JPH10130653A - コークス用原料炭の事前処理方法及びコークスの製造方法 - Google Patents

コークス用原料炭の事前処理方法及びコークスの製造方法

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JPH10130653A
JPH10130653A JP24427797A JP24427797A JPH10130653A JP H10130653 A JPH10130653 A JP H10130653A JP 24427797 A JP24427797 A JP 24427797A JP 24427797 A JP24427797 A JP 24427797A JP H10130653 A JPH10130653 A JP H10130653A
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coal
coke
pulverized
coking
caking
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JP24427797A
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Yukihiko Maeno
幸彦 前野
Atsushi Kumagai
淳 熊谷
Takeshi Mizushima
彪 水島
Noboru Kamata
昇 鎌田
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装炭時の発塵とキャリーオーバー防止を図
り、かつ粘結性の低い石炭を良質粘結炭とともに多量に
使用することを実用上可能にするコークス製造用原料炭
の事前処理方法を提供すること。 【解決手段】 非微粘結炭を少なくとも一部含むように
配合した原料炭を粉砕後、表面水分≒0%となるまで乾
燥し、次いで境界分級点を0.2〜0.4mmの範囲で
微粉炭と粗粉炭に分級し、微粉炭に瀝青物のバインダー
を混練しブリケット化した後、該ブリケットを上記残留
粗粉炭に混合することを特徴とする。 【効果】 原料炭中の非微粘結炭を40〜60重量%に
まで増使用が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コークス用原料炭
の事前処理方法及びコークスの製造方法に関し、特に装
炭時の発塵とキャリーオーバー防止を図り、かつコーク
ス品質を向上させると共に、多量の非微粘結炭を高炉用
コークスを製造するための原料として使用することを実
用上可能にするコークス用原料炭の事前処理方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】高炉用コークスを製造するために不可欠
な良質粘結炭(強粘結炭および弱粘結炭)は世界的に不
足しており、コークス製造業界では、粘結性の低い石炭
(非微粘結炭)を使用しコークス強度の高いコークスを
得るための技術開発が進められている。この技術開発の
一つの方向として、乾燥炭装入法が開発され普及してき
ている。この方法は乾燥炭中の水分を通常6重量%以下
に設定しているため、装入炭の輸送工程及びコークス炉
への装入時において粉塵の発生が著しく、作業環境を劣
悪にし、またコークス炉中での乾溜時に発生するコール
タールガス(COG)やタールに微粉が同伴されてコー
クス炉ガス導管に流れ込む、いわゆるキャリーオーバー
現象を増大させる。このキャリーオーバーされた発塵
は、最終的にはタール中のスラッジ分を増大させ、さら
にはコークス炉におけるカーボントラブルも発生させる
という問題がある。
【0003】かかる発塵とキャリーオーバー減少を図る
ために従来から種々の方法が提案されている。例えば、
特開昭57−53587号公報には、発塵やコークス炉
