JPH10130294A - 4’−エピ−ダウノルビシンの製造法及びその中間体 - Google Patents

4’−エピ−ダウノルビシンの製造法及びその中間体

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JPH10130294A
JPH10130294A JP8304181A JP30418196A JPH10130294A JP H10130294 A JPH10130294 A JP H10130294A JP 8304181 A JP8304181 A JP 8304181A JP 30418196 A JP30418196 A JP 30418196A JP H10130294 A JPH10130294 A JP H10130294A
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JP
Japan
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epi
daunorubicin
general formula
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trifluoromethanesulfonyl
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JP8304181A
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English (en)
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Toshio Tsuchida
外志夫 土田
Naoki Matsumoto
直樹 松本
Hazuki Nagai
葉月 永井
Kunio Isshiki
邦夫 一色
Takeo Yoshioka
武男 吉岡
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Mercian Corp
Original Assignee
Mercian Corp
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 4'-エピ-ダウノルビシンを効率よく製造する
ための手段を提供する。 【解決手段】 4'-エピ-ダウノルビシンの製造用中間体
としての、4'-O-トリフルオロメタンスルホニル-ダウノ
ルビシン、4'-エピ-4'-O-アシル-ダウノルビシン及びそ
れらの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】医薬品として有用な既知の抗
腫瘍抗生物質4'-エピ-ダウノルビシン及びその製造法、
並びにこの方法を実施するのに有用な中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】米国特許第4039663号明細書には、4'-エ
ピ-ダウノルビシンがある種の腫瘍の処置において有効
であることが記載されている。一方、米国特許第405851
9号明細書では4'-エピ-ドキソルビシンの抗腫瘍剤とし
ての使用が開示されているが、上記4'-エピ-ダウノルビ
シン誘導体は、その合成中間体としても利用できる。
【0003】4'-エピ-ダウノルビシンと4'-エピ-ドキソ
ルビシンの合成法としては4-位をエピ化した4-エピ-ダ
ウノサミン誘導体を、それぞれ対応するアンスラサイク
リンアグリコンにグリコシル化反応させる方法が特公昭
58-40555号公報に記載されている。また、特公昭63-280
78号公報にはアミノ基を保護したダウノルビシンの4'位
を酸化した後、4'-エピ体に還元する方法が記載されて
いる。
【0004】しかし、上記グリコシル化反応を介する方
法は、工程数が非常に多くまたグリコシル化反応におい
て副生成物であるβ-アノマー体が約30%生成するとい
う問題点がある。後者の方法では、中間体として生成す
る4'-ケト体が非常に不安定で、容易に3'位のエピメリ
化が進行してしまうために生成物が多数の立体異性体の
混合物となる可能性があり、しかも還元反応においても
13位のカルボニル基が反応し13-ヒドロキシ体を与える
可能性が高い点で問題がある。また、酸化反応の温度が
−60℃以下と低く特殊な装置を必要とする等も、その
方法の短所である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
4'-エピ-ダウノルビシンの製造方法は、必ずしも効率よ
く目的物を得ることができるものとはいえない。したが
って、本発明の目的は、より効率よく4'-エピ-ダウノル
ビシンを製造できる手段を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めにより簡便で、有用な4'-エピ体の製造法を鋭意検討
した結果、トリフルオロメタンスルホニルエステルを利
用したワルデン反転反応が有用であることを見い出し
た。また、かかる反応に関与する合成中間体である、対
応する4'-O-トリフルオロメタンスルホニルダウノルビ
シン及び4'-エピ-4'-O-アシル-ダウノルビシンは先行技
術文献に未載の新規化合物である。
【0007】より具体的には、例えば特公昭61−48
836号公報によれば、N−保護ダウノルビシン類のピ
リジン存在下における4'位水酸基のトリフルオロメタン
スルホニル化は、4'位のアクシヤル結合した水酸基に対
して反応が進行せず、エクアトリアル結合した水酸基に
対してのみ反応が進行することが明記されている。
【0008】しかし、意外にも、ピリジンに代え4-ジメ
チルアミノピリジンの存在下で上記トリフルオロメタン
スルホニル化を行うと、初めて4'位のアクシヤル結合し
た水酸基(天然形のダウノルビシンが担持する)に対し
て反応が進行することを見い出した。さらに、こうして
得られる新規4'-O-トリフルオロメタンスルホニル化誘
導体に求核置換反応を行うと、ワルデン反転した新規4'
-エピ-4'-O-置換誘導体を効率よく得ることを見い出し
た。これらの新規誘導体類は、4'-エピ-ダウノルビシン
または4'-エピ-ドキソルビシンの合成中間体として有用
である。
