JP2001303066A - コークス炉装入用石炭の粒度調整方法 - Google Patents

コークス炉装入用石炭の粒度調整方法

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JP2001303066A
JP2001303066A JP2000123802A JP2000123802A JP2001303066A JP 2001303066 A JP2001303066 A JP 2001303066A JP 2000123802 A JP2000123802 A JP 2000123802A JP 2000123802 A JP2000123802 A JP 2000123802A JP 2001303066 A JP2001303066 A JP 2001303066A
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Yoshinori Takahashi
良典 高橋
Takayuki Araki
孝之 荒木
Masami Ogura
正美 小倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱時に割れの生じない大粒径の石炭をコー
クス炉に装入することにより原料石炭の嵩密度を向上し
て破壊強度の高いコークスを生産性よく製造することが
可能なコークス炉装入用石炭の粒度調整方法を提供す
る。 【解決手段】 原料石炭を大粒径、中粒径、小粒径、及
び微粉粒径に粒度調整した後、コークス炉に装入して冶
金用コークスを製造するためのコークス炉装入用石炭の
粒度調整方法において、大粒径の原料石炭として加熱時
の非軟化溶融成分の割合を示す全不活性成分量が10体
積%未満で軟化溶融時の流動性指数である最高流動度が
3を超える石炭を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冶金用コークスを
製造する際、高嵩密度を得るために原料石炭を最適な粒
度分布状態に調整する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高炉操業においては、高炉下部で
の通気性を確保するため、高炉下部で細粒化しない高強
度コークスが、冶金用コークスとして要求されている。
高炉等の冶金用コークスに要求される高強度コークス
は、コークス炉内で加熱された石炭粒子が350〜50
0℃で軟化溶融する成分が結合材となり、軟化溶融しな
い成分が骨材となって、相互に一体化して新たな結晶構
造を形成することにより得られることが判っている。
【0003】このため、高強度コークスを製造する場
合、石炭が軟化溶融したときに粒子間に強固な接着が生
じるように、コークス炉に装入する原料石炭の装入密度
を上げて、隣接する石炭粒子同士の接触状況を改善させ
ることが行なわれている。また、コークス炉に装入する
原料石炭の装入密度を上げることは、コークス炉が定容
積の反応器であることから、コークスの生産性を向上さ
せる効果も有するため、種々の検討がなされてきた。コ
ークス炉に装入する原料石炭の装入密度を上げる方法と
しては、コークス炉に装入した原料石炭を押し固める方
法、可能な限り乾燥させた原料石炭をコークス炉に装入
する方法、コークス炉内で最密充填となるような粒度構
成に調整した原料石炭を使用する方法等が試みられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コーク
ス炉に装入した原料石炭を押し固める方法では、スタン
パー等の特殊な設備を設置する必要があり、更に、押し
固める作業が煩雑であることから生産性が必ずしも向上
するとは言い難いものであった。また、乾燥させた原料
石炭を使用する方法では、コークス炉装入時の発塵が激
しく環境に与える影響が無視できなくなることから、発
塵を防止するタール等のバインダーを添加したり、微粉
を分級してバインダーを添加したり、又は押し固めて成
形する等工程が複雑になる問題があった。
【0005】コークス炉内で最密充填となるような粒度
構成に調整した原料石炭を使用する方法では、粒径の大
きな石炭粒子を使用すると充填率が向上し、コークス炉
に装入した際の嵩密度は向上するが、加熱時に大きな石
炭粒子の界面から割れを誘発してコークスの破壊強度が
低下するという問題があった。そのため、原料石炭中に
3mm以下の粒径の石炭が85重量%程度になるよう
に、粉砕して均一に細かくすることが求められていた。
一方、粉体工学での最密充填可能な理想粒度分布(ファ
