JPH10122816A - 位置検出装置、露光装置及び方法 - Google Patents

位置検出装置、露光装置及び方法

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JPH10122816A
JPH10122816A JP9243250A JP24325097A JPH10122816A JP H10122816 A JPH10122816 A JP H10122816A JP 9243250 A JP9243250 A JP 9243250A JP 24325097 A JP24325097 A JP 24325097A JP H10122816 A JPH10122816 A JP H10122816A
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light
diffraction grating
light beams
frequency
mark
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英夫 水谷
Nobutaka Umagome
伸貴 馬込
Kazuya Ota
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精度な位置検出ができる高性能な位置検出
装置を提供する。 【構成】 レーザ光の光路中に、レーザ光の光路を調整
する光路調整手段(35、16a、16b)を設け、回折
格子に入射する2光束の交差角、干渉縞の位置、方向を
調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘテロダイン干渉
型の位置検出装置に関するものであり、特に半導体製造
装置のウエハ、マスク等の高精度な位置合わせ装置に好
適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子等の微細パターンを高
分解能で半導体のウエハ上に転写する装置として、投影
型露光装置、所謂ステッパーが多用されるようになって
きている。特に、最近はこれにより製造されるLSIの
高密度化が要求されてきており、より微細なパターンを
ウエハ上に転写する必要がある。これに対応するには、
より高精度な位置合わせ(アライメント)が不可欠であ
る。
【0003】そこで、ヘテロダイン干渉法を利用して、
より高精度な位置検出行う装置として、例えば特開昭6
2−261003号公報にて開示されている。この装置
は、僅かに異なる周波数のP偏光とS偏光とを含む光束
を射出するゼーマン効果を利用したゼーマンレーザーを
位置合わせ(アライメント)用の光源としており、この
ゼーマンレーザーからの光束を偏光ビームスプリッター
により、周波数f1 のP偏光と周波数f2 のS偏光との
光束に2分割し、この分割された各光束が各々の反射ミ
ラーを介して、レチクル(マスク)上に形成された回折
格子マークを所定の2方向で照射するように設けられて
いる。
【0004】このマスクには、回折格子マークに隣接し
た位置に窓が設けられており、この回折格子マークを照
射する1部の光束が窓を通してウエハ上に形成された回
折格子マークを所定の2方向で照射する。各回折格子マ
ークを互いに異なる周波数を持つ光束が2方向で照射す
ることにより発生する回折光を、検出系の偏光板を通し
て互いに干渉させて、各々の干渉による2つの光ビート
信号を検出器にて光電検出している。
【0005】そして、各信号の相対的な位相差が、回折
格子マーク上で交差する2光束と基板とのズレ量に対応
するため、検出されたいずれか一方の光ビート信号を基
準信号として、この位相差が零となるように、レチクル
とウエハとを相対的に移動させることにより高精度な位
置検出を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記で述べたゼーマン
レーザー光源から供給される互いに周波数の異なる直交
した2方向の偏光光をそれぞれ分離するための偏光分離
素子の1つである偏光ビームスプリッター等が、今製造
誤差等の要因により、これに入射する偏光光において、
互いに直交する偏光面の方向と偏光ビームスプリッター
の分離できる偏光面の方向とが僅かにズレているとす
る。すると、分離された各光束中には、主偏光成分に対
して垂直な方向に偏光する異なる周波数のノイズ成分を
含んでしまうことになる。
【0007】また、製造誤差なしに上記の装置の光学系
を組み込めたとしても、偏光ビームスプリッター等の偏
光分離素子は、厳密にに言ってP偏光とS偏光とに完全
に分離できないために、図8に示す如く、分離された周
波数の異なる各々の偏光光は、上記と同様にして各々の
主偏光成分(Pf1’、Sf2’)に対して垂直方向に偏光
した異なる周波数のノイズ成分(sf1、pf2)を僅かに
含むことになる。
【0008】このため、先に述べた特開昭62−261
003号公報に開示された装置では、上記の理由によっ
て偏光ビームスプリッターでゼーマンレーザー光源から
の光束を互いに異なる周波数の偏光光に分割した時に、
分割された各々の偏光光(Pf1’、Sf2’)が、これに
対して垂直方向に偏光する異なる周波数のノイズ成分
(sf2、pf1)を僅かに含むことになる。
【0009】このような状況のもとで、基板上に形成さ
れた回折格子マークに2光束を2方向で照射して、この
回折格子マークからの回折光を偏光板等で、2つの回折
光の主偏光方向を揃えて干渉させると、検出器にて光電
検出される光ビート信号には大きな誤差を含んでしま
う。すなわち、偏光ビームスプリッタで分割された各光
路中に異なる周波数のノイズ成分が混在した状態で偏光
板等を介すると、主偏光成分と同方向に偏光する異なる
周波数のノイズ成分が混在して、その時点で光束自体が
ビートしてしまい大きな誤差を含んでしまう恐れがあ
る。
【0010】さらに、直線偏光している光束は、偏光分
離素子(偏光ビームスプリッター等)、反射ミラー等の
光学部材を介すると、厳密に言って楕円偏光に変形する
