JPH10183136A - コークス製造用原料炭の事前処理方法及びコークスの製造方法 - Google Patents

コークス製造用原料炭の事前処理方法及びコークスの製造方法

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JPH10183136A
JPH10183136A JP34791196A JP34791196A JPH10183136A JP H10183136 A JPH10183136 A JP H10183136A JP 34791196 A JP34791196 A JP 34791196A JP 34791196 A JP34791196 A JP 34791196A JP H10183136 A JPH10183136 A JP H10183136A
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coal
coke
coking
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caking
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JP34791196A
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Inventor
Atsushi Kumagai
淳 熊谷
Yukihiko Maeno
幸彦 前野
Takeshi Mizushima
彪 水島
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量の非微粘結炭を良質粘結炭とともに使用
した場合であっても、コークス強度を向上させるコーク
ス製造用原料炭の事前処理方法を提供すること。 【解決手段】 強粘結炭に比べてより細かく粉砕した非
微粘結炭を少なくとも一部含むように配合した原料炭を
流動層乾燥機にて実質上表面水分がなくなくなるまで乾
燥し、次いで微粉炭と残留粗粉炭に分級し、分級された
微粉炭に歴青物のバインダーを混練し、上記残留粗粉炭
に混合することを特徴とするコークス製造用原料炭の事
前処理方法。 【効果】 高炉用コークスとしての品質を満足しつつ、
劣質炭である非微粘結炭の多量使用を実用上可能にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コークス製造用原
料炭の事前処理方法に関し、特にコークス品質を向上さ
せると共に、多量の非微粘結炭を良質粘結炭と高炉用コ
ークスを製造するための原料として使用することを実用
上可能にするコークス製造用原料炭の事前処理方法及び
コークスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉用コークスを製造するために不可欠
な良質粘結炭(強粘結炭および弱粘結炭)は世界的に不
足しており、コークス製造業界では、粘結性の低い石炭
(非微粘結炭)を使用して、コークス強度の高いコーク
ス製造法の技術開発が進められている。この技術開発の
一つの方向として、乾燥炭装入法が既に開発され一部で
実施されたことがある。しかし、この方法は乾燥炭中の
水分を通常6重量%以下に設定しているため、装入炭の
輸送工程及びコークス炉への装入時において粉塵の発生
が著しく、作業環境を劣悪にし、またコークス炉中での
乾溜時に発生するコールタールガス(COG)やタール
に微粉が同伴されてコークス炉ガス導管に流れ込む、い
わゆるキャリーオーバー現象を増大させる。このキャリ
ーオーバーされた石炭粉は、最終的にはタール中のスラ
ッジ分を増大させ、さらにはコークス炉におけるカーボ
ントラブルも発生させ、未だ普及するに至っていない。
【0003】このため、特開昭57−53587号公報
では、粉塵発生機構を解明し、100メッシュ(約15
0μm)以下の粒度の微粉炭をそれ以上の粒度の細粒炭
(粗粒炭)と分離して、このうち微粉炭を塊成化した
後、再度粗粒炭と混合することを開示している。しか
し、炭化室へ石炭を装入する際のキャリーオーバー粉に
