JPH10128582A - ブランク材の突き合わせ位置決め装置及びブランク材の突き合わせ位置決め方法 - Google Patents

ブランク材の突き合わせ位置決め装置及びブランク材の突き合わせ位置決め方法

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JPH10128582A
JPH10128582A JP8290278A JP29027896A JPH10128582A JP H10128582 A JPH10128582 A JP H10128582A JP 8290278 A JP8290278 A JP 8290278A JP 29027896 A JP29027896 A JP 29027896A JP H10128582 A JPH10128582 A JP H10128582A
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俊二 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数のブランク材を突き合わせて枠状のワー
クを溶接する場合に、加工精度のばらつきなどに起因す
る接合部のギャップを矯正しながら迅速かつ正確に位置
決めする。 【解決手段】 ブランク材30aの両端をセンターブロ
ック1a、1b上に予め位置決めしたブランク材30
b、30eの側面と所定の溶接線上で突き合わすべく、
ブランク材30aの上端部を側方両側から選択的に狭持
するクランプユニット2a、2bと、他方の端部を側方
両側からそれぞれ選択的に狭持するクランプユニット3
a、3bと、各クランプユニット2a、2b、3a、3
bをセンターブロック1a、1bと接離する方向へそれ
ぞれ駆動するアクチュエータを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブランク材の突き
合わせ溶接を行う際の位置決め装置の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から板状のブランク材を突き合わせ
て溶接を行うものが知られており、例えば、特開昭63
−165072号公報や「日経メカニカル 1995
3−6号」(日経BP社 1995年3月6日発行)の
第48頁〜第53頁に開示されるようなものが知られて
おり、複数のブランク材を突き合わせてからレーザー溶
接を行った後、プレスなどにより所定の形状に加工して
いる。
【0003】自動車などの車両の外板などにも上記のよ
うに、ブランク材を突き合わせ溶接したものが用いられ
ており、例えば、図7に示すように、ボディのリアクォ
ータパネルを一対のブランク材70、71から構成する
ため、相互に突き合わせてレーザ溶接により接合してお
り、同一の溶接線上に形成した複数の突き合わせ部70
A、70Bを介して接合される。
【0004】このような、ブランク材の突き合わせは、
図8、図9に示すような位置決め装置により行われる。
この突き合わせ位置決め装置は、図中Y軸方向へ平行に
固設されてブランク材70、71を載置するセンターブ
ロック1及びサイドブロック92、93からなる下部ユ
ニットと、図中Z軸方向へ変位自在に支持されてこれら
センターブロック1、サイドブロック92、93と接離
可能なクランパ94、95を主体に形成され、クランパ
94、95が上部ユニットを構成する。なお、センター
ブロック1とサイドブロック92、93は図中X軸方向
に所定の間隔で配置され、クランパ94、95はブラン
ク材70、71の溶接線側の端部と、基端側(サイドブ
ロック92、93側)の両端を狭持する。
【0005】そして、センターブロック1の上面にはY
軸方向に沿った所定の溶接線上に溝部10が開口形成さ
れ、レーザ溶接ガン20はこの溝部10上の所定の溶接
線上に沿ったY軸方向へ駆動される。
【0006】この溝部10に沿った所定の位置には、複
数の基準ピン9、9が突出自在にセンターブロック1の
所定の位置に配設され、これら基準ピン9、9がセンタ
ーブロック1の上面から突出した状態で、サイドブロッ
ク92側から送られてきたブランク材70の接合部70
A、70Bの端面をそれぞれ係止して所定の溶接線上に
位置決めするものである。
【0007】一方、ブランク材70を載置するセンタブ
ロック1とサイドブロック92の間には、ブランク材7
0を吸着するとともに、基準ピン9へ向けて駆動するマ
グネットプッシャ80が配設される。同様にブランク材
71を載置するセンタブロック1とサイドブロック93
との間には、ブランク材71を吸着するとともに、セン
タブロック1へ向けて駆動するマグネットプッシャ80
