JPH10130553A - インキジェット用インキ組成物 - Google Patents
インキジェット用インキ組成物Info
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- JPH10130553A JPH10130553A JP29002496A JP29002496A JPH10130553A JP H10130553 A JPH10130553 A JP H10130553A JP 29002496 A JP29002496 A JP 29002496A JP 29002496 A JP29002496 A JP 29002496A JP H10130553 A JPH10130553 A JP H10130553A
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- Japan
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- electron
- ink
- ink jet
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 紙やOHPフィルムに記録された絵・文字等
を水の付着により消去することができ、消去処理された
紙或いはOHPフィルムは再び使用可能とするインキジ
ェット用インキ組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも20℃の蒸気圧が5mmHg〜2
00mmHgである揮発性有機溶剤と、色剤が電子供与性呈
色色素と電子受容性顕色化合物からなるインキジェット
プリンティング用インキ組成物。
を水の付着により消去することができ、消去処理された
紙或いはOHPフィルムは再び使用可能とするインキジ
ェット用インキ組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも20℃の蒸気圧が5mmHg〜2
00mmHgである揮発性有機溶剤と、色剤が電子供与性呈
色色素と電子受容性顕色化合物からなるインキジェット
プリンティング用インキ組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙やOHP(Over
head projector)フィルムに記録された絵・文字等を水
の付着により消去することができると共に、消去処理さ
れた紙やOHPフィルムは再び使用可能となるプリンテ
ィング等に好適なインキジェット用インキ組成物に関す
る。
head projector)フィルムに記録された絵・文字等を水
の付着により消去することができると共に、消去処理さ
れた紙やOHPフィルムは再び使用可能となるプリンテ
ィング等に好適なインキジェット用インキ組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のインキジェット用インキ組成物を
用いて普通紙に記録された絵・文字等の消去、訂正には
インキ消し液や修正具等を使用しなければならなかっ
た。また、トナーで記録されたOHPフィルムについて
は、その使用後にインキを溶かす溶剤を含ませた紙、布
等で消去可能ではあるが、人体に少なからず毒性が懸念
されるため、このような行為は好ましくない。
用いて普通紙に記録された絵・文字等の消去、訂正には
インキ消し液や修正具等を使用しなければならなかっ
た。また、トナーで記録されたOHPフィルムについて
は、その使用後にインキを溶かす溶剤を含ませた紙、布
等で消去可能ではあるが、人体に少なからず毒性が懸念
されるため、このような行為は好ましくない。
【0003】更に、紙のような浸透性表面に記録された
ものは、インキが一定の深さに浸透するため、溶剤の使
用によっても消去が困難となり、訂正にはやはり修正具
等による隠蔽が必要となる課題がある。更にまた、従来
のインキジェット用インキ組成物は、水性が一般的であ
り、そのため、表面処理をしていないOHP(PP)等
のフィルム面では印字物が玉となり、文字や記号として
の認識ができないという課題があり、たとえ認識できる
程度に印字ができたとしても、それが乾燥固着するまで
に数時間乃至一昼夜を要するといった課題があるのが現
状である。
ものは、インキが一定の深さに浸透するため、溶剤の使
用によっても消去が困難となり、訂正にはやはり修正具
等による隠蔽が必要となる課題がある。更にまた、従来
のインキジェット用インキ組成物は、水性が一般的であ
り、そのため、表面処理をしていないOHP(PP)等
のフィルム面では印字物が玉となり、文字や記号として
の認識ができないという課題があり、たとえ認識できる
程度に印字ができたとしても、それが乾燥固着するまで
