JPH10129509A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
電動パワーステアリング装置Info
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- JPH10129509A JPH10129509A JP28401796A JP28401796A JPH10129509A JP H10129509 A JPH10129509 A JP H10129509A JP 28401796 A JP28401796 A JP 28401796A JP 28401796 A JP28401796 A JP 28401796A JP H10129509 A JPH10129509 A JP H10129509A
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Abstract
5で操舵トルクに応じた補助トルクを発生し、この補助
トルクをウォームギヤ機構6を介してステアリング系に
伝達するものであり、ウォームギヤ機構6を収納するハ
ウジング24と電動機5のケース31とで収納空間Sを
形成し、この収納空間に電動機の軸とウォーム軸とを一
体化した出力軸34を両端部を支持した状態で収納し、
この出力軸を軸方向に押す弾性部材39を収納空間に収
納し、弾性部材のみで出力軸を押すようにした。 【効果】 収納空間に出力軸と弾性部材を組込むだけ
で、出力軸へ軸方向の予圧を与えることができるので、
予圧調整用ボルトやねじ孔が不要であり、生産性が高ま
る。予圧調整用ボルトのためのねじ孔がないので、ケー
スやハウジングに水が侵入する虞れはない。
Description
ング装置の改良に関する。
軽減して快適な操舵感を与えるために、電動パワーステ
アリング装置が多用されてきた。この種の電動パワース
テアリング装置は、電動機で操舵トルクに応じた補助ト
ルクを発生し、この補助トルクをウォームギヤ機構及び
摩擦係合伝達手段を介してステアリング系に伝達するも
のであって、例えば実開昭60−188064号「モー
タ駆動型ステアリング装置のロック解除装置」の技術が
ある。
ば、電動モータ21(番号は公報に記載されたものを引
用した。以下同じ。)の出力軸の先端にウォームギヤ機
構のウォームシャフト27を嵌合し、このウォームシャ
フト27にフリーホイールクラッチを介してウォームギ
ヤ22を連結し、このウォームギヤ22にウォームホイ
ール23を噛み合わせ、このウォームホイール23にピ
ニオンシャフト24を連結したものである。
術は、モータ21の出力軸並びにウォームシャフト27
を単に軸受で回転可能に支持するだけのものであり、軸
並びに軸受に不可避的に備っている寸法誤差が累積し
て、ウォームのバックラッシュの増幅などの要因とな
り、機構の寿命に影響がでる。そこで、その対策とし
て、次の構成が考えられる。
置の電動機及びウォームギヤ機構の組立図であり、電動
機101の出力軸102の先端にウォームギヤ機構10
3のウォームシャフト104を軸方向に嵌合し、このウ
ォームシャフト104のウォーム105にホイール10
6を噛み合わせたことを示す。出力軸102は後端を軸
受107で支持し、ウォームシャフト104は先端及び
後端を軸受108,109で支持したものである。
11にねじ込んだ調整ボルト112にて、ボール113
を介してウォームシャフト104の先端を軸方向に押す
ことで、出力軸102並びにウォームシャフト104の
軸方向の遊びがないように予圧調整作業(ガタ取り)を
する。予圧調整作業が完了した後、調整ボルト112を
ロックナット114でロックし、キャップ115を被せ
て防水する。キャップ115を被せるので、ハウジング
111のねじ部と調整ボルト112との隙間から水が侵
入しない。
予圧調整のための部品が多く必要であるとともに、予圧
