JPH10120788A - ポリサルファイド重合体 - Google Patents

ポリサルファイド重合体

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JPH10120788A
JPH10120788A JP8297799A JP29779996A JPH10120788A JP H10120788 A JPH10120788 A JP H10120788A JP 8297799 A JP8297799 A JP 8297799A JP 29779996 A JP29779996 A JP 29779996A JP H10120788 A JPH10120788 A JP H10120788A
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polysulfide polymer
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polysulfide
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Tatsuro Matsui
達郎 松井
Kazuhisa Sakae
一久 榮
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Toray Thiokol Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】繰り返し単位中の硫黄の平均結合数が2を越え
て6以下でり、室温において液状を呈する安定なポリサ
ルファイド重合体を提供すること。それにより、従来よ
りも一層の耐油性、耐薬品性、耐候性、ガスバリヤー性
を要する用途開発への展開を可能とすること。 【解決手段】下記の一般式(1)で示されるポリサルフ
ァイド重合体 R2 SR1 (SxR1 )nSR2 (1) (但しxは平均1.7以上2以下である。nは1から5
0までの整数。R1 は炭素数2〜10のアルキレン基及
び/又は炭素数2〜10のオキシアルキレン基及び/又
は酸素数が2〜20のポリオキシアルキレン基。R2
SHを含まず、水酸基、ビニル基、シリル基より選ばれ
た少なくとも1種の官能基を有する。)に硫黄を主鎖中
に付加してなる、xが平均2を越えて6以下である上記
一般式(1)で示されるポリサルファイド重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繰り返し単位中の
硫黄の平均結合数が2を越えて6以下で繰り返されるポ
リサルファイド重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な液状のポリサルファイド
重合体の繰り返し単位中の硫黄の結合数は2以下であ
り、2を越えるものは結合数2の硫黄に比して不安定で
あり、末端のSH基の硬化剤となって安定な液状のポリ
サルファイド重合体ではなかった。特公昭43−883
4号公報には、末端SH基ポリサルフアィド重合体に硫
黄を反応させることによって繰り返し単位中の硫黄の平
均結合数が2を越えるポリスルサアィド重合体を得るこ
とが記載しているが、得られたポリスルサアィド重合体
を大気に曝すと硫化水素を発生して高粘性物質に転化し
ていき、工業的な利用価値は皆無であった。また、特公
昭41−19514号公報においては、末端SH基のポ
リサルフアィド重合体の硫黄との反応前、中、後にp−
フォルムアルデヒドを添加してSH基を被覆することが
提案されているが、この方法は、生成物にフォルムアル
デヒドの臭いがひどく又それ自体も縮合して高分子量体
となり、工業的な利用価値は皆無であった。
【0003】一方ポリサルファイドゴムは優れたゴム弾
性、耐油性、耐薬品性、耐候性、接着性、低温特性、ガ
スバリヤー性を持つことからゴムローラ、ゴムホース、
コーティング材、シール材、バインダー等に古くから使
われていた。これらの特徴は硫黄の含有量によって支配
されるが、液状のポリサルファイド重合体では硫黄の結
合数が2以下でありその性能が不十分の場合が多々あっ
た。
【0004】固形のポリサルファイド重合体は、合成時
に硫黄の平均結合数が2以上6以下の多硫化アルカリを
原料として使用することによって容易に硫黄の平均結合
数が2を超えて6以下の重合体が得られるが、常温で固
体であるがために用途が大幅に限定されてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繰り
返し単位中の硫黄の平均結合数が2を越えて6以下であ
り、室温において液状を呈する安定なポリサルファイド
重合体を提供することにある。それにより、従来よりも
