JPH10125521A - 異方性造粒粉の製造方法 - Google Patents
異方性造粒粉の製造方法Info
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- JPH10125521A JPH10125521A JP8297174A JP29717496A JPH10125521A JP H10125521 A JPH10125521 A JP H10125521A JP 8297174 A JP8297174 A JP 8297174A JP 29717496 A JP29717496 A JP 29717496A JP H10125521 A JPH10125521 A JP H10125521A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成形時の粉体の優れた流動性を有し、成形体
の寸法精度の向上および成形サイクルの短縮化を図り、
かつ成形時の配向磁界強度が低いときでも磁気特性の優
れた焼結磁石を製造できる異方性造粒粉の製造方法の提
供。 【解決手段】 磁界中で造粒した異方性造粒粉に、造粒
時の磁界強度を越えない最大磁界強度をもつ交番減衰磁
界を印加して消磯することにより、残留磁化をl0G以
下にして、流動性のすぐれた異方性造粒粉を得る。
の寸法精度の向上および成形サイクルの短縮化を図り、
かつ成形時の配向磁界強度が低いときでも磁気特性の優
れた焼結磁石を製造できる異方性造粒粉の製造方法の提
供。 【解決手段】 磁界中で造粒した異方性造粒粉に、造粒
時の磁界強度を越えない最大磁界強度をもつ交番減衰磁
界を印加して消磯することにより、残留磁化をl0G以
下にして、流動性のすぐれた異方性造粒粉を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、R‐Fe‐B系
磁石やR‐Co系磁石などの焼結永久磁石の成形に用い
る異方性造粒粉の製造方法に係り、残磁を有する異方性
造粒粉に交番減衰磁界を印加して消磁を行うことによ
り、異方性造粒粉の粉体の流動性を向上させて成形体の
寸法精度の向上および成形サイクルの短縮化を図り、か
つ成形時に低磁界で配向させて磁気特性の優れた焼結磁
石を製造できる異方性造粒粉の製造方法に関する。
磁石やR‐Co系磁石などの焼結永久磁石の成形に用い
る異方性造粒粉の製造方法に係り、残磁を有する異方性
造粒粉に交番減衰磁界を印加して消磁を行うことによ
り、異方性造粒粉の粉体の流動性を向上させて成形体の
寸法精度の向上および成形サイクルの短縮化を図り、か
つ成形時に低磁界で配向させて磁気特性の優れた焼結磁
石を製造できる異方性造粒粉の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家電製品、コンピュータの周辺機器、お
よび自動車等には多くのモーターやアクチュエーター等
が用いられている。今日、これらの最終製品には、携帯
性を高めるため、あるいは省エネルギーを推進するため
小型化、軽量化への要求が高まっている。それに伴い、
モーターやアクチュエーター等に組み込まれる永久磁石
材料には、より高性能でかつ小型形状、あるいは薄肉形
状に対応できるものが求められている。
よび自動車等には多くのモーターやアクチュエーター等
が用いられている。今日、これらの最終製品には、携帯
性を高めるため、あるいは省エネルギーを推進するため
小型化、軽量化への要求が高まっている。それに伴い、
モーターやアクチュエーター等に組み込まれる永久磁石
材料には、より高性能でかつ小型形状、あるいは薄肉形
状に対応できるものが求められている。
【0003】現代の代表的な焼結永久磁石としては、フ
ェライト磁石、R‐Co系磁石、そして、出願人が先に
提案したR‐Fe‐B系磁石(特公昭61‐34242
号等)が挙げられる。上記の中でも、特に、R‐Co系
磁石やR‐Fe‐B系磁石等の希土類磁石は、他の磁石
材料に比べて磁気特性が格段に優れているため、各種用
途に多用されている。
ェライト磁石、R‐Co系磁石、そして、出願人が先に
提案したR‐Fe‐B系磁石(特公昭61‐34242
号等)が挙げられる。上記の中でも、特に、R‐Co系
磁石やR‐Fe‐B系磁石等の希土類磁石は、他の磁石
材料に比べて磁気特性が格段に優れているため、各種用
途に多用されている。
【0004】上記の希土類含有磁石、例えばR‐Fe−
B系焼結磁石は、最大エネルギー積(BH)maxが4
0MGOeを越え、最大では50MGOeを越える極め
て優れた磁気特性を有する。このような高特性を発現さ
せるためには、所要組成からなる合金を1〜10μm程
度の平均粒度に粉砕し、磁界中で成形後、焼結すること
が必要となる。これは、平均粒度が10μmを越える
と、焼結後の結晶粒径が粗大化し、実用的な保磁力が得
られなくなるためである。
B系焼結磁石は、最大エネルギー積(BH)maxが4
0MGOeを越え、最大では50MGOeを越える極め
て優れた磁気特性を有する。このような高特性を発現さ
せるためには、所要組成からなる合金を1〜10μm程
度の平均粒度に粉砕し、磁界中で成形後、焼結すること
が必要となる。これは、平均粒度が10μmを越える
と、焼結後の結晶粒径が粗大化し、実用的な保磁力が得
られなくなるためである。
【0005】また、該希土類含有合金粉末の粒度を小さ
くすると粉末の流動性が低下する。このため、圧縮成型
工程におけるダイス内への原料粉の供給量のバラツキが
大きくなり、成形体および焼結体の寸法バラツキをもた
らす。すなわち、乾式成形法においてダイス内に原料粉
を一定量だけ自動的に供給するには、一般に、一定容積
のキャビティー内に原料を自然落下させる方法によって
いる。
くすると粉末の流動性が低下する。このため、圧縮成型
工程におけるダイス内への原料粉の供給量のバラツキが
大きくなり、成形体および焼結体の寸法バラツキをもた
らす。すなわち、乾式成形法においてダイス内に原料粉
を一定量だけ自動的に供給するには、一般に、一定容積
のキャビティー内に原料を自然落下させる方法によって
いる。
【0006】しかし、原料粉の流動性が低い場合、粉体
がキャビティー内で架橋現象を起こし易くなる。架橋現
象とは、粉体が隔壁間に強固なアーチ構造を形成する現
象であり、一旦架橋が形成されると、それより下の空間
へは粉体が移動できなくなるため、架橋の上下で密度差
が生じる。また、架橋現象はランダムに起こり、圧縮成
形の各サイクルで架橋の有無が発生するため、原料粉の
供給量を一定に制御することが困難となるのである。
がキャビティー内で架橋現象を起こし易くなる。架橋現
象とは、粉体が隔壁間に強固なアーチ構造を形成する現
象であり、一旦架橋が形成されると、それより下の空間
へは粉体が移動できなくなるため、架橋の上下で密度差
が生じる。また、架橋現象はランダムに起こり、圧縮成
形の各サイクルで架橋の有無が発生するため、原料粉の
供給量を一定に制御することが困難となるのである。
【0007】上述の架橋現象は、キャビティーの深さが
深い程、また、キャビティーの閉口部の面積が小さい程
起こり易い。特に、キャビティーの開口部が極めて小さ
い場合は、自然落下によってキャビティー内へ原料粉を
供給することは全く不可能である。したがって、寸法精
度がよい小型形状の製品を粉末成形法で工業的に製造す
るには、原料粉の流動性の改善が不可欠である。
深い程、また、キャビティーの閉口部の面積が小さい程
起こり易い。特に、キャビティーの開口部が極めて小さ
い場合は、自然落下によってキャビティー内へ原料粉を
供給することは全く不可能である。したがって、寸法精
度がよい小型形状の製品を粉末成形法で工業的に製造す
るには、原料粉の流動性の改善が不可欠である。
【0008】粉体の流動性の改善方法としては一般に造
粒が行われている。しかし、通常の造粒法で得られる造
粒粉は1次粒子の結晶方位がバラバラな等方性の造粒粉
であるため、磁界中での配向性が悪く、成形時の配向磁
界が低いと残留磁化や最大エネルギー積が低くなるとい
う問題点があった。
粒が行われている。しかし、通常の造粒法で得られる造
粒粉は1次粒子の結晶方位がバラバラな等方性の造粒粉
であるため、磁界中での配向性が悪く、成形時の配向磁
界が低いと残留磁化や最大エネルギー積が低くなるとい
う問題点があった。
【0009】そこで、出願人は先に、R‐Fe‐B系合
