JPH10130643A - 脱酸素剤 - Google Patents

脱酸素剤

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JPH10130643A
JPH10130643A JP28839096A JP28839096A JPH10130643A JP H10130643 A JPH10130643 A JP H10130643A JP 28839096 A JP28839096 A JP 28839096A JP 28839096 A JP28839096 A JP 28839096A JP H10130643 A JPH10130643 A JP H10130643A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気下で保温された環境に大量に脱酸素剤を
集積しても脱酸素剤の温度上昇が低く、かつコンパクト
な脱酸素剤を提供する。 【解決手段】 酸素吸収剤に、融解熱が190mJ/m
g以上、融点が80〜150℃の固体を添加した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属及び金属部品、
金属製品、電子部品、電子機器、電気部品、電気製品、
精密部品、精密機械、磁気・光学部品、宝飾品、兵器、
航空機類、自動車、ガラス、ゴム製品、粘着テープ、写
真フィルム、食品、薬品、医薬品、押し花、絵画などの
美術品、古文書、衣服、出土品等の酸化劣化を防ぐため
に脱酸素状態で保存する際に使用される脱酸素剤であっ
て、酸素との反応に伴う発熱を抑制し、廃棄の際、ある
いは輸送する際の安全性を高めた脱酸素剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来知られている脱酸素剤には、鉄、ア
スコルビン酸、カテコール、不飽和脂肪酸等を主剤とす
る物があるが、これらは何れも主剤の酸化反応を利用し
ており、脱酸素時に発熱を伴っていた。このため脱酸素
剤を大気中に放置した場合、酸素の吸収に伴って急激に
温度上昇することがあり、保管時あるいは、廃棄時に
は、その取扱いを注意する必要があった。
【0003】このため、脱酸素剤の包装材料の通気性を
低くし、酸化反応を制限する事により発熱を抑制する方
法を採ったとしても、保温された環境に大量に集積され
た場合や包装材が破れた場合は蓄熱して高温になること
は避けられなかった。また、酸素吸収速度はある程度速
くなければ実用性はなく、包装材料の通気性を制御する
ことにより発熱抑制を試みるのは実用性が低かった。
【0004】この他に、特開平5ー57185に「低分
子フェノール化合物と活性炭とアルミナとを配合してな
る事を特徴とする脱酸素剤」が開示されている。そこで
は、アルミナは発熱抑制のために添加しているが、添加
し得る活性アルミナの量は脱酸素剤の実用性を考慮する
と僅かであり、十分な発熱抑制効果を得るには脱酸素剤
の大型化は避けられず、実用性が低かった。
【0005】また特開平3ー188288に「不飽和脂
肪酸化合物を主剤とする防錆剤(A)と摂氏10度以上
50度以下の全ての温度範囲で固体であり、かつ摂氏5
0度から230度までのいずれかの温度において液状と
なり流動性を示す物質(B)からなる防錆用組成物」が
開示されている。ここで開示されている方法は、ある温
度で液状となった物質(B)が防錆剤(A)の表面を覆
い、周りの空気との接触を遮断し、酸化反応を制限する
事により発熱を抑制するものであるが、その効果は実用
上十分であるとは言えなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、空気
下で保温された環境に大量に脱酸素剤を集積しても脱酸
素剤の温度上昇が低く、かつコンパクトな脱酸素剤を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、融解熱が
190mJ/mg以上、融点が80℃〜150℃の固体
を酸素吸収剤に添加する事により、効果的に発熱が抑制
される事を見出し本発明に到達した。すなわち、本発明
は酸素吸収剤に、融解熱が190mJ/mg以上、融点
が80℃〜150℃の固体を添加する事を特徴とする脱
酸素剤である。また、本発明は酸素吸収剤に、融解熱が
190mJ/mg以上、融点が80〜150℃の熱可塑
性樹脂を添加する事を特徴とする脱酸素剤である。ま