【0009】したがって、本発明によれば一般式(I)
で示される4'-O-トリフルオロメタンスルホニル-ダウノ
ルビシン誘導体が提供される。
【0010】一般式(I)
【0011】
【化4】
【0012】式中、R1は水素原子を表し、そしてR2
アミノ基の保護基を表すか、またはR1およびR2は一緒
になってアミノ基の保護基を表す。
【0013】また本発明によれば、一般式(II)で示
される4'-エピ-4'-O-アシル-ダウノルビシン誘導体も提
供される。
【0014】一般式(II)
【0015】
【化5】
【0016】式中、R1は水素原子を表し、そしてR2
アミノ基の保護基を表すか、またはR1およびR2は一緒
になってアミノ基の保護基を表し、R3は水素原子、直
鎖もしくは分岐の水酸基またはハロゲンで置換されても
よい低級アルキル基、あるいは、芳香族環が無置換もし
くはハロゲン、アルキルオキシ基またはニトロ基で置換
されたアリール基またはアラルキル基を表わす。
【0017】上記一般式(II)で示される誘導体は、
別の態様の本発明である塩基の存在下において、一般式
(I)の誘導体と有機カルボン酸とを反応させ、4'-Oの
配座が反転する、所謂ワルデン反転によって得ることが
できる。したがって一般式(I)の誘導体は一般式(I
I)の誘導体の合成中間体にも相当する。一方、一般式
(II)の誘導体は、さらに別の態様の本発明である脱
保護基反応により4'-エピ-ダウノルビシンの製造原料と
して使用されるし、また特公平5-44958号公報に記載さ
れた方法に従って、4'-エピ-ドキソルビシンへ転化する
こともできる有用な合成中間体である。
【0018】なお、上記一般式(I)で示される4'-O-
トリフルオロメタンスルホニルダウノルビシン誘導体
は、また別の態様の本発明である、一般式(III)
【0019】
【化6】
【0020】式中、R1及びR2は上記定義のとおりであ
る、で示されるアミノ基の保護されたダウノルビシンか
ら、上述のトリフルオロメタンスルホニル化によって得
ることができる。
【0021】本発明によれば、一般式(I)、(II)
及び(III)におけるR1およびR2は、R1が水素原
子を表し、そしてR2がアミノ基の保護基を表すか、ま
たはR1とR2は一緒になってアミノ保護基を表す。ここ
にいうアミノ基保護基は、本発明の目的上、アルカリ加
水分解または酸加水分解により脱離できる保護基をすべ
て包含する。具体的な基としては、米国特許第3,80
3,124号明細書に一般式(III)の誘導体につい
て記載されているようなトリフルオロアセチル及びトリ
クロロキトキシカルボニル基や、その他、トリメチルシ
リルエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル
基、トリクロロアセチル基、3−ピリジルカルボニル基
を挙げることができる。また、R1とR2が一緒になって
形成するアミノ基の保護基としては、フタロイル基、ジ
チアスクシニル基、アリールメチレン基が挙げられる。
【0022】一般式(II)におけるR3は、一般式
(I)の誘導体の4'-O-トリフルオロメタンスルホニル
基を塩基の存在下で対応する4'-エピ-4'-O-アシル基に
転化することができる有機カルボン酸に由来する残基を
すべて挙げることができる。限定されるものでないが、
ホルミル、アセチル、プロピオニル、イソブチリル、ヒ
ドロキシアセチル、ピバリル等のC2-6直鎖または分岐
の水酸基またはハロゲンで置換されていてもよいアルカ
ノイル基、並びに芳香族環が低級アルコキシ、ハロゲ
ン、ニトロ基で置換されていてもよい、ベンゾイル基及
びフェニルアセチル基が挙げられる。
【0023】上述したように、一般式(I)及び(I
I)で示される誘導体は、本発明に従う製造方法により
有利に提供することができる。
【0024】本発明の出発原料を調製するためのダウノ
ルビシン(ダウノマイシン)は既知の坑腫瘍性抗生物質
であり、また一般式(III)で示される一部のN-保
護ダウノルビシンもそれ自体公知である。たとえば、本
発明で有利に使用できるN-トリフルオロアセチル誘導
体またはN-トリクロロエトキシカルボニル誘導体はダ
ウノルビシン塩酸塩のピリジン溶液に、それぞれ無水ト
リフルオロ酢酸またはトリクロロエトキシカルボニルク
ロリドを作用させ製造することができる。
【0025】一般式Iで示される4'-O-トリフルオロメ
タンスルホニル-N-保護ダウノルビシン誘導体は、具体
的には、上記で式(III)で示される化合物をジメチ
ルホルムアミド、クロロホルム、テトラヒドロフラン等
それ自体不活性な溶媒、好ましくは塩化メチレン、酢酸
エチル、アセトニトリルの溶媒中、−10〜50℃好ましく
は 0〜10℃で 2〜8等量好ましくは4〜7等量の4-ジメチ
ルアミノピリジン存在下、2〜6等量好ましくは4〜6等量
のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を作用させるこ
とにより製造することができる。この反応の追跡は、HP
LCまたはTLCにより行うことができる。
【0026】このようにして得られた4'-O-トリフルオ
ロメタンスルホニル-N-保護ダウノルビシンは、単離す
るか、または簡単な処理の後、あるいは単離せずに元の
反応器中(ワンポット)で次の求核置換反応に供するこ
とができる。
【0027】単離または簡単な処理としては、トリフル
オロメタンスルホニル化の終了した反応混合液を酸、ア
ルカリ及び水で分液洗浄することによる不純物の除去お
よびイソプロピルエーテル等の適当な溶媒を加えること
による沈殿化をあげることができる。
【0028】次に、一般式(II)で示される 4'-エピ
-4'-O-アシル-ダウノルビシン誘導体は一般式(I)で
示される化合物をジメチルホルムアミド、クロロホル
ム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル
等それ自体不活性な溶媒、好ましくは塩化メチレン中、
反応温度-10〜50℃好ましくは0〜45℃で2〜20等量の有
機カルボン酸と塩基を作用させることによるワルデン反
転を伴う求核置換反応により合成することができる。
【0029】ここで、有機カルボン酸としては、ギ酸、
酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、ヒドロキシ酢酸、ピバ
リン酸等C2〜6の直鎖又は分岐の水酸基で置換されて
もよい低級脂肪酸及び芳香族環が無置換又はアルコキ
シ、ハロゲン、ニトロ基で置換された安息香酸またはフ
ェニル酢酸等を使用することができる。
【0030】一方、塩基としては、トリエチルアミン、
ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、
1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン、1,8-ジアザビ
シクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等の脂肪族アミンまたは
ピリジン、2,6-ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン等
の芳香族アミンをあげることができる。さらに、クラウ
ンエーテルを触媒として用いた、セシウム等のアルカリ
金属、また、テトラブチルアンモニウム等の4級アルキ
ルアンモニウムを使用することができる。
【0031】この反応により生成する4'-エピ-エステル
体は、それがホルミル基の場合、反応混合液を水洗した
後、触媒量のシリカゲル存在下のメタノール中でメタノ
リシスすることにより4'-エピ-N-保護ダウノルビシン
に変換することができる。
【0032】また、4'-エピ-エステル体は単離精製した
後、あるいは単離することなくそれ自体公知の方法によ
りアルカリ加水分解を行うことによりエステルの加水分
解と同時に3'−位の窒素原子上の保護基を脱離し、4'-
エピ-ダウノルビシンに導くことができる。
【0033】最後に、4'-エピ-ダウノルビシンまたはそ
の4'-エピ-エステル体から4'-エピ-ドキソルビシンへの
転化は、例えば特公平5-44958号公報記載の方法により
実施することができる。
【0034】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をより具体的に
説明するが本発明は当該実施例に限定されるものではな
い。
【0035】実施例1 ワンポット(one-pot)反応に
よる4'-エピ-N-トリフルオロアセチルダウノルビシン
の製造 N-トリフルオロアセチルダウノルビシン(100mg, 0.16
04mmol)の塩化メチレン5ml溶液に氷冷下ジメチルアミ
ノピリジン(117.5mg, 0.9622mmol)、無水トリフルオ
ロメタンスルホン酸(0.1077ml, 0.6415mmol)を加え、
同温度で30分攪拌し4'-トリフレート体がTLC(Rf値0.5
5(展開溶媒 クロロホルム:酢酸エチル=3:1)0.78
(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=20:1))で定
量的に生成していることを確認した。この混合液にギ酸
(0.0607ml, 1.6037mmol)とトリエチルアミン(0.2235
ml, 1.6037mmol)の塩化メチレン1ml溶液を0℃で滴下し
た。反応液を室温に戻し3時間攪拌した後、クロロホル
ムで希釈し水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を除去した後、残渣をメタノール5mlに溶解しシリカ
ゲル(メルク社製、Art.7734)20mgを加え終夜攪拌し
た。反応液をろ過し、メタノールを濃縮乾固し残渣をTL
C (メルク社製、Art.105744, 展開溶媒クロロホルム:
メタノール=20:1)にて分離精製すると表題化合物が2
7.5mg(収率27.5%)得られた。
【0036】Rf値 0.17(メルク社製、Art.105715,
展開溶媒 クロロホルム:メタノール=20:1)1 H-NMR (CDCl3) δ 1.37 (d, J=6.2Hz, 3H), 1.83 (dt,
J=4.0, 13.2Hz, 1H), 2.16 (dd, J=4.0, 15.0Hz, 1H),
2.24 (dd, J=4.4, 13.2Hz,1H), 2.36 (br d, J=15.0H
z, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.96 (d, J=19.1Hz, 1H), 3.25
(t, J=9.9Hz, 1H), 3.26 (br d, J=19.1Hz, 1H), 3.95
(m, 1H), 4.02 (m, 1H), 4.09 (s, 3H), 4.30 (br s,
1H), 5.29 (br s, 1H), 5.52 (d, J=3.7Hz, 1H), 6.20
(d, J=6.8Hz, 1H), 7.40 (d, J=7.7Hz, 1H), 7.79 (t,
J=7.7Hz, 1H), 8.05 (d, J=7.7Hz, 1H), 13.30 (s, 1
H), 14.04 (s, 1H) FAB-MS (NBA) m/z 623 (M+), 646 (M+Na)+
【0037】一方、4'-エピ-4'-O-ホルミル-N-トリフ
ルオロアセチルダウノルビシンは、メタノリシスを行う
前にTLC(メルク社製、Art.105744, 展開溶媒クロロホ
ルム:酢酸エチル=3:1)により分離精製することがで
き、原料100mgから28mg(収率28%)得ることができ
る。この際、脱ホルミル化が起こり4'-エピ-N-トリフ
ルオロアセチルダウノルビシンが数%得られた。
【0038】Rf値 0.28(メルク社製、Art.105715,
展開溶媒 クロロホルム:酢酸エチル=3:1)1 H-NMR (CDCl3) δ 1.28 (d, J=6.6Hz, 3H), 1.81 (dt,
J=4.0, 12.8Hz, 1H), 2.17 (dd, J=4.4, 15.0Hz, 1H),
2.32 (dd, J=2.2, 12.8Hz,1H), 2.41 (d, J=15.0Hz, 1
H), 2.43 (s, 3H), 2.90 (d, J=18.7Hz, 1H), 3.23 (d
d, J=1.8, 18.7Hz,1H), 4.07 (s, 3H), 4.20 (m, 1H),
4.23 (m, 1H), 4.75 (t, J=9.9Hz, 1H), 5.26 (d, J=2.