ーナス(Furnas)分布)を採用して、高嵩密度を
得ることが指向されている。しかし、前記のように大き
な粒径の石炭が使用できないため、最密充填となる理想
粒度分布とすることができず嵩密度の上昇には限界があ
った。また、理想粒度分布を調整するための粒度調整に
は、粉砕した原料石炭を使用することが前提となるため
粉砕により小粒径の石炭の存在比率が高くなり、調整し
た粒度分布は理想粒度分布とは完全に一致せず、コーク
ス炉に装入した際の嵩密度はそれほど高くならなかっ
た。従って、使用可能な石炭の最大粒径が規定された条
件では、最密充填となる理想粒度分布に調整するように
粒度構成しても、嵩密度の向上は頭打ちの傾向となって
いた。
【0006】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、加熱時に割れの生じない大粒径の石炭をコークス炉
に装入することにより原料石炭の嵩密度を向上して破壊
強度の高いコークスを生産性よく製造することが可能な
コークス炉装入用石炭の粒度調整方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係るコークス炉装入用石炭の粒度調整方法は、原料石炭
を大粒径、中粒径、小粒径、及び微粉粒径に粒度調整し
た後、コークス炉に装入して冶金用コークスを製造する
ためのコークス炉装入用石炭の粒度調整方法において、
前記大粒径の原料石炭として加熱時の非軟化溶融成分の
割合を示す全不活性成分量が10体積%未満で軟化溶融
時の流動性指数である最高流動度が3を超える石炭を使
用するものである。
【0008】ここで、全不活性成分量とは、加熱時に全
く軟化溶融を示さない不活性成分の体積分率を石炭組織
の顕微鏡観察から定量的に求めたものであり、全不活性
成分量が多い程、軟化溶融しにくい石炭となる。石炭を
加熱すると活性成分は溶融し、不活性成分は溶融しない
ことから、全不活性成分量が多い石炭では、乾留後にお
けるコークス中に不活性成分が大きな固まりとして偏在
することになる。このため、不活性成分の偏在部分が欠
陥として作用し割れの起点となって、コークス強度(冷
間強度DI)は低下する。一方、全不活性成分量が少な
い石炭では、乾留後のコークス中に不活性成分は殆ど偏
在しないことから、破壊時の欠陥として作用する割れの
起点もなくなる。その結果、コークスの破壊強度は向上
する。特に、図2に示すように、石炭の全不活性成分量
が10体積%未満となると、急激にコークス強度が向上
する。このため、全不活性成分量を10体積%未満と規
定した。
【0009】また、最高流動度とは石炭を加熱溶融した
ときの粘性軟化溶融時の流動性(軟化溶融層の形成のし
易さ)を示す指数で、最高流動度が大きい程、加熱溶融
した際における流動性が良好となる。最高流動度が大き
い石炭では、生成した溶融物は未溶融の石炭表面に留ま
ることなく表面から流れ落ち、未溶融の石炭表面が露出
し直接加熱を受けて溶融するのを早める。また、溶融物
の一部は他の石炭粒子間に流れ込み、石炭同士を強固に
接着して乾留後におけるコークス強度を向上させる。特
に、図3に示すように、最高流動度が3を超えると急激
にコークス強度が向上する。このため、最高流動度を3
を超えるように規定した。
【0010】本発明に係るコークス炉装入用石炭の粒度
調整方法において、前記大粒径の原料石炭として入荷し
た原料石炭を未粉砕の状態で分級して使用することがで
きる。これにより、粒度調整時における粉砕機の粉砕負
荷を減少させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係るコークス炉装入用石炭の粒度調整方法を適用し
た粒度調整設備のフロー図である。先ず、図1を参照し
て本発明の一実施の形態に係るコークス炉装入用石炭の
粒度調整方法を適用した粒度調整設備10の全体構成を
説明する。図1に示すように、粒度調整設備10は、全
不活性成分量が10体積%未満で最高流動度が3を超え
る原料石炭(以下、本発明対象石炭という)の篩分けに
より調整した大粒径を貯蔵する大粒径石炭槽11と、全
不活性成分量が10体積%以上、又は10体積%未満で
あっても最高流動度が3以下の原料石炭(以下、普通石
炭という)を貯蔵する普通石炭槽12と、大粒径の本発
明対象石炭と普通石炭を用いて粒度調整された石炭を貯
蔵する調整石炭槽13と、大粒径の本発明対象石炭を大
粒径石炭槽11から調整石炭槽13へ搬送する大粒径石
炭搬送装置14と、普通石炭槽12から普通石炭搬送装
