廃液の処理方法において
は、銅、ニッケル及び少量のクロムを含有する塩化鉄系
の強酸廃液中に鉄粉を添加して、残存塩化第2鉄を塩化
第1鉄に還元し、溶存塩化銅を置換析出させる。つい
で、この脱銅された液中に鉄粉及び塩化鉄系廃液を脱銅
液に対して10〜30%の割合で混入し、得られた混合
廃液のPHを1.3〜2.5に調整し、かつ鉄イオン濃
度を280g/リットル以下に制御することにより水酸
化第2鉄を生成する。そののち、この水酸化第2鉄に前
記混合廃液中の懸濁性不純物を吸着・包括させ、更に凝
集剤を添加することによりある程度大きな分離し易い凝
集フロックを形成させ、それからこの凝集フロックを例
えば固液分離機により分離除去する。
【0009】
【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明
を具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供す
る。ここに、図1は本発明の一実施例に係る塩化鉄系廃
液の処理方法を示す全体工程図である。
【0010】本発明の塩化鉄系廃液の処理方法は、塩化
鉄系の強酸廃液の脱銅工程、脱ニッケル工程、懸濁性不
純物(SS)除去工程からなる。まず、塩化鉄系の強酸
廃液の一種であるエッチング廃液10が貯留された10
0m3 の廃液タンク11から、脱銅反応槽12内にスラ
リーポンプ13により0.9〜1.3m3 /Hrで廃液
10を供給する。なお、この脱銅反応槽12内には必要
に応じて希釈水が補充される。この廃液10中には、主
成分の塩化第二鉄の他に、エッチング過程で銅あるいは
ニッケルあるいはクロム等の金属が溶解してイオン化
し、3価の鉄イオンが還元された2価の鉄イオンが混入
されている。
【0011】次いで、2m3 のOGPホッパーフィーダ
14から脱銅反応槽12内に鉄粉の一種である粒径1m
m以下(250〜44μm:90〜100%、150〜
74μm:50〜70%)の球状転炉精製鉄粉15(以
下、OGP鉄粉という)を投下しながら、攪拌装置16
により攪拌する。このとき、廃液10中の鉄イオン濃度
が280g/リットル以下、酸化還元電位(ORP)が
−300〜−100mV、PHが0.5〜1.5になる
ように、OGP鉄粉15の添加量を調整する。これによ
って、以下の反応が起こり銅粉が析出される。 2FeCl3 +Fe → 3FeCl2 (1) CuCl2 +Fe → FeCl2 +Cu↓ (2) 2HCl +Fe → FeCl2 +H2 ↑ (3) なお、OGP鉄粉15は、処理される含有Fe3+、Cu
2+、HCl分と略当量分だけ、固体流量70〜120kg
/Hrで廃液中に投入される。また、廃液10の温度は
自己の反応熱により70〜100℃まで上昇するので反
応が積極的に起こり、銅がOGP鉄粉15の表面に析出
する。
【0012】脱銅反応槽12からオーバーフローした廃
液10とOGP鉄粉15との混合液10aは、一旦コー
ンタンク17内に貯留されたのち、スラリーポンプ18
により汲み上げられ、上部の湿式サイクロン19、更に
サイクロン20と供給される。この湿式サイクロン19
は、濃縮(粗粒分級)条件に設定されているので、未反
応のOGP鉄粉15、反応生成された銅粒が付着したO
GP鉄粉15および大きく成長した銅粒は分離され、脱
銅反応槽12内に戻される。ここでの固体流量は120
〜150kg/Hrで、銅が80%以上を占め、残りは鉄
数%と、微量のカーボン、二酸化ケイ素などの懸濁性不
純物(以下、SSという場合がある)であり、その粒径
は60〜150μmである。
【0013】次いで、湿式サイクロン19により捕獲で
きずに残存した中粒粉や微粒固体は、更にコーンタンク
21およびスラリーポンプ22を介して次の湿式サイク
ロン20に送られる。この湿式サイクロン20は、捕集
粒径が20μm以上の捕集(細粒分級)条件に設定され