2Hz, 1H), 5.52 (d, J=3.7Hz, 1H), 6.52 (d, J=8.1Hz,
1H), 7.38(d, J=8.1Hz, 1H), 7.77 (t, J=8.1Hz, 1H),
8.01 (d, J=8.1Hz, 1H), 8.14 (s, 1H), 13.30 (s, 1
H), 14.03 (s, 1H) FAB-MS (NBA) m/z 651 (M+) IR υmax (KBr): 1720, 1620, 1580, 1410, 1290, 12
10, 990 cm-1
【0039】実施例2 4'-O-トリフルオロメタンスル
ホニル-N-トリフルオロアセチルダウノルビシンの製造 N-トリフルオロアセチルダウノルビシン(200mg, 0.32
07mmol)の塩化メチレン10ml溶液に氷冷下ジメチルアミ
ノピリジン(235mg, 1.924mmol)、無水トリフルオロメ
タンスルホン酸(0.215ml, 1.283mmol)を加え、同温度
で30分攪拌し4’-トリフレート体(Rf値0.55(展開溶
媒 クロロホルム:酢酸エチル=3:1))を調整した。
反応液を塩化メチレンで希釈し2回水洗した後、飽和重
曹水、水、0.1NHCl、で順次洗浄し更に2回水洗した後
無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。塩化メチレンを濃縮
した後、塩化メチレンにイソプロピルエーテルを徐々に
滴下していくと沈殿が生成する。この沈殿をろ過し、イ
ソプロピルエーテルで洗浄すると表題化合物が178.8mg
得られた。
【0040】Rf値 0.55(メルク社製、Art.105715,
展開溶媒 クロロホルム:酢酸エチル=3:1)1 H-NMR (CDCl3) δ 1.35 (d, J=6.6Hz, 3H), 1.96 (dd,
J=5.1, 13.2Hz, 1H), 2.05 (dt, J=3.7, 13.2Hz, 1H),
2.19 (dd, J=2.6, 14.7Hz,1H), 2.28 (d, J=14.7Hz, 1
H), 2.42 (s, 3H), 2.90 (d, J=18.7Hz, 1H), 3.19 (d,
J=18.7Hz, 1H),4.06 (s, 3H), 4.42 (m, 1H), 4.44
(m, 1H), 5.14 (s, 1H), 5.22 (br s, 1H), 5.57 (d, J
=2.9Hz, 1H), 6.58 (d, J=7.08Hz, 1H), 7.37 (d, J=7.
7Hz, 1H),7.76 (t, J=7.7Hz, 1H), 7.98 (d, J=7.7Hz,
1H), 13.18 (s, 1H), 13.94 (s, 1H) FAB-MS (NBA) m/z 755 (M+) IR υmax (KBr): 1710, 1620, 1580, 1410, 1290, 121
0 cm-1
【0041】実施例3 4'-O-トリフルオロメタンスル
ホニル-N-トリフルオロエトキシダウノルビシンから4'
-エピ-N-トリフルオロアセチルダウノルビシンの製造 実施例2に従い製造した4'-O-トリフルオロメタンスル
ホニル-N-トリフルオロアセチルダウノルビシン(100m
g, 0.1324mmol)の塩化メチレン1mlに0℃でギ酸(0.051
ml, 1.324mmol)、トリエチルアミン(0.185ml, 1.324m
mol)を加え、室温で3時間反応した。反応混合液を塩化
メチレンにて希釈し、塩化メチレンを水洗した後無水硫
酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を除去した後、残渣を
メタノール5mlに溶解し、シリカゲル(メルク社製、Ar
t.7734)20mgを加え終夜攪拌した。反応液をろ過し、メ
タノールを濃縮乾固し残渣をTLC (メルク社製、Art.10
5744, 展開溶媒クロロホルム:メタノール=20:1)にて
分離精製すると表題化合物が14.0mg(収率17%)得られ
た。
【0042】理化学データは実施例1で合成した4'-エ
ピ-N-トリフルオロアセチルダウノルビシンと一致し
た。
【0043】実施例4 4’-エピ-4'-O-ベンゾイル-N-
トリフルオロアセチルダウノルビシンの製造 N-トリフルオロアセチルダウノルビシン(100mg, 0.16