に数時間乃至一昼夜を要するといった課題があるのが現
状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決しようとするものであり、従来のインキジェ
ット用インキ組成物により記録された絵・文字等の印字
物の消去、訂正においては、溶剤等を含む特定の手段に
よらなければならないという不便さと健康上の課題を解
消して、消去、訂正等を容易にすると同時に、人体への
影響がないインキジェット用インキ組成物を提供するこ
とにある。
課題を解決しようとするものであり、従来のインキジェ
ット用インキ組成物により記録された絵・文字等の印字
物の消去、訂正においては、溶剤等を含む特定の手段に
よらなければならないという不便さと健康上の課題を解
消して、消去、訂正等を容易にすると同時に、人体への
影響がないインキジェット用インキ組成物を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行い種々の実験を行った結果、特定の感圧、感熱色素
(カラーフォーマー)と特定の顕色剤と特定の有機溶剤
とを含んでなるインキジェット用インキ組成物を用いれ
ば、記録された絵・文字等の印字物の消去、訂正をする
際に、溶剤等を含む特定の手段を必要とせず、水を付着
させるだけで容易に消去、訂正が可能となると同時に、
人体への影響が極めて少ないインキジェット用インキ組
成物が得られることを知見し、本発明を完成するに至っ
たのである。
を行い種々の実験を行った結果、特定の感圧、感熱色素
(カラーフォーマー)と特定の顕色剤と特定の有機溶剤
とを含んでなるインキジェット用インキ組成物を用いれ
ば、記録された絵・文字等の印字物の消去、訂正をする
際に、溶剤等を含む特定の手段を必要とせず、水を付着
させるだけで容易に消去、訂正が可能となると同時に、
人体への影響が極めて少ないインキジェット用インキ組
成物が得られることを知見し、本発明を完成するに至っ
たのである。
【0006】すなわち、本発明のインキジェット用イン
キ組成物は、次の(1)〜(4)に存する。 (1) 少なくとも20℃の蒸気圧が5mmHg〜200mmHgで
ある揮発性有機溶剤と、色剤が電子供与性呈色色素と電
子受容性顕色化合物とからなることを特徴とするインキ
ジェット用インキ組成物。 (2) 色剤としての電子供与性呈色色素がクリスタルバイ
オレットラクトン、マラカイトグリ−ンラクトン、1,
3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、6−ジ
エチルアミノ−ベンゾ[α]−フルオラン、3−シクロ
ヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、エチルロイ
コメチレンブルー、メトキシベンゾイルロイコメチレン
ブルー、2−(フェニルイミノエタンジリデン)−3,
3−トリメチル−インドリン、1,3,3−トリメチル
−インドリノ−7´−クロル−β−ナフトスピロピラ
ン、ジ−β−ナフトスピロピラン、N−アセチルオ−ラ
ミン、N−フェニルオーラミン、ローダミンBラクタム
から選択される少なくとも1種であり、かつ、色剤とし
ての電子受容性顕色化合物が酸性白土、フェノール樹
脂、及びサリチル酸亜鉛、ビスフェノールA等の中から
選択される少なくとも1種である上記(1)記載のインキ
ジェット用インキ組成物。 (3) 揮発性有機溶剤がエチルアルコールである上記(1)
又は(2)記載のインキジェット用インキ組成物。 (4) 上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のインキジェット
用インキ組成物によりプリンティングされた画像が水を
媒介として消色可能であるインキジェット用インキ組成
物。
キ組成物は、次の(1)〜(4)に存する。 (1) 少なくとも20℃の蒸気圧が5mmHg〜200mmHgで
ある揮発性有機溶剤と、色剤が電子供与性呈色色素と電
子受容性顕色化合物とからなることを特徴とするインキ
ジェット用インキ組成物。 (2) 色剤としての電子供与性呈色色素がクリスタルバイ
オレットラクトン、マラカイトグリ−ンラクトン、1,
3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、6−ジ
エチルアミノ−ベンゾ[α]−フルオラン、3−シクロ
ヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、エチルロイ
コメチレンブルー、メトキシベンゾイルロイコメチレン
ブルー、2−(フェニルイミノエタンジリデン)−3,
3−トリメチル−インドリン、1,3,3−トリメチル
−インドリノ−7´−クロル−β−ナフトスピロピラ
