JPH1060451A - コークス炉装入炭へのタール滓の添加方法 - Google Patents
コークス炉装入炭へのタール滓の添加方法Info
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- JPH1060451A JPH1060451A JP21986796A JP21986796A JPH1060451A JP H1060451 A JPH1060451 A JP H1060451A JP 21986796 A JP21986796 A JP 21986796A JP 21986796 A JP21986796 A JP 21986796A JP H1060451 A JPH1060451 A JP H1060451A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 製造されるコークスの品質において問題を生
じない、コークス炉装入炭へのタール滓の添加方法の提
供。 【解決手段】 コークス炉から発生するコールタールか
ら分離されたタール滓を、固形分濃度が80％以上となる
ように濃縮し、得られたタール滓を、好ましくは最大粒
径が50mm以下となるように、解砕または粉砕した後、直
接、コークス炉への石炭配送コンベア上へ払出すコーク
ス炉装入炭へのタール滓の添加方法。
じない、コークス炉装入炭へのタール滓の添加方法の提
供。 【解決手段】 コークス炉から発生するコールタールか
ら分離されたタール滓を、固形分濃度が80％以上となる
ように濃縮し、得られたタール滓を、好ましくは最大粒
径が50mm以下となるように、解砕または粉砕した後、直
接、コークス炉への石炭配送コンベア上へ払出すコーク
ス炉装入炭へのタール滓の添加方法。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、コールタールから
分離したタール滓をコークス炉装入炭に添加し、タール
滓を有効に利用するための、コークス炉装入炭へのター
ル滓の添加方法に関するものである。
分離したタール滓をコークス炉装入炭に添加し、タール
滓を有効に利用するための、コークス炉装入炭へのター
ル滓の添加方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、コークス炉において発生したター
ルを回収し、これを有効に利用する方法として、特開平
7-188671号公報に開示されるように、タール滓とタール
に分離し、得られたタール滓をコークス炉に再装入する
ことがなされていた。この場合、遠心分離機などによっ
て濃縮したタール滓を、配合槽を経てコークス炉に戻し
ていたが、タール滓に含まれるタール、水分の影響によ
り、石炭とタール滓の混合が不均一となり、コークス炉
で製造されたコークスの強度に問題を生じ、タール滓の
添加方法に改良すべき余地があった。
ルを回収し、これを有効に利用する方法として、特開平
7-188671号公報に開示されるように、タール滓とタール
に分離し、得られたタール滓をコークス炉に再装入する
ことがなされていた。この場合、遠心分離機などによっ
て濃縮したタール滓を、配合槽を経てコークス炉に戻し
ていたが、タール滓に含まれるタール、水分の影響によ
り、石炭とタール滓の混合が不均一となり、コークス炉
で製造されたコークスの強度に問題を生じ、タール滓の
添加方法に改良すべき余地があった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来、コー
クス炉での石炭乾留における乾留所要熱量を増加させコ
ークス炉の熱効率上問題であったタール滓の最適な処理
を行うとともに、製造されるコークスの品質において問
題を生じない、コークス炉装入炭へのタール滓の添加方
法を提供することを目的とするものである。
クス炉での石炭乾留における乾留所要熱量を増加させコ
ークス炉の熱効率上問題であったタール滓の最適な処理
を行うとともに、製造されるコークスの品質において問
題を生じない、コークス炉装入炭へのタール滓の添加方
法を提供することを目的とするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、コークス炉か
ら発生するコールタールから分離されたタール滓を、固
形分濃度が80％以上となるように濃縮し、得られたター
ル滓を解砕または粉砕した後、コークス炉への石炭配送
コンベア上へ払出すことを特徴とするコークス炉装入炭
へのタール滓の添加方法である。
ら発生するコールタールから分離されたタール滓を、固