03mmol)の塩化メチレン5ml溶液に氷冷下ジメチルアミ
ノピリジン(117.5mg, 0.9622mmol)、無水トリフルオ
ロメタンスルホン酸(0.215ml, 1.283mmol)を加え、同
温度で30分攪拌し4’-トリフレート体(Rf値0.55(展
開溶媒 クロロホルム:酢酸エチル=3:1)を調整した。
反応液を塩化メチレンで希釈し2回水洗した後、無水硫
酸ナトリウムにて乾燥した。塩化メチレンを約5mlまで
濃縮した後、安息香酸(195.8mg, 1.604mmol)、トリエ
チルアミン(223.5ml, 1.604mmol)を室温で加え5時間
反応した。反応混合液を塩化メチレンで希釈し、2回水
洗した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を除
去した後、TLC(メルク社製 Art. 105744, 展開溶媒
クロロホルム:酢酸エチル=3:1)により分離精製する
と4'-エピ-4'-O-ベンゾイル-N-トリフルオロアセチル
ダウノルビシンが35mg(収率30%)得られた。
【0044】Rf値0.40(メルク社製、Art.105715, 展
開溶媒 クロロホルム:酢酸エチル=3:1)1 H-NMR (CDCl3) δ 1.33 (d, J=6.2Hz, 3H), 1.85 (dt,
J=3.7, 12.8Hz, 1H), 2.20 (dd, J=4.0, 15.0Hz, 1H),
2.40 (m, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.97 (d, J=18.7Hz, 1
H), 3.30 (d, J=18.7Hz, 1H), 4.07 (s, 3H), 4.32 (m,
2H), 4.37 (s, 1H), 4.85 (t, J=9.9Hz, 1H), 5.33 (b
r d, 1H), 5.57 (d, J=3.3Hz, 1H), 6.80 (d, J=8.1Hz,
1H), 7.40 (d, J=8.4Hz, 1H), 7.47 (t, J=7.4Hz, 2
H), 7.61 (t,J=7.7Hz, 1H), 7.79 (t, J=8.4Hz, 1H),
8.02 (d, J=7.7Hz, 2H), 8.05 (d, J=8.4Hz, 1H), 13.2
8 (s, 1H), 14.02(s, 1H) FAB-MS (NBA) m/z 727 (M+)。
【0045】実施例5 4'-エピ-4'-O-ヒドロキシアセ
チル-N-トリフルオロアセチルダウノルビシンの製造 実施例4に従い製造すると30%の収率で表題化合物が得
られた。
【0046】Rf値0.50(メルク社製、Art.105715, 展
開溶媒 クロロホルム:メタノール=10:1)1 H-NMR (CDCl3) δ 1.26 (d, J=6.2Hz, 3H), 1.83 (dt,
J=3.7, 12.8Hz, 1H), 2.18 (dd, J=4.4, 14.7Hz, 1H),
2.30 (m, 2H), 2.34 (s, 3H), 2.94 (d, J=18.7Hz, 1
H), 3.27 (d, J=18.7Hz, 1H), 4.08 (s, 3H), 4.17 (m,
1H), 4.20 (s, 2H), 4.29 (m, 1H), 4.69 (t, J=9.9H
z, 1H), 5.28 (br s, 1H), 5.53 (d, J=3.7Hz, 1H), 6.
47 (d, J=8.1Hz, 1H), 7.40 (d, J=7.7Hz, 1H), 7.79
(t, J=7.7Hz, 1H), 8.04 (d, J=7.7Hz, 1H), 8.14 (s,
1H), 13.27 (s, 1H), 14.01 (s, 1H)FAB-MS (NBA) m/z
681 (M+)。
【0047】実施例6 4'-エピ-4'-O-アセチル-N-ト
リクロロエトキシカルボニルダウノルビシンの製造 トリクロロエトキシカルボニル体からのトリフレート体
の調整はN-トリフルオロアセチルダウノルビシンと同
じ方法を用いた。すなわち、N-トリクロロエトキシカ
ルボニルダウノルビシン(23mg, 0.03276mmol)の塩化
メチレン1ml溶液に氷冷下ジメチルアミノピリジン(24.
