JPH10128121A - 炭化水素接触分解用触媒組成物およびその製造方法 - Google Patents

炭化水素接触分解用触媒組成物およびその製造方法

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JPH10128121A
JPH10128121A JP8303696A JP30369696A JPH10128121A JP H10128121 A JPH10128121 A JP H10128121A JP 8303696 A JP8303696 A JP 8303696A JP 30369696 A JP30369696 A JP 30369696A JP H10128121 A JPH10128121 A JP H10128121A
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catalyst
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catalytic cracking
catalytic
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Hiroshi Matsumoto
広 松本
Michiyo Tsukuda
美千代 佃
Mitsunori Watabe
光徳 渡部
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Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 重質炭化水素の接触分解に使用して、水素、
コークの生成量が少ないにもかかわらず、優れた残油分
解能を有し、ガソリンや灯軽油留分の収率を高めること
ができる炭化水素接触分解用触媒組成物およびその製造
方法の提供。 【解決手段】 結晶性アルミノシリケートゼオライトと
無機酸化物マトリックスとからなる炭化水素接触分解用
触媒組成物であって、該触媒組成物は細孔直径3.6〜
500nmの細孔容積が0.20〜0.70ml/gの
範囲にあり、かつ、細孔分布が特定範囲にあることを特
徴とする炭化水素接触分解用触媒組成物およびその製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素接触分解
用触媒組成物およびその製造方法に関し、さらに詳しく
は炭化水素、特に残渣油などの重質炭化水素の接触分解
に使用して、残油(高沸点留分)分解能に優れ、水素、
コークの生成量が少なく、ガソリンや灯軽油留分の収率
が高いなどの優れた効果を示す、特定の細孔構造を有す
る炭化水素接触分解用触媒組成物およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来技術】近年の石油事情の悪化は、低品位の原油を
常圧蒸留装置(トッパー)にかけなければならない事態
を生じ、トッパーから生じた通常沸点が650゜F以上
の残渣油の割合を増大させる結果、製油所では残渣油を
接触分解装置にかけざるを得なくなってきている。
【0003】その結果、重質炭化水素の接触分解の重要
性が増加し、流動接触分解(FCC)装置もガソリン製
造装置としての役割にとどまらず、減圧軽油(VGO)
や常圧残渣油などの重質炭化水素の分解によるガソリン
や灯軽油留分(LCO)などの製造装置としての役割が
重要視されるようになってきている。このような要望に
応じて、FCC装置などに用いられる炭化水素接触分解
用触媒組成物も、高沸点の炭化水素、即ち残油分(ボト
ム)を効率よく分解できるものが望まれるようになって
きた。
【0004】最近、このような重質炭化水素の接触分解
用触媒組成物として、原料油の触媒内への拡散性などか
ら触媒の細孔構造の重要性が指摘されている。
【0005】例えば、特開平8−57328号公報に
は、活性成分としての活性化された粘土鉱物と、マトリ
ックスとからなり、直径60nm以下の細孔容積(V
A)に対する直径2〜10nmの細孔容積(VB)の比
率[VB/VA]が0.35以上であることを特徴とす
