JPH10129456A - 倍力装置のロック機構 - Google Patents

倍力装置のロック機構

Info

Publication number
JPH10129456A
JPH10129456A JP8300979A JP30097996A JPH10129456A JP H10129456 A JPH10129456 A JP H10129456A JP 8300979 A JP8300979 A JP 8300979A JP 30097996 A JP30097996 A JP 30097996A JP H10129456 A JPH10129456 A JP H10129456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve body
valve
screw
power piston
booster
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8300979A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3740762B2 (ja
Inventor
Makoto Watanabe
渡辺  誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jidosha Kiki Co Ltd filed Critical Jidosha Kiki Co Ltd
Priority to JP30097996A priority Critical patent/JP3740762B2/ja
Publication of JPH10129456A publication Critical patent/JPH10129456A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3740762B2 publication Critical patent/JP3740762B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 パワーピストン3とバルブボデイ6とが
摺動自在となっている倍力装置において、全負荷状態と
なったら両者を一体に連結するロック機構34に関す
る。パワーピストンに第1ねじ35を固定するととも
に、第2ねじを36バルブボデイに回転可能に設ける。
さらに第2ねじとキー部材26との間にストッパ部材3
8を設ける。このストッパ部材は、倍力装置が全負荷状
態となった際に、弁プランジャ12によって前進される
キー部材によって前進され、第2ねじに係合してその回
転を停止させる。これによりパワーピストンとバルブボ
デイとが一体に連結される。 【効果】 従来のロック機構34に比較して構成を簡単
なものとすることができ、かつ確実なロックとアンロッ
クとを行なわせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のブレーキ等に
用いられる倍力装置に関し、より詳しくは、パワーピス
トンとバルブボデイとが摺動自在となっている倍力装置
において、両者を一体に連結するロック機構に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来一般のブレーキ倍力装置は、シェル
内に摺動自在に設けたパワーピストンと、このパワーピ
ストンに設けたバルブボデイと、上記パワーピストンを
リヤ側に付勢するリターンスプリングと、上記パワーピ
ストンの前後に形成した定圧室と変圧室と、上記バルブ
ボデイ内に設けた弁機構と、ブレーキペダルに連動さ
れ、上記弁機構を構成する弁プランジャを進退動させて
弁機構の流路を切換える入力軸と、上記バルブボデイお
よび弁プランジャに相対変位可能に設けられるととも
に、該バルブボデイから弁プランジャが抜出るのを防止
するキー部材とを備えている。かかる従来一般のブレー
キ倍力装置においては、バルブボデイとパワーピストン
とが一体に設けられていたため、ブレーキペダルを踏み
込んでから実質的な制動作用がなされるまでにブレーキ
ペダルを相対的に大きく踏み込む必要があり、ブレーキ
フィーリングを損なう一因となっていた。すなわち、ブ
レーキ倍力装置の出力軸が連動するマスターシリンダの
ピストンにおいては、該ピストンが非作動位置から前進
されて直ちにはブレーキ液圧は上昇せず、ブレーキ液が
ホイールシリンダに供給されてブレーキパッドがブレー
キロータに密着してから、つまりマスターシリンダのピ
ストンがある程度前進してからブレーキ液圧が実質的に
上昇するまでの間は、いわばロスストロークとなっって
いる。そしてマスターシリンダのピストンのロスストロ
ークは、これに連動するブレーキペダルのロスストロー
クとなっている。
【0003】上述した問題を解決するために、従来、バ
ルブボデイをパワーピストンに摺動自在に設け、バルブ
ボデイの相対的なストローク量とパワーピストンの相対