ン、ジ−β−ナフトスピロピラン、N−アセチルオ−ラ
ミン、N−フェニルオーラミン、ローダミンBラクタム
から選択される少なくとも1種であり、かつ、色剤とし
ての電子受容性顕色化合物が酸性白土、フェノール樹
脂、及びサリチル酸亜鉛、ビスフェノールA等の中から
選択される少なくとも1種である上記(1)記載のインキ
ジェット用インキ組成物。 (3) 揮発性有機溶剤がエチルアルコールである上記(1)
又は(2)記載のインキジェット用インキ組成物。 (4) 上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のインキジェット
用インキ組成物によりプリンティングされた画像が水を
媒介として消色可能であるインキジェット用インキ組成
物。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本発明のインキジェット用インキ組成物は、少
なくとも20℃の蒸気圧が5mmHg〜200mmHgである揮
発性有機溶剤と、色剤が電子供与性呈色色素と電子受容
性顕色化合物とからなることを特徴とするものである。
明する。本発明のインキジェット用インキ組成物は、少
なくとも20℃の蒸気圧が5mmHg〜200mmHgである揮
発性有機溶剤と、色剤が電子供与性呈色色素と電子受容
性顕色化合物とからなることを特徴とするものである。
【0008】本発明に用いられる感圧、感熱色素(カラ
ーフォーマー)としての電子供与性呈色色素としては、
例えば、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイト
グリ−ンラクトン、1,3−ジメチル−6−ジエチルア
ミノフルオラン、6−ジエチルアミノ−ベンゾ[α]−
フルオラン、3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、ベンゾイルロイコメチ
レンブルー、エチルロイコメチレンブルー、メトキシベ
ンゾイルロイコメチレンブルー、2−(フェニルイミノ
エタンジリデン)−3,3−トリメチル−インドリン、
1,3,3−トリメチル−インドリノ−7´−クロル−
β−ナフトスピロピラン、ジ−β−ナフトスピロピラ
ン、N−アセチルオ−ラミン、N−フェニルオーラミ
ン、ローダミンBラクタムから選択される少なくとも1
種を用いるものである。
ーフォーマー)としての電子供与性呈色色素としては、
例えば、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイト
グリ−ンラクトン、1,3−ジメチル−6−ジエチルア
ミノフルオラン、6−ジエチルアミノ−ベンゾ[α]−
フルオラン、3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、ベンゾイルロイコメチ
レンブルー、エチルロイコメチレンブルー、メトキシベ
ンゾイルロイコメチレンブルー、2−(フェニルイミノ
エタンジリデン)−3,3−トリメチル−インドリン、
1,3,3−トリメチル−インドリノ−7´−クロル−
β−ナフトスピロピラン、ジ−β−ナフトスピロピラ
ン、N−アセチルオ−ラミン、N−フェニルオーラミ
ン、ローダミンBラクタムから選択される少なくとも1
種を用いるものである。
【0009】また、本発明に用いられる電子受容性顕色
化合物(顕色剤)としては、酸性白土、フェノール樹
脂、及びサリチル酸亜鉛、ビスフェノールA等の中から
選択される少なくとも一種であり、例えば、サリチル酸
亜鉛、ビスフェノールA等が使用される。上記電子供与
性呈色色素と電子受容性顕色化合物とは、100:1〜
1:100の割合で配合することができ、各配合量は、
インキ組成物全量(100重量部)に対して、0.1〜
30重量部、好ましくは、1.0〜20重量部配合され
る。
化合物(顕色剤)としては、酸性白土、フェノール樹
脂、及びサリチル酸亜鉛、ビスフェノールA等の中から
選択される少なくとも一種であり、例えば、サリチル酸
亜鉛、ビスフェノールA等が使用される。上記電子供与
性呈色色素と電子受容性顕色化合物とは、100:1〜
1:100の割合で配合することができ、各配合量は、
インキ組成物全量(100重量部)に対して、0.1〜
30重量部、好ましくは、1.0〜20重量部配合され
る。
【0010】本発明に用いられる揮発性有機溶剤は、少
なくとも20℃の蒸気圧が5mmHg〜200mmHgであるも
のが選択され、例えば、エタノール、他のアルコール類
等が用いられる。本発明では、上記電子供与性呈色化合
物と電子受容性顕色化合物とからなる有色インキ剤を、
上記揮発性有機溶剤、例えば、エタノール、他のアルコ
ール類等の無水の揮発性有機溶剤内で混合することによ