一層の耐油性、耐薬品性、耐候性、ガスバリヤー性を要
する用途開発への展開を可能とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討の
結果、本発明の目的は、下記の本発明によって工業的に
有利に達成された。
【0007】[1]下記の一般式(1)で示されるポリ
サルファイド重合体 R2 SR1 (Sx 1 n SR2 (1) (但しxは平均1.7以上2以下である。nは1から5
0までの整数。
【0008】R1 は炭素数2〜10のアルキレン基及び
/又は炭素数2〜10のオキシアルキレン基及び/又は
酸素数が2〜20のポリオキシアルキレン基。R2 はS
Hを含まず、水酸基、ビニル基、シリル基より選ばれた
少なくとも1種の官能基を有する。)に硫黄を主鎖中に
付加してなる、xが平均2を越えて6以下の上記一般式
(1)で示されるポリサルファイド重合体。
【0009】[2]分子量が200〜15,000であ
り、室温において液状を呈することを特徴とする上記
[1]記載のポリサルファイド重合体。
【0010】[3]一般式(1)のR1 が下記式(2)
で示されるものであることを特徴とする上記[1]もし
くは上記[2]に記載のポリサルファイド重合体。
【0011】 −C2 4 OCn 2nOC2 4 − (2) (但しnは1〜2の整数である。) 本発明の最大の特徴は、末端基がSHを含まず、水酸
基、ビニル基、およびシリル基より選ばれた少なくとも
1種の官能基であるポリサルファイド重合体に硫黄を主
鎖中に付加して、繰り返し単位中の硫黄の平均結合数が
2を越えて6以下で繰り返される、安定なポリサルファ
イド重合体を取得した点にある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
【0013】本発明において、原料であるポリサルファ
イド重合体は、一般式(1)で示されるものが使用され
るが、一般式(1)のR1 が下記式(2)で示されるも
のが特に好ましく使用される。
【0014】 −C2 4 OCn 2nOC2 4 − (2) (但しnは1〜2の整数である。) 末端基が水酸基であるポリサルファイド重合体は末端基
がSH基であるポリサルファイド重合体に酸化エチレン
又は酸化プロピレン等の酸素原子含有環状エーテル化合
物を付加することにより容易に得られる。又末端基がS
H基であるポリサルファイド重合体に2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト等のビニル基と反応させることによっても容易に得ら
れる。
【0015】末端基がビニル基であるポリサルファイド
重合体は末端基がSH基であるポリサルファイド重合体
にビニル基を有する有機化合物例えばアリルクロライド
及び反応させるのと当モルのトリエチルアミン等の3級
アミンを添加することで容易に得られる。又末端基がS
H基であるポリサルファイド重合体にジアクリレートを
付加させることによっても容易に得られる。
【0016】末端基がシリル基であるポリサルファイド
重合体は末端基がSH基又はOH基であるポリサルファ
イド重合体にシリル基を有する有機化合物例えば3−イ
ソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシア
ネートシラン、エポキシシラン等の付加反応をさせるこ
とにより容易に得られる。
【0017】本発明おいては、末端に水酸基、ビニル
基、シリル基より選ばれた少なくとも1種の官能基を有
するポリサルファイド重合体にアルカリ触媒下硫黄を添
加して温度40〜110℃、好ましくは60〜95℃、
反応時間10分〜9時間、好ましくは1〜3時間処理す
ることによって、繰り返し単位中の平均硫黄の結合数が
2を越えて6以下のポリサルファイド重合体が得られ
る。ここでアルカリ触媒はトリエチルアミン等のアミン
類、陰イオン性交換樹脂等が使われる。使用される触媒
量は重合体100重量部に対して0.02〜5.0重量
部、好ましくは0.1〜2.0重量部である。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。。
【0019】[実施例1]ポリサルファイドポリマ(東
レチオコール(株)製、商品名LP3)にアルカリ触媒
下酸化エチレンを2.45倍モル反応させて末端をSH
基からOH基に変換した。このポリマ75グラムに、硫
黄粉末22グラムとトリエチルアミン0.13グラムを
200mlのガラス容器に入れて混ぜ、90℃で4時間
混合を続行して赤褐色の透明液体を得た。この原料OH
末端のポリサルファイド重合体の25℃の粘度は27ポ
イズであったのに対して、生成物の粘度は89ポイズで
あった。この生成物は1カ月室温に保存していても硫黄
