JPH10129661A - 合成樹脂製パレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】角部に、支柱Ｃに形成された嵌合板部３が
挿入可能な奥部に嵌合孔７ｂを有する水平溝部７を形成
した合成樹脂製パレットに関するものである。 【効果】合成樹脂製パレットに支柱受けを取り付ける必
要がなく、従って、合成樹脂製パレットへの支柱の立設
に手間が掛からないとともに、合成樹脂製パレットを安
価に製造することができる。また、角部に、奥部に嵌合
孔を有する水平溝部を形成したので、木製パレットに使
用されていた垂直主部、突出板部、嵌合板部、水平板部
とから構成されている支柱をそのまま使用することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、種々の物品を載置
して、運搬或いは保管するために使用される合成樹脂製
パレットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、合成樹脂製パレットの４つの角部
に、適当な固着具により支柱受けを取り付け、該支柱受
けに鉄等の金属製の支柱を挿入することにより、合成樹
脂製パレットの４つの角部に、支柱を立設するようにし
た合成樹脂製パレットが知られている。また、木製パレ
ットのデッキボードを構成する、所定の間隔で取着され
た板材及びデッキボードの４つの角部に配設された桁を
挟むように支柱を取り付けるようにした木製パレットが
知られている。このようにして、パレットの４つの角部
に立設された支柱に、パレットを載置してパレットを段
積みすることにより、パレットの収納空間を有効利用す
ることができるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の合成樹
脂製パレットは、該パレットに、支柱が挿入される支柱
受けを取り付けなければならず、合成樹脂製パレットへ
の支柱の立設に手間が掛かるとともに、合成樹脂製パレ
ットが高価なものになるという問題がある。

【０００４】木製パレットの４つの角部において、板材
及びデッキボードに支柱を配設したものは、板材の強度
が充分でないために、支柱に載置されるパレットを重く
することができないという問題がある。

【０００５】本発明の目的は、上述した従来のパレット
が有する課題を解決するとともに、木製パレットで使用
されていた支柱をそのまま使用することができる合成樹
脂製パレットを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明は、合成樹脂製パレットの角部に、支柱
に形成された嵌合板部が挿入可能な奥部に嵌合孔を有す
る水平溝部を形成したものであり、また、デッキボード
に、水平溝部に向かう下方に傾斜した傾斜面を形成した
ものである。

【０００７】

【実施例】Ｃは、従来の木製パレットに使用されている
鉄等の金属製の支柱であり、支柱Ｃは、水平断面形状が
略Ｌ字状の垂直主部１と、垂直主部１の一方の垂直壁１
ａの下端部を横方向に延長して形成される突出板部２
と、該突出板部２の先端部から、突出板部２に対して垂
直に延びる嵌合板部３と、突出板部２と嵌合板部３の上
端縁部及び垂直主部１の側壁に取着された水平板部４と
を有している。嵌合板部３の突出板部２側に、下方が開
口するとともに、正面形状が方形状の切欠部３ａを形成
することにより、突出板部２と反対側に位置する嵌合板
部３には、嵌合突起３ｂが下方に向けて突設される。ま
た、切欠部３ａは、水平板部４に達することなく、従っ
て、嵌合板部３には、上部縁部３ｃが形成されている。

【０００８】Ｐは、合成樹脂製パレットであり、合成樹
脂製パレットＰの４つの角部付近の上部デッキボード５
には、一方の側壁６ａに対して垂直で、且つ、該側壁６
ａまで達する水平溝部７が形成されている。一方の側壁
６ａから見た水平溝部７は、方形状に形成されており、
また、水平溝部７の奥部には、合成樹脂製パレットＰを
厚さ方向に貫通する嵌合孔７ｂが形成されている。８
は、合成樹脂製パレットＰの上部デッキボード５に形成
された帯状凹部９に埋設された滑り止め材である。

【０００９】次に、図１及び図２を用いて、合成樹脂製
パレットＰの角部への支柱Ｃの取り付けについて説明す
る。

【００１０】支柱Ｃの嵌合板部３の嵌合突起３ｂが、合
成樹脂製パレットＰの水平溝部７の奥部に形成された嵌
合孔７ｂに挿入されるとともに、嵌合板部３の上部縁部
３ｃが、水平溝部７の合成樹脂製パレットＰの角部寄り
の垂直壁７ｃに接触或いは略接触するように、支柱Ｃを
合成樹脂製パレットＰの角部に着脱自在に取り付ける。
また、合成樹脂製パレットＰの角部に取り付けられた支
柱Ｃの垂直主部１の下部及び突出板部２が、合成樹脂製
パレットＰの角部を構成する両側壁６ａ、６ｂに、接触
或いは略接触するように構成されているので、支柱Ｃ
が、揺れることがないように、しっかりと合成樹脂製パ
レットＰに取り付けられることになる。