は、150μm以上のものも含み、やはり炭化室内にお
けるカーボントラブルを発生し、またタール中にスラッ
ジが混入することを十分に防止できない。
【0004】また、特開昭55−48284号公報に
は、ガスと固体を分離する際、原料分離器の効率を石炭
の状態に応じて、分離器中で総含量の80〜90%、特
に80%を炭塵なしに分離するように調節し、後続の炭
塵分離機で残分の固体(主として炭塵)を分離し、この
炭塵を後除塵機からの炭塵と一緒に圧縮し、この圧縮し
た材料を主要量の石炭に添加して、コークス炉に装入す
ることを特徴とするコークス炉へ予備乾燥及び予熱した
石炭を装入する際の炭塵発生を減少する方法を開示して
いる。しかしこの方法では、炭塵(微粉炭)の分級割合
を10%〜20%としているが、石炭の配合構成の変化
によって発塵、キャリーオーバーの原因となる微粉の粒
径及び量も変化するため、分級割合でもって問題となる
微粉の量を規定できるものではなく、かつ予熱炭プロセ
スでもあって既設炉への適用には障害が多い。
【0005】また、特開昭58−80387号公報に
は、粗粒子炭部分を選択的に粉砕した粉炭の水分を3重
量%未満に調整し、撹袢又は振動を与えながら(与えた
後)、微粒子炭部分と細粒子炭部分に分離し、微粒子炭
部分に結合剤を加えてから塊成化し塊成炭として、細粒
子炭部分と混合するコークス製造用装入炭の調整方法を
開示している。しかし、この方法では、粉砕工程の前に
も分級設備が必要となり、また湿炭を分級することから
大きな動力源を必要とし、設備が複雑化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来から
提案されている方法では、特に粘結性の低い石炭(非微
粘結炭)を良質粘結炭(強粘結炭および弱粘結炭)の一
部に置き換えて乾燥炭装入法を採用する場合、乾燥炭の
輸送工程での発塵防止及びコークス炉での乾溜時のキャ
リーオーバー現象を確実に防止するには、未だ改善の必
要があり、かつ高強度生成コークスの開発も強く求めら
れている。
【0007】かかる現状から、本発明は、粘結性の低い
石炭(非微粘結炭)を世界的に不足している良質粘結炭
(強粘結炭および弱粘結炭)とともに使用した場合であ
っても、特にコークス強度をより向上させ、もって多量
の非微粘結炭を高炉用コークスを製造するための原料と
して使用することを実用上可能にするコークス製造用原
料炭の事前処理方法及びコークスの製造方法を提供する
ことを目的とする。また、非微粘結炭を良質粘結炭とと
もに使用した場合であっても、石炭乾燥に伴う石炭輸送
過程での発塵防止、炭化室への石炭装入の際のキャリー
オーバー防止対策を万全なものにすることを実用上可能
にするコークス製造用原料炭の事前処理方法及びコーク
スの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ね、乾燥炭操業において
見られる、発塵源やキャリーオーバー源となる微粉炭の
粒径を調べた。発塵源については、コークス炉への輸送
過程での発塵粉を採取し、キャリーオーバー源について
は、炭化室への石炭装入中に上昇管立管部で飛散粉を採
取しそれらの粒度分布を測定した結果を、夫々図1(発
塵源)、図2(キャリーオーバー源)に示す。これらの
図1、2から明らかなように、発塵性粒子の大部分は
0.1mm以下(100μm以下)、特に70μm以下
(99.6%)であるが、キャリーオーバーダストは
0.3mm以下(99%)であることが判明した。
【0009】本発明者等は、こうした知見に基づきさら
に検討した結果、非微粘結炭は良質粘結炭に比べて、硬
くしかも粒度(特に粗炭粒度)が粗い一方、非微粘結炭
は粘結性が低いため、多量使用するためには粘結剤によ
る改質が有効であることに着目し、非微粘結炭と良質粘
結炭とで目標粒度を変えて粉砕(すなわち非微粘結炭を
良質粘結炭に比べて細かく粉砕するか、又は非微粘結炭
を選択的に粉砕)することによって、さらに石炭の表面
水分が実質上無くなるまで乾燥することで微粉と粗粒部
分から完全に分離すること、その上で微粉の限界分級点