におけるカーボントラブルの原因となる、100メッシ
ュ(約150μm)以下の粒度の微粉炭をそれ以上の粒
度の細粒炭(粗粒炭)から分離して、微粉炭を塊成化し
た後、再度粗粒炭と混合することが開示されている。ま
た特開昭62−192486号公報には、原料炭中の1
00μm以下の微粒子部の疑似粒子化物を完全破壊して
分離した後、これにバインダーを加え、転動または圧縮
により100μm以上の疑似粒子化物を形成することが
開示されている。しかし、炭化室へ石炭を装入する際の
キャリーオーバー粉には、150μm以上のものも多量
同伴され、これらの方法では炭化室内におけるカーボン
トラブル発生や、キャリーオーバー現象を十分に防止で
きず、発塵、炭化室内カーボン対策、タール中スラッジ
対策等としては十分でない。また分離する微粉炭の塊成
化物やその疑似粒子化物が崩壊し易いため、輸送過程で
の発塵の発生が懸念される。
【0004】また特開昭55−48284号公報には、
ガスと固体を分離する際、原料分離器の効率を石炭の状
態に応じて、分離器中で総含量の80〜90%、特に8
0%を炭塵なしに分離するように調節し、後続の炭塵分
離機で残分の固体(主として分炭塵)を分離し、この炭
塵を後除塵機からの炭塵と一緒に圧縮しこの圧縮した材
料を主要量の石炭に添加してコークス炉に装入する、予
熱石炭を装入する際の炭塵発生を減少する方法が開示さ
れている。しかしこの方法では、炭塵(微粉炭)の分級
割合を10〜20%としているが、石炭の配合構成の変
化によって発塵、キャリーオーバーの原因となる微粉の
粒径及び量も変化するため、分級割合でもって問題とな
る微粉炭の量を規定できるものではなく、かつ予熱炭プ
ロセスでもあって既設炉への適用には障害が多い。
【0005】さらに特開昭63−75089号公報に
は、所望の嵩密度の装入炭が得られるようにすると共
に、この装入炭の発塵をより効果的に抑制するため、原
料からの微粉炭の分級割合が7%〜30%となるように
し、かつ該微粉炭にバインダーを混練した擬似粒炭の粒
径を0.5mm〜40mmとする装入炭製造方法が開示
されている。この公報でも、微粉炭の分級割合を7%〜
30%としているが、上記特開昭55−48284号の
場合と同様に石炭の配合構成の変化によって発塵、キャ
リーオーバーの原因となる微粉炭の粒径及び量が変化す
るため、分級割合だけで発塵などの問題となる微粉の粒
径と量を規定できるものではない。
【0006】さらにまた特公昭58−21948号公報
には、原料炭を石炭粒子の85〜95%が3mmまでの
細粒、残部が10mmを越えない粗粒であるように粉砕
し、この粉炭を予熱して乾燥し、次にこの粉炭を分級
し、粗粒分は循環ラインで再粉砕して乾燥工程に送り、
取り出される全細粒分に水分の低い粗製タールを混合
し、続いて前圧縮してから密度1.0〜1.2g/cm
3のブリケットに圧縮する高炉コークスの製造方法が開
示されている。しかし、この方法では、石炭全量を3m
m以下の細粒に粉砕し、その全てに粗製タールを添加す
るため、添加タールの量が過多となる他、必要な粉砕エ
ネルギーも多大なものとなる。また、炭化室への装入は
全量ブリケットであり、その隙間は装入の際のブリケッ
トの一部が崩壊して充填されることが必須要件でありブ
リケットの崩壊の際の粉塵の発生が懸念される。さら
に、予熱炭プロセスであり既存炉への適用が困難であ
り、成型する際に前圧縮工程を必要とする等の点で設備
が複雑化する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来から
提案されている方法では、特に粘結性の低い石炭(非微
粘結炭)を良質粘結炭(強粘結炭および弱粘結炭)の一
部に置き換えて乾燥炭装入法を採用する場合、乾燥炭の
輸送工程での発塵防止及びコークス炉での乾溜時のキャ
リーオーバー現象を確実に防止するには、未だ改善の必
要があり、かつ高強度生成コークスの開発も強く求めら
