JPH10126200A - チップ型圧電部品及びその製造方法 - Google Patents

チップ型圧電部品及びその製造方法

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JPH10126200A
JPH10126200A JP29738896A JP29738896A JPH10126200A JP H10126200 A JPH10126200 A JP H10126200A JP 29738896 A JP29738896 A JP 29738896A JP 29738896 A JP29738896 A JP 29738896A JP H10126200 A JPH10126200 A JP H10126200A
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JP
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plate
chip
type piezoelectric
insulating resin
piezoelectric element
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JP29738896A
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Noboru Isaki
暢 伊崎
Kensaku Murakawa
健作 村川
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チップ型圧電部品を構成する圧電素子板の振
動部に空洞を確保するため、圧電素子板又は封止板の振
動部を除いた部分に樹脂層を形成し、これらを接着して
いた。しかし、チップ型圧電部品を基板等に実装する際
の加熱により樹脂層が変形し易く、振動部に空洞が十分
に確保されないという課題があった。また端子電極が十
分に露出していないので、外部電極を形成した際に断線
が生ずるという課題もあった。また封止板にセラミック
スを使用すると焼成歪みにより空洞部に位置ずれが生
じ、振動部に空洞が確保されないという課題もあった。 【解決手段】 圧電素子板11の辺部以外の部分に振動
電極13、辺部に端子電極15を形成し、一方絶縁性樹
脂板21の振動電極13に対向する部分を含む箇所に振
動部用貫通孔22、端子電極15に対向する部分に端子
電極用切欠部23を形成した後、各部品を積層、接着し
てチップ型圧電部品を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチップ型圧電部品及
びその製造方法に関し、より詳細には振動電極等が形成
された圧電素子板の両主面にそれぞれ素子保護用の封止
板が積層されてなるチップ型圧電部品及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧電素子板の保護、あるいは
不要振動(スプリアス)の抑制を目的として、振動電極
が形成された圧電素子板の両主面に樹脂又は無機材料よ
りなる封止板が接着され、これら圧電素子板及び封止板
の周囲に実装用の外部電極が形成されたチップ型圧電部
品が用いられている。
【0003】例えば、特開昭59−110217号公報
には、振動電極等の電極が形成された圧電素子板の両主
面に、前記振動電極を含む振動部に空洞部が形成される
ように加工が施された封止板が接着されたチップ形状の
圧電振動部品、並びに振動電極等の電極が多数形成され
たマザー圧電基板に、前記振動部に空洞部が形成される
ように加工が施された大面積の封止板を接着し、その
後、各部品の単位毎に切断して圧電振動部品を製造する
圧電振動部品の製造方法が開示されている。
【0004】上記圧電振動部品によれば、圧電振動部品
を小型化することができると同時に、実装スペースの削
減を図ることができるという効果を有する。また、上記
圧電振動部品の製造方法によれば、マザー基板から多数
個の部品を切り出すことができ、チップ形状の圧電振動