た、本発明は結晶化度が65%以上のポリエチレンを添
加した脱酸素剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる固体は、融解
熱が190mJ/mg以上、融点が80℃〜150℃の
固体である。融解熱が190mJ/mg以上、融点が8
0℃〜150℃である固体を酸素吸収剤に添加した場合
に、特に顕著に発熱が抑制される。酸素吸収剤は、酸素
を吸収するに従い発熱し、その温度が上昇するが、一定
の融点を有する固体を添加すると、固体の融解時に局所
的に融解熱が奪われ、その発熱が抑制される。ここで、
単位重量当たりの融解熱が小さい固体では、酸素吸収剤
から局所的に一気に多量の熱を奪うことができず、発熱
抑制効果が低いのだが、それに比較して、単位重量当た
りの融解熱が大きい固体は、酸素吸収剤から瞬間的かつ
局所的に多量の融解熱を奪うことができるため、高熱に
なる程促進される酸化反応を熱的に冷却して、また、固
体が融けて酸素吸収剤を覆うことで酸素との反応を収束
に導くことができ、少量でも効果的に発熱を抑制でき
る。特に、この発熱抑制効果は、酸素吸収剤を140℃
などの高温で使用する場合にさらに顕著に現れる。
【0009】一般に、酸素吸収剤に添加する固体の総融
解熱量が大きい程発熱は抑制されるのであるが、総融解
熱量が同じになるように単位重量当たりの融解熱が大き
い固体と小さい固体を添加したときを比較すると、大き
い固体の方が、小さい固体よりも瞬間的かつ局所的に多
量の融解熱を奪うことができるため、より効果的に発熱
を抑制できる。つまり、単位重量当たりの融解熱が大き
い固体は、単位重量当たりの融解熱が小さい固体よりも
遙に少量で同等の発熱抑制効果を発揮できる。従って、
固体の単位重量当たりの融解熱は大きい程よく、特に1
90mJ/mg以上が好ましい。一方、固体の単位重量
当たりの融解熱が小さいものは、より多くの量を酸素吸
収剤に添加する必要があり、脱酸素剤の大型化をもたら
すので実用性が低い。なお、ここでいう融解熱はJIS
K7121に基づくDSCの測定結果である。
【0010】しかし、融解熱が190mJ/mg以上の
固体の中でも、融点が低すぎる場合は、例えば、高温で
酸素吸収剤を使用する際にも融解してしまい、必要な酸
素吸収反応を阻害するので好ましくなく、また、融点が
高すぎる場合は安全な温度範囲での発熱抑制が困難とな
るので不都合である。従って、融点は80℃〜150
℃、好ましくは90℃〜140℃、更に好ましくは10
0℃〜130℃である。
【0011】ここで、融解熱が190mJ/mg以上、
融点が80℃〜150℃の固体として、ポリエチレン、
ポリオキシメチレン等の熱可塑性樹脂、高級脂肪酸、高
級脂肪酸エステル及び高級炭化水素等が例示され、これ
らの混合物であってもかまわない。その中でも入手が容
易で、価格も安価なポリエチレンが好ましく、特に、結
晶化度が65%以上のポリエチレンが好適である。ここ
でポリエチレンの結晶化度とは密度法で算出した値であ
る〔JIS K6760、及び、ポリエチレン樹脂 プ
ラスチック材料講座、日刊工業新聞社、22(196
9)〕。
【0012】ポリエチレンは結晶性高分子であり、非晶
部分に比べて結晶部分の方が構造的に安定であるため、
結晶化度が高いほど高密度であり、単位重量当たりの融
解熱も大きく、好ましいが、特に結晶化度65%以上の
ポリエチレンが好ましい。また、本発明に用いられるポ
リエチレンは、その他のモノマー、例えばプロピレン、
1ーブテン等と共重合していても、単位重量当たりの融
解熱が190mJ/mg以上、融点が80℃〜150℃
であればかまわない。
【0013】本発明に用いられる酸素吸収剤の主剤は、
特に制限を受けるものではないが、鉄、炭化鉄等の鉄粉
とハロゲン化金属塩等の電解質からなる組成物、亜硫酸
塩、チオ硫酸塩、第一鉄塩等の還元性の無機塩、ヒドロ
キノン、カテコール、レゾルシン、ピロガロール等のポ
リフェノール類、グルコース等の還元性糖類、アスコル
ビン酸、エルソルビン酸等の還元性の多価アルコール等
の還元剤を主たる有効成分とする任意の組成物、又は、
不飽和脂肪酸化合物や不飽和基を有する鎖状炭化水素重
合物等の不飽和有機化合物やポリアミド並びにポリオレ
フィン等の熱可塑性重合物を主剤とし、遷移金属塩等の
酸素吸収促進物質を含む組成物、又はそれらの混合系が
