JP3354345B2 - 負圧倍力装置 - Google Patents

負圧倍力装置

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JP3354345B2
JP3354345B2 JP13078495A JP13078495A JP3354345B2 JP 3354345 B2 JP3354345 B2 JP 3354345B2 JP 13078495 A JP13078495 A JP 13078495A JP 13078495 A JP13078495 A JP 13078495A JP 3354345 B2 JP3354345 B2 JP 3354345B2
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plunger
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強 奥野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブレーキ倍力装置等に
用いられる負圧倍力装置に関し、特に、急制動時等にお
いて良好な作動応答性を発揮するようにされている負圧
倍力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、乗用車等の自動車においては、ブ
レーキ倍力装置に負圧を利用した負圧倍力装置が用いら
れている。この負圧倍力装置は、ブレーキペダルの踏込
により入力軸が前進すると、バルブボディ内の弁プラン
ジャを介して真空弁が閉じて大気弁が開くので、変圧室
に大気が導入され、この変圧室と負圧が導入されている
定圧室との圧力差によってパワーピストンが作動し、出
力軸から出力するようになっている。
【0003】ところで、このような負圧倍力装置におい
ては、入力軸の前進により大気弁が開くとき、その開弁
量が比較的小さく設定されている。この開弁量は通常の
制動時における作動応答性には充分満足するものである
が、急制動時における作動応答性には必ずしも充分であ
るとは言えない。そこで、急制動時においても、作動応
答性が充分満足するようにした負圧倍力装置が特開平0
5ー155331号公報において提案されている。
【0004】この公報に開示されている負圧倍力装置
は、従来から設けられている大気弁と大気通路の他に、
常閉の第2の大気弁と第2の大気通路とを備えている。
そして、通常制動時には入力軸に連動する弁プランジャ
の移動で従来から設けられている大気弁は開くが、この
弁プランジャの移動では第2の大気弁は開かなく、第2
大気通路からは大気が変圧室に流入しない。したがっ
て、大気が従来から設けられている大気弁と大気通路と
を通ってのみ変圧室に流入し、通常制動が行われる。急
制動時には、弁プランジャの比較的大きな移動によって
従来から設けられている大気弁とともに第2の大気弁も
開く。したがって、大気が従来から設けられている大気
弁と大気通路とを通って変圧室に流入するばかりでな
く、第2の大気弁と第2の大気通路とを通って変圧室に
流入する。これにより、大気が変圧室に急速に流入する
ので、急制動が確実に行われる。このように、この公報
に開示されている負圧倍力装置は、急制動時にも良好な
作動応答性を発揮するようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報の負圧倍力装置では、第2の大気弁と第2の大気通路
とを設ける必要があり、構造が複雑であるばかりでなく
部品点数が多いものとなっている。また第2の大気通路
を設けなければならなく、製造工数も多くなっている。
【0006】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、急制動時の作動応答性を
向上させることができるようにしながら、しかも構造が
簡単で部品点数を削減できる負圧倍力装置を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、シェル内に対して進退自在に
配設されたバルブボディと、このバルブボディに設けら