調整作業が必要であり、生産性を高めることは難しい。
また、キャップ115が破損したり脱落すると、ねじ部
の隙間から内部へ水が侵入する虞れがあり、水が侵入す
ると、電動機101やウォームギヤ機構103の寿命に
影響を及ぼす。
ーム軸の軸方向の予圧調整のための部品を少なくすると
ともに、予圧調整作業が不要な構成とすること、(2)
電動機やウォームギヤ機構の内部に水が侵入する虞れの
ない電動パワーステアリング装置を提供することにあ
る。
に、請求項1記載の発明は、電動機で操舵トルクに応じ
た補助トルクを発生し、この補助トルクをウォームギヤ
機構を介してステアリング系に伝達する電動パワーステ
アリング装置において、前記ウォームギヤ機構を収納す
るハウジングと前記電動機のケースとで収納空間を形成
し、この収納空間に電動機の軸とウォーム軸とを一体化
した出力軸を両端部を支持した状態で収納し、この出力
軸を軸方向に押す弾性部材を前記収納空間に収納し、前
記弾性部材のみで出力軸を押すようにしたことを特徴と
する。
ングと電動機のケースとで形成した収納空間に出力軸並
びに弾性部材を組込むだけで、出力軸へ軸方向の予圧を
与えることができる。このため、予圧調整用ボルトやね
じ孔が不要であり、部品数が少なく機械加工も少なくな
るので、組立工数を削減でき、生産性が高まる。また、
予圧調整作業や予圧調整後の検査作業が不要になる。さ
らに、予圧調整用ボルトのためのねじ孔がないので、ケ
ースやハウジングに水が侵入する虞れはなく、このた
め、電動パワーステアリング装置の信頼性が高まる。
生するための電動機の軸と、補助トルクをステアリング
系に伝達するためのウォームギヤ機構のウォーム軸と
を、一体に形成して出力軸とし、この出力軸の両端部を
回転可能に支持したことにより、従来技術のように電動
機の軸にウォームギヤ機構のウォーム軸を嵌合連結する
必要がないので隙間が発生せず、この隙間によるステア
リングハンドルの回転に余分な遊びがなくなり、操舵フ
ィーリングが高まる。
技術よりも撓み易い。このため、ホイールが熱膨張して
ウォームを押圧した際に出力軸が撓むので、歯圧が過大
にならず摩擦抵抗を軽減でき、操舵フィーリングが高ま
る。 (4)軸受の数量を2個に減少できるので部品数が少な
くなり、電動機とウォームギヤ機構の組立工数が減るの
で生産性が向上し、また、コストダウンを図れる。 (5)電動機のロータとウォームとを備えた出力軸を両
端部の2点だけで支持する構成なので、出力軸の組付け
精度が高く、組付性も良い。
線形ばね特性を有したことを特徴とする。
たわみ量が大きく変化するという、非線形ばね特性を有
した弾性部材を使用するので、出力軸並びに出力軸を組
付ける各部の軸方向寸法誤差(加工誤差、組立誤差な
ど)を、充分に吸収することができる。その結果、出力
軸へ軸方向の予圧を与えた際に、軸方向寸法誤差に伴う
予圧の変動は小さいので、出力軸回りの寸法公差を大き
く設定した場合でも、適切な予圧設定をすることができ
る。また、出力軸回りの寸法公差が大きいので、加工が
容易であり、生産性が高い。
基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見
るものとする。図1は本発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の全体構成図であり、電動パワーステアリング
装置1は、ステアリングハンドル2で発生したステアリ
ング系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段3
と、この操舵トルク検出手段3の検出信号に基づいて制
御信号を発生する制御手段4と、この制御手段4の制御
信号に基づいて操舵トルクに応じた補助トルクを発生す
る電動機5と、この電動機5の補助トルクをステアリン
グ系に伝達するトルク伝達手段6及び機械式クラッチ4
0とからなり、ピニオン7、ラック8aを介して車輪