れている。かかる現状から、本発明は、粘結性の低い石
炭(非微粘結炭)を世界的に不足している良質粘結炭
(強粘結炭および弱粘結炭)とともに使用した場合であ
っても、石炭乾燥に伴う石炭輸送過程での発塵防止、ま
た特に炭化室への石炭装入の際のキャリーオーバー防止
対策を万全なものにするとともに、石炭装入嵩密度の最
大化を図りコークス強度をより向上させ、もって多量の
非微粘結炭を高炉用コークスを製造するための原料とし
て使用することを実用上可能にするコークス製造用原料
炭の事前処理方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ね、乾燥炭操業において
見られる、発塵源やキャリーオーバー源となる微粉炭の
粒径を調べた。発塵源については、コークス炉への輸送
過程での発塵粉を採取し、キャリーオーバー源について
は、炭化室への石炭装入中に上昇管立管部で飛散粉を採
取しそれらの粒度分布を測定した結果を、夫々図1(発
塵源)、図2(キャリーオーバー源)に示す。これらの
図1、2から明らかなように、発塵性粒子の大部分は
0.1mm以下(100μm以下)、特に70μm以下
(99.6%)であるが、キャリーオーバーダストの大
部分は0.3mm以下(99%)であることが判明し
た。
【0009】本発明者等は、こうした知見に基づきさら
に検討した結果、石炭の表面水分が実質上なくなるまで
乾燥することで微粉と粗粒部分を分離すること、その上
で微粉の限界分級点を0.2〜0.4mmの範囲内で分
級した微粉炭にタール等のバインダーを添加し混練して
疑似粒子化した後、さらにこの混練物をブリケット化し
て、残留する粗粒部分に混合することにより、石炭乾燥
に伴う輸送過程での発塵防止、炭化室への乾燥炭装入の
際、或いは乾溜時のキャリーオーバー現象をほぼ完全に
防止できることを見出し、本発明を完成するに至ったも
のである。
【0010】即ち本発明のコークス製造用原料炭の事前
処理方法は、非微粘結炭を少なくとも一部含むように配
合した原料炭を粉砕後、表面水分が実質上なくなるまで
乾燥し、その乾燥中又は乾燥直後に境界分級点を0.2
〜0.4mmの範囲に調整して微粉炭と残留粗粉炭に分
級し、分級された微粉炭に瀝青物のバインダーを混練
し、ブリケット化した後、該ブリケットを上記残留粗粉
炭に混合することを特徴とするものである。
【0011】かかる本発明によれば、原料炭の表面水分
が実質上なくなるまで乾燥することで微粉部分が疑似粒
子集合体となっている場合にも容易に崩壊して微粉炭が
粗粒子部分から完全に分離することを可能とし、その上
で微粉の限界分級点を0.2〜0.4mm、好ましくは
0.2〜0.3mmとし、かつ分離された微粉炭にはタ
ールを添加して混練後更に成型ロールにてブリケット成
型することにより、上記発塵及びキャリーオーバー防止
に万全を期することができる。又微粉炭はブリケット成
型されているため、粗粒子部分との混合による炭化室装
入時点で、ブリケット間の隙間には粗粒子部分が充填さ
れて装入嵩密度の最大化が図れることで、得られるコー
クス強度をより向上させることとなる等の作用効果を奏
する。
【0012】以下に本発明の構成要件について、詳細に
説明する。原料炭としては、良質粘結炭よりも入手が容
易でかつ安価な非微粘結炭を良質粘結炭と併用して使用
する。なお非微粘結炭とは、良質粘結炭(強粘結炭およ
び弱粘結炭)に該当しないものであり、それ単独では高
炉用コークスに不向きな低品位コークスしか得られない
コークス化性の低い(又は粘結性の低い)石炭である。
かかる非微粘結炭に関しては、鉄鋼業界を含めたコーク
ス業界で一般化した定義はなされていない。そこで本発
明者等が各種の非微粘結炭を分析した結果で示せば、石
炭化度R0と最高流動度MF(JIS M8801 )の関係では、
0≦1.0で、かつ MF(=logDDPM)≦3.