を0.2〜0.3mmの範囲内で分級した微粉炭にター
ル等のバインダーを添加し混練して擬似粒子化した後、
さらに所望によりこの混練物をブリケット化して残留す
る粗粒部分に混合することによって、非微粘結炭を一部
に使用した場合であっても製品としてのコークス強度の
改善が図れ、しかも、石炭乾燥に伴う輸送過程での発塵
防止、炭化室への乾燥炭装入の際、或は乾溜時のキャリ
ーオーバー現象をほぼ完全に防止することを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0010】すなわち、本発明のコークス製造用原料炭
の事前処理方法は、良質粘結炭に比べてより細かく粉砕
した非微粘結炭を少なくとも一部含むように配合した原
料炭を、乾燥し、微粉炭と残留粗粉炭に分級し、分級さ
れた微粉炭に歴青物のバインダーを混練し、残留粗粉炭
に混合することを特徴とするものである。
【0011】上記本発明において、原料炭は、熱風によ
る流動層乾燥機にて実質上表面水分がなくなくなるまで
乾燥し、その乾燥中又は乾燥直後に境界分級点を0.2
〜0.3mmの範囲に調整して微粉炭と残留粗粉炭に連
続的に分級することが望ましい。また良質粘結炭につい
ては粒度3mm以下を50〜70重量%とする一方、非
微粘結炭については粒度3mm以下を80〜95重量%
とすることが望ましい。その他原料炭中の非微粘結炭の
配合率が40〜60wt%の範囲が好ましく、又分級さ
れた微粉炭に歴青物のバインダーを混練した後、ブリケ
ット化してから残留粗粉炭に混合することがより好まし
い。
【0012】本発明のコークス製造方法は、上記本発明
で事前処理された原料炭を、コークス炉装入炭槽に貯蔵
した後、コークス炉の炭化室に装入することを特徴とす
るものである。
【0013】かかる本発明によれば、非微粘結炭を良質
粘結炭に比べて選択的により細かく微粉砕することによ
り、分級した微粉炭中の非微粘結炭の割合が多くなり、
バインダーと混合される非微粘結炭の割合が多くなる。
乾溜中にバインダーによって改質する場合、非微粘結炭
の方が良質粘結炭に比べて改質され易く、また非微粘結
炭についてみれば微粉炭の方が粗粉炭に比べて改質され
易い。そのため、良質粘結炭と非微粘結炭の粉砕粒度を
同等とする場合に比べて、コークス強度が向上する。
【0014】また、原料炭の表面水分が実質上無くなる
まで乾燥することで微粉部分が擬似粒子集合体となって
いる場合にも、容易に崩壊して微粉炭が粗粒子部分から
完全に分離することを可能とし、その上で微粉の限界分
級点を0.2〜0.3mmとし、かつ分離された微粉炭
には歴青物のバインダーを添加して混練した状態で、又
は、更に成型ロールにてブリケット成型した状態で上記
残留粗粉炭に混合することにより、上記発塵及びキャリ
ーオーバー防止に万全を期することができる。また、特
に微粉炭は混練した状態でも、或いは特にブリケット成
型されている場合、粗粒子部分との混合による炭化室装
入時点で、ブリケット間の隙間には粗粒子部分が充填さ
れて装入嵩密度の最大化が図れることで、得られるコー
クス強度をより向上させることとなる等の作用効果を奏
する。
【0015】つぎに、本発明の構成要件について説明す
る。 (1)原料炭としては、強粘結炭よりも入手が容易でか
つ安価な非微粘結炭を良質粘結炭と併用して使用する。
なお、非微粘結炭とは、良質粘結炭(強粘結炭及び弱粘
結炭)に該当しないものであり、それ単独では高炉用コ
ークスに不向きな低品位コークスしか得られないコーク
ス化性の低い(又は粘結性の低い)石炭である。かかる
非微粘結炭に関しては、鉄鋼業界を含めたコークス業界
で一般化した定義はなされていない。そこで本発明者等
が各種の非微粘結炭を分析した結果で示せば、石炭化度
Roと最高流動度MF(JIS M8801)の関係では、Ro≦
1.0で、かつMF(=logDDPM)≦3.0の範囲(ただ
しDDPMはDial Deviation perMinuteの略)であり、或は
石炭化度Roと全膨張率TD(JIS M8801)の関係では、
Ro≦1.0で、かつTD≦50の範囲に該当するもの