が配設される。
【0008】このような、突き合わせ位置決め装置で
は、図9に示すように、基準ピン9、9を突出させた状
態で、まず、ブランク材70をサイドブロック92側か
ら送り、マグネットプッシャ80で下面を吸着後、セン
ターブロック1へ向けて駆動する。マグネットプッシャ
80の変位に応じてブランク材70は図中X方向へ変位
して接合部70A、70Bが基準ピン9、9に当接して
係止される。ここで、マグネットプッシャ80は所定量
だけ駆動されるが、ブランク材70が基準ピン9、9に
係止された後は、ブランク材70の下面と吸着しながら
摺動する。この状態でブランク材70の接合部70A、
70Bは所定の溶接線上に位置決めされ、ここでクラン
パ94を下降させてセンターブロック1とサイドブロッ
ク92との間でブランク材70を狭持して固定する。
【0009】次に、基準ピン9、9を収縮させた後に、
サイドブロック93側からブランク材71をマグネット
プッシャ80によって上記と同様にセンターブロック1
側へ送り、ブランク材71は端面がクランパ94で固定
されたブランク材30の接合部70A、70Bと当接す
ることで係止され、この状態でクランパ95を下降させ
てセンターブロック1とサイドブロック93との間でブ
ランク材71を狭持して固定する。
【0010】こうして、ブランク材70、71の所定の
接合部70A、70Bを所定の溶接線上で当接させてか
らレーザ溶接ガン20を走査させることによりレーザー
ビーム溶接を行って、2枚のブランク材70、71から
1枚のリアクォータパネルを形成する。このリアクォー
タパネルは溶接後に図示しないプレス工程へ送られて、
所定の車体形状に加工されるのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブランク材
の成型をさらに簡易にして、多数のブランク材から一つ
のワークを接合する場合では、図10に示すように、ブ
ランク材30a〜30eより枠状のワーク、例えば、自
動車のリアクォータピラー等を形成するには、各ブラン
ク材30a〜30eの接合部をそれぞれ突き合わせてか
ら、レーザービーム溶接を行う必要がある。
【0012】しかしながら、上記従来のブランク材の突
き合わせ位置決めにおいては、相互に当接したブランク
材70、71の接合部の端面間に過大なギャップg(隙
間)が発生しないことが前提となっているが、実際には
ブランク材の成型誤差等によりギャップgが生じるた
め、レーザービーム溶接ではギャップgが0.1 mm 以
上になると溶接欠陥が発生しやすくなって、溶接品質が
低下するという問題があり、さらに、上記従来例では、
マグネットプッシャ80、80によって一対のワークの
端部を当接させて位置決めを行うため、図10のよう
に、多数のブランク材30a〜30eのうち、両端を接
合するブランク材30aや30dでは、両端の接合部3
2a、33aの位置決めが正確に行うことができず、各
ブランク材30a〜30eの成型誤差に起因するギャッ
プgが矯正不能となって、円滑な接合を行うことができ
ないという問題があった。
【0013】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、多数のブランク材を突き合わせて枠状のワ
ークを溶接する場合に、加工精度のばらつきなどに起因
する接合部のギャップを矯正しながら迅速かつ正確に位
置決めすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、第1のブ
ランク材の両端を第2及び第3のブランク材の端面ない
し側面と第1及び第2の溶接線上で突き合わすべく、こ
れら第2及び第3のブランク材をそれぞれ所定の位置で
支持する第1及び第2の基準部材と、第1ブランク材の
一方の端部を側方両側からそれぞれ選択的に狭持する第
1及び第2のクランプ手段と、第1ブランク材の他方の
端部を側方両側からそれぞれ選択的に狭持する第3及び
第4のクランプ手段と、前記第1及び第2クランプ手段
を前記第1基準部材と接離する方向へそれぞれ駆動する
第1及び第2のアクチュエータと、前記第3及び第4ク
ランプ手段を前記第2基準部材と接離する方向へそれぞ
れ駆動する第3及び第4のアクチュエータと、前記第1
ないし第4のアクチュエータを同期的に駆動する手段と
を備える。
【0015】また第2の発明は、第1のブランク材の一
端を第2のブランク材の端面ないし側面へ所定の溶接線
上で突き合わすべく、第2のブランク材を所定の位置で
支持する第1の基準部材と、前記第1基準部材に近接し
た第1ブランク材の端部を側方両側からそれぞれ選択的
に狭持する第1及び第2のクランプ手段と、第1ブラン