置15により搬送された普通石炭を篩分ける2段篩分機
16と、2段篩分機16により分離された石炭を粉砕す
る粉砕機17と、2段篩分機16により分離された石炭
を粉砕機17に搬送する分離石炭搬送装置18と、2段
篩分機16により分離された石炭を調整石炭槽13に搬
送する分離普通石炭搬送装置19と、粉砕機17で粉砕
された石炭を調整石炭槽13に搬送する粉砕石炭搬送装
置20とを有している。以下、これらについて詳細に説
明する。
【0012】大粒径石炭槽11は、例えば、大粒径とし
て複数の粒度範囲に分級された本発明対象石炭を各粒度
範囲毎に貯蔵する複数の貯蔵槽を備え、各貯蔵槽毎に定
量排出装置が備えられている鋼製の石炭貯蔵槽である。
また、普通石炭槽12は、例えば、複数の貯蔵槽を備
え、各貯蔵槽毎に定量排出装置が備えられている鋼製の
石炭貯蔵槽である。大粒径石炭搬送装置14は、大粒径
の本発明対象石炭を大粒径石炭槽11から調整石炭槽1
3へ直接搬送する装置で、例えば、ベルトコンベア、ス
クリューコンベア等が利用できる。2段篩分機16は、
大粒径分離網21と中粒径分離網22とを備えた篩分機
である。この大粒径分離網21で大粒径とそれ以外の中
粒径、小粒径、微粉粒径に分離し、更に、大粒径分離網
21で分離した大粒径以外の中粒径、小粒径、微粉粒径
の石炭を中粒径分離網22で中粒径とそれ以外の小粒
径、微粉粒径に分離する。
【0013】分離石炭搬送装置18は、大粒径分離網2
1で分離した大粒径の石炭を粉砕機17に搬送する、例
えば、ベルトコンベア、スクリューコンベア等が利用で
きる大粒径用搬送機23と、中粒径分離網22で分離し
た小粒径と微粉粒径の石炭を粉砕機17に搬送する、例
えば、ベルトコンベア、スクリューコンベア等が利用で
きる小微粒径用搬送機24とを備えている。搬送された
大粒径、小粒径、及び微粉粒径の石炭は、例えば、衝撃
式破砕機が使用できる粉砕機17により所定の粒径以下
に粉砕される。粉砕された石炭は、例えば、ベルトコン
ベア、スクリューコンベア等が利用できる粉砕石炭搬送
装置20により調整石炭槽13に搬送される。また、2
段篩分機16により篩分けられた中粒径の石炭は、例え
ば、ベルトコンベア、スクリューコンベア等が利用でき
る分離普通石炭搬送装置19により直接調整石炭槽13
に搬送される。
【0014】調整石炭槽13は、大粒径石炭搬送装置1
4により搬送された大粒径の本発明対象石炭と、分離普
通石炭搬送装置19及び粉砕石炭搬送装置20により搬
送される粉砕調整された後の普通石炭とを混合して所定
の粒度分布を有する原料石炭に調整する混合機能と、所
定の粒度分布に調整された原料石炭を排出する定量排出
装置を備えた鋼製の貯蔵槽である。調整石炭槽13より
排出された原料石炭は、コークス炉の石炭塔に搬送され
貯蔵される。
【0015】続いて、本発明の一実施の形態に係るコー
クス炉装入用石炭の粒度調整方法について詳細に説明す
る。冶金用コークスを製造するためにコークス炉に装入
する原料石炭の嵩密度を向上させるためには、容器に対
する充填状況を改善すればよく、原料石炭の粒度分布を
最密充填を与える粒度分布に調整すればよいことにな
る。粒径の異なる複数種の原料石炭から最密充填を与え
る粒度分布を構成するには、粉砕して粒度毎に分級した
原料石炭を所定量ずつ組み合わせることにより行なわれ
る。
【0016】粉砕して粒度毎に分級した原料石炭を組み
合わせて粒度分布を調整する場合、調整された粒度分布
は、一般に連続分布となる。粒度分布が連続分布の場
合、最大粒径を大きくする程、充填率は向上し、嵩密度
を大きくすることが可能である。しかし、粒度調整に使
用する原料石炭の最大粒径を大きくし過ぎると、加熱時
に石炭粒子の粒子界面からの割れを誘発し内部に欠陥を
含むコークスが形成されるため、コークス強度が低下す
る。そのため、高強度コークスの製造に使用可能な原料
石炭の最大粒径には上限が存在し、それに伴いコークス
炉に装入した際の原料石炭の嵩密度には限界が存在し
た。
【0017】本発明者等は、石炭化学的観点から実験と
解析を重ねた結果、本発明対象石炭である全不活性成分
量が10体積%未満で最高流動度が3を超える原料石炭
では、加熱時に均一に軟化溶融し相互に一体化して新た
な結晶構造を形成し易いため、大粒径の原料石炭を使用
しても、内部に欠陥を含まないコークスを製造すること
が可能になるという知見を得るに到った。これにより、
粒度調整の際に最大粒径を増加させて最密充填化する理
想粒度分布での充填率を高めることができ、コークス炉
に装入する原料石炭の嵩密度の向上とコークス強度の向