という問題がある。このため、先に述べた従来の装置で
は、基板上に形成された回折格子マークを2方向で照射
するまでに、各光学部材で引き回しているが、この過程
で、図9に示す如く、例えば周波数f1 の主偏光成分P
ry(f1)に対して垂直なx方向に周波数f1 のノイズ成分
Prx(f1)と、周波数f2 のノイズ成分Nx(f2)に対して
も垂直なy方向に周波数f2 のノイズ成分Ny (f2)とが
発生する。
【0011】これにより、主偏光方向に対して垂直方向
のノイズ成分(Prx(f1)、Nx(f2))を除去することが
可能ではあるものの、主偏光成分Pry(f1)と同方向のノ
イズ成分Ny(f2) を除去することは不可能であるため、
回折格子マークを2方向で照射するまでに、周波数f1
の主偏光成分Pry(f1)と、これと同方向の周波数f2の
ノイズ成分Ny(f2)とがビートしてしまい、位置検出さ
れる光ビート信号には大きな誤差が含まれるという致命
的な問題がある。
【0012】そこで、上記で述べた問題により検出器で
光電検出される2つの回折光について解析してみる。ま
ず、周波数f1 の主偏光成分と、これに対し僅かに含ま
れる周波数f2 のノイズ成分とを有する回折光の振幅D
1 は、
【0013】
【数1】
【0014】と表現でき、一方、周波数f2 の主偏光成
分と、これに対し僅かに含まれるノイズと共に周波数f
1 のノイズ成分を有する回折光の振幅D2 は、
【0015】
【数2】
【0016】と表現できる。但し、振幅D1 の回折光お
いて多く含まれる周波数f1 の主偏光成分の振幅をU1
とし、振幅D1 の回折光において僅かに含まれる周波数
f2 のノイズ成分の振幅をV2 、振幅D2 の回折光にお
いて多く含まれる周波数f2 の主偏光成分の振幅をU2
とし、振幅D2 の回折光において僅かに含まれる周波数
f1 のノイズ成分の振幅をV1 、波数をk1(=2πf1) 、
k2(=2πf1) 、周波数f1 の偏光光が回折格子により回
折を受けたときに生ずる位相の変化をφ1 、周波数f2
の偏光光が回折格子により回折を受けたときに生ずる位
相の変化をφ2 としている。
【0017】上記で得られた(1)式及び(2)式によ
り検出器にて光電検出される光ビート信号の強度Iは以
下の如くなる。
【0018】
【数3】
【0019】この(3)式を展開すると、
【0020】
【数4】
【0021】となる。この(4)式により求められた光
ビート信号は、本来、回折格子の位置の情報を示す位相
成分φ1 +φ2 のみを有する訳であるが、この他にも別
の位相成分、すなわち(φ1 −φ2 )と(−φ1 +φ
2)とを含んでいることが分かる。そこで、U1 、U2
に比して、V1 、V2 が十分小さいとすれば、位相成分
による誤差eは次式にて表現することができる。
【0022】
【数5】
【0023】一例として、前述の偏光ビームスプリッタ
ーにより2分割された各光束に含まれる互いに直交した
方向の偏光成分の光強度比を1:1000( |V2 |
の二乗:|U1|の二乗、|U2 |の二乗:|V1|の二
乗)とし、U1 =U2 、V1=V2 とすると、上式
(5)にによる位相誤差eは、
【0024】
【数6】
【0025】となり、光電検出される光ビート信号は、
無視できない程の誤差を含むことになる。基板上に形成
された回折格子マークに2方向で互いに異なる周波数を
有する2光束を照明し、これにより発生する干渉縞のピ
ッチを1/2となるように、上記の従来技術で述べた装
置は設定されているため、2つの光束と基板との相対的
なズレ量が1/2ピッチとなる毎に、回折格子マークの
位置情報含んだ光ビート信号と参照用の光ビート信号と
による位相差は、2πだけ変化する。すなわち、2つの
光束と基板との相対的なズレ量が位相差に対応し、位相
差として検出できる範囲は、2πとなる。
【0026】そこで、基板上に形成された回折格子マー
クのピッチをPとし、上述の位相誤差eを2つの光束と
基板との相対的なズレ量δに換算すると、次式にて表現
できる。
【0027】
【数7】
【0028】今、回折格子マーク上に形成されているピ
ッチPを10μm として、上述の位相誤差3.6゜をズレ
量δに換算すると、
【0029】
【数8】
【0030】となり、この値は、無視できない大きな誤
差となる。例えば、4メガビットの超LSIを露光する
にあたっては、0.6 〜0.7 μm 程度の線幅の焼付が必要
され、これに対応するための検出器の精度は、総合アラ
イメント誤差を考慮して、0.6 〜0.7 μm 程度の線幅の
少なくとも十分の1(0.06〜0.07μm )が要求される
が、(8)式で求められた誤差では、明らかに4メガビ
ットの超LSIを露光する上での安定したアライメント
が難しくなる。
【0031】以上の如く、今まで無視できたレベルの物
理的現象がアライメント精度に大きな悪影響を及ぼすた
め、位置検出するためのアライメント光学系の構成を十
分に配慮して、高精度なアライメントに対し悪影響を及
ぼす要因を全て除去することが必要である。ところで、
製造上の誤差等が起因して、基板上に形成された回折格
子マークを所定の交差角を持った2方向で照射するはず
の2光束の入射角が各々変化するという問題がある。
【0032】また、基板上に形成された回折格子マーク
を照射する2光束の交差角が所定の値に設定されていた
としても、この回折格子マーク上で干渉して発生する明
暗の干渉縞の発生(配列)方向と回折格子の格子の配列
(ピッチ)方向とが回転方向において相対的にズレてい
るという問題もある。この両者の結果、コントラスト、
信頼性及び安定性の高い光ビート信号を得ることが困難
となり高精度なアライメントが困難となる。
【0033】そこで、本発明は上記の問題点を全て解決
し、信頼性の高い安定した光ビート信号が得られ、高精
度な位置検出ができる高性能な位置検出装置を提供する
ことを目的としている。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、位置検出されるための基板上に形成さ