金やR‐Co系合金などの希土類含有合金からなる原料
粉の流動性を改善し、なおかつ低い配向磁界でも高い磁
気特性が得られる異方性造粒粉の製造方法を提案した
(特開平8−20801号)。この方法は、磁性粉末と
溶媒とを混練してスラリー状となし、噴霧乾燥法により
造粒粉となす際に、アトマイザー(微粒化装置)にスラ
リーを供給する配管に磁界を印加してスラリー中に含ま
れる磁性粉末を磁界配向したり、あるいは、永久磁石を
用いた磁気回路で構成される回転ディスク型アトマイザ
ーにより噴霧される直前のスラリーに磁界を印加して磁
性粉末を磁界配向したり、あるいは、これらの方法を併
用することにより、1次粒子の結晶方位のよく揃った異
方性造粒粉を得るものである。
金やR‐Co系合金などの希土類含有合金からなる原料
粉の流動性を改善し、なおかつ低い配向磁界でも高い磁
気特性が得られる異方性造粒粉の製造方法を提案した
(特開平8−20801号)。この方法は、磁性粉末と
溶媒とを混練してスラリー状となし、噴霧乾燥法により
造粒粉となす際に、アトマイザー(微粒化装置)にスラ
リーを供給する配管に磁界を印加してスラリー中に含ま
れる磁性粉末を磁界配向したり、あるいは、永久磁石を
用いた磁気回路で構成される回転ディスク型アトマイザ
ーにより噴霧される直前のスラリーに磁界を印加して磁
性粉末を磁界配向したり、あるいは、これらの方法を併
用することにより、1次粒子の結晶方位のよく揃った異
方性造粒粉を得るものである。
【0010】さらに、出願人らは先に、より配向度の優
れた異方性造粒粉を得る方法として、磁性粉末と溶媒と
を混練してスラリー状となし、噴霧乾燥法により造粒粉
となす際に、回転ディスク型やノズル型のアトマイザー
から噴出された液滴状のスラリーが通過する位置に磁界
を発生させ、該液滴に磁界を印加して粉末を磁気配向さ
せながら、同時に乾燥固化させる異方性造粒粉の製造方
法と装置を提案した(特願平8‐126526号)。
れた異方性造粒粉を得る方法として、磁性粉末と溶媒と
を混練してスラリー状となし、噴霧乾燥法により造粒粉
となす際に、回転ディスク型やノズル型のアトマイザー
から噴出された液滴状のスラリーが通過する位置に磁界
を発生させ、該液滴に磁界を印加して粉末を磁気配向さ
せながら、同時に乾燥固化させる異方性造粒粉の製造方
法と装置を提案した(特願平8‐126526号)。
【0011】また、異方性造粒粉を作製する別の方法と
して、磁性粉末を磁界中で配向しながら成形し、逆向き
の磁界を印加して脱磁した後に、配向された成形体を解
砕する方法もある。
して、磁性粉末を磁界中で配向しながら成形し、逆向き
の磁界を印加して脱磁した後に、配向された成形体を解
砕する方法もある。
【0012】これらの方法で得られる異方性の造粒粉
は、等方性の造粒粉と異なり、個々の2次粒子を構成す
る1次粒子の結晶方位が揃っていることが特徴で、この
ため、磁界中での配向性が向上し、高い残留磁化と最大
エネルギー積を有する焼結磁石を得ることが可能とな
る。
は、等方性の造粒粉と異なり、個々の2次粒子を構成す
る1次粒子の結晶方位が揃っていることが特徴で、この
ため、磁界中での配向性が向上し、高い残留磁化と最大
エネルギー積を有する焼結磁石を得ることが可能とな
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発明者らは、
上記の方法で作製された異方性造粒粉には以下の問題点
があることを知見した。すなわち、上記の製造方法にお
いては、1次粒子を配向するために磁界を印加する必要
がある。ところが、個々の1次粒子はわずかながら保磁
力を有しているので、配向のための磁界を取り去った後
でも残磁が残る。特に、異方性造粒粉の場合は1次粒子
の向きが揃っているため、造粒粉全体の残磁は大きくな
る。
上記の方法で作製された異方性造粒粉には以下の問題点
があることを知見した。すなわち、上記の製造方法にお
いては、1次粒子を配向するために磁界を印加する必要
がある。ところが、個々の1次粒子はわずかながら保磁
力を有しているので、配向のための磁界を取り去った後
でも残磁が残る。特に、異方性造粒粉の場合は1次粒子
の向きが揃っているため、造粒粉全体の残磁は大きくな
る。
【0014】また、磁性粉末を磁界中で配向しながら成
形し、逆向きの磁界を印加して脱磁した後に、配向され
た成形体を解砕して異方性造粒粉を得る場合でも、逆磁
界によって脱磁を完全に行うことは困難であり、造粒粉
に残磁が残りやすい。このような残磁があると、造粒粉
の配向軸の両端に磁極が発生するため、造粒粉同士が互
いに付着し易くなり流動性が低下する。このため、磁界
を用いて配向した異方性造粒粉では、造粒の本来の目的
である流動性の改善が図り難いという問題点があった。
形し、逆向きの磁界を印加して脱磁した後に、配向され
た成形体を解砕して異方性造粒粉を得る場合でも、逆磁
界によって脱磁を完全に行うことは困難であり、造粒粉
に残磁が残りやすい。このような残磁があると、造粒粉
の配向軸の両端に磁極が発生するため、造粒粉同士が互
いに付着し易くなり流動性が低下する。このため、磁界
を用いて配向した異方性造粒粉では、造粒の本来の目的
である流動性の改善が図り難いという問題点があった。
【0015】この発明は、磁界中で造粒した異方性造粒
粉の残磁を低減し、圧縮成型時の粉体の流動性が高く、
成形体の寸法精度の向上および成形サイクルの短縮化を
図り、かつ低い配向磁界で成形しても磁気特性の優れた
成形体および焼結体を製造できる異方性造粒粉の製造方
法の提供を目的とする。
粉の残磁を低減し、圧縮成型時の粉体の流動性が高く、
成形体の寸法精度の向上および成形サイクルの短縮化を
図り、かつ低い配向磁界で成形しても磁気特性の優れた
成形体および焼結体を製造できる異方性造粒粉の製造方
法の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】発明者らは、磁界中で造
粒した異方性造粒粉の消磁方法について種々検討した結
果、該異方性造粒粉に最大強度を限定した交番減衰磁界
を印加すると効果的な消磁が可能であり、残磁による流
動性の低下を抑制できることを知見した。また、発明者
らは、上述の消磁用の磁界を印加する際に、ソレノイド
型のコイルを用い、かつコイルの中心に異方性造粒粉を
供給すると、交番減衰磁界の印加中に造粒粉が固定さ
れ、さらに効果的な消磁処理が可能であることを知見
し、この発明を完成した。
粒した異方性造粒粉の消磁方法について種々検討した結
果、該異方性造粒粉に最大強度を限定した交番減衰磁界
を印加すると効果的な消磁が可能であり、残磁による流
動性の低下を抑制できることを知見した。また、発明者
らは、上述の消磁用の磁界を印加する際に、ソレノイド
型のコイルを用い、かつコイルの中心に異方性造粒粉を
供給すると、交番減衰磁界の印加中に造粒粉が固定さ
れ、さらに効果的な消磁処理が可能であることを知見
し、この発明を完成した。
【0017】すなわち、この発明は、磁界中で造粒され
た残磁を有する異方性造粒粉末に、磁界の最大強度が造
粒時の印加磁界を越えない交番減衰磁界を印加して消磁
し、流動性の高い造粒粉を得る異方性造粒粉の製造方法
である。
た残磁を有する異方性造粒粉末に、磁界の最大強度が造
粒時の印加磁界を越えない交番減衰磁界を印加して消磁
し、流動性の高い造粒粉を得る異方性造粒粉の製造方法
である。
【0018】また、この発明は、上記の製造方法におい
て、ソレノイド型のコイルにより磁界を発生させ、被消
磁造粒粉をコイルの空心内に供給する製造方法、残磁を
有する異方性造粒粉末が希土類含有合金粉末である製造
方法を併せて提案する。
て、ソレノイド型のコイルにより磁界を発生させ、被消
磁造粒粉をコイルの空心内に供給する製造方法、残磁を
有する異方性造粒粉末が希土類含有合金粉末である製造
方法を併せて提案する。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明において、対象とする磁
石成形用粉末は、結晶磁気異方性を有するものであれば
何でも適用可能であるが、中でもR‐Fe‐B系合金粉
末や、R‐Co系合金粉末などの希土類含有合金粉末が
最も適している。希土類含有合金粉末としては、単一の
所要組成からなる合金を粉砕した粉末や、異なる組成の
合金を粉砕した後、混合して所要組成に調整した粉末、
保磁力の向上や生産性を改善するために添加元素を加え