ク材の他方の端部を選択的に狭持する基端側クランプ手
段と、前記第1及び第2クランプ手段を前記第1基準部
材と接離する方向へそれぞれ駆動する第1及び第2のア
クチュエータと、前記基端クランプ手段を第1または第
2クランプ手段と接離する方向へ駆動する基端側アクチ
ュエータと、前記第1、第2及び基端側アクチュエータ
を同期的に駆動する同期駆動手段とを備える。
【0016】また第3の発明は、前記第1または第2の
発明において、前記第1ないし第4のクランプ手段また
は基端クランプ手段は、第1または第2基準部材と接離
する方向へ変位自在かつブランク材を載置可能な可動台
座と、この可動台座の上面から鉛直方向へ伸縮自在かつ
回動自在なピンと、このピンの側方に突設されて選択的
に可動台座上面と接離可能な回転クランパと、前記ピン
を駆動する駆動手段とから構成される。
【0017】また第4の発明は、前記第3の発明におい
て、前記第1ないし第4のブランク材には、前記クラン
プ手段のピンと係合可能な切り欠き部を形成する。
【0018】また第5の発明は、所定の溶接線上で第1
ブランク材の両端をそれぞれ第2及び第3のブランク材
の側面ないし端面の接合部に突き合わすべく、第2及び
第3のブランク材の接合部をそれぞれ第1及び第2基準
部材へ位置決めする工程と、第1ブランク材の両端部側
方をそれぞれ選択的に狭持可能かつ、前記第1基準部材
または第2基準部材と接離する方向へ変位可能な第1な
いし第4のクランプ手段へ、第1ブランク材を載置する
仮位置決め工程と、前記第1ブランク材の端部側方を第
1及び第2クランプ手段それぞれ狭持するとともに、他
端部側方を第3及び第4クランプ手段それぞれ狭持する
狭持工程と、前記第1及び第2クランプ手段と第3及び
第4クランプ手段を相互に近接する方向へ変位させて第
1ブランク材の中央部を撓ませる工程と、前記第1及び
第2クランプ手段を第1基準部材へ向けて、第3及び第
4クランプ手段を第2基準部材へ向けてそれぞれへ変位
させて第1ブランク材の両端を前記第2及び第3のブラ
ンク材の接合部にそれぞれ当接させる工程とを含む。
【0019】また第6の発明は、前記第5の発明におい
て、前記仮位置決め工程では、第1ないし第4のクラン
プ手段の上面から鉛直方向に立設されたピンへ、第1ブ
ランク材の側方に予め形成した切り欠き部を係合させ
る。
【0020】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、第1及び第
2基準部材側で第2及び第3のブランク材の接合部を所
定の溶接線上に位置決めした後、第1ブランク材の両端
部側方を第1〜第4クランプ手段で狭持し、この第1ブ
ランク材の両端が近接する方向へ第1〜第4アクチュエ
ータを同期的に駆動すると、第1ブランク材の中央部は
撓み、この後、第1、第2アクチュエータで第1、第2
クランプ手段を第1基準部材へ向けて駆動する一方、第
3、第4アクチュエータで第3、第4クランプ手段を第
2基準部材へ向けて駆動すれば、第1ブランク材の両棚
は撓んだ状態から延びて、第2及び第3ブランク材の接
合部とギャップを生じることなく当接でき、多数のブラ
ンク材から構成されるワークを、正確かつ迅速に位置決
めを行うとともに、ブランク材の加工精度のばらつきに
起因する接合部のギャップgを確実に矯正して、レーザ
ービーム溶接を確実に行うことができ、溶接欠陥を防い
で品質を確保することができる。
【0021】また第2の発明は、第1のブランク材の一
端を第2のブランク材の端面ないし側面へ所定の溶接線
上で突き合わせて、レーザービーム溶接などで接合する
場合では、第1基準部材側で第2のブランク材の接合部
を所定の溶接線上に位置決めした後、第1ブランク材の
端部側方を第1、第2クランプ手段で、他端を基端クラ
ンプ手段でそれぞれ狭持し、この第1ブランク材の両端
が近接する方向へ第1、第2及び基端側アクチュエータ
を同期的に駆動すると、第1ブランク材の中央部は撓
み、この後、第1、第2アクチュエータで第1、第2ク
ランプ手段を第1基準部材へ向けて駆動する一方、基端
側アクチュエータを第1ブランク材が延びる方向へ駆動
すれば、第1ブランク材の両棚は撓んだ状態から延び
て、第2ブランク材の接合部とギャップを生じることな
く当接でき、ランク材の加工精度のばらつきに起因する
接合部のギャップgを確実に矯正して、レーザービーム
溶接を確実に行うことができ、溶接欠陥を防いで品質を
確保することができる。
【0022】また第3の発明は、第1〜第4クランプ手
段または基端クランプ手段は、第1または第2基準部材
と接離する方向へ変位自在な可動台座へ第1クランプ材
を載置した後、ピンを回動させて回転クランパを第1ク