形分濃度が80％以上となるように濃縮し、得られたター
ル滓を解砕または粉砕した後、コークス炉への石炭配送
コンベア上へ払出すことを特徴とするコークス炉装入炭
へのタール滓の添加方法である。
【０００５】前記した本発明においては、前記した解砕
後または粉砕後のタール滓を、コークス炉への石炭配送
コンベアで配送中の石炭上に払出すことが好ましい。ま
た、前記した本発明においては、前記した解砕または粉
砕後のタール滓の最大粒径を50mm以下とすることが好ま
しい。また、前記した本発明においては、前記した解砕
後または粉砕後のタール滓を、搬送装置を介さず、直
接、前記したコークス炉への石炭配送コンベア上または
該コンベアで配送中の石炭上に払出すことが好ましい。
後または粉砕後のタール滓を、コークス炉への石炭配送
コンベアで配送中の石炭上に払出すことが好ましい。ま
た、前記した本発明においては、前記した解砕または粉
砕後のタール滓の最大粒径を50mm以下とすることが好ま
しい。また、前記した本発明においては、前記した解砕
後または粉砕後のタール滓を、搬送装置を介さず、直
接、前記したコークス炉への石炭配送コンベア上または
該コンベアで配送中の石炭上に払出すことが好ましい。
【０００６】さらに、前記した本発明においては、前記
した解砕または粉砕に用いる解砕機または粉砕機が縦型
であり、該解砕機または粉砕機のタール滓出口を前記石
炭配送コンベアの真上に配置することが好ましい。
した解砕または粉砕に用いる解砕機または粉砕機が縦型
であり、該解砕機または粉砕機のタール滓出口を前記石
炭配送コンベアの真上に配置することが好ましい。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは前記した課題を解決するために鋭意
研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち、本発明
は、コークス炉から発生するコールタールから分離され
たタール滓を、遠心分離機などによって固形分濃度が80
％以上となるように濃縮処理した後、解砕機または粉砕
機により、タール滓の粒径を下げ、得られたタール滓を
直接コークス炉への石炭配送コンベア上に払出すことに
より、下記(1) 、(2)の優れた効果を奏するものであ
る。
する。本発明者らは前記した課題を解決するために鋭意
研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち、本発明
は、コークス炉から発生するコールタールから分離され
たタール滓を、遠心分離機などによって固形分濃度が80
％以上となるように濃縮処理した後、解砕機または粉砕
機により、タール滓の粒径を下げ、得られたタール滓を
直接コークス炉への石炭配送コンベア上に払出すことに
より、下記(1) 、(2)の優れた効果を奏するものであ
る。
【０００８】(1) タール滓をコークス炉装入炭へ添加し
た場合においても、タール滓無添加時と同一の強度のコ
ークスが得られ、この結果、タール滓をコークスの有用
な原料として用いることが可能となった。 (2) タール滓添加後のコークス炉装入炭の搬送における
問題点が解消可能となり、この結果、タール滓添加時の
コークスの生産性の向上が達成可能となった。
た場合においても、タール滓無添加時と同一の強度のコ
ークスが得られ、この結果、タール滓をコークスの有用
な原料として用いることが可能となった。 (2) タール滓添加後のコークス炉装入炭の搬送における
問題点が解消可能となり、この結果、タール滓添加時の
コークスの生産性の向上が達成可能となった。
【０００９】また、本発明は、前記したタール滓に含ま
れる水分、タールに起因するコークス炉での乾留所要熱
量の増加を回避できる効果も有する。図１に、本発明の
コークス炉装入炭へのタール滓の添加方法に係わる工程
図の一例を示す。図１において、１はコークス炉、２は
タールデカンタ、３はタールタンク、４は遠心分離機な
どのタール滓濃縮機、５は解砕機または粉砕機、６は石
炭配送コンベア、７はコークス炉装炭ホッパ、ａはター
ル滓を含有する発生タール、ｂはタール滓を含有しない
分離タール、ｃはタール滓、ｄはタールまたは安水、ｅ
は希釈タール滓、ｆはタール滓（最大粒径：150mm 、固
形分濃度≧80％）、ｇは回収タール、ｈはタール滓（最
大粒径≦50mm）、ｉは石炭、ｊは石炭とタール滓との混
合物を示す。
れる水分、タールに起因するコークス炉での乾留所要熱
量の増加を回避できる効果も有する。図１に、本発明の
コークス炉装入炭へのタール滓の添加方法に係わる工程
図の一例を示す。図１において、１はコークス炉、２は