る、炭化水素の接触分解用触媒体が記載されており、マ
トリックスの構造に基づくメソ孔(直径2〜10nmの
細孔)を十分な割合で有していることが重要であると指
摘している。
【0006】また、特開平6−25675号公報には、
ポリモーダル(polymodal)な細孔構造を有す
るメソ多孔性(meso porous)接触クラッキ
ング触媒が開示されており、該触媒はアルミノシリケー
トゼオライトが分散されたマトリックスであって、水銀
ポロシメトリーで測定して、ポリモーダルな細孔分布を
持ち、45〜2000Åで測った細孔容積の少なくとも
75%が直径160Åより大きな孔に属する第1のモー
ドと、孔の約20%までが直径100Åより大きくかつ
160Åより小さい第2のモードとを持つことが記載さ
れている。
【0007】さらに、特開昭63−278553号公報
には、重質油の分解に際して、ガソリンおよび中間留分
の収率を減少させることなく、水素とコーク生成量を抑
制することができる耐メタル性の高い触媒として、3〜
40wt%の結晶性アルミノシリケートゼオライトと6
0〜97wt%のアルミナ、マグネシアおよびホスフィ
アからなるマトリックスを含有する触媒であって、該触
媒の全細孔容積が0.25〜1.0cc/g、600Å
以下の細孔容積が0.2〜0.7cc/gで、かつ60
0Å以下の細孔容積が全細孔容積の70%以上、である
ことを特徴とする炭化水素転化触媒が記載されている。
【0008】本出願人は、特開平2−298351号公
報において、重質炭化水素油の接触分解に好適な細孔分
布を有する触媒として、超安定Y型ゼオライト、カオリ
ンおよび非晶質シリカからなり必要に応じて希土類金属
成分を含有する接触分解用触媒組成物であって、 (A)細孔直径62〜10,000Åの細孔が占める細
孔容積(a)0.15ml/g以上、 (B)細孔直径100〜600Åの細孔が占める細孔容
積(b)0.07ml/g以上、 (C)(b)/(a)×100≧35 (D)(細孔直径600Åより大きい細孔が占める細孔
容積)/(a)×100≦60 (E)(細孔直径62〜100Åの細孔が占める細孔容
積)/(a)×100≦10 の要件を満足することを特徴とする接触分解用触媒組成
物を提案した。
【0009】しかしながら、これら従来の接触分解用触
媒組成物では、残油(ボトム)分解能が必ずしも十分で
なく、更に改良された触媒が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、結晶
性アルミノシリケートゼオライトと無機酸化物マトリッ
クスとからなる特定の細孔構造を有する触媒組成物であ
って、炭化水素、特にニッケルやバナジウムなどの金属
汚染物質を含有する原油、減圧軽油、水素化処理油、常
圧残渣油、減圧残渣油などの重質炭化水素の接触分解に
使用して、水素、コークの生成量が少ないにもかかわら
ず、優れた残油分解能を有し、ガソリンや灯軽油留分の
収率を高めることができる炭化水素接触分解用触媒組成
物およびその製造方法を提供する点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】従来の接触分解用触媒組
成物における触媒の細孔構造に関しては、メソ細孔には
注目されているがマクロ細孔(本発明では細孔直径50
〜500nmの細孔を言う。)には注目されていなかっ
た。本発明者らは、重質炭化水素の接触分解で、ボトム
分解には触媒のメソ細孔のみならずマクロ細孔をも有す
ることが重要であることを見いだし本発明を完成するに
至った。
【0012】即ち、本発明の第一は、結晶性アルミノシ
リケートゼオライトと無機酸化物マトリックスとからな
る炭化水素接触分解用触媒組成物であって、該触媒組成
物は細孔直径3.6〜500nmの細孔容積が0.20
〜0.70ml/gの範囲にあり、かつ、細孔分布が、 であることを特徴とする炭化水素接触分解用触媒組成物
に関する。なお、本発明における細孔分布に関する4項
目の%表示は、各項目の%が前記限定の範囲にあり、か
つ全体で100%になる条件である。
【0013】また、本発明の第二は、(A)結晶性アル