れた回折格子に、アライメント光学系からの互いに周波
数が異なる2光束を2方向で照射し、該2光束により発
生する回折光を干渉させて、該干渉による光ビート信号
を光電検出する位置検出装置において、前記アライメン
ト光学系は、前記回折格子を照射するための照明光束を
供給する照明光束供給手段と、該照明光束を2分割する
光束分割手段と、前記互いに周波数が異なる2光束を得
るために前記2分割された各光束の周波数を所定の値だ
け変調させる光変調手段と、前記変調した2光束が前記
アライメント光学系の光軸を挟んで進行するようにする
光路調整手段とを有するようにしたものである。
【0035】さらに、前記光路調整手段は、前記基板上
に形成された回折格子を2方向で照射する2光束の交差
角を調整する交差角調整手段と、前記干渉縞が発生する
方向を調整する干渉縞方向調整手段とを有する構成にす
ることによって、基板上に形成された回折格子マークを
照明する2光束の交差角とを調整できるとともに、回折
格子マークに形成される流れるような干渉縞の発生(配
列)方向と回折格子マークの配列(ピッチ)方向との回
転方向における相対的なズレ量を補正することができ
る。
【0036】好ましき構成は、前記光路調整手段が、各
光路の少なくともいずれか一方に傾角可変な平行平面板
を有するようにすることが良い。 〔作 用〕本発明においては、アライメント光を分離し
て各光束を互いに異なる周波数に独立に変調させた後、
光路調整手段を設けることにより、互いに異なる周波数
に変調した2光束は常に分離された状態が維持されて、
アライメント光学系において分離した光路上を各光束が
進行できるように各々光路を調整できるため、検出信号
に悪影響を及ぼすノイズ成分が混在しないようにするこ
とができる。
【0037】したがって、コントラスト及び信頼性の高
い安定した光ビート信号を得ることが保証され、より高
精度なアライメントが実現できる。しかも、この構成に
より2光束の光路が調整できるため、基板上の回折格子
マークを2方向で照明する光束の交差角を調整できるの
みならず、干渉縞の発生(配列)方向と回折格子マーク
の配列(ピッチ)方向との回転方向における相対的なズ
レ量とを調整することができるため、極めて有効であ
る。
【0038】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1実施例による
位置検出装置の概略的な構成を示す図であり、以下この
図を参照しながら詳述する。所定の回路パターンとアラ
イメント用の回折格子マークRMとを有するレチクル
(マスク)1は2次元的に移動可能なレチクルステージ
2に保持されている。レチクル上の各パターンは照明光
学系40から供給される露光光のもとで投影対物レンズ
3によりウエハ(基板)上に結像される。また、ウエハ
上にも上記のレチクル上に形成された回折格子マークR
Mと同様の回折格子マークWMが形成されている。
【0039】さて、ウエハはステップアンドリピート方
式で2次元移動するステージ上に吸着されて、ウエハ上
の1つのショット領域でのレチクル上のパターンの転写
が完了すると、次のショット位置までステッピングされ
る。レチクルステージ2及びウエハステージ5における
x方向、y方向及び回転(θ)方向の位置を独立に検出
するための不図示の干渉計が各ステージについて設けら
れており、各方向における各ステージの駆動は不図示の
駆動モータにより行われる。
【0040】ところで、露光用光学系からの露光光は、
レチクル上方に45゜に斜設されたダイクロイックミラ
ー37等により下方へ反射され、レチクル1を均一に照
明する。そして、均一に照明されたレチクル上のパター
ンは投影レンズ3によりウエハ上にパターンの像を形成
し、転写される。一方、位置検出するためのアライメン
ト光学系(10〜31)については、上記のダイクロイ
ックミラーの上方に設けられており、以下アライメント
光学系について詳述する。
【0041】上記の露光光とは異なる長波長を有するア
ライメント用の照明光は、レーザー光源10から射出し
た後、1/4波長板11により円偏光となる。レンズ1
2を介した光束は、偏光ビームスプリッター13により
互いに同一の光量となるようにP偏光とS偏光との光束
にそれぞれ分割される。偏光ビームスプリッター13を
反射したS偏光の光束は第1音響光変調器15a(以下
単にAOM15aと呼ぶ。)に入射する一方、偏光ビー
ムスプリッター13を透過したP偏光した光束は反射ミ
ラー14を介して第2音響光変調器15b(以下単にA
OM15bと呼ぶ。)に入射する。各AOMはP偏光と
S偏光との光束の相対的な周波数差がΔfとなるよう
に、P偏光の光束の周波数をf1 、S偏光の光束の周波
数をf2 に周波数変調する。
【0042】AOM15aにより周波数f1 に変調した
S偏光の光束は、平行平面板16a、反射ミラー17を
介して偏光ビームスプリッター18へ到達する一方で、
AOM15bにより周波数f2 に変調したP偏光の光束
も平行平面板16bを介してビームスプリッター18へ
到達する。ここで、各平行平面板(16a、16b)は
光路調整手段として機能し、互いに異なる周波数に変調
された2光束が再びビームスプリッター18で合成され
ないように、各々の光束の進行方向に対して傾けられて
配置され、この傾き量を調整できるように設定されてい
る。
【0043】これにより、各AOMにより周波数変調を
受けた2光束の各光路が所定量だけシフトし、分離され
た状態で偏光ビームスプリッター18を通過する。この
偏光ビームスプリッター18はアライメント光学系の瞳
位置近傍に配置されている。尚、各平行平面板(16
a、16b)の機能については後述する。分離された状
態で並列に進行する2光束は、1/2波長板19により
偏光方向が45°回転し、偏光ビームスプリッター20
を介すると、通過方向には各光束中のP偏光成分が、反
射方向には各光束中のS偏光成分がそれぞれ進行する。
【0044】この偏光ビームスプリッター20を透過し
た2光束は、レンズ21により参照用の回折格子22上