0の範囲(但しDDPMはDial Deviation per Minute
の略)であり、或いは、石炭化度Roと全膨張率TD
(JIS M8801 )の関係では、R0≦1.0で、かつTD≦
50の範囲に該当するものと概略的に定義することがで
きるが、この定義に制限するものではなく、この範囲外
であっても上記したコークス化性の低い(又は粘結性の
低い)石炭であれば本発明の非微粘結炭に含めるものと
する。
【0013】なお従来に於ける乾燥炭装入法では、原料
炭中の非微粘結炭の配合量は、20〜30重量%の範囲
内が殆どであり、多くても40重量%程度までである。
本発明では、原料炭中の非微粘結炭の量は特に限定する
ものではないが、好ましくは30重量%以上、特に好ま
しくは40〜60重量%の範囲内で使用することが可能
である。ただし非微粘結炭の量を60重量%以上に増や
した場合、高炉用コークスとしては強度が不足する可能
性がある。原料炭は、先ず石炭のグループ毎に配合した
後、グループ毎に又は一括して粉砕される。また、原料
炭の良質粘結炭や非微粘結炭等の銘柄毎に所定の粒度に
粉砕後に、配合することもできる。あるいは、ヤードブ
レンディングを行った後、粉砕する方法を採ってもよ
い。コークス製造において、原料炭の粉砕は不可欠であ
り、分級の後工程として粉砕することは再度微粉を発生
することから、本発明の目的を達成できず、粉砕後の乾
燥・分級が必須である。
【0014】この粉砕工程において、特に非微粘結炭と
良質粘結炭で目標粒度を変えて粉砕し、この場合、非微
粘結炭をより細かく、良質粘結炭を粗くすることが最適
である。一般に非微粘結炭は、良質粘結炭に比べて硬く
粗炭粒度が粗い一方、非微粘結炭は粘結性が低いため多
量使用するためにはタールによる改質がより有効である
ためである。具体的には、良質粘結炭については粒度3
mm以下を50〜70重量%とする一方、非微粘結炭に
ついては粒度3mm以下を80〜95重量%とすること
が好ましい。なお、石炭をグループ毎に粉砕後、良質粘
結炭と非微粘結炭とを配合する場合には、非微粘結炭の
みを粉砕強化できるように、非微粘結炭を一つの粉砕機
の系列に集めることが好ましい。
【0015】非微粘結炭をより細かく粉砕することによ
り、乾燥・分級した微粉炭中の非微粘結炭の割合が多く
なり、タールと混合される非微粘結炭の割合が多くな
る。炭化室での乾溜中、非微粘結炭の方がタールによる
改質効果が大きいことから、良質粘結炭と非微粘結炭の
粉砕粒度を同等とする場合に比べて、コークス強度が向
上することとなる。原料炭を粉砕後、実質上表面水分が
なくなるまで乾燥する。ここで実質上表面水分がなくな
るとは、表面水分が0.5重量%以下になる状態を言
い、最適には表面水分がなくなる(表面水分≒0%)ま
で乾燥する。ここでいう表面水分とは、全水分(JIS M
8811)から包蔵水分(JIS M 8803)を差し引いたものを指
す。また、実操業においては通常使用される赤外線水分
計で直接測定することも差支えない。この場合、全水分
としては3重量%未満、好ましくは2重量%程度まで乾
燥することが好ましい。表面水分が実質上なくなるまで
乾燥することが最適であるのは、少しでも表面水分が残
存していると、微粉を粗粒部分から十分に分離できない
傾向となり、微粉炭をタール添加及び成型してブリケッ
ト化することによる発塵防止等の効果が不十分なものと
なる。
【0016】乾燥は任意の乾燥機を使用して行うことが
できる。特に流動層乾燥機を使用することにより、熱風
を床面から吹き込み原料炭に直接接触させつつ原料炭を
流動させながら乾燥することができて最適である。乾燥
前の湿炭においては、微粉炭は水分のため擬似粒子集合
体を形成しており分離が困難であるが、この流動層乾燥
機の場合、原料炭が流動層内で撹袢され、また粒子同士
の揉み洗い効果により、疑似粒子集合体がより容易に崩
壊して微粉炭がより容易に分離される。なお、乾燥機と
ともに、その前段に予備乾燥工程を設け、予備乾燥して
もよい。乾燥機は、上部の排出口に微粉炭の分級機能を
一体的に備える方式、又は別途乾燥機の後段での集塵機
等に微粉炭の分級機を備える方式のいずれでもよい。
【0017】こうした乾燥機及び分級機を用いることに
より、乾燥工程中において、又は乾燥直後において、原
料炭を微粉部分と粗粒部分とに分級する。特に、石炭分
級機能を一体的に備えた乾燥機の場合、乾燥用熱源であ
る気流によっても微粉の一部を分級できるため好まし
い。この場合乾燥機の上部空間から排出付近迄の気流の
通過速度調整によって粗粒部分から分級された微粉は、
気流とともに排出され後続のバッグフイルター等の集塵
機にて適宜集塵する。
【0018】本発明では乾燥工程において、又は乾燥後
に、原料炭を微粉部分と粗粒部分とに分級する場合の境
界分級点を0.2〜0.4mm、好ましくは0.2〜
0.3mmの範囲に調整することが重要である。石炭の
表面水分が実質上なくなるまで乾燥し、かつこのような
分級点でもって微粉を分級することにより、石炭輸送中
の発塵、炭化室装入中のキャリーオーバーの発生源をほ
ぼ完全に除去することが可能である。境界分級点が0.