的なストローク量とを別個に設定できるようにした倍力
装置が知られている。図5はそのようなブレーキ倍力装
置の一例を示すもので、同図において、フロントシェル
1とリヤシェル2とで構成した密封容器内にパワーピス
トン3を摺動自在に設けてあり、このパワーピストン3
は、軸部に配設した有底のシリンダ部材4と、該シリン
ダ部材4の外周に固定した皿状のプレート部材5とを備
えている。上記パワーピストン3のシリンダ部材4に
は、その開口側となるリヤ側からバルブボデイ6の先端
部に一体に設けた段付スリーブ7を摺動自在に嵌合して
あり、このスリーブ7を介してシリンダ部材4とバルブ
ボデイ6とが軸方向に相対変位できるようにしている。
図6に拡大して示すように、上記バルブボデイ6のフロ
ント側端部は、段付スリーブ7のリヤ側大径部7A内に
嵌合してあり、かつリヤ側大径部7Aの端部に設けた複
数の爪7aによってバルブボデイ6とスリーブ7とを一
体に連結している。そして段付スリーブ7のフロント側
小径部7Bをシリンダ部材4内に気密を保持して摺動自
在に嵌合している。そして上記パワーピストン3を構成
するプレート部材5のリヤ側に添設したダイアフラム8
によって密封容器内を前方側の定圧室Aと後方側の変圧
室Bとに区画している。
【0004】次に、上記バルブボデイ6内には、流体回
路を切換える弁機構10を収容してある。上記弁機構1
0は、バルブボデイ6の内周に形成した環状の第1弁座
11と、このバルブボデイ6内に摺動時自在に嵌合した
弁プランジャ12の右端に形成した環状の第2弁座13
と、さらにこれら両弁座11、13に図7の右方からポ
ペットリターンスプリング14によって着座される弁体
15とを備えている。上記弁体15は軸方向に位置を異
ならせて配置してある第1弁座11と第2弁座13とに
対応させて第1弁座11に着座する第1シート部15a
と第2弁座13に着座する第2シート15b部を備えて
おり、上記第1弁座11と第1シート部15aとで真空
弁16を構成するとともに、第2弁座13と第2シート
部15bとで大気弁17を構成している。そして上記第
1弁座11よりも外周側をバルブボデイ6に形成した軸
方向の定圧通路18と、上記スリーブ7内およびシリン
ダ部材4に形成した連通孔4Aを介して上記定圧室Aに
連通させ、この定圧室Aはフロントシェル1に設けた負
圧導入管19(図5)を介してエンジンのインテークマ
ニホールドに連通させることにより、該定圧室Aに常時
負圧を導入している。また、上記第2弁座13よりもフ
ロント側で第1弁座11の内周側となる部分は、バルブ
ボデイ6に形成した半径方向の変圧通路20を介して上
記変圧室Bに連通させてあり、さらに上記第2弁座13
のリヤ側の内方側は、バルブボデイ6内に形成した圧力
通路21(図5)を介して大気に連通させている。
【0005】上記弁プランジャ12の右端部には入力軸
23の先端部を枢支連結してあり、この入力軸23とバ
ルブボデイ6の間に、図5に示すように、上記ペットリ
ターンスプリング14の弾発力よりも大きな弾発力を有
するバルブリターンスプリング24を弾装して、通常は
弁プランジャ12の第2弁座13に弁体15を着座させ
て大気弁17を閉じるとともに、この弁体15を第1弁
座11から離座させて真空弁16を開かせている。そし
て上記入力軸23はブレーキペダル25に連動させてい
る。また図6に示すように、上記弁プランジャ12は、
キー部材26によってバルブボデイ6から抜出るのを防
止している。上記キー部材26は、図示しないがその中
央部から先端部にかけて二股状に形成してあり、該キー
部材26の二股状部分の基部を弁プランジャ12の小径
部12Aに係合させている。このキー部材26は、上記
バルブボデイ6および弁プランジャ12に相対変位可能
に設けられており、バルブボデイ6からの突出端がリヤ
シェル2の内面に当接可能となっている。さらに、上記
シリンダ部材4のフロント側端部には出力軸27を取付
けてあり、この出力軸27の左側先端部は、図5に示す
ように、シール部材28により気密を保ってフロントシ
ェル1から外部に突出させ、その先端部をフロントシェ
ル1に連結した図示しないマスターシリンダのピストン
に連動させている。そして上記シリンダ部材4とフロン
トシェル1との間にリターンスプリング29を弾装する
とともに、上記シリンダ部材4とバルブボデイ6との間
に上記リターンスプリング29よりも小さな弾発力を有
するリターンスプリング30を弾装している。したがっ
て上記リターンスプリング29、30の弾撥力により、
倍力装置の非作動時には、先ずキー部材26がリヤシェ
ル2の内面に当接した位置に保持され、次にバルブボデ
イ6およびスリーブ7は、そのキー部材26に当接した
位置に保持され、さらにシリンダ部材4およびパワーピ
ストン5は、シリンダ部材4がスリーブ7の大径部7A
に当接した位置に保持される。
【0006】さらに、上記出力軸27に加わるブレーキ
反力は全てパワーピストン3を構成するシリンダ部材4
で受け止められ、弁プランジャ12には、したがって入