れて、前記シェル内を負圧が導入される定圧室と作動時
に大気が導入される変圧室とに区画するパワーピストン
と、入力軸に連結されかつ前記バルブボディ内に摺動自
在に配設された弁プランジャと、この弁プランジャの作
動により前記定圧室および前記変圧室の間を遮断または
連通する真空弁と前記変圧室および大気の間を連通また
は遮断する大気弁とを少なくとも備えている負圧倍力装
置において、前記弁プランジャが前記バルブボディに対
して通常作動時より大きく前進したとき作動して、前記
大気弁の開弁量を通常作動時の開弁量より大きくする大
気弁開弁量増大手段を設けたことを特徴としている。
【0008】また、請求項2の発明は、前記バルブボデ
ィ内に設けられた弁体と、前記バルブボディ内に前記弁
体が着座可能に設けられた第1弁座と、前記弁プランジ
ャに前記弁体が着座可能に設けられた第2弁座とを備
え、前記真空弁は前記第1弁座と前記弁体とで構成され
ているとともに、前記大気弁は前記第2弁座と前記弁体
とで構成され、前記大気弁開弁量増大手段は、前記バル
ブボディに相対移動可能に設けられた弁作動部材を備
え、前記弁プランジャが前記バルブボディに対して通常
作動時より大きく前進したとき、この弁プランジャによ
り前記弁作動部材が前記バルブボディに対して相対移動
して前記弁体を前記第2弁座から離れる方向に移動させ
るようになっていることを特徴としている。更に、請求
項3の発明は、前記弁作動部材が前記バルブボディに気
密にかつ摺動可能に設けられているとともに前記弁体に
気密に着座可能にされていることを特徴としている。
【0009】更に、請求項4の発明は、シェル内に対し
て進退自在に配設されたバルブボディと、このバルブボ
ディに設けられて、前記シェル内を負圧が導入される定
圧室と作動時に大気が導入される変圧室とに区画するパ
ワーピストンと、入力軸に連結されかつ前記バルブボデ
ィ内に摺動自在に配設された弁プランジャと、前記バル
ブボディ内に設けられた弁体と、前記バルブボディ内に
前記弁体が着座可能に設けられた第1弁座と、前記弁プ
ランジャに前記弁体が着座可能に設けられた第2弁座と
を備え、前記第1弁座と前記弁体とで前記定圧室と前記
変圧室との間を遮断または連通する真空弁が構成されて
いるとともに、前記第2弁座と前記弁体とで前記変圧室
と大気との間を連通または遮断する大気弁が構成されて
いる負圧倍力装置において、前記バルブボディ内に弁作
動部材を前記バルブボディに対して相対移動可能に設
け、前記弁プランジャが前記バルブボディに対して通常
作動時より大きく前進したとき、前記弁作動部材が前記
バルブボディに対して相対移動して前記弁体を前記第2
弁座から離れる方向に移動させるようになっていること
を特徴としている。
【0010】更に、請求項5の発明は、前記弁作動部材
は筒状に形成されて前記バルブボディに気密にかつ摺動
可能に設けられているとともに前記弁体に気密に着座可
能にされていることを特徴としている。更に、請求項6
の発明は、前記弁作動部材が前記第1弁座と前記第2弁
座との間に移動可能に設けられており、その作動時、前
記弁体に気密に着座して前記真空弁と前記大気弁との間
を遮断するようになっていることを特徴としている。
【0011】
【作用】このように構成された請求項1ないし6の発明
においては、通常制動時には弁プランジャが通常制動時
に対応するストロークだけ前進する。これにより、従来
の負圧倍力装置と同様に真空弁が閉じて大気弁が開き、
通常制動が行われる。この通常制動時では、弁プランジ
ャが通常制動時のストロークだけ前進するので、大気弁
開弁量増大手段は作動しない。したがって、このときの
大気弁の開弁量は従来の負圧倍力装置と同様に比較的小
さい。ブレーキペダルが通常時より急激に強い踏力で踏
み込まれると、弁プランジャのバルブボディに対する相
対変位が通常制動時のストロークより大きく前進する。
このため、大気弁開弁量増大手段がこの弁プランジャの
前進により作動して、大気弁の開弁量が通常制動時の開
弁量より大きく設定される。したがって、このようなブ
レーキペダルが通常時より急激に踏み込まれた場合に