ランプ材と対向させてから、ピンを収縮駆動すれば、可
動台座上面と回転クランパ下面との間で第1ブランク材
を狭持でき、溶接終了後にはピンを伸長させてから、回
転クランパを第1ブランク材の上面と干渉しない位置ま
で回動させれば、第1ブランク材をクランプ手段から容
易に取り外すことができ、前記従来例のように、上方か
らブランク材を狭持するクランプが不要となって、溶接
工程の設備を平面的に配置することができ、保守、管理
等を容易にすることができる。
【0023】また第4の発明は、第1〜第4クランプ手
段に形成されたピンに、第1ブランク材の切り欠き部を
係合させながら載置するだけで、仮位置決めが終了する
ため、位置決め動作を迅速に行うことができる。
【0024】また第5の発明は、第1及び第2基準部材
側で第2及び第3のブランク材の接合部を所定の溶接線
上に位置決めした後、第1ブランク材の両端部側方を第
1〜第4クランプ手段で狭持し、この第1ブランク材の
両端が近接する方向へ第1〜4クランプ手段を駆動する
と、第1ブランク材の中央部は撓み、この後、第1、第
2クランプ手段を第1基準部材へ向けて駆動する一方、
第3、第4クランプ手段を第2基準部材へ向けて駆動す
れば、第1ブランク材の両棚は撓んだ状態から延びて、
第2及び第3ブランク材の接合部とギャップを生じるこ
となく当接でき、多数のブランク材から構成されるワー
クを、正確かつ迅速に位置決めを行うとともに、ブラン
ク材の加工精度のばらつきに起因する接合部のギャップ
gを確実に矯正して、レーザービーム溶接を確実に行う
ことができ、溶接欠陥を防いで品質を確保することがで
きる。
【0025】また第6の発明は、第1〜第4クランプ手
段に立設されたピンへ、第1ブランク材の切り欠き部を
係合させながら載置するだけで、仮位置決めが終了する
ため、位置決め動作を迅速に行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0027】図1〜図3は、枠状のワークとして自動車
のリアクォータピラーを、レーザービーム溶接によって
多数のブランク材30a〜30eの接合部を接合して形
成する突き合わせ位置決め装置に本発明を適用した一例
を示す。
【0028】5枚のブランク材30a〜30eは、図1
において、ブランク材30a、30cがほぼ平行して図
中X軸方向に、ブランク材30b、30eがほぼ平行し
て図中Y軸方向にそれぞれ配置されて、ブランク材30
cと30eの間には、ブランク材30dが図中斜め方向
に配置される。
【0029】そして、各ブランク材の接合部はセンター
ブロック1a〜1eで支持されており、センターブロッ
ク1aはブランク材30a(第1ブランク材)の図中上
端とブランク材30e(第2ブランク材)の側面の接合
部(図10の接合部32a、33e)を支持するため
に、図中Y軸方向に沿って配設され、同様にして、セン
ターブロック1b(第2基準部材)はブランク材30a
の下端とブランク材30b(第3ブランク材)の側面の
接合部(図10の接合部33a、33b)を支持するた
めに図中Y軸方向に沿って、センターブロック1cはブ
ランク材30bの端部とブランク材30cの側面の接合
部を支持するために図中X軸方向に沿って、センターブ
ロック1dはブランク材30cの上端とブランク材30
dの下端との接合部を支持するために図中Y軸方向に沿
って、センターブロック1eはブランク材30dの上端
とブランク材30eの端部との接合部を支持するために
図中X軸方向に沿ってそれぞれ固設される。
【0030】これら、センターブロック1a〜1eの上
面には、前記従来例と同様に、図2にも示すように、接
合部に沿った所定の溶接線上で溝部10が開口形成さ
れ、レーザ溶接ガン(図示せず)は、この溝部10上の
溶接線上に沿って駆動される。
【0031】また、この溝部10の所定の位置には、一
対の基準ピン9、9が突出自在にセンターブロック1に
配設され、これら基準ピン9、9がセンターブロック1
の上面から突出した状態で、各ブランク材の位置決めが
後述するように行われる。
【0032】上記ブランク材30a〜30eは、それぞ
れ近接するセンターブロック1a〜1eへ向けて変位可
能、かつ選択的に狭持可能なクランプユニット2a〜2
i、3a〜3hによって、所定の溶接線上に位置決めさ
れる。なお、各ブランク材の接合部は、図10に示すよ
うに、32a〜32e及び33a〜33eとなる。
【0033】図1において、両端を接合するブランク材
30aは、接合部32a(図10参照)側の上端部側方
をクランプユニット2a、2bで、接合部33a側の下
端部側方をクランプユニット3a、3bでそれぞれ選択
的に狭持される。
【0034】同様に、左端(図10の接合部32b)及