にピッチ方向に沿って流れる干渉縞が形成され、この回
折格子22を介した回折光が検出器23にて参照用の光
ビート信号として光電検出される。一方、偏光ビームス
プリッター20を反射した2光束は、リレー系(24
a、24b、25)を介し、アライメント光学系の瞳位
置近傍に設けられたビームスプリッター26に達する。
【0045】そして、ビームスプリッター26を通過し
て並列に進行する2光束は、テレセントリックを維持す
るためにアライメント光学系の光軸に対して傾角可変に
設けられた平行平面板35を通過し、対物レンズ36、
ダイクロイックミラー37を介して、所定の交差角を持
つ2方向でレチクル上の回折格子マークRMを照明す
る。このとき、テレセントリックを維持用の平行平面板
35は、アライメント光学系の瞳空間に配置されてお
り、特にこの瞳位置近傍に配置されることがより好まし
い。
【0046】この平行平面板35は、厚さの厚い粗調整
用の平行平面板と、厚さの薄い微調整用の平行平面板と
を組み合わせた構成を適用しても良い。尚、投影レンズ
3がアライメント光に対して色収差補正されていない際
には、対物レンズ36は、本発明と同一出願人による特
開昭63−283129号公報にて提案した2焦点光学
系で構成されることが望ましい。
【0047】この場合、2焦点光学系に入射する偏光し
た2光束をそれぞれ2成分に分割するために、2焦点光
学系の光学軸に対して、入射光束の偏光方向が傾くよう
に配置する。すると、第1焦点に向けて進行する一方の
光束同士がレチクル上で結像し、第2焦点へ向けて進行
する他方の光束同士がレチクルから外れた位置で結像し
た後、投影レンズ3を介してウエハ上で結像する。
【0048】さて、レチクル1には、図2(A)に示す
如く、回折格子マークRMと並列的にアライメント光透
過用窓PO (以下、透過窓部と呼ぶ。)が設けられてお
り、図2(B)に示す如くこの透過窓部POに対応し
て、レチクル上に形成されている回折格子マークと同ピ
ッチの回折格子マークWMがウエハ上に形成されてい
る。
【0049】このため、アライメント光の一部が、レチ
クル上を所定の交差角を持った2方向でレチクル上の回
折格子マークRMを照明するために、回折格子のピッチ
方向に沿って流れる干渉縞が発生する。この回折格子マ
ークRMにより発生する±1次回折反射光が光軸方向へ
進行するように、2光束の交差角が予め設定されてい
る。
【0050】これにより、回折格子マークRMから発生
する±1次回折光は、再びダイクロイックミラー37、
対物レンズ36を通過した後、平行平面板36、ビーム
スプリッター26、レンズ27、ビームスプリッター2
8を介して、視野絞り32へ達する。この視野絞り32
は、レチクル1と共役な位置に設けられており、具体的
には、図2(C)の斜線に示す如く、レチクル1の回折
格子マークRMからの回折光のみを透過させるように、
回折格子マークRMの位置に対応して開口部SRMが設け
られている。
【0051】このため、視野絞り32を通過した回折格
子マークWMからの回折光は、0次光(正反射光)をカ
ットする空間フィルター33によりフィルタリングされ
て検出器34にてレチクル1の位置情報を含んだ光ビー
ト信号が光電検出される。一方、上記のレチクル上の透
過窓部PO を通過した1部のアライメント光束は、投影
レンズ3を介して、回折格子で形成されたウエハ上の回
折格子マークWMを所定の交差角を持った2方向で照明
し、このマークWMにより発生して光軸上に沿って進行
する±1次回折光が、投影レンズ3、ダイクロイックミ
ラー37、対物レンズ36、平行平面板35、ビームス
プリッター26、レンズ27、ビームスプリッター28
を介して、視野絞り29に達する。
【0052】この視野絞り29は、ウエハ4と共役な位
置に設けられており、具体的には、図2(D)の斜線に
示す如く、ウエハ4の回折格子マークWMからの回折光
のみを透過させるように、回折格子マークWMの位置に
対応して開口部SWMが設けられている。このため、この
視野絞り29を通過した回折格子マークWMからの回折
光は、0次光(正反射光)をカットする空間フィルター
30によりフィルタリングされて検出器31にてウエハ
4の位置情報を含んだ光ビート信号が光電検出される。
【0053】各空間フィルター(30、33)は、アラ
イメント光学系の瞳面と略共役な位置、すなわち投影レ
ンズ3の瞳(射出瞳)と実質的に略共役な位置に配置さ
れ、レチクル、ウエハ上に形成された回折格子マークか
らの0次光(正反射光)を遮断し、±1次回折光(レチ
クル1、ウエハ4の回折格子に対して垂直方向に発生す
る回折光)のみを通すように設定されている。
【0054】また、検出器(31、34)は、対物レン
ズ36、レンズ27を介して、それぞれレチクル1、ウ
エハ4と略共役となるように配置されている。さて、位
置合わせされていない状態でレチクル1、ウエハ4が任
意の位置で停止していると、以上の如き本実施例により
各検出器(23、31、34)から得られる3つの光電
信号は、ともに同周波数Δfの正弦波状の光ビート信号
となり、互いに一定の位相差だけズレている。ここで、
レチクル1及びウエハ4からの各光ビート信号の位相差
(±180゜)は、レチクル1及びウエハ4上のそれぞ
れに形成された回折格子マークの格子ピッチの1/2内
の相対位置ズレ量に一義的に対応している。
【0055】レチクル1とウエハ4とが格子配列方向に
対して相対移動すると、相対位置ズレ量が各回折格子マ
ーク(RM、WM)の格子ピッチ1/2となる毎に同位
相の信号となる。このため、各回折格子マーク(RM、
WM)の格子ピッチ1/2以下の精度でプリアライメン
トし、主制御系51は、サーボ系52により位相差検出
系50で得られた位相差が零となるようにレチクルステ
ージ2もしくはウエハステージ5を2次元移動させて位
置合わせを行うことにより高分解能な位置検出が達成で
きる。
【0056】また、検出器23より得られる参照用の光
ビート信号を基準信号として、この基準信号と各回折格
子マーク(RM、WM)からの各光ビート信号との各々