(操舵輪)9,9を転舵するものである。
グ装置の要部拡大断面図であり、電動パワーステアリン
グ装置1は、上記ステアリングハンドル2(図1参照)
に連結した管状の入力軸11と、この入力軸11内に挿
通し且つ入力軸11に上部をピン12で結合したトーシ
ョンバー(弾性部材)13と、このトーションバー13
の下部にピン14で結合し下部に上記ピニオン7を設け
た出力軸15とで、主たるステアリング系をなすもので
ある。トーションバー13は、文字通りトルクに対して
正確にねじれ角が発生するメンバーであって、入力軸1
1と出力軸15との間での相対ねじり変位を発生する。
ラック8aは、この図の表裏方向に延びるラック軸8に
設けたものである。入力軸11とトーションバー13と
出力軸15とは、同心上にある。図中、16,17,1
8は軸受、19はダストカバーである。
1,15間の相対ねじれ角を検出することによりステア
リング系の操舵トルクを検出するものであり、本実施の
形態ではポテンショメータを用いた。このポテンショメ
ータは、図示せぬ抵抗素子及び抵抗素子に沿って移動す
る摺動接点を内蔵した検出本体部21と、この検出本体
部21内の摺動接点を作動するべく回転する棒状の作動
子22とからなる。そして、ポテンショメータは、入力
軸11の外周面に検出本体部21をボルト止めし、出力
軸15の外周面の係合溝15aに作動子22の先端部を
係合し、さらに、この作動子22をねじりばね23にて
係合溝15aの一方の側壁側に弾発するものである。
のコネクタ25に電気ケーブル26を介して接続したも
のであり、この電気ケーブル26は、入力軸11へ取付
けたケーブルリール27に複数巻回(例えば、3巻き程
度)したものである。
は、出力軸15の上部にブッシュ36aを介して回転自
在に取付けた厚肉の円筒部材であり、この円筒部材に、
ギヤ部36bと入力部材36cとを軸方向に下から順に
形成したものである。前記入力部材36cは、内部に機
械式クラッチ40を配置したものであり、この機械式ク
ラッチ40の断面構成については、図5にて詳述する。
機5とトルク伝達手段6の断面構造を示す。電動機5は
ケース31と、ステータ32と、ロータ33と、このロ
ータ33を取付けた金属製の補助トルク出力軸34(以
下「出力軸34」と称する。)とからなる。前記トルク
伝達手段6は、前記ハウジング24に収納したウォーム
ギヤ機構であり、ウォーム35とホイール36とからな
る。ハウジング24とケース31とは、互いにボルト結
合することにより密閉した収納空間Sを形成する。
軸とトルク伝達手段(ウォームギヤ機構)6のウォーム
軸とを一体化した長い軸であり、この軸は、両端部を玉
軸受等からなる第1軸受37及び第2軸受38で回転可
能に支持された状態で、収納空間Sに収納したものであ
る。詳しくは、出力軸34は両端部を小径とした段付き
軸である。ハウジング24内に軸方向移動可能に嵌合し
た第1軸受37は、出力軸34の先端部を支持し、ケー
ス31内に軸方向移動不能に嵌合した第2軸受38は、
出力軸34の後端部を支持する。
37のアウタリングの軸方向端面との間に、非線形ばね
特性弾性部材としての皿ばね39を設けたことにより、
出力軸34は、皿ばね39の弾発力で軸方向に押された
状態である。
グ装置の要部分解斜視図であり、入力軸11の下端に、
機械式クラッチ40の一構成部品である三脚付き環状の
位置制御手段64をセレーション嵌合し、この位置制御
手段64の下部に3つの位置制御部材65…(…は複数
を示す。以下同じ。)を備えたことを示す。このため、
位置制御部材65…は、図1に示すステアリングハンド
ル2に連結したことになる。一方、ピニオン7を設けた
出力軸15は、基部上端に出力部材61を備える。
明に係る機械式クラッチ40の断面構成を示す。なお、
ハウジング24は省略した。機械式クラッチ40は、上
記電動機5の補助トルクの作用方向がステアリング系の