び側面上部(図10の接合部33b)を接合するブラン
ク材30bは、左端部側方をクランプユニット2d、2
cで、右端上部をクランプユニット3c(基端側クラン
プ手段)でそれぞれ選択的に狭持される。
【0035】上端(図10の接合部32c)及び右側側
面(図10の接合部33c)を接合するブランク材30
cは、上端部側方をクランプユニット2e、2fで、側
面左側をクランプユニット3dでそれぞれ選択的に狭持
される。
【0036】図10の接合部33d、33cで両端を接
合するブランク材30dは、上端部側方をクランプユニ
ット2g、2hで、下端部側方をクランプユニット3
e、3fでそれぞれ選択的に狭持される。
【0037】そして、左端(図10の接合部32e)及
び側面下部(図10の接合部33e)を接合するブラン
ク材30eは、左端部側方をクランプユニット3g、3
hで、右端下部をクランプユニット2iでそれぞれ選択
的に狭持される。
【0038】各クランプユニット2a〜2i、3a〜3
hの構造は、同一であり、以下、ブランク材30aの狭
持、位置決めを行うクランプユニット2a、2b及び3
a、3bについてのみ説明する。
【0039】図2、図3において、ブランク材30a
(第1ブランク材)の上端部左側を選択的に狭持するク
ランプユニット2a(第1クランプ手段)は、センター
ブロック1a(第1基準部材)と直交する方向(図中Y
軸方向)で固設されたスライダ4を主体に構成され、こ
のスライダ4上にはY軸方向へ変位自在な可動台座5が
支持される。
【0040】可動台座5はアクチュエータ8(第1アク
チュエータ)の伸縮駆動によって、スライダ4上でセン
ターブロック1aへ接離するよう選択的に駆動される。
【0041】可動台座5の上面の左側には回動自在かつ
鉛直方向(図中Z軸方向)へ変位可能なピン6が突出し
ており、可動台座5内に収装された図示しないアクチュ
エータによって、Z軸まわりに回動するとともに、Z軸
方向へ伸縮する。なお、可動台座5の上面は、センター
ブロック1a〜1eと同一平面上に配置される。
【0042】そしてこのピン6の上部側方からは回転ク
ランパ7が側方へ突出し、図2に示すクランプユニット
2aの初期状態では、ピン6が最伸長位置となって可動
台座5の上面から突出し、回転クランパ7の下面は、可
動台座5の上面よりも図3の上方へ位置するとともに、
回転クランパ7がピン6の左側でX軸とほぼ平行となっ
て、可動台座5から図中右側へ突出する。
【0043】一方、図2の破線で示した狭持位置では、
ピン6が図示しないアクチュエータによって180度回
動した後に収縮して、回転クランパ7の下面が可動台座
の上面5と当接する。
【0044】一方、ブランク材30aの上端部右側を選
択的に狭持するクランプユニット2b(第2クランプ手
段)も、上記クランプユニット2aと同様に構成される
が、可動台座5とピン6及び回転クランパ7の相対位置
関係が逆になっており、ピン6は上面の右側に配置さ
れ、回転クランパ7は初期状態において図中右側へ突出
する。
【0045】そして、クランプユニット2a、2bの初
期位置では、ピン6、6がセンターブロック1aから所
定距離だけ離れて図中X軸上で同一直線上となるよう、
アクチュエータ8、8の原点が設定される。
【0046】クランプ材30aの下端部側方を選択的に
狭持するクランプユニット3a、3b(第3、第4クラ
ンプ手段)は、上記クランプユニット2a、2bと同様
に構成される。
【0047】また、クランプ材30aの外周には、図4
に示すように、クランプユニット2a、2b並びに3
a、3bの初期状態で、各ピン6と係合するための切り
欠き部31が所定の4か所に形成され、他のクランプ材
30b〜30eにも、クランプユニット2c〜2i及び
3c〜3hの各ピン6と係合可能な切り欠き部31が形
成される。
【0048】以上のように構成されて、次に作用につい
て説明する。
【0049】上下両端を接合するブランク材30aの位
置決めを行う、クランプユニット2a、2b及び3a、
3bの動作について、図5を参照しながら説明する。
【0050】まず、図5(A)のようにアクチュエータ
8等を原点位置へ駆動して、各可動台座5を所定の初期
位置へ駆動し、ピン6を伸長させるとともに回転クラン
パ7を初期位置へ駆動しておく。各回転クランパ7は、
ピン6を結ぶ四角形の外周へ向けてY軸方向で平行す
る。
【0051】次に、図示しない搬送手段によって、ブラ
ンク材30aを上方より可動台座5へ載置する。このと
き、ブランク材30aの外周に設けた切り欠き部31
が、それぞれピン6に案内されるため、ブランク材30
aはほぼ所定の位置で可動台座5上に載置される仮位置