ているので、中粒の未反応のOGP鉄粉15、反応生成
された銅粒が付着したOGP鉄粉15および中粒に成長
した銅粒は分離され、脱銅反応槽12内に戻される。こ
こでの固体流量は10〜40kg/Hrであり、銅70%
以上を占め、残りは鉄数%と微量のSSであり、粒径は
20〜80μmである。なお、銅粒が付着したOGP鉄
粉15および成長した銅粒は、再び脱銅反応槽12内に
戻されるので、前記反応式(1)、(2)、(3)の反
応が促進され、連続的に6時間以上(通常は10時間程
度)この脱銅処理を継続することにより、ほぼ完全にO
GP鉄粉15が無くなって粒の大きな銅が生成される。
【0014】そののち、図1破線に示すように、生成さ
れた銅は液切り用エーキンス23により液切れされ、次
いで洗浄用エーキンス24により浄水をシャワーリング
して洗浄され、回収ボックス25内に回収される。この
回収された銅粒26は乾燥されて製品化される。回収さ
れた銅粒26は、80〜95%の品位(純度)を有して
いる。
【0015】次に、脱銅処理された5〜19μmの微粒
固形物を含む混合廃液10bは、12m3 の脱ニッケル
反応槽27内に送られる。ここでの固体流量は6〜10
kg/Hrであり、銅30〜70%、鉄15%以下、SS
数%である。この脱ニッケル反応槽27には攪拌装置2
8が設けられており、しかも蒸気配管が施されて液温を
70〜100℃に保つようになっている。
【0016】前記脱ニッケル反応槽27内には、廃液タ
ンク11内の少量のエッチング廃液(廃液中の3価の鉄
イオンが有用なので塩化第2鉄新液でもよい)10と、
2m3 のOGPホッパーフィーダ29内の転炉から回収
されたOGP鉄粉15とが投入されて混合廃液10cが
できる。この際、槽内の液温を40℃以上(70〜10
0℃)に保ちながら、混合廃液10cのORPが−52
0〜−400mV、PHが1.3〜2.5および鉄イオ
ン濃度が280g/リットル以下になるようにエッチン
グ廃液10およびOGP鉄粉15の添加量を調整してニ
ッケルを析出させる。 NiCl2 +Fe → FeCl2 +Ni↓ (4) このとき、OGP鉄粉15は初期からベット材として過
剰の量(処理する含有Ni分の数十倍当量)添加してお
いて、連続処理時には、更に脱銅された混合廃液10b
中のNi分および少量のエッチング廃液10中に含有さ
れているFe3+、Cu2+、HCl、Ni分の1.5〜数
倍のOGP鉄粉15を添加する。このときの固体流量
は、通常、60〜120kg/Hrであり、最大300kg
/Hrである。
【0017】この場合、前記OGP鉄粉15の鉄粉表面
にはニッケル被膜が析出されるが、未反応部分の鉄粉表
面は、後述の水酸化物の付着や、水酸化物発生時に生成
される塩酸が更に鉄粉と反応した時に発生する水素ガス
の付着などにより不動態化してしまい、これが反応の進
行を妨げる。そこで、少量の3価の鉄イオンを混入し
て、この部分を化成処理して活性化させ、円滑な反応を
促進させる。なお、エッチング廃液10に代えて少量の
塩酸を添加することも考えられるが、塩酸がOGP鉄粉
15と反応した時に発生する水素ガスの付着により同様
に鉄粉表面は不動態化してしまう。
【0018】また、廃液中にクロムイオンが含有されて
いる場合で、その含有量が2g/リットル以下の少量の
場合には、脱ニッケル反応槽27内において前述した条
件(PHは2以下でも可)でもって、ニッケルの析出と
同時に次の反応式によりクロムイオンを水酸化物として
生成できる。なお、この水酸化クロムの生成は、後述の
水酸化第2鉄の生成により助長される。 CrCl3 +3H2 O → Cr(OH)3 +3HCl (5) CrCl3 +2H2 O → CrOOH +3HCl (6) 2HCl +Fe → FeCl2 +H2 ↑ (7)
【0019】次に、脱ニッケル反応槽27内に、少量の
3価の鉄イオンを混入させた場合の反応は、PHが1.