と概略的に定義することができるが、この定義に限定さ
れるものではなく、この範囲外であっても上記したコー
クス化性の低い(又は粘結性の低い)石炭であれば、本
発明の非微粘結炭に含めるものとする。
【0016】なお、従来における乾燥炭装入法では、原
料炭中の非微粘結炭の配合量は、20〜30重量%の範
囲内が殆どであり、多くても40重量%程度までであ
る。本発明では、原料炭中の非微粘結炭の量は、特に限
定するものではないが、好ましくは30重量%以上、特
に好ましくは40〜60重量%の範囲内で使用すること
が可能である。ただし非微粘結炭の量をこれ以上増やし
た場合、発塵等の観点では問題ないが、アッシュ分や硫
黄分が過多となり、高炉用コークスとしては強度が不足
する傾向となる。原料炭は、先ず、石炭のグループ毎に
配合した後、グループ毎に又は一括して粉砕される。ま
た、原料炭の良質粘結炭や非微粘結炭等の銘柄毎に所定
粒度に粉砕後、配合することもできる。或は、ヤードブ
レンディングを行った後、粉砕する方法を採ってもよ
い。コークス製造において、原料炭の粉砕は不可欠であ
り、分級の後工程として粉砕することは再度微粉を発生
することから、適当でない。
【0017】この粉砕工程において、非微粘結炭と良質
粘結炭で目標粒度を変えて粉砕し、非微粘結炭をより細
かく、良質粘結炭を粗くするか、非微粘結炭を選択的に
粉砕することが重要である。非微粘結炭は良質粘結炭に
比べて硬く粗炭粒度が粗い一方、非微粘結炭は粘結性が
低いため多量使用するためにはタールによる改質がより
有効であるためである。具体的には、良質粘結炭につい
ては粒度3mm以下を50〜70重量%とする一方、非
微粘結炭については粒度3mm以下を80〜95重量%
とする。場合によっては、良質粘結炭は粉砕工程を省略
し、非微粘結炭を粉砕してもよい。なお、石炭をグルー
プ毎に粉砕後、良質粘結炭と非微粘結炭とを配合する場
合には、非微粘結炭のみを粉砕強化できるように、非微
粘結炭を一つの粉砕機の系列に集めることが好ましい。
【0018】特に、粉砕工程について、各種銘柄を配合
したのち粉砕する場合、非微粘結炭をより微粉砕するこ
とができるように、非微粘結炭を一つの粉砕機の系列に
集めることが好ましい。非微粘結炭をより細かく粉砕す
ることにより、乾燥・分級した微粉炭中の非微粘結炭の
割合が多くなり、タールと混合される非微粘結炭の割合
が多くなる。したがって、炭化室での乾溜中、非微粘結
炭の方がタールによる改質効果が大きいことから、良質
粘結炭と非微粘結炭の粉砕粒度を同等とする場合に比べ
て、コークス強度が向上することとなる。
【0019】(2)原料炭を粉砕後、熱風による流動層
乾燥機にて表面水分ができるだけ少なくなるように、少
なくとも0.5重量%以下、最適には実質上表面水分が
無くなるまで(表面水分≒0%)乾燥するとよい。ここ
でいう表面水分とは、全水分(JIS M 8811)から包蔵水分
(JIS M 8803)を差し引いたものを指す。また、実操業に
おいて通常使用される赤外線水分計で直接測定すること
も差支えない。この場合、全水分としては3重量%未
満、好ましくは2重量%程度まで乾燥することが好まし
い。表面水分が実質上なくなるまで乾燥することが最適
であるのは、少しでも表面水分が残存していると、微粉
を粗粒部分から十分に分離することができない傾向とな
り、微粉炭をタール添加及び成型してブリケット化する
ことによる発塵防止等の効果が不十分なものとなる。
【0020】この乾燥工程は、流動層乾燥機を使用する
ことにより、熱風を床面から吹込み原料炭に直接接触さ
せつつ原料炭を流動させながら乾燥することができて最
適である。この乾燥機の場合、原料炭が流動層内で撹袢
され、また粒子同士の揉み洗い効果により、微粉がより
容易に分離される。なお、流動層乾燥機とともに、その
前段に予備乾燥工程を設け、予備乾燥してもよい。流動
層乾燥機は、上部の排出口に微粉炭の分級機能を一体的
に備える方式、又は別途乾燥機の後段での集塵機等に微
粉炭の分級機を備える方式のいずれでもよい。
【0021】こうした乾燥機及び分級機を用いることに