たものなど、公知の希土類含有合金粉末を用いることが
できる。
石成形用粉末は、結晶磁気異方性を有するものであれば
何でも適用可能であるが、中でもR‐Fe‐B系合金粉
末や、R‐Co系合金粉末などの希土類含有合金粉末が
最も適している。希土類含有合金粉末としては、単一の
所要組成からなる合金を粉砕した粉末や、異なる組成の
合金を粉砕した後、混合して所要組成に調整した粉末、
保磁力の向上や生産性を改善するために添加元素を加え
たものなど、公知の希土類含有合金粉末を用いることが
できる。
【0020】希土類含有合金粉末の製造方法には、鋳造
粉砕法、超急冷法、直接還元拡散法、水素含有崩壊法、
アトマイズ法等の公知の方法を適宜選択することができ
る。合金粉末の粒径は特に限定しないが、合金粉末の平
均粒径が1μm未満では大気中の酸素、あるいは、溶媒
と反応して酸化し易くなり、焼結後の磁気特性を低下さ
せるため好ましくなく、また、10μmを越える平均粒
径では粒径が大きすぎて焼結密度が低下するため好まし
くない。よって、1〜10μmの平均粒径が好ましい範
囲である。より好ましい範囲は1〜6μmである。
粉砕法、超急冷法、直接還元拡散法、水素含有崩壊法、
アトマイズ法等の公知の方法を適宜選択することができ
る。合金粉末の粒径は特に限定しないが、合金粉末の平
均粒径が1μm未満では大気中の酸素、あるいは、溶媒
と反応して酸化し易くなり、焼結後の磁気特性を低下さ
せるため好ましくなく、また、10μmを越える平均粒
径では粒径が大きすぎて焼結密度が低下するため好まし
くない。よって、1〜10μmの平均粒径が好ましい範
囲である。より好ましい範囲は1〜6μmである。
【0021】この発明において、異方性造粒粉を作製す
る方法は特に限定しないが、好ましい実施形態として
は、磁性粉末を磁界中で成形した成形体を解砕する方
法、スラリーを磁界配向しながら噴霧造粒する方法、磁
性粉末を磁界配向しながらバインダーを噴霧して流動撹
拌造粒する方法などがある。
る方法は特に限定しないが、好ましい実施形態として
は、磁性粉末を磁界中で成形した成形体を解砕する方
法、スラリーを磁界配向しながら噴霧造粒する方法、磁
性粉末を磁界配向しながらバインダーを噴霧して流動撹
拌造粒する方法などがある。
【0022】成形体を解砕する方法においては、まず磁
性粉末を磁界中で成形し、必要に応じて逆磁界を印加し
て脱磁した後、これを解砕して異方性造粒粉を得る。成
形時の磁界は1kOeより低いと充分な配向度が得られ
ないので、1kOe以上が好ましい。磁界の印加方法
は、磁気回路を構成する電磁石に直流定常電流、また
は、パルス電流を流すか、あるいは永久磁石からなる磁
気回路を用いるなど適宜選択できる。脱磁処理のための
逆磁界の強度は、成形時の磁界強度や、使用する磁性粉
末の保磁力に応じて、残磁ができるだけ小さくなるよう
に調整することが望ましい。
性粉末を磁界中で成形し、必要に応じて逆磁界を印加し
て脱磁した後、これを解砕して異方性造粒粉を得る。成
形時の磁界は1kOeより低いと充分な配向度が得られ
ないので、1kOe以上が好ましい。磁界の印加方法
は、磁気回路を構成する電磁石に直流定常電流、また
は、パルス電流を流すか、あるいは永久磁石からなる磁
気回路を用いるなど適宜選択できる。脱磁処理のための
逆磁界の強度は、成形時の磁界強度や、使用する磁性粉
末の保磁力に応じて、残磁ができるだけ小さくなるよう
に調整することが望ましい。
【0023】成形体の成形方法は圧縮成型によるが、一
方向圧縮、または等方性圧縮などの既知の成形技術を適
宜選択できる。成形圧力は、成形体が充分な強度を持つ
ように1.0Ton/cm2以上の圧力で成形すること
が好ましい。また、成形体の強度を高めるために、予め
磁性粉末にバインダーを添加しておくのも好ましい実施
形態である。
方向圧縮、または等方性圧縮などの既知の成形技術を適
宜選択できる。成形圧力は、成形体が充分な強度を持つ
ように1.0Ton/cm2以上の圧力で成形すること
が好ましい。また、成形体の強度を高めるために、予め
磁性粉末にバインダーを添加しておくのも好ましい実施
形態である。
【0024】成形体の解砕には、微粉末の発生を抑制す
るために粉砕エネルギーの低い解砕機を用いるのが好ま
しい。また、解砕されない大きな固まりが残らないよう
にメッシュなどの分級機構を内蔵する解砕機を用いるの
が好ましい。
るために粉砕エネルギーの低い解砕機を用いるのが好ま
しい。また、解砕されない大きな固まりが残らないよう
にメッシュなどの分級機構を内蔵する解砕機を用いるの
が好ましい。
【0025】スラリーを磁界配向しながら噴霧造粒する
方法においては、磁性粉末に溶媒、およびバインダーを
添加、混合してスラリーとなし、これを噴霧造粒する際
に磁界を印加しながら造粒して異方性造粒粉を得る。磁
性粉末として希土類含有合金粉末を用いる場合には、溶
媒には水を、バインダーにはメチルセルロース、ポリア
クリルアミド、ポリビニルアルコールのうち少なくとも
1種を用いることが好ましい。
方法においては、磁性粉末に溶媒、およびバインダーを
添加、混合してスラリーとなし、これを噴霧造粒する際
に磁界を印加しながら造粒して異方性造粒粉を得る。磁
性粉末として希土類含有合金粉末を用いる場合には、溶
媒には水を、バインダーにはメチルセルロース、ポリア
クリルアミド、ポリビニルアルコールのうち少なくとも
1種を用いることが好ましい。
【0026】バインダーの含有量は、希土類含有合金粉
末に対して0.05wt%未満では造粒粉中の粒子間の
結合力が弱く、成形前の給粉時に造粒粉が壊れて粉体の
流動性が著しく低下し、また、0.5wt%を越えると
焼結体の残留炭素量と酸素量が増加して保磁力が下がり
磁気特性が劣化するので、0.05〜0.5wt%の含
有量がこれらの点で好ましい。
末に対して0.05wt%未満では造粒粉中の粒子間の
結合力が弱く、成形前の給粉時に造粒粉が壊れて粉体の
流動性が著しく低下し、また、0.5wt%を越えると
焼結体の残留炭素量と酸素量が増加して保磁力が下がり
磁気特性が劣化するので、0.05〜0.5wt%の含
有量がこれらの点で好ましい。
【0027】噴霧造粒法においてスラリーに磁界を印加
する方法としては、スラリーの供給用配管の外部から磁
界を印加する方法、永久磁石による磁気回路で構成され
た回転ディスク型アトマイザー(微粒化装置)を用いて
噴霧する直前のスラリーに磁界を印加する方法、アトマ
イザーから噴霧された液滴が通過する位置に磁界を発生
させておき磁界配向する方法などがあり、またこれらを
併用してもよい。いずれの場合にも、配向度の高い異方
性造粒粉を得るにはスラリーに印加される配向磁界強度
は1.0kOe以上であることが好ましい。
する方法としては、スラリーの供給用配管の外部から磁
界を印加する方法、永久磁石による磁気回路で構成され
た回転ディスク型アトマイザー(微粒化装置)を用いて
噴霧する直前のスラリーに磁界を印加する方法、アトマ
イザーから噴霧された液滴が通過する位置に磁界を発生
させておき磁界配向する方法などがあり、またこれらを
併用してもよい。いずれの場合にも、配向度の高い異方
性造粒粉を得るにはスラリーに印加される配向磁界強度
は1.0kOe以上であることが好ましい。
【0028】磁性粉末を磁界中で流動撹拌造粒する方法
においては、磁性粉末を所定の容積を持ち撹拌羽根と通
気口、および排気口を設けた流動槽内に装填し、撹拌羽
根による回転と通気口からの流動ガスにより磁性粉末を
流動撹拌しながら、流動槽の外部から磁界を印加して磁
性粉末を配向し、同時に磁性粉末にバインダーを噴霧添
加することにより異方性造粒粉を得る。
においては、磁性粉末を所定の容積を持ち撹拌羽根と通
気口、および排気口を設けた流動槽内に装填し、撹拌羽
根による回転と通気口からの流動ガスにより磁性粉末を
流動撹拌しながら、流動槽の外部から磁界を印加して磁
性粉末を配向し、同時に磁性粉末にバインダーを噴霧添
加することにより異方性造粒粉を得る。
【0029】通気口から流動槽内に導入されるガスは、
磁性粉末を撹拌して流動層を形成し、転動造粒作用をも
たらすと共に、バインダーの乾燥を行う。磁性粉末が希
土類含有合金粉末である場合は、このガスには窒素ガ
ス、または不活性ガスを用いることが好ましい。
磁性粉末を撹拌して流動層を形成し、転動造粒作用をも
たらすと共に、バインダーの乾燥を行う。磁性粉末が希