例示される。これらの組成物は必ずしも純物質である必
要はなく、その製造時に混入してくる溶媒等の少量の不
純物は常識的な範囲で許容される。
【0014】しかし、本発明は、これら酸素吸収剤の中
でも、剤中に水をほとんど含まないものに対してより効
果的である。これは剤中に水を多く含んでいるものは、
水自体が気化熱を奪うことにより発熱抑制効果があるの
で、本発明の必要性が多少軽減されるからである。従っ
て、これらの中でも、酸素吸収反応に水分を必要としな
いため、通常、水を意図的に含ませていない、不飽和脂
肪酸化合物および/または不飽和基を有する鎖状炭化水
素重合物を主剤とし、酸素吸収促進物質を含む酸素吸収
剤が、酸素吸収反応が速い反面、これに伴う発熱も大き
いために効果的である。
【0015】本発明の酸素吸収剤に用いられる不飽和脂
肪酸化合物とは、炭素数が10以上で炭素間に2重結合
を持った不飽和脂肪酸、または該不飽和脂肪酸の塩もし
くはエステルである。該不飽和脂肪酸およびその脂肪酸
の塩もしくはエステルには、置換基、例えば水酸基やホ
ルミル基等を有していても良い。また、不飽和脂肪酸化
合物は必ずしも単一物質である必要はなく、2種以上の
混合物であっても良い。
【0016】不飽和脂肪酸化合物の例として、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、パリナリ
ン酸、ダイマー酸またはリシノール酸等の不飽和脂肪
酸、およびこれらのエステルを含有する油脂、エステル
類や金属塩が挙げられる。また、不飽和脂肪酸として植
物油、動物油から得られる脂肪酸、すなわち、アマニ油
脂肪酸、大豆油脂肪酸、桐油脂肪酸、糠油脂肪酸、胡麻
油脂肪酸、綿実油脂肪酸、菜種油脂肪酸やトール油脂肪
酸等も用いられる。
【0017】また、不飽和基を有する鎖状炭化水素重合
物とは、炭素数10以上で炭素原子間に2重結合を1つ
以上を有した重合物およびその誘導体である。該誘導体
は、置換基として、例えば水酸基、アミノ基、ホルミル
基やカルボキシル基等が存在しても良い。不飽和基を有
する鎖状炭化水素重合物を例示すれば、ブタジエン、イ
ソプレンや1,3−ペンタジエンなどのオリゴマーや重
合体が挙げられ、これらは必ずしも単一物質である必要
はなく、共重合体や2種以上の混合物であっても良い。
不飽和基を有する鎖状炭化水素重合物は、必ずしも純物
質である必要はなく、その製造時に混入してくる溶媒等
の少量の不純物は、常識的な範囲で許容される。
【0018】本発明に用いられる酸素吸収促進物質とし
ては、有機化合物の酸化を促進する金属塩やラジカル開
始剤を例示することができる。金属塩としては、Cu、
Fe、Co、Ni、CrやMn等の遷移金属塩が好まし
く、遷移金属塩として、例えばナフテン酸遷移金属塩や
不飽和脂肪酸遷移金属塩が好適に用いられる。
【0019】酸素吸収剤の主剤及び酸素吸収促進物質が
液状物質である場合は、これらを担持させることが好ま
しく、担体物質としては、天然パルプ、合成パルプから
なる紙や合成紙、不織布、多孔フィルム、シリカゲル、
アルミナ、活性炭、モレキュラーシーブス等の合成ゼオ
ライト、モルデナイト、エリオナイト等の天然ゼオライ
ト、パーライトや活性白土等の粘土鉱物等が例示され
る。また、担体物質として、脱湿剤やガス吸収剤に選定
されるものを選び、担体に脱湿能や酸性ガス吸収能を持
たせることも実質的な使用方法である。
【0020】酸素吸収剤における各成分の割合は、主剤
100重量部に対し、酸化促進物質は0.01〜40重
量部の範囲であり、担体物質は1〜1000重量部の範
囲である。
【0021】また、本発明の脱酸素剤に脱湿剤を構成成
分として加えることもできる。脱湿剤としては、天然パ
ルプ、合成パルプからなる紙や合成紙、シリカゲル、ア
ルミナ、活性炭、モレキュラーシーブス等の合成ゼオラ
イト、モルデナイト、エリオナイト等の天然ゼオライ
ト、パーライト、活性白土、生石灰、酸化バリウム、塩
化カルシウム、臭化バリウム、水素化カルシウム、硫酸
カルシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫
酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化亜鉛等が例示され
る。脱湿剤を添加する量は、少なくとも保存する雰囲気
の水分を吸収することができる量であり、具体的には主