ミノシリケートゼオライトと、(B)シリカゾル、カオ
リンおよび含水微粉ケイ酸を含有する無機酸化物マトリ
ックス前駆体、との水性混合物を噴霧乾燥することを特
徴とする炭化水素接触分解用触媒組成物の製造方法に関
する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳述
する。本発明での触媒組成物は、(A)結晶性アルミノ
シリケートゼオライトと(B)無機酸化物マトリックス
とからなり、結晶性アルミノシリケートゼオライト(以
下ゼオライトという)が5〜50wt%、好ましくは5
〜40wt%、無機酸化物マトリックスが50〜95w
t%、好ましくは60〜95wt%の範囲にあることが
望ましい。
【0015】本発明でのゼオライトには、通常の炭化水
素の接触分解用触媒組成物に使用されるゼオライトが使
用可能であり、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、モル
デナイト、ZSM型ゼオライトなどを例示することがで
き、ゼオライトは通常の接触分解用触媒組成物の場合と
同様に水素、アンモニウムおよび多価金属よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種のカチオンでイオン交換され
た形で使用される。Y型ゼオライト、特に超安定性Y型
ゼオライトは固体酸点が多く耐水熱性に優れているので
好適である。
【0016】本発明での無機酸化物マトリックスには、
通常、ゼオライト以外の炭化水素の接触分解用触媒組成
物に使用される無機酸化物マトリックスが使用可能であ
り、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シ
リカ−マグネシア、アルミナ−ボリア、チタニア、ジル
コニア、シリカ−ジルコニア、珪酸カルシウム、カルシ
ウムアルミネート、などの耐火酸化物、カオリン、ベン
トナイト、ハロイサイトなどの粘土鉱物などを挙げるこ
とができる。また必要に応じてアルミナ粉末などのメタ
ル捕捉剤などを併用できる。特に、シリカ、カオリン、
含水微粉ケイ酸およびアルミナからなる無機酸化物マト
リックスが好ましい。
【0017】本発明での細孔容積、細孔分布は、600
℃で1時間前処理した試料を水銀圧入法で水銀の接触角
130゜、表面張力480dyn/cmの値を用いて細
孔直径3.6nm以上の細孔について測定されたもので
ある。
【0018】本発明の接触分解用触媒組成物は、細孔直
径3.6〜500nmの細孔容積が0.20〜0.70
ml/gの範囲にあり、前述の細孔分布を有する。細孔
容積が0.20ml/gよりも小さい場合には所望のボ
トム分解能を有する触媒が得られず、また、0.70m
l/gよりも大きい場合には触媒の耐摩耗性(Attr
ition Resistance)が悪くなるので好
ましくない。細孔容積は、好ましくは0.25〜0.6
0ml/gの範囲にあることが望ましい。
【0019】また、本発明の触媒組成物は、細孔分布が
前述の範囲にあり、該範囲から外れると所望のボトム分
解能を有する触媒が得られないことがある。該触媒組成
物は、細孔直径100〜500nmのマクロ細孔が前述
の細孔直径3.6〜500nmの細孔容積の10〜40
%、細孔直径50〜100nmのマクロ細孔が前述の細
孔直径3.6〜500nmの細孔容積の10〜40%の
範囲にあり、これにより原料油の高沸点留分の高分子炭
化水素の触媒内への拡散を容易にしており、細孔直径1
0〜50nmの細孔が細孔直径3.6〜500nmの細
孔容積の10〜60%の範囲にあるため、触媒内に拡散
した高分子炭化水素は高転化率で低分子炭化水素に転化
され、さらに、低分子炭化水素は細孔直径3.6〜10
nmの細孔を拡散してゼオライトの外表面および内部で
分解されてガソリンやLCO(light cycle
oil)を生成するため高分子炭化水素の分解率が高
くなり、コークの生成量も少なく、また、触媒内で生成
したガソリンやLCOは前述の細孔を通じて触媒外への
拡散が速いので、過分解されて水素やガス分になる量が
少ないものと推定される。触媒組成物の好ましい細孔分