0mg, 0.1966mmol)、無水トリフルオロメタンスルホン
酸(0.022ml, 0.1310mmol)を加え、同温度で30分攪拌
し4’-トリフレート体(Tf体Rf値0.88(展開溶媒 クロ
ロホルム:酢酸エチル=3:1))を調整した。反応液を
塩化メチレンで希釈し2回水洗した後、無水硫酸ナトリ
ウムにて乾燥した。塩化メチレンを約1mlまで濃縮した
後、18-クラウン-6-エーテル存在下酢酸セシウム(62.9
mg, 0.3276mmol)を室温で加え終夜反応した。反応混合
液を塩化メチレンで希釈し、2回水洗した後、無水硫酸
ナトリウムにて乾燥した。溶媒を除去した後、TLC(メ
ルク社製 Art. 105744, 展開溶媒 クロロホルム:酢酸
エチル=3:1)により分離精製すると4'-エピ-4'-O-アセ
チル-N-トリクロロエトキシカルボニルダウノルビシン
が5mg(収率20%)得られた。
【0048】Rf値0.72(メルク社製、Art.105715, 展
開溶媒 クロロホルム:酢酸エチル=3:1)1 H-NMR (CDCl3) δ 1.25 (d, J=6.6Hz, 3H), 1.78 (dt,
J=4.0, 13.2Hz, 1H), 2.16 (s, 3H), 2.16 (m, 1H),
2.27 (dd, J=4.4, 13.2Hz, 1H), 2.34 (d, J=14.7Hz,1
H), 2.28 (d, J=14.7Hz, 1H), 2.44 (s, 3H), 2.96 (d,
J=19.0Hz, 1H), 3.19 (d, J=19.0Hz, 1H), 4.09 (s, 3
H), 4.08 (m, 1H), 4.41 (m, 1H), 4.59 (t, J=10.3H
z, 1H), 4.63 (d, J=16.1Hz, 1H), 4.72 (d, J=16.1H
z, 1H), 5.02(d, J=8.8Hz, 1H), 5.30 (s, 1H), 5.57
(br d, J=2.9Hz, 1H), 7.40 (d, J=8.1Hz, 1H), 7.79
(t, J=8.8Hz, 1H), 8.06 (d, J=8.8Hz, 1H), 13.31 (s,
1H), 14.02 (s, 1H) FAB-MS (NBA) m/z 745 (M+), 768 (M+Na)+
【0049】実施例7 4'-エピ-4'-O-ピバロイル-N-
トリフルオロアセチルダウノルビシンの製造 N-トリフルオロアセチル-ダウノルビシン 20 mg (0.032
mmol) に乾燥ジクロロメタン 1 ml を室温下で加え、
次に4-ジメチルアミノピリジン 23.5 mg (0.192mmol)
を加えた。氷冷攪拌下トリフルオロメタンスルホン酸無
水物 36 mg (0.128 mmol) の乾燥ジクロロメタン溶液
0.5 ml を滴下した。TLC (展開溶媒 クロロホルム:酢
酸エチル=3:1)を用い反応の終了を確認した。反応溶液
を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにより有機層を
乾燥させた。濾過後溶媒を留去し、約 1 ml にまで濃縮
した。別の反応容器にピバリン酸 16.3 mg (0.16 mmo
l) の乾燥ジクロロメタン溶液 0.5 ml を調整し、氷冷
攪拌下トリエチルアミン 16.2mg (0.16 mmol)の乾燥ジ
クロロメタン溶液 0.5 ml を滴下する。滴下後室温で30
分攪拌した。先程調整した溶液に氷冷下でトリエチル
アミンとピバリン酸の混合溶液を滴下した。滴下終了
後、反応溶液を 1 時間半加熱還流させた。反応溶液を
濃縮し残渣をプレパラーティブ TLC (展開溶媒 ジクロ
ロメタン:アセトン=19:1)にて分離精製を行い、目的
物を9.9 mg (43.7%)得た。
【0050】1H-NMR (CDCl3) δ 1.18 (s, 6H), 1.23
(s, 3H), 1.25 (d, J=6.2 Hz, 3H), 1.80 (m, 1H), 2.1
7 (m, 1H), 2.30 - 2.41 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.95
(d, J=17.9 Hz, 1H), 3.27 (d, J=17.9 Hz, 1H), 4.08
(s, 3H), 4.10 - 4.30 (m, 2H), 4.35 (br s, 1H), 4.
61 (t, J=9.9, 1H), 5.29 (near d, 1H), 5.50 (near
d,1H), 6.61 (br d, 1H), 7.39 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.
78 (t, J=7.7 Hz, 1H), 8.04 (d, J=7.7 Hz, 1H), 13.2
7 (s, 1H), 13.99 (s, 1H); FAB-MS (NBA) m/z 707
(M+)。
【0051】実施例8 4'-エピ-4'-O-アセチル-N-ト
リフルオロアセチルダウノルビシンの製造 実施例7に従い、20%の収率で表題化合物が得られ
た。
【0052】Rf値 0.28(メルク社製、Art.105715,
展開溶媒クロロホルム:酢酸エチル=3:1)1 H-NMR (CDCl3) δ 1.26 (d, J=5.9Hz, 3H), 1.76 (dt,
J=3.7, 12.5Hz, 1H), 2.10 (s, 3H), 2.17 (dd, J=4.
4, 15.0Hz, 1H), 2.34 (m, 2H), 2.44 (s, 3H),2.96
(d, J=19.1Hz, 1H), 3.28 (dd, J=1.8, 18.7Hz, 1H),
4.09 (s, 3H), 4.16(m, 1H), 4.20 (m, 1H), 4.30 (s,
1H), 4.59 (t, J=10.3Hz, 1H), 5.29 (br s, 1H), 5.52
(d, J=3.7Hz, 1H), 6.54 (d, J=8.1Hz, 1H), 7.40 (d,
J=8.1Hz, 1H), 7.79 (t, J=8.1Hz, 1H), 8.05 (d, J=
8.1Hz, 1H), 8.14 (s, 1H), 13.31 (s, 1H), 14.03 (s,
1H) IR υmax (KBr): 1720, 1620, 1580, 1420, 1290, 12
30, 1210, 990 cm-1
【0053】実施例9 4'-エピ-4'-O-(2,3,4-トリメ
トキシ)ベンゾイル-N-トリフルオロアセチルダウノル
ビシンの製造 実施例に従い、26%の収率で表題化合物が得られた。
【0054】1H-NMR (CDCl3) δ 1.36 (d, J=6.2 Hz, 3
H), 1.83 (m, 1H), 2.15 (dd, J=4.0and 14.7 Hz, 1
H), 2.36 - 2.40 (m, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.97 (d, J=
18.9 Hz, 1H), 3.28 (d, J=18.9 Hz, 1H), 3.86, 3.88,
3.90, 3.91 (each s, 12H), 4.30 (m, 2H), 4.38 (s,
1H), 4.85 (t, J=9.9 Hz, 1H), 5.32 (s, 1H), 5.55
(s,1H), 6.70 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.90 (br d, 1H),
7.39 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.53 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.