より、乾燥工程中において、又は乾燥直後において、原
料炭を微粉炭部分と粗粒炭部分とに分級する。乾燥前の
湿炭においては、微粉炭は水分のため擬似粒子を形成し
ており分離が困難である。特に、石炭分級機能を一体的
に備えた乾燥機の場合、乾燥用熱源である気流によって
も微粉の一部を分級できるため好ましい。この場合、乾
燥機の上部空間から排出付近までの気流の通過速度調整
によって粗粒部分から分級された微粉は、気流とともに
排出され後続のバグフィルター等の集塵機にて適宜集塵
する。
【0022】(3)乾燥工程において、又は乾燥後に、
原料炭を微粉炭部分と粗粒炭部分とに分級する場合、そ
の境界分級点は0.2〜0.3mmにするとよい。石炭
の表面水分が実質上なくなるまで(表面水分≒0%)乾
燥し、かつこのような分級点でもって微粉を分級するこ
とにより、石炭輸送中の発塵、炭化室装入中のキャリー
オーバーの発生源をほぼ完全に除去することが可能であ
る。境界分級点が0.2未満の場合、発塵やキャリーオ
ーバーの原因となる微粉が粗粒炭とともに輸送されてし
まう。また、分級点が0.3mmを越えても、発塵、キ
ャリーオーバー増減効果は小さく、ブリケット化のため
のランニングコストが高くなるだけである。
【0023】(4)分級された微粉炭には、歴青物のバ
インダーを溶融状態で添加するとよい。バインダーとし
ては、タール、重質油、ピッチ類などが利用できるが、
特にコークス炉から回収される粗タールをそのまま使用
できる。こうした粗タールとしては、デカンターに沈殿
されるタール宰(スラッジ)を併用してもよい。また、
コークス炉上昇管からサクションメーンまでに凝縮する
タール、すなわち重質タール分が比較的多いタールを分
別回収し、この分別回収されたタールを微粉炭の塊成化
に利用すると、発塵防止やコークス強度向上により寄与
できる。なお、タールとともに、重質油やピッチ類を添
加してもよい。
【0024】分級された微粉炭への歴青物のバインダー
添加は、任意の混合撹袢機を使用してよく限定されな
い。特に、ピン式又はパドル式混練機等が均一混練には
好適に使用される。微粉炭に対するバインダー添加量と
しては、6〜15重量%、特に8〜12重量%が好まし
い。微粉炭とバインダーの混練物を、さらにロール成型
機にてブリケットに加圧成型することがより一層好まし
い。このようにしてブリケット化することによって、単
にバインダー添加混練するだけでなく、加圧成型するこ
とにより、ブリケット化した微粉炭がコークス炉までの
輸送過程で再度崩壊することを防止し、もって発塵やキ
ャリーオーバーの原因となる微粉炭の再発生防止に万全
を期することがより確実なものとなる。
【0025】この場合のブリケットの形状は、球状、方
形状、楕円状等の形状に成型されたものであればよく特
に限定されない。例えば、長辺50〜70mm、短辺3
0〜50mm、厚み30mm前後の方形状ブリケットが
挙げられる。また、ブリケット成型圧は、線圧=0.5
〜2.0t/cmの範囲にすることが好ましい。線圧が
0.5t/cm未満の場合、輸送過程でのブリケット崩
壊による微粉炭の再発生防止に不十分である一方、線圧
が2.0t/cmを越えて成型しても微粉炭の再発生防
止について効果の向上がを殆ど認められずエネルギー的
に無駄である。
【0026】(5)微粉炭のブリケット化された成型物
を、乾燥・分級工程から出てきた乾燥粗粒炭と均一混合
し、コークス製造用原料炭とする。このようにして事前
処理されたコークス製造用原料炭は、コークス炉の炭化
室に装入される。この場合、装入条件については特に限
定されない。本発明によるコークス製造用原料石炭の事
前処理方法のフローシートを、図1に示す。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、全体のプロセスフローで説明する。本発明は、図3
に示すように概略下記(1)〜(8)の工程に分けられ
る。
【0028】(1)原料炭の調整工程 良質粘結炭よりも入手が容易でかつ安価な非微粘結炭を
良質粘結炭と併用して使用する。本発明では原料炭中の
非微粘結炭の量は、好ましくは30重量%以上、特に好