土類含有合金粉末である場合は、このガスには窒素ガ
ス、または不活性ガスを用いることが好ましい。
【0030】流動槽の外部から磁界を印加する方法は、
電磁石あるいは永久磁石のいずれによってもよいが、配
向度の充分に高い異方性造粒粉を得るには印加する磁界
強度は1.0kOe以上であることが好ましい。また、
電磁石を用いる場合にはパルス磁界を印加するのも好ま
しい実施形態である。
電磁石あるいは永久磁石のいずれによってもよいが、配
向度の充分に高い異方性造粒粉を得るには印加する磁界
強度は1.0kOe以上であることが好ましい。また、
電磁石を用いる場合にはパルス磁界を印加するのも好ま
しい実施形態である。
【0031】バインダーの添加は、異方性造粒粉に充分
な強度を与えるために必要であるが、その含有量はスプ
レー造粒の場合と同じく、希土類含有合金粉末に対して
0.05wt%未満では造粒粉中の粒子間の結合力が弱
く、成形前の給粉時に造粒粉が壊れて粉体の流動性が著
しく低下し、また、0.5wt%を越えると焼結体の残
留炭素量と酸素量が増加して保磁力が下がり磁気特性が
劣化するので、0.05〜0.5wt%の含有量が好ま
しい。バインダーの添加方法としては、バインダーを適
当な溶媒に溶解し、流動槽の上部に設けたスプレーノズ
ルから噴霧するのが最も簡便である。
な強度を与えるために必要であるが、その含有量はスプ
レー造粒の場合と同じく、希土類含有合金粉末に対して
0.05wt%未満では造粒粉中の粒子間の結合力が弱
く、成形前の給粉時に造粒粉が壊れて粉体の流動性が著
しく低下し、また、0.5wt%を越えると焼結体の残
留炭素量と酸素量が増加して保磁力が下がり磁気特性が
劣化するので、0.05〜0.5wt%の含有量が好ま
しい。バインダーの添加方法としては、バインダーを適
当な溶媒に溶解し、流動槽の上部に設けたスプレーノズ
ルから噴霧するのが最も簡便である。
【0032】この発明に用いる異方性造粒粉の粒径は、
それぞれの製造方法の製造条件を調整することによって
制御することができるが、造粒粉の平均粒径が20μm
未満では造粒粉の流動性がほとんど向上せず、また、平
均粒径が400μmを越えると粒径が大き過ぎて成形時
の金型内への充填密度が低下するとともに成形体密度も
低下し、ひいては、焼結密度の低下を来たすことになる
ので好ましくなく、よって、造粒粉の平均粒径は20〜
400μmが好ましい。より好ましい範囲は50〜20
0μmである。
それぞれの製造方法の製造条件を調整することによって
制御することができるが、造粒粉の平均粒径が20μm
未満では造粒粉の流動性がほとんど向上せず、また、平
均粒径が400μmを越えると粒径が大き過ぎて成形時
の金型内への充填密度が低下するとともに成形体密度も
低下し、ひいては、焼結密度の低下を来たすことになる
ので好ましくなく、よって、造粒粉の平均粒径は20〜
400μmが好ましい。より好ましい範囲は50〜20
0μmである。
【0033】以上に、各種の方法による異方性造粒粉の
好ましい製造条件について述べてきたが、上述の製造方
法によって得られ、所定の平均粒径を有し、配向した異
方性造粒粉は、着磁された状態となっているので、その
ままでは、造粒粉同士が凝集して粉体の流動性が低下し
ている。したがって、成形前に該造粒粉の磁気を消磁す
る必要がある。
好ましい製造条件について述べてきたが、上述の製造方
法によって得られ、所定の平均粒径を有し、配向した異
方性造粒粉は、着磁された状態となっているので、その
ままでは、造粒粉同士が凝集して粉体の流動性が低下し
ている。したがって、成形前に該造粒粉の磁気を消磁す
る必要がある。
【0034】造粒粉の消磁には交番減衰磁界を用いるの
が好ましい。交番減衰磁界とは、時間経過とともに磁界
の向きが正方向と逆方向に交互に切り替わりながら、か
つその最大強度が徐々に減少するような磁界である。交
番減衰磁界を発生させるには、最も簡単にはコイルに交
流電流を流しながら、その電流値を徐々に減少させる
か、コイルと被消磁物との距離を徐々に長くするなどの
方法を適宜用いることができる。
が好ましい。交番減衰磁界とは、時間経過とともに磁界
の向きが正方向と逆方向に交互に切り替わりながら、か
つその最大強度が徐々に減少するような磁界である。交
番減衰磁界を発生させるには、最も簡単にはコイルに交
流電流を流しながら、その電流値を徐々に減少させる
か、コイルと被消磁物との距離を徐々に長くするなどの
方法を適宜用いることができる。
【0035】交番減衰磁界の最大強度が造粒時の磁界強
度を越えると、印加磁界により異方性造粒粉が崩壊しや
すくなるため、最大強度は造粒時の磁界を越えないこと
が好ましい。例えば、スプレードライヤー装置中でスラ
リーを磁界強度1.5kOeで配向しながら造粒した場
合には、消磁処理は最大強度が1.5kOeを越えない
交番減衰磁界中で行うのが、消磁磁界による造粒粉の崩
壊を防止するために好ましい。
度を越えると、印加磁界により異方性造粒粉が崩壊しや
すくなるため、最大強度は造粒時の磁界を越えないこと
が好ましい。例えば、スプレードライヤー装置中でスラ
リーを磁界強度1.5kOeで配向しながら造粒した場
合には、消磁処理は最大強度が1.5kOeを越えない
交番減衰磁界中で行うのが、消磁磁界による造粒粉の崩
壊を防止するために好ましい。
【0036】消磁処理に用いる交番減衰磁界の周波数は
1Hz未満だと造粒粉の2次粒子の回転が起こり消磁が
できず、また、1kHzを越えると1次粒子中の磁壁移
動が不完全となりやはり消磁ができないため、周波数は
1Hz〜1kHzの範囲が好ましい。また、交番減衰磁
界の減衰速度については特に規定しないが、有効な消磁
のためには最大磁界強度が見かけ上ゼロになるまでの時
間が上記の周波数に対応する周期の10倍程度以上であ
ることが好ましい。
1Hz未満だと造粒粉の2次粒子の回転が起こり消磁が
できず、また、1kHzを越えると1次粒子中の磁壁移
動が不完全となりやはり消磁ができないため、周波数は
1Hz〜1kHzの範囲が好ましい。また、交番減衰磁
界の減衰速度については特に規定しないが、有効な消磁
のためには最大磁界強度が見かけ上ゼロになるまでの時
間が上記の周波数に対応する周期の10倍程度以上であ
ることが好ましい。
【0037】この発明において、消磁される造粒粉をソ
レノイドコイル(空芯コイル)の中心に供給するように
限定した理由は、造粒粉の回転を防ぎ、有効な消磁処理
を行うためである。すなわち、ソレノイドコイルの中心
に造粒粉を供給して磁界を印加すると、異方性造粒粉は
ソレノイドコイルの中心軸に沿って針状に配向された状
態で固定される。従って、磁界の向きが交互に変化して
も、造粒粉が回転することなく磁化の向きだけが交互に
変化するため、有効な消磁が行える。
レノイドコイル(空芯コイル)の中心に供給するように
限定した理由は、造粒粉の回転を防ぎ、有効な消磁処理
を行うためである。すなわち、ソレノイドコイルの中心
に造粒粉を供給して磁界を印加すると、異方性造粒粉は
ソレノイドコイルの中心軸に沿って針状に配向された状
態で固定される。従って、磁界の向きが交互に変化して
も、造粒粉が回転することなく磁化の向きだけが交互に
変化するため、有効な消磁が行える。
【0038】この発明による消磁処理後の異方性造粒粉
の残留磁化は10G以下にすることが流動性の点から好
ましい。このような低い残留磁化は、上に述べた有効な
消磁処理を行うことにより容易に達成することができ
る。
の残留磁化は10G以下にすることが流動性の点から好
ましい。このような低い残留磁化は、上に述べた有効な
消磁処理を行うことにより容易に達成することができ
る。
【0039】また、消磁後の造粒粉を、ふるいによって
アンダーカット、オーバーカットすることにより、さら
に極めて流動性に富んだ造粒粉を得ることができる。さ
らに、得られた造粒粉にステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸アルミニウム、ポリエチレングリコール等の潤滑剤を
少量添加すると、流動性をさらに向上させることができ
有効である。
アンダーカット、オーバーカットすることにより、さら
に極めて流動性に富んだ造粒粉を得ることができる。さ
らに、得られた造粒粉にステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸アルミニウム、ポリエチレングリコール等の潤滑剤を