位相差が零となるように位置合わせを行なっても良い。
また、各AOM(15a、15b)をドライブさせるド
ライブ信号を基準信号として利用することも勿論可能で
ある。
【0057】次に、光電検出される光ビート信号が誤差
を含まないよう構成した本実施例について説明する。図
3に示す如く、アライメント光源10から供給される光
束は、1/4波長板11を介して円偏光となり、偏光ビ
ームスプリッター13を介すると、S偏光とP偏光とに
分離される訳であるが、上記の問題点でも述べたように
分離された各光束(S、P)の偏光方向に対して垂直方
向に偏光するノイズ成分(Δp、Δs)が僅かに含まれ
ているとすると、各AOM(15a、15b)を通過し
た各光束における偏光成分は、互いに同じ周波数変調を
受ける。その後、各光束(Sf1+Δpf1、Pf2+Δsf
2)は、光路調整用の平行平面板(16a、16b)、
反射ミラー17を介して、偏光ビームスプリッター18
に達する。このとき、偏光ビームスプリッター18は、
各主偏光成分を所定方向へ導き、各ノイズ成分(Δpf
1、Δsf2)の殆どが別の方向へ導くため、これを介し
た各光束は実質的に純粋な主偏光成分のみが存在する状
態になる。
【0058】偏光ビームスプリッター18を介した各光
束(Sf1’、Pf2’)は、1/2波長板19を通過する
と、各光束の偏光方向が光軸中心に45°回転し、各主
偏光方向が互いに直交するように偏光ビームスプリッタ
ー20に達する。この偏光ビームスプリッター20によ
り、厳密に言って、周波数f1 の主偏光成分Sf1’は
x、y方向にそれぞれPf1”とSf1”とに分割されるだ
けでなく、分割された各光束中の垂直方向にそれぞれに
周波数f1 のノイズ成分としてΔsf1”とΔpf1”とが
混在することになる。
【0059】一方、周波数f2 の主偏光成分Pf2’も同
様にしてx、y方向にそれぞれPf2”とSf2”とに分割
されるだけでなく、分割された各光束中の垂直方向にそ
れぞれに周波数f2 のノイズ成分としてΔsf2”とΔp
f2”とが混在することになる。このように、偏光ビーム
スプリッター20を透過した2つの光束(Pf1”、Pf
2”)中に、それぞれノイズ成分(Δsf1”、Δsf
2”)が混在することにはなるが、各ノイズ成分(Δsf
1”、Δsf2”)はこれに対応する主偏光成分(Pf
1”、Pf2”)と同周波数であるため、各光束中では光
ビートが起こることがなく、レンズ21、参照用の回折
格子22、検出器23を介し参照信号として光電検出さ
れる。
【0060】この参照用の検出器23により得られる参
照用の光ビート信号は精度的には殆ど悪影響を及ぼす誤
差信号が含まれることなく、信頼性の高い安定した光電
信号である。一方、偏光ビームスプリッター20を反射
した2つの光束(Sf1”、Sf2”)中においても、ノイ
ズ成分(Δpf1”、Δpf2”)が混在した状態で、リレ
ー系(24、25)、ビームスプリッター26、平行平
面板35、対物レンズ36を介して、レチクル上の回折
格子マークRM、及び投影レンズを介してウエハ上の回
折格子マークWMを2方向で照射することになる。
【0061】しかしながら、参照信号と同様に、各光束
のノイズ成分(Δsf1”、Δsf2”)はこれに対応する
主偏光成分(Pf1”、Pf2”)と同周波数であるため、
各光束中ではビートが発生しないため、光電検出される
各信号はレチクル及びウエハの位置情報のみ含む信頼性
の高い安定した信号が得られる。以上の如く、AOM等
により独立に周波数変調した各光束は、再び交わること
なくアライメント光学系の光軸を挟んで対称となるよう
に導かれて、各回折格子マーク(RM、WM)を2方向
で照射しているめ、検出誤差となる異なる周波数の光を
含むことが全くないため非常に有効である。
【0062】また、上記の問題点でも述べたように、本
実施例のアライメント光学系中に配置された各光学部材
により、主偏光成分のみならずノイズ成分が変形して楕
円偏光となることが考えられるが、図3にて示した本実
施例の各光束中において僅かに存在するノイズ成分は、
主偏光成分に対して同周波数であるため、例えば、図4
に示す如く、周波数f1 の主偏光成分Pry(f1)に対して
同方向の同周波数f1のノイズ成分Ny(f1) が存在して
いても、レチクル及びウエハ上に形成された各回折格子
マーク(RM、WM)を照射する前に2光束がビートす
ることなく、各検出器(23、31、34)では信頼性
の高く安定した光ビート信号が得られる。
【0063】次に、光路調整用手段としての各平行平面
板(16a、16b)の機能について説明する。平行平
面板(16a、16b)は先に述べたように、送光系に
おいて誤差信号を含まないように、光束を分離した状態
を確保しているだけでなく、各平行平面板(16a、1
6b)の傾き量に応じて各偏光光の光路が各々シフトさ
せることができるため、この平行平面板(16a、16
b)より後方に設けられたアライメント光学系の光軸を
挟んで並列的に分離された光路に調整することができ
る。
【0064】そこで、本実施例の平行平面板(16a、
16b)による光路調整について詳述する。図5に示す
如きアライメント光学系の瞳面Puは、偏光ビームスプ
リッター18、20が配置されている位置に存在し、こ
の瞳面Puには送光系からの2光束のスポット(BS1
、BS1 )が光軸を挟んで形成される。この瞳の上方
に設けられている一対の平行平面板(16a、16b)
は、図示の如くx、y軸を中心に回転するように設けら
れている。
【0065】瞳面Pu上に形成されるビームスポット
(BS1 、BS1 )は、各平行平面板(16a、16
b)がx軸を中心に傾くとy方向へ移動し、これがy軸
を中心に傾くとx方向に移動する。このため、ウエハあ
るいはレチクル上に形成された回折格子マーク(WM、
RM)上を2方向で照射する2光束の交差角を調整する
ことができる。
【0066】各回折格子マーク(WM、RM)を2方向
で照射する2光束の交差角θは、この回折格子マーク
(WM、RM)上を2方向で照射する2光束の入射角