タールデカンタ、３はタールタンク、４は遠心分離機な
どのタール滓濃縮機、５は解砕機または粉砕機、６は石
炭配送コンベア、７はコークス炉装炭ホッパ、ａはター
ル滓を含有する発生タール、ｂはタール滓を含有しない
分離タール、ｃはタール滓、ｄはタールまたは安水、ｅ
は希釈タール滓、ｆはタール滓（最大粒径：150mm 、固
形分濃度≧80％）、ｇは回収タール、ｈはタール滓（最
大粒径≦50mm）、ｉは石炭、ｊは石炭とタール滓との混
合物を示す。
【００１０】なお、解砕機または粉砕機５は縦型の解砕
機または粉砕機を用い、該解砕機または粉砕機のタール
滓出口は石炭配送コンベア６の真上に配置するように構
成されている。コークス炉１からのタール滓を含有する
発生タールａは、タールデカンタ２において分離タール
ｂとタール滓ｃに分離され、前者はバインダーピッチ用
原料として有効利用され、後者はタールタンク３に送給
される。
機または粉砕機を用い、該解砕機または粉砕機のタール
滓出口は石炭配送コンベア６の真上に配置するように構
成されている。コークス炉１からのタール滓を含有する
発生タールａは、タールデカンタ２において分離タール
ｂとタール滓ｃに分離され、前者はバインダーピッチ用
原料として有効利用され、後者はタールタンク３に送給
される。
【００１１】タールタンク３では、タール滓ｃにタール
または安水ｄが添加され、希釈タール滓ｅが形成され
る。希釈タール滓ｅはタール滓濃縮機４において固形分
濃度が80％以上のタール滓ｆおよび回収タールｇに分離
される（本発明の工程(1) ）。タール滓濃縮機４におい
て得られたタール滓ｆは、縦型の解砕機または粉砕機５
により、最大粒径が50mm以下であるタール滓ｈを得る
（本発明の工程(2) ）。
または安水ｄが添加され、希釈タール滓ｅが形成され
る。希釈タール滓ｅはタール滓濃縮機４において固形分
濃度が80％以上のタール滓ｆおよび回収タールｇに分離
される（本発明の工程(1) ）。タール滓濃縮機４におい
て得られたタール滓ｆは、縦型の解砕機または粉砕機５
により、最大粒径が50mm以下であるタール滓ｈを得る
（本発明の工程(2) ）。
【００１２】次に、タール滓ｈは、搬送装置を経ること
なく、直接、石炭配送コンベア６の石炭ｉ上に添加され
る（本発明の工程(3) ）。その後、タール滓ｈは、搬送
過程の揺動などにより石炭ｉと均一に混合された混合物
ｊとして、コークス炉装炭ホッパ７を経由してコークス
炉１に装入される。
なく、直接、石炭配送コンベア６の石炭ｉ上に添加され
る（本発明の工程(3) ）。その後、タール滓ｈは、搬送
過程の揺動などにより石炭ｉと均一に混合された混合物
ｊとして、コークス炉装炭ホッパ７を経由してコークス
炉１に装入される。
【００１３】以下、本発明を各工程について説明する。 (1) タール滓の濃縮（本発明の工程(1) ）：タールデカ
ンタ２で分離されたタール滓ｃにハンドリング性向上を
目的としてタールまたは安水ｄなどの希釈剤が添加さ
れ、コークス工場に輸送された希釈タール滓ｅを、固形
分濃度が80％以上となるように、タール滓濃縮機４で濃
縮する。
ンタ２で分離されたタール滓ｃにハンドリング性向上を
目的としてタールまたは安水ｄなどの希釈剤が添加さ
れ、コークス工場に輸送された希釈タール滓ｅを、固形
分濃度が80％以上となるように、タール滓濃縮機４で濃
縮する。
【００１４】なお、本発明においては、タールデカンタ
２で分離されたタール滓ｃを直接タール滓濃縮機４で濃
縮し、固形分濃度が80％以上となるように処理してもよ
く、タール滓濃縮機４で使用するタール滓に制限される
ものではない。本濃縮処理により、タール滓中の水分、
タールが除去され、タール滓をコークス原料とした場合
の、水分、タールに起因するコークス炉での乾留所要熱
量の増加が回避可能となる。
２で分離されたタール滓ｃを直接タール滓濃縮機４で濃
縮し、固形分濃度が80％以上となるように処理してもよ
く、タール滓濃縮機４で使用するタール滓に制限される
ものではない。本濃縮処理により、タール滓中の水分、
タールが除去され、タール滓をコークス原料とした場合
の、水分、タールに起因するコークス炉での乾留所要熱
量の増加が回避可能となる。
【００１５】また、本濃縮処理によりタール滓中のター
ルが除去されるため、タール滓の粘着力が低下し、下記
(2) で述べるように、タール滓添加後のコークス炉装入
炭の搬送における問題点が解消可能となる。 (2) タール滓の解砕または粉砕（本発明の工程(2) ）：
タール滓ｆをコークス炉への石炭配送コンベア６上に払
出すにあたっては、予め、解砕機または粉砕機５を用い