少量添加すると、流動性をさらに向上させることができ
有効である。
【0040】この発明による異方性造粒粉を用いて異方
性焼結磁石を製造する工程、すなわち、成形、焼結、熱
処理等の方法やその条件は、公知の粉末冶金的手段のい
ずれかを採用することができる。以下に好ましい条件の
一例を示す。成形は、公知のいずれの成形方法も採用で
きるが、圧縮成型で行うことが最も好ましい。
性焼結磁石を製造する工程、すなわち、成形、焼結、熱
処理等の方法やその条件は、公知の粉末冶金的手段のい
ずれかを採用することができる。以下に好ましい条件の
一例を示す。成形は、公知のいずれの成形方法も採用で
きるが、圧縮成型で行うことが最も好ましい。
【0041】また、この発明で得られた異方性造粒粉は
個々の造粒粉中の希土類含有合金粉末が極めてよく配向
されているため、磁界を印加して成形する場合、配向に
必要な磁界強度は従来技術による造粒粉に比べて少なく
てよい。例えば、小型モーター等に用いられる薄肉円筒
形状の磁石で、回転中心からの放射線方向に垂直に着磁
して用いるラジアルリングと呼ばれる磁石を成形する場
合、磁気回路上の制約から、成形時の配向磁界強度は2
〜3kOeしか印加することができないが、このような
場合にも、この発明による異方性造粒粉は配向性が優れ
ているため、配向度が高く、大きな表面磁束が得られる
磁石を作製することができる。
個々の造粒粉中の希土類含有合金粉末が極めてよく配向
されているため、磁界を印加して成形する場合、配向に
必要な磁界強度は従来技術による造粒粉に比べて少なく
てよい。例えば、小型モーター等に用いられる薄肉円筒
形状の磁石で、回転中心からの放射線方向に垂直に着磁
して用いるラジアルリングと呼ばれる磁石を成形する場
合、磁気回路上の制約から、成形時の配向磁界強度は2
〜3kOeしか印加することができないが、このような
場合にも、この発明による異方性造粒粉は配向性が優れ
ているため、配向度が高く、大きな表面磁束が得られる
磁石を作製することができる。
【0042】さらに、通常の10kOe程度の配向磁界
においても、本発明による異方性造粒粉の磁界配向にお
ける優位性は明らかであり、原料粉をそのまま成形、焼
結して作製した磁石と同等の残留磁化、および、最大エ
ネルギー積を得ることができる。成形圧力は特に限定し
ないが、0.3〜2.0Ton/cm2が好ましい。
においても、本発明による異方性造粒粉の磁界配向にお
ける優位性は明らかであり、原料粉をそのまま成形、焼
結して作製した磁石と同等の残留磁化、および、最大エ
ネルギー積を得ることができる。成形圧力は特に限定し
ないが、0.3〜2.0Ton/cm2が好ましい。
【0043】この発明において、異方性造粒粉の製造工
程中でバインダーを添加した場合は、成形後の圧粉体を
焼結する前に脱バインダー処理を行うことが好ましい。
脱バインダーの方法としては、真空中で加熱するか、水
素流気中で100〜200℃/hで昇温し、300〜6
00℃で1〜2時間程度保持する等、適宜選択できる。
脱バインダー処理を施すことにより成形体中のバインダ
ー成分が抜け、焼結体中の残留炭素量を低減させること
ができ、磁気特性が向上する。
程中でバインダーを添加した場合は、成形後の圧粉体を
焼結する前に脱バインダー処理を行うことが好ましい。
脱バインダーの方法としては、真空中で加熱するか、水
素流気中で100〜200℃/hで昇温し、300〜6
00℃で1〜2時間程度保持する等、適宜選択できる。
脱バインダー処理を施すことにより成形体中のバインダ
ー成分が抜け、焼結体中の残留炭素量を低減させること
ができ、磁気特性が向上する。
【0044】なお、希土類含有合金粉末は水素を吸収し
易いために、水素流気中での脱バインダー処理後は脱水
素処理を行うことが好ましい。脱水素処理の条件として
は、は、真空中で50〜200℃/hの昇温速度で昇温
し、500〜800℃で1〜2時間程度保持することに
より、吸蔵されていた水素はほぼ完全に除去される。
易いために、水素流気中での脱バインダー処理後は脱水
素処理を行うことが好ましい。脱水素処理の条件として
は、は、真空中で50〜200℃/hの昇温速度で昇温
し、500〜800℃で1〜2時間程度保持することに
より、吸蔵されていた水素はほぼ完全に除去される。
【0045】また、脱水素処理後は引き続いて昇温加熱
して焼結を行うことが好ましく、500℃を越えてから
の昇温速度は任意に選定すればよく、例えば、100〜
300℃/h等、焼結に際して取られる公知の昇温条件
を採用できる。
して焼結を行うことが好ましく、500℃を越えてから
の昇温速度は任意に選定すればよく、例えば、100〜
300℃/h等、焼結に際して取られる公知の昇温条件
を採用できる。
【0046】脱バインダー処理後の成形体の焼結、なら
びに、焼結後の熱処理条件は、選定した希土類含有合金
粉末の組成に応じて適宜選定されるが、例えば、焼結条
件としては1000〜1180℃で1〜2時間、熱処理
条件としては450〜800℃で1〜8時間等が好まし
い。
びに、焼結後の熱処理条件は、選定した希土類含有合金
粉末の組成に応じて適宜選定されるが、例えば、焼結条
件としては1000〜1180℃で1〜2時間、熱処理
条件としては450〜800℃で1〜8時間等が好まし
い。
【0047】
実施例1 Nd13.3at%、Pr0.31at%、Dy0.2
8at%、Co3.4at%、B6.5at%、残部F
e、および不可避的不純物からなる原料を、Arガス雰
囲気中で高周波溶解して、合金を溶製した。次に、該合
金を粗粉砕した後、ジョークラッシャー、および、ディ
スクミルにより420μm以下に粉砕し、さらに、ジェ
ットミル粉砕して平均粒径3μmの粉末を得た。
8at%、Co3.4at%、B6.5at%、残部F
e、および不可避的不純物からなる原料を、Arガス雰
囲気中で高周波溶解して、合金を溶製した。次に、該合
金を粗粉砕した後、ジョークラッシャー、および、ディ
スクミルにより420μm以下に粉砕し、さらに、ジェ
ットミル粉砕して平均粒径3μmの粉末を得た。
【0048】該粉末に、バインダーとしてポリビニルア
ルコールとメチルセルロースの水溶液を、溶質の重量が
粉末に対してそれぞれ0.20wt%、0.05wt%
になるように混合、撹拌し、さらに、スラリー中の水の
含有量が35.0wt%になるように水を加えて撹拌し
た。また、潤滑剤としてグリセリンとステアリン酸をそ
れぞれ粉末にたいして0.05wt%になるように添加
した。スラリーは、スプレードライヤー装置に供給する
直前まで撹拌し、スラリー中の合金粉末の濃度や添加剤
の濃度が均一に保たれるようにした。
ルコールとメチルセルロースの水溶液を、溶質の重量が
粉末に対してそれぞれ0.20wt%、0.05wt%
になるように混合、撹拌し、さらに、スラリー中の水の
含有量が35.0wt%になるように水を加えて撹拌し
た。また、潤滑剤としてグリセリンとステアリン酸をそ
れぞれ粉末にたいして0.05wt%になるように添加
した。スラリーは、スプレードライヤー装置に供給する
直前まで撹拌し、スラリー中の合金粉末の濃度や添加剤
の濃度が均一に保たれるようにした。
【0049】該スラリーを、配向用の磁気回路を有する
スプレードライヤー装置に供給し、窒素ガスの噴射口温
度を100℃、排出口温度を40℃に設定して造粒を行
った。なお、該装置の磁気回路はNiで表面をコーティ
ングしたNd‐Fe‐B系永久磁石とヨーク材からな
り、ギャップ間の磁界強度は2.5kOeであった。
スプレードライヤー装置に供給し、窒素ガスの噴射口温
度を100℃、排出口温度を40℃に設定して造粒を行
った。なお、該装置の磁気回路はNiで表面をコーティ
ングしたNd‐Fe‐B系永久磁石とヨーク材からな
り、ギャップ間の磁界強度は2.5kOeであった。
【0050】次に、得られた異方性造粒粉を最大磁界2
kOeの交番減衰磁界中に入れて消磁を行った。消磁後
の造粒粉を目のひらきが250μmのふるいにかけて粗
粒子を除去し、また、目のひらきが32μmのふるいに
かけて微粒子を除去して、平均粒径82μmの造粒粉を
得た。この操作における歩留まりは86wt%であっ
た。また、この造粒粉の残留磁化は3.2Gであった。
kOeの交番減衰磁界中に入れて消磁を行った。消磁後
の造粒粉を目のひらきが250μmのふるいにかけて粗
粒子を除去し、また、目のひらきが32μmのふるいに