部品を効率よく量産することができるという効果を有す
る。さらに上記構成の圧電振動部品では、封止板と圧電
素子板が接着あるいは融着されることにより気密性が保
たれる(すなわち、封止が良好に行われる)ので、圧電
素子が外部環境に触れることなく保護され、また、振動
部の周囲に空洞が形成されているので不要振動が除去さ
れるという効果も有する。
【0005】また、特開平3−210809号公報に
も、圧電素子板の振動空間を除く部分に絶縁体膜が形成
され、封止板と前記圧電素子板とが積層されたチップ状
の圧電部品が開示されている。上記チップ状の圧電部品
によれば、前記絶縁体膜を直接圧電素子の上に形成する
ことができるため、振動空間の位置精度が高まり、作業
性も向上するという効果を有する。
【0006】また、実開昭63−83497号公報に
は、上記と同じ構造のチップ型圧電部品を構成する封止
板に無機質材料を使用した例が開示されている。このよ
うなチップ型圧電部品においては、実装する際の半田の
リフロー等による熱の影響により、チップ型圧電部品が
破損したり、圧電素子の特性が変化して電気特性が劣化
することを防止することができるという効果を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来例を参照
し、小型化されたチップ型圧電部品を効率よく製造する
方法の一つとして、振動部分に空洞が形成されるように
加工が施された無機質材料からなる封止板に樹脂層を形
成し、この樹脂層を有する封止板に多数の電極が形成さ
れたマザー圧電基板を接着、積層する方法が考えられ
る。
【0008】しかしながら、上記方法を採用した場合、
空洞部分となる封止板上の樹脂層が形成されていない部
分と、圧電基板上に形成された振動部分とが必ずしも一
致しないため、要求される電気特性を満足しないチップ
型圧電部品が製造されてしまう場合がある。これは、無
機質からなる封止板の製造の際、焼成工程における焼成
炉内の微妙な温度分布に起因し、収縮率が一様でない保
護板が製造されてしまうためである。チップ型圧電部品
用の封止板に要求される焼成後の寸法誤差は1/500
程度以内であるが、上記精度を満足するような製造プロ
セスを実現させるのは難しい。
【0009】そこで、振動部以外の部分に樹脂等をスク
リーン印刷等により塗布して絶縁体膜を形成した圧電素
子板と、無機質材料よりなる封止板とを積層してチップ
型圧電部品を製造する方法が考えられる。上記方法で
は、封止板に高い寸法精度は要求されず、絶縁体膜を直
接圧電素子板上に形成するため、振動空間をかなり高い
精度で形成することができる。
【0010】しかしながら、実際には絶縁体膜を安定し
た固相状態にするために、加熱等の手段を用いて後処理
する必要があり、さらに、絶縁体膜の上から封止板を接
着あるいは融着させるため、これらの工程において絶縁
体膜材料の反応や熱等のために変形が生じ、要求される
寸法精度を確保できず、その結果として圧電素子板に挿
入損失等が生じ、電気特性が悪化するという課題があっ
た。また、上記チップ型圧電部品においては、圧電素子
板の辺部に形成された端子電極上にも絶縁体膜を形成す
るため、前記チップ型圧電部品の側面には端子電極の厚
み部分のみが露出することになり、外部電極との確実な
接続が難しいという課題もあった。
【0011】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、圧電素子板の振動部の周囲に精度よく空洞部
を形成することができ、また圧電素子板の端子電極と実
装用の外部電極との接続を確実に行うことができる、小
型で信頼性に優れたチップ型圧電部品、及び該チップ型
圧電部品を安価に製造することができるチップ型圧電部
品の製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために本発明に係るチップ型圧電部品(1)
は、圧電素子板の両主面に、該圧電素子板の振動部に対
向する部分に貫通孔が形成された絶縁性樹脂板が接着さ
れ、さらに前記圧電素子板に接着された前記絶縁性樹脂