2mm未満の場合、発塵やキャリーオーバーの原因とな
る微粉が粗粒炭とともに輸送されてしまう。また、分級
点が0.4mmを越えても、発塵、キャリーオーバー増
減効果は小さくブリケット化のためのランニングコスト
が高くなるだけである。
【0019】分級された微粉炭には、瀝青物のバインダ
ーが溶融状態で添加される。バインダーとしては、ター
ル、重質油、ピッチ類などが利用出来るが、特にコーク
ス炉から回収される粗タールをそのまま使用できる。こ
うした粗タールとしては、デカンターに沈殿されるター
ル滓(スラッジ)を併用してもよい。また、コークス炉
上昇管からサクションメーンまでに凝縮するタール、す
なわち重質タール分が比較的多いタールを分別回収し、
この分別回収されたタールを微粉炭の塊成化に利用する
と、発塵防止やコークス強度向上により寄与できる。な
お、タールの他に、重質油やピッチ類を添加してもよ
い。
【0020】分級された微粉炭への瀝青物のバインダー
添加は、任意の混合撹拌機を使用してよく限定されな
い。特にピン式、又はパドル式混練機等が均一混練には
好適に使用される。微粉炭に対するバインダー添加量と
しては、6〜15wt%好ましくは8〜12wt%であ
る。本発明では微粉炭とバインダーの混練物を、更にロ
ール成型機にてブリケットに加圧成型することを必須と
する。このようにしてブリケット化するのは、乾燥炭中
の微粉炭は発塵やキャリーオーバーの原因だからであ
り、単にバインダー添加混練するだけでなく、加圧成型
することによりブリケット化した微粉炭がコークス炉ま
での輸送過程で再度崩壊することを防止し、もって発塵
やキャリーオーバーの原因となる微粉炭の再発生防止に
万全を期したものである。
【0021】この場合のブリケットの形状は、球状、方
形状、楕円状等の形状に成型されたものであればよく特
に限定されない。例えば長辺50〜70mm,短辺30
〜50mm,厚み30mm前後の方形状ブリケットが挙
げられる。またブリケット成型圧は、線圧が0.5〜
2.0t/cmの範囲とすることが好ましい。線圧が
0.5t/cm未満の場合、輸送過程でのブリケット崩
壊による微粉炭の再発生防止に不十分である一方、線圧
が2.0t/cmを越えて成型しても微粉炭の再発生防
止について効果の向上がを殆ど認められずエネルギー的
に無駄である。
【0022】微粉炭のブリケット化された成型物は、乾
燥・分級工程から出てきた乾燥粗粒炭と均一混合し、コ
ークス製造用原料炭とする。このようにして事前処理さ
れたコークス製造用原料炭は、コークス炉装入炭槽に貯
蔵した後、コークス炉の炭化室に装入される。この場
合、装入条件やコークス化条件等については従来からの