剤100重量部に対し、10〜1000重量部の範囲が
好ましい。
【0022】また、本発明の脱酸素剤にガス吸収剤を構
成成分として加えることもできる。ガス吸収剤は、酸素
吸収反応において生じる水素、一酸化炭素、二酸化炭
素、炭化水素類、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸
類、その他の有臭のガス、並びに保存する雰囲気中にあ
る硫化水素、アンモニア等の腐食性ガス成分等を吸収す
るものである。これは脱酸素剤が空気下、保温された環
境で大量に集積され、蓄熱し高温になると同時に、悪臭
となるガスも多く発生するため必要性が高い。ガス吸収
剤としてはゼオライト、活性炭、シリカゲル等の物理吸
着性の吸収剤、並びにアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の酸化物、水酸化物、有機酸塩、有機アミン類等の
化学吸着性の吸収剤が挙げられる。具体的にはシリカゲ
ル、酸化アルミニウム、モレキュラーシーブスに代表さ
れる合成ゼオライト、モルデナイトやエリオナイト等の
天然ゼオライト、パーライト、酸性白土や活性白土等の
粘土鉱物、多孔質ガラス、珪酸マグネウム、珪酸アルミ
ニウム、高分子吸着剤、活性炭、活性炭素繊維、モレキ
ュラーシービングカーボン、骨炭、酸化カルシウム、酸
化バリウム、酸化マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、消石灰、ソーダ石灰、アスカライト、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等が例示される。ガス吸収
剤を添加する量は、吸収剤の吸収能力により変わってく
るが、酸素吸収後発生したガスを実質的に除去できる量
を適宜選ぶ必要がある。具体的には、主剤100重量部
に対し、1〜5000重量部の範囲が好ましい。
【0023】なお、紙や木などの相対湿度40〜60%
で保存することがより好ましい物品に対しては、本発明
の脱酸素剤に調湿剤を構成成分として加えることもでき
る。本発明に用いられる調湿剤としては、保存雰囲気の
湿度を所定の湿度に調湿するものであれば特に限定され
ないが、塩化バリウム二水塩、酢酸カリウム、酢酸ナト
リウム三水塩、塩化カルシウム六水塩、硝酸カルシウム
四水塩、硫酸カルシウム五水塩、三酸化クロム、シュウ
酸二水物、リン酸二分の一水塩、臭化カリウム、フッ化
カリウム、硫酸水素カリウム、ヨウ化カリウム、亜硝酸
カリウム、炭酸カリウム二水塩、過クロム酸カリウム、
塩化リチウム一水塩、酢酸マグネシウム四水塩、硝酸マ
グネシウム六水塩、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、臭化ナトリウム、臭化ナトリウム二水塩、臭素酸ナ
トリウム、塩素酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、ヨウ
化ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム十水
塩、ニクロム酸ナトリウム二水塩、硫酸ナトリウム十水
塩、硝酸鉛、硝酸亜鉛六水塩、硫酸亜鉛七水塩等の飽和
水溶液を綿、紙または珪藻土等に含浸させたもの、水/
グリセリン混合溶液を綿、紙または珪藻土等に含浸させ
たもの、及び平衡含水率分の水分を含んだ紙、綿、皮
革、ゴム、木、木炭等が挙げられる。調湿剤を添加する
量は、少なくとも脱酸素剤が使用される密封容器内の空
間容積の相対湿度を所定の値に保つために必要な量であ
り、好ましくは、その量の1〜500倍の範囲である。
【0024】本発明に用いられる融解熱が190mJ/
mg以上、融点が80℃〜150℃の固体の添加量は、
使用する酸素吸収剤の発熱量及び添加する融解熱が19
0mJ/mg以上、融点が80℃〜150℃の固体の融
解熱量、及び脱酸素剤に脱湿剤、ガス吸収剤、及び調湿
剤等を添加する場合の構成及び酸素吸収剤を使用する雰
囲気によって必ずしも一定でないが、主剤100重量部
に対して50〜400重量部、好ましくは、主剤100
重量部に対して80〜300重量部、さらに好ましくは
主剤100重量部に対して100〜200重量部であ
る。50重量部より少ないと酸素吸収時の発熱抑制効果
が小さく、400重量部より多いと脱酸素剤が大型にな
りコスト高になるため好ましくない。