操舵方向と一致した場合のみ、電動機5の補助トルクを
ステアリング系に伝達するものであり(ワンウエイクラ
ッチの集合体)、すなわち、複数組の摩擦係合式クラッ
チ機構の集合体である。これらの摩擦係合式クラッチ機
構は、入力部材36cの矢印X方向(図反時計回り方
向)に係合する3組の第1クラッチ機構41…と、矢印
Xと逆廻り方向に係合する3組の第2クラッチ機構51
…である。第1クラッチ機構41…と第2クラッチ機構
51…とは、同一円上に交互に並んでいる。
…,51…は、上記入力・出力部材36c,61間に形
成したテーパ状空間部62…と、これらのテーパ状空間
部62…に介在して入力部材36cと出力部材61とを
係合する円柱状の係合部材63…と、これらの係合部材
63…の位置決めをなす位置制御部材65…と、これら
の位置制御部材65…に向って係合部材63…を弾発す
る弾性部材としての圧縮ばね66…とからなる。
(角部を切り落とした2等辺三角形断面の3つの辺を円
弧状とした形状)を呈する。テーパ状空間部62…は、
入力部材36cの円形内周面と出力部材61の係合面
(多角形外周面)との間に形成した、いわゆる周方向端
部がテーパ形状を呈する空間部である。位置制御部材6
5…は、互いに離間しつつ、入力部材36cと出力部材
61との間の同一円上に等ピッチで、回転可能に配置し
た部材である。このような構成の機械式クラッチ40
は、位置制御部材65…の移動にともなって、入力部材
36cと出力部材61とを係合・非係合に選択的に切換
えるものである。
…,51…のうち、特定の各1組(以下、「特定第1・
第2クラッチ機構41A,51A」と称する。)は、他
の組よりも早いタイミングで非係合状態になるものであ
る。具体的には、特定第1・第2クラッチ機構41A,
51Aの係合部材63…の位置決めをなす位置制御部材
65(以下、「特定位置制御部材65A」と称する。)
の円弧長L1が、他の位置制御部材65…の円弧長L2よ
りも大きい。そして、断面略2等辺三角形である出力部
材61において、1つの角部に特定位置制御部材65A
を配置し、互いに等角度の2つの角部に他の位置制御部
材65…を配置したものである。
径方向に移動可能である。具体的には、出力部材61に
長円若しくは楕円の貫通孔61aを開け、この貫通孔6
1aに円形の出力軸15を嵌合し、且つ、貫通孔61a
の長手軸上にピン14を通し、このピン14に弾性部材
としての圧縮ばね67を通し、この圧縮ばね67で出力
部材61を貫通孔61aの長手軸方向に弾発するように
した。
装置1の組立手順を、図2及び図3に基づき説明する。
なお、組立手順は上記構成の理解を容易にするために説
明したものであり、この手順に限定するものではない。 図3に示すように、ハウジング24内に皿ばね39を
セットする。 出力軸34の両端部に第1・第2軸受37,38を組
付ける。 ケース31にロータ33付き出力軸34を挿入し、第
2軸受38を組付ける。 ハウジング24に出力軸34を挿入しつつ、ハウジン
グ24とケース31を合せ、その後、ボルト止めする。 この時点で、ハウジング24の内端面と第1軸受37
のアウタリングの軸方向端面との間に、皿ばね39が圧
縮されつつセットされる。 その後、ホイール36を回転しつつウォーム35に噛
み合わせながら、図2に示す操舵トルク検出手段3、入
・出力軸11,15、ホイール36、機械式クラッチ4
0からなる部分組立品を、ハウジング24内にセットす
る。 ハウジング24内にラック軸8を挿入し、ピニオン7
にラック8aを噛み合わせて、組立作業を完了する。
段6の作用を、図3及び図6に基づき説明する。図3に
示すように、ハウジング24とケース31とを合せてボ
ルト止めした時点で、収納空間S内の皿ばね39は、ハ
ウジング24の内端面と第1軸受37のアウタリングの
軸方向端面との間で圧縮される。その結果、皿ばね39
は第1軸受37、出力軸34、第2軸受38をこの順に
軸方向に押すように弾発する。このため、出力軸34や