操業条件が採用でき、特に限定されない。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につい
て、全体のプロセスフローで説明する。本発明は、図3
に示すように概略下記(1)〜(8)の工程に分けられ
る。
【0024】(1)原料炭の調整工程 良質粘結炭よりも入手が容易でかつ安価な非微粘結炭を
良質粘結炭と併用して使用する。本発明では原料炭中の
非微粘結炭の量は好ましくは30重量%以上、特に好ま
しくは40〜60重量%の範囲内で使用可能である。 (2)原料炭の配合工程 原料炭は、先ず、石炭の種類(グループ)毎及びヤード
毎に調整し、グループ毎に又は一括して所定割合で配合
される。または、原料炭の銘柄毎に粉砕後に、配合する
こともできる。
【0025】(3)粉砕工程 原料炭の粉砕は任意の方法でよいが、好ましくは非微粘
結炭と良質粘結炭で目標粒度を変えて粉砕する。この場
合、非微粘結炭をより細かく、良質粘結炭を粗くするこ
とが最適である。具体的には、良質粘結炭については粒
度3mm以下を50〜70重量%とする一方、非微粘結
炭については粒度3mm以下を80〜95重量%とする
ことが好ましい。
【0026】(4)乾燥・分級工程 原料炭は粉砕後でも通常10wt%前後の水分を含有し
ており、これを例えば燃焼ガスの熱風による乾燥機内に
て表面水分が実質上なくなるまで(表面水分≒0%)乾
燥する。この場合の全水分含有率は3重量%未満、好ま
しくは2重量%程度まで乾燥する。なお乾燥機は、上部
の排出口に微粉分級機能を一体的に備える方式が好まし
い。微粉炭部分と粗粒炭部分とに分級する場合の境界分
級点は0.2〜0.4mm、より好ましくは0.2〜
0.3mmの範囲に調整することが重要である。
【0027】(5)バインダー(タール)添加工程 分級された微粉炭には、バインダーとしてタール等の瀝
青物が溶融状態で添加される。 (6)混練工程 分級された微粉炭へのバインダー添加は、任意の混合撹
拌機を使用してよく、限定されない。特にピン式、又は
パドル式混練機等が均一混練には好適に使用される。微
粉炭に対するバインダー添加量としては、8〜12wt
%程度が好ましい。
【0028】(7)成型工程 微粉炭とバインダーの混練物は、更にロール成型機にて
ブリケットに加圧成型することを必須とする。この場合
のブリケット成型圧は、線圧=0.5〜2.0t/cm
の範囲とすることが好ましい。 (8)コークス炉装入炭の調整工程 微粉炭のブリケット化された成型物は、乾燥・分級工程
から出てきた乾燥粗粒炭とベルトコンベヤー上等で混合
し、適宜コークス炉装入炭槽に貯蔵した後、コークス炉
の炭化室に装入される。コークス炉の炭化室装入条件に
ついては、例えば装入炭の充填密度を、比較的高い0.
