JPH10125904A - 炭化珪素半導体装置 - Google Patents

炭化珪素半導体装置

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JPH10125904A
JPH10125904A JP27512896A JP27512896A JPH10125904A JP H10125904 A JPH10125904 A JP H10125904A JP 27512896 A JP27512896 A JP 27512896A JP 27512896 A JP27512896 A JP 27512896A JP H10125904 A JPH10125904 A JP H10125904A
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trench
oxide film
thermal oxide
layer
gate
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Mitsuhiro Kataoka
光浩 片岡
Takamasa Suzuki
孝昌 鈴木
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トレンチゲート型SiCパワーMOSFET
においてオン抵抗を低減する。 【解決手段】 n+ 型単結晶SiC基板1は、六方晶系
SiC(0001−)カーボン面を表面とし、基板1上
にn- 型エピタキシャル層2とp型エピタキシャル層3
が積層されている。p型エピタキシャル層3内にn+
ース領域5が形成され、このn+ ソース領域5とp型エ
ピタキシャル層3を貫通してn- 型エピタキシャル層2
に達するトレンチ6が形成されている。トレンチ6内に
は、薄いゲート熱酸化膜7aと厚いゲート熱酸化膜7b
が形成され、その上にゲート電極層8が形成されてい
る。ここで、図1(b)に示すA、B、Cの深さ方向の
位置関係をA<B<Cにすることにより、チャネル形成
時に、n- 型エピタキシャル層2のチャネル出口領域2
aに電子が十分蓄積され、オン抵抗が小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素半導体装
置に関し、例えば、絶縁ゲート型電界効果トランジス
タ、とりわけ大電力用の縦型MOSFET等として用い
ることができるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化珪素(以下、SiCという)
半導体装置をトレンチゲート型のSiCパワーMOSF
ETに用いたものが、特開平7−326755号公報、
あるいは特開平8−70124号公報に開示されてい
る。このSiCパワーMOSFETは、低オン抵抗、高
耐圧等の優れた特性を有するものである。図9(a)
に、その断面構成を示す。
【0003】表面の面方位が(0001−)カーボン面
である六方晶系のn+ 型単結晶SiCの半導体基板1
(低抵抗半導体層)の上に、n- 型エピタキシャル層
(高抵抗半導体層)2とp型エピタキシャル層3が順次
積層されている。p型エピタキシャル層3の表面4にお
ける所定領域には、半導体領域としてのn+ ソース領域
5が形成されている。また、p型エピタキシャル層3の
表面4の所定位置にトレンチ(溝)6が形成されてい
る。このトレンチ6は、n+ ソース領域5とp型エピタ
キシャル層3を貫通してn- 型エピタキシャル層2に達
し、p型エピタキシャル層3の表面に垂直な側面6aお
よびp型エピタキシャル層3の表面に平行な底面6bを
有する。
【0004】トレンチ6の内部には、ゲート熱酸化膜7
を介してゲート電極層8が配置されている。ゲート熱酸
化膜7は、トレンチ6の側面6aに形成される薄いゲー
ト熱酸化膜7aと、トレンチ6の底面6bおよびn+
ース領域5上に形成される厚いゲート熱酸化膜7b、7
cからなる。このようにトレンチ6の側面6aと底面6
bのゲート酸化膜厚が異なるのは、六方晶系の(000
1−)カーボン面は、他の面に比べて熱酸化速度が大き
いためである。
【0005】なお、トレンチ6の側面6aのゲート熱酸
化膜7aを薄くすることによって、しきい値電圧を低く