板の接着面に対向する面に封止板が接着されていること
を特徴としている。
【0013】上記チップ型圧電部品(1)によれば、圧
電素子板の振動電極を含む振動部の周囲に空洞部を精度
よく形成することができるため、前記振動部を良好に振
動させることができるとともに、不要振動(スプリア
ス)を抑制することができ、小型で信頼性に優れたチッ
プ型圧電部品を提供することができる。
【0014】また本発明に係るチップ型圧電部品(2)
は、上記チップ型圧電部品(1)において、圧電素子板
の辺部を除いた部分に振動電極が、辺部に端子電極がそ
れぞれ形成され、絶縁性樹脂板の前記振動電極に対向す
る部分を含む箇所に貫通孔が、前記端子電極に対向する
部分に切欠部がそれぞれ形成されていることを特徴とし
ている。
【0015】上記チップ型圧電部品(2)によれば、振
動部を十分に振動させることができるとともに、絶縁性
樹脂板の端子電極に対応する部分に切欠部が形成されて
いるため、外部電極と端子電極との接触面積を大きくと
ることができ、前記端子電極と前記外部電極との接続を
確実に行うことができる。
【0016】また本発明に係るチップ型圧電部品(3)
は、上記チップ型圧電部品(1)又は(2)において、
絶縁性樹脂板がエポキシ樹脂、ガラス繊維強化エポキシ
樹脂又はフェノール樹脂からなることを特徴としてい
る。
【0017】また本発明に係るチップ型圧電部品(4)
は、上記チップ型圧電部品(1)〜(3)のいずれかに
おいて、絶縁性樹脂板の厚みが50〜200μmである
ことを特徴としている。
【0018】上記チップ型圧電部品(3)〜(4)によ
れば、圧電素子板の振動部の周囲の空洞を十分に大きく
とることができるので、圧電素子板をより良好に振動さ
せることができるとともに、不要振動(スプリアス)を
より確実に抑制することができる。
【0019】また本発明に係るチップ型圧電部品(5)
は、上記チップ型圧電部品(1)〜(4)のいずれかに
おいて、封止板が酸化物系セラミックスからなることを
特徴としている。
【0020】また本発明に係るチップ型圧電部品(6)
は、上記チップ型圧電部品(5)において、封止板がア
ルミナセラミックスからなることを特徴としている。
【0021】上記チップ型圧電部品(5)〜(6)によ
れば、圧電素子板に形成された電極や圧電素子板自身へ
の湿気等の侵入を防止すべく封止を確実に行うことがで
き、耐久性に優れたチップ型圧電部品を提供することが
できる。
【0022】また本発明に係るチップ型圧電部品(7)
は、上記チップ型圧電部品(1)〜(6)のいずれかに
おいて、圧電素子板と絶縁性樹脂板、及び絶縁性樹脂板
と封止板がエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコー
ン樹脂系又はイミド樹脂系の接着剤により接着されてい
ることを特徴としている。
【0023】上記チップ型圧電部品(7)によれば、圧
電素子板の封止を確実に行うことができるとともに、前
記チップ型圧電部品の厚みを一定に保つことができるた
め、基板等への実装において前記チップ型圧電部品の厚
みが厚すぎるために実装しにくくなる等の不都合が生じ
ることがない。
【0024】また本発明に係るチップ型圧電部品の製造
方法は、圧電素子を構成する電極が多数形成された大形
の圧電基板の両主面に絶縁性樹脂板を接着し、さらに該
絶縁性樹脂板の接着面に対向する面に封止板を接着した
後、各部品の単位毎に切断することを特徴としている。
【0025】上記チップ型圧電部品の製造方法によれ
ば、一度に大量のチップ型圧電部品を製造することがで
きるので、大量生産による製造コストの削減を図ること
ができ、安価なチップ型圧電部品を提供することができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るチップ型圧電
部品及びその製造方法の実施の形態を図面に基づいて説
明する。
【0027】図1(a)は実施の形態に係るチップ型圧
電部品を模式的に示した斜視図であり、(b)は前記チ
ップ型圧電部品を構成する圧電素子板を模式的に示した