決め状態となる。
【0052】そして、各クランプユニット2a、2b、
3a、3bのピン6を180度回転させた後に、収縮駆
動して回転クランパ7の下面と可動台座5の間でブラン
ク材30aを狭持する。
【0053】この後、図5(C)のように、各アクチュ
エータ8を同期的に収縮駆動して、各クランプユニット
2a、2b、3a、3bをセンターブロック1a及び1
bから離れる方向へ所定量だけ変位させ、ブランク材3
0aの中央部を座屈させる。
【0054】こうして、ブランク材30aの中央部を一
旦座屈させた後、センターブロック1a、1bの基準ピ
ン9をそれぞれ突出させてから、図5(D)に示すよう
に、今度は、各アクチュエータ8を伸長駆動してクラン
プユニット2a、2bをセンターブロック1aへ向け
て、クランプユニット3a、3bをセンターブロック1
bへ向けて変位させ、各クランプユニットで狭持したブ
ランク材30aの各端部を基準ピン9へ当接させる。
【0055】そして、ブランク材30aの各端部が当接
した位置で、各アクチュエータ8の駆動を停止して、位
置決めを完了する。
【0056】この後、前記従来例と同様に、レーザー溶
接ガンがセンターブロックの1a、1b上の溶接線上を
操作することで、ブランク材30aとこの上下に配置さ
れたブランク材30b、30e(第2、第3ブランク
材)が接合される。
【0057】図5の(C)、(D)のように、ブランク
材30aの中央部を一旦座屈させてから、基準ピン9、
9へ当接させることにより、図10に示したような、ブ
ランク材30aの接合部32a、33aと、ブランク材
30eの接合部33e及びブランク材30bの接合部3
3b間のギャップgを矯正して、レーザービーム溶接を
精度良く行うことができるのである。
【0058】なお、図5においては、ブランク材30a
の両端の接合部32a、33aをそれぞれ基準ピン9、
9に当接させる場合を示したが、図1においては、これ
ら基準ピン9、9に代わって、後述するように先に位置
決めされたブランク材30b、30eの側面を基準に位
置決めを行えばよい。
【0059】ここで、上記装置によるギャップgの矯正
原理について、図6のモデルを参照しながら詳述する。
【0060】いま、ブランク材30aの接合部32aが
図6(A)に示すように、所定の溶接線に対して傾斜し
ている場合、一対の基準ピン9、9に代わって溶接線に
平行な平面を備えた基準ブロック9’に突き合わせる場
合を考える。
【0061】基準平面X−Y上で、接合部32a側のブ
ランク材30aは、基準ブロック9’の近傍で、側方両
側を回転クランパ7、7によって狭持され、鉛直方向の
変位を規制され、同様に、ブランク材30aの他端(セ
ンタブロック1b側)も同様の回転クランパ7、7によ
って狭持される。
【0062】ここで、一対のクランプユニット2a、2
bと3a、3bを相互に近接する方向へ駆動すると、X
軸方向の回転クランパ7、7間ではブランク材30aが
拘束されていないため、中央部は座屈して鉛直方向へ撓
む。
【0063】こうして座屈させた状態で、図6(B)の
ように接合部32Aは基準ブロック9’に沿って当接さ
せれば、水平面内で生じていたギャップgを矯正するこ
とができ、このとき、ブランク材32の基準平面からの
撓み量は、最初に基準ブロック9’と当接した側では撓
み量δaとなる一方、ギャップが発生した側では撓み量
δbとなり、この撓み量δの関係はδa>δbとなり、
図中左側の端部を狭持するクランプユニット2aの変位
量は、対向する右側の端部を狭持するクランプユニット
2bの変位量よりも大きくなり、アクチュエータ8、8
の駆動量は相違する。
【0064】一方、センタブロック1b側のクランプユ
ニット3a、3bでも上記と同様に、ブランク材30a
の突き合わせギャップgの矯正が行われる。
【0065】このため、両端を接合するブランク材30
aの全長は、中央部を座屈させて位置決めする必要があ
るため、ブランク材30b、30eの間隔よりも若干大
きく設定される。なお、溶接後にも鉛直方向の撓みδ
a、δbは残るが、後のプレス成型によって所定の平面
に矯正される。
【0066】こうして、ブランク材30aの両端を近接
させる方向へ駆動して座屈させてから、最初に基準ピン
9に当接した側が大きく撓むことにより、所定の溶接線
と接合部32aのギャップgを解消することができ、ブ
ランク材30a〜30eの加工精度にばらつきがあって
も、レーザービーム溶接を確実に行って品質を確保する
ことができるのである。
【0067】なお、溶接終了後には各クランプユニット
のピン6を伸長させてから、回転クランパ7を各ブラン
ク材の上面と干渉しない位置(例えば、180度回転し