り、低粘度の液状とする。この揮発性有機溶剤を使用す
ることにより、本発明のインキジェット用インキ組成物
で印字した絵・文字等は、紙の表面では勿論、表面処理
していないOHP(PP)フィルム表面等でも鮮明に認
識可能であると同時に、その乾燥固着性にも優れたもの
となる効果を発揮することとなる(この点に関しては更
に実施例で説明する)。
なくとも20℃の蒸気圧が5mmHg〜200mmHgであるも
のが選択され、例えば、エタノール、他のアルコール類
等が用いられる。本発明では、上記電子供与性呈色化合
物と電子受容性顕色化合物とからなる有色インキ剤を、
上記揮発性有機溶剤、例えば、エタノール、他のアルコ
ール類等の無水の揮発性有機溶剤内で混合することによ
り、低粘度の液状とする。この揮発性有機溶剤を使用す
ることにより、本発明のインキジェット用インキ組成物
で印字した絵・文字等は、紙の表面では勿論、表面処理
していないOHP(PP)フィルム表面等でも鮮明に認
識可能であると同時に、その乾燥固着性にも優れたもの
となる効果を発揮することとなる(この点に関しては更
に実施例で説明する)。
【0011】揮発性有機溶剤の配合量は、インキ組成物
全量(100重量部)に対して、20〜99重量部、好
ましくは、30〜95重量部配合される。この揮発性有
機溶剤の配合量が20重量部未満では、本発明の目的で
ある紙面、OHPフィルム表面等に印字した絵・文字等
の乾燥固着性を向上することができず、また、99重量
部を越えると、印字した絵・文字等の乾燥性が悪くな
り、紙面、OHPフィルムを汚す原因となり、好ましく
ない。
全量(100重量部)に対して、20〜99重量部、好
ましくは、30〜95重量部配合される。この揮発性有
機溶剤の配合量が20重量部未満では、本発明の目的で
ある紙面、OHPフィルム表面等に印字した絵・文字等
の乾燥固着性を向上することができず、また、99重量
部を越えると、印字した絵・文字等の乾燥性が悪くな
り、紙面、OHPフィルムを汚す原因となり、好ましく
ない。
【0012】本発明のインキジェット用インキ組成物
は、上記揮発性有機溶剤、色剤としての電子供与性呈色
色素と電子受容性顕色化合物とを混合機などにより混合
することにより調製される。なお、本発明では、更に、
必要に応じてフタル酸ジメチル等の染料の溶解助剤、グ
リセリン、エチレングルコール等の不揮発性有機溶剤を
配合することもできる。
は、上記揮発性有機溶剤、色剤としての電子供与性呈色
色素と電子受容性顕色化合物とを混合機などにより混合
することにより調製される。なお、本発明では、更に、
必要に応じてフタル酸ジメチル等の染料の溶解助剤、グ
リセリン、エチレングルコール等の不揮発性有機溶剤を
配合することもできる。
【0013】本発明のインキジェット用インキ組成物に
おいては、上記特定の感圧、感熱色素(カラーフォーマ
ー)としての電子供与性呈色色素と電子受容性顕色化合
物(顕色剤)と上記揮発性有機溶剤とを含んでなるイン
キ組成物を用いることにより、記録された絵・文字等の
印字物の消去、訂正をする際に、溶剤等を含む特定の手
段を必要とせず、水を付着させるだけで容易に消去、訂
正が可能となると同時に、人体への影響が極めて少ない
ものとなる。すなわち、近年、pH指示薬フェノールフ
タレインの構造改変によって、酸触媒で発色する感圧、
感熱色素(カラーフォーマー)が開発され、感圧記録や
感熱記録材料に多用されているが、本発明の感圧、感熱
色素(カラーフォーマー)としての電子供与性呈色色素
の発色原理は、塗布されている無色の特殊色素が、酸と
の接触により発色するという、一種の感酸色素を使用し
たものである。例えば、クリスタルバイオレットラクト
ンでは、ラクトン環の酸開裂により発色、ベンゾイルロ
イコメチレンブルーでは、ベンゾイル基の酸性加水分解
によって発色する。
おいては、上記特定の感圧、感熱色素(カラーフォーマ
ー)としての電子供与性呈色色素と電子受容性顕色化合
物(顕色剤)と上記揮発性有機溶剤とを含んでなるイン
キ組成物を用いることにより、記録された絵・文字等の
印字物の消去、訂正をする際に、溶剤等を含む特定の手
段を必要とせず、水を付着させるだけで容易に消去、訂
正が可能となると同時に、人体への影響が極めて少ない
ものとなる。すなわち、近年、pH指示薬フェノールフ
タレインの構造改変によって、酸触媒で発色する感圧、
感熱色素(カラーフォーマー)が開発され、感圧記録や
感熱記録材料に多用されているが、本発明の感圧、感熱
色素(カラーフォーマー)としての電子供与性呈色色素
の発色原理は、塗布されている無色の特殊色素が、酸と
の接触により発色するという、一種の感酸色素を使用し
たものである。例えば、クリスタルバイオレットラクト
ンでは、ラクトン環の酸開裂により発色、ベンゾイルロ