てタール滓の粒径を下げる。
ルが除去されるため、タール滓の粘着力が低下し、下記
(2) で述べるように、タール滓添加後のコークス炉装入
炭の搬送における問題点が解消可能となる。 (2) タール滓の解砕または粉砕（本発明の工程(2) ）：
タール滓ｆをコークス炉への石炭配送コンベア６上に払
出すにあたっては、予め、解砕機または粉砕機５を用い
てタール滓の粒径を下げる。
【００１６】これは、タール滓の粒径を下げることによ
り、タール滓を石炭配送コンベア６上に払出した後の石
炭とタール滓の混合を均一に行うことが可能となり、こ
の結果、コークス強度を保つことができるためである。
また、本発明によれば、前記したように、タール滓の
固形分濃度を80％以上となるように濃縮処理することに
より、タール滓の粘着力が低下し、さらには、タール
滓の粒径を下げることにより、タール滓を石炭配送コン
ベア上に払出した後の石炭とタール滓の混合が均一とな
り、この結果、タール滓のベルトコンベアへの付着によ
るベルトのスリップおよびコークス炉装炭ホッパ出口で
のタール滓の詰まりが防止でき、タール滓添加後のコー
クス炉装入炭の搬送における問題点が解消可能となる。
り、タール滓を石炭配送コンベア６上に払出した後の石
炭とタール滓の混合を均一に行うことが可能となり、こ
の結果、コークス強度を保つことができるためである。
また、本発明によれば、前記したように、タール滓の
固形分濃度を80％以上となるように濃縮処理することに
より、タール滓の粘着力が低下し、さらには、タール
滓の粒径を下げることにより、タール滓を石炭配送コン
ベア上に払出した後の石炭とタール滓の混合が均一とな
り、この結果、タール滓のベルトコンベアへの付着によ
るベルトのスリップおよびコークス炉装炭ホッパ出口で
のタール滓の詰まりが防止でき、タール滓添加後のコー
クス炉装入炭の搬送における問題点が解消可能となる。
【００１７】本発明においては、解砕または粉砕後のタ
ール滓ｈの最大粒径を50mm以下とすることが好ましい。 (3) タール滓の石炭配送コンベアへの払出し（本発明の
工程(3) ）：本発明においては、前記(2) で得られたタ
ール滓ｈを、直接、コークス炉への石炭配送コンベア６
上へ払出す。
ール滓ｈの最大粒径を50mm以下とすることが好ましい。 (3) タール滓の石炭配送コンベアへの払出し（本発明の
工程(3) ）：本発明においては、前記(2) で得られたタ
ール滓ｈを、直接、コークス炉への石炭配送コンベア６
上へ払出す。
【００１８】これは、本発明においては、解砕または粉
砕前に、タール滓濃縮機４により、タール滓を固形分濃
度が80％以上となるように濃縮するが、石炭配送コンベ
ア６上へ解砕または粉砕したタール滓を払出すまでに何
らかの移送工程を経た場合、濃縮後のタール滓に若干含
まれるタール分、水分により、解砕または粉砕したター
ル滓粒子が再び凝集してしまう可能性があるためであ
る。
砕前に、タール滓濃縮機４により、タール滓を固形分濃
度が80％以上となるように濃縮するが、石炭配送コンベ
ア６上へ解砕または粉砕したタール滓を払出すまでに何
らかの移送工程を経た場合、濃縮後のタール滓に若干含
まれるタール分、水分により、解砕または粉砕したター
ル滓粒子が再び凝集してしまう可能性があるためであ
る。
【００１９】そのため、前記した(2) の工程で用いる解
砕機または粉砕機５は、縦型であることが望ましく、こ
の場合、解砕機または粉砕機５のタール滓出口を石炭配
送コンベア６の真上に設置することが可能となり、解砕
または粉砕されたタール滓粒子は再び凝集することなく
石炭配送コンベア６上に払出すことができる。すなわ
ち、好ましくは、縦型の解砕機または粉砕機を用いて解
砕または粉砕したタール滓を、直接、コークス炉への石
炭配送コンベア上へ、好ましくは、すでに石炭が搭載さ
れたコンベア上へ払出すことにより、解砕または粉砕し
たタール滓粒子は小粒径を保った状態で石炭配送コンベ
ア上に払出され、この結果、石炭とタール滓のより均一
な混合が可能となり、タール滓無添加の場合と少なくと
も同程度のコークス強度を保つことができる。
砕機または粉砕機５は、縦型であることが望ましく、こ
の場合、解砕機または粉砕機５のタール滓出口を石炭配
送コンベア６の真上に設置することが可能となり、解砕
または粉砕されたタール滓粒子は再び凝集することなく
石炭配送コンベア６上に払出すことができる。すなわ
ち、好ましくは、縦型の解砕機または粉砕機を用いて解
砕または粉砕したタール滓を、直接、コークス炉への石
炭配送コンベア上へ、好ましくは、すでに石炭が搭載さ