【００１１】本発明の合成樹脂製パレットＰは、上述し
たように構成されているので、合成樹脂製パレットＰに
支柱受けを取着することなく支柱Ｃを取り付けることが
できるとともに、従来の木製パレットに使用されている
支柱Ｃをそのまま使用することができる。

【００１２】次に、図３を用いて、本発明の別の実施例
に係る合成樹脂製パレットＰについて説明する。

【００１３】ところで、生鮮食品等の腐敗し易い物品を
載置した合成樹脂製パレットＰは、冷凍倉庫に保管する
必要があるが、この場合に、鉄等の金属製の支柱Ｃや合
成樹脂製パレットＰに付着した水が凍結して、支柱Ｃと
合成樹脂製パレットＰがくっついて、支柱Ｃを合成樹脂
製パレットＰから取り外すことが困難となったり、或い
は、合成樹脂製パレットＰに取り付けられたままの露結
した支柱Ｃが温められて露が溶けると、合成樹脂製パレ
ットＰの上部デッキボード５が濡れて、上部デッキボー
ド５に載置される物品が濡れるという問題がある。この
ような問題点を解決したものが、以下に説明する本発明
の別実施例である。

【００１４】合成樹脂製パレットＰの上部デッキボード
５には、合成樹脂製パレットＰの角部付近に位置する上
部デッキボード５から、水平溝部７の合成樹脂製パレッ
トＰの角部寄りの垂直壁７ｃに向かって下方に傾斜する
傾斜面１０が形成されている。傾斜面１０の幅は、水平
溝部７の奥行きと略同じに形成することが好ましいが、
水平溝部７の奥行きより長くすることもできる。

【００１５】上述したように、上部デッキボード５に、
水平溝部７に向かう下方に傾斜した傾斜面１０を形成し
たので、支柱Ｃの水平板部４の下面全面が、上部デッキ
ボード５に接触することがなく、従って、凍結した支柱
Ｃを、簡単に、合成樹脂製パレットＰから取り外すこと
ができる。また、露結した支柱Ｃが温められて露が溶け
た場合でも、水が傾斜面１０に沿って水平溝部７に流れ
込むとともに、水平溝部７に流れ込んだ水が、嵌合孔７
ｂを通って、合成樹脂製パレットＰから垂れ出るので、
上部デッキボード５が濡れるようなことがない。

【００１６】なお、上述した実施例においては、上部デ
ッキボード５に、嵌合孔７ｂを有する水平溝部７が形成
されているが、上下両面のデッキボードを利用できるタ
イプの場合には、下部デッキボード５にも、このような
嵌合孔７ｂを有する水平溝部７を形成することができ
る。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載する効果を奏することができ
る。

【００１８】角部に、奥部に嵌合孔を有する水平溝部を
形成したので、合成樹脂製パレットに支柱受けを取り付
ける必要がなく、従って、合成樹脂製パレットへの支柱
の立設に手間が掛からないとともに、合成樹脂製パレッ
トを安価に製造することができる。また、角部に、奥部
に嵌合孔を有する水平溝部を形成したので、木製パレッ
トに使用されていた垂直主部、突出板部、嵌合板部、水
平板部とから構成されている支柱をそのまま使用するこ
とができる。

【００１９】デッキボードに、水平溝部に向かう下方に
傾斜した傾斜面を形成したので、凍結した支柱を、簡単
に、合成樹脂製パレットから取り外すことができるとと
もに、露が溶けてできた水が合成樹脂製パレットのデッ
キボードを濡らすようなことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の合成樹脂製パレット及び支柱の
分解斜視図である。

【図２】図２は支柱が取り付けられた状態の本発明の合
成樹脂製パレットの斜視図である。

【図３】図３は支柱が取り付けられた状態の本発明の別
の実施例の合成樹脂製パレットの斜視図である。

【符号の説明】

Ｃ・・・・・・・・支柱 Ｐ・・・・・・・・合成樹脂製パレット ３・・・・・・・・嵌合板部 ７・・・・・・・・水平溝部 ７ｂ・・・・・・・嵌合孔 １０・・・・・・・傾斜面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】角部に、支柱に形成された嵌合板部が挿入
   可能な奥部に嵌合孔を有する水平溝部を形成したことを
   特徴とする合成樹脂製パレット。
2. 【請求項２】デッキボードに、水平溝部に向かう下方に
   傾斜した傾斜面を形成したことを特徴とする請求項１に
   記載の合成樹脂製パレット。