(α、β)の和であるため、レーザー光源の波長をλ、
回折格子のピッチをP、入射角αで回折格子を照射する
光束により発生する回折光の次数n1 (n1 >0)、入
射角βで回折格子を照射する光束により発生する回折光
の次数n2 (n2<0)とすると、次式の如く、一義的
に決定される。
【0067】
【数9】
【0068】このため、所定の交差角θに応じて、各平
行平面板(16a、16b)を、y軸を中心に傾けて、
瞳面Pu上の各ビームスポット(BS1 、BS1)をx
方向に調整してやれば良い。したがって、単に各平行平
面板(16a、16b)の傾きを変化させるだけで、異
なるピッチPの回折格子マーク(WM、RM)に応じて
適切な交差角に調整することが可能であるため極めて有
効である。
【0069】しかしながら、この交差角θが調整されて
いても、図6(A)に示す如く、実線で示す干渉縞IF
の発生(配列)方向と、破線で示す回折格子マーク(W
M、RM)の配列(ピッチ)方向とが回転方向において
大きくズレていると、正確な位置情報を含む高いコント
ラストの光ビート信号を得ることができない。このた
め、各方向が平行となるように、瞳面Puで形成される
ビームスポット(BS1、BS2 )の位置を移動させ
て、干渉縞IFの発生(配列)方向をさらに調整する必
要がある。
【0070】回折格子マーク(WM、RM)上で形成さ
れる流れる干渉縞IFは、瞳面Puでの2つのビームス
ポット(BS1 、BS2 )を結ぶ直線に対して垂直方向
に形成される。このため、例えば図6(B)に示す如
く、所定の交差角を維持しながら、2つのビームスポッ
ト(BS1 、BS2 )を結ぶ直線に対して垂直方向が回
折格子マーク(WM、RM)の格子方向となるように、
平行平面板16aを、x、y軸を中心としてそれぞれ傾
けて、ビームスポットBS1 をx方向へΔXだけ移動さ
せるとともに、y方向へΔYだけ移動させてBS1 ’の
位置に補正してやれば良い。
【0071】また、干渉縞IFの発生(配列)方向と、
回折格子マーク(WM、RM)の配列(ピッチ)方向と
が回転方向において僅かにズレていれば、例えば図6
(C)に示す如く、1次元的に平行平面板16aを、x
軸を中心として傾けて、ビームスポットBS1 をy方向
へΔYだけ移動させてBS1 ”の位置に補正しても良
い。
【0072】このように、少なくとも一方の平行平面板
(16a、16b)を2次元的に傾けてやれば、所定の
交差角を維持しながら、干渉縞IFの発生(配列)方向
と回折格子マーク(WM、RM)の配列(ピッチ)方向
とを一致させることができるため有効である。これを自
動的に行うためは、交差角を合わせるための平行平面板
(16a、16b)の傾きと、干渉縞の発生方向と回折
格子マークの配列方向とを合わせるための平行平面板
(16a、16b)の傾きとをフィートバック制御する
ことが好ましい。
【0073】具体的には、例えば、交差角を調整する際
には、光電検出される光ビート信号のコントラストが最
大となるように、上記の如く平行平面板(16a、16
b)を傾きを制御し、干渉縞の発生方向と回折格子マー
クの配列方向を調整する際にも、光電検出される光ビー
ト信号のコントラストが最大となるように、上記の如く
平行平面板(16a、16b)の傾きを制御すれば、両
者のズレを補正することができる。
【0074】このように、本実施例では、光路調整とし
て2次元的に傾角可変な平行平面板をアライメント光学
系中に配置したが、この平行平面板を少なくともいずれ
か一方の光路中に設けても良い。また、この平行平面板
の数には制限なく、各光路中に1次元方向に対して傾角
可変な平行平面板をアライメント光学系中に複数枚設け
ても良い。
【0075】尚、図6(B)及び図6(C)では2つの
ビームスポットが僅かに光軸から離れているが、検出さ
れる光ビート信号には全く影響はない。また、干渉縞I
Fの発生(配列)方向と回折格子マーク(WM、RM)
の配列(ピッチ)方向との回転方向におけるズレ量を補
正するために、アライメント光学系中にイメージローテ
ータを配置した構成を適用しても良い。
【0076】次に、本実施例の変形例について図7を参
照しながら説明する。本実施例において先に図1と同様
な部材には同じ符合を付してある。レーザー光源10か
ら射出した光束は、1/4波長板11、レンズ12を介
して偏光ビームスプリッター13ににより各々2分割さ
れ、各AOM(15a、15b)により互いに異なる周
波数に変調される。
【0077】AOM15aを介し周波数f1 に変調した
S偏光光は、反射ミラー17を介して、プリズム61に
達する。一方、AOM15bを介し周波数f2 に変調し
たP偏光光、1/2波長板60によりS偏光光となり、
プリズム60に達する。このプリズム61は瞳位置近傍
に配置され、AOM15aを介し周波数f1 の光束を透
過させる部分透過面61bと、AOM15bを介し周波
数f2のS偏光光を反射させるような蒸着等で構成され
る部分反射面61aとを有するように構成されている。
【0078】そして、このプリズム61を介した互いに
異なる周波数の各々のS偏光光は、1/2波長板19を
通過する。このとき、各光束の偏光方向は揃っているた
め、この1/2波長板19を回転させれば、偏光ビーム
スプリッター20により、参照信号検出系とレチクル1
とウエハ4を照射する送光系とに供給される各々の光束
の光量を調節することができる。
【0079】このとき、検出器23で光電検出するため
の参照光として必要とされる光量はそれぼど多くなくて
も十分であるため、1/2波長板19の回転量を調整し
て、多くの光量を有する光束を各回折格子マーク(R
M、WM)に供給することができる。また、偏光ビーム
スプリッター13の代わりにビームスプリッターを配置
し、プリズム61の部分反射面61aを金属膜で構成す
れば、このプリズム61に入射する光束の偏光面は揃っ
ているため、1/2波長板を60を不要とすることがで
きる。
【0080】このとき、このビームスプリッターはレー
ザー光源10からの光束を2分割して、これにより分割