斜視図であり、(c)は前記チップ型圧電部品を構成す
る絶縁性樹脂板を模式的に示した斜視図である。
【0028】(a)に示したように、積層方向の中央に
位置する圧電素子板11の両主面に絶縁性樹脂板21が
接着され、上側の絶縁性樹脂板21の上面、及び下側の
絶縁性樹脂板21の下面にそれぞれ封止板25が接着さ
れている。また、チップ型圧電部品10の左右の端部に
はそれぞれ入出力用外部電極16が、中間部には接地用
外部電極17が形成されている。
【0029】(b)に示したように、チップ型圧電部品
10を構成する圧電素子板11の上面には、該上面を相
似形状に4分割した際の左手前側、及び右手前側のほぼ
中央部に、それぞれ矩形状の振動電極13が形成され、
これらの振動電極13は左右の辺部11aに形成された
帯状の端子電極15と、引出電極14を介して接続され
ている。また、左右の振動電極13の間には中継容量電
極18が形成されており、この中継容量電極18は、中
央に位置する縦長の帯状部18a、帯状部18aの左右
で、振動電極13に対向する位置に振動電極13とほぼ
同じ大きさに形成された矩形部18b、及び帯状部18
aと矩形部18bとを接続する接続部18cにより構成
されている。圧電素子板11の下面には、上面の帯状部
18aに対向する部分に形成された帯状部19a、上面
の矩形部18bと振動電極13とに対向する部分を含む
箇所に形成された矩形部19b、及び帯状部19aと矩
形部19bを手前側で接続する接続部19cにより構成
される接地用電極19が形成されている。また、接地用
電極19の帯状部19aは手前側、及び向こう側の辺1
1bにまで延設されている。
【0030】(c)に示したように、絶縁性樹脂板21
の、圧電素子板11に形成された振動電極13及び矩形
部18bを含む部分に対向する部分には、矩形状の振動
部用貫通孔22が形成され、また圧電素子板11に形成
された端子電極15に対向する部分には、端子電極用切
欠部23が形成されている。
【0031】このため、(a)に示したチップ型圧電部
品10を構成する圧電素子板11の振動部(振動電極1
3及び矩形部18bを含む部分)の上下面には絶縁性樹
脂板21が存在せず、空洞が形成されているため、動作
時には良好に圧電素子板11を振動させることができ、
不要振動(スプリアス)を抑制することができる。ま
た、絶縁性樹脂板21の左右の端部には、端子電極用切
欠部23が形成されているので、端子電極15が露出
し、入出力用外部電極16との接続を確実に行うことが
できる。また、最外層は酸化物セラミックス等よりなる
封止板25が接着されており、圧電素子板11は封止板
25により気密に封止されているので、チップ型圧電部
品10を実装した後、圧電素子板11の性能が湿気等に
より劣化することはない。
【0032】圧電素子板11の材質は、特に限定される
ものではないが、例えばPZT系の圧電セラミックスが
好ましく、その厚みは、フィルタの使用周波数により決
定される。また、圧電素子板11上には、例えばAg、
Cu、Cr等の金属を含む電極を形成するのが好まし
い。
【0033】絶縁性樹脂板21は、絶縁性樹脂板21を
介して異なる電極間に電流が流れないようなものが好ま
しく、またチップ型圧電部品10を基板等に表面実装す
る際の加熱でも変質しないよう、耐熱性を有するものが
好ましい。絶縁性樹脂板21の材料としては、例えばエ
ポキシ樹脂、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、フェノール
樹脂等が挙げられる。また、絶縁性樹脂板21の厚み
は、圧電振動素子板11の振動空間を確保し、かつチッ
プ型圧電部品10自体の厚みをなるべく薄くすることが
できるよう、50〜200μmであるのが好ましい。絶
縁性樹脂板21には、所定部分に貫通孔や切欠部を形成
する必要があるが、高い寸法精度で貫通孔等を形成する
方法を採用するのが好ましい。例えばグリーンシート等
に貫通孔を形成する際に使用されるパンチング法によれ
ば、1/1000mm以上の精度で貫通孔を形成するこ