78 (t, J=8.0 Hz, 1H), 8.04 (d, J=8.0 Hz, 1H), 13.2
8 (s, 1H), 14.00 (s, 1H) FAB-MS (NBA) m/z 818 (M+H)+
【0055】実施例10 4'-エピ-4'-O-(4-メトキ
シ)ベンゾイル-N-トリフルオロアセチルダウノルビシ
ンの製造 実施例7に従い、31%の収率で表題化合物が得られ
た。
【0056】1H-NMR (CDCl3) δ 1.31 (d, J=6.3 Hz, 3
H), 1.83 (m, 1H), 2.18 (m, 1H), 2.41 (m, 2H), 2.47
(s, 3H), 2.97 (d, J=18.1 Hz, 1H), 3.29 (d, J=18.1
Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 4.08 (S, 3H), 4.30 (m, 2
H), 4.82 (t, J=9.9 Hz, 1H), 5.33 (s, 1H), 5.55 (ne
ar d, 1H), 6.93 (d, J=9.1 Hz, 2H), 7.39 (d, J=8.1
Hz, 1H), 7.78 (t, J=8.1 Hz, 1H), 7.97 (d, J=9.1 H
z, 2H), 8.04 (d, J=8.1 Hz, 1H), 13.28 (s, 1H), 14.
02 (s, 1H) FAB-MS (NBA) m/z 757 (M+)。
【0057】実施例11 4'-エピ-4'-O-(4-フルオ
ロ)ベンゾイル-N-トリフルオロアセチルダウノルビシ
ンの製造 実施例7に従い、33%の収率で表題化合物が得られ
た。
【0058】1H-NMR (CDCl3) δ 13.6 (d, J=6.3 Hz, 3
H), 1.86 (m, 1H), 2.18 (m, 1H), 2.35-2.43 (m, 2H),
2.45 (s, 3H), 2.97 (d, J=18.9 Hz, 1H), 3.27 (d, J
=18.9Hz, 1H), 4.09 (s, 3H), 4.29-4.34 (m, 2H), 4.3
1 (s, 1H), 4.88 (t, J=9.9 Hz, 1H), 5.32 (s, 1H),
5.55 (near d, 1H), 6.78 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7.13-7.
25 (m, 2H), 7.39 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.56 (m, 1H),
7.78 (t, J=7.7 Hz, 1H), 7.86 (near t, 1H), 8.05
(d, J=7.7 Hz, 1H), 13.28 (s, 1H), 14.01 (s, 1H) FAB-MS (NBA) m/z 745 (M+)。
【0059】実施例12 4'-エピ-4'-O-(4-ニトロ)
ベンゾイル-N-トリフルオロアセチルダウノルビシンの
製造 実施例7に従い、23%の収率で表題化合物が得られ
た。
【0060】1H-NMR (CDCl3) δ 1.31 (d, J=6.2 Hz, 3
H), 1.88 (m, 1H), 2.23 (m, 1H), 2.37 (m, 2H), 2.46
(s, 3H), 2.97 (d, J=17.9 Hz, 1H), 3.30 (d, J=17.9
Hz, 1H), 4.09 (s, 3H), 4.28 (s, 1H), 4.32 (m, 1
H), 4.45 (m, 1H), 4.87 (t, J=9.8 Hz, 1H), 5.33 (s,
1H), 5.57 (near d, 1H), 6.47 (d, J=8.4, 1H), 7.40
(d, J=7.7 Hz, 1H), 7.80 (t, J=7.7, 1H), 8.05 (d,
J=7.7 Hz, 1H), 8.18 (d,J=8.9 Hz, 1H), 8.30 (d, J=
8.9 Hz, 1H), 13.29 (s, 1H), 14.04 (s, 1H) FAB-MS (NBA) m/z 772 (M+)。
【0061】実施例13 4'-エピ-4'-O-イソブチリル-
N-トリフルオロアセチルダウノルビシンの製造 実施例7に従い、40%の収率で表題化合物が得られ
た。
【0062】1H-NMR (CDCl3) δ 1.15 (dd, J=6.9 and
13.9 Hz, 3H), 1.20 (d, J=6.9 Hz, 3H), 1.25 (d, J=
5.9 Hz, 3H), 1.77 (dt, J=4.0 and 13.0 Hz, 1H), 2.1
7 (m, 1H), 2.30 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.60 (m, 1
H), 2.94 (d, J=18.7 Hz, 1H), 3.27 (d, J=18.7 Hz,1
H), 4.08 (s, 3H), 4.13-4.24 (comp m, 2H), 4.31 (br
s,1H), 4.61 (t, J=9.9 Hz, 1H), 5.29 (s, 1H), 5.50
(nears, 1H), 7.39 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.78 (t, J=