イコメチレンブルーでは、ベンゾイル基の酸性加水分解
によって発色する。
【0014】本発明の感圧、感熱色素(カラーフォーマ
ー)としての電子供与性呈色色素は、サリチル酸亜鉛又
はビスフェノールA等の特定の電子受容性顕色化合物か
ら解離したプロトンと反応して、無色から有色に発色す
る。一方、この発色反応は、可逆反応であるため、可塑
剤やエステル類、水等の付着によって顕色化合物の効果
が喪失することによって前述発色状態から無色状態に帰
還し、且つこの無色/発色の変化が繰り返される。
ー)としての電子供与性呈色色素は、サリチル酸亜鉛又
はビスフェノールA等の特定の電子受容性顕色化合物か
ら解離したプロトンと反応して、無色から有色に発色す
る。一方、この発色反応は、可逆反応であるため、可塑
剤やエステル類、水等の付着によって顕色化合物の効果
が喪失することによって前述発色状態から無色状態に帰
還し、且つこの無色/発色の変化が繰り返される。
【0015】このように本発明の電子供与性呈色化合物
である感圧、感熱色素(カラーフォーマー)は、サリチ
ル酸亜鉛及びビスフェノールA等からなる特定の電子受
容性顕色化合物と分子接触することによって、無色から
各呈色化合物固有の色に発色する。従って、これらの混
合によって任意の有色インキを形成できる。このインキ
は、水の付着によって前記顕色化合物の効果を喪失せし
め、発色状態から無色(消色)状態に変化しうることと
なる。本発明のインキジェット用インキ組成物は、水の
付着のみによって消色し、印字跡を消去できる。また、
該消色状態は、水により顕色化合物の効果を喪失せしめ
るものであるため、乾燥後も紙面上は消色状態が維持さ
れ、従って消色部分上に、本発明のインキによる新たな
印字が可能となり、文字等の訂正、修正作業を便宜に行
いうることとなる。
である感圧、感熱色素(カラーフォーマー)は、サリチ
ル酸亜鉛及びビスフェノールA等からなる特定の電子受
容性顕色化合物と分子接触することによって、無色から
各呈色化合物固有の色に発色する。従って、これらの混
合によって任意の有色インキを形成できる。このインキ
は、水の付着によって前記顕色化合物の効果を喪失せし
め、発色状態から無色(消色)状態に変化しうることと
なる。本発明のインキジェット用インキ組成物は、水の
付着のみによって消色し、印字跡を消去できる。また、
該消色状態は、水により顕色化合物の効果を喪失せしめ
るものであるため、乾燥後も紙面上は消色状態が維持さ
れ、従って消色部分上に、本発明のインキによる新たな
印字が可能となり、文字等の訂正、修正作業を便宜に行
いうることとなる。
【0016】このように本発明のインキジェツト用イン
キ組成物は、水によりインキ剤自体の消色をもたらすも
のであるため、OHPフィルム等の非浸透表面は勿論、
紙等の浸透性表面に印字した場合にも、筆記跡の消去、
訂正が可能であり、印字が可能な状態でさえあれば被印
字体の材質に応じることなく印字可能となる。しかも、
消色状態の印字跡は、必要に応じて、例えば、前記顕色
化合物を含む無水の顕色液を塗布すること等によって再
発色することができることとなる。また、OHPフィル
ムにおいて、再発色を望まない場合は、布などに水を含
ませての軽い擦過程度で、フィルム上のインキ成分の除
去は容易にできることとなる。更に、本発明では、上記
電子供与性呈色化合物と電子受容性顕色化合物とからな
る有色インキ剤の溶剤として、少なくとも20℃の蒸気
圧が5mmHg〜200mmHgである揮発性有機溶剤を使用す
ることにより、紙面、OHPシート面等に印字した絵・
文字等は、鮮明に認識可能であると同時に、その乾燥固
着性にも優れたものとなる。
キ組成物は、水によりインキ剤自体の消色をもたらすも
のであるため、OHPフィルム等の非浸透表面は勿論、
紙等の浸透性表面に印字した場合にも、筆記跡の消去、
訂正が可能であり、印字が可能な状態でさえあれば被印
字体の材質に応じることなく印字可能となる。しかも、
消色状態の印字跡は、必要に応じて、例えば、前記顕色
化合物を含む無水の顕色液を塗布すること等によって再
発色することができることとなる。また、OHPフィル
ムにおいて、再発色を望まない場合は、布などに水を含
ませての軽い擦過程度で、フィルム上のインキ成分の除
去は容易にできることとなる。更に、本発明では、上記
電子供与性呈色化合物と電子受容性顕色化合物とからな
る有色インキ剤の溶剤として、少なくとも20℃の蒸気
圧が5mmHg〜200mmHgである揮発性有機溶剤を使用す
ることにより、紙面、OHPシート面等に印字した絵・
文字等は、鮮明に認識可能であると同時に、その乾燥固
着性にも優れたものとなる。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