力軸23を介してブレーキペダル25には伝達されない
ようになっている。そしてこのままでは運転者がブレー
キペダル25の操作感を得ることができないので、図5
に示すようにブレーキペダル25と車体31との間に擬
似反力付与手段32としてスプリング33を張設してい
る。これにより、ブレーキペダル25の踏込み量に応じ
てスプリング33が引っ張られるので、運転者はブレー
キペダル25の踏込み量に応じた擬似のブレーキ反力を
受けることができる。
【0007】以上の構成において、ブレーキペダル25
が踏み込まれて入力軸23および弁プランジャ12が前
進されると、弁機構10の流路が切換わって変圧室Bに
大気が導入されるので、定圧室Aと変圧室Bとの圧力差
によりパワーピストン3が前進される。するとパワーピ
ストン3と一体的に出力軸27が前進されるので、マス
ターシリンダにブレーキ液圧が発生する。このとき、ブ
レーキ液圧によるブレーキ反力は出力軸27を介してパ
ワーピストン3で全て受け止められるので、弁プランジ
ャ12に伝達されることはない。しかしながら、上記ブ
レーキペダル25を踏み込めばスプリング33が引っ張
られるので、それによる作用力がブレーキペダル25に
伝達されるようになり、運転者はこれをブレーキ反力と
して感知することができる。
【0008】図7はブレーキ倍力装置の中間負荷領域に
おけるサーボバランス状態を示したもので、この状態で
はパワーピストン3はバルブボデイ6に対して相対的に
前進しており、上記パワーピストン3においては、出力
軸27からのブレーキ反力とリターンスプリング29の
弾撥力とによる後退力と、定圧室Aと変圧室Bとの圧力
差による前進力とがバランスしている。他方、バルブボ
デイ6においては、リターンスプリング30の弾撥力に
よる後退力と、定圧室Aと変圧室Bとの圧力差、定圧室
Aと大気との圧力差、並びに変圧室Bと大気の圧力差に
よる前進力と、さらに運転者によるブレーキペダル25
の踏力すなわち弁プランジャ12の前進力とがバランス
している。このサーボバランス状態から理解されるよう
に、パワーピストン3の前進量とバルブボデイ6の前進
量とはそれぞれのリターンスプリング29、30や受圧
面積等の条件により別個に定めることができ、したがっ
てパワーピストン3をマスターシリンダのロスストロー
クを補償するためにストロークを相対的に大きく設定
し、またバルブボデイ6は操作フィーリングを損なわな
いように相対的にストロークを小さく設定することがで
きるので、ブレーキフィーリングを良好にセットするこ
とができる。より具体的には、ブレーキ反力を受ける出
力軸27は、図示しないマスターシリンダのピストンに
おけるロスストローク、つまりマスターシリンダのピス
トンが前進を開始してからブレーキ液圧が実質的に上昇
するまでの間のロスストロークを補償するために相対的
に大きく前進する必要がある。これに対し、バルブボデ
イ6は、出力軸27とパワーピストン3の前進量とは別
個に、上記リターンスプリング30の弾撥力やバルブボ
デイ6の受圧面積によってその前進量を定めることがで
きる。その結果、バルブボデイ6の前進に伴って前進さ
れる入力軸23およびこれに連動するブレーキペダル2
5のストロークを相対的に小さくして、ブレーキフィー
リングの向上を図ることが可能となる。さらに、上記出
力軸27に伝達されるブレーキ反力はパワーピストン3
で全て受け止められて弁プランジャ12に伝達されるこ
とはないので、運転者には踏込み量に応じた擬似反力の
みを感知させることができ、したがってスプリング33
のセット荷重を適宜設定すれば、力の弱い老人や女性で
も急激にブレーキペダルを踏み込むことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成を
有する倍力装置においては、該倍力装置が全負荷状態と
なって、つまりパワーピストン3の圧力差が最大となる
とそれ以上パワーピストン3は前進できなくなる。この
全負荷状態において、更にブレーキペダル25の踏力を
増大させると、弁プランジャ12がバルブボデイ6に対
して前進され、該弁プランジャ12がキー部材26を前
進端まで前進させてバルブボデイ6に当接させるので、
弁プランジャ12はキー部材26を介してバルブボデイ
6と一体となる。これによりバルブボデイ6が前進され
るようになるが、バルブボデイ6がパワーピストン3に
当接するまではパワーピストン3を前進させることがで
きず、したがってブレーキペダル25を踏み込んでもバ
ルブボデイ6がパワーピストン3に当接するまでは出力
が上昇しない区間が生じてしまう。
【0010】このため従来、倍力装置が全負荷状態とな
ったら、バルブボデイとパワーピストンとを一体に連結
し、ブレーキペダルが踏込まれたら速やかに出力が上昇
するようにし、またその状態から踏力を解除すると速や
かにバルブボデイがパワーピストンに対して摺動できる
ようにしたロック機構が提案されているが(特開昭56
−75255号公報)、従来のロック機構の構成は複雑