【0025】本発明に用いられる融解熱が190mJ/
mg以上、融点が80℃〜150℃の固体の形状、大き
さは特に制限されるものではないが、主剤と十分に接触
して周囲を覆うような状態にすることが必要であり、余
りに角張った形状や大き過ぎるものは好ましくない。ま
た、脱酸素剤の各構成成分と混合した場合の分級、取扱
い性も考慮すると、粉状、小さなビーズ状等の粒状が好
ましく、その粒径は3.5〜350メッシュ、好ましく
は5〜200メッシュ、さらに好ましくは10〜150
メッシュである。
【0026】本発明の酸素吸収剤と融解熱が190mJ
/mg以上、融点が80℃〜150℃の固体は混合して
用いるが、ガス吸収剤、及び脱湿剤は、これとは別に単
一の剤として、また各成分を混合して一つの脱酸素剤と
して用いることも可能である。酸素吸収剤と融解熱が1
90mJ/mg以上、融点が80℃〜150℃の固体、
脱湿剤、さらにはガス吸収剤は、被保存物品に直接触れ
ることは好ましくなく、通常は、例えば紙、不織布、プ
ラスチック等を基材とする通気性包材に包装して包装体
として使用される。包装体の形態は必ずしも限定され
ず、目的に応じて、例えば、小袋、シート、ブリスター
包装体等が挙げられる。包装体の包装材料および構成は
特に限定されない。また防塵対策として、上記包装体を
酸素、水分及び酸性ガスの透過性に支障を来さず、かつ
包装体から発生するダストを外部に放出させない無塵包
材で更に覆い、二重包装体とすることも可能である。し
かし包装体自体に防塵対策が施されている場合には、改
めて無塵包材で覆う必要はない。
【0027】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定され
るものではない。なお、ポリエチレンの結晶化度の計算
において、完全結晶の密度=1.000g/cm3、 完全非晶の密度=0.856g/cm3 を使用した。また、通気
断熱条件下における脱酸素剤組成物の発熱温度は以下の
ようにして室温で測定した。網目の円筒状のステンレス
籠(直径30cm、高さ15cm、編み目0.5cm)
の内部を厚さ約2cmの脱脂綿で覆って、この内部に脱
酸素剤包装体を100個入れ、上部を同様に脱脂綿で覆
った。この上部から熱電対を中心部まで差し込み最高温
度を測定した。また、140℃恒温下における発熱温度
は「物質の危険性評価の試験方法並びに判定基準の解説
(日本海事検定協会発行、平成5年2月1日第3版)」
に準拠して行った。具体的には1辺10cmの立方体で
上部が開放されたステンレス網(0.3mmメッシュ)
で構成された籠の中に、粉状の試験物品をすりきれまで
入れる。この試験物品の中央部(籠の中央部)付近に熱
電対を差し込み、これを140℃恒温下の乾燥器中に2
4時間つるし、最高温度を測定した。200℃を超えて
著しく温度が上昇したものは「200℃以上」と表記し
た。
【0028】実施例1 脱酸素剤は以下のようにして製造した。大豆油100重
量部とナフテン酸Co(Co含有量4重量%)0.31
重量部を混合し均一溶液を得た。この均一溶液を天然ゼ
オライト375重量部に含浸して担持し、これに融解熱
量が268mJ/ mg、結晶化度74%、20〜15
0メッシュの高密度ポリエチレンを100重量部加え混
合した。この脱酸素剤の発熱温度を140℃恒温下で測
定した。その結果を表1に示す。
【0029】比較例1〜3 実施例1の融解熱量が268mJ/mgの高密度ポリエ
チレンを、表1記載の融解熱量が145mJ/mg、2
0〜150メッシュの直鎖状低密度ポリエチレンに変更
し、さらにその添加重量を表1記載のように変更した以
外は、実施例1と同じにして行った。結果を表1に示
す。比較例1、2では、実施例1よりポリエチレンの添
加重量を増やし、その総融解熱量も大きくなるにもかか
らわず、発熱を有効に抑制できなかった。比較例3でポ
リエチレンの添加重量を600重量部まで増やしてやっ
と発熱を抑制できた。
【0030】実施例2 実施例1と同様にして製造した脱酸素剤を、通気性包装
材料(紙/開孔ポリエチレン 50mm×100mm)
の小袋に10g充填し、小袋の周囲をヒートシールして
脱酸素剤包装体とし、この脱酸素剤包装体の発熱温度を
25℃通気断熱条件下で測定した。一方140℃恒温下
では、包装体とせずに実施例1と同様に脱酸素剤の発熱
温度を測定した。その結果を表2に示す。
【0031】実施例3〜4 実施例2の結晶化度74%の高密度ポリエチレンの添加