でき(例えば2V)、トレンチ6の底面6bのゲート熱
酸化膜7bを厚くすることによって、ゲート・ドレイン
間の耐圧を高く(例えば500V以上)し寄生容量を低
減して高速動作を行わせることができる。また、ゲート
電極層8は、リンがドープされた第1のポリシリコン層
8aと第2のポリシリコン層8bからなる。ゲート電極
層8上には、層間絶縁膜9が配置されている。さらに、
層間絶縁膜9上を含めたn+ ソース領域5の表面および
p型エピタキシャル層3の表面には、第1の電極層とし
てのソース電極層10が配置され、このソース電極層1
0はn+ ソース領域5とp型エピタキシャル層3に共に
接している。
【0006】また、SiC基板1の裏面には、SiC基
板1に接する第2の電極層としてのドレイン電極層11
が設けられている。上記構成において、トレンチ6の側
面6aでのp型エピタキシャル層3の表面がチャネルと
なっており、ゲート電極8に正電圧が印加されてチャネ
ルが形成されると、ソース・ドレイン間に電流が流れ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示の技術においては、チャネル形成部分での具体
的構成について十分な検討が行われていない。本発明者
等は、この点について鋭意検討を行ったところ、トレン
チ6内には薄いゲート熱酸化膜7aと厚いゲート熱酸化
膜7bが形成されるため、図9(b)のチャネル部分の
拡大図に示すように、厚いゲート熱酸化膜7bは、屈曲
した形状になる。ここで、p型エピタキシャル層3とn
- 型エピタキシャル層2の境界位置をA、厚いゲート熱
酸化膜7bの屈曲位置をB、薄いゲート熱酸化膜7aと
厚いゲート熱酸化膜7bとが接する位置をCとしたと
き、深さ方向の位置関係がA>Cになるように、p型エ
ピタキシャル層3の厚さ、トレンチ6の深さ、厚いゲー
ト熱酸化膜7bの膜厚が設定されると、n- 型エピタキ
シャル層2のチャネル出口領域2aの上には熱いゲート
熱酸化膜7bが形成されるため、チャネル形成時にチャ
ネル出口領域2aに電子が十分蓄積されず、蓄積抵抗が
大きくなり、その結果、オン抵抗が大きくなってしまう
ことが判明した。
【0008】従って、本発明は、上述したSiC半導体
装置においてオン抵抗を低減することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、高抵抗半導体層
と第2導電型の半導体層の境界位置をA、トレンチの側
部に形成されたゲート熱酸化膜とトレンチの底部に形成
されたゲート熱酸化膜とが接する位置をCとしたとき、
A、Cの深さ方向の位置関係がA<Cになるように設定
したことを特徴としている。
【0010】従って、半導体基板のチャネル出口領域上
に、トレンチの側部に形成された薄いゲート熱酸化膜が
形成されるため、チャネル形成時にチャネル出口領域に
電子が十分蓄積される。従って、蓄積抵抗が小さくな
り、オン抵抗を小さくすることができる。また、請求項
2に記載の発明のように、トレンチの底部に形成された
厚いゲート熱酸化膜の屈曲位置をBとしたとき、A、
B、Cの深さ方向の位置関係がA<B<Cになるように
設定したことを特徴としている。
【0011】この場合、チャネル出口領域上で薄いゲー
ト熱酸化膜が形成される領域が大きくなるため、そのチ
ャネル出口領域での電子の蓄積量が大きくなり、オン抵
抗をより低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1(a)に、本実施形態に係るS
iCパワーMOSFETの断面図を示す。その基本的な
構成は、図から分かるように図9(a)に示すものと同
じである。しかしながら、本実施形態においては、図1
(b)のチャネル部分の拡大図に示すように、A、B、
Cの深さ方向の位置関係がA<B<Cになるように、p
型エピタキシャル層3の厚さ、トレンチ6の深さ、厚い
ゲート熱酸化膜7bの膜厚が設定されている。
【0013】このような設定にすることにより、n-
エピタキシャル層2のチャネル出口領域2a上に薄いゲ
ート熱酸化膜7aが形成され、チャネル形成時にチャネ
ル出口領域2aに電子が十分蓄積されるため、蓄積抵抗
が小さくなり、その結果、オン抵抗が小さくなる。次