であり、そのためコストが高くなるという欠点がある。
本発明はそのような事情に鑑み、より簡素な構成でパワ
ーピストンとバルブボデイとを一体に連結することがで
きる倍力装置のロック機構を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、シェ
ル内に摺動自在に設けたパワーピストンと、このパワー
ピストンに摺動自在に設けたバルブボデイと、上記パワ
ーピストンおよびバルブボデイをそれぞれリヤ側に付勢
するリターンスプリングと、上記パワーピストンの前後
に形成した定圧室と変圧室と、上記バルブボデイ内に設
けた弁機構と、操作杆に連動され、上記弁機構を構成す
る弁プランジャを進退動させて弁機構の流路を切換える
入力軸と、上記バルブボデイおよび弁プランジャに相対
変位可能に設けられるとともに、該バルブボデイから弁
プランジャが抜出るのを防止するキー部材とを備えた倍
力装置において、上記バルブボデイとパワーピストンと
の間に、相互に螺合されてバルブボデイとパワーピスト
ンとの進退変位に伴って相互に回転する第1ねじと第2
ねじを配置して、上記第1ねじをパワーピストンに固定
するとともに、第2ねじをバルブボデイに回転可能に設
け、さらに上記第2ねじとキー部材との間に、該キー部
材によって前進されるストッパ部材を配置し、上記スト
ッパ部材は、通常は上記第2ねじから離隔してその回転
動作を許容するとともに、キー部材が弁プランジャによ
って前進端に位置された際に第2ねじに係合してその回
転を停止させることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】上述した構成において、倍力装置の作動時に
は、従来と同様にパワーピストンとバルブボデイとはそ
れぞれ別個に進退動するようになり、その際、パワーピ
ストンに対してバルブボデイが進退動すると、パワーピ
ストンに固定した第1ねじに対して第2ねじが回転しな
がら両ねじが伸縮するようになる。そして倍力装置が全
負荷状態となってさらに操作杆が操作されると、キー部
材は弁プランジャによって前進端に位置されるようにな
り、それによりストッパ部材がキー部材によって前進さ
れて第2ねじに係合するので、該第2ねじは回転ができ
なくなる。その結果、パワーピストンとバルブボデイと
はそれぞれに固定された第1ねじと第2ねじとを介して
一体に連結されることになり、したがって操作杆の操作
力は直ちにバルブボデイからパワーピストンに伝達され
るので、速やかに出力が上昇するようになる。他方、そ
の状態から操作力が解除されると、キー部材は前進端か
ら後退されるようになるので、それによりストッパ部材
と第2ねじとの係合が解除されて、該第2ねじは再び回
転可能となる。これにより、操作力が解除されれば、速
やかにバルブボデイはパワーピストンに対して再び摺動
できるようになる。
【0013】
【実施例】以下図示実施例について本発明を説明する
が、図1に示す実施例においては上述した従来装置を前
提としているので、それと同一若しくは相当部分には同
一の符号を付してその部分の説明は省略する。本実施例
においては、上記スリーブ7の大径部7Aの外周に半径
方向外方に突出する複数の突出部7bを形成してあり、
倍力装置の非作動時にはこの突出部7bをリヤシェル2
の内面に当接させてその後退を停止させるようにしてい
る。つまり、上記リターンスプリング29の弾撥力によ
り、倍力装置の非作動時には、バルブボデイ6およびス
リーブ7はそのスリーブ7の突出部7bがリヤシェル2
の内面に当接した位置に保持され、またシリンダ部材4
およびパワーピストン5は、シリンダ部材4がスリーブ
7の大径部7Aに当接した位置に保持されるようにな
る。そしてこの際、上記キー部材26はリヤシェル2の
内面に当接して弁プランジャ12を前進させ、それによ
り次の入力軸23の前進時に直ちに弁機構10の流路が
切換わるようにしているが、キー部材26が弁プランジ
ャ12によって前進端に位置されることがないようにし
ている。
【0014】次に、ブレーキ倍力装置が全負荷状態とな
った際にパワーピストン3とバルブボデイ6とを一体に
連結するロック機構34について説明すると、上記シリ
ンダ部材4とバルブボデイ6との間に、中空の雌ねじか
らなる第1ねじ35と中実の雄ねじからなる第2ねじ3
6とを相互に螺合させて軸方向に配置してあり、一方の
第1ねじ35はシリンダ部材4の軸部に一体に設けてい
る。そして他方の第2ねじ36は、中空の第1ねじ35
内に設けた第1ばね37によって右方に付勢してあり、
第2ねじ36のリヤ側に設けたフランジ部36Aにおけ
る外周部分をバルブボデイ6のフロント側端面に回転可
能に圧接させている。上記第2ねじ36は、シリンダ部
材4に対してバルブボデイ6が相対的に進退動された際
には、第1ばね37の弾発力によってバルブボデイ6に
圧接されたまま第1ねじ35に対して正逆に回転するこ
とができるようになっている。したがって、シリンダ部