第1・第2軸受37,38は、皿ばね39の弾発力によ
り予圧を与えられるので、軸方向の遊びがない。
化した出力軸34の両端部を支持したので、上記従来の
技術のように、電動機5の軸にウォームギヤ機構6のウ
ォーム軸を嵌合にて連結する必要がなく、このため隙間
が発生せず、この隙間によるステアリングハンドル2の
回転に、余分な遊びがない。
・第2軸受37,38で支持された長い軸であり、軸受
間距離が長いので曲げ剛性が小さく撓み易い。このた
め、ホイール36が径方向に熱膨張してウォーム35を
押圧した際に、歯圧が過大にならず摩擦抵抗を軽減でき
る。さらにまた、出力軸34は、皿ばね39の弾性力に
より軸方向の熱膨張等を吸収される。
あり、縦軸を皿ばねに作用する圧縮荷重Pとし、横軸を
皿ばねのたわみ量(圧縮寸法)δとしたものである。一
般に皿ばねは、圧縮荷重がある程度になると、その圧縮
荷重のまま、たわみδだけが増すという「定荷重ばね」
の性質、すなわち、非線形ばね特性を有する。本実施の
形態では、非線形ばね特性弾性部材として、前記のよう
な特性を有する皿ばね39を用いたものであり、この図
に示すばね特性を有する。詳しくは、皿ばね39の「定
荷重ばね」の性質の部分において、圧縮荷重PがP1か
らP2まで微小量変化(荷重変化量ΔP)する場合に、
たわみ量δはδ1からδ2まで大きく変化する(たわみ変
化量Δδ)。
1からδ2までの範囲になるように、皿ばね39を圧縮し
つつセットするものである。たわみ変化量Δδの大きい
部分で皿ばね39を使用するので、出力軸34並びに出
力軸34を組付ける各部(以下「出力軸回り」と称す
る。)の軸方向寸法誤差を、充分に吸収することができ
る。その結果、出力軸34へ軸方向の予圧を与えた際
に、軸方向寸法誤差に伴う予圧の変動は小さいので、出
力軸回りの寸法公差を大きく設定した場合でも、適切な
予圧設定をすることができる。また、出力軸回りの寸法
公差が大きいので、加工が容易である。
ばね39を組込むだけで、出力軸34へ軸方向の予圧を
与えることができる。収納空間Sに出力軸34並びに皿
ばね39を組込んだ後に、予圧を調整する必要がないの
で、予圧調整用ボルトやねじ孔が不要であり、しかも、
予圧調整作業や予圧調整後の検査作業が不要である。ま
た、予圧調整用ボルトのためのねじ孔がないので、ハウ
ジング24やケース31に水が侵入する虞れはない。
用を、図1、図7〜図10に基づき説明する。図7〜図
10は本発明に係る機械式クラッチの作用図である。図
1において、ステアリングハンドル2を操舵しない場
合、操舵トルク検出手段3の信号が無いので、制御手段
4はアシスト命令信号を出力しない。このため、電動機
5は補助トルクを発生しない状態であり、図7に示すよ
うに各第1・第2クラッチ機構41…、51…は、全て
解除状態(中立状態)にある。
クが小さく、電動機5が補助トルクを発生しない場合、
入力軸11(図2参照)に連結した位置制御部材65…
と出力部材61との間の位相は、ほとんど変化しない。
この場合には、各位置制御部材65…が、例えば、この
図の反時計回り方向に若干移動するものの、第1クラッ
チ機構41…は係合するには至らない。このため、出力
部材61は、電動機5のフリクションやイナーシャの影
響を受けず、図2に示すステアリング系(入力軸11→
トーションバー13→出力軸15)の操舵トルクで回転
し、出力軸15を駆動する。
クが大きく、電動機5が補助トルクを発生している場
合、入力軸11に連結した位置制御部材65…(特定位
置制御部材65Aを含む)と出力部材61との間の位相
が大きく変化する。例えば図8に示すように、位置制御
部材65…が矢印X方向に大きく移動すると、全ての第
1クラッチ機構41…の係合部材63…は、圧縮ばね6
6…の弾発力で、テーパ状空間部62…の周方向端部に
移動し、摩擦力にて入力・出力部材36c,61間を係