に、上記したトレンチゲート型パワーMOSFETの製
造工程を、図2〜図8を用いて、詳細に説明する。
【0014】まず、図2に示すように、表面の面方位が
(0001−)カーボン面である低抵抗のn+ 型単結晶
SiCの半導体基板1を用意する。そして、その表面
に、キャリア密度が1×1016cm-3程度で厚さが3〜
4μmのn- 型エピタキシャル層2と、キャリア密度が
1×1017cm-3程度で厚さが2μmのp型エピタキシ
ャル層3を順次積層する。このようにして、半導体基板
1、n- 型エピタキシャル層2、p型エピタキシャル層
3とからなるSiC基板100を構成する。この場合、
半導体基板1の結晶軸を、SiC基板100の表面に垂
直な軸に対し約3.5°〜8°傾けてあるため、p型エ
ピタキシャル層3の主表面の面方位は、略(0001
−)カーボン面となる。
【0015】続いて、図3に示すように、p型エピタキ
シャル層3に対しマスク材12を用いてイオン注入法に
より表面のキャリア濃度が1×1019cm-3程度で接合
深さが0.5μmのn+ ソース領域5を形成する。次
に、マスク材12を除去した後、図4に示すように、マ
スク材13を用いて反応性イオンエッチング(RIE)
法により、n+ ソース領域5とp型エピタキシャル層3
を貫通しn- 型エピタキシャル層2に達する深さ2.7
μmのトレンチ6を形成する。このトレンチ6は、p型
エピタキシャル層3の表面に垂直な側面6aおよびp型
エピタキシャル層3の表面に平行な底面6bを有する。
【0016】この後、図5に示すように、熱酸化法によ
りトレンチ内壁に犠牲酸化膜としての熱酸化膜15を1
100℃で5時間程度の熱酸化工程により形成する。こ
の熱酸化により、RIE法で形成されたトレンチ内壁の
ダメージ層が酸化される。なお、熱酸化膜15は、トレ
ンチ6の側面6aで厚さ50nm、トレンチ6の底面6
bに厚さ500nmになる。
【0017】そして、図6に示すように、この熱酸化膜
15を弗酸により除去した後、マスク材13を除去す
る。この熱酸化膜15を除去することにより、トレンチ
内壁のダメージ層を除去する。次に、図7に示すよう
に、熱酸化法によりゲート熱酸化膜7を1100℃で5
時間程度の一度の熱酸化工程により形成する、この熱酸
化によりトレンチ6の側面6aに位置する厚さが50n
mの薄いゲート熱酸化膜7aと、トレンチ6の底面6b
に位置する厚さが500nmの厚いゲート熱酸化膜7b
が形成される。さらに、n+ ソース領域5上には厚さが
500nmの厚いゲート熱酸化膜7cが形成される。
【0018】ここで、p型エピタキシャル層3の厚さが
2μm、トレンチ6の深さが2.7μm、厚いゲート熱
酸化膜7bの厚さが500nmであるため、p型エピタ
キシャル層3とn- 型エピタキシャル層2の境界位置
A、厚いゲート熱酸化膜7bの屈曲位置B、薄いゲート
熱酸化膜7aと厚いゲート熱酸化膜7bとが接する位置
Cの、深さ方向の位置関係がA<B<Cになる。
【0019】続いて、図8に示すように、トレンチ6内
を、第1及び第2ポリシリコン層8a、8bにより順次
埋め戻す。この後、第1及び第2ポリシリコン層8a、
8b上を含めたゲート熱酸化膜7上に、CVD法により
層間絶縁層9を形成し、ソースコンタクト予定位置のn
+ソース領域5とp型エピタキシャル層3の表面上にあ
るゲート熱酸化膜7と層間絶縁層9を除去する。そし
て、n+ ソース領域5とp型エピタキシャル層3及び層
間絶縁層9上にソース電極層10を形成するとともに、
+ 型単結晶SiC基板1の裏面にドレイン電極層11
を形成して、図1(a)に示すSiCパワーMOSFE
Tを完成させる。
【0020】上記した製造方法によれば、トレンチ6内
のダメージ層を犠牲酸化によって除去しているから、ト
レンチ6の内壁にダメージ層がなく、かつトレンチ6の
底部のコーナー部に丸みが付けられた構造となる。従っ
て、p型エピタキシャル層3の表面がチャネルとなっ
て、ソース・ドレイン間に電流が流れる際のMOS界面
特性を向上でき、またトレンチ6の底部のコーナー部に
丸みが付けられているのでゲート・ドレイン間の耐圧を
高くすることができる。
【0021】なお、特開平7−326755号公報に