8〜0.9t/m3程度に高密度充填すれば、炭化室での
乾溜中にタールによって非微粘結炭が改質されることと
合まって、生成コークス強度が向上する。
【0029】
【実施例】以下に本発明の実施例と比較例を説明する
が、本発明はこれらに限定されるものでないことは勿論
である。
【0030】実施例1と比較例1 非微粘結炭(石炭化度R0;0.69,最高流動度MF
(=logDDPM);2.06,全膨張率TD;2
9)を45重量%、良質粘結炭を55重量%配合したコ
ークス製造用原料炭(水分9.0%)を、粉砕粒度3m
m以下が85%になるように粉砕して、試験乾燥機を用
いて、石炭全水分含有率2重量%(表面水分=0%)に
なるまで気流乾燥させた後、境界分級点が0.1mmと
0.3mmの2種類の篩でそれぞれ微粉炭と粗粒炭部分
に分級した。分級した微粉炭に対して、粗タールの添加
量を3種類(6,8,10wt%)に変えて添加混練し
疑似粒子化した場合と、さらに成型機にて線圧1.0t
/cmで、長辺65mm,短辺42mm,厚み28m
m,容積56ccのブリケットに成型した場合につい
て、2mの高さから落下させるシャッタ試験を10回行
った後でのそれぞれについて、0.3mm以下と0.1
mm以下の篩下割合を測定した。その結果を前者(ター
ル混練のみ)が比較例1とし、後者(ブリケット化)を
実施例1として第1表にまとめて示す。なお参考までに
ブリケット成型を付加した場合については、シャッタ試
験前の同じ篩下割合も併せて示す。また参考例として乾
燥前の湿炭(水分9wt%)状態での0.3mm以下と
0.1mm以下の篩下割合を併せて示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、タール混練のみ
の疑似粒子化では、タール添加率10%で0.1mm以
下の微粉炭が3.3重量%、0.3mm以下の微粉炭が
53.7重量%もある。これに対して、ブリケット成型
を付加した場合、第1表から明らかなように、同じくタ
ール添加率10%で0.1mm以下の微粉炭が1.06
重量%、0.3mm以下の微粉炭が3.81重量%と極
めて少ない。従ってブリケット成型を付加した場合の方
がタール混練のみの場合に比べて、ベルトコンベヤーで
の移送過程を想定したシャッタ試験での微粉発生量が極
めて少なく、しかも乾燥前の湿炭(水分9wt%)状態
と同等かそれ以下であることからも、実装置での発塵防
止効果と、キャリーオーバー抑制効果に優れた効果を発
揮することが予見できる。
【0033】実施例2 実施例1で使用したと同じ非微粘結炭を57重量%、残
りが良質粘結炭の43重量%配合したコークス製造用原
料炭(水分9.0%)を、粉砕粒度3mm以下が85%
になるように粉砕した。この原料炭を試験乾燥機を用い
て、石炭全水分含有率2重量%(表面水分=0%)にな
るまで気流乾燥させた後、境界分級点が0.3mmとな
る篩で微粉炭と粗粒炭部分に分級した。こうして分級し
たときの微粉炭分級比率は約30%であった。分級され
た微粉炭に対して粗タールを10wt%添加・混練した
後、成型機にて線圧1t/cmで長辺65mm,短辺4
2mm,厚み28mm,容積56ccのブリケットに成
型した。この微粉炭のブリケット成型物を粗粒炭と混合
して装入炭とした。
【0034】このときのブリケット輸送工程及び粗粒炭
との混合工程並びに電気炉への装炭時においても、粉塵
の発生は全く認められなかった。乾留は、この装入炭を
電気炉(幅450mm,高さ500mm,長さ640m
m)内に装入して行いコークス温度1050℃まで昇温
し、乾留を終了した。得られたコークスのドラム強度D
I(150/15)と反応後強度CSRを測定した結果
を表2に示す。また、この装入炭を電気炉に装入後から
の経過時間(分)に伴うキャリーオーバー量(g/Nm
3)を測定した結果の推移を図4に示した。比較のため
に、同一原料炭を水分6.7%に乾燥した通常の調湿炭
として装入した時のキャリーオーバー量(g/Nm3)の
推移も併せて図4に示した。
【0035】比較例2 実施例1で使用したと同じ非微粘結炭を18重量%、残
りが良質粘結炭の82重量%配合したコークス製造用原
料炭(水分9.0%)を、粉砕粒度3mm以下が85%
になるように粉砕して、この原料炭を乾燥することなく
装入炭として電気炉に装入した他は、実施例1と同一条
件で乾留を終了してコークスを得た。得られたコークス
のドラム強度DI(150/15)と反応後強度CSR
を測定した結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】上記の表2のコークス強度測定結果から明
らかな如く、実施例2では非微粘結炭を57重量%程度