合状態に切換える。その結果、全ての第1クラッチ機構
41…は係合状態になる。電動機5が回転することで、
入力部材36cは矢印X方向に回転し、第1クラッチ機
構41…を介して出力部材61に補助トルクを伝達す
る。このため、出力部材61は、ステアリング系(入力
軸11→トーションバー13→出力軸15)の操舵トル
クに、電動機5が発生した補助トルクを付加した複合ト
ルクで矢印X方向に回転し、出力軸15を駆動する。
助トルクの伝達が継続している場合に、第1クラッチ機
構41…は次のようにして解除になる。ステアリングハ
ンドル2を逆方向に操舵すると、図8に示すように全て
の位置制御部材65…は入力部材36cの回転方向と反
対方向(矢印Y方向)に回る。そして、特定位置制御部
材65Aは、他の位置制御部材65…よりも先に、矢印
Y方向右隣の係合部材63(便宜的に「係合部材63
A」と称する。)に当接し、摩擦力及び弾発力に抗して
押出す。
ッチ機構41Aの係合を解除する。この時点で、他の位
置制御部材65…は係合部材63…と当接していない。
従って、他の係合部材63…から出力部材61に継続し
て、図中の矢印Z1,Z2で示すベクトルが作用してお
り、これらのベクトルの合力に基づき、出力部材61に
図中の矢印Z3で示す偏荷重が作用する。その結果、出
力部材61は圧縮ばね67の弾発力に抗し、ピン14を
案内として特定位置制御部材65A側に僅かに移動す
る。従って、他の係合部材63…の係合力が弱まる。
合部材63…と当接して、図10に示すように元の中立
位置に戻す。その結果、他の第1クラッチ機構41…も
解除される。出力部材61は圧縮ばね66の弾発力によ
り、中立位置に自動復帰する。この場合、係合部材63
…には摩擦力が発生しないので、他の位置制御部材65
…で押圧する解除力は、圧縮ばね66…の弾発力に抗す
るだけの小さいものですむ。このように、入力部材36
cの回転が持続しているにもかかわらず、3組の第1ク
ラッチ機構41…の係合を解除するのに、最大1組分の
小さい解除力ですみ、しかも、確実に解除できる。
1クラッチ機構41…と逆作動をするものであり、ステ
アリングハンドル2を逆方向に操舵した場合に、上記図
7〜図10にて説明した作用と同様の操作で、係合・非
係合に切換えることができる。
非線形ばね特性弾性部材は出力軸34を軸方向に押すこ
とができれば、取付け位置は自由であり、例えば、第1
軸受37を軸方向移動不能に取付け、第2軸受38を軸
方向移動可能に取付け、この第2軸受38のアウタリン
グの軸方向端面とケース31の内端面との間に、非線形
ばね特性弾性部材を設けたものでもよい。また、非線形
ばね特性弾性部材は、皿ばね39に限定するものではな
い。さらに、上記弾性部材66,67は、圧縮ばねに限
定するものではない。
る。請求項1記載の発明は、電動機で操舵トルクに応じ
た補助トルクを発生し、この補助トルクをウォームギヤ
機構を介してステアリング系に伝達する電動パワーステ
アリング装置において、前記ウォームギヤ機構を収納す
るハウジングと前記電動機のケースとで収納空間を形成
し、この収納空間に電動機の軸とウォーム軸とを一体化
した出力軸を両端部を支持した状態で収納し、この出力
軸を軸方向に押す弾性部材を前記収納空間に収納し、前
記弾性部材のみで出力軸を押すようにしたことを特徴と
する。
ングと電動機のケースとで形成した収納空間に出力軸並
びに弾性部材を組込むだけで、出力軸へ軸方向の予圧を
与えることができる。このため、予圧調整用ボルトやね
じ孔が不要であり、部品数が少なく機械加工も少なくな
るので、組立工数を削減でき、生産性が高まる。また、
予圧調整作業や予圧調整後の検査作業が不要になる。さ
らに、予圧調整用ボルトのためのねじ孔がないので、ケ
ースやハウジングに水が侵入する虞れはなく、このた
め、電動パワーステアリング装置の信頼性が高まる。
生するための電動機の軸と、補助トルクをステアリング
系に伝達するためのウォームギヤ機構のウォーム軸と