材4に対してバルブボデイ6が前進される際に、第2ね
じ36の回転を阻止すれば、バルブボデイ6はシリンダ
部材4に対して前進することができなくなり、両者は一
体に前進することになる。
【0015】ブレーキ倍力装置が全負荷状態となった際
に上記第2ねじ36の回転を停止させるためにストッパ
部材38は、リヤ側が開口した有底の筒状本体部38A
を備えており、該筒状本体部38Aのフロント側を上記
第2ねじ36の軸部内に摺動自在に嵌合するとともに、
該筒状本体部38Aのリヤ側をバルブボデイ6に摺動自
在に設けている。そして上記筒状本体部38A内に弁プ
ランジャ12の先端部を摺動自在に嵌合させている。さ
らに上記ストッパ部材38のリヤ側外周面にフランジ部
38Bを設けてこれを上記第2ねじ36のフランジ部3
6Aに対向させてあり、かつフランジ部38Bの外周面
に形成した突起38a(図2参照)をバルブボデイ6に
形成したスリット6a(図2参照)に係合させることに
より、ストッパ部材38がバルブボデイ6に対して回転
しないようにしている。そして両フランジ部38B、3
6Aのそれぞれに、相互に噛合して両フランジ部38
B、36Aが相対回転するのを阻止する係合部38b、
36aを形成している。上記ストッパ部材38と第2ね
じ36との間には第2ばね39を弾装してあり、この第
2ばね39によってストッパ部材38をリヤ側に付勢
し、通常はフランジ部38Bがバルブボデイに当接した
位置に保持している。この状態では、上記両係合部38
b、36aは互いに離隔して第2ねじ36はバルブボデ
イに対して回転可能な状態となっている。またストッパ
部材38のリヤ側端部は変圧通路20内に突出してキー
部材26に対向している。
【0016】以上の構成において、倍力装置の非作動状
態では、ストッパ部材38は第2ばね39の弾撥力によ
り後退端に保持されており、ストッパ部材38の係合部
38bと第2ねじ36の係合部36aとは互いに離隔し
ている。この状態からブレーキペダル25を踏み込んで
入力軸23および弁プランジャ12を前進させれば、図
2に示すように、従来装置と同様にパワーピストン3と
バルブボデイ6とは別個に前進するようになる。この
際、上記パワーピストン3がバルブボデイ6に対して前
進すると、第2ねじ36は第2ばね39によってバルブ
ボデイ6に圧接された状態を維持したまま、該第2ねじ
36から離隔する第1ねじ35によって回転されること
になり、両ねじ35、36は伸長することになる。
【0017】次に、図3に示すように、ブレーキ倍力装
置が全負荷状態となると、上記大気弁17が開放されて
も定圧室Aと変圧室Bとの差圧力はそれ以上増大しない
ので、パワーピストン3の前進が停止される。他方、こ
の状態からさらにブレーキペダル25の踏力が増大され
ると、弁プランジャ12はバルブボデイ6に対して前進
されるようになり、弁プランジャ12がバルブボデイ6
に対して前進されると、該弁プランジャ12の小径部1
2Aに係合されているキー部材26も弁プランジャ12
とともに前進されるようになる。これによりキー部材2
6はストッパ部材38に当接してこれを第2ばね39に
抗して前進させるようになり、これによりストッパ部材
38の係合部38bが第2ねじ36の係合部36aに係
合されるので、第2ねじ36はバルブボデイ6に対して
回転することができなくなる。この状態でさらにブレー
キペダル25が踏込まれて弁プランジャ12が前進され
ると、その前進力はキー部材26から第1ねじ35と第
2ねじ36とを介してパワーピストン3および出力軸2
7に伝達されるので、それによってマスターシリンダの
出力を上昇させることができる。したがって、ブレーキ
倍力装置が全負荷状態となった時点からは、踏力を直接
マスターシリンダのピストンに伝達することができるよ
うになる。
【0018】さらに、この状態からブレーキペダル25
の踏力が解除されると、図4に示すように、バルブリタ
ーンスプリング26によって弁プランジャ12がバルブ
ボデイ6に対して後退されるので、キー部材26および
ストッパ部材38は第2ばね39によって速やかに後退
される。これによりストッパ部材38の係合部38bと
第2ねじ36の係合部36aとの係合が解除されるの
で、第2ねじ36は自由に回転できるようになる。そし
て上記弁プランジャ12がバルブボデイ6に対して後退
されると、従来と同様に大気弁17が閉鎖されるととも
に真空弁16が開放されて定圧通路15と変圧通路19
とを連通させるので、変圧室B内に導入されていた大気
が速やかに定圧室Aに排出される。これにより、パワー
ピストン3の前後の圧力差が小さくなるのでパワーピス
トン3およびバルブボデイ6はリターンスプリング2
9、30によって後退される。バルブボデイ6の後退が
継続すると、やがてスリーブ7の突出部7bがリヤシェ
ル2に当接してバルブボデイ6の後退が停止され、次に
パワーピストン3のシリンダ部材4がスリーブ7の大径
部7Aに当接して停止されて、上記非作動状態に復帰さ
れる。このときには、第2ねじ36はパワーピストン3