とができるため、前記パンチング法が好ましい。
【0034】封止板25は、絶縁性樹脂板21を介して
接着される圧電素子板11を湿気等から確実に保護する
ことができるように、酸化物セラミックス等のセラミッ
クスが好ましく、具体的にはアルミナ、ムライト、ジル
コニア等が好ましい。通常のプレス成形法やグリーンシ
ートを形成する方法により形成された薄板を焼成するこ
とにより実用的に十分な平坦度を有する封止板25を製
造することができるが、必要によっては、さらにラッピ
ング等の加工処理を施すことにより、その平坦性を改善
することもできる。
【0035】圧電素子板11と絶縁性樹脂板21、及び
絶縁性樹脂板21と封止板25を接着する方法として
は、接着剤を塗布した後すぐに接着するか、あるいは接
着剤を塗布した後一旦固化させ、積層した後に加熱して
融着させる方法が挙げられる。上記方法に使用される接
着剤としては、湿気等に対する耐久性を有し、かつチッ
プ型圧電部品10を実装する際の加熱によっても劣化し
ないように耐熱性に優れるものが好ましい。これらの条
件を満足する接着剤としては、例えばエポキシ樹脂系、
アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系、イミド樹脂系等が
挙げれられるが、その中でもエポキシ樹脂系の接着剤が
好ましい。圧電素子板11と絶縁性樹脂板21とを接着
するには絶縁性樹脂板21に接着剤を塗布して接着する
方法が好ましい。上記方法によると、圧電素子板11の
振動電極13や端子電極15には接着剤が付着せず、振
動電極13や端子電極15に接着剤が付着して電気特性
が損なわれるのを防止することができる。
【0036】圧電素子板11に上記構成の電極を形成す
ることにより、チップ型圧電部品10は2段2重モード
の圧電フィルタとなる。しかし、本発明に係るチップ型
圧電部品10は上記構成のフィルタに限定されるもので
はなく、レゾネータや別の構成のフィルタ等であっても
よい。
【0037】チップ型圧電部品10を製造するには、大
形の圧電基板12の両主面に所定形状の振動電極13、
端子電極15等のパターンを多数形成し、次に、同じ大
きさの絶縁性樹脂板21及び封止板25を順次積層、接
着した後、各部品単位毎に切断する。前記切断により、
圧電素子板11の左右の端部には端子電極15が露出す
る。そこで、前記端部にディップ法やスクリーン印刷等
により入出力用外部電極16用ペースト層を形成し、さ
らに中央部分にスクリーン印刷等により接地用外部電極
17用ペースト層を形成した後、加熱することにより入
出力用外部電極16、及び接地用外部電極17を形成す
る。その後、電解メッキを行って電極部分に選択的に金
属膜を形成し、電極の耐久性、半田濡れ性を向上させ
る。外部電極の材料としては、銀−パラジウムペースト
焼き付け電極、スズメッキ、亜鉛メッキ等が挙げられ
る。
【0038】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係るチップ型圧電
部品及びその製造方法の実施例を説明する。また、比較
例として、従来の方法によりチップ型圧電部品を製造
し、実施例に係るチップ型圧電部品との特性の比較を行
った。
【0039】<実施例1に係るチップ型圧電部品の製造
> 圧電素子板11の製造 圧電材料:PZT系(PbTiO3 −PbZrO3 −P
b(Sn,Sb)O3 ) 製造方法:通常の方法により作製した成形体を焼成した
後、さらに分極処理を施し、平板状にスライス 電極材料:Ag 電極の構成:図1(b)に示した圧電素子板11の場合
と同様 電極の形成方法:Agを蒸着法により形成した後、電極
部分にレジストを印刷、エッチングした後、レジストを
除去することにより形成 圧電素子板11に形成された電極の等価回路:図2に示
す(二段二重モードの圧電フィルタ回路) 圧電素子板11の寸法 縦:7mm、横:3mm、厚
み:200μm 絶縁性樹脂板21の作製 材料:ガラス強化エポキシ樹脂 絶縁性樹脂板21 縦、横:圧電素子板と同様、厚み:
80μm 振動部用貫通孔22の形状 縦:1.3mm、横:1.