の析出および増粘はなかった。又この生成物は無臭であ
った。一方反応時間1時間経過したものは当初は透明の
赤褐色液体であったが、室温1週間で硫黄が析出してい
た。OH基に変換されていないポリサルファイドポリマ
(東レチオコール(株)製商品名LP3)を上記の方法
で処理したものは硫化水素臭がし、著しく増粘した。
【0020】[実施例2]ポリサルファイドポリマ(東
レチオコール(株)製、商品名LP3)を等モルのトリ
エチルアミン及び過剰のアリルクロライドを添加して反
応させ、アミン塩酸塩を濾過除去後過剰のアリルクロラ
イドを減圧蒸留して除去してビニル末端ポリサルファイ
ドポリマを得た。このポリマ30グラムに粉末硫黄9グ
ラムとトリエチルアミン0.2グラム添加後90℃で1
時間反応させたところ、無臭の硫黄結合数が4の赤褐色
透明液体のビニル末端ポリサルファイドポリマが得られ
た。硫黄の添加反応前後の25℃でのポリマ粘度は反応
前が8.3ポイズ対して反応後が36.6ポイズであっ
た。この生成物は1カ月室温に保存していても硫黄の析
出および増粘はなかった。
【0021】[実施例3]ポリサルファイドポリマ(東
レチオコール(株)製、商品名LP3)にアルカリ触媒
下酸化エチレンを2.45倍モル反応させて末端をSH
基からOH基に変換した。得られたポリマに、このポリ
マのOH末端基と1.05倍モルの3−イソシアネート
プロピルトリエトキシシランを触媒として少量のトリエ
チールアミンを使用して反応させ、減圧蒸留して過剰の
3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランを除去
して末端がシリル基のポリサルファイドポリマを得た。
このポリマ50グラムに粉末硫黄10.2グラムとトリ
エチールアミン0.1グラム添加後90℃で4時間反応
させたところ、無臭の硫黄結合が4の赤褐色透明液体の
シリル末端ポリサルファイドポリマが得られた。硫黄の
添加反応前後の25℃でのポリマ粘度は反応前が10ポ
イズ対して反応後が50ポイズであった。この生成物は
1カ月室温に保存していても硫黄の析出および増粘はな
かった。
【0022】
【発明の効果】本発明の繰り返し単位中の硫黄の平均結
合数が2を越えて6以下であるポリサルファイド重合体
は、上記特定の末端基を有するポリサルファイド重合体
に硫黄を直接付加させることにより得られ、液状でより
安定なポリサルファイドであり、コーティング剤、バリ
ヤー剤、接着剤、シーリング剤や、合成ゴムの改質剤、
硫黄の結合数が多いことによりゴムの加硫剤、水素化脱
硫触媒の活性化剤、触媒活性調整剤、極圧剤等への利用
が考えられる。
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】末端基がシリル基であるポリサルファイド
重合体は末端基がSH基又はOH基であるポリサルファ
イド重合体シリル基を有する有機化合物例えば3−イ
ソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシア
ネートシラン、エポキシシラン、ビニルシラン、アクリ
ルシラン、およびメタアクリルシラン等との付加反応、
および末端基がメルカプトアルカリ金属塩であるポリサ
ルファイド重合体(−SH基の代わりに例えば−SNa
基、−SK基を有しているポリサルファイド重合体)と
ハロゲン化アルキルシランとの反応により容易に得られ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(1)で示されるポリサルフ
    ァイド重合体 R2 SR1 (SxR1 )nSR2 (1) (但しxは平均1.7以上2以下である。nは1から5
    0までの整数。R1 は炭素数2〜10のアルキレン基及
    び/又は炭素数2〜10のオキシアルキレン基及び/又
    は酸素数が2〜20のポリオキシアルキレン基。R2
    SHを含まず、水酸基、ビニル基、シリル基より選ばれ
    た少なくとも1種の官能基を有する。)に硫黄を主鎖中
    に付加してなる、xが平均2を越えて6以下の上記一般
    式(1)で示されるポリサルファイド重合体。
  2. 【請求項2】分子量が200〜15,000であり、室
    温において液状を呈することを特徴とする請求項1記載
    のポリサルファイド重合体。
  3. 【請求項3】一般式(1)のR1 が下記式(2)で示さ
    れるものであることを特徴とする請求項1もしくは請求
    項2に記載のポリサルファイド重合体。 −C2 4 OCn 2nOC2 4 − (2) (但しnは1〜2の整数である。)
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