れたコンベア上へ払出すことにより、解砕または粉砕し
たタール滓粒子は小粒径を保った状態で石炭配送コンベ
ア上に払出され、この結果、石炭とタール滓のより均一
な混合が可能となり、タール滓無添加の場合と少なくと
も同程度のコークス強度を保つことができる。
【００２０】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。なお、本実施例において、タール滓の固形分濃
度は、JIS K2439 （トルエン不溶分定量法）によって測
定した。また、タール滓の最大粒径とは、タール滓を篩
い分けたときに、その90重量％以上が篩下となる篩目の
大きさを示す。
明する。なお、本実施例において、タール滓の固形分濃
度は、JIS K2439 （トルエン不溶分定量法）によって測
定した。また、タール滓の最大粒径とは、タール滓を篩
い分けたときに、その90重量％以上が篩下となる篩目の
大きさを示す。
【００２１】（実施例１）先ず、タール滓の粒径とコー
クス強度の関係について実験室的に予備調査を行った。
タールデカンタで分離したタール滓を、遠心分離機で処
理し、固形分濃度が90％のタール滓を得た。
クス強度の関係について実験室的に予備調査を行った。
タールデカンタで分離したタール滓を、遠心分離機で処
理し、固形分濃度が90％のタール滓を得た。
【００２２】得られたタール滓の粒径は、最大粒径が約
150 mmであったが、これを粉砕機で処理し、最大粒径が
10mm、40mm、60mmのタール滓を得た。上記した粉砕機で
処理前のタール滓または処理後のタール滓を、いずれも
添加率５％として配合炭に添加し、試験コークス炉で乾
留し、得られたコークスの磨耗強度、すなわちタンブラ
ー強度（TI6 ）を調べた。
150 mmであったが、これを粉砕機で処理し、最大粒径が
10mm、40mm、60mmのタール滓を得た。上記した粉砕機で
処理前のタール滓または処理後のタール滓を、いずれも
添加率５％として配合炭に添加し、試験コークス炉で乾
留し、得られたコークスの磨耗強度、すなわちタンブラ
ー強度（TI6 ）を調べた。
【００２３】その結果、タール滓の粒径を小さくし配合
炭に添加することにより、粉砕機で処理前のタール滓を
配合炭に添加した場合に対してコークス強度は向上し、
さらにタール滓の最大粒径が50mm以下の場合は、タール
滓無添加時のコークス強度と少なくとも同程度の強度の
コークスが得られることが分かった。 （実施例２）実験的に、タール滓の最大粒径を50mm以下
とすることにより、タール滓無添加時のコークス強度と
少なくとも同程度の強度のコークスが得られることが分
かったため、実機実験を実施した。
炭に添加することにより、粉砕機で処理前のタール滓を
配合炭に添加した場合に対してコークス強度は向上し、
さらにタール滓の最大粒径が50mm以下の場合は、タール
滓無添加時のコークス強度と少なくとも同程度の強度の
コークスが得られることが分かった。 （実施例２）実験的に、タール滓の最大粒径を50mm以下
とすることにより、タール滓無添加時のコークス強度と
少なくとも同程度の強度のコークスが得られることが分
かったため、実機実験を実施した。
【００２４】すなわち、図１に示す工程図にしたがって
コークス炉装入炭へのタール滓の添加実験を行った。タ
ールデカンタ２で分離したタール滓ｃに希釈剤であるタ
ール、安水が添加されコークス工場に輸送された希釈タ
ール滓ｅを、タール滓濃縮機４で処理し、固形分濃度が
90％のタール滓を得た。
コークス炉装入炭へのタール滓の添加実験を行った。タ
ールデカンタ２で分離したタール滓ｃに希釈剤であるタ
ール、安水が添加されコークス工場に輸送された希釈タ
ール滓ｅを、タール滓濃縮機４で処理し、固形分濃度が
90％のタール滓を得た。
【００２５】なお、タール滓濃縮機４としては遠心分離
機を用いた。得られたタール滓の粒径は、最大粒径が約
150 mmであったが、これを縦型の粉砕機５（槙野産業社
製）で処理し、そのまま石炭配送コンベア６の石炭上に
添加した。粉砕機５出口におけるタール滓ｈの粒径は、
最大粒径が40mmとなるように調整し、石炭への添加率は
５％とした。
機を用いた。得られたタール滓の粒径は、最大粒径が約
150 mmであったが、これを縦型の粉砕機５（槙野産業社
製）で処理し、そのまま石炭配送コンベア６の石炭上に
添加した。粉砕機５出口におけるタール滓ｈの粒径は、
最大粒径が40mmとなるように調整し、石炭への添加率は
５％とした。
【００２６】この結果、コークス炉１で製造されたコー
クスのタンブラー強度（TI6 ）は、タール滓無添加時の