は、通常制動時より多量の大気が迅速に変圧室に導入さ
れ、負圧倍力装置の出力が通常制動時より大きくなっ
て、制動が迅速にかつ確実に行われるようになる。これ
により、負圧倍力装置の急制動時の作動応答性が向上す
る。
【0012】特に、請求項2、3および5の発明におい
ては、大気弁開弁量増大手段がバルブボディに気密にか
つ相対移動可能に設けられた弁作動部材を備えていると
ともに、この弁作動部材が単に弁プランジャにより作動
して弁体を第2弁座から離れる方向に移動させる構成と
されているので、急制動時の作動応答性を向上させた従
来の負圧倍力装置に比べて、構造が簡単でありかつ作動
が確実となるとともに、部品点数が削減される。
【0013】更に請求項6の発明においては、ブレーキ
ペダルが通常時より急激に踏み込まれて、大気弁および
真空弁の弁体が弁作動部材により大気弁の第2弁座から
離れる方向に移動したとき、この弁体が真空弁の第1弁
座からも離れて真空弁も開くようになる。しかし、この
ときは筒状の弁作動部材が弁体に気密に着座して、真空
弁と大気弁との間を遮断するので、大気弁を通して導入
された大気は真空弁から定圧室の方へ漏出するようなこ
とはない。したがって、真空弁が開いても、圧力損失が
なく、急制動が所定の制動力で迅速にかつ確実に行われ
るようになる。
【0014】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例について
説明する。図1は、本発明に係る負圧倍力装置の一実施
例を示す図である。図1に示すように、この実施例の負
圧倍力装置1は、互いに結合されたフロントシェル2と
リヤシェル3とを備えている。バルブボディ4がリヤシ
ェル3に気密にかつ摺動自在に貫通して設けられてお
り、このバルブボディ4の先端部には、パワーピストン
5が取り付けられている。このパワーピストン5は、バ
ルブボディ4の先端部に取り付けられたパワーピストン
部材6およびこのパワーピストン部材6の背面で両シェ
ル2,3とバルブボディ4との間に設けられたダイヤフ
ラム7から構成されている。そして、このパワーピスト
ン5によって、両シェル2,3内の空間が定圧室8と変
圧室9とに区画されている。定圧室8には常時負圧が導
入されるようになっている。
【0015】バルブボディ4には、弁プランジャ10が
その先端部10aおよび中央突出部10bを摺動可能に
嵌合されて配設されている。この弁プランジャ10の後
端部に入力軸11が連結されている。この入力軸11に
は図示しないブレーキペダルが連結される。
【0016】また、バルブボディ4には弁体12が取り
付けられているとともに、この弁体12が着座可能な環
状の第1弁座13が設けられている。また、弁プランジ
ャ10の後端にも弁体12が着座可能な環状の第2弁座
14が第1弁座13の内側で同心状に設けられている。
そして、図2に拡大して示すように弁体12と第1弁座
13とにより真空弁15が構成されているとともに、弁
体12と第2弁座14とにより大気弁16が構成されて
いる。その場合、弁体12は真空弁15と大気弁16と
に共通の弁体とされている。また、弁体12は第1およ
び第2弁座に着座する部分が前後方向に移動可能であ
り、弁体12のこの部分と入力軸11との間に縮設され
た弁ばね17により、弁体12のこの部分は常時第1弁
座13に着座する方向に付勢されている。
【0017】図1および図2に示すように、更にバルブ
ボディ4には筒状の弁作動部材18がOリング19によ
り気密にかつ摺動可能に設けられている。その場合、弁
作動部材18は第1弁座13と第2弁座14との間に移
動可能とされている。また、弁作動部材18には作動レ
バー20,21が弁作動部材18に対して相対回動可能
に設けられている。この作動レバー20,21は、それ
ぞれバルブボディ4の孔22,23を貫通し、その先端
が弁プランジャ10の環状溝24内に位置するようにさ
れている。これらの弁作動部材18と作動レバー20,
21とにより、本発明の大気弁開弁量増大手段が構成さ
れている。
【0018】キー部材25がバルブボディ4の孔26を
貫通して弁プランジャ10の環状溝27に係合するよう