8.0 Hz, 1H), 8.03 (d, J=8.0,1H), 13.27 (s, 1H),13.
99 (s, 1H) FAB-MS (NBA) m/z 693 (M+)。
【0063】実施例14 4'-エピ-4'-O-イソブチリル-
N-トリフルオロアセチル-ダウノルビシンのアルカリ加
水分解による4'-エピ-ダウノルビシンの製造 4'-エピ-4'-O-イソブチリル-N-トリフルオロアセチル-
ダウノルビシン100 mg(0.144 mmol) をメタノール 5 ml
に溶解させた。これを氷冷下撹拌しながら、1N LiOH
水溶液 2.5 ml を加えた。次いで、テトラブチルアンモ
ニウムアイオダイド 2 mg を加えた。そのまま5分間撹
拌した後室温で3時間撹拌した。メタノールを減圧下で
除去し後に精製水 1 ml を加えた。さらに 1N HCl 水溶
液でpHを2にした。この溶液をクロロホルム (5 ml x
5) で洗浄した。水層を、1N NaOH水溶液で pH を 8.6
とし、クロロホルム (20 ml x 3) で抽出した。有機層
を硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下で除去し、60.7
mg (79.9 %) の赤色固体を得た。
【0064】1H-NMR (CDCl3) δ 1.34 (d, J=6.2 Hz, 3
H), 1.58 (dt, J=3.7 and 12.8 Hz, 1H), 2.01 (dt, J=
4.0 and 12.8 Hz, 1H), 2.10 (dd, J=4.2 and 14.7 Hz,
1H),2.35 (d, J=14.7 Hz, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.82
(m, 1H), 2.90 (d, J=18.9 Hz,1H), 2.95 (t, J=9.2 H
z, 1H), 3.19 (d, J=18.9 Hz, 1H), 3.85 (dq, J=6.2 a
nd 9.2 Hz, 1H), 4.08 (s, 3H), 5.25 (s, 1H), 5.45
(near d, 1H), 7.38 (d,J=8.1 Hz, 1H), 7.77 (t, J=8.
1 Hz, 1H), 8.01 (d, J=8.1 Hz, 1H), 13.27 (s,1H), 1
4.02 (s, 1H); FAB-MS (NBA) m/z 528 (M+H)+
【0065】
【発明の効果】抗腫瘍剤として有用な4'-エピ-ダウノル
ビシンまたは4'-エピ-ドキソルビシンを効率よく製造す
るための新規合成中間体、並びにそれらの製造方法が提
供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 武男 神奈川県綾瀬市吉岡1782−10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で示される4'-O-トリフル
    オロメタンスルホニル-ダウノルビシン誘導体。 一般式(I) 【化1】 [式中、R1は水素原子を表し、そしてR2はアミノ基の
    保護基を表すか、またはR1およびR2は一緒になってア
    ミノ基の保護基を表す]。
  2. 【請求項2】 一般式(II)で示される4'-エピ-4'-O
    -アシル-ダウノルビシン誘導体。 一般式(II) 【化2】 [式中、R1は水素原子を表し、そしてR2はアミノ基の
    保護基を表すか、またはR1およびR2は一緒になってア
    ミノ基の保護基を表し、R3は水素原子、直鎖もしくは
    分岐の水酸基またはハロゲンで置換されてもよい低級ア
    ルキル基、あるいは、芳香族環が無置換もしくはハロゲ
    ン、アルキルオキシ基またはニトロ基で置換されたアリ
    ール基またはアラルキル基を表わす]。
  3. 【請求項3】 一般式(III)で示される3'位の窒素
    原子を保護したダウノルビシン誘導体を4-ジメチルアミ
    ノピリジンの存在下においてトリフルオロメタンスルホ
    ン酸無水物と反応させることを特徴とする、請求項1に
    記載された一般式(I)で示される4'-O-トリフルオロ
    メタンスルホニル-ダウノルビシン誘導体の製造法。 一般式(III) 【化3】 [式中、R1及びR2は式(I)について定義するとおり
    である]。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された一般式(I)で示
    される4'-O-トリフルオロメタンスルホニル-ダウノルビ
    シン誘導体にカルボン酸及び塩基を作用させることを特
    徴とする、請求項2に記載された一般式(II)で示さ
    れる4'-エピ-4'-O-アシル-ダウノルビシン誘導体の製造
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載された一般式(II)で
    示される4'-エピ-4'-O-アシル-ダウノルビシン誘導体を
    アルカリ加水分解または酸加水分解を行うことを特徴と
    する4'-エピ-ダウノルビシンの製造方法。
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CN109293613A (zh) * 2018-11-23 2019-02-01 鲁南制药集团股份有限公司 一种表柔红霉素中间体化合物
CN109293613B (zh) * 2018-11-23 2023-04-25 鲁南制药集团股份有限公司 一种表柔红霉素中间体化合物

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