コークスのタンブラー強度（TI6 ）と同一となり、ター
ル滓をコークス原料として有用な原料として用いること
が可能となった。また、従来は、タール滓を濃縮、粉砕
せず未処理で石炭配送コンベア６の石炭上に添加した場
合は、タール滓のベルトコンベアへの付着によるベルト
のスリップおよびコークス炉装炭ホッパ７出口でのター
ル滓の詰まりが生じたが、本実施例においては、タール
滓のベルトコンベアへの付着によるベルトのスリップも
コークス炉装炭ホッパ７出口でのタール滓の詰まりとい
った操業トラブルもなく順調な操業が可能であった。
クスのタンブラー強度（TI6 ）は、タール滓無添加時の
コークスのタンブラー強度（TI6 ）と同一となり、ター
ル滓をコークス原料として有用な原料として用いること
が可能となった。また、従来は、タール滓を濃縮、粉砕
せず未処理で石炭配送コンベア６の石炭上に添加した場
合は、タール滓のベルトコンベアへの付着によるベルト
のスリップおよびコークス炉装炭ホッパ７出口でのター
ル滓の詰まりが生じたが、本実施例においては、タール
滓のベルトコンベアへの付着によるベルトのスリップも
コークス炉装炭ホッパ７出口でのタール滓の詰まりとい
った操業トラブルもなく順調な操業が可能であった。
【００２７】
【発明の効果】本発明によれば、コークス炉から発生す
るコールタールから分離されたタール滓を適切に処理し
て、再びコークス炉へ循環することにより、タール滓無
添加時と同一の強度のコークスが得られ、この結果、タ
ール滓をコークスの有用な原料として用いることが可能
となった。
るコールタールから分離されたタール滓を適切に処理し
て、再びコークス炉へ循環することにより、タール滓無
添加時と同一の強度のコークスが得られ、この結果、タ
ール滓をコークスの有用な原料として用いることが可能
となった。
【００２８】さらには、タール滓添加後のコークス炉装
入炭の搬送における問題点が解消可能となり、この結
果、タール滓添加時のコークスの生産性の向上が達成可
能となり、本発明は、工業上極めて優れた効果を有す
る。
入炭の搬送における問題点が解消可能となり、この結
果、タール滓添加時のコークスの生産性の向上が達成可
能となり、本発明は、工業上極めて優れた効果を有す
る。
【図１】本発明のコークス炉装入炭へのタール滓の添加
方法の一例を示す工程図である。
方法の一例を示す工程図である。
１ コークス炉 ２ タールデカンタ ３ タールタンク ４ タール滓濃縮機 ５ 解砕機または粉砕機 ６ 石炭配送コンベア ７ コークス炉装炭ホッパ ａ 発生タール ｂ 分離タール ｃ タール滓 ｄ タールまたは安水 ｅ 希釈タール滓 ｆ タール滓（最大粒径：150mm 、固形分濃度≧80％） ｇ 回収タール ｈ タール滓（最大粒径≦50mm） ｉ 石炭 ｊ 石炭とタール滓との混合物
フロントページの続き (72)発明者 国武 幹生 千葉県千葉市中央区川崎町１番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 油谷 敏 千葉県千葉市中央区川崎町１番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内
Claims (5)
- 【請求項１】 コークス炉から発生するコールタールか
ら分離されたタール滓を、固形分濃度が80％以上となる
ように濃縮し、得られたタール滓を解砕または粉砕した
後、コークス炉への石炭配送コンベア上へ払出すことを
特徴とするコークス炉装入炭へのタール滓の添加方法。 - 【請求項２】 前記した解砕後または粉砕後のタール滓
を、コークス炉への石炭配送コンベアで配送中の石炭上
に払出す請求項１記載のコークス炉装入炭へのタール滓
の添加方法。 - 【請求項３】 前記した解砕または粉砕後のタール滓の
最大粒径を50mm以下とする請求項１または２記載のコー
クス炉装入炭へのタール滓の添加方法。 - 【請求項４】 前記した解砕後または粉砕後のタール滓
を、搬送装置を介さず、直接、前記したコークス炉への
石炭配送コンベア上または該コンベアで配送中の石炭上
に払出す請求項１〜３いずれかに記載のコークス炉装入
炭へのタール滓の添加方法。 - 【請求項５】 前記した解砕または粉砕に用いる解砕機
または粉砕機が縦型であり、該解砕機または粉砕機のタ
ール滓出口を前記石炭配送コンベアの真上に配置するこ
とを特徴とする請求項１〜４いずれかに記載のコークス