に説明するが、本発明はこの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0018】(実施例1) 3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 5重量部 6−ジエチルアミノ−ベンゾ〔α〕−フルオラン 2.5重量部 クリスタルバイオレットラクトン 2.5重量部 ビスフェノールA 5重量部 フタル酸ジメチル 55重量部 エタノール 30重量部 上記材料を撹拌機で混合し、黒色インキを得た。該黒色
インキを従来市販されているインキジェット用インキ組
成物として、インキジェットプリンター(ヒューレット
パッカード社製)に搭載して上質紙に印字した。
インキを従来市販されているインキジェット用インキ組
成物として、インキジェットプリンター(ヒューレット
パッカード社製)に搭載して上質紙に印字した。
【0019】(実施例2)実施例1において得られた黒
色インキを、実施例1と同様にインキジェット用インキ
組成物として、インキジェットプリンター(ヒューレッ
トパッカード社製)に搭載してOHP(PP)フィルム
に印字した。
色インキを、実施例1と同様にインキジェット用インキ
組成物として、インキジェットプリンター(ヒューレッ
トパッカード社製)に搭載してOHP(PP)フィルム
に印字した。
【0020】(比較例1)市販の純正インキジェット用
インキ組成物(水性)を用いて実施例1と同様にして上
質紙に印字した。
インキ組成物(水性)を用いて実施例1と同様にして上
質紙に印字した。
【0021】(比較例2)市販の純正インキジェット用
インキ組成物(水性)を用いて実施例2と同様にしてO
HP(PP)フィルムに印字した。
インキ組成物(水性)を用いて実施例2と同様にしてO
HP(PP)フィルムに印字した。
【0022】前記により印字した実施例1〜2及び比較
例1〜2の印字物について、印字面の鮮明性、水による
消去性、再印字時の明瞭性を下記各々の評価基準に基づ
いて評価した。これらの結果を下記表1に示す。 (評価基準) 印字面の鮮明性 ◎:非常に鮮明である。 ○:鮮明である。 ×:文字として認識できない。 水による消去性 ◎:完全に消去できる。 ○:一部消去跡が残る。 ×:全く消去できない。 再印字時の明瞭性 ◎:明瞭に印字されている。 ○:文字として認識できる。 ×:文字として認識できない。
例1〜2の印字物について、印字面の鮮明性、水による
消去性、再印字時の明瞭性を下記各々の評価基準に基づ
いて評価した。これらの結果を下記表1に示す。 (評価基準) 印字面の鮮明性 ◎:非常に鮮明である。 ○:鮮明である。 ×:文字として認識できない。 水による消去性 ◎:完全に消去できる。 ○:一部消去跡が残る。 ×:全く消去できない。 再印字時の明瞭性 ◎:明瞭に印字されている。 ○:文字として認識できる。 ×:文字として認識できない。
【0023】
【表1】
【0024】上記表1から明らかなように、本発明とな
る実施例1及び2は、従来例の比較例1及び2に較べ、
水等の付着で容易に消色しうるため、印字跡の消去、訂
正を極めて安全に且つ簡単に行い得ることが判明した。
る実施例1及び2は、従来例の比較例1及び2に較べ、
水等の付着で容易に消色しうるため、印字跡の消去、訂
正を極めて安全に且つ簡単に行い得ることが判明した。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、水等の付着で容易に消
色しうるため、印字跡の消去、訂正を極めて安全に且つ
簡単に行い得ることができ、また、OHPフィルムに印
字したものについては、水による付着でも消色はするも
のの、その発色と消色の原理からその成分がフィルム上
に残るが、水を付着させながら布等で軽く擦るだけで容
易に除去することができ、通常のコピー機により塗布さ
れたトナーの除去のように溶剤等を使用することがない
ので極めて人体に安全であり、且つ鮮明性も兼ね備えた
極めて優れた特徴を有するインキジェット用インキ組成
物が提供される。
色しうるため、印字跡の消去、訂正を極めて安全に且つ
簡単に行い得ることができ、また、OHPフィルムに印
字したものについては、水による付着でも消色はするも
のの、その発色と消色の原理からその成分がフィルム上
に残るが、水を付着させながら布等で軽く擦るだけで容
易に除去することができ、通常のコピー機により塗布さ
れたトナーの除去のように溶剤等を使用することがない
ので極めて人体に安全であり、且つ鮮明性も兼ね備えた
極めて優れた特徴を有するインキジェット用インキ組成