3〜2.5の条件下では次のようになる。 PH=1.3の場合の反応率 (8)70%;(9)、
(10)30% PH=2.0の場合の反応率 (8)50%;(9)、
(10)50% PH=2.5の場合の反応率 (8)40%;(9)、
(10)60% 2FeCl3 +Fe → 3FeCl2 (8) FeCl3 +3H2 O → Fe(OH)3 +3HCl (9) 2HCl +Fe → FeCl2 +H2 ↑ (10) つまり、PHが2.0の場合には、3価のFeイオンの
うち、約半分は不動態化されたOGP鉄粉15の鉄粉表
面との化成反応で活性化させ、ニッケル析出反応を促進
させる。一方、3価のFeイオンの残り半分は、水酸化
第2鉄の澱物を形成する。この澱物が少量(適当量)生
成されることにより、SSを吸着・包括し、あるいは水
酸化クロムを共沈させて捕獲する凝集剤効果が得られ
る。
【0020】脱ニッケル反応槽27のオーバーフローし
た混合廃液10cは、コーンタンク30内に一旦貯留さ
れ、スラリーポンプ31により汲み上げられ、湿式サイ
クロン32、更に湿式サイクロン33へと送られる。こ
の際、脱銅工程と同様に、この湿式サイクロン32は凝
縮(粗粒分級)条件に設定されているので、未反応のO
GP鉄粉15、反応生成されたニッケル粒が付着したO
GP鉄粉15は分離され、脱ニッケル反応槽27内に戻
される。ここでの固体流量は、通常、40〜90kg/H
rで、鉄分が半分を占め、残りはニッケルと銅および微
量のSSであり、粒径は60〜150μmである。
【0021】次に、湿式サイクロン32により捕獲でき
ずに残存した中粒粉と微粒固体は、コーンタンク34、
スラリーポンプ35を介して2段目の湿式サイクロン3
3に送られる。湿式サイクロン33は捕集(細粒分級)
条件に設定されており、捕集粒径が20μm以上として
いるので、中粒の未反応のOGP鉄粉15、反応生成さ
れたニッケル粒が付着したOGP鉄粉15は分離され、
脱ニッケル反応槽27の下部内に戻される。ここでの固
体流量は、5〜15kg/Hrであり、鉄分が半分で、残
りはニッケルと銅および微量のSSであり、粒径は10
〜60μmである。
【0022】このとき、未反応のOGP鉄粉15および
ニッケル粒が付着したOGP鉄粉15は、再度脱ニッケ
ル反応槽21内に戻されるので、(4)〜(10)の反
応が促進され、連続的に12時間以上(24時間程度)
この処理工程を継続することにより、ニッケル品位が向
上する。なお、この脱ニッケル工程では、攪拌装置28
あるいは湿式サイクロン32、33を使用したリサイク
ルによる機械的な剥離および磨鉱という現象は生じてい
ない。
【0023】以上の工程を24時間程度行ったのち、廃
液の連続給液を停止し、脱ニッケル反応槽27の下部の
排出口から混合廃液10cと一緒にニッケル鉄粉を取り
出して、液切り用エーキンス(分級機)36に送り、そ
の上澄み液は一旦コーンタンク37に貯留してからスラ
リーポンプ38により脱ニッケル反応槽27内に戻し、
一方液切りされたニッケル鉄粉は次の洗浄用エーキンス
39に送られる。ここで、浄水のシャワーリングにより
洗浄されて水切りされ、ニッケル鉄粉40(湿粉)が回
収ボックス41内に回収される。そののち、湿ったニッ
ケル鉄粉40は乾燥されて製品化される。得られたニッ
ケル鉄粉40は、10〜20%の品位を有している。な
お、洗浄用エーキンス39の上澄み液はコーンタンク4
2に一旦貯留されたのち、ポンプ43により図外の洗浄
タンクへ戻される。
【0024】次いで、サイクロン33からオーバーフロ
ーした不溶固形物のSSと水酸化物(主に水酸化第2
鉄)の5〜19μmの微粒固形物を含む混合溶液10d
は、凝集剤が添加される高速攪拌槽44と低速攪拌槽4
5に順次送られる。各攪拌槽44、45には攪拌装置4
6、47が設けられており、この高速攪拌槽44内に
は、攪拌装置48によって攪拌された凝集剤溶解槽49
中の凝集剤溶液50がポンプ51により添加される。こ
こでの固体流量は、30〜50kg/Hrで、その大部分
が水酸化第2鉄澱物であり、残りはニッケル、銅、M−
Feが数%、SSが数%である。
【0025】ところで、湿式サイクロン33のオーバー
フローした混合廃液10dの液中には、水酸化澱物およ
びその中に吸着・包括されたSSと微粒状態の微量のニ
ッケル粒、銅粒、鉄粒とを含んでいる。この混合廃液1
0dを高速攪拌槽44に送り、凝集剤溶解槽49から凝
集剤溶液50(濃度1,000mg/リットル)を添加
して、まず混合廃液10dの液全体に凝集剤溶液50を
拡散させ、次に低速攪拌槽45によりじっくりと凝集フ
ロックを形成させる。この凝集フロックは形状が細かす
ぎると固液分離能が低下するので、ある程度大きな分離
し易い凝集フロックとする。次に、この凝集フロックを
含有する脱ニッケルされた混合廃液10e中の懸濁性不
純物を除去する懸濁性不純物除去工程を説明する。
【0026】前記脱ニッケルされた混合廃液10eは2