ましくは40〜60重量%の範囲内で使用可能である。 (2)原料炭の配合工程 原料炭は、先ず、石炭の種類(グループ)毎及びヤード
毎に調整し、グループ毎に又は一括して所定割合で配合
される。又は、原料炭の銘柄毎に粉砕後に、配合するこ
ともできる。
【0029】(3)粉砕工程 原料炭の粉砕は任意の方法でよいが、非微粘結炭をより
細かく、良質粘結炭を粗く粉砕する。即ち、良質粘結炭
については粒度3mm以下を50〜70重量%とする一
方、非微粘結炭については粒度3mm以下を80〜95
重量%とすることが最適である。又、非微粘結炭を選択
的に粉砕する場合、同様に粒度3mm以下を80〜95
重量%にするとよい。
【0030】(4)乾燥・分級工程 原料炭は粉砕後でも通常10重量%前後の水分を含有し
ており、これを燃焼ガスの熱風により流動層乾燥機にて
表面水分が実質上無くなるまで(表面水分≒0%)乾燥
するとよい。この場合、全水分含有率は3重量%未満、
好ましくは2重量%程度まで乾燥することが好ましい。
なお、流動層乾燥機は、上部の排出口に微粉炭の分級機
能を一体的に備える方式が好ましい。微粉炭部分と粗粒
炭部分とに分級する場合の境界分級点は0.2〜0.3
mmの範囲に調整するとよい。
【0031】(5)バインダー(タール)添加工程 分級された微粉炭には、バインダーとしては、タール等
の歴青物が溶融状態で添加される。 (6)混練工程 分級された微粉炭への歴青物のバインダー添加は、任意
の混合撹袢機を使用してよく限定されない。特に、ピン
式又はパドル式混練機等が均一混練には好適に使用され
る。微粉炭に対するバインダー添加量としては、8〜1
2重量%が好ましい。
【0032】(7)成型工程 微粉炭とバインダーの混練物は、さらにロール成型機に
てブリケットに加圧成型するとよい。この場合のブリケ
ット成型圧は、線圧=0.5〜2.0t/cmの範囲に
することが好ましい。 (8)コークス炉装入炭の調整工程 微粉炭のブリケット化された成型物は、乾燥・分級工程
から出てきた乾燥粗粒炭とベルトコンベアー上等で混合
し、適宜コークス炉装入炭槽に貯蔵した後、コークス炉
の炭化室に装入される。コークス炉の炭化室装入条件に
ついては、例えば装入炭の充填密度を、比較的高い0.
8〜0.9t/m3程度に高密度充填すれば、炭化室で
の乾溜中にタールによって非微粘結炭が改質されること
と相まって、生成コークス強度が向上する。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例と比較例を説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものでないこ
とは勿論である。
【0034】実施例l コークス製造用原料石炭の事前処理は、以下のようにし
て行った。非微粘結炭(石炭化度Ro:0.69、最高
流動度MF(=logDDPM):2.06、全膨張率TD:2
9)と良質粘結炭をそれぞれ、粉砕粒度3mm以下が9
0%と70%になるように粉砕した後、当該非微粘結炭
45重量%と良質粘結炭55重量%配合したコークス製
造用原料炭(水分9%)を試験乾燥機を用いて、石炭全
水分含有率2重量%(表面水分=0%)になるまで乾燥
させた後、境界分級点が0.3mmの篩いでそれぞれ微
粉炭と粗粉炭部分に分級した。分級した微粉炭に対し
て、粗タールを10重量%添加混練し擬似粒子化し、さ
らに成型機にて線圧1.0t/cmで、長辺65mm、
短辺42mm、厚み28mm、容積56ccのブリケッ
トに成型した成型炭を分級した粗粒炭に混合し、この装
入炭を電気炉(幅450mm,高さ500mm,長さ640mm)内に装
入し、コークス温度1050℃まで昇温し、乾留した。得ら
れたコークスのドラム強度DI(150/15)と反応後強度
CSRを測定した結果を第1表に示す。
【0035】比較例1(非微粘結炭と良質粘結炭の粉砕
粒度が同一) 実施例1で使用したと同じ非微粘結炭を45重童%、良質
粘結炭を55重量%配合したコークス製造用原料炭(水
分9.0%)を、粉砕粒度3mm以下が79%になるように粉砕