かけて微粒子を除去して、平均粒径82μmの造粒粉を
得た。この操作における歩留まりは86wt%であっ
た。また、この造粒粉の残留磁化は3.2Gであった。
【0051】粒径選別した造粒粉の粉体の流動性は、最
小内径8mmのロート状の管を100gの粉体が自然落
下して通過するまでに要する時間で測定した。造粒粉の
流動性を表1の実施例1に示す。
小内径8mmのロート状の管を100gの粉体が自然落
下して通過するまでに要する時間で測定した。造粒粉の
流動性を表1の実施例1に示す。
【0052】粒径選別した該造粒粉を磁界中プレス機に
設置された給粉機に装填し、縦10mm、横15mm、
深さ50mmの寸法を持つ、立方体形のダイスのキャビ
ティー内に造粒粉を自然落下により給粉し、ついで、1
0mmの辺に平行に10kOeの磁界を印加して造粒粉
を配向しながら、深さ方向に1.5Ton/cm2の圧
力を加えて成形した。20個の成形体を成形したときの
成形体の重量と、高さ方向の寸法の最大値と最小値を表
1の実施例1に示す。
設置された給粉機に装填し、縦10mm、横15mm、
深さ50mmの寸法を持つ、立方体形のダイスのキャビ
ティー内に造粒粉を自然落下により給粉し、ついで、1
0mmの辺に平行に10kOeの磁界を印加して造粒粉
を配向しながら、深さ方向に1.5Ton/cm2の圧
力を加えて成形した。20個の成形体を成形したときの
成形体の重量と、高さ方向の寸法の最大値と最小値を表
1の実施例1に示す。
【0053】成形体を水素雰囲気中で室温から300℃
まで昇温速度100℃/hで加熱する脱バインダー処理
を行い、引き続いて真空中で1100℃まで昇温し、1
時間保持する焼結を行い、さらに、焼結完了後、Arガ
スを導入して7℃/minの速度で800℃まで冷却
し、その後、100℃/hの速度で冷却して、550℃
で2時間保持して時効処理を施して異方性の焼結磁石を
得た。得られた焼結体には、ワレ、ヒビ、変形などは全
く見られなかった。得られた20個の焼結磁石の磁気特
性の平均値を表1の実施例1に示す。
まで昇温速度100℃/hで加熱する脱バインダー処理
を行い、引き続いて真空中で1100℃まで昇温し、1
時間保持する焼結を行い、さらに、焼結完了後、Arガ
スを導入して7℃/minの速度で800℃まで冷却
し、その後、100℃/hの速度で冷却して、550℃
で2時間保持して時効処理を施して異方性の焼結磁石を
得た。得られた焼結体には、ワレ、ヒビ、変形などは全
く見られなかった。得られた20個の焼結磁石の磁気特
性の平均値を表1の実施例1に示す。
【0054】比較例1 実施例1と同様の条件で異方性造粒粉を作製し、消磁処
理を行わずに実施例1と同じ方法で粒径選別を行った。
この操作における歩留まりは81wt%であった。ま
た、粒径選別後の造粒粉の残留磁化は120Gであっ
た。粒径選別した造粒粉の粉体の流動性を表1の比較例
1に示す。粒径選別した該造粒粉を実施例1と同じ方法
で磁界中成形した。20個の成形体を成形したときの成
形体の重量と、高さ方向の寸法の最大値と最小値を表1
の比較例1に示す。
理を行わずに実施例1と同じ方法で粒径選別を行った。
この操作における歩留まりは81wt%であった。ま
た、粒径選別後の造粒粉の残留磁化は120Gであっ
た。粒径選別した造粒粉の粉体の流動性を表1の比較例
1に示す。粒径選別した該造粒粉を実施例1と同じ方法
で磁界中成形した。20個の成形体を成形したときの成
形体の重量と、高さ方向の寸法の最大値と最小値を表1
の比較例1に示す。
【0055】粒径選別した該造粒粉を実施例1と同じ方
法で磁界中成形した。20個の成形体を成形したときの
成形体の重量と、高さ方向の寸法の最大値と最小値を表
1の比較例1に示す。成形体を実施例1と同じ条件で脱
バインダー処理、焼結、および、時効処理を施して焼結
磁石を得た。得られた焼結体には、ワレ、ヒビ、変形な
どは全く見られなかった。得られた20個の焼結磁石の
磁気特性の平均値を表1の比較例1に示す。
法で磁界中成形した。20個の成形体を成形したときの
成形体の重量と、高さ方向の寸法の最大値と最小値を表
1の比較例1に示す。成形体を実施例1と同じ条件で脱
バインダー処理、焼結、および、時効処理を施して焼結
磁石を得た。得られた焼結体には、ワレ、ヒビ、変形な
どは全く見られなかった。得られた20個の焼結磁石の
磁気特性の平均値を表1の比較例1に示す。
【0056】比較例2 実施例1において、ジェットミル粉砕により得られた平
均粒径3μmの原料粉末を、造粒せずにそのまま用いて
焼結磁石を作製した。ジェットミル後の粉体の流動性
は、粉体が全く流れなかったので測定できなかった。ジ
ェットミル後の原料粉末を実施例1と同じ方法で磁界中
成形した。20個の成形体を成形したときの成形体の重
量と、高さ方向の寸法の最大値と最小値を表1の比較例
2に示す。
均粒径3μmの原料粉末を、造粒せずにそのまま用いて
焼結磁石を作製した。ジェットミル後の粉体の流動性
は、粉体が全く流れなかったので測定できなかった。ジ
ェットミル後の原料粉末を実施例1と同じ方法で磁界中
成形した。20個の成形体を成形したときの成形体の重
量と、高さ方向の寸法の最大値と最小値を表1の比較例
2に示す。
【0057】成形体を真空中で1100℃まで昇温し、
1時間保持する焼結を行い、さらに、焼結完了後、Ar
ガスを導入して7℃/minの速度で800℃まで冷却
し、その後、100℃/hの速度で冷却して、550℃
で2時間保持して時効処理を施して異方性の焼結磁石を
得た。得られた20個の焼結磁石の磁気特性の平均値を
表1の比較例2に示す。
1時間保持する焼結を行い、さらに、焼結完了後、Ar
ガスを導入して7℃/minの速度で800℃まで冷却
し、その後、100℃/hの速度で冷却して、550℃
で2時間保持して時効処理を施して異方性の焼結磁石を
得た。得られた20個の焼結磁石の磁気特性の平均値を
表1の比較例2に示す。
【0058】表1の測定結果から明らかなように、この
発明による異方性造粒粉の流動性、および、成形体の寸
法精度は消磁処理を行う前の造粒粉に比べて非常に良好
であり、また、磁界中での配向性が優れているため、実
施例1の条件で成形した焼結磁石の磁気特性は、原料粉
末をそのまま成形焼結した場合の磁気特性と同等の高い
特性が得られることがわかる。
発明による異方性造粒粉の流動性、および、成形体の寸
法精度は消磁処理を行う前の造粒粉に比べて非常に良好
であり、また、磁界中での配向性が優れているため、実
施例1の条件で成形した焼結磁石の磁気特性は、原料粉
末をそのまま成形焼結した場合の磁気特性と同等の高い
特性が得られることがわかる。
【0059】
【表1】
【0060】実施例2 Sm11.9at%、Cu8.8at%、Fe12.6
at%、Zr1.2at%、残部Co、および不可避的
不純物からなる原料を、Arガス雰囲気中で高周波溶解
して、合金を溶製した。次に、談合金を粗粉砕した後、
ジョークラッシャーおよびディスクミルにより420μ
m以下に粉砕し、さらに、ジェットミル粉砕して平均粒
径3μmの粉末を得た。
at%、Zr1.2at%、残部Co、および不可避的
不純物からなる原料を、Arガス雰囲気中で高周波溶解
して、合金を溶製した。次に、談合金を粗粉砕した後、
ジョークラッシャーおよびディスクミルにより420μ
m以下に粉砕し、さらに、ジェットミル粉砕して平均粒
径3μmの粉末を得た。
【0061】該粉末を流動造粒装置の流動槽中に挿入
し、回転する撹拌羽根で撹拌しながら流動槽の下部に設
けられた通気口より窒素ガスを吹き込み、上部の排気口
から排出させて粉末を流動状態に保った。さらに、流動
槽の外部に設けた電磁石に直流電流を流し、流動槽中の
粉末に1.2kOeの磁界を印加して配向した。この状
態では、粉末は針状に配向されながら、なおかつ流動槽
内を激しく流動していた。
し、回転する撹拌羽根で撹拌しながら流動槽の下部に設
けられた通気口より窒素ガスを吹き込み、上部の排気口
から排出させて粉末を流動状態に保った。さらに、流動
槽の外部に設けた電磁石に直流電流を流し、流動槽中の
粉末に1.2kOeの磁界を印加して配向した。この状
態では、粉末は針状に配向されながら、なおかつ流動槽
内を激しく流動していた。
【0062】そこで、流動槽の上部からエタノールに溶
解したポリビニルアルコールの10%溶液を、粉末に対
するバインダー量が0.4%になるまでスプレー噴霧