された各光束を各AOM(15a、15b)により独立
に周波数変調しているため、互いに異なる周波数の各光
束中に同周波数の偏光成分が混在していても光電検出さ
れる光ビート信号に悪影響を及ぼすことはない。つま
り、各光束は、異なる周波数を有する光束成分を含まず
分離された状態を維持されているため、ビートすること
なく各回折格子マーク(RM、WM)を2方向で照射す
ることができる。
【0081】尚、本発明は上記で述べた実施例に限るも
のではなく、本発明と同一出願人による特開昭60−1
30742号公報にて提案した如く、レチクルを介さず
に投影レンズを通してアライメント光をウエハ上の回折
格子マークに2方向で照射できるような構成を適用して
も良く、またプロミキシティ方式にも適用することがで
きる。
【0082】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、互いに異
なる周波数に変調された各々の光束中に別の周波数の光
束成分を含まないような構成としているので、各光束を
レチクル及びウエハ上に形成された回折格子マークに送
光する過程で、光がビートする要因を除去することが達
成できる。これにより、光電検出される光ビート信号
は、純粋にレチクル及びウエハの位置の情報のみを有し
ているため、常に高精度なアライメントが保証される。
【0083】しかも、回折格子マークを2方向で照射す
る2光束の交差角を調整できるのみならず、この2光束
により発生する干渉縞の縞方向と回折格子の格子方向と
の回転方向におけるズレを補正できるため、コントラス
ト、安定性、信頼性の高い光ビート信号を検出できるた
め、高精度な位置検出が実現できる。また、AOM等を
利用して各回折格子マークを2方向で照明する2光束に
大きな周波数差を与えることができるため、スループッ
トの向上が図れるとともに、高分解能な位置検出が実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による投影露光装置の概略的な
構成を示す図、
【図2】(A)はレチクル上の回折格子マークRMの形
状を示す平面図、(B)はウエハ上の回折格子マークW
Mの形状を示す平面図、(C)はレチクル上の回折格子
マークRMからの回折光を得るための視野絞りの平面
図、(D)はウエハ上の回折格子マークWMからの回折
光を得るための視野絞りの平面図、
【図3】はアライメント光学系のみを示す図、
【図4】は主偏光成分とこれと同周波数のノイズ成分と
が楕円偏光している様子を示す図、
【図5】は光路調整手段の機能を模式的に示す図、
【図6】(A)は干渉縞と各回折格子マークとが大きく
ズレている様子を示す図、(B)は干渉縞と各回折格子
マークとの方向が補正されて一致している様子を示す
図、(C)は僅かにズレていた干渉縞と各回折格子マー
クとの方向を補正した様子を示す図、
【図7】は本実施例の変形例による投影露光装置の概略
的な構成を示す図、
【図8】は偏光ビームスプリッタの機能を示す図、
【図9】は主偏光成分とこれと異なる周波数のノイズ成
分とが楕円偏光している様子を示す図である。
【符号の説明】
10…光源 13…偏光ビームスプリッタ 15a…第1音響光変調器 15b…第2音響光変調器 16a、16b…平行平面板 18…偏光ビームスプリッタ(ビームスプリッタ)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】位置検出装置、露光装置及び方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】また、製造誤差なしに上記の装置の光学系
を組み込めたとしても、偏光ビームスプリッター等の偏
光分離素子は、厳密に言ってP偏光とS偏光とに完全に
分離できないために、図8に示す如く、分離された周波
数の異なる各々の偏光光は、上記と同様にして各々の主
偏光成分(Pf1’、Sf2’)に対して垂直方向に偏光し
た異なる周波数のノイズ成分(sf1、pf2)を僅かに含
むことになる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】と表現できる。但し、振幅D1 の回折光に
おいて多く含まれる周波数f1 の主偏光成分の振幅をU
1 とし、振幅D1 の回折光において僅かに含まれる周波
数f2 のノイズ成分の振幅をV2 、振幅D2 の回折光に
おいて多く含まれる周波数f2 の主偏光成分の振幅をU
2 とし、振幅D2 の回折光において僅かに含まれる周波
数f1 のノイズ成分の振幅をV1 、波数をk1(=2πf1)
、k2(=2πf1) 、周波数f1 の偏光光が回折格子によ
り回折を受けたときに生ずる位相の変化をφ1 、周波数
f2 の偏光光が回折格子により回折を受けたときに生ず
る位相の変化をφ2 としている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】本発明は、上記目的を達成するために、位
置検出されるための基板上に形成された回折マークに、
アライメント光学系からの互いに周波数が異なる2光束
を2方向から照射し、該2光束により発生する回折光を
干渉させて、該干渉による光ビート信号を光電検出する
位置検出装置において、回折マークを照射するための照
明光束を供給する照明光束供給手段と;照明光束を2分
割するとともに、該2分割された各光束の周波数を所定
の値だけ変調させる光変調手段と;変調した2光束をア
ライメント光学系の光軸を挟んで進行させるとともに基
板上に形成された回折マークを2方向から照射する2光
束の交差角を調整する光路調整手段とを有することとし
た。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】また、位置検出される基板上に形成された
回折マークに異なる2方向から2つの照明光束を照射す
るアライメント光学系と、回折マークからの回折光を受
光する受光手段とを有し、受光手段からの信号に基づい
て基板の位置を検出する位置検出装置において、2光束
の周波数を所定量だけ変調させる光変調手段と;2光束