た位置)まで回動させれば、ブランク材を各クランプユ
ニットから容易に取り外すことができる。
【0068】ところで、上記では1枚のブランク材30
aをブランク材30b、30eの側面へ位置決めする場
合について述べたが、図1のように、5つのブランク材
30a〜30eの位置決めは、次のように行われる。
【0069】図1において、まず、Y軸と平行なブラン
ク材30b、30eとX軸と平行なブランク材30c
を、上記と同様に各クランプユニットを駆動してセンタ
ーブロック1c、1d、1eへ端部を位置決めするとと
もに、接合する側面をセンターブロック1b、1c、1
aの基準ピン9、9へ当接させて位置決めする。
【0070】なお、一方の端部のみを接合するブランク
材30b、30c、30eのクランプユニットは、セン
ターブロック1c、1d、1eに近接した端部の側方両
側を狭持する一方、他端ではどちらか一方の側方だけを
狭持すればよく、例えば、ブランク材30bでは、セン
ターブロック1c側の端部で、側方両側をクランプユニ
ット2c、2dを狭持する一方、他端ではセンターブロ
ック1b側の側方をクランプユニット3cで狭持し、上
記と同様に中央部を座屈させてセンターブロック1c側
のギャップgを矯正して位置決めを行う。
【0071】こうして、ブランク材30b、30c、3
0eの端部をセンターブロック1c、1d、1eに位置
決めした後、両端を接合するブランク材30aとブラン
ク材30dを、上記と同様に両端の両側方を狭持する各
クランプユニットによって位置決めすればよい。このと
き、ブランク材30aの位置決め基準を、上記基準ピン
9、9に代わって、既に位置決めされたブランク材30
b、30eの側面とし、同様にブランク材30dの位置
決め基準を、同じく既に位置決めされたブランク材30
c、30eの端面とすればよい。
【0072】こうして、端部の一方を接合するブランク
材30b、30c、30eを先に位置決めした後、両端
を接合するブランク材30a、30dを、既に位置決め
が完了したブランク材30b、30c、30eを基準と
して位置決めすることで、多数のブランク材から構成さ
れる枠状のワークを、正確かつ迅速に位置決めを行うと
ともに、加工精度のばらつきに起因する接合部のギャッ
プgを確実に矯正して、レーザービーム溶接を確実に行
うことができ、溶接欠陥を防いで品質を確保することが
できる。
【0073】また、クランプユニット2a〜2i及び3
a〜3hは、センターブロック1a〜1eと同一の床面
上などに配設できるため、前記従来例のように、上方か
らブランク材を狭持するクランプ94、95が不要とな
って、溶接工程の設備を平面的に配置することができ、
保守、管理等を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す突き合わせ位置決め
装置全景の概略平面図。
【図2】同じく位置決め装置の一部を示す概略平面図。
【図3】同じく斜視図。
【図4】ブランク材の平面図
【図5】位置決め動作の説明図で、(A)はクランプユ
ニット初期状態、(B)はブランク材の仮位置決め状
態、(C)はブランク材の矯正開始状態、(D)は位置
決め完了状態をそれぞれ示す。
【図6】同じくギャップ矯正の原理を示す説明図で、
(A)は平面矯正開始の状態を示す斜視図、(B)は矯
正終了の状態を示す斜視図。
【図7】従来例を示し、ブランク材を突き合わせた状態
の平面図。
【図8】従来例を示す突き合わせ位置決め装置の概略斜
視図。
【図9】同じく側面図。
【図10】多数のブランク材を突き合わせた状態の平面
図。
【符号の説明】
1a〜1e センターブロック 2a〜2i クランプユニット 3a〜3h クランプユニット 4 スライダ 5 可動台座 6 ピン 7 回転クランパ 8 アクチュエータ 9 基準ピン 10 溝部 20 レーザ溶接ガン 30a〜30e ブランク材 31 切り欠き部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 65/00 B62D 65/00 Q

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のブランク材の両端を第2及び第3
    のブランク材の端面ないし側面と第1及び第2の溶接線
    上で突き合わすべく、これら第2及び第3のブランク材
    をそれぞれ所定の位置で支持する第1及び第2の基準部
    材と、第1ブランク材の一方の端部を側方両側からそれ
    ぞれ選択的に狭持する第1及び第2のクランプ手段と、
    第1ブランク材の他方の端部を側方両側からそれぞれ選
    択的に狭持する第3及び第4のクランプ手段と、前記第