量を表2記載のように変更した以外は実施例2と同様に
して行った。結果を表2に示す。
【0032】実施例5〜8、10、11 実施例3の酸素吸収剤を表3中の酸素吸収剤に変更し
〔実施例6、7の大豆油/LPI、大豆油/LPBの混
合比は大豆油75重量部、LPI(液状ポリイソプレ
ン)又はLPB(液状ポリブタジエン)が25重量
部〕、さらに表3中の脱湿剤、ガス吸収剤、調湿剤〔グ
リセリン/水混合溶液(W/W=80/20 )〕を添加した以外
は実施例3と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0033】実施例9 脱酸素剤は以下のようにして製造した。カテコール12
5重量部と活性炭250重量部に炭酸ナトリウム125
重量部を混合し、これに融解熱量が268mJ/mg、
結晶化度74%、20〜150メッシュの高密度ポリエ
チレンを150重量部加え混合し、脱酸素剤とした。製
造した脱酸素剤は、通気性包装材料(紙/開孔ポリエチ
レン 50mm×100mm)の小袋に10gずつ充填
し、小袋の周囲をヒートシールして脱酸素剤包装体とし
た。この脱酸素剤包装体の発熱温度を通気断熱条件下
で、脱酸素剤の発熱温度を140℃恒温下でそれぞれ測
定した。その結果を表3に示す。
【0034】実施例12〜14 実施例3の結晶化度74%の高密度ポリエチレンを表4
記載のポリオキシメチレン(20〜150メッシュ)、
高級脂肪酸(60〜100メッシュ)、高級炭化水素
(60〜100メッシュ)に変更した以外は実施例3と
同様にして行った。結果を表4に示す。
【0035】実施例15〜19 実施例3の結晶化度74%の高密度ポリエチレンを表5
記載の20〜150メッシュの高密度ポリエチレンに変
更した以外は実施例3と同様にして行った。結果を表5
に示す。
【0036】比較例4 実施例4の結晶化度74%の高密度ポリエチレンを添加
しなかった以外は実施例4と同様にして行った。結果を
表6に示す。
【0037】比較例5〜8 実施例4の結晶化度74%の高密度ポリエチレンを表6
記載の20〜150メッシュの直鎖状低密度ポリエチレ
ンに変更した以外は実施例4と同じにして行った。結果
を表6に示す。
【0038】比較例9〜11 実施例4の結晶化度74%の高密度ポリエチレンを表7
記載の20〜150メッシュの分岐低密度ポリエチレン
に変更した以外は実施例4と同じにして行った。結果を
表7に示す。
【0039】比較例12〜15 実施例4の結晶化度74%の高密度ポリエチレンを表8
記載の20〜150メッシュの熱可塑性樹脂に変更した
以外は実施例4と同じにして行った。結果を表8に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
【発明の効果】本発明では、酸素吸収剤に融解熱が19
0mJ/mg以上、融点が80℃〜150℃の固体を添
加する事により、該固体の融解時に多量の熱を奪い発熱
を抑えるとともに、融解物が酸素吸収剤を覆うことによ
り周りの空気との接触を遮断し、酸化反応を抑制するこ
とによっても発熱を抑える。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素吸収剤に融解熱が190mJ/mg
    以上、融点が80℃〜150℃の固体を添加する事を特
    徴とする脱酸素剤。
  2. 【請求項2】 固体が熱可塑性樹脂である請求項1記載
    の脱酸素剤。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が結晶化度65%以上のポ
    リエチレンである請求項2記載の脱酸素剤。
  4. 【請求項4】 酸素吸収剤が不飽和脂肪酸化合物及び/
    または不飽和基を有する鎖状炭化水素重合物を主剤と
    し、酸素吸収促進物質を含むものである請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の脱酸素剤。
  5. 【請求項5】 主剤100重量部に対して結晶化度65
    %のポリエチレンを50〜400重量部を添加すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の脱酸
    素剤。
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