して、実施例1と同じ方法で乾燥、分級、成型を行った
後、実施例1と同一条件で乾溜を終了してコークスを得
た。得られたコークスのドラム強度DI(150/15)と反
応後強度CSRを測定した結果を表1に示す。
【0036】
【表1】 上記の表1のコークス強度測定結果から明らかな如く、
実施例1ではコークス強度は、比較例1に比べて、優れ
た性状を有するコークスが得られることが分かる。
【0037】実施例2 また、実施例1で使用したのと同一の石炭について、実
施例1と同一の条件で粉砕、配合を行い、この配合炭を
試験乾燥機を用いて、石炭全水分含有率2重量%(表面
水分=0%)になるまで乾燥させた後、境界分級点が
0.3mmの篩いでそれぞれ微粉炭と粗粉炭部分に分級
した。分級した微粉炭に対して、粗タールを10重量%
添加混練し擬似粒子化した後粗粒炭に混合し、実施例1
と同一の条件で乾留した。得られたコークスのドラム強
度DI(150/15)と反応後強度CSRを測定した結果を第
2表に示す。
【0038】比較例2(非微粘結炭及び良質粘結炭の粉
砕粒度が同一) 実施例2で使用したと同じ非微粘結炭を45重童%、良
質粘結炭を55重量%配合したコークス製造用原料炭
(水分9.0%)を、粉砕粒度 3mm以下が79%になるよう
に粉砕して、実施例2と同じ方法で乾燥、分級、タール
混練を行った後、実施例2と同一条件で乾溜を終了して
コークスを得た。得られたコークスのドラム強度DI
(150/15)と反応後強度CSRを測定した結果を表2に示
す。
【0039】
【表2】 上記の表2のコークス強度測定結果から明らかな如く、
実施例2ではコークス強度は、比較例2の従来法に比べ
て、優れた性状を有するコークスが得られることが分か
る。
【0040】
【発明の効果】本発明は粘結性の低い石炭(非微粘結
炭)を世界的に不足している良質粘結炭(強粘結炭およ
び弱粘結炭)と共に多量配合した場合であっても、製品
としてのコークス強度をより向上させることもできる。
又、乾燥に伴う輸送過程での発塵防止、炭化室への乾燥
炭装入の際、或いは乾溜時のキャリーオーバー防止対策
を万全なものにすることもできる。即ち高炉用コークス
としての品質を満足しつつ、劣質炭である非微粘結炭の
多量使用を実用上可能にするものであり、石炭資源の有
効活用に繋がる工葉上有益な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発塵源となった微粉炭の粒度分布を示す図であ
る。
【図2】キャリーオーバー源となった微粉炭の粒度分布
を示す図である。
【図3】本発明のコークス製造用原料炭の事前処理方法
の全体フローシートの一例である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 良質粘結炭に比べてより細かく粉砕した
    非微粘結炭を少なくとも一部含むように配合した原料炭
    を、乾燥し、微粉炭と残留粗粉炭に分級し、分級された
    微粉炭に歴青物のバインダーを混練し、残留粗粉炭に混
    合することを特徴とするコークス製造用原料炭の事前処
    理方法。
  2. 【請求項2】 原料炭は、熱風による流動層乾燥機にて
    実質上表面水分がなくなくなるまで乾燥し、その乾燥中
    又は乾燥直後に境界分級点を0.2〜0.3mmの範囲
    に調整して微粉炭と残留粗粉炭に連続的に分級する請求
    項1記載のコークス製造用原料炭の事前処理方法。
  3. 【請求項3】 良質粘結炭については粒度3mm以下を
    50〜70重量%とする一方、非微粘結炭については粒
    度3mm以下を80〜95重量%とする請求項1記載の
    コークス製造用原料炭の事前処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1で事前処理された原料炭を、コ
    ークス炉装入炭槽に貯蔵した後、コークス炉の炭化室に
    装入することを特徴とするコークスの製造方法。
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