し、噴霧終了後エタノールが完全に乾くまで磁界印加と
窒素ガスの流気を継続した。この結果、針状に配向され
た粉末はバインダーによる固化、造粒と、撹拌による解
砕を繰り返しながら、徐々に葉巻状の異方性造粒粉に変
化した。
解したポリビニルアルコールの10%溶液を、粉末に対
するバインダー量が0.4%になるまでスプレー噴霧
し、噴霧終了後エタノールが完全に乾くまで磁界印加と
窒素ガスの流気を継続した。この結果、針状に配向され
た粉末はバインダーによる固化、造粒と、撹拌による解
砕を繰り返しながら、徐々に葉巻状の異方性造粒粉に変
化した。
【0063】次に、得られた造粒粉を最大振幅磁界1.
0kOeの減衰振動磁界中に入れて消磁を行った。消磁
後の造粒粉を目のひらきが250μmのふるいにかけて
粗粒子を除去し、また、目のひらきが32μmのふるい
にかけて微粒子を除去して、平均粒粒径84μmの造粒
粉を得た。この操作における歩留まりは87wt%で、
粉体の残留磁化は4.1Gであった。粒径選別した造粒
粉の粉体の流動性は、最小内径8mmのロート状の管を
100gの粉体が自然落下して通過するまでに要する時
間で測定した。造粒粉の流動性を表2の実施例2に示
す。
0kOeの減衰振動磁界中に入れて消磁を行った。消磁
後の造粒粉を目のひらきが250μmのふるいにかけて
粗粒子を除去し、また、目のひらきが32μmのふるい
にかけて微粒子を除去して、平均粒粒径84μmの造粒
粉を得た。この操作における歩留まりは87wt%で、
粉体の残留磁化は4.1Gであった。粒径選別した造粒
粉の粉体の流動性は、最小内径8mmのロート状の管を
100gの粉体が自然落下して通過するまでに要する時
間で測定した。造粒粉の流動性を表2の実施例2に示
す。
【0064】成形体を水素雰囲気中で室温から300℃
まで昇温速度100℃/hで加熱する脱バインダー処理
を行い、引き続いて真空中で1200℃まで昇温し、1
時間保持する焼結を行い、さらに、焼結完了後、116
0℃にて溶体化処理を行い、その後、Arガスを導入し
て800℃から400℃までの多段時効処理を施して異
方性の焼結磁石を得た。得られた焼結体には、ワレ、ヒ
ビ、変形などは全く見られなかった。得られた20個の
焼結磁石の磁気特性の平均値を表2の実施例2に示す。
まで昇温速度100℃/hで加熱する脱バインダー処理
を行い、引き続いて真空中で1200℃まで昇温し、1
時間保持する焼結を行い、さらに、焼結完了後、116
0℃にて溶体化処理を行い、その後、Arガスを導入し
て800℃から400℃までの多段時効処理を施して異
方性の焼結磁石を得た。得られた焼結体には、ワレ、ヒ
ビ、変形などは全く見られなかった。得られた20個の
焼結磁石の磁気特性の平均値を表2の実施例2に示す。
【0065】比較例3 実施例2で作製した異方性造粒粉を、消磁処理せずに実
施例2と同じ方法で粒径選別を行った。この操作におけ
る歩留まりは83wt%であった。粒径選別後の残留磁
化は250Gであった。また、粒径選別した造粒粉の粉
体の流動性を表2の比較例3に示す。粒径選別した該造
粒粉を実施例2と同じ方法で磁界中成形した。20個の
成形体を成形したときの成形体の重量と、高さ方向の寸
法の最大値と最小値を表2の比較例3に示す。
施例2と同じ方法で粒径選別を行った。この操作におけ
る歩留まりは83wt%であった。粒径選別後の残留磁
化は250Gであった。また、粒径選別した造粒粉の粉
体の流動性を表2の比較例3に示す。粒径選別した該造
粒粉を実施例2と同じ方法で磁界中成形した。20個の
成形体を成形したときの成形体の重量と、高さ方向の寸
法の最大値と最小値を表2の比較例3に示す。
【0066】成形体を実施例2と同じ条件で脱バインダ
ー処理、焼結、および、時効処理を施して焼結磁石を得
た。得られた焼結体には、ワレ、ヒビ、変形などは全く
見られなかった。得られた20個の焼結磁石の磁気特性
の平均値を表2の比較例3に示す。
ー処理、焼結、および、時効処理を施して焼結磁石を得
た。得られた焼結体には、ワレ、ヒビ、変形などは全く
見られなかった。得られた20個の焼結磁石の磁気特性
の平均値を表2の比較例3に示す。
【0067】表2の測定結果から明らかなように、この
発明による異方性造粒粉の流動性、および、成形体の寸
法精度は、消磁処理を行わない異方性造粒粉に比べて非
常に良好であることがわかる。
発明による異方性造粒粉の流動性、および、成形体の寸
法精度は、消磁処理を行わない異方性造粒粉に比べて非
常に良好であることがわかる。
【0068】
【表2】
【0069】実施例3 実施例1で作製した、消磁、粒径選別後のNd‐Fe‐
B系異方性造粒粉を用いて、ラジアルリング磁石の成形
を行った。粒径選別した該造粒粉を磁界中プレス機に設
置された給粉機に装填し、外径10mm、内径5mm、
深さ30mmの寸法を持つ、円筒形のダイスのキャビテ
ィー内に造粒粉を自然落下により給粉し、ついで、円筒
の肉厚の厚み方向(ラジアル方向)に2.5kOeの磁
界を印加して造粒粉を配向し、深さ方向に1.5Ton
/cm2の圧力を加えて成形した。20個の成形体を成
形したときの成形体の重量と、高さ方向の寸法の最大値
と最小値を表3の実施例3に示す。
B系異方性造粒粉を用いて、ラジアルリング磁石の成形
を行った。粒径選別した該造粒粉を磁界中プレス機に設
置された給粉機に装填し、外径10mm、内径5mm、
深さ30mmの寸法を持つ、円筒形のダイスのキャビテ
ィー内に造粒粉を自然落下により給粉し、ついで、円筒
の肉厚の厚み方向(ラジアル方向)に2.5kOeの磁
界を印加して造粒粉を配向し、深さ方向に1.5Ton
/cm2の圧力を加えて成形した。20個の成形体を成
形したときの成形体の重量と、高さ方向の寸法の最大値
と最小値を表3の実施例3に示す。
【0070】成形体を水素雰囲気中で室温から300℃
まで昇温速度100℃/hで加熱する脱バインダー処理
を行い、引き続いて真空中で1100℃まで昇温し、1
時間保持する凝結を行い、さらに、焼結完了後、Arガ
スを導入して7℃/minの速度で800℃まで冷却
し、その後、100℃/hの速度で冷却して、550℃
で2時間保持して時効処理を施して異方性の焼結磁石を
得た。得られた焼結体には、ワレ、ヒビ、変形などは全
く見られなかった。得られた20個の焼結磁石をラジア
ル方向に着磁し、外周の表面磁束密度を測定した平均値
を表3の実施例3に示す。
まで昇温速度100℃/hで加熱する脱バインダー処理
を行い、引き続いて真空中で1100℃まで昇温し、1
時間保持する凝結を行い、さらに、焼結完了後、Arガ
スを導入して7℃/minの速度で800℃まで冷却
し、その後、100℃/hの速度で冷却して、550℃
で2時間保持して時効処理を施して異方性の焼結磁石を
得た。得られた焼結体には、ワレ、ヒビ、変形などは全
く見られなかった。得られた20個の焼結磁石をラジア
ル方向に着磁し、外周の表面磁束密度を測定した平均値
を表3の実施例3に示す。
【0071】比較例4 比較例1で作製した、粒径選別後のNd‐Fe‐B系異
方性造粒粉を用いて、ラジアルリング磁石の成形を行っ
た。成形は実施例3と同じ方法で行った。20個の成形
体を成形したときの成形体の重量と、高さ方向の寸法の
最大値と最小値を表3の比較例4に示す。
方性造粒粉を用いて、ラジアルリング磁石の成形を行っ
た。成形は実施例3と同じ方法で行った。20個の成形
体を成形したときの成形体の重量と、高さ方向の寸法の
最大値と最小値を表3の比較例4に示す。
【0072】成形体を実施例3と同じ条件で脱バインダ
ー処理、焼結、および時効処理を施して焼結磁石を得
た。得られた焼結体には、ワレ、ヒビ、変形などは全く
見られなかった。得られた20個の焼結磁石をラジアル
方向に着磁し、外周の表面磁束密度を測定した平均値を
表3の比較例4に示す。
ー処理、焼結、および時効処理を施して焼結磁石を得
た。得られた焼結体には、ワレ、ヒビ、変形などは全く
見られなかった。得られた20個の焼結磁石をラジアル
方向に着磁し、外周の表面磁束密度を測定した平均値を
表3の比較例4に示す。
【0073】比較例5 実施例1において、ジェットミル粉砕により得られた平
均粒径3μmの原料粉末を、造粒せずにそのまま用いて
ラジアルリングの成形を試みた。ジェットミル後の原料
粉末を磁界中プレス機に設置された給粉機に装填し、外
径10mm、内径5mm、深さ30mmの寸法を持つ、