布の範囲は、 である。
【0020】また、本発明の触媒組成物は、比表面積が
100〜300m2/g、嵩比重(ABD)が0.6〜
1.0g/ml、耐摩耗性(Attr.Res.)が
0.5wt%/hr以下、平均粒子径が40〜100μ
mの範囲にあることが炭化水素流動接触分解(FCC)
触媒として好ましい。
【0021】次に、本発明の第二の炭化水素接触分解用
触媒組成物の製造方法についてのべる。前述の特定の細
孔構造を有する炭化水素接触分解用触媒組成物の製造方
法は、例えば、前述の結晶性アルミノシリケートゼオラ
イトと、シリカゾル、カオリン、含水微粉ケイ酸および
所望により擬ベーマイトアルミナ水和物を含有する無機
酸化物マトリックス前駆体との水性混合物を噴霧乾燥
し、得られた微小球状粒子を洗浄し、必要に応じて希土
類金属成分を導入して、洗浄、乾燥し、焼成する。特に
含水微粉ケイ酸は、触媒組成物の細孔容積を大きくし、
細孔分布を制御するのに重要であり、含水微粉ケイ酸の
含有量を多くすると触媒組成物の細孔容積も大きくする
ことができる。
【0022】本発明で使用されるシリカゾルは、市販の
シリカゾルを用いることもできるが、希釈水硝子と硫酸
水溶液とを混合して調製することができる。カオリンと
しては、ジョージアカオリン、アマゾンカオリン、バン
カカオリンなど各産地のものが使用可能であり、含水微
粉ケイ酸は、一般にホワイトカーボンと称されSiO2
を主成分とする約20〜40nm程度の単粒子が2次、
3次に凝集したもので、種々の粒度分布のものが市販さ
れているので、これらを使用することができる。また、
擬ベーマイトアルミナ水和物は、スラリー状あるいは粉
末状のものが使用可能である。
【0023】本発明では、無機酸化物マトリックス前駆
体は、無機酸化物マトリックス基準で、シリカゾルをS
iO2として10〜50wt%好ましくは20〜40w
t%、カオリンを20〜80wt%好ましくは30〜6
0wt%、含水微粉ケイ酸をSiO2として3〜30w
t%好ましくは5〜25wt%、擬ベーマイトアルミナ
水和物をAl23として0〜30wt%好ましくは5〜
20wt%の範囲で含有することが望ましい。無機酸化
物マトリックス前駆体の組成範囲が前述の範囲内である
と所望の細孔分布の触媒が得られやすい。
【0024】本発明の方法では、前述の結晶性アルミノ
シリケートゼオライトと前述の無機酸化物マトリックス
前駆体とを前述の触媒組成物の割合で混合して得られた
水性混合物を噴霧乾燥し、得られた微小球状粒子を洗浄
し、必要に応じて希土類金属成分を導入して、通常の方
法で洗浄、乾燥、焼成される。なお、焼成は触媒の使用
時に反応装置の再生塔にて600〜800℃で焼成する
ことも出来る。
【0025】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0026】実施例1 触媒の調製は、市販の3号水硝子を希釈してSiO2
度12.73wt%の水溶液とし、また、これとは別に
濃度25wt%の硫酸を調製した。この希釈水硝子溶液
と硫酸溶液をそれぞれ20リットル/分、5.6リット
ル/分の割合で連続的に混合して、シリカヒドロゾルを
調製した。このシリカヒドロゾルにカオリンを、その含
有量が最終触媒組成物の重量基準で50%となるよう
に、また、擬ベーマイトアルミナ水和物スラリーをAl
23として5%となるように加えて、さらに、ホワイト
カーボン〔(株)トクヤマ製;商品名トクシールU、平
均粒径14μm、比表面積186m2/g、細孔容積
1.70ml/g、平均細孔直径35nm〕をSiO2
として5%となるように加え混合した。なお、シリカビ
トロゾルによるSiO2量は最終触媒組成物の重量基準
で20%である(シリカ20%;カオリン50%;ホワ
イトカーボン5%;擬ベーマイト5%;合計80%)。
次いで、アンモニウムイオンでイオン交換した格子定数
24.55Åの超安定性Y型ゼオライトを水に懸濁して
濃度28wt%の水性スラリーを調製し、これを前述の
無機酸化物マトリックス前駆体にゼオライトの含有量が
最終触媒組成物の重量基準で20%になるように加えて