炉装入炭へのタール滓の添加方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21986796A JPH1060451A (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | コークス炉装入炭へのタール滓の添加方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21986796A JPH1060451A (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | コークス炉装入炭へのタール滓の添加方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1060451A true JPH1060451A (ja) | 1998-03-03 |
Family
ID=16742305
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21986796A Pending JPH1060451A (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | コークス炉装入炭へのタール滓の添加方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1060451A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0672524A1 (de) * | 1994-03-15 | 1995-09-20 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur Herstellung von dimensionsstabilen Akustik-Bauteilen |
| KR100856270B1 (ko) * | 2002-08-30 | 2008-09-03 | 주식회사 포스코 | 화성슬러지를 이용한 코크스 제조방법 |
| JP2008231278A (ja) * | 2007-03-22 | 2008-10-02 | Jfe Chemical Corp | タール滓の処理方法およびタール滓のコークス炉装入方法 |
| JP2010070659A (ja) * | 2008-09-19 | 2010-04-02 | Jfe Steel Corp | コークス炉装入炭への乾燥タール滓添加方法 |
| JP2013516528A (ja) * | 2010-01-06 | 2013-05-13 | ティッセンクルップ ウーデ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 固形物を含有した液状の圧送可能なタール懸濁液を、内部に含有された分離された固形物を搬送する必要なく分離するための装置および方法 |
| CN112940768A (zh) * | 2021-04-01 | 2021-06-11 | 萍乡市新安环保工程有限公司 | 一种焦油渣的处理方法和处理系统 |
-
1996
- 1996-08-21 JP JP21986796A patent/JPH1060451A/ja active Pending
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| JP2013516528A (ja) * | 2010-01-06 | 2013-05-13 | ティッセンクルップ ウーデ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 固形物を含有した液状の圧送可能なタール懸濁液を、内部に含有された分離された固形物を搬送する必要なく分離するための装置および方法 |
| CN112940768A (zh) * | 2021-04-01 | 2021-06-11 | 萍乡市新安环保工程有限公司 | 一种焦油渣的处理方法和处理系统 |
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|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20040602 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041207 |
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| A02 | Decision of refusal |
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