の交差角を調整する調整手段とを有することとした。ま
た、マスクのパターンを基板上に露光する露光装置にお
いて、アライメント光を供給する光源システムと;アラ
イメント光を2つに分割するとともに、該2つのアライ
メント光の周波数を互いに異ならせる周波数変調部材
と;2つのアライメント光を異なる2方向から基板上に
形成された回折マークに照射する照射光学系と;2つの
アライメントの照射により回折マークから発生する回折
光を干渉させて、該干渉による光ビート信号を光電検出
する位置検出装置と;回折マークを照射する2つのアラ
イメント光の交差角を調整する光路調整部材とを有する
こととした。また、マスクのパターンを基板上に露光す
る露光方法において、互いに周波数の異なる2つのアラ
イメント光を異なる2方向から基板上に形成されたアラ
イメントマークに照射し、前記アライメントマークから
発生する回折光を干渉させて、該干渉による光ビート信
号を光電検出することと;回折マークを照射する2つの
アライメント光の交差角を調整することとした。また、
位置検出されるための基板上に形成された回折マークか
らの回折光を干渉させて、該回折マークを検出するマー
ク検出方法において、アライメント光学系からの2光束
を前記回折マークに2方向から照射することと;互いに
周波数の異なる2光束を得るために、2光束の各光束の
周波数を所定量だけ変調させることと;2光束を前記ア
ライメント光学系の光軸を挟んで進行させることとを有
することとした。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】AOM15aを介し周波数f1 に変調した
S偏光光は、反射ミラー17を介して、プリズム61に
達する。一方、AOM15bを介し周波数f2 に変調し
たP偏光光、1/2波長板60によりS偏光光となり、
プリズム61に達する。このプリズム61は瞳位置近傍
に配置され、AOM15aを介し周波数f1 の光束を透
過させる部分透過面61bと、AOM15bを介し周波
数f2のS偏光光を反射させるような蒸着等で構成され
る部分反射面61aとを有するように構成されている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】このとき、検出器23で光電検出するため
の参照光として必要とされる光量はそれぼど多くなくて
も十分であるため、1/2波長板19の回転量を調整し
て、多くの光量を有する光束を各回折格子マーク(R
M、WM)に供給することができる。また、偏光ビーム
スプリッター13の代わりにビームスプリッターを配置
し、プリズム61の部分反射面61aを金属膜で構成す
れば、このプリズム61に入射する光束の偏光面は揃っ
ているため、1/2波長板60を不要とすることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 和哉 東京都品川区西大井1丁目6番3号 株式 会社ニコン大井製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】位置検出されるための基板上に形成された
    回折マークに、アライメント光学系からの互いに周波数
    が異なる2光束を2方向で照射し、該2光束により発生
    する回折光を干渉させて、該干渉による光ビート信号を
    光電検出する位置検出装置において、 前記アライメント光学系は、前記回折格子を照射するた
    めの照明光束を供給する照明光束供給手段と;前記照明
    光束を2分割するとともに、該2分割された各光束の周
    波数を所定の値だけ変調させる光変調手段と ;前記変
    調した2光束を前記アライメント光学系の光軸を挟んで
    進行させるとともに、前記基板上に形成された回折マー
    クを2方向で照射する2光束の交差角を調整する光路調
    整手段とを有することを特徴とする位置検出装置。
  2. 【請求項2】前記光路調整手段は、各光路の少なくとも
    いずれか一方に傾角可変な平行平面板を有することを特
    徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
  3. 【請求項3】位置検出される基板上に形成された回折マ
    ークに異なる2方向から2つの照明光束を照射するアラ
    イメント光学系と、前記回折マークからの回折光を受光
    する受光手段とを有し、前記受光手段からの信号に基づ
    いて前記基板の位置を検出する位置検出装置において、 前記アライメント光学系は、前記2光束の周波数を所定
    量だけ変調させる光変調手段と;前記2光束の交差角を
    調整する調整手段とを有することを特徴とする位置検出
    装置
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005116577A1 (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Nikon Corporation 結像光学系の調整方法、結像装置、位置ずれ検出装置、マ-ク識別装置及びエッジ位置検出装置
US7528954B2 (en) 2004-05-28 2009-05-05 Nikon Corporation Method of adjusting optical imaging system, positional deviation detecting mark, method of detecting positional deviation, method of detecting position, position detecting device and mark identifying device
CN103776377A (zh) * 2014-02-14 2014-05-07 中国北方车辆研究所 一种能同时检测观瞄设备热像和可见光零位的装置

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