にして設けられている。バルブボディ4、弁プランジャ
10およびキー部材25はそれぞれ互いに所定距離だけ
相対移動可能となっている。
【0019】ところで、本実施例においては、ブレーキ
非作動時の真空弁15の開弁量a、ブレーキ非作動時の
作動レバー20,21の後端と環状溝24の後端との間
の距離b、およびブレーキ非作動時のキー部材25の後
端と環状溝27の後端との間の距離cとの間の関係が、
a<b<cに設定されている。したがって、弁プランジ
ャ4が前進したとき、まず、真空弁15が閉じ、次いで
環状溝24の後端が作動レバー20,21の当接し、最
後に環状溝27の後端がキー部材25の後端に当接す
る。また、距離bは通常制動時に弁プランジャ4が前進
しても、環状溝24の後端が作動レバー20,21に当
接しないか、当接しても作動レバー20,21がほとん
ど回動しない状態となるように設定されている。すなわ
ち、通常制動時には弁作動部材18はほとんど作動しな
いようにされている。
【0020】図1に示すように、バルブボディ4には第
1弁座13の外側の空間28と定圧室8とを常時連通す
る真空通路29が穿設されている。また、第1弁座13
の内側と第2弁座14の外側との間の空間30と変圧室
9とを常時連通する変圧通路31が穿設されている。更
に第2弁座14の内側の空間32は大気に常時連通して
いる。
【0021】バルブボディ4の先端の凹嵌部33には、
リアクションディスク34を介して出力軸35の後端が
嵌合されている。この出力軸35の前端部はフロントシ
ェル2を気密にかつ摺動自在に貫通して、図示しないマ
スタシリンダのピストンを作動するようになっている。
【0022】バルブボディ4およびパワーピストン5
は、ともにフロントシェル2とバルブボディ4との間に
縮設されたリターンスプリング36によって常時後方に
付勢されている。
【0023】このように構成された本実施例の負圧倍力
装置1においては、ブレーキペダルが踏み込まれないブ
レーキ非作動時には、バルブボディ4、パワーピストン
5、弁プランジャ6、入力軸11および出力軸35はと
もに図1および図2に示す位置にされている。この位置
では、図2に示すように真空弁15が開いているととも
に、大気弁16が閉じている。すなわち、変圧室9が定
圧室8と連通され、大気と遮断されている。したがっ
て、変圧室9には負圧が導入され、変圧室9と定圧室8
との間には差圧が生じていない。
【0024】通常の制動を行うためにブレーキペダルが
踏み込まれると、入力軸11が前進して弁プランジャ1
0が前進する。これにより、図3に示すように弁体12
が第1弁座13に着座するとともに第2弁座14が弁体
12から離座し、真空弁15が閉じるとともに、大気弁
16が開く。すなわち、変圧室9が真空室8から遮断さ
れるとともに大気に連通される。したがって、空間32
の大気が開いている大気弁16および変圧通路31を通
って変圧室9に導入される。その結果、変圧室9と定圧
室8との間に差圧が生じてパワーピストン5が前進し、
バルブボディ4を介して出力軸35が前進する。こうし
て、負圧倍力装置1が出力してマスタシリンダがブレー
キ液圧を発生し、通常の制動が行われる。
【0025】この通常制動時には、運転者はブレーキペ
ダルを比較的遅く緩やかに踏み込むため、入力軸11お
よび弁プランジャ10は、バルブボディ4に対して比較
的小さな前進しかしない。すなわち、弁プランジャ10
の環状溝24の後端が作動レバー20,21に当接する
までには大きく前進しない。したがって、弁作動部材1
8は作動しなく、大気弁16の開弁量は通常の大きさに
設定されている。
【0026】なお、制動時の反力は出力軸35からリア
クションディスク34、間隔部材37、弁プランジャ1
0、入力軸11およびブレーキペダルを介して制動力に
応じた大きさで運転者に伝達される。
【0027】制動を解除するために、ブレーキペダルを
解放すると、入力軸11および弁プランジャ10がとも
に後退する。これにより、第2弁座14が弁体12に着
座するとともに弁体12が第1弁座13から離座し、大
気弁16が閉じるとともに、真空弁15が開く。すなわ