上とを両立させることが可能となった。
【0018】先ず、入荷した原料石炭の全不活性成分量
と最高流動度を測定し、全不活性成分量が10%未満で
最高流動度が3を超える条件を満たす原料石炭を本発明
対象石炭として選別し、篩分けにより10mmを超える
石炭粒子を大粒径として各粒度範囲毎に分級して、大粒
径石炭槽11に貯蔵する。また、全不活性成分量が10
体積%以上、又は10体積%未満であっても最高流動度
が3以下の原料石炭を普通石炭として普通石炭槽12に
貯蔵する。
【0019】続いて、大粒径として分級した石炭の最大
粒径を求めて、この最大粒径に対する最密充填化する理
想粒度分布であるファーナス分布を算出する。算出した
ファーナス分布に基づいて、大粒径の部分に使用する本
発明対象石炭の重量と中粒径以下の部分に使用する普通
石炭の重量を求める。なお、使用する普通石炭が複数種
の銘柄に渡る場合は、各銘柄毎に使用する配合割合を決
定する。使用する普通石炭の粒度分布を測定し、算出し
たファーナス分布における中粒径以下の部分が構成でき
るように、2段篩分機16の大粒径分離網21と中粒径
分離網22の網目サイズを設定し、粉砕機17で粉砕す
る。なお、使用する普通石炭が複数種の銘柄に渡る場合
は、各銘柄毎に粒度分布を測定し、配合割合により、2
段篩分機16の大粒径分離網21と中粒径分離網22の
網目サイズを設定し、粉砕機17で粉砕する。
【0020】ファーナス分布は、各粒度毎に均等で、広
範囲の粒径に渡る粒度分布を有している。このため、2
段篩分機16により中粒径の石炭粒子を除去して、大粒
径側と小粒径以下の石炭粒子のみ粉砕機17により粉砕
し、得られた粉砕石炭と除去した中粒径の石炭粒子を混
合する。中粒径の石炭粒子を粉砕しないため、粉砕によ
り小粒径の石炭粒子の発生が防止でき、本発明対象石炭
に組み合わせる普通石炭の粒度分布を算出したファーナ
ス分布に一致させることが容易となる。
【0021】
【実施例】3種類の普通石炭A、B、Cと、1種類の本
発明対象石炭を組み合わせ表1に示す配合割合で配合し
て、コークス炉装入用の原料石炭とした。また、各石炭
の全不活性成分量と最高流動度を表1に、粒度分布を表
2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】本発明対象石炭を未粉砕の状態で粒径が1
0mm超〜15mm、15mm超〜25mm、25mm
超〜40mm、及び40mm超の4段階に篩分け分級
し、大粒径の石炭粒子を調整し、大粒径石炭槽に貯蔵し
た。また、この場合は得られた大粒径の石炭粒子の最大
粒径が19mmとなるように調整した。最大粒径が19
mmの場合に最密充填するファーナス分布に基づいた理
想粒度分布を算出して、この理想粒度分布に一致するよ
うに、本発明対象石炭を大粒径の部分に使用し、中粒径
以下の部分に普通石炭を使用して粒度調整を行なった。
また、表3に最密充填するファーナス分布に基づいたコ
ークス炉装入用石炭の理想粒度分布を示す。
【0025】普通石炭槽に貯蔵された3種類の普通石炭
A、B、Cをそれぞれ所定量排出し、普通石炭搬送装置
により2段篩分機に搬送した。2段篩分機では、表2に
示す粒度分布と表1に示す配合割合に応じて大粒径分離
網と中粒径分離網の網目サイズを設定し、搬送した普通
石炭A、B、Cを粉砕部分と、未粉砕部分とに分離す
る。粉砕部分を撃式粉砕機で粉砕して、粉砕石炭搬送装
置により調整石炭槽に搬送する。また、2段篩分機で分
離した未粉砕部分の普通石炭A、B、Cを、分離普通石
炭搬送装置により調整石炭槽に搬送する。また、大粒径
石炭槽から、各粒度範囲毎に所定量の大粒径の石炭粒子
を、大粒径石炭搬送装置により調整石炭槽に搬送する。
調整石炭槽に搬送した大粒径の部分を構成する本発明対
象石炭と、中粒径以下の部分を構成する普通石炭とを混
合して、最大粒径が19mmの場合に最密充填するファ
ーナス分布に基づいた理想粒度分布に一致する粒度分布
に調整する。粒度調整した原料石炭の粒度分布、ファー
ナス分布に基づいた最大粒径が19mmの場合の理想粒
度分布と最密充填密度を表3に示す。
【0026】粒度調整された原料石炭をコークス炉に装
入してコークスを製造した。このときのコークス炉装入
用原料石炭の嵩密度と、得られたコークスのコークス強
度(冷間強度DI)を表3に示す。また、表3には、比
較例として、最大粒径が9.5mmの場合の、ファーナ
ス分布に基づいた理想粒度分布と最密充填密度、及び粒
度調整したコークス炉装入用原料石炭の粒度分布と石炭
嵩密度とコークス強度を示す。