分されて、モータ52により駆動される一対の固液分離
機(デカンタ)53に均等に供給される。ここで、混合
廃液10eは例えばカーボンや二酸化ケイ素などからな
る懸濁性不純物を吸着・包括した水酸化澱物54(以
下、SS澱物という)と上澄み液10fに分離され、固
体側のSS澱物54は回収ボックス55に回収される。
このようにして、エッチング廃液10中の懸濁性不純物
である例えばカーボンや二酸化ケイ素などを吸着・包括
したSS澱物54を効果的に回収することができる。さ
て、分離された上澄み液のPHは2程度であるため、そ
のままでは水酸化物が発生する虞れがあるため、PHを
1以下にする必要がある。このため、上澄み液10fは
一旦クッションタンク56内に貯留し、塩酸タンク57
からポンプ58により若干量の塩酸59を添加してPH
の調整を行ったのち、ポンプ60により100m3 の製
品タンク61内に貯留させる。なお、製品タンク61内
の製品液62は、ポンプ63により取り出されて再使用
される。
【0027】本発明は前記実施例に限定されるのもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更があっ
ても本発明に含まれる。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る塩化鉄系廃液の処理方法
は、ニッケルを含有する強酸廃液中に鉄粉を添加して、
この塩化鉄系廃液中の銅およびニッケルなどの有価金属
を高品位で回収できる。しかも、この鉄粉が添加された
強酸廃液のPHを1.3〜2.5に調整することにより
水酸化第2鉄を生成し、この水酸化第2鉄に強酸廃液中
のカーボンや二酸化ケイ素などの懸濁性不純物を吸着・
包括させて分離除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る塩化鉄系廃液の処理方
法の全体工程図である。
【符号の説明】
10 エッチング廃液 10a 混合廃液 10b 混合廃液 10c 混合廃液 10d 混合廃液 10e 混合廃液 10f 上澄み液 11 廃液タンク 12 脱銅反応槽 13 スラリーポンプ 14 OGPホッパーフィーダ 15 OGP鉄粉 16 攪拌装置 17 コーンタンク 18 スラリーポンプ 19 湿式サイクロン 20 湿式サイクロン 21 コーンタンク 22 スラリーポンプ 23 液切り用エーキンス 24 洗浄用エーキンス 25 回収ボックス 26 銅粒 27 脱ニッケル反応槽 28 攪拌装置 29 OGPホッパーフィーダ 30 コーンタンク 31 スラリーポンプ 32 湿式サイクロン 33 湿式サイクロン 34 コーンタンク 35 スラリーポンプ 36 液切り用エーキンス 37 コーンタンク 38 スラリーポンプ 39 洗浄用エーキンス 40 ニッケル鉄粉 41 回収ボックス 42 コーンタンク 43 ポンプ 44 高速攪拌槽 45 低速攪拌槽 46 攪拌装置 47 攪拌装置 48 攪拌装置 49 凝集剤溶解槽 50 凝集剤溶液 51 ポンプ 52 モータ 53 固液分離機 54 水酸化澱物 55 回収ボックス 56 クッションタンク 57 塩酸タンク 58 ポンプ 59 塩酸 60 ポンプ 61 製品タンク 62 製品液 63 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 英二 福岡県北九州市八幡東区大谷1丁目3番 1号 株式会社アステック入江内 (56)参考文献 特開 平2−229724(JP,A) 特開 昭59−121123(JP,A) 特開 昭55−85427(JP,A) 特開 昭62−191428(JP,A) 特開 平3−79779(JP,A) 特開 昭54−92594(JP,A) 特開 平1−167235(JP,A) 特開 平6−128760(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 25/00 - 57/00 WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅、ニッケル及び少量のクロムを含有す
    る塩化鉄系の強酸廃液中に鉄粉を添加して、残存塩化第
    2鉄を塩化第1鉄に還元させることにより溶存塩化銅を
    置換析出させ、こうして脱銅された液中に鉄粉及び前記
    塩化鉄系廃液を前記脱銅液に対して10〜30%の割合
    で混入し、得られた混合廃液のPHを1.3〜2.5に
    調整し、かつ鉄イオン濃度を280g/リットル以下に
    制御して水酸化第2鉄を生成し、該水酸化第2鉄に前記
    混合廃液の懸濁性不純物を吸着・包括させ、更に凝集剤
    溶液を添加してある程度大きな分離し易い凝集フロック
    を形成させ、それから該凝集フロックを分離除去するこ
    とを特徴とする塩化鉄系廃液の処理方法。
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