ち、変圧室9が大気から遮断されるとともに真空室8に
連通される。したがって、変圧室9の大気が変圧通路3
1、開いている真空弁15および真空通路29を通って
定圧室8に排出され、更に定圧室8から図示しない真空
源へ排出される。その結果、リターンスプリング36の
ばね力により、バルブボディ4およびパワーピストン6
が後退し図1に示す非作動位置に移動する。このバルブ
ボディ4の後退にともない、マスタシリンダのピストン
のリターンスプリングのばね力によって出力軸35も後
退し、通常制動が解除する。
【0028】ブレーキペダルが通常制動時より急激な強
い踏力で踏み込まれると、前述の通常制動と同様に入力
軸11および弁プランジャ10がバルブボディ4に対し
て前進し、弁体12が第1弁座13に着座するとともに
第2弁座14が弁体12から離れ、真空弁15が閉じ、
かつ大気弁16が開く。このとき、弁プランジャ10が
バルブボディ4に対して通常制動時より大きく前進する
ので、図4に示すように弁プランジャ10の環状溝24
の後端が作動レバー20,21に当接しかつこれらの作
動レバー20,21を前方へ押圧する。すると、作動レ
バー20は、バルブボディ4の孔22の部分を支点とし
て時計回りに回動し、また作動レバー21は、バルブボ
ディ4の孔23の部分を支点として反時計回りに回動す
る。
【0029】このため、弁作動部材18が後方へ移動し
て弁作動部材18の後端が弁体12に着座するととも
に、弁体12の弁座への着座部分を更に後方へ移動す
る。その結果、弁体12の弁座への着座部分が第2弁座
14から大きく離れるため、大気弁16の開弁量が通常
制動時より大きくなる。したがって、大気弁16を通っ
て変圧室9に導入される大気の流量は通常制動時よりは
るかに多くなるので、変圧室9の圧力上昇が急速とな
る。これにより、負圧倍力装置1の出力が通常時よりは
はるかに速く大きくなり、この大きな負圧倍力装置1の
出力により制動が迅速にかつ確実に行われる。これによ
り、負圧倍力装置1の急制動時の作動応答性が向上す
る。なお、このようなブレーキペダルが通常制動時より
急激に踏み込まれた場合は、弁作動部材18の作動で弁
体12が第1弁座13から離座して真空弁15が開く。
しかし、このときには筒状の弁作動部材18が弁体12
に着座して真空弁15と大気弁16との間を気密に遮断
するとともに、弁作動部材18の外周とバルブボディ4
の内周との間がOリング19により気密に保持されるの
で、大気弁16を通って流入する大気は真空弁15を通
って定圧室8の方へ流出することはなく、圧力損失を防
止できる。
【0030】急制動を解除するために、通常制動時と同
様にブレーキペダルを解放すると、前述と同様に弁プラ
ンジャ10が後退する。この弁プランジャ10の後退に
より、まず環状溝24の前端が作動レバー20,21を
後方へ押圧する。すると、作動レバー20は、バルブボ
ディ4の孔22の部分を支点として反時計回りに回動
し、また作動レバー21は、バルブボディ4の孔23の
部分を支点として時計回りに回動する。このため、弁作
動部材18が前方へ移動して弁体12が第1弁座13に
着座するとともに弁作動部材18の後端が弁体12から
離座する。以後、更なる弁プランジャ10の後退によ
り、前述の通常制動と同様に作動が行われ、急制動が解
除し、各部材は図1に示すブレーキ非作動位置となる。
【0031】このように、本実施例の負圧倍力装置1に
よれば、ブレーキペダルが通常制動時より急激に踏み込
まれた時には、大気弁16の開弁量を通常の制動時より
も大きくなるようにしているので、多量の大気を迅速に
変圧室9に導入させることができ、負圧倍力装置の出力
を通常制動時より大きくして制動を迅速にかつ確実に行
うことができるようになる。これにより、負圧倍力装置
1の急制動時の作動応答性を向上することができる。し
かも、従来の負圧倍力装置に弁作動部材18と作動レバ
ー20,21とを設けるだけでよいので、構造を比較的
簡単にできるとともに部品点数を低減できる。
【0032】図5は、本発明の他の実施例を示し、図2
に対応する図である。なお前述の実施例を同じ構成要素