とバルブボデイ6の相対変位に連動して第1ねじ35に
対してねじ込まれた状態となっている。
【0019】なお、上記実施例では、いずれも操作杆と
してブレーキペダルを利用しているが、この操作杆は、
身体障害者に用いられている手動ブレーキレバーであっ
てもよい。また本発明はクラッチ倍力装置にも適用する
ことができ、その場合には操作杆としてクラッチペダル
を用いることができる。
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、第1
ねじをパワーピストンに固定するとともに、第2ねじを
バルブボデイに回転可能に設け、さらに上記第2ねじと
キー部材との間に、該キー部材によって前進されるとと
もに、第2ねじに係合してその回転を停止させるストッ
パ部材を配置したものであるから、従来のロック機構に
比較してその構成を簡単なものとすることができ、かつ
確実なロックとアンロックとを行なわせることができる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部の断面図。
【図2】全負荷状態時の要部の作動を示す拡大断面図。
【図3】全負荷状態からさらにブレーキペダル25が踏
込まれたときの要部の作動を示す拡大断面図。
【図4】図3に示す状態からブレーキペダル25が開放
されたときの要部の作動を示す拡大断面図。
【図5】従来のブレーキ倍力装置の一例を示す概略構成
図。
【図6】従来のブレーキ倍力装置の非作動時を示す要部
の拡大断面図。
【図7】図6に示す状態からブレーキペダル25が踏込
まれてサーボバランス状態となっているときの状態を示
す要部の拡大断面図。
【符号の説明】
3…パワーピストン 4…シリンダ
部材 6…バルブボデイ 7…スリーブ 10…弁機構 12…弁プラ
ンジャ 16…真空弁 17…大気弁 23…入力軸 25…ブレー
キペダル(操作杆) 26…キー部材 27…出力軸 32…擬似反力付与手段 33…スプリ
ング 34…ロック機構 35…第1ね
じ 36…第2ねじ 38…ストッ
パ部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル内に摺動自在に設けたパワーピス
    トンと、このパワーピストンに摺動自在に設けたバルブ
    ボデイと、上記パワーピストンおよびバルブボデイをそ
    れぞれリヤ側に付勢するリターンスプリングと、上記パ
    ワーピストンの前後に形成した定圧室と変圧室と、上記
    バルブボデイ内に設けた弁機構と、操作杆に連動され、
    上記弁機構を構成する弁プランジャを進退動させて弁機
    構の流路を切換える入力軸と、上記バルブボデイおよび
    弁プランジャに相対変位可能に設けられるとともに、該
    バルブボデイから弁プランジャが抜出るのを防止するキ
    ー部材とを備えた倍力装置において、 上記バルブボデイとパワーピストンとの間に、相互に螺
    合されてバルブボデイとパワーピストンとの進退変位に
    伴って相互に回転する第1ねじと第2ねじを配置して、
    上記第1ねじをパワーピストンに固定するとともに、第
    2ねじをバルブボデイに回転可能に設け、さらに上記第
    2ねじとキー部材との間に、該キー部材によって前進さ
    れるストッパ部材を配置し、上記ストッパ部材は、通常
    は上記第2ねじから離隔してその回転動作を許容すると
    ともに、キー部材が弁プランジャによって前進端に位置
    された際に第2ねじに係合してその回転を停止させるこ
    とを特徴とする倍力装置のロック機構。
  2. 【請求項2】 上記倍力装置は、その出力軸に加わる反
    力を上記パワーピストンで受けさせて弁プランジャに伝
    達されないようにしてあり、かつ上記操作杆の移動量に
    応じた作用力を該操作杆に付与する擬似反力付与手段を
    備えていることを特徴とする請求項1に記載の倍力装置
    のロック機構。
JP30097996A 1996-10-25 1996-10-25 倍力装置のロック機構 Expired - Lifetime JP3740762B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30097996A JP3740762B2 (ja) 1996-10-25 1996-10-25 倍力装置のロック機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30097996A JP3740762B2 (ja) 1996-10-25 1996-10-25 倍力装置のロック機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10129456A true JPH10129456A (ja) 1998-05-19
JP3740762B2 JP3740762B2 (ja) 2006-02-01