円筒形のダイスのキャビティー内に造粒粉を自然落下に
より給粉しようとしたところ、粉体の流動性が悪いため
に原料粉がキャビティー内に全く落下せず、成形を行う
ことができなかった。
均粒径3μmの原料粉末を、造粒せずにそのまま用いて
ラジアルリングの成形を試みた。ジェットミル後の原料
粉末を磁界中プレス機に設置された給粉機に装填し、外
径10mm、内径5mm、深さ30mmの寸法を持つ、
円筒形のダイスのキャビティー内に造粒粉を自然落下に
より給粉しようとしたところ、粉体の流動性が悪いため
に原料粉がキャビティー内に全く落下せず、成形を行う
ことができなかった。
【0074】表3の測定結果から明らかなように、この
発明による異方性造粒粉の流動性および成形時の寸法精
度は非常に良好であるため、従来の原料粉では成形が困
難か、あるいは不可能であった薄物形状品、小物形状品
等の成形には非常に適しており、また、磁界中での配向
性が優れているため、ラジアルリングの成形のように磁
気回路上の制約から成形時の配向磁界強度が十分に高く
できない場合にも、成形体の高い配向度を実現すること
ができ、磁気特性と寸法精度がともに優れた焼結磁石を
製造できることがわかる。
発明による異方性造粒粉の流動性および成形時の寸法精
度は非常に良好であるため、従来の原料粉では成形が困
難か、あるいは不可能であった薄物形状品、小物形状品
等の成形には非常に適しており、また、磁界中での配向
性が優れているため、ラジアルリングの成形のように磁
気回路上の制約から成形時の配向磁界強度が十分に高く
できない場合にも、成形体の高い配向度を実現すること
ができ、磁気特性と寸法精度がともに優れた焼結磁石を
製造できることがわかる。
【0075】
【表3】
【0076】
【発明の効果】この発明による異方性造粒粉の製造方法
は、磁界中で造粒された残磁を有する異方性造粒粉に、
交番減衰磁界を印加して消磁し、造粒粉の残磁をl0G
以下にすることにより、成形時の粉体の流動性を向上さ
せ、成形体の寸法精度の向上および成形サイクルの短縮
化を図ることができ、かつ、成形時の配向磁界強度が低
いときでも磁気特性の優れた焼結磁石を製造できる。
は、磁界中で造粒された残磁を有する異方性造粒粉に、
交番減衰磁界を印加して消磁し、造粒粉の残磁をl0G
以下にすることにより、成形時の粉体の流動性を向上さ
せ、成形体の寸法精度の向上および成形サイクルの短縮
化を図ることができ、かつ、成形時の配向磁界強度が低
いときでも磁気特性の優れた焼結磁石を製造できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 磁界中で造粒された残磁を有する異方性
造粒粉末に、磁界の最大強度が造粒時に印加された磁界
の強度を越えない交番減衰磁界を印加して消磁し、流動
性の高い造粒粉を得る異方性造粒粉の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、ソレノイド型のコイ
ルにより磁界を発生させ、被消磁造粒粉をコイルの空心
内に供給する異方性造粒粉の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1において、残磁を有する異方性
造粒粉末が希土類含有合金粉末である異方性造粒粉の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8297174A JPH10125521A (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | 異方性造粒粉の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8297174A JPH10125521A (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | 異方性造粒粉の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10125521A true JPH10125521A (ja) | 1998-05-15 |
Family
ID=17843143
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8297174A Pending JPH10125521A (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | 異方性造粒粉の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10125521A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007088206A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Tdk Corp | 希土類焼結磁石の製造方法 |
WO2011125578A1 (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-13 | 日立金属株式会社 | スラリーの再生方法、希土類系焼結磁石の製造方法およびスラリーの再生装置 |
WO2012005143A1 (ja) * | 2010-07-06 | 2012-01-12 | ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 | 磁性粉体の脱磁方法 |
-
1996
- 1996-10-18 JP JP8297174A patent/JPH10125521A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007088206A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Tdk Corp | 希土類焼結磁石の製造方法 |
JP4662046B2 (ja) * | 2005-09-22 | 2011-03-30 | Tdk株式会社 | 希土類焼結磁石の製造方法 |
WO2011125578A1 (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-13 | 日立金属株式会社 | スラリーの再生方法、希土類系焼結磁石の製造方法およびスラリーの再生装置 |
CN102822915A (zh) * | 2010-03-31 | 2012-12-12 | 日立金属株式会社 | 浆液的再生方法、稀土类烧结磁铁的制造方法以及浆液再生装置 |
US9358614B2 (en) | 2010-03-31 | 2016-06-07 | Hitachi Metals, Ltd. | Slurry recycling method, producing method of rare earth sintered magnet and slurry recycling apparatus |
US10807167B2 (en) | 2010-03-31 | 2020-10-20 | Hitachi Metals, Ltd. | Slurry recycling method, producing method of rare earth sintered magnet and slurry recycling apparatus |
WO2012005143A1 (ja) * | 2010-07-06 | 2012-01-12 | ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 | 磁性粉体の脱磁方法 |
JP2012018967A (ja) * | 2010-07-06 | 2012-01-26 | Sony Chemical & Information Device Corp | 磁性粉体の脱磁方法 |
CN102959650A (zh) * | 2010-07-06 | 2013-03-06 | 迪睿合电子材料有限公司 | 磁性粉体的脱磁方法 |
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---|---|---|---|
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