JP6435920B2 - パラジウムの回収方法 - Google Patents
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Description
2.アンモニア添加工程
2−1.粗パラジウム
2−2.混合溶液の作製
2−3.固液分離
3.塩素源添加工程
4.パラジウムの製品化工程
本実施の形態に係るパラジウムの回収方法(以下、単に「パラジウムの回収方法」という。)は、パラジウムとルテニウムとを含む粗パラジウムを溶解し、ルテニウムを水酸化物として沈澱除去した後に、塩素源を添加して得られたパラジウムを塩化物として回収する方法である。
アンモニア添加工程S11では、図1に示すように、粗パラジウムとアンモニアと鉄源とを混合して得られた混合溶液から、パラジウムを含有する溶解液と、ルテニウム及び鉄を含有する沈澱物とを固液分離する。
アンモニア添加工程S11では、パラジウム及びルテニウムを含む粗パラジウムを原料として処理することができる。粗パラジウムの性状は、液体でも固体でもよい。液体状の粗パラジウムとしては、固体の白金族原料を塩素の水溶液又は王水で浸出して得られる液や、特許文献1に記載のパラジウム精製液を使用することができる。一方、固体の粗パラジウムとしては、反応物同士が接触しやすく分離しやすいように、固体の白金族原料を予め粉砕や酸化焙焼をしたものを用いてもよい。
アンモニア添加工程S11では、まず、パラジウム、アンモニア、ルテニウム、鉄を反応させて混合溶液(懸濁液)を得る。
Mm+ + mOH− ⇒ M(OH)m
(但し、MはRu又はFeである。) …… (2)
[Pd(Cl)4]2− + 4NH3
⇒ [Pd(NH3)4]2+ + 4Cl− …… (3)
PdO + 4NH3 + H2O
⇒ [Pd(NH3)4]2+ + 2OH− …… (4)
(NH4)2[PdCl4] + 4NH3
⇒ [Pd(NH3)4]2+ + 2NH4 + + 4Cl− …… (5)
アンモニア添加工程S11では、混合溶液のpHが9〜10となるように、アンモニアの添加量を制御することが好ましい。アンモニア添加工程S11では、アンモニアの添加量を制御することで、反応式1〜反応式5における反応を、効率的に進められるからである。
アンモニア添加工程S11における鉄源は、水酸化物となりルテニウムを共沈させる役割を担う。そして、共沈した水酸化物は、濾過によって取り除くことができる。
アンモニア添加工程S11では、次に、得られた混合溶液を固液分離により溶解液と沈澱物とに分離する。その後、次工程の塩素源添加工程S12において、得られた溶解液を塩素源で処理する。アンモニア添加工程S11では、混合溶液中に生じた沈澱物の大きさに応じて固液分離方法を選択すればよく、例えば目開き1μm〜2μmの濾布で濾過する方法が、濾過速度と分離効率のバランスに優れており経済的である。
塩素源添加工程S12では、図1に示すように、アンモニア添加工程S11において、混合溶液から固液分離して得られた溶解液に塩素源を添加し、パラジウムを含有する沈澱物と上澄液とを得る。
⇒ (NH4)2[PdCl4]↓ + 2NH3 …… (6)
[Pd(NH3)4]2+ + 2Cl−
⇒ [Pd(NH3)2Cl2]↓ + 2NH3 …… (7)
パラジウムの製品化工程では、塩素源添加工程S12において得られた沈澱物から、公知の方法により精製パラジウムを得ることができ、パラジウム製品として提供することができる。なお、パラジウム製品化工程では、アンモニア添加工程S11で得られた溶解液中の不純物量によっては、塩素源添加工程S12において得られた沈澱物にかえて、アンモニア添加工程S11において得られた溶解液を使用して、パラジウム製品を作製することが可能な場合もある。
実施例1では、図2に示した工程図に沿って精製パラジウムを作製した。まず、実施例1では、塩酸にパラジウムとルテニウムを含む澱物(パラジウム原料)を投入し、更に過酸化水素を添加して溶解し、未溶解物(浸出残渣)を濾別して浸出液を得た。