Family

ID=17891382

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30097996A Expired - Lifetime JP3740762B2 (ja) 1996-10-25 1996-10-25 倍力装置のロック機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3740762B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013012033A1 (ja) * 2011-07-21 2013-01-24 株式会社アドヴィックス 負圧式倍力装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013012033A1 (ja) * 2011-07-21 2013-01-24 株式会社アドヴィックス 負圧式倍力装置
JP2013023083A (ja) * 2011-07-21 2013-02-04 Advics Co Ltd 負圧式倍力装置
CN103702877A (zh) * 2011-07-21 2014-04-02 株式会社爱德克斯 负压式增力装置
CN103702877B (zh) * 2011-07-21 2015-05-20 株式会社爱德克斯 负压式增力装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3740762B2 (ja) 2006-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5845379B2 (ja) 自動車用ブレ−キブ−スタ
JP3354345B2 (ja) 負圧倍力装置
JPH0352600Y2 (ja)
JP3740762B2 (ja) 倍力装置のロック機構
JP3700069B2 (ja) 倍力装置の反力機構
JP2000127944A (ja) 流体圧倍力装置およびこれを用いたブレーキシステム
JP2853303B2 (ja) ブレーキ倍力装置の弁機構
JPH0510263B2 (ja)
JPS5989259A (ja) ブレ−キ倍力装置
JP3818475B2 (ja) ブレーキ倍力装置
JPH04257760A (ja) ブレーキ用気体圧ブースタ
JP3700068B2 (ja) 倍力装置
JP3940871B2 (ja) 倍力装置の反力機構
JP3911652B2 (ja) タンデム型気圧式倍力装置
JP2516926Y2 (ja) ブレーキ倍力装置
JPH1029510A (ja) ブレーキ装置
JP3614262B2 (ja) 倍力装置
JP3704595B2 (ja) 倍力装置の反力機構
JP3823280B2 (ja) タンデム型気圧式倍力装置
JPH0357566Y2 (ja)
JPH0541105Y2 (ja)
JP3726361B2 (ja) 倍力装置の反力機構
JP3695556B2 (ja) 倍力装置の反力機構
JP2584183Y2 (ja) ブレーキ倍力装置の弁機構
JP3661714B2 (ja) 自動ブレーキ倍力装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051013

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051018

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091118

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101118

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101118

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111118

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111118

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111118

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121118

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121118

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131118

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term