には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明は省略
する。図5に示すように、この実施例においては、バル
ブボディ4の形成された変圧通路31の後端を所定角α
の傾斜面に形成している。また、作動レバー20,21
がそれぞれ変圧通路31内に侵入するようにして設けら
れている。そして、これらの作動レバー20,21が回
動したとき、この傾斜面に当接してそれ以上の回動が規
制されている。更にこの実施例では、弁作動部材18の
外周とバルブボディ4の内周との間の気密を保持するた
めのOリング19は、バルブボディ4側に設けられてい
る。この実施例の他の構成は、前述の実施例とまったく
同じである。
【0033】この実施例においても、前述の実施例と同
じ作用効果を得ることができる。ただこの実施例の場合
には、作動レバー20,21が回動したとき傾斜面に当
接することにより安定して保持されるので、急制動時の
大気弁16の開弁量がより一層安定して制御されるよう
になる。
【0034】なお前述の実施例では二つの作動レバー2
0,21を設けるものとしているが、作動レバーは1つ
あるいは3つ以上設けることもできる。また前述の実施
例では、本発明をパワーピストン5が一つだけ設けられ
たシングル型の負圧倍力装置1に適用しているが、パワ
ーピストン5が2以上直列に配設されているタンデム型
の負圧倍力装置に適用することもできる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1ないし6の発明の負圧倍力装置によれば、ブレーキペ
ダルが通常時より急激に踏み込まれたときには、大気弁
開弁量増大手段により大気弁の開弁量を通常の制動時よ
りも大きくなるようにしているので、多量の大気を迅速
に変圧室に導入させることができる。したがって、負圧
倍力装置の出力を通常制動時より大きくでき、制動を迅
速にかつ確実に行うことができるようになる。これによ
り、負圧倍力装置の急制動時の作動応答性を向上するこ
とができる。
【0036】特に、請求項2、3および5の発明によれ
ば、大気弁開弁量増大手段がバルブボディに気密にかつ
相対移動可能に設けられた弁作動部材を備えているとと
もに、この弁作動部材が単に弁プランジャにより作動し
て弁体を第2弁座から離れる方向に移動させる構成とさ
れているので、急制動時の作動応答性を向上させた従来
の負圧倍力装置に比べて、構造が簡単でありかつ作動が
確実となるとともに、部品点数が削減される。
【0037】また、請求項6の発明によれば、ブレーキ
ペダルが通常時より急激に踏み込まれたときに筒状の弁
作動部材が弁体に気密に着座するようにしているので、
このとき真空弁が開いても、圧力損失を生じることな
く、制動を通常制動時より大きな所定の制動力で迅速に
かつ確実に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る負圧倍力装置の一実施例を示す
断面図である。
【図2】 図1に示す実施例の負圧倍力装置の真空弁お
よび大気弁の配設部分を示す部分拡大断面図である。
【図3】 図1に示す実施例の通常制動時の作動状態を
説明する図である。
【図4】 図1に示す実施例の急制動時の作動状態を説
明する図である。
【図5】 本発明に係る負圧倍力装置の他の実施例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1…負圧倍力装置、2…フロントシェル、3…リヤシェ
ル、4…バルブボディ、5…パワーピストン、8…定圧
室、9…変圧室、10…弁プランジャ、11…入力軸、
12…弁体、13…第1弁座、14…第2弁座、15…
真空弁、16…大気弁、17…弁ばね、18…弁作動部
材、19…Oリング、20,21…作動レバー、22,2
3,26…孔、24,27…環状溝、25…キー部材、2
8,30,32…空間、29…真空通路、31…変圧通
路、33…凹嵌部、34…リアクションディスク、35
…出力軸、36…リターンスプリング
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 13/57