物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 知子 群馬県藤岡市立石1091番地 三菱鉛筆株式 会社研究開発センター内 (72)発明者 柳川 雅男 群馬県藤岡市立石1091番地 三菱鉛筆株式 会社研究開発センター内 (72)発明者 清水 修 群馬県藤岡市立石1091番地 三菱鉛筆株式 会社研究開発センター内
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも20℃の蒸気圧が5mmHg〜2
00mmHgである揮発性有機溶剤と、色剤が電子供与性呈
色色素と電子受容性顕色化合物とからなることを特徴と
するインキジェット用インキ組成物。 - 【請求項2】 色剤としての電子供与性呈色色素がクリ
スタルバイオレットラクトン、マラカイトグリ−ンラク
トン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、6−ジエチルアミノ−ベンゾ[α]−フルオラン、
3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、
エチルロイコメチレンブルー、メトキシベンゾイルロイ
コメチレンブルー、2−(フェニルイミノエタンジリデ
ン)−3,3−トリメチル−インドリン、1,3,3−
トリメチル−インドリノ−7´−クロル−β−ナフトス
ピロピラン、ジ−β−ナフトスピロピラン、N−アセチ
ルオ−ラミン、N−フェニルオーラミン、ローダミンB
ラクタムから選択される少なくとも1種であり、かつ、
色剤としての電子受容性顕色化合物が酸性白土、フェノ
ール樹脂、及びサリチル酸亜鉛、ビスフェノールA等の
中から選択される少なくとも1種である請求項1記載の
インキジェット用インキ組成物。 - 【請求項3】 揮発性有機溶剤がエチルアルコールであ
る請求項1又は2記載のインキジェット用インキ組成
物。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一つに記載のイン
キジェット用インキ組成物によりプリンティングされた
画像が水を媒介として消色可能であるインキジェット用
インキ組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29002496A JPH10130553A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | インキジェット用インキ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29002496A JPH10130553A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | インキジェット用インキ組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10130553A true JPH10130553A (ja) | 1998-05-19 |
Family
ID=17750809
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29002496A Withdrawn JPH10130553A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | インキジェット用インキ組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10130553A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011036709A1 (ja) * | 2009-09-24 | 2011-03-31 | 株式会社 東芝 | 消去可能な液体インク |
-
1996
- 1996-10-31 JP JP29002496A patent/JPH10130553A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011036709A1 (ja) * | 2009-09-24 | 2011-03-31 | 株式会社 東芝 | 消去可能な液体インク |
US8506696B2 (en) | 2009-09-24 | 2013-08-13 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Erasable liquid ink |
JP5398840B2 (ja) * | 2009-09-24 | 2014-01-29 | 株式会社東芝 | 消去可能な液体インク |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040106 |