    1及び第2クランプ手段を前記第1基準部材と接離する
    方向へそれぞれ駆動する第1及び第2のアクチュエータ
    と、前記第3及び第4クランプ手段を前記第2基準部材
    と接離する方向へそれぞれ駆動する第3及び第4のアク
    チュエータと、前記第1ないし第4のアクチュエータを
    同期的に駆動する手段とを備えたことを特徴とするブラ
    ンク材の突き合わせ位置決め装置。
  2. 【請求項2】 第1のブランク材の一端を第2のブラン
    ク材の端面ないし側面へ所定の溶接線上で突き合わすべ
    く、第2のブランク材を所定の位置で支持する第1の基
    準部材と、前記第1基準部材に近接した第1ブランク材
    の端部を側方両側からそれぞれ選択的に狭持する第1及
    び第2のクランプ手段と、第1ブランク材の他方の端部
    を選択的に狭持する基端側クランプ手段と、前記第1及
    び第2クランプ手段を前記第1基準部材と接離する方向
    へそれぞれ駆動する第1及び第2のアクチュエータと、
    前記基端クランプ手段を第1または第2クランプ手段と
    接離する方向へ駆動する基端側アクチュエータと、前記
    第1、第2及び基端側アクチュエータを同期的に駆動す
    る同期駆動手段とを備えたことを特徴とするブランク材
    の突き合わせ位置決め装置。
  3. 【請求項3】 前記第1ないし第4のクランプ手段また
    は基端クランプ手段は、第1または第2基準部材と接離
    する方向へ変位自在かつブランク材を載置可能な可動台
    座と、この可動台座の上面から鉛直方向へ伸縮自在かつ
    回動自在なピンと、このピンの側方に突設されて選択的
    に可動台座上面と接離可能な回転クランパと、前記ピン
    を駆動する駆動手段とから構成されたことを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のブランク材の突き合わ
    せ位置決め装置。
  4. 【請求項4】 前記第1ないし第4のブランク材には、
    前記クランプ手段のピンと係合可能な切り欠き部を形成
    したことを特徴とする請求項3に記載のブランク材の突
    き合わせ位置決め装置。
  5. 【請求項5】 所定の溶接線上で第1ブランク材の両端
    をそれぞれ第2及び第3のブランク材の側面ないし端面
    の接合部に突き合わすべく、第2及び第3のブランク材
    の接合部をそれぞれ第1及び第2基準部材へ位置決めす
    る工程と、 第1ブランク材の両端部側方をそれぞれ選択的に狭持可
    能かつ、前記第1基準部材または第2基準部材と接離す
    る方向へ変位可能な第1ないし第4のクランプ手段へ、
    第1ブランク材を載置する仮位置決め工程と、 前記第1ブランク材の端部側方を第1及び第2クランプ
    手段それぞれ狭持するとともに、他端部側方を第3及び
    第4クランプ手段それぞれ狭持する狭持工程と、 前記第1及び第2クランプ手段と第3及び第4クランプ
    手段を相互に近接する方向へ変位させて第1ブランク材
    の中央部を撓ませる工程と、 前記第1及び第2クランプ手段を第1基準部材へ向け
    て、第3及び第4クランプ手段を第2基準部材へ向けて
    それぞれへ変位させて第1ブランク材の両端を前記第2
    及び第3のブランク材の接合部にそれぞれ当接させる工
    程とを含むことを特徴とするブランク材の突き合わせ位
    置決め方法。
  6. 【請求項6】 前記仮位置決め工程では、第1ないし第
    4のクランプ手段の上面から鉛直方向に立設されたピン
    へ、第1ブランク材の側方に予め形成した切り欠き部を
    係合させることを特徴とする請求項5に記載のブランク
    材の突き合わせ位置決め方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010142842A (ja) * 2008-12-18 2010-07-01 Ihi Corp 溶接加工装置
JP2010142815A (ja) * 2008-12-16 2010-07-01 Ihi Corp ワークの加工装置
JP2010142816A (ja) * 2008-12-16 2010-07-01 Ihi Corp 溶接加工装置及び溶接加工方法
CN106670707A (zh) * 2016-11-30 2017-05-17 安徽瑞祥工业有限公司 一种汽车车身板件定位焊接装置

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