0mm 端子電極用切欠部23用貫通孔の形状 縦:1.0m
m、横:0.25mm 貫通孔の形成方法:パンチング法 封止板25の製造 材料:アルミナセラミックス 製造方法:アルミナグリーンシートを焼成 封止板25の寸法 縦、横:圧電素子板25と同様、厚
み:400μm チップ型圧電部品10の作製 以下の方法により、100個のチップ型圧電部品を製造
した。
【0040】(i) 絶縁性樹脂板21にエポキシ系接着剤
をスクリーン印刷により塗布し、圧電素子板11の両主
面に積層、加熱することにより接着。
【0041】(ii)接着された絶縁性樹脂板21の接着面
に対向する面に、同様の方法で接着剤を塗布し、封止板
25を積層、加熱することにより接着。
【0042】(iii) 積層体をチップ型圧電部品10の一
単位になるように、ダイシングマシーンにより切断。
【0043】(iv)端子電極15が露出した端部はディッ
ピングにより、中央部分はスクリーン印刷により導電性
樹脂層を形成し、その後加熱することにより硬化させて
外部電極を形成。
【0044】(V) スズ等の金属イオンを含む電解質溶液
中に入れ、回転させながら通電することにより電極部分
に電解メッキ処理を施す。
【0045】<評価方法>以下の、の項目について
評価を行った、その結果を下記の表1に示している。
【0046】 振動部の面積の測定 絶縁性樹脂板21を圧電素子板11の両面に接着した
後、振動空間が確保されているか否かを確かめるため、
振動部の縦、横の大きさを測定し、平均値を振動部の面
積とした。設計した振動部の大きさは縦1.3mm、横
1.0mmで、面積は1.3mm2 である。
【0047】 回路の断線、及び特性の測定 全てのチップ型圧電部品についてネットワークアナライ
ザによるフィルタ特性の測定を行い、フィルタ波形が得
られるかを否かを調査した後、フィルタ波形が得られた
ものについては、通過帯域の挿入損失を算出し、挿入損
失が3dB以下のものを良品、それを越えるものを不良
品としてそれぞれの数を数えた。
【0048】<比較例に係るチップ型圧電部品の製造> [比較例1]実施例1の場合と同様に圧電素子板11、
封止板25を製造し、絶縁性樹脂板21は使用せず、圧
電素子板11の両面の振動部を除く部分にエポキシ樹脂
をスクリーン印刷により塗布、加熱し、固化させて樹脂
層を形成した。次に、この樹脂層の表面(両面)にそれ
ぞれエポキシ樹脂からなる接着剤をスクリーン印刷によ
り塗布し、封止板25を積層、接着した。
【0049】その後は実施例1の場合と同様にチップ型
圧電部品を製造し、その特性を評価した。
【0050】[比較例2]圧電素子板11の振動部と、
端子電極15の一部とを除いた部分に樹脂層を形成した
他は、比較例1の場合と同様にして圧電素子板を製造
し、その特性を評価した。
【0051】[比較例3]実施例1の場合と同様に圧電
素子板11を製造した。次に、振動部と端子電極15に
相当する部分の一部にパンチングにより貫通孔を形成し
た厚みが300μmのアルミナグリーンシートと、孔開
け加工を施さない厚み300μmのアルミナグリーンシ
ートを積層、圧着した後、焼成して封止板31とし、そ
の後は実施例の場合と同様に封止板31と圧電素子板1
1の接着、切断を行い、得られたチップ型圧電部品の特
性の評価を行った。
【0052】図2は、比較例3に係るチップ型圧電部品
を構成する封止板を模式的に示した斜視図である。この
封止板31は、実施例1に係るチップ型圧電部品10の
絶縁性樹脂板21と封止板25とが接着された形状にな
っており、絶縁性樹脂板21の振動部用貫通孔22に相
当する部分に振動部用凹部32が形成され、端子電極用
切欠部23に相当する部分に端子電極用切欠部33が形
成されている。
【0053】振動部の面積の測定は、振動部用凹部32
について同様に行った。また、焼結の均一性を調査する
ため、別に作製した封止板31用のグリーンシートを部
品単位毎に切断して焼成し、封止板31の2つの長辺の
長さの比率、2つの短辺の長さの比率を各単位毎に算出
して平均し、これを収縮歪みとした。また、特性の測定
は実施例1の場合と同様に行った。
【0054】
【表1】
【0055】表1に示した結果より明らかなように、実
施例1の場合には、振動部の周囲にほぼ正確に空洞が形
成されているため、フィルタ特性不良のものが余り発生
しておらず、また端子電極15が十分に露出しているた
めに入出力用外部電極16との接続が良好で断線が発生