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル内に対して進退自在に配設された
    バルブボディと、このバルブボディに設けられて、前記
    シェル内を負圧が導入される定圧室と作動時に大気が導
    入される変圧室とに区画するパワーピストンと、入力軸
    に連結されかつ前記バルブボディに摺動自在に配設さ
    れた弁プランジャと、この弁プランジャの作動により
    記定圧室および前記変圧室の間を遮断または連通する真
    空弁と前記変圧室および気の間を連通または遮断する
    大気弁とを少なくとも備えている負圧倍力装置におい
    て、 前記弁プランジャが前記バルブボディに対して通常作動
    より大きく前進したとき作動して、前記大気弁の開弁
    量を通常作動時の開弁量より大きくする大気弁開弁量増
    大手段を設けたことを特徴とする負圧倍力装置。
  2. 【請求項2】 前記バルブボディ内に設けられた弁体
    と、前記バルブボディ内に前記弁体が着座可能に設けら
    れた第1弁座と、前記弁プランジャに前記弁体が着座可
    能に設けられた第2弁座とを備え、 前記真空弁は前記第1弁座と前記弁体とで構成されてい
    るとともに、前記大気弁は前記第2弁座と前記弁体とで
    構成され、 前記大気弁開弁量増大手段は、前記バルブボディに相対
    移動可能に設けられた弁作動部材を備え、 前記弁プランジャが前記バルブボディに対して通常作動
    時より大きく前進したとき、この弁プランジャにより前
    記弁作動部材が前記バルブボディに対して相対移動して
    前記弁体を前記第2弁座から離れる方向に移動させるよ
    うになっている ことを特徴とする請求項1記載の負圧倍
    力装置。
  3. 【請求項3】 前記弁作動部材は前記バルブボディに気
    密にかつ摺動可能に設けられているとともに前記弁体に
    気密に着座可能にされていることを特徴とする請求項2
    記載の負圧倍力装置。
  4. 【請求項4】 シェル内に対して進退自在に配設された
    バルブボディと、このバルブボディに設けられて、前記
    シェル内を負圧が導入される定圧室と作動時に大気が導
    入される変圧室とに区画するパワーピストンと、入力軸
    に連結されかつ前記バルブボディ内に摺動自在に配設さ
    れた弁プランジャと、前記バルブボデ ィ内に設けられた
    弁体と、前記バルブボディ内に前記弁体が着座可能に設
    けられた第1弁座と、前記弁プランジャに前記弁体が着
    座可能に設けられた第2弁座とを備え、 前記第1弁座と前記弁体とで前記定圧室と前記変圧室と
    の間を遮断または連通する真空弁が構成されているとと
    もに、前記第2弁座と前記弁体とで前記変圧室と大気と
    の間を連通または遮断する大気弁が構成されている負圧
    倍力装置において、 前記バルブボディ内に弁作動部材を前記バルブボディに
    対して相対移動可能に設け、 前記弁プランジャが前記バルブボディに対して通常作動
    時より大きく前進したとき、前記弁作動部材が前記バル
    ブボディに対して相対移動して前記弁体を前記第2弁座
    から離れる方向に移動させるようになっていることを特
    徴とする負圧倍力装置。
  5. 【請求項5】 前記弁作動部材は筒状に形成されて前記
    バルブボディに気密にかつ摺動可能に設けられていると
    ともに前記弁体に気密に着座可能にされていることを特
    徴とする請求項4記載の負圧倍力装置。
  6. 【請求項6】 前記弁作動部材は前記第1弁座と前記第
    2弁座との間に移動可能に設けられており、その作動
    時、前記弁体に気密に着座して前記真空弁と前記大気弁
    との間を遮断するようになっていることを特徴とする請
    求項5記載の負圧倍力装置。
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