【0027】
【表3】
【0028】表3から判るように、本実施例の粒度分布
における石炭嵩密度は、大粒径の粒子の間隙に中粒径の
粒子、中粒径の粒子の間隙に小粒径の粒子という順に順
次粒径の異なる粒子を最大限に配置し、充填していく理
想粒度分布から求めた充填嵩密度と遜色ないものとな
り、比較例と比較して大幅に向上した。また、コークス
強度は、比較例と同等以上の値を示した。従って、大粒
径の石炭粒子を使用しても、コークス炉に装入する原料
石炭の嵩密度の向上とコークス強度の維持向上を両立さ
せることが可能となった。
【0029】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本実施の形態では本発明対象石炭を分級して大
粒径の部分の粒子として使用したが、大粒径以外の粒径
を有する本発明対象石炭は普通石炭と混合して中粒径以
下の粒子部分に使用してもよい。また、本発明対象石炭
はコークス組織内では不活性成分である骨材を結合する
結合材の作用を有するため、中粒径以下の粒子部分にお
いては、所定量の骨材を結合する最適量の結合材が存在
するように本発明対象石炭と普通石炭の配合量を調整し
て、更にコークス強度を向上させるようにすることもで
きる。
【0030】
【発明の効果】請求項1及び2記載のコークス炉装入用
石炭の粒度調整方法においては、大粒径の原料石炭とし
て加熱時の非軟化溶融成分の割合を示す全不活性成分量
が10体積%未満で軟化溶融時の流動性指数である最高
流動度が3を超える石炭を使用するので、加熱時に均一
に軟化溶融し相互に一体化して新たな結晶構造を形成し
易いため、最大粒径の大きな粒子を使用しても内部に欠
陥を含まないコークスを製造することが可能となる。ま
た、最大粒径の大きな粒子が使用できることにより、コ
ークス炉に装入する原料石炭の嵩密度を向上させること
ができて、破壊強度の良好な高強度コークスを生産性よ
く製造することが可能となる。
【0031】特に、請求項2記載のコークス炉装入用石
炭の粒度調整方法においては、大粒径の原料石炭として
入荷した原料石炭を未粉砕の状態で分級して使用するの
で、粉砕機の粉砕負荷を減少させることができ、破壊強
度の良好な高強度コークスを生産性よく安価に製造する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコークス炉装入用
石炭の粒度調整方法を適用した粒度調整設備のフロー図
である。
【図2】原料石炭の全不活性成分量とコークス強度(冷
間強度DI)との関係を示すグラフである。
【図3】原料石炭の最高流動度とコークス強度(冷間強
度DI)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10:粒度調整設備、11:大粒径石炭槽、12:普通
石炭槽、13:調整石炭槽、14:大粒径石炭搬送装
置、15:普通石炭搬送装置、16:2段篩分機、1
7:粉砕機、18:分離石炭搬送装置、19:分離普通
石炭搬送装置、20:粉砕石炭搬送装置、21:大粒径
分離網、22:中粒径分離網、23:大粒径用搬送機、
24:小微粒径用搬送機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 正美 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本製 鐵株式会社大分製鐵所内 Fターム(参考) 4H012 MA01 QA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料石炭を大粒径、中粒径、小粒径、及
    び微粉粒径に粒度調整した後、コークス炉に装入して冶
    金用コークスを製造するためのコークス炉装入用石炭の
    粒度調整方法において、前記大粒径の原料石炭として加
    熱時の非軟化溶融成分の割合を示す全不活性成分量が1
    0体積%未満で軟化溶融時の流動性指数である最高流動
    度が3を超える石炭を使用することを特徴とするコーク
    ス炉装入用石炭の粒度調整方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のコークス炉装入用石炭の
    粒度調整方法において、前記大粒径の原料石炭として入
    荷した原料石炭を未粉砕の状態で分級して使用すること
    を特徴とするコークス炉装入用石炭の粒度調整方法。
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