も増配合しているにもかかわらず、コークス強度は、比
較例2の従来法の湿炭法と同等以上の操業レベルを達成
でき、優れた性状を有するコークスが得られことが分か
る。また図4から、本実施例におけるキャリーオーバー
量(g/Nm3)は、単なる通常の調湿炭に比べてはるか
に低減しており、その低減効果は比較例2の如き通常の
コークス製造用原料炭(水分9.0%)である湿炭と同
等かそれ以下であると想定される。従って、本発明は、
キャリーオーバー抑制効果にも優れていることが明らか
である。
【0038】
【発明の効果】石炭の乾燥プロセスには、乾燥炭の輸送
や炭化室への装入の際に発塵及びキャリーオーバーの問
題を少なからず付随していたが、本発明によれば、乾燥
分級して発塵等の原因となる微粉炭を完全に除去したう
えで、成型物まで加工することにより、湿炭と同等の操
業レベルを達成できる。また、微粉炭を成型物としてブ
リケット化することにより、単にタール添加混練する場
合に比べて、コークス炉までの輸送過程で再崩壊する可
能性を極力抑制して、発塵やキャリーオーバー発生をよ
り確実に防止できるとともに、炭化室での装入嵩密度を
上昇できることとも相まって、高炉用コークスの品質特
にコークス強度をより向上させ得る。
【0039】従って、本発明は粘結性の低い石炭(非微
粘結炭)を世界的に不足している良質粘結炭(強粘結炭
および弱粘結炭)と共に多量配合した場合であっても、
乾燥に伴う輸送過程での発塵防止、炭化室への乾燥炭装
入の際、或いは乾溜時のキャリーオーバー防止対策を万
全なものにするとともに、乾燥炭装入嵩密度の最大化を
図りコークス強度をより向上させることができる。即ち
高炉用コークスとしての品質を満足しつつ、劣質炭であ
る非微粘結炭の多量使用を実用上可能にするものであ
り、石炭資源の有効活用に繋がる工業上有益な発明であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】発塵源となった微粉炭の粒度分布を示す図であ
る。
【図2】キャリーオーバー源となった微粉炭の粒度分布
を示す図である。
【図3】本発明のコークス製造用原料炭の事前処理方法
の全体フローシートである。
【図4】実施例2におけるキャリーオーバー抑制効果を
示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非微粘結炭を少なくとも一部含むように
    配合した原料炭を粉砕後、実質上表面水分がなくなるま
    で乾燥し、その乾燥中又は乾燥直後に境界分級点を0.
    2〜0.4mmの範囲に調整して微粉炭と残留粗粉炭に
    分級し、分級された微粉炭に瀝青物のバインダーを混練
    し、ブリケット化した後、該ブリケットを上記残留粗粉
    炭に混合することを特徴とするコークス用原料炭の事前
    処理方法。
  2. 【請求項2】 原料炭中の非微粘結炭の配合率が40〜
    60wt%である請求項1記載のコークス用原料炭の事
    前処理方法。
  3. 【請求項3】 線圧0.5〜2.0t/cmでブリケッ
    ト化することを特徴とする請求項1記載のコークス用原
    料炭の事前処理方法。
  4. 【請求項4】 境界分級点を0.2〜0.3mmの範囲
    に調整する請求項1記載のコークス用原料炭の事前処理
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1の方法で事前処理された原料炭
    を、コークス炉装入炭槽に貯蔵した後、コークス炉の炭
    化室に装入することを特徴とするコークスの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100522112B1 (ko) * 2001-08-27 2005-10-18 주식회사 포스코 분코크스를 이용한 야금용 코크스의 제조방법
JP2007284557A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Nippon Steel Corp コークス用石炭の事前処理方法
CN102732278A (zh) * 2011-04-13 2012-10-17 天华化工机械及自动化研究设计院 一种焦炉炼焦回转圆筒干燥机煤调湿方法及其装置
JP2013253158A (ja) * 2012-06-06 2013-12-19 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp コークス製造方法

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