を、一体に形成して出力軸とし、この出力軸の両端部を
回転可能に支持したことにより、従来技術のように電動
機の軸にウォームギヤ機構のウォーム軸を嵌合連結する
必要がないので隙間が発生せず、この隙間によるステア
リングハンドルの回転に余分な遊びがなくなり、操舵フ
ィーリングが高まる。
技術よりも撓み易い。このため、ホイールが熱膨張して
ウォームを押圧した際に出力軸が撓むので、歯圧が過大
にならず摩擦抵抗を軽減でき、操舵フィーリングが高ま
る。 (4)軸受の数量を2個に減少できるので部品数が少な
くなり、電動機とウォームギヤ機構の組立工数が減るの
で生産性が向上し、また、コストダウンを図れる。 (5)電動機のロータとウォームとを備えた出力軸を両
端部の2点だけで支持する構成なので、出力軸の組付け
精度が高く、組付性も良い。
線形ばね特性を有したことを特徴とする。
たわみ量が大きく変化するという、非線形ばね特性を有
した弾性部材を使用するので、出力軸並びに出力軸を組
付ける各部の軸方向寸法誤差(加工誤差、組立誤差な
ど)を、充分に吸収することができる。その結果、出力
軸へ軸方向の予圧を与えた際に、軸方向寸法誤差に伴う
予圧の変動は小さいので、出力軸回りの寸法公差を大き
く設定した場合でも、適切な予圧設定をすることができ
る。また、出力軸回りの寸法公差が大きいので、加工が
容易であり、生産性が高い。
体構成図
部拡大断面図
部分解斜視図
及びウォームギヤ機構の組立図
ンドル、3…操舵トルク検出手段、5…電動機、6…ト
ルク伝達手段(ウォームギヤ機構)、31…ケース、3
2…ステータ、33…ロータ、34…出力軸、35…ウ
ォーム、36…ホイール、37…第1軸受、38…第2
軸受、39…非線形ばね特性弾性部材(皿ばね)、40
…機械式クラッチ、S…収納空間。
Claims (2)
- 【請求項1】 電動機で操舵トルクに応じた補助トルク
を発生し、この補助トルクをウォームギヤ機構を介して
ステアリング系に伝達する電動パワーステアリング装置
において、前記ウォームギヤ機構を収納するハウジング
と前記電動機のケースとで収納空間を形成し、この収納
空間に電動機の軸とウォーム軸とを一体化した出力軸を
両端部を支持した状態で収納し、この出力軸を軸方向に
押す弾性部材を前記収納空間に収納し、前記弾性部材の
みで出力軸を押すようにしたことを特徴とする電動パワ
ーステアリング装置。 - 【請求項2】 前記弾性部材は、非線形ばね特性を有す
ることを特徴とした請求項1記載のする電動パワーステ
アリング装置。
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---|---|---|---|
JP28401796A JP3764541B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | 電動パワーステアリング装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP28401796A JP3764541B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | 電動パワーステアリング装置 |
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JPH10129509A true JPH10129509A (ja) | 1998-05-19 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1996
- 1996-10-25 JP JP28401796A patent/JP3764541B2/ja not_active Expired - Fee Related
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