実施例2〜実施例5では、アンモニア水を添加した浸出液に添加する鉄液において、鉄液中の鉄量をそれぞれ52mg、104mg、208mg、312mgとした以外は実施例1と同様にして金属塊を製造し、得られた金属塊をICP発光分光分析装置で分析した。実施例2〜実施例5では、実施例1と同様にして、浸出液の処理方法及び金属塊の分析結果を表1に示した。
実施例6では、パラジウムの2.05×10−4倍の質量のルテニウムを含む塩化ジアンミンパラジウム40kgを、容量500リットルのFRP槽に投入した。続いて、このFRP槽に、水を150リットル入れ、撹拌しスラリー化した。次に、このFRP槽に25%アンモニア水を60リットル添加し溶解した。こうして得られた溶解後の液をICP質量分析装置で分析したところ、ルテニウム濃度は4.0mg/Lであった。
比較例1では、図3に示した工程図に沿ってパラジウム塊を作製した。比較例1では、アンモニア水を添加した浸出液を、鉄液を添加せずに、濾過して溶解液を得た以外は実施例1と同様にして金属塊(パラジウム塊)を製造し、得られた金属塊をICP発光分光分析装置で分析した。比較例1では、実施例1と同様にして、浸出液の処理方法及び金属塊の分析結果を表1に示した。
比較例2では、比較例1の溶解液に塩酸を添加して得られた沈澱物を、当該沈澱物の2倍の質量の水に投入してスラリーを得た。比較例2では、得られたスラリーに25%アンモニア水を添加して、そのpHを10とし、濾過して濾液(溶解液)を得た。
比較例3では、比較例2の溶解液に塩酸を添加して得られた沈澱物を、当該沈澱物の2倍の質量の水に投入してスラリーを得た。比較例3では、得られたスラリーに25%アンモニア水を添加して、そのpHを10とし、濾過して濾液(溶解液)を得た。
比較例4では、比較例3の溶解液に塩酸を添加して得られた沈澱物を、当該沈澱物の2倍の質量の水に投入してスラリーを得た。比較例4では、得られたスラリーに25%アンモニア水を添加して、そのpHを10とし、濾過して濾液(溶解液)を得た。
実施例1〜実施例6の結果より、表1に示した通り、浸出液に所定量の鉄を添加することにより、パラジウム、アンモニア、水、鉄、ルテニウムを含む混合溶液が得られ、ルテニウムと鉄は混合溶液中で共沈するので、得られた精製パラジウム1kgに対してルテニウムの含有量を20mg未満に低減できることが確認できた。
Claims (5)
- パラジウム及びルテニウムを含む粗パラジウムが溶解した混合溶液を作製し、該混合溶液中の該ルテニウムを水酸化物として沈澱除去した後に、塩素源を添加して該パラジウムを塩化物として沈澱回収するパラジウムの回収方法であって、
上記混合溶液は、上記粗パラジウムの他にアンモニア及び鉄源を溶解して作製されることを特徴とするパラジウムの回収方法。 - 前記混合溶液は、前記鉄源中の鉄のモル量が、前記粗パラジウム中のルテニウムのモル量の2000倍以上となるように、前記鉄源を供給して得られることを特徴とする請求項1に記載のパラジウムの回収方法。
- 前記塩素源は、塩酸であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパラジウムの回収方法。
- 前記鉄源は、3価の鉄イオンを含むことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のパラジウムの回収方法。
- 前記鉄源は、硫酸第二鉄又は塩化第二鉄を含むことを特徴とする請求項4に記載のパラジウムの回収方法。
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JP2015037948A JP6435920B2 (ja) | 2015-02-27 | 2015-02-27 | パラジウムの回収方法 |
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