しておらず、製品歩留りが86%と高い。一方、比較例
1や比較例3の場合には、断線が多く発生しており、フ
ィルタ特性が良好でないものも多く、製品歩留りは46
%(比較例1)、65%(比較例2)、58%(比較例
3)と大きく低下している。
【0056】比較例1の場合に断線が発生したのは、端
子電極15の上全体に樹脂層を形成しているので、端子
電極15の露出部分が極めて少なく、入出力用外部電極
16との接続がうまくいかななかったためと考えられ
る。また、比較例3の場合には、収縮歪みが7/100
0と大きかったため、端子電極用切欠部33の位置が端
子電極15からずれ、断線が生じたと考えられる。ま
た、比較例1〜3のいずれの場合においても、樹脂層の
熱変形や位置ずれのため、振動部の周囲に空洞が十分に
確保されておらず、フィルタ特性に不良が多く発生して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態に係るチップ型圧
電部品を模式的に示した斜視図であり、(b)は前記チ
ップ型圧電部品を構成する圧電素子板を示した斜視図で
あり、(c)は同じく前記チップ型圧電部品を構成する
絶縁性樹脂板を示した斜視図である。
【図2】比較例3に係るチップ型圧電部品を構成する封
止板を模式的に示した斜視図である。
【符号の説明】
10 チップ型圧電部品 11 圧電素子板 12 圧電基板 13 振動電極 15 端子電極 21 絶縁性樹脂板 22 振動部用貫通孔 23 端子電極用切欠部 25 封止板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子板の両主面に、該圧電素子板の
    振動部に対向する部分に貫通孔が形成された絶縁性樹脂
    板が接着され、さらに前記圧電素子板に接着された前記
    絶縁性樹脂板の接着面に対向する面に封止板が接着され
    ていることを特徴とするチップ型圧電部品。
  2. 【請求項2】 圧電素子板の辺部を除いた部分に振動電
    極が、辺部に端子電極がそれぞれ形成され、絶縁性樹脂
    板の前記振動電極に対向する部分を含む箇所に貫通孔
    が、前記端子電極に対向する部分に切欠部がそれぞれ形
    成されていることを特徴とする請求項1記載のチップ型
    圧電部品。
  3. 【請求項3】 絶縁性樹脂板がエポキシ樹脂、ガラス繊
    維強化エポキシ樹脂又はフェノール樹脂からなることを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載のチップ型圧電部
    品。
  4. 【請求項4】 絶縁性樹脂板の厚みが50〜200μm
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に
    記載のチップ型圧電部品。
  5. 【請求項5】 封止板が酸化物系セラミックスからなる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の
    チップ型圧電部品。
  6. 【請求項6】 封止板がアルミナセラミックスからなる
    ことを特徴とする請求項5記載のチップ型圧電部品。
  7. 【請求項7】 圧電素子板と絶縁性樹脂板、及び絶縁性
    樹脂板と封止板がエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シ
    リコーン樹脂系又はイミド樹脂系の接着剤により接着さ
    れていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項
    に記載のチップ型圧電部品。
  8. 【請求項8】 圧電素子を構成する電極が多数形成され
    た大形の圧電基板の両主面に絶縁性樹脂板を接着し、さ
    らに該絶縁性樹脂板の接着面に対向する面に封止板を接
    着した後、各部品の単位毎に切断することを特徴とする
    請求項1〜7記載のチップ型圧電部品の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103985815A (zh) * 2014-05-30 2014-08-13 中南大学 一种制备压电纤维复合物的切割方法

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