混合した(ゼオライト20%)。この混合水性スラリー
を噴霧乾燥して微小球状粒子を調製した。次いで、該微
小球状粒子中のNa2O含有量が0.5wt%以下にな
るまで洗浄した後、酸化物基準でLa23 49wt%
およびCe23 24wt%を含有する混合希土類の塩
化希土類水溶液に60℃で浸漬した後、洗浄、乾燥して
RE23として1.75wt%の希土類成分を含有する
触媒組成物Aを調製した。触媒Aを600℃で1時間焼
成して触媒性状を測定した。なお、細孔分布はユアサ
アイオニクス(株)製のAUTOSCAN−60ポロシ
メーターで測定した。その結果を表1に示す。前述の調
製法と同様にして、ホワイトカーボンの添加量を変えた
触媒の調製を行った。すなわち、カオリンをバランス物
質として、添加量がそれぞれホワイトカーボンによるS
iO2が最終触媒組成物の重量基準で10%、20%と
なるように加えた。これらの触媒組成物をそれぞれB、
Cとし、各触媒の性状を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例2 実施例1においては、平均粒子径14μmで、平均細孔
直径35nmのホワイトカーボンをSiO2として最終
触媒組成物の重量基準で5%になるように加えているの
に対して、この実施例2では平均粒子径2.2μmで平
均細孔直径20nmのホワイトカーボン〔水澤化学工業
(株);商品名MIZUKASILP−740、比表面
積400m2/g、細孔容積2.40ml/g〕をSi
2として最終触媒組成物の重量基準で10%となるよ
うに加えて混合した以外は、実施例1の方法と全く同様
にして触媒組成物Dを調製した。この触媒の性状を表2
に示す。
【0029】実施例3 実施例3においては、平均粒子径4.6μmで平均細孔
直径50nmのホワイトカーボン〔シオノギ製薬
(株);商品名カープレックス♯80D、比表面積16
9m2/g、細孔容積2.34ml/g〕をSiO2とし
て最終触媒組成物の重量基準で10%となるように加え
て混合した以外は、実施例1の方法と全く同様にして触
媒組成物Eを調製した。この触媒の性状を表2に示す。
【0030】実施例4 実施例4においては、平均粒子径7.5μmで平均細孔
直径80nmのホワイトカーボン〔シオノギ製薬
(株);商品名カープレックス♯1120、比表面積1
09m2/g、細孔容積2.09ml/g〕をSiO2
して最終触媒組成物の重量基準で10%となるように加
えて混合した以外は、実施例1の方法と全く同様にして
触媒組成物Fを調製した。この触媒の性状を表2に示
す。
【0031】比較例1 ホワイトカーボンを添加しなかった以外は実施例1と同
様の方法で触媒を調製した。すなわち、触媒の調製は市
販の3号水硝子を希釈してSiO2濃度12.73wt
%の水溶液とし、また、これとは別に濃度25wt%の
硫酸を調製した。この希釈水硝子溶液と硫酸溶液をそれ
ぞれ20リットル/分、5.6リットル/分の割合で連
続的に混合して、シリカヒドロゾルを調製した。このシ
リカヒドロゾルにカオリンを、その含有量が最終触媒組
成物の重量基準で55%となるように、また、擬ベーマ
イトアルミナ水和物スラリーをAl23として5%とな
るように加え混合した。なお、シリカビトロゾルによる
SiO2量は最終触媒組成物の重量基準で20%であ
る。次いで、アンモニウムイオンでイオン交換した格子
定数24.55Åの超安定性Y型ゼオライトを水に懸濁
して濃度28wt%の水性スラリーを調製し、これを前
述の無機酸化物マトリックス前駆体にゼオライトの含有
量が最終触媒組成物の重量基準で20%になるように加
えて混合した。この混合水性スラリーを噴霧乾燥して微
小球状粒子を調製した。次いで、該微小球状粒子中のN
2O含有量が0.5wt%以下になるまで洗浄した
後、酸化物基準でLa23 49wt%およびCe23
24wt%を含有する混合希土類の塩化希土類水溶液に
60℃で浸漬した後、洗浄、乾燥してRE23として
1.75wt%の希土類成分を含有する触媒組成物Gを
調製した。この触媒の性状を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】実施例5 実施例1〜4および比較例1の触媒組成物A〜Gのそれ