は、上記した犠牲酸化を行わずに縦型パワーMOSFE
Tを製造するものが開示されているが、そのような製造
方法であっても、上記したA<B<Cの関係を満たすも
のであれば、上記したのと同様の効果を得ることができ
る。また、A、Bの深さ方向の位置関係は、A<Bでな
くA>Bであってもよいが、A<Bとした方が、チャネ
ル出口領域2a上で薄いゲート熱酸化膜7aが形成され
る領域が大きくなるため、その領域2aでの電子の蓄積
量が大きくなり、オン抵抗をより低減することができ
る。
【0022】また、トレンチ6の側面は半導体表面に対
して垂直であるものに限らず、RIE法の条件を変更し
て、トレンチ6の側面に対し所望の傾斜角度を有するも
のであってもよい。なお、本明細書において、六方晶系
の単結晶SiCの面方位を表す場合、本来ならば所要の
数字の上にバーを付した表現をとるべきであるが、表現
手段に制約があるため、所要の数字の上にバーを付す表
現の代わりに、所要数字の後ろに「−」を付して表現し
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す縦型パワーMOSF
ETの断面図である。
【図2】図1に示す縦型パワーMOSFETの製造工程
を説明するための断面図である。
【図3】図2に続く製造工程を説明するための断面図で
ある。
【図4】図3に続く製造工程を説明するための断面図で
ある。
【図5】図4に続く製造工程を説明するための断面図で
ある。
【図6】図5に続く製造工程を説明するための断面図で
ある。
【図7】図6に続く製造工程を説明するための断面図で
ある。
【図8】図7に続く製造工程を説明するための断面図で
ある。
【図9】従来の縦型パワーMOSFETの断面図であ
る。
【符号の説明】
1…低抵抗半導体層としての半導体基板、2…高抵抗半
導体層としてのn- 型エピタキシャル層、3…第2導電
型の半導体層としてのp型エピタキシャル層、5…半導
体領域としてのn+ ソース領域、6…トレンチ、6a…
側面(側部)、6b…底面(底部)、7…ゲート熱酸化
膜、8…ゲート電極層、10…第1の電極層としてのソ
ース電極層、11…第2の電極層としてのドレイン電極
層、100…SiC基板。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の低抵抗半導体層と第1導電
    型の高抵抗半導体層と第2導電型の半導体層とが順次積
    層され、かつ前記第2導電型の半導体層の主表面の面方
    位が略(0001−)カーボン面である六方晶系の単結
    晶炭化珪素よりなる半導体基板と、 前記第2導電型の半導体層の表面の所定領域に形成され
    た第1導電型の半導体領域と、 前記主表面から前記半導体領域と前記第2導電型の半導
    体層を貫通して前記高抵抗半導体層に達し、側部および
    底部を有するトレンチと、 前記トレンチの側部および底部に形成され、かつ前記ト
    レンチの側部での膜厚に比べ前記トレンチの底部での膜
    厚の方が厚いゲート熱酸化膜と、 前記トレンチ内における前記ゲート熱酸化膜の内側に形
    成されたゲート電極層と、 前記主表面のうち少なくとも前記半導体領域の一部の表
    面上に形成された第2導電型の電極層と、 前記半導体基板の裏面側に形成された第2の電極層とを
    備え、 前記高抵抗半導体層と前記第2導電型の半導体層の境界
    位置をA、前記トレンチの側部に形成されたゲート熱酸
    化膜と前記トレンチの底部に形成されたゲート熱酸化膜
    とが接する位置をCとしたとき、A、Cの深さ方向の位
    置関係がA<Cになるように設定されていることを特徴
    とする炭化珪素半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記トレンチの底部に形成されたゲート
    熱酸化膜は屈曲形状をしており、その屈曲位置をBとし
    たとき、A、B、Cの深さ方向の位置関係がA<B<C
    になるように設定されていることを特徴とする請求項1
    に記載の炭化珪素半導体装置。
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