ぞれについて、各触媒にニッケルおよびバナジウムをN
i+V量(V/Ni=2)3000ppm沈着させ、A
STM MATにより性能評価を行った。すなわち、各
触媒を予め600℃で1時間焼成した後、所定量のナフ
テン酸ニッケルおよびナフテン酸バナジウムのベンゼン
溶液を各触媒に吸着させ、次いで100℃で乾燥後、6
00℃で1.5時間焼成した。しかる後、擬平衡化する
ため、各触媒を770℃で6時間スチーム処理し、再度
600℃で1時間焼成した。こうして予備処理された各
触媒を用いて、次の反応条件で触媒/油(重量比)を
3.0、3.5、4.0と変えて反応させ、転化率66
%一定で評価した。 反応条件 原料油 脱硫常圧残油 反応温度 550℃ 空間速度 40hr-1 評価結果を表3〜4に示す。
【0034】
【表3】 1) 沸点範囲C5〜180℃ 2) light cycle oil;沸点範囲180〜360℃ 3) heavy cycle oil;沸点範囲360℃以上 * 液収率=ガソリン+LCO
【0035】
【表4】
【0036】比較例の触媒Gに比べて本発明の触媒A〜
Fは、ガソリン、LCO(light cycle o
il)の液収率が高く、HCO(heavy cycl
eoil)が少ないことが表3、4から分かる。また、
液収率/HCOの比から本発明の触媒はボトム分解能に
優れていることが分かる。
【0037】
【効果】本発明の炭化水素接触分解用触媒組成物は、通
常の炭化水素の接触分解反応条件で使用することがで
き、残油分解能に優れ、水素、コークの生成量が少なく
ガソリンや灯軽油留分の収率が高いなどの優れた効果を
示す。
【0038】以下に本発明の実施態様項を列記する。 (1)結晶性アルミノシリケートゼオライトと無機酸化
物マトリックスとからなる炭化水素接触分解用触媒組成
物であって、該触媒組成物は細孔直径3.6〜500n
mの細孔容積が0.20〜0.70ml/gの範囲にあ
り、かつ、細孔分布が、 であることを特徴とする炭化水素接触分解用触媒組成
物。 (2)比表面積が100〜300m2/gである前項1
記載の炭化水素接触分解用触媒組成物。 (3)嵩比重(ABD)が0.6〜1.0g/mlであ
る前項1または2記載の炭化水素接触分解用触媒組成
物。 (4)耐摩耗性が0.5wt%/hr以下である前項
1、2または3記載の炭化水素接触分解用触媒組成物。 (5)平均粒子径が40〜100μmの範囲にある前項
1、2、3または4記載の炭化水素接触分解用触媒組成
物。 (6)結晶性アルミノシリケートゼオライトと、シリカ
ゾル、カオリン、含水微粉ケイ酸および所望により擬ベ
ーマイトアルミナ水和物を含有する無機酸化物マトリッ
クス前駆体との水性混合物を噴霧乾燥することを特徴と
する炭化水素接触分解用触媒組成物の製造方法。 (7)前記マトリックス前駆体が、無機酸化物マトリッ
クス基準でシリカゾルをSiO2として10〜50wt
%、カオリンを20〜80wt%、含水微粉ケイ酸をS
iO2として3〜30wt%、擬ベーマイトアルミナ水
和物をAl23として0〜30wt%よりなるものであ
る前項6記載の炭化水素接触分解用触媒組成物の製造方
法。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性アルミノシリケートゼオライトと
    無機酸化物マトリックスとからなる炭化水素接触分解用
    触媒組成物であって、該触媒組成物は細孔直径3.6〜
    500nmの細孔容積が0.20〜0.70ml/gの
    範囲にあり、かつ、細孔分布が、 であることを特徴とする炭化水素接触分解用触媒組成
    物。
  2. 【請求項2】 (A)結晶性アルミノシリケートゼオラ
    イトと、(B)シリカゾル、カオリンおよび含水微粉ケ
    イ酸を含有する無機酸化物マトリックス前駆体、との水
    性混合物を噴霧乾燥することを特徴とする炭化水素接触
    分解用触媒組成物の製造方法。
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